JP5888214B2 - 窒化物系化合物半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

窒化物系化合物半導体装置およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、窒化物系化合物半導体装置およびその製造方法に関するものである。
従来から、高周波デバイス用半導体素子には、半導体材料として窒化物系化合物半導体、特に窒化ガリウム(GaN)系化合物半導体が用いられている。GaN系化合物半導体を用いた半導体素子(以下、GaN系半導体素子という)では、半導体基板の表面に、例えば有機金属化学気相蒸着(MOCVD:Metal-Organic Chemical Vapor Deposition)法を用いて形成されたバッファ層やGaN系半導体動作層が設けられている。最近では、GaN系半導体素子は、高周波用途に加え、電力装置用のパワーデバイスにも適用可能であるという認識から、高耐圧、大電流を扱うデバイスとしての検討も行われている。
通常、電力装置用のパワーデバイスは、多くの場合、トランジスタと並列にダイオードを用いて使用される。また、このパワーデバイスに用いられるダイオードとして、ショットキー接合を利用したショットキーバリアダイオードが公知である。一般に、ショットキーバリアダイオードは、基板の上に、GaN層を積層するためのバッファ層、GaN層および窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)層が順次積層された多層構造を有する。AlGaN層はAlNとGaNとの混晶であり、その構成比によってバンドギャップや自発分極、ピエゾ分極の特性が変化する。GaN層とAlGaN層の界面には、AlGaN層のAl組成比と厚さとを制御することによってその濃度が制御された2次元電子ガス(2DEG:Two Dimensional Electron Gas)層が形成されている。この2DEG層が電子を流す通路となる。また、ショットキーバリアダイオードには、2つの主電極、すなわち、アノード電極とカソード電極とがある。アノード電極は、AlGaN層とショットキー接触しており、電子のトンネル電流によって2DEG層と電気的に接続されている。カソード電極はAlGaN層とオーミック接触している。なお、上述した2DEG層を利用してアノード電極からカソード電極に向けて横方向に電流が流れるショットキーバリアダイオードは、横型デバイスであり、GaN系化合物半導体において盛んに研究開発されている。
一方、ショットキーバリアダイオードには、低電気抵抗の半導体基板上にn型のドリフト層を有する多層構造の半導体素子の表面にアノード電極が形成され、裏面にカソード電極が形成され、このアノード電極からカソード電極に向けて縦方向に電流が流れる縦型デバイスもある。縦型ショットキーバリアダイオードは、上述した横型のものに比して大電圧、大電流を扱えるという利点がある。このような縦型ショットキーバリアダイオードは、GaN系半導体素子を用いて形成されることが殆どなく、多くの場合、炭化ケイ素(SiC)を用いて形成される。
また、近年では、p型半導体とn型半導体とのpn接合構造を有するpn接合ダイオードとショットキーバリアダイオードとを組み合わせたMPS(Merged PiN and Schottky Barrier)構造が提案されている。MPS構造を有する縦型ショットキーバリアダイオード(以下、MPSダイオードという)では、素子表面のアノード電極のショットキー接合領域にp型半導体領域が離散状(例えば島状)に形成され、ショットキーバリアダイオードとpn接合ダイオードとが等価的に並列接続されている。このようなMPSダイオードの利点としては、電界強度がショットキー接合領域ではなくpn接合領域(すなわち半導体内部)において最大となるため、ショットキー接合からのリーク電流を抑制できること、順電圧が大きくなった時にpn接合ダイオード側において大きな電流を流すことができるため、突発的なサージ電流を吸収できること等が挙げられる。
なお、上述したショットキーバリアダイオード等の半導体装置に関する従来技術として、例えば、カソード電極上の基板とアノード電極との間に、アノード電極側の第2の面から基板側の第1の面に到達するn型半導体層と、n型半導体層に隣接するとともにn型半導体層を挟むように第2の面から第1の面に向けて延在するp型半導体層とからなる不純物領域層を有する半導体装置がある(特許文献1参照)。また、第1導電型の第1半導体層の主面から所定の深さに、主面側から主面と反対面側に向かって断面積が次第に大きくなる第2導電型の第2半導体層が埋め込まれた構造を有する半導体装置もある(特許文献2参照)。
