JP5888674B2 - エッチング装置およびエッチング方法およびクリーニング装置 - Google Patents

エッチング装置およびエッチング方法およびクリーニング装置 Download PDF

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Description

本発明は,エッチング装置およびエッチング方法およびクリーニング装置に関する。そして,Si基板,poly−Si膜,Si3 4 膜,Si酸化膜をエッチングもしくはクリーニングするエッチング装置およびエッチング方法およびクリーニング装置に関するものである。
近年,LSIの高集積化および高速化に伴って,半導体素子の微細化と多層化が進んでいる。この場合,フォトリソグラフィ技術によりレジストの微細なパターンが形成され,そのレジストをマスクとしてプラズマを用いたドライエッチングにより微細なトレンチやホールなどが形成される。また,電子デバイスでは大面積に電子デバイスとしてのpoly−Siや保護膜としてのSi3 4 膜が形成され,エッチングが行われる。また,そのチャンバークリーニングガスとしてSF6 やNF3 ,ClF3 ,CF2 O,CF4 +O2 等のガスを導入してプラズマを形成し,Fを主体とする活性種を発生させて成膜時にチャンバー壁に付着した膜の除去が行われる。
ところで,例えばMOS構造のゲート電極では微細化が進み,反応性イオンエッチングによって形成されるゲート電極の周囲には,該エッチングを施した際のイオンダメージが残っており,大きな問題となってきている。
このため,半導体製造プロセスでは,プラズマを直接基板に照射しないダウンフロー型のケミカルドライエッチング技術がゲート電極近傍の加工に使用されるようになってきた。イオンを利用せずにエッチングを行うため,ダメージを残さないという利点が挙げられている。ただし,微細化が進んできたためゲート電極の加工では,また,エッチング残渣も問題になり,ハロゲン物質などを表面から除去するクリーニング技術が求められていた。
また,電子デバイスではクリーニングガスとして地球温暖化係数の高いガスが使用されるなどが問題となっている。そのため,SF6 をはじめ,温暖化係数の高いガスの利用は避けた方が望ましい。
このような問題を解決するために,近年ではH2 +N2 ,H2 +H2 O,やN2 のダウンフロープラズマ中にNF3 をプラズマ分解しないで導入する方法が考案されている。この方法によれば,プラズマ部で生成した水素原子を下流に輸送して,NF3 と混合することで化学活性なHFやNH4 Fを生成するため,シリコン酸化膜の除去が施される(特許文献1参照)。
従来,プラズマを用いるエッチングにおいては,エッチングガスとしてC及びFを含むガスに,NOXの化合式となる添加ガスを混合する方法が開示されている(特許文献2参照)。他にも,プラズマを用いてエッチングする場合に,エッチングガスのFをシリコンプレートと反応させて消費する方法が開示されている(特許文献3参照)。また,反応性イオンビームエッチングをする場合に,エッチング停止を目的にArガスないしH2 ガスを直接吹きつける方法が開示されている(特許文献4参照)。また,プラズマを用いるエッチングにおいて,水素を含むガスとフッ素を含むガスを加熱触媒体に接触させてエッチングガスを生成する方法が開示されている(特許文献5参照)。いずれの特許文献2〜5に開示される方法においては,プラズマを使ってエッチャントを生成する方法である。
また,成膜装置のチャンバー堆積物であるシリコンについては,フッ素や,不活性ガスならびに,酸化性ガスを混合したガスをもちいてエッチングされる方法が開示されている。しかしながら,特許文献7には,該混合ガスをもちいたプラズマを使って生成した活性種によりエッチングが成し遂げられているに過ぎない(特許文献7の段落[0028]−[0049]参照)。
