JP5888487B2 - 植物からポリアミン組成物を製造する方法 - Google Patents
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Description
(項1)
(1)植物及び/又は植物加工物を水で処理する工程、(2)植物及び/又は植物加工物を酸性条件下で処理する工程、および(3)液体画分を分離し採取する工程を含むことを特徴とするポリアミン組成物の製造方法。
(項2)
更に(4)pH6.5〜pH7.5に調整する工程を含む、項1に記載のポリアミン組成物の製造方法。
(項3)
植物及び/又は植物加工物を酸性条件下で処理する工程が植物及び/又は植物加工物をpH3.0乃至pH6.0の酸性条件下で処理する工程である、項1または項2に記載のポリアミン組成物の製造方法。
(項4)
植物及び/又は植物加工物を酸性条件下で処理する工程が植物及び/又は植物加工物をpH4.0乃至pH6.0の酸性条件下で処理する工程である、項3に記載のポリアミン組成物の製造方法。
(項5)
植物及び/又は植物加工物を酸性条件下で処する工程が、植物及び/又は植物加工物を塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、リン酸、クエン酸、乳酸、プロピオン酸、酪酸、蓚酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、安息香酸、スルホサリチル酸及びギ酸からなる群より選ばれた少なくとも1種の酸性溶液で処する工程である、項1〜項4のいずれかに記載のポリアミン組成物の製造方法。
(項6)
植物及び/又は植物加工物を酸性条件下で処する工程が、植物及び/又は植物加工物を塩酸及び/又はクエン酸の酸性溶液で処する工程である、項5に記載のポリアミン組成物の製造方法。
(項7)
ポリアミン組成物が、1,3−ジアミノプロパン、プトレシン、カダベリン、カルジン、スペルミジン、ホモスペルミジン、アミノプロピルカダベリン、テルミン、スペルミン、テルモスペルミン、カナバルミン、アミノペンチルノルスペルミジン、N,N−ビス(アミノプロピル)カダベリン、ホモスペルミン、カルドペンタミン、ホモカルドペンタミン、カルドヘキサミン及びホモカルドヘキサミンからなる群より選ばれた少なくとも1種以上の化合物を含む組成物である、項1〜項6のいずれかに記載のポリアミン組成物の製造方法。
(項8)
ポリアミン組成物が、プトレシン、カダベリン、スペルミジン及びスペルミンからなる群より選ばれた少なくとも1種以上の化合物を含む組成物である、項7に記載のポリアミン組成物の製造方法。
(項9)
植物及び/又は植物加工物が、ダイズ種子、ダイズ胚芽、ダイズ胚、コムギ種子、コムギ胚芽、コムギ胚、豆乳及びオカラからなる群より選ばれた少なくとも1つに由来する植物及び/又は植物加工物である、項1〜項8のいずれかに記載のポリアミン組成物の製造方法。
(項10)
植物及び/又は植物加工物が、コムギ種子、コムギ胚芽及びコムギ胚からなる群より選ばれた少なくとも1つに由来する植物及び/又は植物加工物である、項9に記載のポリアミン組成物の製造方法。
(項11)
植物及び/又は植物加工物から製造されたポリアミン組成物であって、固形分中のNaCl濃度が5重量%以下であるポリアミン組成物。
試料中のポリアミン含量を以下の方法で調べた。植物中のポリアミンは遊離型ポリアミン、化合型ポリアミン、結合型ポリアミンがあり、いずれも解析することができるが(非特許文献1−3)、本発明では遊離型ポリアミンを測定した。
(1)スクリューキャップ付きのマイクロチューブに、サンプル20μl、交換水360μl、内部標準液20μl(0.05nmol/μl 1,7−diaminoheptane)、200μLの飽和炭酸ナトリウム水溶液、200μLのダンシルクロライド/アセトン溶液(10mg/mL)を加えて軽く混和する。チューブの栓をしっかりと閉めたのち、60℃のウォーターバスで1時間加温してダンシル化を行う。
(2)チューブを放冷した後、プロリン水溶液(100mg/mL)を200μL加えて混和する。ウォーターバスで30分間再加温する。
