以下、本発明に係る実施形態に従う画像取得装置について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明の開示において提供される図は、本発明の説明を意図したものであり、構成素子の大きさの比率を示すことを意図したものではないことを理解されたい。また、それぞれの図面において、同一又は類似する機能を有する構成要素には、同一又は類似する符号が付される。したがって、先に説明した構成要素と同一又は類似する機能を有する構成要素に関しては、改めて説明をしないことがある。
図1は、画像読取装置1をサーバとする無線通信システム100を示す図である。無線通信システム100は、サーバとして機能する画像読取装置1と、画像読取装置1に無線通信回線を介して接続されてクライアントとして機能する複数の携帯情報端末装置200a〜200cとを有している。複数の携帯情報端末装置200a〜200cは、何れも同一の機能を有するクライアントとして機能するので、以下では、複数の携帯情報端末装置200a〜200cを総じて携帯情報端末装置200と称して説明する。
図2(a)は、画像読取装置1の読取機能が無効な状態の画像読取装置1の斜視図である。図2(b)は、画像読取装置1の読取機能が有効な状態の画像読取装置1の斜視図である。図3(a)は、図2(a)のAA´断面図である。図3(b)は、図2(b)のBB´断面図である。
画像読取装置1は、筐体2と、第1給紙ガイド3、排出ガイド4、操作ボタン5、トップカバー6、第2給紙ガイド7、表示部8、開閉検出部9、及びボトムカバー10等を有している。また、画像読取装置1は、画像読取部13、第1及び第2搬送ローラ14a及び14b、上ガイド15a、下ガイド15b、並びに原稿検出部16等を有している。
第1給紙ガイド3は、図3(a)の矢印Cで示すように、樹脂材料で形成され、両端に形成されてるヒンジにより筐体2に開閉可能に係合している。図2(b)に示す状態では、第1給紙ガイド3は、第2給紙ガイド7とともに、伸長面を形成するように配置され、原稿の搬送路を形成する。
排出ガイド4は、図3(a)の矢印Dで示すように、樹脂材料で形成され、両端に形成されてるヒンジにより筐体2に開閉可能に係合している。図3(a)に示す状態では、排出ガイド4は、トップカバー6に対向する位置に配置される。図3(b)に示す状態では、排出ガイド4は、鉛直面を形成するように配置され、原稿の排出路を形成する。
操作ボタン5は、筐体の上面に配置され、押下されると、操作ボタン押下検出信号を生成して、後述する制御部11に送信する。操作ボタン検出信号を受信した制御部11は、操作ボタン検出押下信号によって、後述するように、画像読取処理の開始、終了、画像読取装置1へのアクセス制限及び画像読取装置1へのアクセス制限の解除等の判断を行う。
トップカバー6は、排出ガイド4の下方に配置され、原稿づまりの処理時及び画像読取装置1内部の清掃時等に開閉可能なように、ヒンジにより筐体2に係合している。
表示部8は、LCDを有し、筐体2の正面端部に配置される。表示部8には、無線通信回線のネットワークの識別子など無線通信を確立するために使用される通信情報に対応するQRコード(登録商標)等が表示される。
開閉検出部9は、検出センサを有し、第1給紙ガイド3が閉じられているときに、第1給紙ガイド3に対向する位置に配置される。開閉検出部9は、第1給紙ガイド3が閉じられている場合は、第1給紙ガイド3の近接を検出し、第1給紙ガイド3が閉じられていることを示す第1給紙ガイド閉検出信号を生成し、制御部11に送信する。
画像読取部13は、CCDセンサを有し、上ガイド15aと下ガイド15bとの間に挟持される原稿を読み取って、原稿に対応する画像信号を生成して、制御部11に出力する。
第1及び第2搬送ローラ14a及び14bは、不図示のモータにより駆動され、挿入された原稿(図示せず)を上ガイド15aと下ガイド15bの間に案内し、且つ画像読取部13に読み取られた原稿を排出ガイド4を通して外部に排出する。図3(b)の矢印Eは、画像読取装置1内における原稿の搬送経路を示している。
図3(a)に示すように、画像読取装置1は、第1給紙ガイド3及び排出ガイド4が閉じられている場合、画像読取装置1は、原稿を搬送することができない。即ち、図3(a)に示す状態は、画像読取装置1の読取機能が無効な状態である。一方、図3(b)に示すように、画像読取装置1は、第1給紙ガイド3及び排出ガイド4が開いている場合、画像読取装置1は、原稿を搬送することができる。即ち、図3(b)に示す状態は、画像読取装置1の読取機能が有効な状態である。
原稿検出部16は、検出センサを有し、第2給紙ガイド7に原稿が配置されている場合は、原稿を検出して、原稿セット検出信号を生成し、制御部11に送信する。
図4は、画像読取装置1の回路ブロック図である。画像読取装置1は、アンテナ部31、高周波処理部32、ベースバンド処理部33等を更に有している。
制御部11は、メモリ12に格納されたコンピュータプログラムに従い画像読取装置1の動作を制御する。制御部11は、画像読取装置1が読み取るための画像読取プログラム及び無線通信回線を介して通信するための通信プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit: 中央処理ユニット)や、DSP(digital signal processor)を備える。メモリ12には、画像読取プログラム及び通信プログラムが格納される。メモリ12には、画像読取プログラム及び通信プログラムのほか、その実行の際に使用されるデータや、制御部11により生成される原稿の画像データが格納される。メモリ12は、画像読取プログラムを記憶するための非揮発性記憶装置や、データを一次的に記憶するための揮発性メモリを含んでいてよい。なお、他の実施例では、画像読取処理を行うための、LSI(large scale integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programming Gate Array)等の論理回路を備えていてもよい。以下に説明される画像読取処理及び通信処理の一部又は全部をハードウェア処理によって実行してもよい。
