JP5889755B2 - 帯状鋼板のノッチング方法及び帯状鋼板の冷間圧延方法 - Google Patents

帯状鋼板のノッチング方法及び帯状鋼板の冷間圧延方法 Download PDF

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本発明は、帯状鋼板のノッチング方法及び帯状鋼板の冷間圧延方法に関する。
鋼板の冷間圧延工程においては、生産性の観点から連続的に冷間圧延ラインにストリップ状の鋼板が供給されるとともに、冷間圧延時の張力が持続されるように、先行鋼板及び後行鋼板の端部を例えばレーザ溶接等で接合することが一般的に行われる。この先行鋼板と後行鋼板との接合部は、その端部付近において溶接が不完全となりやすいため、冷間圧延時に応力によって端部から破断するおそれがある。この接合部の破断を防ぐために、接合部の端部付近を切除してノッチ(切欠き部)を形成するノッチングが通常行われる。
上記ノッチの形状としては、例えば特開平05−076911号公報に開示されるような角部を有しない半円形状が一般に用いられている。しかし、この半円形状のノッチにおいては、外縁の曲率が略一律であり、さらに接合部において鋼板の幅が最も小さくなるため、接合部において最大の応力が発生する。従って、冷間圧延時に張力を加えると接合部に応力が集中し、破断を生じやすいという不都合を有している。この接合部の破断が生じると、冷間圧延ラインを停止せざるを得ないため、操業性の著しい低下を招来する。
特開平05−076911号公報
本発明は、前述のような事情に基づいてなされたものであり、鋼板の接合部への応力集中を緩和して冷間圧延における破断を防止するノッチング方法及び冷間圧延方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、
先行鋼板の後端と後行鋼板の先端とを接合した帯状鋼板の連続圧延に際し、この帯状鋼板の接合部の幅方向両縁部にノッチを形成する帯状鋼板のノッチング方法であって、
帯状鋼板の引張時の最大応力点が接合部以外に位置するよう上記ノッチの形状が構成されていることを特徴とする。
当該帯状鋼板のノッチング方法においては、先行鋼板と後行鋼板との接合部に最大応力点が位置しないようにノッチの形状が構成されているため、接合部に応力が集中することが回避され、帯状鋼板の引張時(圧延時)における接合部破断の発生を効果的に防止できる。
上記ノッチの形状が、帯状鋼板の端縁から曲率が最小となる頂点まで延びる一対の脚部と、これらの頂点で両脚部に対称かつ滑らかに連続し、上記接合部に中心で交わる上辺とを有する略等脚台形状であるとよい。このようなノッチ形状とすることで、ノッチの外縁上で最小曲率を有する両頂点が応力最大点となるため、容易かつ確実に引張時における応力が接合部に集中することを回避できる。
上記両頂点を通る線を基準とする上辺の中央部の高さが、帯状鋼板の幅方向内向きを正、外向きを負とした場合、−25mm以上10mm未満であるとよい。このように上辺の高さを上記範囲とすることで、確実に接合部よりも両頂点の応力が大きくなる形状とすることができる。
上記脚部の頂点での曲率半径が、10mm以上60mm以下であるとよい。このように頂点での曲率半径を上記範囲とすることで、脚部と上辺とを滑らかに接続して、頂点付近の強度を維持しつつ、両頂点を応力最大点とすることができる。
上記ノッチに底辺長さが220mm以上500mm以下であり、台形高さが45mm以上200mm以下であり、上辺長さが195mm以上400mm以下であるとよい。このようにノッチの形状の各寸法を上記範囲とすることで、鋼板の生産効率を低下させることなく、接合部の破断が防止できるノッチを帯状鋼板に容易かつ確実に形成することができる。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、
先行鋼板と後行鋼板との接合により帯状鋼板を形成する工程と、
上記接合工程の後に当該帯状鋼板のノッチング方法によりノッチングを行う工程と、
上記ノッチング工程の後に帯状鋼板を冷間圧延する工程と