また,プラズマを使わずに成膜装置のチャンバーの堆積物であるシリコン窒化物をフッ素とNOの混合ガスによって100〜400℃の温度範囲でエッチング除去するチャンバークリーニング方法が開示されている。ここではシリコンのエッチングについて説明されていない。その理由は,発明者らがF2 +2NOの反応によりNOFを生じると考えているからである(特許文献6参照)。
また,FNOによるシリコンのエッチングについては,レーザーによって光のエネルギー(hν)を加えることで,FNO+hν→F+NO+ΔEとなりF原子が生成することによって,シリコンをエッチングする方法が開示されている(特許文献8参照)。
このようにFNOをエッチャントに使った方法は開示されていたが,いずれも温度が100℃以上は必要であった(特許文献9−特許文献11参照)。そのため,本願発明に挙げられるF2 +NOによってF原子を生成する方法とは似て否なるものである。
したがって,先行技術として挙げられる該チャンバーのクリーニング方法を元に容易に類推されるものではなく,本願発明者らは鋭意研究を行った結果,本願発明者らは本発明であるF2 +NOによってFが生成する機構を突き止めたからであり,該Fの生成機構により100℃以下でシリコンのエッチング現象をもちいて,該シリコンのエッチング方法を提供するものである。
特許第3,379,302号公報 特開2000−156366号公報 特開2007−299818号公報 特開平5−74736号公報 特開2012−9738号公報 特許第4,739,709号公報 特開2000−100618号公報 米国特許第4,536,252号 欧州特許第2,372,753号 米国特許5,376,234号 米国特許5,445,712号
T. Ohchi, S. Kobayashi, M. Fukasawa, K. Kugimiya, T. Kinoshita, T. Takizawa, S.Hamaguchi, Y. Kamide, and T. Tatsumi, "Reducing Damage to Si Substrates during Gate Etching Processes", Jpn J. Appl. Phys., Vol. 47, (2008), 5324. T. Hayashi, K. Ishikawa, M. Sekine, M. H., A. Kono, and K. Suu, "Quantum Chemical Investigation for Chemical Dry Etching of SiO2 by Flowing NF3 into H2 Downflow Plasma", Jpn. J. Appl. Phys. 51 (2012) 016201. J. Kikuchi, M. Iga, H. Ogawa, S. Fujumura, and H. Yano, "Native Oxide Removal on Si Surfaces by NF3−Added Hydrogen and Water Vapor Plasma Downstream Treatment", Jpn. J. Appl. Phys. 33 (1994) 2207. T. Hayashi, K. Ishikawa, M. Sekine, M. H., A. Kono, and K. Suu, "Quantum Chemical Investigation of Si Chemical Dry Etching by Flowing NF3 into N2 Downflow Plasma", Jpn. J. Appl. Phys. 51 (2012) 026505. I. Lee, D B Graves and M A Lieberman, "Modeling Electromagnetic Effects in Capacitive Discharges", Plasma Sources Sci. Technol. 17 (2008) 015018.
