JP2014184445A - 熱延鋼板の製造方法 - Google Patents

熱延鋼板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014184445A
JP2014184445A JP2013059395A JP2013059395A JP2014184445A JP 2014184445 A JP2014184445 A JP 2014184445A JP 2013059395 A JP2013059395 A JP 2013059395A JP 2013059395 A JP2013059395 A JP 2013059395A JP 2014184445 A JP2014184445 A JP 2014184445A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet bar
bar
sheet
rolled steel
hot
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013059395A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichiro Aoe
信一郎 青江
Masaru Miyake
勝 三宅
Michiya Komaki
倫哉 駒城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2013059395A priority Critical patent/JP2014184445A/ja
Publication of JP2014184445A publication Critical patent/JP2014184445A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Metal Rolling (AREA)

Abstract

【課題】シートバー接合部のエッジ部周辺の接合性を改善することにより、完全連続熱間圧延での板破断を防止することが可能な熱延鋼板の製造設備及び製造方法を提供する
【解決手段】完全連続熱間圧延方法を用いて熱延鋼板を製造するに際して、先行シートバーあるいは後行シートバーの少なくとも一方の接合端面に、切削加工により凹形状の切り欠き部を成形し、先行シートバーと後行シートバーが接触しない状態にて誘導加熱を行った後、一旦、誘導加熱電流を切った状態にして先行シートバーと後行シートバーを接する状態とし、その後、再び誘導加熱を行った後にアップセットして接合を行う。
【選択図】図8

Description

本発明は、シートバー接合部の接合性を改善することにより、完全連続熱間圧延での板破断を防止することが可能な熱延鋼板の製造方法に関する。
熱延鋼板の製造プロセスでは、仕上板厚が薄いほど仕上圧延中に先端部の突っかけや尾端部の絞りや折れ込みといったトラブルが発生しやすく、それらのトラブルは復旧のためのロール組み替えや板切れした材料の除去に時間を要し、ラインの能率を大きく低下させている。
これは、板圧延では圧延機各部のガタや圧延ロール摩耗などのハード的な非対称性、材料の非対称な温度分布、そしてシートバーの鼻曲がりと呼ばれる局所曲がりやキャンバと呼ばれる全長にわたる大曲り等により、圧延方向に対して圧延機が非対称性に変形することが主な発生原因である。そして、特に張力のかからない先尾端部で不安定な圧延状態となりやすく、かつ仕上板厚が薄くなるほど影響を受けやすくなる。また、仕上板厚が薄くなるほど、仕上圧延後の冷却テーブル上にて先端部のフライング現象(空気抵抗による浮き上がり現象)が発生しやすくて圧延速度を低下させる必要があり、圧延能率低下の要因となっている。
このようなことから、従来の1本のスラブより1つ熱延鋼板コイルを順番に製造するバッチ圧延プロセスでは、製造可能な最小板厚が1.2mm程度に限られていた。
このような状況を打開するための対策として、例えば、図15に示す熱延鋼板の製造設備(加熱炉10、粗圧延機11、コイルボックス12、接合装置13、仕上圧延機14、水冷装置15、コイラー16)を用いて熱間スラブを粗圧延した後、先行シートバーの尾端部と後行シートバーの先端部を接合して仕上圧延することにより、複数本のスラブから連続して複数の熱延鋼板コイルを製造する完全連続熱間圧延方法が実用化されている。