を有する帯状鋼板の冷間圧延方法である。
当該帯状鋼板の冷間圧延方法においては、当該帯状鋼板のノッチング方法により先行鋼板と後行鋼板との接合部に上述した形状のノッチが形成されるため、冷間圧延工程において鋼板に張力を加えてもこの接合部に応力が集中して破断することが防止される。そのため、当該帯状鋼板の冷間圧延方法は、操業性を落とすことなく高効率で帯状鋼板の冷間圧延を連続して行うことができる。
なお、「最大応力点」とは、ノッチの外縁において、最も大きな応力が発生する点をいう。「略等脚台形状」とは、台形の中心を通り上辺に垂直な直線に対して両脚が略対称に形成されている台形状をいい、先行鋼板と後行鋼板の幅が異なる場合は、脚部において幅の小さい鋼板の端縁までの部分が略対称となっている形状をいう。「滑らかに連続する」とは、辺が任意の点において微分可能な曲線で構成されていることをいう。「底辺長さ」とは、帯状鋼板の端縁と両脚部との交点を、端縁と平行な仮想直線に投影した2点間の距離をいう。「台形高さ」とは、帯状鋼板の最小幅部分の端縁(先行鋼板と後行鋼板のうち、幅の小さい鋼板の端縁)と両頂点を通る線との距離に、両頂点を通る線を基準とする上辺の中央部の高さを加えたものをいう。「上辺長さ」とは、両頂点間の距離をいう。
以上説明したように、本発明の帯状鋼板のノッチング方法は、鋼板の接合部への応力集中を緩和して冷間圧延における破断を防止することができる。
本発明に係る帯状鋼板のノッチング方法で形成されるノッチの形状を示す模式図である。 本発明に係る帯状鋼板のノッチング方法で形成されるノッチの形状を示す模式図である。 本発明に係る帯状鋼板のノッチング方法で形成されるノッチの形状を示す模式図である。 比較例として用いたノッチの形状を示す模式図である。 ノッチを有する鋼板に対するFEM解析による応力分布図であり、(a)〜(f)はそれぞれ実施例1〜5及び比較例1の応力分布を示す。
以下、適宜図面を参照しつつ本発明のノッチング方法の実施の形態を詳説する。
<鋼板>
当該帯状鋼板のノッチング方法を適用する鋼板は、帯状で供給され、製造ライン上を走行する。鋼板のサイズとしては、特に限定されず、例えば幅が600mm以上1650mm以下、厚さが0.15mm以上2.3mm以下のものが使用される。
先行鋼板1は、ライン上を先行する鋼板であり、後行鋼板2は、この先行鋼板1の後方に走行する鋼板である。これらの鋼板は、接合部3で接合されている。先行鋼板1と後行鋼板2との接合は特に限定されず、例えばレーザ溶接等を用いることができる。
なお、先行鋼板1及び後行鋼板2の幅は異なっていてもよい。先行鋼板1と後行鋼板2との幅が異なる場合、これらの鋼板の接合は幅方向の中央部で行われ、両者のうち幅の大きい鋼板の先端又は後端が、他方の鋼板の両端部からそれぞれ同じ長さ分突出する形で接合される。
<ノッチの形状>
本発明の帯状鋼板のノッチング方法で形成されるノッチの形状の一例を図1〜3に示す。図1〜3は、冷間圧延工程において、長手方向に搬送される先行鋼板1と後行鋼板2とを接合した帯状鋼板の接合部3付近の平面視形状である。ノッチ4は、接合部3の端縁付近を除去するように先行鋼板1及び後行鋼板2の一部を切除するように形成されている。なお、ノッチ4は、接合部3の他方の端縁付近にも帯状鋼板の幅方向中心線に対して対称の形状のものが形成されている。
ノッチ4の形状は、上辺4a及び脚部4bを有し、上辺4a両端の角部が丸められた略等脚台形状である。ノッチ4の一対の脚部4bは、先行鋼板1の端縁と、後行鋼板2の端縁とからそれぞれ延伸し、接合部3に対して略対称に形成されている。ノッチ4の上辺4aは、脚部4bの頂点4cと滑らかに連続する曲線で接続されている。この頂点4cは、略等脚台形の上辺4a両端の角部を形成する曲線のうち、曲率が最小となる点である。
上辺4aは、帯状鋼板の幅方向外部又は内部に向かって凸となるよう湾曲した曲線、又は帯状鋼板の端縁と略平行な直線である。上辺4aは、左右(帯状鋼板の長手方向)対称の形状を有し、中心で先行鋼板1と後行鋼板2との接合部3と交わっている。