まず,前記するH2 +N2 やN2 のダウンフロープラズマ中にNF3 をプラズマ分解しないで導入する方法で,ケミカルドライエッチングができるものの,プラズマでH2 +N2 やN2 を分解すると放電室の材質として用いられている石英管も徐々に削られていき,表面へのエッチング残渣となるため望ましくないSiHxNyやSiNxの生成を伴っているという問題がある。このため,定期的に放電管材料の交換や放電室近辺の清浄化が必要であった。また,水素原子を生成するためにはプラズマが必要となっており,プラズマ発生用のアプリケータ,高周波あるいはマイクロ波電源が必要になり装置が高価となることが問題であった。また,プラズマをもちいた方法では,大面積化が進むにしたがい,プラズマの均一生成の課題も浮上している(非特許文献5参照)。
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり,放電管の消耗および不純物の発生を抑制するエッチング装置およびエッチング方法およびクリーニング装置を提供することを目的とする。
第1の態様におけるエッチング装置は,Siもしくはpoly−Siを収容するエッチングチャンバーと,エッチングチャンバーにF2 を含む第1のガスを供給する第1のガス供給部と,エッチングチャンバーにNOから成る第2のガスを供給する第2のガス供給部と,を有するものである。そして,エッチングチャンバーは,室内温度が100℃以下でF2 +NO→FNO+Fの反応を起こしてF原子を発生させるとともに,F原子によりSiあるいはpoly−Siをケミカルドライエッチングするものである。室内温度を100℃以下として,エッチングをすることができる。そのため,Si基板やpoly−Si基板に損傷を与えるおそれがほとんどない。
第2の態様におけるエッチング装置では,エッチングチャンバーは,ガス混合室と,エッチング室とを有し,ガス混合室とエッチング室の間にガス整流板が配置されている。これにより,ガス混合室で発生したF原子を均一に基板に導くことができる。
第3の態様におけるエッチング装置では,エッチングチャンバーの下流側に可変バルブを設けエッチング室の圧力を制御できるようにするとともに,ガス混合室にバルブを介して排気できるように構成し,予め定めておいた所望のエッチング時間後にガス導入を遮断すると同時にガス混合室のバルブを開けて発生したF原子を含むガスの圧力を急速に減じるものである。
第4の態様におけるエッチング装置では,ガス混合室の材質をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で構成するか混合室の内壁面をPTFEでライニングまたはコーティングした材料あるいはフッ化イットリウムをコーティングした材料で構成されている。
第5の態様におけるエッチング装置では,ガス混合室に導入するガスラインにバルブを設けるとともに,バルブと混合室の距離を0mm以上200mm以下にする。
第6の態様におけるエッチング装置では,ガス混合室にガスを導入するガスラインのバルブを,貫通流路を持つ3方バルブで構成し,第1のガスをエッチング開始前から流し,第2のガスを3方バルブのバルブを開けて混合する。
第7の態様におけるエッチング装置では,第1のガスの圧力と第2のガスの圧力とを等しくして,第1のガスと第2のガスとを混合するものである。
第8の態様におけるエッチング装置では,Siもしくはpoly−Siの温度を−20℃から+100℃まで制御できるようになっている。
第9の態様におけるエッチング方法は,エッチングチャンバーにF2 を含む第1のガスを供給するとともに,エッチングチャンバーにNOから成る第2のガスを供給し,エッチングチャンバーの室内温度を100℃以下としつつ,F2 +NO→FNO+Fの反応を起こしてF原子を発生させるとともに,F原子によりSiあるいはpoly−Siをケミカルドライエッチングする方法である。室内温度を100℃以下として,エッチングをすることができる。そのため,Si基板やpoly−Si基板に損傷を与えるおそれがほとんどない。
第10の態様におけるクリーニング装置は,F2 とNOをエッチングチャンバーに導き,室内温度が100℃以下で2 +NO→FNO+Fの反応を利用してF原子を発生させ,エッチングチャンバーまたはpoly−Si成膜装置もしくはSi3 4 成膜装置のクリーニングを行うものである。