完全連続熱間圧延方法では、最先端のコイルの先端部と連続化最後のコイルの尾端部以外では、仕上圧延中は張力を負荷した状態でほぼ定常的な圧延状態となるため、仕上圧延機内での通板が非常に安定し、絞り等のトラブルもほとんど発生することなく圧延が可能である。そして、走間板厚変更技術や走間コイル切断、巻き取り技術等と組合せ、1.0mm以下の薄物熱延鋼板を含め、異なる仕上板厚の熱延鋼板コイルの連続製造も可能となっている。
実用化されているシートバーの接合方式では、シートバーの接合面を融点近傍まで加熱し、接合面をアップセットすることにより接合する。
この際、接合面近傍の加熱は誘導加熱方式にてシートバーの板厚方向に磁束を貫通させ、誘導電流によるジュール熱により急速に昇温し、わずか数秒の間で加熱、アップセットして接合を終了する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
また、接合部の板幅方向エッジ周辺の温度を上げて接合性を向上させるため、接合部の両エッジの外側にエッジ加熱専用の高周波コイルを設置することが提案されている(例えば、特許文献2)。
また、同じく板幅方向のエッジ部周辺の接合性を向上させる技術として、板厚方向に貫く交番磁界を印加して接合部を板幅方向の全域にわたって加熱・昇温するとともに、温度変動の大きい領域には該交番磁束と逆向きの交番磁束を発生させることにより、板幅方向エッジ部の温度分布を改善する技術が提案されている(例えば、特許文献3)。
そして、接合部の板幅方向エッジ部周辺に磁性体を配置して板厚方向に貫く交番磁界を印加することにより、板幅方向エッジ部の温度分布を改善する技術が提案されている(例えば、特許文献4)。
しかし、前記した誘導加熱によるシートバー接合加熱方式に関する従来技術(特許文献1〜4)では、各々以下のような問題点を有していた。
まず、特許文献1に開示されている技術では、交番磁界によって発生する周回電流が接合部の板幅方向エッジ部付近を迂回する現象が発生するため、板幅方向エッジ部近傍の温度が上がらないことから、半溶融状態となっている板幅中央部にくらべて、板幅方向エッジ部は低温で硬度が高くなる。このため、接合面を突合せてアップセットする際、この板幅方向エッジ周辺の未溶融部分が抵抗となってアップセット荷重が増大し、アップセット量が不足するなど板幅方向全体の接合状態に悪影響を及ぼすことが不可避であり、仕上圧延の通板中に接合部からの板破断が起こる確率が高くなるという問題点があった。
これに対し、特許文献2〜特許文献4に開示されている技術は、特許文献1にて問題となる板幅方向エッジ部温度の改善方法として考案された技術であるが、以下のような問題点があった。
特許文献2は接合部全域に交番磁束を印加するための誘導加熱コイルとは別の板幅方向エッジ部専用の誘導加熱コイルを配置して板幅方向エッジ部温度の改善を図るものであり、確実に板幅方向エッジ部の温度を改善する効果は認められるものの、設備の大型化と建設コストの増大が不可避であった。
そして、特許文献3では板幅方向エッジ部温度の改善は認められるものの、依然として最エッジ部近傍では迂回電流により温度上昇がほとんど得られないことから、板幅方向エッジ部の接合性に問題を残していた。
また、特許文献4では板幅方向エッジ部周辺に磁性体を配置し、磁束密度を高めることにより板幅方向エッジ部周辺の温度上昇量を改善するものであるが、板幅方向エッジ部の温度を改善する効果は認められるものの、磁性体の配置のために加熱用コイルの上下位置調整等が必要であり、設備の大型化が不可避であった。
特開昭62−234679号公報 特開平7−164018号公報 特開平8−1203号公報 特開平8−1202号公報
本発明は上述した従来技術の問題点を克服すべく鋭意検討を重ねてなされたものであり、シートバー接合部のエッジ部周辺の接合性を改善することにより、完全連続熱間圧延での板破断を防止することが可能な熱延鋼板の製造設備及び製造方法を提供するものである。
本発明は、上記のような課題を解決するために、以下のような特徴を有している。