両頂点4cを通る線を基準とする上辺4aの中央部の高さAとしては、帯状鋼板の幅方向内向きを正、外向きを負とした場合、−25mm以上10mm未満が好ましく、−15mm以上0mm以下がより好ましい。中央部の高さAが上記範囲を超える場合、上辺4aの中央部分、つまり接合部3における帯状鋼板の幅が小さくなって応力が集中しやすくなるおそれがある。中央部の高さAが上記範囲未満の場合、ノッチ4を形成するための金型等の形状が複雑になって製造が困難になるおそれがあるほか、ノッチ形成時に必要な荷重が大きくなり、設備が巨大化するおそれがある。中央部の高さAが負の場合は、図1に示すように上辺4aが帯状鋼板の幅方向外部に向かって凸となるように湾曲する場合である。逆に、中央部の高さAが正の場合は、図2に示すように上辺4aが帯状鋼板の幅方向内部に向かって凸となるように湾曲する場合である。
また、中央部の高さAを0mmとした場合は、図3に示すように上辺4aは帯状鋼板の端縁と略平行な直線となる。このように上辺4aを直線とすると、金型等の成形が容易であり、ノッチの形成も容易かつ確実に行うことができる。
脚部4bは、直線でもよく、曲線でもよいが、応力集中を避ける観点からは、頂点4cに向かって滑らかに連続する曲線が好ましい。また、脚部4bと先行鋼板1の端縁との成す角度としては、特に限定されないが、例えば45°以上90°以下が好ましい。脚部4bと先行鋼板1の端縁との成す角度が上記範囲未満の場合、十分な深さのノッチが形成できないおそれがある。逆に、上記角度が上記範囲を超える場合、ノッチ4と端縁とに挟まれる領域の強度が低下するおそれがある。なお、脚部4bと先行鋼板1の端縁との成す角度とは、脚部4bの端点(脚部4bと先行鋼板1の端縁との交点)と脚部4bにおいて端縁からの距離が10mmの点とを結んだ直線と端縁とのなす角度をいい、時計回り方向を正とする。先行鋼板1を後行鋼板2に置き換えた同様の定義において、脚部4bと後行鋼板2の端縁との成す角度としては、例えば135°以上180°以下が好ましい。
ノッチ4の台形高さ(帯状鋼板の最小幅部分の端縁(先行鋼板と後行鋼板のうち、幅の小さい鋼板の端縁)と両頂点を通る線との距離に、上述の上辺4aの中央部の高さAを加えたもの)Bとしては、45mm以上200mm以下が好ましい。台形高さBが上記範囲未満の場合、接合の不十分な個所が十分に除去できないおそれがある。逆に、台形高さBが上記範囲を超える場合、先行鋼板1と後行鋼板2との接合強度が低下するおそれがあるほか、除去される面積が大きくなるため、鋼板の生産効率が低下するおそれがある。
底辺長さ(帯状鋼板の端縁と両脚部との交点を端縁と平行な仮想直線に投影した2点間の距離)Cとしては、220mm以上500mm以下が好ましい。また、上辺長さ(両頂点間距離)Dとしては、195mm以上400mm以下が好ましい。底辺長さC及び上辺長さDが上記範囲未満の場合、後工程でトリムを行う際にトリム刃をノッチ内に配置できないおそれがある。逆に、底辺長さC及び上辺長さDが上記範囲を超える場合、ノッチ形成時に必要な荷重が大きくなり、設備が巨大化するおそれがある。
頂点4cにおける曲率半径としては、10mm以上60mm以下が好ましい。曲率半径が上記範囲未満の場合、上辺4aと脚部4bとが滑らかに連続できなくなって応力が過度に集中するおそれがある。逆に、曲率半径が上記範囲を超える場合、ノッチ4の面積が十分確保できないおそれがある。
図1〜3のノッチ4は、先行鋼板1の引張時の最大応力が最小曲率半径を有する頂点4c近傍に発生する。そのため、接合部3に加わる応力を低減することができる。特に、冷間圧延時に接合部3が引張力により破断することを防止できる。
<帯状鋼板のノッチング方法>
上述した図1〜3のノッチ4を先行鋼板1と後行鋼板2との接合部3の幅方向両縁部に形成する方法としては、公知の方法を用いることができる。具体的には、例えばノッチ4の外縁形状を有する金型を作成し、この金型を帯状鋼板の接合部3にプレスすることでノッチ4を形成する方法や、ノッチ4の外縁形状の固定刃を帯状鋼板の下面に固定し、この固定刃と同形状の可動刃を鋼板の上面から下降させて帯状鋼板を切断する方法等を挙げることができる。なお、ノッチ4は、帯状鋼板の幅方向中心線に対して対称となるように帯状鋼板の接合部3の両縁部に形成される。