第11の態様におけるクリーニング装置は,F2 源としてArで希釈されたF2 混合ガスを用いて,クリーニングを行うものである。
第12の態様におけるクリーニング装置は,F2 源としてIF5 あるいはIF7 を加熱することによりF2 を生成させて,クリーニングを行うものである。
本発明は,上記課題を解決するために,本発明によるpoly−SiやSi3 4 膜のケミカルドライエッチング技術では,プラズマを用いないで純粋にNO+F2 の化学反応を利用して,SiおよびSi3 4 と反応するF原子を生成し,プラズマ源をなくすことによりプラズマ源を用いた時に発生する問題を解決し,地球温暖化係数の低いガスを用いるとともに,安価で取り扱いの易しいケミカルドライエッチング方法及び装置を提供される。
本発明によれば,以上に説明したように,本発明のSiエッチング方法は,プラズマによる分解を用いないでNOとF2 を用いているので,高価なプラズマ源が必要ないこととプラズマ源における放電部材料の消耗およびそれによる定期的部品の交換が不要となり,原価の削減およびランニングコスト(部品の材料費および交換に要する工数)の削減を可能にする効果を有する。また,大面積基板においては,RF放電を用いると定在波の問題があり,大面積基板(450mm以上)上では周辺の電場が均一でなくなるとされており,均一加工に課題を持っている。本考案ではプラズマ源を用いずガス混合室とエッチング室の間の多孔性隔壁板によりF原子を均一に基板に照射するように構成されているのでこの問題も解消させることができる。
NO+F2 の反応ポテンシャル 結晶Si基板をSiO2 マスクで加工した後の電子顕微鏡写真 Poly−Siのエッチ速度 リング状ガス吹き出し構造を説明する図 上部天板からガス吹き出しする構造を説明する図 ガス噴出ノズルをもつエッチング装置 第一の実施例で示した装置図
以下の本発明の実施の形態を詳細に説明するが,以下に記載する構成要件の説明は,本発明の実施態様の一例(代表例)であり,本発明はその要旨を超えない限り,これらの内容に限定されない。
(第1の実施形態)
本発明による結晶Siならびにpoly−Si,アモルファスSiのエッチング方法の原理は,F2 ガスとNOガスとをエッチングチャンバーに導き,F2 +2NO→2NOFではなく,F2 +NO→FNO+Fの反応を利用してF原子を発生するようにする方法である。
NO+F2 の反応をGaussian03プログラムにより,反応座標に沿ったポテンシャル曲線をB3LYP/6−31+G(d)で計算をおこなった。図1は計算で得られたポテンシャル曲線である。NOとF2 が会合すれば,文献で知られる反応確率にして1.78×10-14 cm3 /sでFNO+Fの反応を生じて,計算結果で見られるように1.15eVの解離エネルギーを利得する。図1から分かるように活性化ポテンシャルを要しない,バリアレスな反応となっており,発熱反応である。解離によって得られる各分子のエネルギーは運動量保存の法則から質量比に依存するため,Fがおよそ0.83eV,FNOはおよそ0.32eVの並進エネルギーを最大でもつと見積もられる。しかしながら,FNO分子の場合は内部エネルギーの振動・回転エネルギーに分配されるので,高い振動状態にあると考えられる。
もしFNOをエッチャントとしている場合には,化学反応の活性化ポテンシャルを有するため,100℃以下,室温ではFNOの解離をともなった反応はしない。活性な表面であれば,該活性点を起点としFNOの解離を生じることがなくもないが,水素終端ないし薄い酸化膜を被覆しているシリコン表面では無視しうるレベルである。またF2 NOF(F3 NO)という化合物であってもF2 を解離生成するには活性化バリアを有しており,室温で反応が進行することはない。
図2はエッチング装置を示す。エッチング装置は,Siもしくはpoly−Siを収容するエッチングチャンバーと,エッチングチャンバーにF2 を含む第1のガスを供給する第1のガス供給部と,エッチングチャンバーにNOから成る第2のガスを供給する第2のガス供給部と,を有するものである。図2において,石英管は,エッチングチャンバーである。
そして,エッチングチャンバーは,室内温度が100℃以下でF2 +NO→FNO+Fの反応を起こしてF原子を発生させるとともに,F原子によりSiあるいはpoly−Siをケミカルドライエッチングするものである。