(3)再放冷後、窒素ガスを吹き付けてアセトンを除いた後に、600μLのトルエンを加えて激しく混和する。チューブを遠心して2相に分かれた後に、上層のトルエン層を500μLマイクロチューブに分取する。分取したトルエンに窒素ガスを吹き付けてトルエンを完全除去する。マイクロチューブに120μLのメタノールを加えてダンシル化遊離型ポリアミンを溶解させる。
(4)プトレシン、スペルミジン、スペルミンの遊離型ポリアミン量の定量は蛍光検出器(励起波長:365nm・発光波長:510nm)を接続した高速液体クロマトグラフィーを用いて内部標準法で分析する。HPLCカラムはμBondapak C18(Waters社製:027324、3.9×300mm、粒子径10μm)を使用する。試料中のポリアミン含量は標準液と試料のHPLCチャートから、それぞれ各ポリアミンと内部標準のピーク面積を求めて算出する。
(1)1N HCl水溶液1600gにコムギ胚芽400gを加え、水温25℃の条件下で、撹拌機(スリーワンモーター、HEIDON製)を用いて100rpmで4時間攪拌した。
(2)次いで8000rpm、20分の条件で遠心分離を行い、上清を回収した。
(3)1N NaOH水溶液を用いて、該上清のpHを7.0に調整した。
(4)さらに8000rpm、20分の条件で遠心分離を行い、得られた上清を抽出液Aとした。
(5)抽出液Aのポリアミン濃度、NaCl濃度、及び固形分濃度を測定した。なお、NaCl濃度はコンパクト塩分計C−121形(HORIBA社製)を用いて測定し、固形分濃度はデジタル糖度計APAL−1(AS ONE社製)を用いて測定した。
表1に比較例1、2及び実施例1〜4の結果を示す。
(1)純水1600gにコムギ胚芽400gを加え、水温25℃の条件下で、撹拌機(スリーワンモーター、HEIDON製)を用いて100rpmで4時間攪拌した。
(2)次いで8000rpm、20分の条件で遠心分離を行い、得られた上清を抽出液Bとした。
(3)抽出液Bのポリアミン濃度、NaCl濃度、及び固形分濃度を測定した。なお、NaCl濃度はコンパクト塩分計C−121形(HORIBA社製)を用いて測定し、固形分濃度はデジタル糖度計APAL−1(AS ONE社製)を用いて測定した。
(1)純水1600gにコムギ胚芽400gを加え、水温25℃の条件下で、撹拌機(スリーワンモーター、HEIDON製)を用いて100rpmで1時間攪拌した。
(2)その後、1N HCl溶液を加えてpH4.0に調整し、さらに3時間攪拌した。
(3)次いで8000rpm、20分の条件で遠心分離を行い、上清を回収した。
(4)1N NaOH水溶液を用いて、該上清のpHを7.0に調整した。
(5)さらに8000rpm、20分の条件で遠心分離を行い、得られた上清を抽出液Cとした。
(6)抽出液Cのポリアミン濃度、NaCl濃度、及び固形分濃度を測定した。なお、NaCl濃度はコンパクト塩分計C−121形(HORIBA社製)を用いて測定し、固形分濃度はデジタル糖度計APAL−1(AS ONE社製)を用いて測定した。
(1)純水1600gにコムギ胚芽400gを加え、水温25℃の条件下で、撹拌機(スリーワンモーター、HEIDON製)を用いて100rpmで1時間攪拌した。
(2)その後、1N HCl溶液を加えてpH5.0に調整し、さらに3時間攪拌した。
(3)次いで8000rpm、20分の条件で遠心分離を行い、上清を回収した。
(4)1N NaOH水溶液を用いて、該上清のpHを7.0に調整した。
(5)さらに8000rpm、20分の条件で遠心分離を行い、得られた上清を抽出液Dとした。
(6)抽出液Dのポリアミン濃度、NaCl濃度、及び固形分濃度を測定した。なお、NaCl濃度はコンパクト塩分計C−121形(HORIBA社製)を用いて測定し、固形分濃度はデジタル糖度計APAL−1(AS ONE社製)を用いて測定した。
(1)純水1600gにコムギ胚芽400gを加え、水温25℃の条件下で、撹拌機(スリーワンモーター、HEIDON製)を用いて100rpmで1時間攪拌した。
(2)その後、1N HCl溶液を加えてpH5.5に調整し、さらに3時間攪拌した。