特開2007−42997号公報 特開2010−40857号公報
一般に、GaN系化合物半導体は、例えば図11に示すように、SiCまたはSiの化合物半導体と比較して、互いに同一耐圧(同一ブレークダウン電圧)を有する場合の導通抵抗(オン抵抗)を低く抑えることができる。また、上述したように、縦型ショットキーバリアダイオードは、横型ショットキーバリアダイオードに比して大電圧、大電流を扱えるという利点がある。したがって、GaN系化合物半導体を用いて縦型ショットキーバリアダイオードを実現することは、電力装置用のパワーデバイス等の高耐圧および低電気抵抗を要求されるデバイスに有用である。
GaN系化合物半導体を用いた縦型ショットキーバリアダイオードを実現するためには、逆電圧の印加時におけるショットキー接合からのリーク電流を低減する必要があるが、この場合、縦型ショットキーバリアダイオードのドリフト層のn型不純物濃度(ドナー濃度)を低くしなければならない。例えば図12に示すように、600[V]の逆電圧の印加時におけるリーク電流を100[μA/cm2]以下とする耐圧が要求された場合、GaN系化合物半導体の縦型ショットキーバリアダイオードでは、ドリフト層のドナー濃度を2×1015[cm-3]以下にする必要がある。この濃度値は、GaN系化合物半導体によるドリフト層の低電気抵抗を維持するために必要なドナー濃度(例えば1×1016[cm-3])に比して極めて低い。すなわち、GaN系化合物半導体を用いて通常構造の縦型ショットキーバリアダイオードを形成した場合、ドリフト層の電気抵抗が過度に大きくなり、この結果、オン抵抗が上昇してしまう。このような問題点は、ドリフト層のn型不純物濃度を最適値に維持しつつショットキー接合からのリーク電流を低減することによって解消可能であり、このためには、GaN系化合物半導体を用いて、MPS構造の縦型ショットキーバリアダイオード(MPSダイオード)を形成することが有効である。
しかしながら、GaN系化合物半導体では、MPS構造を実現することが困難である。具体的には、GaN系化合物半導体層に対してSiC層の場合と同様にp型不純物をイオン注入しても、GaN系化合物半導体層のイオン注入領域内におけるp型不純物の活性化率が低いため、SiC層と同様な離散状のp型領域をGaN系化合物半導体層に形成することは困難である。したがって、アノード電極のショットキー接合領域にGaN系化合物半導体のp型領域(以下、GaN系p型領域という)を離散状に形成するためには、以下に示すような複数の工程を行わなければならない。すなわち、半導体基板上にGaN系化合物半導体のn型領域(以下、GaN系n型領域という)をエピタキシャル成長によって形成し、ついで、このGaN系n型領域に複数の溝を離散状に形成し、つぎに、これら各溝内にGaN系p型領域をエピタキシャル成長によって形成し、その後、これらGaN系n型領域およびGaN系p型領域の各表面を研磨しなければならない。あるいは、フォトレジスト等によるマスク技術を用いて、半導体基板上の複数の領域に、GaN系n型領域およびGaN系p型領域を順次エピタキシャル成長させて選択的に形成し、その後、これらGaN系n型領域およびGaN系p型領域の各表面を研磨しなければならない。このため、MPS構造の設計が極めて困難であるとともに、GaN系化合物半導体を用いてMPS構造を実現するまでに多大な手間を要する。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、耐圧として要求される低リーク電流の確保とオン抵抗の抑制とを簡易に実現可能な窒化物系化合物半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる窒化物系化合物半導体装置は、基板と、前記基板上に形成され、n型窒化物系化合物半導体からなるドリフト層と、前記ドリフト層上に部分的に位置し、p型窒化物系化合物半導体からなるp型領域と、前記p型領域に隣接するように前記ドリフト層上に位置し、p型不純物とn型不純物とが混在するn型窒化物系化合物半導体からなるn型領域と、前記n型領域とショットキー接触し且つ前記p型領域の少なくとも一部と接触する電極と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかる窒化物系化合物半導体装置は、上記の発明において、前記n型領域に含まれる前記p型不純物は、前記p型領域に含まれるp型不純物と同じ不純物であり、前記n型領域のp型不純物濃度は、前記p型領域のp型不純物濃度と略同じであることを特徴とする。