[1]熱間圧延ラインの仕上圧延の直前にて、先行シートバーの尾端部と後行シートバーの先端部をシャーにてせん断した後に加熱、アップセットして接合し、連続的に仕上圧延することにより、複数本のスラブから連続して複数の熱延鋼板コイルを製造する完全連続熱間圧延方法を用いて熱延鋼板を製造するに際して、
先行シートバーあるいは後行シートバーの少なくとも一方の接合端面に、切削加工により凹形状の切り欠き部を形成し、先行シートバーと後行シートバーが接触しない状態にて誘導加熱を行った後、一旦、誘導加熱を停止した状態にして先行シートバーと後行シートバーを接する状態とし、その後、再び誘導加熱を行った後にアップセットして接合を行うことを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
[2]ドリル状のトリマー刃を回転させながら、先行シートバーあるいは後行シートバーの少なくとも一方の接合端面の幅方向中央に当接させることにより、接合端面の幅方向中央に凹形状の切り欠き部を形成することを特徴とする請求項1に記載の熱延鋼板の製造方法。
本発明による熱延鋼板の製造方法によれば、シートバー接合部の接合性を改善することにより、完全連続熱間圧延での板破断を防止して安定した圧延が可能となる。
本発明の実施の形態に係る熱延鋼板の製造方法に用いる切削加工装置を示す図である。 図1の切削加工装置を底面から見た下面図である。 本発明の実施の形態に係る熱延鋼板の製造方法に用いる切削加工装置の動作を示す図である。 図3の切削加工装置の周辺を、切削加工装置の底面から見た図(下面図)である。 図3より後の時点における切削加工装置を示す図である。 図5の切削加工装置の周辺を、切削加工装置の底面から見た図(下面図)である。 図5より後の時点における切削加工装置を示す図である。 図7の切削加工装置の周辺を、切削加工装置の底面から見た図(下面図)である。 本発明の実施の形態に係る熱延鋼板の製造方法におけるシートバーの接合方法を示す図である。 図9より後の時点におけるシートバーの接合方法を示す図である。 図10より後の時点におけるシートバーの接合方法を示す図である。 本発明のシートバーの接合部の誘導電流を示す図である。 従来のシートバー接合方法を示す図である。 従来のシートバーの接合部における誘導電流を示す図である。 熱延鋼板の製造設備の概要を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、添付した図面を用いて説明する。
図13の左図は、従来のシートバー接合方法を示す図である。図13は、シートバーを上面から見た図であり、先行シートバー1の尾端部と後行シートバー2の先端部を、各々、シャーにて板幅方向に一直線に切断し、矩形形状となったシートバーの接合面同士を数mm隔てた状態に保ちながら誘導加熱コイル3にて交番磁束を印加している状態である(トランスバース誘導加熱方式)。
この際、図14に示すように、各々のシートバー先尾端近傍に誘導電流5が発生して接合面近傍の温度が急激に上昇する。通常、シートバーの板厚は25mm〜50mm程度であり、仕上圧延前の温度は1000℃〜1100℃程度である。この温度よりシートバー端を加熱して接合を行うが、鋼の溶融が始まる温度(固相線)は含有する炭素量によって変化する。薄板用途として使われる成分の鋼種を、半溶融状態として接合するためには、シートバーの接合部を少なくとも1450℃〜1500℃程度まで加熱する必要がある。完全連続熱間圧延では、先行材を仕上圧延しながら後行材との接合を行う必要があることから、設備スペースや加熱効率の観点から少なくとも200℃/sec程度以上の昇温能力を持つ誘導加熱装置を用い、誘導加熱からアップセットまで数秒の間に接合を完了することが望ましい。
しかしながら、この方式によって発生する誘導電流5は、特性上、図14に示すように矩形シートバーのエッジ部8を迂回してしまうため、板幅中央部を固相線以上の温度まで加熱できたとしても、板幅方向エッジ部周辺の温度を大きく上昇させることは困難である。誘導加熱装置の出力を極端に上げて板幅方向のエッジ部8の周辺温度を固相線以上とした場合、板幅中央部付近の温度が液相線を超えて溶け落ちてしまうため、通常は板幅中央部の温度が固相線以上、液相線未満の間となるように加熱条件を狭い範囲で設定している。