アンテナ部31は、無線信号を送受信し、高周波処理部32は、送信する無線信号をベースバンド信号から変換するとともに、受信された無線信号をベースバンド信号に変換する。ベースバンド処理部33は、ベースバンド信号とディジタル信号とを相互に変換する。
図5は、画像読取装置1の制御部11の機能ブロック図である。制御部11は、読取処理部50と、画像生成部51と、無線通信接続部52と、ウェブサーバ部53と、アプリケーションサーバ部54と、時間計測部55と、操作ボタン押下時間測定部56とを有する。これらの構成要素50〜56による処理は、メモリ12に格納された画像読取プログラム及び通信プログラムをそれぞれ制御部11が実行することによって実施される。なお、図5は、以下の説明に関係する機能を中心として示している。このため、制御部11は図示の構成要素以外の他の構成要素を含んでいてよい。
読取処理部50は、画像読取部13並びに第1及び第2搬送ローラ14a及び14b等のハードウェアを駆動し、原稿を読み取る際の画像読取装置1の動作を制御する。画像生成部51は、画像読取部13の出力信号から画像データを生成する。
無線通信接続部52は、携帯情報端末装置などの無線通信端末との間の無線通信接続を、ビーコン信号を相互に送受信することにより、接続し且つ維持する。ビーコン信号は、WiFi(登録商標)表示が付される機器などIEEE 802.11シリーズに準拠する機器から一定時間ごとに発信される信号であり、ネットワークの識別子であるESSID(Extended Service Set identification Data)を含む。無線通信接続の方式では、パッシブスキャン方式及びアクティブスキャン方式の2つの方式が規定される。パッシブスキャン方式は、無線アクセスポイント、すなわちサーバからビーコン信号を送信することにより通信接続処理を開始する方式である。一方、アクティブスキャン方式は、クライアントからの通信接続要求により通信接続処理を開始する方式である。
ウェブサーバ部53は、無線通信回線を介して無線通信端末のウェブブラウザからのHTTP要求信号を受信する。HTTP要求信号を受信したウェブサーバ部53は、受信したHTTP要求信号に対応する処理要求信号をアプリケーションサーバ部54に送信する。処理要求信号を受信したアプリケーションサーバ部54は、処理要求信号に応じた処理を実行する。アプリケーションサーバ部54は、処理の実行により生成された応答情報に対応する応答情報信号をウェブサーバ部53に返信する。ウェブサーバ部53はアプリケーションサーバ部54から応答情報信号を受信し、受信した応答情報信号に対応するHTTP応答情報信号を無線通信端末のウェブブラウザに送信する。
また、ウェブサーバ部53は、通常モード、完全アクセス制御モード、及び部分アクセス制御モードの3つのモードを有する。ウェブサーバ部53は、アクセス制御移行条件が成立したときに、通常モードから完全アクセス制御モード、又は部分アクセス制御モードに移行する。通常モードからアクセス制御に移行する条件として、制御部11が第1給紙ガイド閉検出信号を受信すること、読取処理を実行してから一定時間経過すること、及び操作ボタン5の一定時間継続して長押しされることがある。ウェブサーバ部53が完全アクセス制御モードに移行するか、又は部分アクセス制御モードに移行するかは、メモリ12に記憶されるアクセス制限テーブルにおいて設定される。また、アクセス制限テーブルは、部分アクセス制御モードにおいて制限されるアクセスの種類も設定可能である。アクセス制限テーブルの設定は、アクセス制限設定用紙の読み取りなどにより行う。
ウェブサーバ部53が完全アクセス制御モードに移行すると、ウェブサーバ部53は、無線通信端末からのアクセスの全部を制限する。ウェブサーバ部53が無線通信端末からのアクセスの全部を制限する場合、ウェブサーバ部53は、機能を停止する。このため、画像読取装置1は、サーバとしての機能を停止する。
一方、ウェブサーバ部53が部分アクセス制御モードに移行すると、無線通信端末からのアクセスされたときに、ウェブサーバ部53は、HTTPアクセス制限画像信号を送信する。
時間計測部55は、読取処理部50による画像読取処理が終了した時からの時間を計測し、所定のアクセス制限待機時間が経過したときに、アクセス制限待機時間経過信号を生成する。
操作ボタン押下時間測定部56は、操作ボタン押下検出信号に基づいて、操作ボタン5が押下されたことを検出した時からの時間を計測し、所定の時間が経過したときに、操作ボタン押下時間経過信号を生成する。制御部11は、生成された操作ボタン押下時間経過信号の数を累積加算して、操作ボタン押下回数情報としてメモリ12に記憶する。制御部11は、操作ボタン押下回数情報が奇数の場合、ウェブサーバ部53を完全アクセス制御モード又は部分アクセス制御モードに移行する。また、制御部11は、操作ボタン押下回数情報が偶数の場合、ウェブサーバ部53を通常モードに移行する。これにより、ウェブサーバ部53が通常モードのときに、操作ボタン押下時間経過信号が生成されると、制御部11は、ウェブサーバ部53を通常モードから完全アクセス制御モード又は部分アクセス制御モードに移行する。一方、ウェブサーバ部53が完全アクセス制御モード又は部分アクセス制御モードのときに、操作ボタン押下時間経過信号が生成されると、制御部11は、ウェブサーバ部53を完全アクセス制御モード又は部分アクセス制御モードから通常モードに移行する。