ArガスにF2 ガスを5%の割合で混合した混合ガスを55.4sccm(F2 に換算すれば2.8sccm),ならびに,純NOを別のラインで5sccm,マスフローコントローラで制御して,ポリテトラフルオロエチレン製チューブを通して,ガラス製の反応容器に導入する。該反応容器内にシリコン酸化膜でマスクが作成されたシリコン基板(p型10Ωcm)を設置しておき,5分間のエッチングを施した。
図3は,この方法でエッチングされたシリコン基板の電子顕微鏡による断面観察結果を示している。このように,15μm角で開口したマスク部を通してシリコンがおよそ1.8μm/分の速度をもってエッチングされる。シリコンの密度2g/cm3 よりシリコンの1原子層のシリコン数は2.7×1015/cm2 程度となる。
このことから本願発明者らは,F2 +NO→F+FNOの反応で生成したF原子がSi表面でSiFを形成して,この部位にはF2 が直接反応してエッチング反応をしていると考えている。すなわち,F原子を生成する反応が起点となり,この起点ができなければ反応は進行しないが,一度進めば連鎖反応的にSiエッチングを生じると説明している。
したがって,過去の原稿技術である非特許文献では小数のF原子の気相での生成を説明するにすぎず,当該分野の専門家をもってしても,F2 +NO→F+FNOの反応を利用して,シリコンをエッチングできるとは想像しえなかったといえる。
このように,本願発明はFNOの生成とも異をなし,F2 +NOで生成するF原子を利用して,100℃以下でシリコンエッチングをプラズマをもちいずに可能とする方法を提供する。
また,前記F原子による表面反応を起点として,F2 原子のエッチングを促進する方法では,シリコン窒化膜を100℃〜400℃の温度範囲にしてエッチングしても良い。
このとき,基板温度は室温としており,F2 +NOが発熱反応によってF原子を生成し,活性化型の加温を必要としないことを示している。また,F原子によるシリコンのエッチングは,脱離反応が温度活性型であるために,基板温度の変更は,エッチング速度を制御するのに有効であり,変えても良い。
また,基板温度を室温としているので,F2 ガスを流しただけではシリコン基板のエッチング反応は,無視しうる程度に見られないことは言うまでもない。
FNO(Nitrosyl fluoride)は化学活性なので,FNO+M→MF+NOの反応が知られている。しかしながら,この反応は僅かではあるが0.数eVの活性化ポテンシャルを有するため,室温,すなわち100℃以下で起こらない。このため,100℃以上に加熱した状態ではシリコン窒化膜が,SiN+FNO→SiF+N2 Oの反応によりエッチングが進行し,さらに,400℃以上に加熱した状態ではシリコン酸化膜が,SiO+FNO→SiF+NO2 などの反応によりエッチングが進行すると考えられる。N2 O(沸点−88.48℃)に比べNO2 (沸点21.1℃)は形成されにくいために,100〜400℃でシリコン窒化膜がシリコン酸化膜よりエッチングされやすい。同様にシリコンにおいても,100℃以上に加熱した状態でSi+FNO→SiF+NOの反応によりエッチングが進行するが,さらに反応生成物であるNOは反応活性であるため,逆反応によってSiを生成することでFNOによるシリコンのエッチングはうまくなされない。
2 +NOの反応系で,本発明によりF2 とNOのガス比率を1:2ではなく,1:1にするようにしたので,F2 +NO→F+FNOのF原子生成の割合が増えたので,Si+4F→SiF4 の反応により揮発物であるSiF4 が生成され100℃以下においてもエッチングができるようになった。
(第2の実施形態)
(小さな基板)5mm×10mmの大きさの基板上のシリコンを加工するための装置構成例を説明する。単一のガス(例えば,Ar/F2 )だけではエッチングが進行しないので,まず一方のガス(例えば,Ar/F2 )を導入し,次に他方(例えば,NO)を3方バルブを介して合流させて導入する。このとき,双方の圧力が等しくないと圧力の高いガスが低いガスの方に流入してしまい,望む時間で臨むエッチ深さが得られ難い。ここでは,反応室の圧力を600Paとした。合流することでF2 +NOの反応を生じてF原子を生成するからである。そのため本実施例ではAr/F2 をMFC (Mass Flow Controller)を通して先に流し,後にAr/F2 と同じ圧力に調整されたNOガスをMFCを経由して3方バルブを通して導入している。3方バルブは貫通流路に他のガスを,バルブを通して,混入する働きをする。混入後の流路はできるだけ短く反応室と結合させる必要があるので,ここでは200mmとした。これが長いと,コンダクタンスの低い流路内にガスが残り,ガス遮断後も,残留するガスによりエッチングが進行する。Ar/F2 (5%)のガス20〜50SCCM,NOガス5SCCMを導入した時のpoly−Siエッチング速度を図4に示す。