当該帯状鋼板のノッチング方法においては、先行鋼板と後行鋼板との接合部に、上述した略等脚台形状のノッチを形成し、引張時の応力が最大となる点が接合部ではなく略等脚台形の頂点とすることができる。そのため、接合部に応力が集中することを回避し、圧延時の接合破断の発生を防止できる。
<帯状鋼板の冷間圧延方法>
本発明の帯状鋼板の冷間圧延方法は、以下の工程を有する。
(1)先行鋼板と後行鋼板との接合により帯状鋼板を形成する工程
(2)上記接合工程の後に当該帯状鋼板のノッチング方法によりノッチングを行う工程
(3)上記ノッチング工程の後に帯状鋼板を冷間圧延する冷間圧延工程
<接合工程>
接合工程では、先行鋼板の後端と後行鋼板の先端とを接合し、帯状鋼板を形成する。上述のようにこの接合方法としては特に限定されず、例えばレーザ溶接を用いることができる。この接合は、各鋼板を走行させながら行ってもよいし、各鋼板を停止させた状態で行ってもよい。この接合により、先行鋼板と後行鋼板とを連続して後述の冷間圧延工程に供給することができるとともに、張力を失わずに冷間圧延を継続させることができる。
<ノッチング工程>
ノッチング工程では、上述した方法で、上記ノッチを先行鋼板と後行鋼板との接合部の両側に形成する。ノッチングは、接合工程と同様に鋼板を走行させながら行ってもよく、鋼板を停止させて行ってもよい。
<冷間圧延工程>
冷間圧延工程では、ノッチングされた鋼板を冷間圧延機に供給し、所定の厚さに鋼板を圧延する。この冷間圧延機としては特に限定されるものではなく公知のものを使用できるが、例えば複数のミルを直列に並べたタンデム圧延機を用いることができる。
なお、上記ノッチング工程と冷間圧延工程との間に酸洗工程を備えるとよい。このようにノッチング工程の後に酸洗を行うことで、熱間圧延等で発生したスケールに加え、接合工程及びノッチング工程で発生したスケール等の不純物を除去することができる。また、この酸洗は、酸洗と圧延とを連続化した設備を用いて行うことで生産性を向上させることができる。
当該帯状鋼板の冷間圧延方法においては、当該帯状鋼板のノッチング方法により先行鋼板と後行鋼板との接合部に上述した形状のノッチが形成されるため、冷間圧延工程において鋼板に張力を加えても接合部に応力が集中して破断することが防止される。そのため、当該帯状鋼板の冷間圧延方法は、操業性を落とすことなく高効率で鋼板の冷間圧延を連続して行うことができる。
<その他の実施形態>
本発明の帯状鋼板のノッチング方法で形成されるノッチの形状は、上記実施形態に限定されるものではない。形成されるノッチは、先行鋼板及び後行鋼板の引張時における最大応力点が、接合部以外に位置する形状を有していればよく、例えば上辺を略直線とし、この上辺の一方の端を他方の端よりも鋼板幅方向内部に位置するように上辺が傾斜した略台形形状のノッチを用いても接合部への応力集中を回避できる。
なお、当該帯状鋼板のノッチング方法は、冷間圧延ラインでの使用に限定されるものではなく、加工用のストリップ状の鋼板を接合する必要があるその他のラインでも使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示す形状のノッチ4において、上辺4aの中央部の高さAが−5mm、台形高さBが50mm、底辺長さCが225mm、上辺長さDが200mm、頂点4cの曲率半径が50mmであり、接合部3に対して線対称なノッチを帯状鋼板に形成した。このノッチは、上辺4aが鋼板幅方向外部に向かって凸となるように湾曲した形状を有する。
[実施例2]
上辺4aの中央部の高さAを−10mmとした以外は実施例1と同様としたノッチを形成した。
[実施例3]
上辺4aの中央部の高さAを−3mmとした以外は実施例1と同様としたノッチを形成した。
[実施例4]