また、本発明にかかる窒化物系化合物半導体装置は、上記の発明において、前記ドリフト層のうちの前記n型領域の直下に位置し、前記ドリフト層に含まれるn型不純物よりも高濃度のn型不純物が存在するn+領域をさらに有することを特徴とする。
また、本発明にかかる窒化物系化合物半導体装置は、上記の発明において、前記電極の周辺領域に、耐圧を維持する耐圧構造を有することを特徴とする。
また、本発明にかかる窒化物系化合物半導体装置は、上記の発明において、前記耐圧構造は、前記電極の周辺領域に形成されたメサ構造であることを特徴とする。
また、本発明にかかる窒化物系化合物半導体装置は、上記の発明において、前記耐圧構造は、前記電極の周辺領域に周回状に形成されたn型または絶縁性の電界緩和領域であり、前記電界緩和領域の電気伝導性を決める前記電界緩和領域内の不純物の濃度は、前記電界緩和領域の外側から前記電極に近づく方向に増加することを特徴とする。
また、本発明にかかる窒化物系化合物半導体装置は、上記の発明において、前記耐圧構造は、前記電極を囲むように交互に形成された環状n型領域と環状p型領域とからなるガードリング構造であることを特徴とする。
また、本発明にかかる窒化物系化合物半導体装置は、上記の発明において、前記耐圧構造は、前記電極の周辺領域に形成された外側n型領域と、前記外側n型領域上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜の表面の少なくとも一部を覆い且つ前記電極と電気的に接続したフィールドプレート電極と、からなるフィールドプレート構造であることを特徴とする。
また、本発明にかかる窒化物系化合物半導体装置は、上記の発明において、前記n型領域のショットキー接触表面は、窒化物系化合物半導体のm面であることを特徴とする。
また、本発明にかかる窒化物系化合物半導体装置の製造方法は、基板上にn型窒化物系化合物半導体からなるドリフト層を形成し、前記ドリフト層上にp型窒化物系化合物半導体からなるp型半導体層を形成し、前記p型半導体層へ部分的にn型不純物を導入し、前記n型不純物が前記p型半導体層を補償することによって、前記p型半導体層を部分的にn型化してなるn型領域を形成するとともに、前記p型半導体層のうちの前記n型領域以外の部分からなるp型領域を形成し、前記n型領域とショットキー接触し且つ前記p型領域の少なくとも一部と接触する電極を形成することを特徴とする。
また、本発明にかかる窒化物系化合物半導体装置の製造方法は、上記の発明において、前記p型半導体層に元来含まれるp型不純物と前記n型不純物とを前記n型領域に混在させることを特徴とする。
また、本発明にかかる窒化物系化合物半導体装置の製造方法は、上記の発明において、前記電極の周辺領域となる前記p型半導体層の周縁領域に、耐圧を維持する耐圧構造を形成することを特徴とする。
また、本発明にかかる窒化物系化合物半導体装置の製造方法は、上記の発明において、前記耐圧構造として、前記p型半導体層の周縁領域にメサ構造を形成することを特徴とする。
また、本発明にかかる窒化物系化合物半導体装置の製造方法は、上記の発明において、前記耐圧構造として、前記p型半導体層の周縁領域に所定の不純物を、その濃度が前記周縁領域の外側から前記電極に近づく方向に増加するように導入し、前記周縁領域をn型化または絶縁化した構造を形成することを特徴とする。
また、本発明にかかる窒化物系化合物半導体装置の製造方法は、上記の発明において、前記p型半導体層の周縁領域のp型不純物を前記周縁領域へ部分的に導入したn型不純物が補償することによって、前記電極を囲むように前記周縁領域をn型化した環状n型領域を形成するとともに、前記環状n型領域によって前記周縁領域を離散化して、前記電極を囲む環状p型領域を形成し、前記耐圧構造として、前記環状n型領域と前記環状p型領域とからなるガードリング構造を構成することを特徴とする。
また、本発明にかかる窒化物系化合物半導体装置の製造方法は、上記の発明において、前記p型半導体層の周縁領域のp型不純物を前記周縁領域へ導入したn型不純物が補償することによって前記周縁領域をn型化した外側n型領域を形成し、前記外側n型領域上に絶縁膜を形成し、前記絶縁膜の表面の少なくとも一部を覆い且つ前記電極と電気的に接続するフィールドプレート電極を形成し、前記耐圧構造として、前記外側n型領域と前記絶縁膜と前記フィールドプレート電極とからなるフィールドプレート構造を構成することを特徴とする。
また、本発明にかかる窒化物系化合物半導体装置の製造方法は、上記の発明において、前記n型領域のショットキー接触表面が窒化物系化合物半導体のm面となるように前記p型半導体層を形成することを特徴とする。