図6を参照して、画像読取装置1による画像読取処理について説明する。図6は、画像読取装置1による画像読取処理を示すフロー図である。図6に示すフローは、画像読取装置1のメモリ12に記憶されるコンピュータプログラムにより、画像読取装置1の制御部11が実行する。
まず、ステップS101において、画像読取装置1は電源が投入される。画像読取装置1は電源が投入されると、メモリ12に記憶される読取カウンタ、内蔵タイマ、及び画像処理ワークメモリ等のデータを初期化する。
次いで、ステップS102において、画像読取装置1は、アクセス制限設定用紙を読み取る。アクセス制限設定用紙は、アクセス制限設定用紙であることを画像読取装置1が認識するための認識表示と、各種の設定データとが表示される。設定データには、アクセス制限モードの種類、部分アクセス制御モードにおいて制限されるアクセスの種類が含まれる。更に、設定データには、読取処理を実行してからアクセス制限モードに移行するまでの時間、及び操作ボタン5の長押しによりウェブサーバ部53のモードを切り替えるための長押し時間などが含まれる。なお、アクセス制限に関する設定を変更しない場合、ステップS102の処理は省略することができる。
次いで、ステップS103において、画像読取装置1は、オペレータが操作ボタン5を押下したことを検出する。画像読取装置1が操作ボタン5の第1の押下を検出することにより、画像読取装置1は、読取状態になる。
次いで、ステップS104において、画像読取装置1は、原稿が第2給紙ガイド7に配置されているか否かを判定する。画像読取装置1が原稿が第2給紙ガイド7に配置されていると判定した場合は、処理はステップS105に進む。一方、画像読取装置1が原稿が第2給紙ガイド7に配置されていないと判定した場合は、処理はステップS104に戻る。制御部11は、原稿検出部16から原稿セット検出信号を受信したか否かに基づいて、原稿が第2給紙ガイド7に配置されているか否かを判定する。
画像読取装置1が原稿が第2給紙ガイド7に配置されていると判定した場合は、ステップS105において、画像読取装置1は、読取処理部50を機能させて原稿を読み取る。
次いで、ステップS106において、画像読取装置1は、オペレータが操作ボタン5を再び押下したか否かを判定する。画像読取装置1が操作ボタン5の第2の押下を検出することにより、画像読取装置1は、読取状態を終了するためである。操作ボタン5が再び押下されていないと判定される場合、処理は、ステップS104に戻る。操作ボタン5が再び押下されたと判定される場合、処理は、S107に進む。
そして、ステップS107において、画像読取装置1は、画像生成部51を機能させて画像データを生成する。
図7は、無線通信システム100に含まれる携帯情報端末装置200の回路ブロック図である。携帯情報端末装置200は、端末制御部211と、端末メモリ212と、端末表示部213と、端末操作入力部214と、端末インタフェース部215を有する。携帯情報端末装置200は、端末アンテナ部231と、端末高周波処理部232と、端末ベースバンド処理部233とを更に有する。
端末制御部211は、端末メモリ212に格納されたコンピュータプログラムに従い携帯情報端末装置200の動作を制御する。端末制御部211は、携帯情報端末装置200が無線通信回線を介して通信するための通信プログラムを実行するCPUや、DSPを備える。端末メモリ212には、通信プログラムが格納される。端末メモリ212には、通信プログラムのほか、その実行の際に使用されるデータや、無線通信回線を介して画像読取装置1から取得される画像データが格納される。端末メモリ212は、通信プログラムを記憶するための非揮発性記憶装置や、データを一次的に記憶するための揮発性メモリを含んでいてよい。なお、他の実施例では、画像読取処理を行うためのLSIやASIC等の論理回路を備えていてもよい。以下に説明される通信処理の一部又は全部をハードウェア処理によって実行してもよい。
端末表示部213は、携帯情報端末装置200の正面部に形成されるLCDであり、無線通信回線を介して画像読取装置1から取得された画像を表示するとともに、端末操作入力部214の一部の機能をGUI上に表示されたソフトウェアボタンとして表示する。端末表示部213の表面に設けられた透明のタッチパネルの出力信号を検出することによって、ソフトウェアボタンの操作による入力を受け付ける。
端末操作入力部214は、オペレータによる操作により生じる入力信号を受け付ける。端末インタフェース部215は、携帯情報端末装置200と他の装置との間の有線通信インタフェースである。携帯情報端末装置200は、画像読取装置1から取得された画像データを端末インタフェース部215を介してパーソナルコンピュータ(図示せず)へ送信することが可能である。
端末アンテナ部231は、画像読取装置1との間で無線信号を送受信し、端末高周波処理部232は、画像読取装置1に送信する無線信号をベースバンド信号から変換するとともに、画像読取装置1から受信された無線信号をベースバンド信号に変換する。端末ベースバンド処理部233は、ベースバンド信号とディジタル信号とを相互に変換する。
図8は、携帯情報端末装置200の端末制御部211の機能ブロック図である。端末制御部211は、ユーザインタフェース部251と、端末無線通信接続部252と、ウェブブラウザ部253とを備える。これらの構成要素251〜253による処理は、端末メモリ212に格納された通信プログラムを端末制御部211が実行することによって実施される。なお、図8は、以下の説明に関係する機能を中心として示している。このため、端末制御部211は図示の構成要素以外の他の構成要素を含んでいてよい。