上述したように、図13の右図は、従来のシートバー接合法にて接合面近傍を加熱し、両シートバーをアップセットして接合する状況を示す図である。図13において、ハッチング領域は、半溶融状態の領域(半溶融部4)を表している。通常、板幅方向エッジから50mm程度までのエッジ部8は、迂回電流による昇温不足領域となり、アップセット時にも完全な固体の状態である。アップセットにより、半溶融部4は板長手方向に押し出されながら変形が進行して接合状態となるが、板幅方向エッジ部は完全な固体状態のまま強接触するため(強接触部7)、板幅方向の外側に向かって両エッジが張り出す方向に塑性変形する。このような状況では、板幅方向エッジ部の強接触部7がアップセット変形に抗する抵抗となっており、必要以上に大きなアップセット力が必要となる。
このため、特に高張力鋼などの硬質材や広幅材ではアップセット荷重が高荷重となって設備能力を超えてしまうことから、仕上圧延を実施するために十分な接合強度を得るためのアップセット変形を加えることが困難となる。
特に、近年、地球環境問題により自動車軽量化のニーズが急拡大し、薄板の高張力化に対する要求が急速に高まっており、強度を上げるためにSi、Cr、Moといった合金成分が多用されている。これら強化合金の酸化物の融点は鋼の融点よりも高いことから、シートバーの接合時には接合界面に固体として残存しやすく、接合強度を低下させる要因となっている。
このことから、アップセット変形による板長手方向の材料流れにより、接合界面付近の酸化物を接合界面より排出することが望ましく、必要十分なアップセット量を実現することが重要である。なお、ここでのアップセット量は、両シートバーの板長手方向での圧縮方向の移動量と定義する。
このような問題に対し、本発明では、熱間圧延ラインの仕上圧延の直前にて、先行シートバーの尾端部と後行シートバーの先端部をシャーにてせん断した後に加熱、アップセットして接合し、連続的に仕上圧延することにより、複数本のスラブから連続して複数の熱延鋼板コイルを製造する完全連続熱間圧延方法を用いて熱延鋼板を製造するに際して、先行シートバーあるいは後行シートバーの少なくとも一方の接合端面の形状を、切削加工により凹形状切り欠き部を成形するよう工夫している。そして、凹形状切り欠き部が形成された先行シートバーと後行シートバーが接触しない状態にて所定の誘導加熱を加えた後、一旦、誘導加熱電流を切った状態にして先行シートバーと後行シートバーを接する状態とし、その後、再び所定の誘導加熱を加えた後にアップセットすることでシートバーの接合を行う。
図1は、本発明の実施の形態に係る熱延鋼板の製造方法に用いる切削加工装置の周辺を示す図である。また、図2は、図1の切削加工装置の周辺を、切削加工装置の底面から見た図(下面図)である。101は、切削加工装置である。切削加工装置101は、先行シートバーと後行シートバーを接合する誘導加熱装置よりも上流に設けられている。
図1の例では、切削加工装置101により、シートバー2の先端に、凹形状切り欠き部を成形する場合を示している。切削加工装置101は、シートバー2の上方に配置され、下降可能に保持されている。
102は、シートバー2を送るためのテーブルロールである。テーブルロール102は、切削加工装置101の上流側及び下流側に複数設けられている。103、104はシートバー2を押さえるための上下ピンチロールである。
切削加工装置101は、シートバー2を切削加工するためのドリル状のトリマー刃105と、トリマー刃105を回転させる回転駆動装置106と、回転駆動装置106を上下方向に移動させる駆動装置107と、駆動装置107を固定するための架体108を有している。
トリマー刃105は、ドリル状の回転体である。トリマー刃105の回転軸は、シートバー2の搬送方向と略直行している。トリマー刃105は、シートバー2の幅よりも小さい径を有し、シートバー2の幅方向の略中心に配されている。
駆動装置107は、上下方向に伸縮することにより、トリマー刃105をシートバー2側に昇降させることができる。