上辺4aの中央部の高さAを8mmとした以外は実施例1と同様としたノッチを形成した。なお、このノッチは図2に示すノッチ4のように、上辺4aが鋼板幅方向内部に向かって凸となるように湾曲した形状を有する。
[実施例5]
上辺4aの中央部の高さAを0mmとした以外は実施例1と同様としたノッチを形成した。なお、このノッチは図3に示すノッチ4のように、上辺4aが帯状鋼板の端部と平行な直線となる形状を有する。
[比較例1]
図4に示すように、直径が163mmで深さEが50mmとなる半円形状のノッチを接合部3に対して線対称となるように形成した。
(応力分布)
実施例1〜5及び比較例1のノッチ形状に張力を加えた際の応力分布を市販のFEM解析ソフトを用いてシミュレーションした。具体的には、鋼板に10kg/mmの定常応力(張力)を長手方向に付加し、ノッチの縁上の各点の応力をシミュレーション解析し、この応力の上記定常応力に対する比率をグラフ化した。なお、先行鋼板及び後行鋼板は、それぞれ幅が1000mm、厚さ4mmとした。
実施例1〜5及び比較例1の応力分布の解析結果を図5に示す。図5の横軸は、帯状鋼板の長手方向の距離であり、中央(原点)が接合部を示し、負側が先行鋼板、正側が後行鋼板である。図5の縦軸は、引張時にノッチの縁上の各点に作用する応力を定常応力で割った比率である。なお、図5(a)は実施例1、図5(b)は実施例2、図5(c)は実施例3、図5(d)は実施例4、図5(e)は実施例5、図5(f)は比較例1の応力分布を示す。
図5に示す解析結果から、実施例1〜5では、最大応力点が両頂点と一致し、接合部の応力が極小になっていることがわかる。一方で、比較例1においては、接合部で応力が最大になっている。
(破断率)
実施例1〜5及び比較例1のノッチ形状を有する鋼板について、それぞれ複数の鋼板を用意し、張力を長手方向に加えた場合に接合部が破断した割合(破断率)を算出した。比較例1の破断率を1とし、実施例1〜5の破断率を比較例1の破断率で除した破断率の比を表1に示す。
Figure 0005889755
表1に示されるように、実施例1〜5のノッチ形状は従来の形状である比較例1に対して破断率が改善されている。
以上説明したように、鋼板の接合部への応力集中を緩和して引張による破断を防止できるため、冷間圧延に好適に用いることができる。
1 先行鋼板
2 後行鋼板
3 接合部
4 ノッチ
4a 上辺
4b 脚部
4c 頂点

Claims (5)

  1. 先行鋼板の後端と後行鋼板の先端とを接合した帯状鋼板の連続圧延に際し、この帯状鋼板の接合部の幅方向両縁部にノッチを形成する帯状鋼板のノッチング方法であって、
    帯状鋼板の引張時の最大応力点が接合部以外に位置するよう上記ノッチの形状が構成されており、
    上記ノッチの形状が、帯状鋼板の端縁から曲率が最小となる頂点まで延びる一対の脚部と、これらの頂点で両脚部に対称かつ滑らかに連続し、上記接合部に中心で交わる上辺とを有する等脚台形状であることを特徴とする帯状鋼板のノッチング方法。
  2. 上記両頂点を通る線を基準とする上辺の中央部の高さが、帯状鋼板の幅方向内向きを正、外向きを負とした場合、−25mm以上10mm未満である請求項1に記載の帯状鋼板のノッチング方法。
  3. 上記脚部の頂点での曲率半径が、10mm以上60mm以下である請求項1又は請求項2に記載の帯状鋼板のノッチング方法。
  4. 上記ノッチにおける底辺長さが220mm以上500mm以下であり、台形高さが45mm以上200mm以下であり、上辺長さが195mm以上400mm以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の帯状鋼板のノッチング方法。
  5. 先行鋼板と後行鋼板との接合により帯状鋼板を形成する工程と、
    上記接合工程の後に請求項1から請求項4のいずれか1項に記載した帯状鋼板のノッチング方法によりノッチングを行う工程と、
    上記ノッチング工程の後に帯状鋼板を冷間圧延する工程と
    を有する帯状鋼板の冷間圧延方法。
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