ユーザインタフェース部251は、オペレータが携帯情報端末装置200に対して各種の操作又は設定を行う際に、携帯情報端末装置200とオペレータの操作との仲介を行うプログラムである。ユーザインタフェース部251は、端末操作入力部214を介して入力されるオペレータの操作情報に従って、端末メモリ212に記憶される各種プログラムに操作情報を転送して、それぞれに応じた処理の実行依頼又はデータの設定等を行う。
端末無線通信接続部252は、画像読取装置1との間の無線通信接続を、ビーコン信号を相互に送受信することにより、接続し且つ維持する。
ウェブブラウザ部253は無線通信回線を介して画像読取装置1のウェブサーバ部53に対してHTTP接続し、画像読取装置1が提供する各種処理を実行するためのプログラムである。ウェブブラウザ部253は、端末操作入力部214から入力されるオペレータによる入力を受け付けて、オペレータ入力に対応するオペレータ入力信号を画像読取装置1のウェブサーバ部53に送信する。また、ウェブブラウザ部253は、画像読取装置1のウェブサーバ部53から受信した信号をユーザインタフェース部251を介して端末メモリ212が記憶可能なデータに変換し、変換されたデータを端末メモリ212に記憶する。
図9を参照して、画像読取装置1をサーバとし且つ携帯情報端末装置200をクライアントとする無線通信システム100における通信処理について説明する。図9は、無線通信システム100における通信処理のフロー図である。図9に示すフローは、画像読取装置1のメモリ12及び携帯情報端末装置200の端末メモリ212にそれぞれ記憶されるコンピュータプログラムにより、画像読取装置1の制御部11及び携帯情報端末装置200の端末制御部211が、対応する処理をそれぞれ実行する。
まず、ステップS201において、画像読取装置1は、携帯情報端末装置200と無線通信回線を接続する。ここでは、携帯情報端末装置200は、画像読取装置1から送信されるビーコン信号を受信して、画像読取装置1をアクセスポイントとする無線通信回線の品質が安定していることを確認し、且つ画像読取装置1をサーバとして確認する。次いで、携帯情報端末装置200は、画像読取装置1に認証を要求し、画像読取装置1は、携帯情報端末装置200が画像読取装置1をアクセスポイントとする無線通信回線のクライアントとして正当であるか否かを確認する。次いで、画像読取装置1と携帯情報端末装置200とは、サーバ―クライアント間の関係を確立するために、互いのSSIDを交換する。そして、画像読取装置1は、携帯情報端末装置200のSSIDを管理テーブルに登録することにより、画像読取装置1と携帯情報端末装置200との間の無線通信回線の接続処理は完了する。これらの接続処理は、画像読取装置1の無線通信接続部52と携帯情報端末装置200の端末無線通信接続部252との間で実行される。また、接続処理が完了した後も、画像読取装置1及び携帯情報端末装置200はそれぞれ、所定の周期でビーコン信号の送受信を継続する。
次いで、ステップS202において、画像読取装置1は、図6に示す画像読取処理フローに従って、原稿を読み取る。
次いで、ステップS203において、携帯情報端末装置200はアクセス要求信号を送信する。ここでは、携帯情報端末装置200は、オペレータにより端末表示部213に「閲覧」と表示されるソフトウェアボタンが押下されたことを検出し、ユーザインタフェース部251及びウェブブラウザ部253を介して、HTTPアクセス要求信号を送信する。
次いで、ステップS204において、画像読取装置1は、アクセス要求信号を受信する。ここでは、ウェブサーバ部53が、HTTPアクセス要求信号を受信して、対応するアクセス要求信号をアプリケーションサーバ部54に送信する。アプリケーションサーバ部54は、送信したアクセス要求信号に基づいてアクセス要求情報を生成する。
次いで、ステップS205において、画像読取装置1は、第1給紙ガイド3が開いているか否かを判定する。ここでは、制御部11は、開閉検出部9から第1給紙ガイド閉検出信号を受信しているか否かを判定する。制御部11が第1給紙ガイド閉検出信号を開閉検出部9から受信していない場合は、第1給紙ガイド3が開けられていると判定され、処理は、ステップS206に進む。一方、制御部11が第1給紙ガイド閉検出信号を開閉検出部9から受信している場合は、第1給紙ガイド3が閉じられていると判定され、処理は、ステップS213に進む。
第1給紙ガイド3が開いていると判定された場合、ステップS206において、画像読取装置1は、アクセス許可信号を送信する。ここでは、アプリケーションサーバ部54は、アクセス許可信号をウェブサーバ部53に送信する。次いで、ウェブサーバ部53は、アクセス許可信号に対応するHTTPアクセス許可信号を携帯情報端末装置200のウェブブラウザ部253に送信する。
次いで、ステップS207において、携帯情報端末装置200は、画像読取装置1からアクセス許可信号を所定のアクセス許可時間の間に受信するか否かを判定する。携帯情報端末装置200が、所定のアクセス許可時間の間に画像読取装置1からアクセス許可信号を受信した場合は、携帯情報端末装置200は、画像読取装置1がアクセスを許可したと判定して、ステップS208に進む。一方、携帯情報端末装置200が、所定のアクセス許可時間の間に画像読取装置1からアクセス許可信号を受信しなかった場合は、携帯情報端末装置200は、画像読取装置1がアクセスを制限したと判定して、ステップS214に進む。