(3)次いで8000rpm、20分の条件で遠心分離を行い、上清を回収した。
(4)1N NaOH水溶液を用いて、該上清のpHを7.0に調整した。
(5)さらに8000rpm、20分の条件で遠心分離を行い、得られた上清を抽出液Eとした。
(6)抽出液Eのポリアミン濃度、NaCl濃度、及び固形分濃度を測定した。なお、NaCl濃度はコンパクト塩分計C−121形(HORIBA社製)を用いて測定し、固形分濃度はデジタル糖度計APAL−1(AS ONE社製)を用いて測定した。
(1)純水1600gにコムギ胚芽400gを加え、水温25℃の条件下で、撹拌機(スリーワンモーター、HEIDON製)を用いて100rpmで1時間攪拌した。
(2)その後、1N HCl溶液を加えてpH6.0に調整し、さらに3時間攪拌した。
(3)次いで8000rpm、20分の条件で遠心分離を行い、上清を回収した。
(4)1N NaOH水溶液を用いて、該上清のpHを7.0に調整した。
(5)さらに8000rpm、20分の条件で遠心分離を行い、得られた上清を抽出液Fとした。
(6)抽出液Fのポリアミン濃度、NaCl濃度、及び固形分濃度を測定した。なお、NaCl濃度はコンパクト塩分計C−121形(HORIBA社製)を用いて測定し、固形分濃度はデジタル糖度計APAL−1(AS ONE社製)を用いて測定した。
Claims (10)
- (1)植物を水中に浸漬し、10分間以上静置もしくは撹拌してポリアミン組成物を抽出する工程、(2)前記工程の後、さらに酸もしくは酸溶液を添加し酸性条件下で静置もしくは撹拌してポリアミン組成物を抽出する工程、および(3)前記工程(2)における液体画分を分離し採取する工程を含むことを特徴とするポリアミン組成物の製造方法。
- 更に(4)pH6.5〜pH7.5に調整する工程を含む、請求項1に記載のポリアミン組成物の製造方法。
- 植物を酸性条件下で処理する工程が、植物をpH3.0乃至pH6.0の酸性条件下で処理する工程である、請求項1または2に記載のポリアミン組成物の製造方法。
- 植物を酸性条件下で処理する工程が、植物をpH4.0乃至pH6.0の酸性条件下で処理する工程である、請求項3に記載のポリアミン組成物の製造方法。
- 植物を酸性条件下で処する工程が、植物を塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、リン酸、クエン酸、乳酸、プロピオン酸、酪酸、蓚酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、安息香酸、スルホサリチル酸及びギ酸からなる群より選ばれた少なくとも1種の酸性溶液で処する工程である、請求項1〜4のいずれかに記載のポリアミン組成物の製造方法。
- 植物を酸性条件下で処する工程が、植物を塩酸及び/又はクエン酸の酸性溶液で処する工程である、請求項5に記載のポリアミン組成物の製造方法。
- ポリアミン組成物が、1,3−ジアミノプロパン、プトレシン、カダベリン、カルジン、スペルミジン、ホモスペルミジン、アミノプロピルカダベリン、テルミン、スペルミン、テルモスペルミン、カナバルミン、アミノペンチルノルスペルミジン、N,N−ビス(アミノプロピル)カダベリン、ホモスペルミン、カルドペンタミン、ホモカルドペンタミン、カルドヘキサミン及びホモカルドヘキサミンからなる群より選ばれた少なくとも1種以上の化合物を含む組成物である、請求項1〜6のいずれかに記載のポリアミン組成物の製造方法。
- ポリアミン組成物が、プトレシン、カダベリン、スペルミジン及びスペルミンからなる群より選ばれた少なくとも1種以上の化合物を含む組成物である、請求項7に記載のポリアミン組成物の製造方法。
- 植物が、ダイズ種子、ダイズ胚芽、ダイズ胚、コムギ種子、コムギ胚芽及びコムギ胚からなる群より選ばれた少なくとも1つに由来する植物である、請求項1〜8のいずれかに記載のポリアミン組成物の製造方法。
- 植物が、コムギ種子、コムギ胚芽及びコムギ胚からなる群より選ばれた少なくとも1つに由来する植物である、請求項9に記載のポリアミン組成物の製造方法。
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