JP3062535U - 打込ピン付アンカ―ボルト用打込補助具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本考案はコンクリートの下穴に打込ピン付ア
ンカーボルトが簡単にセットできると共に打込ピンの頭
が曲がらずに打ち込まれて下穴へ確実に固定することが
出来る打込ピン付アンカーボルト用打込補助具を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 握り部１の一端に先端軸２を設け、その
先端に鍔部３を設け、且つこの鍔部３の先端面中央に皿
状の凹部４を形成すると共に鍔部３の外周に打込ピンの
太さに応じた切欠溝５を複数個設ける構造とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案はコンクリートの下穴に打込ピン付アンカーボルトをセットする際に用 いる打込ピン付アンカーボルト用打込補助具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、コンクリートの下穴に打込ピン付アンカーボルトを取付ける場合には、前 記下穴に適した大きさのアンカーボルトを用意し、そのアンカーボルトを手で下 穴にセットする。そしてアンカーボルトのワッシャがコンクリート表面に密着す るようにスリーブを押し込み、その後、打込ピンをハンマーなどで叩いて打ち込 むと共に打込ピンの先端部がスリーブの内部を貫通して突出することにより、ス リーブの先端が拡張して下穴に食い込み、アンカーボルトが固定されていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら前記打込ピン付アンカーボルトのワッシャがコンクリート表面に 密着するようにスリーブを押し込む際、比較的容易に入るため、スリーブだけに 打撃力を加え且つ傾きを注意しながら押し込む工法が普通であるが、打込ピンが スリーブの中心から突出しているので、打込ピンが邪魔になり、スリーブだけに 打撃力を加える際は、打込ピンに当らないように気を付けながら行うので、手間 が掛る。一方、打込ピンはローレットなどを付けてスリーブから簡単に落ちない ように仮固定されているため、仮固定した状態の打込ピンの頭をハンマーなどで 軽く叩いて入れる場合も多々あったが、この際に下穴に沿ってスムーズに挿入さ れる時は良いが、スリーブが傾くと下穴に沿って入らず、より大きな力を加えない とワッシャ−がコンクリート表面に密着しない。このため、強めに打込ピンを叩 くと打込ピンが曲がったり、スリーブが完全に挿入される前に、打込ピンがスリ ーブ内部に押し込まれてスリーブの先端側を拡張させる結果となり、アンカーボ ルトが浮いた状態で固定されてしまう恐れがあった。この時にはアンカーボルト を抜かなければならず、手間が掛ると共に下穴が大きくなってしまうため、下穴 を補正するか或いは新たに下穴を穿設しなければならなかった。またアンカーボ ルトの打込ピンを叩いてスリーブの内部を貫通して突出させる際に、通常はハン マー等を使用するが、打込ピンの頭を曲げてしまうことが起き易かった。その打 込ピンが曲がると、アンカーボルトの下部を充分に押し広げることが出来なくな る。この場合もアンカーボルトを抜かなければならず手間が掛る等の問題点があ った。

【０００４】 本考案はコンクリートの下穴に打込ピン付アンカーボルトが簡単にセットでき ると共に打込ピンの頭が曲がらずに打ち込まれて下穴へ確実に固定することが出 来る打込ピン付アンカーボルト用打込補助具を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記問題点を解決するために本考案は成されたものであり、つまり、握り部の 一端に先端軸を設け、その先端に鍔部を更に設け、且つこの鍔部の先端面中央に 凹部を形成すると共に鍔部の外周に打込ピンの太さに応じた切欠溝を複数個設け る構造とする。

【０００６】

【考案の実施の形態】

図１は本考案の実施形態を示す図であり、これに基づき説明する。(１)は握り 部であり、（２）は握り部（１）の一端に設けた先端軸であり、該先端軸（２） は握り部（１）よりも細く設けられている。（３）は先端軸（２）の先端に設け た鍔部である。尚、前記握り部（１）と先端軸（２）と鍔部（３）は金属或いは 耐衝撃性の合成樹脂などで一体に製作するが、個別に製作したものを組立ても良 い。（４）は鍔部（３）の先端面中央に形成した皿状の凹部であり、該凹部（４ ）はテーパー穴とすると良い（図２参照）。（５）は鍔部（３）の外周に形成し た複数個の切欠溝であり、該切欠溝（５）はアンカーボルト（６）の打込ピン（6 1）の軸部へ挿入した時に、打込ピン（61）の頭部が先端軸（２）に当たって切 欠溝（５）が浮かないように、切欠溝（５）の底と先端軸（２）に段差を設けて 切欠溝（５）が形成されている（図２参照）。また前記切欠溝（５）は打込ピン （61）の太さに対応できる大きさのものを３個形成しており、つまり、サイズの 小さなもの用と、よく使われるサイズ用と、大きなサイズ用の３つがあれば良い 。しかし、鍔部（３）を大きくして各サイズ毎の打込ピン（61）専用の切欠溝（ ５）を多数個設けても良い。また前記切欠溝（５）の断面形状が、半円状又はＵ 字状とすると良い（図３参照）。（６）は市販の打込ピン付アンカボルトであり 、打込ピン（61）を奥へ打ち込むことにより、スリーブ（62）の先端側が拡張し てコンクリートの下穴（７）に固定されるタイプのものを用いれば良い。図４の ものは打込ピン（61）と、それが中心を貫通する時に拡張するように先端側に縦 割溝が設けられていると共に後端側にはネジ山が設けられている。このネジ山に はワッシャー付ナットが螺合されている。