ステップS207において、携帯情報端末装置200がアクセスを許可されたと判定した場合、ステップS208において、携帯情報端末装置200は、画像要求信号を画像読取装置1に送信する。ここでは、携帯情報端末装置200は、ユーザインタフェース部251及びウェブブラウザ部253を介して、HTTP画像要求信号を送信する。
次いで、ステップS209において、画像読取装置1は、画像要求信号を携帯情報端末装置200から受信する。ここでは、ウェブサーバ部53が、HTTP画像要求信号を受信して、対応する画像要求信号をアプリケーションサーバ部54に送信する。次いで、画像要求信号が送信されたアプリケーションサーバ部54は、メモリ12に記憶される単数又は複数の画像データにアクセスする。
次いで、ステップS210において、画像読取装置1は、単数又は複数の画像信号を携帯情報端末装置200に送信する。ここでは、アプリケーションサーバ部54は、単数又は複数の画像データをウェブサーバ部53に送信する。次いで、ウェブサーバ部53は、画像データに対応するHTTP画像データを携帯情報端末装置200のウェブブラウザ部253に送信する。
次いで、ステップS211において、携帯情報端末装置200は、HTTP画像信号を受信する。ここでは、HTTP画像データを受信したウェブブラウザ部253は、ユーザインタフェース部251を介して、対応する画像データを端末メモリ212に記憶する。
次いで、ステップS212において、携帯情報端末装置200は、画像を端末表示部213に表示する。ここでは、ユーザインタフェース部251は、端末メモリ212に記憶される画像データを端末表示部213に表示可能なデータに変換し、端末表示部213に画像を表示する。
図10(a)に、ステップS212において、端末表示部213に表示される画像を含む表示画面を示す。図10(a)において、端末表示部213には、画像280a〜280fと、ソフトウェアボタン部281とが表示される。
画像280a〜280fは、画像読取装置1のメモリ12に記憶されている画像データに対応する画像である。画像280a〜280fは、オペレータにより押下されることにより選択表示される。図10(b)に、オペレータにより押下されて、画像280aが選択表示された図を示す。オペレータは、図10(b)に示される画像280aを適当にタッチすることにより、表示状態を様々に変更できる。例えば、画像280aを右方向から左方向に連続的にタッチすることにより、次頁を表示できる。
ソフトウェアボタン部281には、設定ボタン281aと、ダウンロードボタン281bと、コンテンツボタン281cと、削除ボタン281dと、リスト切換ボタン281eとが表示される。これらのソフトウェアボタンは、オペレータにより押下されることにより所定の機能を実行するように機能する。
設定ボタン281aを押下することにより、画像読取装置1内部の設定を変更するための変更画面、又は無線通信回線の設定を変更するための変更画面などを介して種々の設定を変更することができる。
ダウンロードボタン281bを押下することにより、選択表示されている画像の画像データを画像読取装置1のメモリ12から携帯情報端末装置200の端末メモリ212にダウンロードすることができる。
コンテンツボタン281cを押下することにより、選択表示されている画像に対応する画像読取装置1のメモリ12内部の画像データを編集することができる。選択表示されている画像の編集には、画像を切り出すこと、画像の頁順序の入れ替えること、複数の画像を纏めてドキュメントを作成することなどが含まれる。例えば、図10(b)に示される状態でコンテンツボタン281cを押下することにより、画像280aを編集できる。
削除ボタン281dを押下することにより、選択表示されている画像に対応する画像データを画像読取装置1のメモリ12から削除することができる。例えば、図10(b)に示される状態でコンテンツボタン281cを押下することにより、画像280aを削除できる。
リスト切換ボタン281eを押下することにより、表示されている画像をテキスト文字表示に切り替えることができる。例えば、図10(a)に示される状態でコンテンツボタン281cを押下することにより、画像280a〜280fの表示を画像280a〜280fにそれぞれ対応するテキストの表示に切り替えることができる。
次に、ステップS205において、画像読取装置1が第1給紙ガイド3が閉じていると判定した場合について説明する。再び図9を参照して、ステップS213において、画像読取装置1は、ウェブサーバ部53は、完全アクセス制限モードであるか、又は部分アクセス制限モードであるかを判定する。
ステップS213において、ウェブサーバ部53が完全アクセス制限モードであると判定された場合、画像読取装置1は、処理を終了する。画像読取装置1が処理を終了するため、画像読取装置1は、サーバとして機能せず、携帯情報端末装置200は、画像データを取得できない。このため、携帯情報端末装置200は、後に説明するアクセス制限画像要求信号に対する応答信号を受信することができない。このため、図11(a)に示されるように、所定の応答待機時間を経過後に、ページを表示できないことを示すページ不検出表示282を、端末表示部213に表示する。ページ不検出表示282に対応するページ不検出表示画像データは、携帯情報端末装置200の端末メモリ212に記憶されている。しかしながら、この場合でも、画像読取装置1の無線通信接続部52及び携帯情報端末装置200の端末無線通信接続部252はそれぞれ機能し続けるため、画像読取装置1は、携帯情報端末装置200との間の通信を維持している。
ステップS213において、ウェブサーバ部53が部分アクセス制限モードであると判定された場合、画像読取装置1は、ステップS215において、アクセス制限画像要求信号を受信するまで待機する。