次に、このように構成された切削加工装置を用いた熱延鋼板の製造方法について説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る熱延鋼板の製造方法に用いる切削加工装置の動作を示す図である。また、図4は、図3の切削加工装置の周辺を、切削加工装置の底面から見た図(下面図)である。
粗圧延されたシートバー2は、先端をシャー(図示せず)により切断される。先端が切断されたシートバー2は、テーブルロール102により切削加工装置101側に搬送される。このとき、上下ピンチロール103、104は、シートバー2を上下方向から挟み込み、シートバー2を拘束する。駆動装置107は、下方に伸長することで、トリマー刃105の位置を、下方に移動させる。
具体的には、駆動装置107は、図3に示すように、トリマー刃105の先端の位置が、シートバー2の底面よりも下方に位置する高さになるまで、トリマー刃105を下降させる。そして、回転駆動装置106によりトリマー刃105を回転させる。
なお、駆動装置107によりトリマー刃105を下降させる動作と、回転駆動装置106によりトリマー刃105を回転させる動作は、同時に開始してもよく、また、いずれを先に開始してもよい。
図5は、図3より後の時点における切削加工装置を示す図である。また、図6は、図5の切削加工装置の周辺を、切削加工装置の底面から見た図(下面図)である。テーブルロール102により、シートバー2をさらにライン進行方向に送る。これにより、トリマー刃105が、シートバー2の先端に当接し、切削が開始される。切削加工中は、トリマー刃105がシートバー2より反力を受けるため、架台108の位置は固定しておく。
この状態で、上下ピンチロール103、104によりシートバー2を拘束しながら、ライン進行方向に送る。これにより、シートバー2の先端に、切削加工により、凹部形状の切り欠き部(欠損部)を形成する。
なお、上記では、シートバー2をライン進行方向に送ることで、シートバー2の切削を進めるとして説明したが、シートバー2の位置を上下ピンチロール103、104により固定し、トリマー刃105側を、ライン進行方向とは逆方向に移動させることで切削を進めてもよい。また、シートバー2をライン進行方向に進める動作と、トリマー刃105側を、ライン進行方向とは逆方向に進める動作を共に行うよう構成してもよい。
図7は、図5より後の時点の切削加工装置を示す図である。また、図8は、図7の切削加工装置の周辺を、切削加工装置の底面から見た図(下面図)である。切削加工により凹部形状切り欠き部109を形成した後、上ピンチロール104は上昇し、シートバー2と接触しない高さまで移動する。また、切削加工装置101は、シートバー2に干渉しない位置まで退避する。具体的には、駆動装置107が、トリマー刃105の先端が、シートバー2の上面より上に位置するまで収縮する。
このような切削加工により、シートバー2の先端の幅方向中央には、図8に示すような凹形状切り欠き部109が形成される。凹形状切り欠き部109は、シートバー2の先端の端面を、平面視において、半円状に切り欠いた形状を有している。通常、突合せ方式でのシートバーの接合方式では、アップセット量を10〜30mmとしている。このため、凹形状切り欠き部の凹み深さは、アップセットによる接合で消滅させるために、10mm以下とすることが望ましい。
なお、凹形状切り欠き部109は、図8のような半円形状に限られるものではなく、例えば、板幅方向に長い楕円や角丸長方形の半分の形状を、シートバー2の先端の端面において切り欠くようにしてもよい。
次に、図9乃至12を用いて、凹形状切り欠き部を形成した後のシートバーの接合方法について説明する。なお、図9乃至12では、シートバーに形成した凹形状切り欠き部は、板幅方向に長手方向を有する楕円の半分を切り欠いた形状としている。
図9に示すように、第1回目の誘導加熱工程によって、凹形状切り欠き部を有するシートバー2(ここでは、後行材)と矩形のシートバー1(ここでは、先行材)を接触しない状態にて誘導加熱コイル3にて交番磁束を印加する。この際、シートバー1、2を貫通する磁束にて発生する誘導電流により、両シートバー1、2の板幅方向のエッジ部を除く外周部では、急速に温度が上昇する。この段階では、対峙する両シートバー1、2の接合端面近傍の温度が固相線温度以上、液相線温度以下である所定温度になるように加熱出力と加熱時間を設定する。なお、図9乃至11において、ハッチング領域は、半溶融状態の領域(半溶融部4)を表している。