ここで,反応室の圧力は600Paとしているが,大気圧や真空であってもよい。しかしながら,F2 +NOの気相反応の効率を考えると,100Pa以上,10000Pa以下であることが望ましい。また,エッチング速度を数nmとするためには,チャンバー圧力を100Pa以下,他にも処理温度を室温以下にすることが望ましい。ただし,少なくともSiF4 を含む反応生成物を表面から揮発してエッチングするために低温に下げるのは−20℃程度までに留めることが望ましい。
また,本実施例はAr/F2 の混合ガスをもちいた方法を示しているが,Arの代わりに不活性ガスであれば,少なくともHe,Ne,Xe,Kr,Xe,N2 のいずれかであってもよい。
また,本実施例においてはF2 を充填したボンベからの供給の例を挙げているが,少なくともIF5 やIF7 ,XeF2 を含むソースを加熱して熱分解によりF2 を発生しても良いし,少なくともHFを含むソースを電気分解によってF2 を発生しても良い。
(第3の実施形態)
大面積基板を用いた時の構成例である。ウェハの大きさにあわせてガス混合室の容積が大きいのでガスラインよりも圧力が低くなるため各ガスの圧力調整は必要なく,導入部のバルブと混合室間の距離を限りなくゼロに近づけることが重要になる。ここでは200mmとした。つまり,バルブと混合室との間の距離は,0mm以上200mm以下の範囲内である。
混合室とエッチング室の間の多孔性隔壁板により混合室の圧力を100〜10000Paの圧力範囲に保ち,エッチング室の圧力を100Pa以下にすることにより,混合室での反応を十分に行い,発生したF原子をエッチング室に導く。この隔壁板はガス整流板である。そのため,ウェハの設置されるエッチング室にF原子を均一に供給する。このとき,多孔板の穴形状を,クヌッツェン流にならないように,エッチング室に対してテーパー形状にしてもよい。クヌッツェン流ではガス噴出の志向性が強くエッチング均一性が得られ難くなるためである。
ガス混合室およびエッチング室の壁材はPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)で構成するか,PTFEコートあるいはライニング,フッ化イットリウム(YF3 )溶射あるいはコートした材料で構成する。Al材で構成することも可能であるが,プロセス時間が進むにつれてAlF3 の微粉末を生成するようになり,好ましくない。このように少なくともPTFEを含むフッ素系有機ポリマーやYFの材料が,F原子の再結合や反応による消失を防ぐことができるので望ましい。
エッチング終了と同時にガス混合室に設けたバルブを開き急速にガス混合室を排気する。図5ではリング状のガス吹き出し構造の例を示したが,上部天板に図6のような導入方法も有用であることは言うまでもない。この場合,上部天板とウェハ間の距離を最適化すれば隔壁板を取り除くことができる。隔壁板がないのでガス混合室の排気ポンプは必要ないが,上部天板内にガスが残留しやすいので下部排気ポンプとしての容量は図5の場合よりも大きいものが必要になる。
(第4の実施形態)
図7はトーチ状のガス噴出ノズルを持つエッチング装置の場合である。ポリシリコン等の成膜では裏面にガスが廻り込みウェハ周辺に付着して後工程に大きな支障をきたし,問題となっている。ウエット工程で処理することが行われているが,多くの工程が必要となり,コストが掛る。図7の装置を用いることにより非常に少ない工程で処理することができる。図7ではトーチ状の噴出ノズルを固定して基板を回転する構造となっているが,リング状のガス噴出溝を持つ構造とすれば基板を回転する必要はない。
また,図7で用いたトーチ状のガス噴出ノズルを用いることにより局所的な高速エッチング(100μm/min以上)を行うことができる。
このようにシリコンウェハの薄化工程に利用しても良い。
(第5の実施形態)