一方、携帯情報端末装置200は、部分アクセス制御モードではアクセス許可信号を受信することはないため、ステップS207における所定のアクセス許可時間の経過後にステップS214に進む。次いで、ステップS214において、携帯情報端末装置200は、アクセス制御画像要求信号を画像読取装置1に送信する。
次いで、ステップS215において、画像読取装置1は、アクセス制御画像要求信号を受信する。ここでは、アクセス制御画像要求信号を受信したアプリケーションサーバ部54は、メモリ12に記憶されるアクセス制限画像データにアクセスする。
次いで、ステップS216において、画像読取装置1は、アクセス制御画像信号を送信する。ここでは、アプリケーションサーバ部54は、アクセス制限画像データをウェブサーバ部53に送信する。次いで、ウェブサーバ部53は、アクセス制限画像データに対応するHTTPアクセス制限画像データを含むHTTPアクセス制限画像信号を携帯情報端末装置200のウェブブラウザ部253に送信する。
次いで、ステップS217において、携帯情報端末装置200は、アクセス制限画像信号を受信する。ここでは、HTTPアクセス制限画像データを含むHTTPアクセス制限画像信号を受信したウェブブラウザ部253は、対応するアクセス制限画像データを端末メモリ212に記憶する。
次いで、ステップS218において、携帯情報端末装置200は、アクセス制限画像を表示する。ここでは、ユーザインタフェース部251は、端末メモリ212に記憶されるアクセス制限画像データを端末表示部213に表示可能なデータに変換し、端末表示部213にアクセス制限画像を表示する。
図11(b)に、ステップS218において、端末表示部213に表示されるアクセス制限画像を含む表示画面の一例を示す。ここでは、ダウンロードボタン281bと、削除ボタン281dとが端末表示部213に表示されていない。このため、携帯情報端末装置200を使用するオペレータは、ダウンロード機能及び削除機能を実行できないことになる。なお、部分アクセス制限モードにより制限されるアクセスの種類は、ダウンロード機能及び削除機能のみでなく、編集機能など携帯情報端末装置200からのアクセスにより処理可能な他の機能も含まれる。このように、部分アクセス制御モードでは、携帯情報端末装置200の端末表示部213に表示される画像を選択することにより、何れかのアクセスを制限することができる。
以上、図9を参照して、画像読取装置1をサーバとする無線通信システム100における通信フローについて説明してきた。画像読取装置1は、第1給紙ガイド3の開閉に応じて、携帯情報端末装置200との無線通信回線を維持しながら、携帯情報端末装置200とのアクセス制限及びアクセス制限の解除を行う。このため、携帯情報端末装置200とのアクセスを制限したい場合には、オペレータは、画像読取装置1の第1給紙ガイド3を閉じればよい。一方、携帯情報端末装置200とのアクセス制限を解除したい場合には、オペレータは、画像読取装置1の第1給紙ガイド3を開けることにより、再度の通信設定などのための付加的な作業及び通信設定時間を要することなく、アクセス制限を解除できる。このように、画像読取装置1では、携帯情報端末装置200とのアクセスのセキュリティレベルを簡便且つ迅速に切替えられる。
図9を参照して説明したフローでは、画像読取装置1の第1給紙ガイド3の開閉に応じてアクセス制限及びアクセス制限の解除が行われる。しかしながら、画像読取装置1は、他の手段によっても、アクセス制限及びアクセス制限の解除可能なような設定が選択可能である。オペレータは、これら3つのアクセス制限及びアクセス制限の解除の何れか1つのみを機能させるように設定できる。また、オペレータは、これら3つのアクセス制限及びアクセス制限の解除の何れか2つ又は全てを機能させるように設定できる。
図12は、無線通信システム100において、読取処理を実行してから一定時間経過後に、アクセス制限がされる場合のフロー図である。図12に示すフローは、画像読取装置1のメモリ12及び携帯情報端末装置200の端末メモリ212にそれぞれ記憶されるコンピュータプログラムにより、画像読取装置1の制御部11及び携帯情報端末装置200の端末制御部211が、対応する処理をそれぞれ実行する。S308〜S320は、図9に示すフローのステップS206〜S218に対応するため、ここでは説明を省略する。
まず、ステップS301において、画像読取装置1は、携帯情報端末装置200と無線通信回線を接続する。
次いで、ステップS302において、画像読取装置1は、図6に示す画像読取処理フローに従って、原稿を読み取る。
次いで、ステップS303において、画像読取装置1は、アクセス制限がされているか否かを判定する。画像読取装置1がアクセス制限がされていると判定すると、処理は、ステップS304に進む。一方、画像読取装置1がアクセス制限が解除されていると判定すると、処理は、ステップS305に進む。
アクセス制限がされていると判定される場合、ステップS304において、画像読取装置1は、アクセス制限を解除する。
次いで、画像読取装置1は、ステップS306において、ステップS305で携帯情報端末装置200から送信されたアクセス要求信号を受信する。
次いで、ステップS307において、画像読取装置1は、ステップS302に示す画像読取処理が実行された後に所定のアクセス制限待機時間を経過したか否かを判定する。時間計測部55は、ステップS302における読取処理部50による画像読取処理が終了した時から時間を計測している。所定のアクセス制限待機時間が経過したときに、時間計測部55は、アクセス制限待機時間経過信号を生成する。アクセス制限待機時間経過信号が生成されていない場合には、画像読取装置1は、所定のアクセス制限待機時間が経過していないと判定し、処理は、ステップS308に進む。一方、アクセス制限待機時間経過信号が生成されている場合には、画像読取装置1は、所定のアクセス制限待機時間が経過したと判定し、処理は、ステップS315に進む。