そして、所定の加熱が終了した後、図10に示すように、次ステップにて、両シートバー1、2の接合端面を接触させる。この際、片方のシートバー2の先端は、凹形状切り欠き部が形成されていることから、両シートバー1、2の接触部は、凹形状切り欠き部の両側の平行部となる。また、凹形状切り欠き部が両シートバー1、2の非接触部となる。
第2回目の誘導加熱工程は、図10に示す状態にて、コイル3に交番磁束を印加することによって板幅方向エッジ部温度の上昇を図る。
ここで、両シートバー1、2の接合部に非接触部(凹形状切り欠き部)を有する場合では、第2の誘導加熱工程で、誘導電流は、図12に示すように、両シートバー1、2の接触界面を貫通して流れ、大きなループを形成し、誘導電流は外周側に集まって流れる。そのため、第2の誘導加熱工程によって、図11に示すように、板幅方向エッジ部近傍の温度が急激に上昇する。
この際、第1回目の誘導加熱工程にて固液共存状態となっている領域には、誘導電流がほとんど流れないが、固液共存状態から凝固する際に、周辺雰囲気に熱が放散される一方、凝固潜熱が発生するため、しばらくの間は半凝固状態が保持されて温度変化が非常に小さい状態となる。このため、第1回目の加熱から第2回目の加熱終了までを数秒以内で実施することにより、板幅方向全域にわたって固相線温度以上の状態を保つことが可能となる。
そして、第2回目の誘導加熱工程を実施後、すみやかに両シートバー1、2をアップセットすることにより、板幅方向全域にわたって強固な接合状態を得ることが可能となる。アップセット量は、切断後のシートバー端部の凹み深さの2倍以上とすることが好ましい。これは、シートバー端部の凹形状切り欠き部を完全に他方のシートバー端部と接着させ、かつ接合界面の酸化物を排出させるためである。
本発明では、先行材又は後行材の少なくとも一方のシートバーの端面に、平面視において、凹形状切り欠き部を形成することで、図12に示すような、両シートバー1、2を貫通する磁束にて誘導電流を発生させる。これにより、シートバー1、2の接合面の板幅方向全域にわたって、固相線温度以上の状態を保つことが可能となり、接合性を向上させることができる。
このように、シートバー接合部のエッジ部周辺の接合性を改善することで、完全連続熱間圧延での板破断を防止することが可能となり、熱延鋼板の製造方法の生産性を向上させることができる。
なお、本発明では、凹形状切り欠き部の幅方向の多少の非対称性は問題とはならない。これは、図12に示すように、第2回目の誘導加熱工程では誘導電流は外周側に集まって流れる性質であるため、凹形状切り欠き部の左右の直線部の幅が異なる場合においても、板幅方向エッジ部近傍の温度上昇領域はほとんど変わらないためである。そのため、第2回目の誘導加熱工程において、板幅中央部に凹形状切り欠き部による未接触部があればよい。
次に、本発明例と比較例を用いて、本発明の効果を実験により検証した。実施例に用いた鋼材は、常温での引張強さが590MPa級の高張力鋼である。この鋼材を、先行材、後行材ともに260mm厚み、1750mm幅のスラブより粗圧延加工工程を経て、厚み28mm、板幅1500mmのシートバーに成形した。
全ての条件にて接合加熱前のシートバー温度が1050℃程度となるように加熱温度を設定した。シートバー接合部を加熱するための誘導加熱条件は、周波数1kHz、投入電力は1060kWである。
切削加工を模擬するために、接合装置前のシャーのせん断刃の形状を変えることにより、先行材の尾端部あるいは後行材の先端部の平面形状に、矩形あるいは凹形状の欠き部を形成した。なお、シャーによる切断後のシートバーの平面形状は、シャー直後にライン上部に設置したCCDカメラにて確認した。
そして、(1)式にて凹形状切り欠き部の左右の先端平行部の長さの和Wtとシートバー全幅Wの比を算出し、界面接触幅比Wとした。
=Wt/W×100(%) ・・・(1)
なお、界面接触幅比を小さくしたい場合には、トリマー刃の直径を大きくすればよい。トリマー刃の直径を大きくすると、刃の寿命を長くできる効果がある。