【０００７】 次に本考案の使用方法について説明する。先ず始めに、コンクリートの下穴（ ７）に適した大きさの打込ピン付きで且つワッシャー付きナットが螺合されたア ンカーボルト（６）を用意し、図４（ａ）に示すコンクリートの下穴（７）にア ンカーボルト（６）を手でセットする。その後、本考案品をアンカーボルト（６ ）に向けると共に打込ピン（61）の太さに対応する切欠溝（５）をその打込ピン （61）の軸部に挿入すると共に鍔部（３）の先端面をスリーブ（62）の端面に当 てる。そしてアンカーボルト（６）が下穴（７）に沿って挿入できるように握り 部（１）の後方からハンマーなどで叩く［図４（ｂ）参照］。ワッシャーがコン クリート表面に当接するまで叩いて押し入れる。この時、ハンマーなどの衝撃力 は打込ピン（61）には加わらずスリーブ（62）だけに加わるので、従来のような 打込ピン（61）が曲がる恐れがなく且つ確実に押し込むことが出来る。その後、 アンカーボルト（６）の打込ピン（61）の後端に、本考案の鍔部（３）に形成し た凹部（４）を当て、握り部（１）の後端をハンマーなどで強く叩いて打込ピン （61）を打ち込むと、ハンマーなどの打撃力は打込ピン（61）を凹部（４）で受 け止めて確実にスリーブ（62）の内部に食い込ませることができるため、従来の 如き打込ピン（61）が曲がることは殆どなくなる。更に打込ピン（61）に打撃力 を加え続けると、その先端部がスリーブ（62）から突出する。この時、スリーブ （62）の先端の縦割溝は打込ピン（61）が押し込まれるに従って徐々に拡張し、 スリーブ（62）の先端が下穴（７）に食い込まれてアンカーボルト（６）は固定 するのである［図４（ｃ）参照］。このように本考案品は打込ピン（61）の太さ に合せた切欠溝（５）を選択できるため、アンカーボルト（６）の大半のサイズ に対して確実に固定することが出来るものとなる。

【０００８】

【考案の効果】

本考案はこのように構成させたことにより、下記に記載する効果を有する。

【０００９】 請求項１のように握り部（１）の一端に先端軸（２）を設け、その先端に鍔部 （３）を設け、該鍔部（３）の先端面中央に凹部（４）を形成することにより、 打込ピン（61）が従来の如き曲がったりすることが殆どなくなるため、打込ピン （61）の先端がスリーブ（62）の中心から確実に突出してスリーブ（62）の先端 を拡張させ、打込ピン付アンカーボルト（６）がコンクリートの下穴（７）へ確 実に固定することが出来ると共に簡単に取付作業が行えるものとなる。また鍔部 （３）の外周に、アンカーボルト（６）の打込ピン（61）が挿入可能な切欠溝（ ５）を形成することにより、スリーブ（62）を押し込む際に打込ピン（61）は切 欠溝（５）に挿入されて衝撃力が伝わらないと共に従来のように打込ピン（61） が邪魔にならず、スリーブ（62）だけに打撃力を加えることができ、打込ピン（6 1）を気に掛けずに作業が行えるので、アンカーボルト（６）のワッシャがコン クリート表面に密着するようにスリーブ（62）を押し込んでセットすることが、 簡単で素早く且つ確実に行えるものとなる。従って、スリーブ（62）を押し込む 作業や打込ピン（61）によるスリーブ（62）の拡張作業に対して失敗がないので 、従来のようなアンカーボルト（６）を抜いたり、下穴（７）の補正や新たな下 穴（７）の穿設も不要となり、手間が著しく減少できるものとなる。

【００１０】 請求項２のように握り部（１）と先端軸（２）と鍔部（３）を一体にすること により、金属の挽物や合成樹脂で一体成型することが可能となり、安価な製品と して提供できるものとなる。また凹部（４）をテーパー穴とすれば加工が簡単と なる。更に前記切欠溝（５）を半円状又はＵ字状として、アンカーボルト（６） の打込ピン（61）の軸部に合せ易くすると共に鍔部（３）の外周に打込ピン（61 ）の太さに対応させて複数個設けることにより、殆どのアンカーボルト（６）の サイズに対しても対応できるものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施形態を示す斜視図である。

【図２】本考案の実施形態の一部を切欠いた正面図であ
る。

【図３】本実施形態で使用する切欠溝の要部を示す側面
図である。

【図４】本考案の作用を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 握り部 ２ 先端軸 ３ 鍔部 ４ 凹部 ５ 切欠溝 ６ アンカーボルト 61 打込ピン

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 握り部（１）の一端に先端軸（２）を設
   け、該先端軸（２）の先端に鍔部（３）を設け、この鍔
   部（３）の先端面中央に凹部（４）を形成し、前記鍔部
   （３）の外周には、アンカーボルト（６）の打込ピン（6
   1）の軸部に挿入可能な切欠溝（５）を形成したことを
   特徴とする打込ピン付アンカーボルト用打込補助具。
2. 【請求項２】 前記握り部（１）と先端軸（２）と鍔部
   （３）が一体であり、前記凹部（４）がテーパー穴であ
   り、前記切欠溝（５）が、半円状又はＵ字状であると共
   にアンカーボルト（６）の打込ピン（61）の太さに対応
   させて複数個設けられた請求項１記載の打込ピン付アン
   カーボルト用打込補助具。