このように、図12に示すフローでは、画像読取装置1は、原稿を読み取ってから所定のアクセス制限待機時間が経過した場合に、アクセス制限する。また、アクセス制限された状態で、新たな原稿を読み取ることにより、アクセス制限を解除する。このため、図12に示すフローでは、画像読取装置1は、携帯情報端末装置200とのアクセスのセキュリティレベルを簡便に切替えられる。
図13は、無線通信システム100において、オペレータにより操作ボタン5が一定時間の間長押しがされた後に、アクセス制限がされる場合のフロー図である。図13に示すフローは、画像読取装置1のメモリ12及び携帯情報端末装置200の端末メモリ212にそれぞれ記憶されるコンピュータプログラムにより、画像読取装置1の制御部11及び携帯情報端末装置200の端末制御部211がそれぞれ、対応する処理をそれぞれ実行する。ステップS401〜S404及びS406〜S418は、図9に示すフローのステップS201〜S204及びS206〜S218にそれぞれ対応するため、ここでは説明を省略する。
ステップS405において、画像読取装置1は、操作ボタン5が長押しされた回数が奇数回であるか又は偶数回であるかを判定する。ここでは、制御部11は、メモリ12に記憶される操作ボタン押下回数情報を参照して、操作ボタン押下回数情報が奇数の場合、操作ボタン5が奇数回長押しされたと判定してステップS413に進む。一方、制御部11は、操作ボタン押下回数情報が偶数の場合、操作ボタン5が偶数回長押しされたと判定してステップS406に進む。
このように、図13に示すフローでは、画像読取装置1は、操作ボタン5が長押しされた回数により、アクセス制限し、又はアクセス制限を解除する。このため、オペレータがアクセスのセキュリティレベルを切替えたいときに、携帯情報端末装置200とのアクセスのセキュリティレベルを迅速に切替えられることができる。
図14は、画像撮像装置300をサーバとする他の無線通信システム400を示す図である。無線通信システム400は、サーバとして機能する画像撮像装置300と、画像撮像装置300に無線通信回線を介して接続されてクライアントとして機能する複数の携帯情報端末装置200a〜200cを有する。
図15(a)は、画像撮像装置300の読取機能が無効な状態の画像撮像装置300の正面図である。図15(b)は、画像撮像装置300の画像撮像機能が有効な状態の画像撮像装置300の正面図である。
図15に示すように、画像撮像装置300は、撮像レンズ301と、バリア位置検出部309と、バリア324とを有する。
図15(a)に示すように、バリア324が撮像レンズ301の前面に位置するバリア閉位置に位置するとき、画像撮像装置300は、撮像処理を実行できない。一方、図15(b)に示すように、撮像レンズ301の前面から外れた位置に位置するバリア開位置に位置するとき、画像撮像装置300は、撮像処理を実行できる。このため、図15(a)に示すように、バリア324がバリア閉位置に位置する状態は、画像撮像装置300の画像撮像機能が無効な状態である。一方、図15(b)に示すように、バリア324がバリア開位置に位置する状態は、画像撮像装置300の画像撮像機能が有効な状態である。
バリア位置検出部309は、検出センサを有し、撮像レンズ301の近傍に配置される。バリア位置検出部309は、画像撮像装置300の画像撮像機能が無効な状態であるか又は有効な状態であるかを検出する。バリア位置検出部309は、バリア324がバリア閉位置に位置する場合は、バリア324の近接を検出し、バリア324が閉じられていることを示すバリア閉検出信号を後述する撮像制御部311に送信する。
図16は、画像撮像装置300の回路ブロック図である。画像撮像装置300は、シャッタ303、撮像部305、撮像制御部311、撮像メモリ312、光学ファインダ320、撮像ボタン325、撮像アンテナ部331、撮像高周波部332及び撮像ベースバンド処理部333等を更に有する。
図17は、画像撮像装置300の撮像制御部311の機能ブロック図である。撮像制御部311は、撮像処理部350と、撮像画像生成部351と、撮像無線通信接続部352と、撮像ウェブサーバ部353と、撮像アプリケーションサーバ部354とを有する。更に、撮像制御部311は、撮像時間計測部355と、撮像ボタン押下時間測定部356とを有する。
撮像処理部350は、撮像レンズ301、シャッタ303、撮像部305及び光学ファインダ320などをそれぞれ駆動し、画像を撮像するための画像撮像装置300の動作を制御して、画像を撮像する。
画像生成部51は、撮像部305の出力信号から画像データを生成する。
撮像無線通信接続部352、撮像ウェブサーバ部353及び撮像アプリケーションサーバ部354はそれぞれ、画像読取装置1の無線通信接続部52、ウェブサーバ部53及びアプリケーションサーバ部54と同様な機能を有する。
撮像時間計測部355は、撮像処理部350による画像撮像処理が終了した時からの時間を計測し、所定の時間が経過したときに、時間経過信号を生成する。
撮像ボタン押下時間測定部356は、撮像ボタン325が押下されたことを検出した時からの時間を計測し、所定の時間が経過したときに、撮像ボタン押下時間経過信号を生成する。撮像制御部311は、生成された撮像ボタン押下時間経過信号の数を累積加算して、撮像ボタン押下回数情報として撮像メモリ312に記憶する。撮像制御部311は、撮像ボタン押下回数情報が奇数の場合、撮像ウェブサーバ部353を完全アクセス制御モード又は部分アクセス制御モードに移行する。また、撮像制御部311は、撮像ボタン押下回数情報が偶数の場合、撮像ウェブサーバ部353を通常モードに移行する。