アップセット量は15mmと25mmの2水準とした。シートバーの接合後、仕上圧延前に設置してある別のシャーを用い、長手方向に接合部を含んで500mm程度の長さのサンプルを切り出し、常温まで冷却後に接合部の状況を観察した。
本発明例(No.1〜8)では、アップセット量及び凹部の最大凹み量を表1に示す値に設定した。また、比較例として、図13の従来の接合方式(No.9、10)を用い、アップセット量を表1の値に設定した。表1に、本発明例と比較例における、各接合条件での接合部のエッジ部の未接合部長(両エッジの平均値)とアップセット荷重を示す。
なお、表1において、界面接触幅比が大きいものは、トリマー刃105のドリル径が小さいものを示し、界面接触幅比が小さいものは、トリマー刃105のドリル径が大きいものを示している。
Figure 2014184445
比較例(No.9、10)では、エッジ未接合部長が200mm程度もあるのに対し、本発明例(No.1〜8)では、いずれもシートバーの状態では未接合部は発生しなかった。
なお、表1の条件と同一条件にてシートバーの接合を行った後に、仕上圧延を行った。そして、仕上圧延後の冷却テーブルに設置したCCD方式のカメラにて、仕上圧延後の接合部を観察し、接合性を評価した。エッジからの未接合部長、あるいは板幅中央部での未接合長の合計が100mm未満であれば○、100mm以上で200mm未満あれば△、そして未接合部長が200mm以上、または接合部が破断した場合には×と評価した。
比較例では、アップセット量15mmの条件(No.9)にて仕上圧延機内にて接合部が破断した。また、アップセット量25mmの条件(No.10)でも、仕上圧延機のエッジ部の未接合長は200mm以上であった。これに対し、本発明例では、評価が△または○であった。以上により、本発明を適用することで、安定した仕上圧延が可能であることが確認された。
なお、本発明例のうち、アップセット量が、本発明にて規定したシートバー端部の凹部深さの2倍以下としたもの(No.3、7、8)については、シートバー接合部の目視評価では、未接合部が認められなかったものの、仕上圧延後の観察にて板幅中央部に未接合部が発生した。しかしながら、その程度はいずれも軽微であり、仕上圧延での破断にいたらず、安定した連続熱間圧延が可能であった。
1、2 シートバー
3 誘導加熱コイル
4 半溶融部
5 誘導電流
7 強接触部
8 エッジ部
10 加熱炉
11 粗圧延機
12 コイルボックス
13 接合装置
14 仕上圧延機
15 水冷装置
16 コイラー
101 切削加工装置
102 テーブルロール
103、104 上下ピンチロール
105 トリマー刃
106 回転駆動装置
107 駆動装置
108 架体

Claims (2)

  1. 熱間圧延ラインの仕上圧延の直前にて、先行シートバーの尾端部と後行シートバーの先端部をシャーにてせん断した後に加熱、アップセットして接合し、連続的に仕上圧延することにより、複数本のスラブから連続して複数の熱延鋼板コイルを製造する完全連続熱間圧延方法を用いて熱延鋼板を製造するに際して、
    先行シートバーあるいは後行シートバーの少なくとも一方の接合端面に、切削加工により凹形状の切り欠き部を形成し、先行シートバーと後行シートバーが接触しない状態にて誘導加熱を行った後、一旦、誘導加熱を停止した状態にして先行シートバーと後行シートバーを接する状態とし、その後、再び誘導加熱を行った後にアップセットして接合を行うことを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
  2. ドリル状のトリマー刃を回転させながら、先行シートバーあるいは後行シートバーの少なくとも一方の接合端面の幅方向中央に当接させることにより、接合端面の幅方向中央に凹形状の切り欠き部を形成することを特徴とする請求項1に記載の熱延鋼板の製造方法。