シリコンの堆積チャンバーにおいて,シリコンを堆積すると,チャンバーの内壁にもシリコンが堆積する。そのシリコンが剥離してくるとパーティクルの原因となり除去する必要がある。
少なくとも1回のシリコン製膜プロセスを行った後に,チャンバー内に均一になるように,すくなくともF2 を含むガスと,すくなくともNOを含むガスを導入することによって,チャンバーのクリーニングを行うことができる。

Claims (12)

  1. Siもしくはpoly−Siを収容するエッチングチャンバーと,
    前記エッチングチャンバーにF2 を含む第1のガスを供給する第1のガス供給部と,
    前記エッチングチャンバーにNOから成る第2のガスを供給する第2のガス供給部と,
    を有し,
    前記エッチングチャンバーは,
    室内温度が100℃以下でF2 +NO→FNO+Fの反応を起こしてF原子を発生させるとともに,F原子によりSiあるいはpoly−Siをケミカルドライエッチングすること
    を特徴とするエッチング装置。
  2. 前記エッチングチャンバーは,ガス混合室と,エッチング室とを有し,ガス混合室とエッチング室の間にガス整流板が配置されていること
    を特徴とする請求項1に記載のエッチング装置。
  3. エッチングチャンバーの下流側に可変バルブを設けエッチング室の圧力を制御できるようにするとともに,ガス混合室にバルブを介して排気できるように構成し,予め定めておいた所望のエッチング時間後にガス導入を遮断すると同時にガス混合室のバルブを開けて発生したF原子を含むガスの圧力を急速に減じるようにしたこと
    を特徴とする請求項2に記載のエッチング装置。
  4. ガス混合室の材質をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で構成するか混合室の内壁面をPTFEでライニングまたはコーティングした材料あるいはフッ化イットリウムをコーティングした材料で構成したこと
    を特徴とする請求項3に記載のエッチング装置。
  5. ガス混合室に導入するガスラインにバルブを設けるとともに,バルブと混合室の距離を0mm以上200mm以下にすること
    を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のエッチング装置。
  6. ガス混合室にガスを導入するガスラインのバルブを,貫通流路を持つ3方バルブで構成し,前記第1のガスをエッチング開始前から流し,前記第2のガスを3方バルブのバルブを開けて混合すること
    を特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のエッチング装置。
  7. 前記第1のガスの圧力と前記第2のガスの圧力とを等しくして,前記第1のガスと前記第2のガスとを混合するものであること
    を特徴とする請求項6に記載のエッチング装置。
  8. 前記Siもしくは前記poly−Siの温度を−20℃から+100℃まで制御できるようにしたこと
    を特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のエッチング装置。
  9. エッチングチャンバーにF2 を含む第1のガスを供給するとともに,前記エッチングチャンバーにNOから成る第2のガスを供給し,
    前記エッチングチャンバーの室内温度を100℃以下としつつ,F2 +NO→FNO+Fの反応を起こしてF原子を発生させるとともに,F原子によりSiあるいはpoly−Siをケミカルドライエッチングすること
    を特徴とするエッチング方法。
  10. 2 とNOをエッチングチャンバーに導き,室内温度が100℃以下で2 +NO→FNO+Fの反応を利用してF原子を発生させ,エッチングチャンバーまたはpoly−Si成膜装置もしくはSi3 4 成膜装置のクリーニングを行うこと
    を特徴とするクリーニング装置。
  11. 2 源としてArで希釈されたF2 混合ガスを用いて,クリーニングを行うこと
    を特徴とする請求項10に記載のクリーニング装置。
  12. 2 源としてIF5 あるいはIF7 を加熱することによりF2 を生成させて,クリーニングを行うこと
    を特徴とする請求項10または請求項11に記載のクリーニング装置。
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