図18は、画像撮像装置300による画像撮像処理を示すフロー図である。図18に示すフローは、画像撮像装置300の撮像メモリ312に記憶されるコンピュータプログラムにより、画像撮像装置300の撮像制御部311が実行する。
まず、S501において、画像撮像装置300は電源が投入される。画像撮像装置300は電源が投入されると、撮像メモリ312などに記憶される読取カウンタ、内蔵タイマ、及び画像処理ワークメモリ等のデータを初期化する。
次いで、ステップS502において、画像撮像装置300は、アクセス制限の各種設定をする。アクセス制限の設定は、撮像表示部328に表示されるソフトウェアボタンにより変更可能である。なお、アクセス制限に関する設定を変更しない場合、ステップS502の処理は省略することができる。
次いで、ステップS503において、画像撮像装置300は、オペレータが撮像ボタン325を押下したことを検出する。画像撮像装置300が撮像ボタン325の押下を検出することにより、画像撮像装置300は、画像撮像状態になる。
次いで、ステップS504において、画像撮像装置300は、撮像処理部350を機能させて画像を撮像する。
そして、ステップS505において、画像撮像装置300は、撮像画像生成部351を機能させて画像データを生成する。
次に、図19を参照して、画像撮像装置300をサーバとし且つ携帯情報端末装置200をクライアントとする無線通信システム400における通信処理について説明する。図19は、無線通信システム400における通信処理のフロー図である。ステップS601、S603、S604及びS606〜S618は、図9に示すフローのステップS201、S203、S204及びS206〜S218にそれぞれ対応するため、ここでは説明を省略する。
ステップS602において、画像撮像装置300は、図18に示す画像撮像処理フローに従って、画像を撮像する。ここでは、撮像処理部350及び撮像画像生成部351をそれぞれ機能させることにより画像撮像装置300は、画像を撮像する。画像撮像装置300は、撮像した画像に対応する画像データを撮像メモリ312に記憶する。
ステップS605において、画像撮像装置300は、バリア324が開いているか否かを判定する。すなわち、画像撮像装置300は、バリア324がバリア閉位置に位置するか、又はバリア開位置に位置するかを判定する。ここでは、撮像制御部311は、ステップS604において、アクセス要求情報が生成されると、バリア位置検出部309からバリア閉検出信号を受信しているか否か判定する。撮像制御部311がバリア閉検出信号をバリア位置検出部309から受信していない場合は、バリア324が開けられていると判定され、処理は、ステップS606に進む。一方、撮像制御部311がバリア閉検出信号をバリア位置検出部309から受信している場合は、バリア324が閉じられていると判定され、処理は、ステップS613に進む。
図19を参照して説明したフローでは、画像撮像装置300のバリア324の開閉に応じてアクセス制限及びアクセス制限の解除が行われる。しかしながら、画像撮像装置300のバリア324は、他の手段によっても、アクセス制限及びアクセス制限の解除可能なような設定が選択可能である。例えば、撮像時間計測部355を機能させて、画像を撮像してから所定のアクセス制限待機時間が経過した場合に、アクセス制限する。また、アクセス制限された状態で、新たな画像を撮像することにより、アクセス制限を解除する。また、撮像ボタン押下時間測定部356を機能させて、撮像ボタン325が長押しされた回数により、アクセス制限し、又はアクセス制限を解除することができる。オペレータは、これら3つのアクセス制限及びアクセス制限の解除の何れか1つのみを機能させるように設定できる。また、オペレータは、これら3つのアクセス制限及びアクセス制限の解除の何れか2つ又は全てを機能させるように設定できる。
以上、図1〜19を参照して、様々な実施形態を説明してきた。しかしながら、本発明の精神、及び範囲を逸脱しない範囲内で、様々な変化及び変形を行うことができることが理解されるであろう。
例えば、画像読取装置1は、表示部8を有さなくてもよい。画像読取装置1が表示部8を有さないときは、画像読取装置1の筐体2に無線通信を確立するための使用される通信情報に対応するQRコード(登録商標)が標示される。また、表示される又は標示されるQRコード(登録商標)の代わりにバーコードなど携帯情報端末装置200が読取可能な他の情報表示形態を使用してもよい。また、操作ボタン5は、表示部8のGUI上に表示されたソフトウェアボタンであってもよい。この場合、表示部8の表面に設けられた透明のタッチパネルの出力信号を検出することによって、操作ボタン5の操作による入力を受け付ける。
また、画像読取装置1のアクセス制限の設定の切換えは、アクセス制限設定用紙の読み取りだけでなく、携帯情報端末装置200の端末表示部213に表示される設定ボタン281aを使用して実行可能である。
以上、実施形態を説明したが、ここに記載したすべての例や条件は、発明および技術に適用する発明の概念の理解を助ける目的で記載されたものであり、特に記載された例や条件は発明の範囲を制限することを意図するものではなく、明細書のそのような例の構成は発明の利点および欠点を示すものではない。発明の実施形態を詳細に記載したが、各種の変更、置き換え、変形が発明の精神および範囲を逸脱することなく行えることが理解されるべきである。