JP2013059395A 2013-03-22 2013-03-22 熱延鋼板の製造方法 Pending JP2014184445A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013059395A JP2014184445A (ja) 2013-03-22 2013-03-22 熱延鋼板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013059395A JP2014184445A (ja) 2013-03-22 2013-03-22 熱延鋼板の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014184445A true JP2014184445A (ja) 2014-10-02

Family

ID=51832532

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013059395A Pending JP2014184445A (ja) 2013-03-22 2013-03-22 熱延鋼板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014184445A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017196660A (ja) * 2016-04-25 2017-11-02 Jfeスチール株式会社 連続熱間圧延における鋼片の接合方法、連続熱間圧延方法および熱延鋼板の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017196660A (ja) * 2016-04-25 2017-11-02 Jfeスチール株式会社 連続熱間圧延における鋼片の接合方法、連続熱間圧延方法および熱延鋼板の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6358307B2 (ja) 鋼帯のノッチング方法、冷間圧延方法および冷延鋼帯の製造方法
JPWO2018159370A1 (ja) 冷間圧延機および冷間圧延方法
JP5884753B2 (ja) 熱延鋼板の製造方法
JP2014180694A (ja) 熱延鋼板の製造装置及び製造方法
US20080230586A1 (en) Method of Manufacturing Electric Resistance Welding Pipes Having Excellent Characterization of Welded Seams
JP3680788B2 (ja) 電縫管の製造方法
JP5857989B2 (ja) 熱延鋼板の製造方法
JP6643279B2 (ja) 高級鋼連続熱間圧延方法
JP2014184445A (ja) 熱延鋼板の製造方法
JP5817430B2 (ja) シートバーの接合方法
JP6421793B2 (ja) 連続熱間圧延における鋼片の接合方法、連続熱間圧延方法、および熱延鋼板の製造方法
JP6443411B2 (ja) 連続熱間圧延における鋼片の接合方法
WO2022172515A1 (ja) 鋼帯のレーザー切断方法、レーザー切断設備、冷間圧延方法、及び冷延鋼帯の製造方法
JP6409848B2 (ja) 連続熱間圧延における鋼片の接合方法、連続熱間圧延方法および熱延鋼板の製造方法
WO2022172516A1 (ja) 鋼帯のレーザー切断方法、レーザー切断設備、冷間圧延方法、及び冷延鋼帯の製造方法
JP6269548B2 (ja) 熱延鋼板の製造方法
JP6036031B2 (ja) 金属板接合装置および金属板接合方法
JP2017124445A (ja) 形鋼の製造設備及び形鋼の製造方法
JP2018027556A (ja) 連続熱間圧延における通板方法及び熱延鋼帯の製造方法
TW202310960A (zh) 電磁鋼帶的摩擦攪拌接合方法、及電磁鋼帶的製造方法
TW202408705A (zh) 電磁鋼帶的摩擦攪拌接合方法、電磁鋼帶的製造方法、摩擦攪拌接合裝置和電磁鋼帶的製造裝置
JP6127709B2 (ja) プレス切断用電縫管及びその製造方法
JP5401926B2 (ja) スラブ幅圧下用金型およびそれを用いたスラブ幅圧下方法
JP2001047107A (ja) 鋼板の溶接方法
JPH10128406A (ja) 熱間連続圧延鋼板の製造方法