本発明によれば、耐圧として要求される低リーク電流の確保とオン抵抗増加の抑制とを簡易に実現することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる窒化物系化合物半導体装置の断面構造の一例を示す模式図である。 図2は、本発明の実施の形態1にかかる窒化物系化合物半導体装置の製造方法の一例を示すフローチャートである。 図3は、本実施の形態1にかかる窒化物系化合物半導体装置を構成する窒化物系化合物半導体層の形成工程を説明するための図である。 図4は、窒化物系化合物半導体層のp型エピ層を部分的にn型化するn型領域の形成工程を説明するための図である。 図5は、耐圧構造としてのメサ構造の形成工程を説明するための図である。 図6は、各p型領域および各n型領域の電気的活性化から電極形成までの工程を説明するための図である。 図7は、本発明の実施の形態2にかかる窒化物系化合物半導体装置の断面構造の一例を示す模式図である。 図8は、本発明の実施の形態3にかかる窒化物系化合物半導体装置の断面構造の一例を示す模式図である。 図9は、本発明の実施の形態4にかかる窒化物系化合物半導体装置の断面構造の一例を示す模式図である。 図10は、本発明の実施の形態4にかかる窒化物系化合物半導体装置の製造方法の一例を示すフローチャートである。 図11は、耐圧とオン抵抗とのトレードオフの一例を示す図である。 図12は、縦型ショットキーバリアダイオードにおけるドナー濃度とリーク電流との関係を例示する図である。
以下に、添付図面を参照して、本発明にかかる窒化物系化合物半導体装置およびその製造方法の好適な実施の形態について詳細に説明する。但し、図面は模式的なものであり、各層の厚みや厚みの比率等は現実のものとは異なる場合がある。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。したがって、具体的な寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1にかかる窒化物系化合物半導体装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態1にかかる窒化物系化合物半導体装置の断面構造の一例を示す模式図である。本実施の形態1にかかる窒化物系化合物半導体装置10は、例えばGaN系化合物半導体を用いて形成される縦型のMPSダイオードであり、図1に示すように、基板1と、ドリフト層2と、離散状である複数のp型領域3aと、複数のp型領域3aの各間に介在する複数のn型領域3bと、アノード電極4と、カソード電極5とを備える。また、窒化物系化合物半導体装置10は、アノード電極4の周辺領域に、耐圧を維持するためのメサ構造6を有する。
基板1は、窒化物系化合物半導体からなる基板である。具体的には、基板1は、ドリフト層2に比して高濃度のn型不純物を含有するGaN系化合物半導体からなり、ドリフト層2に比して電気抵抗が低い低抵抗基板として機能する。基板1の表面上にはドリフト層2が形成され、基板1の裏面上にはカソード電極5が形成される。なお、基板1の表面は、窒化物系化合物半導体装置10のアノード側の面であり、基板1の裏面は、窒化物系化合物半導体装置10のカソード側の面である。この表裏各面の定義は、ドリフト層2、p型領域3a、n型領域3b、アノード電極4、およびカソード電極5等、基板1以外の各層においても同様である。
ドリフト層2は、n型窒化物系化合物半導体、具体的には、基板1に比して低濃度のn型不純物を含有するGaN系化合物半導体からなり、基板1の表面上に形成される。ドリフト層2内には、印加電圧によって幅が変化する空乏層(図示せず)が形成される。ドリフト層2内の空乏層は、順電圧が印加された場合に狭まり、逆電圧が印加された場合に広がる。
複数のp型領域3aは、ドリフト層2の表面上に形成されたp型エピタキシャル層(以下、p型エピ層と略す)のうちのn型領域3b以外の部分からなる層である。これら複数のp型領域3aの各々は、ドリフト層2の表面上に部分的に位置し、p型窒化物系化合物半導体からなる。これら複数のp型領域3aの各間にはn型領域3bが介在し、これによって、複数のp型領域3aの各々は、島状またはストライプ状等の所望のパターンをなして互いに離散する。一方、複数のn型領域3bは、このp型エピ層を、このp型エピ層へ部分的に導入したn型不純物で補償することによって、このp型エピ層を部分的にn型化してなるn型窒化物系化合物半導体層である。これら複数のn型領域3bの各々は、p型領域3aに隣接するようにドリフト層2の表面上に位置する。また、これら複数のn型領域3bの各々は、各p型領域3aのパターンに対応して形成され、上述したように複数のp型領域3aを互いに離散化する。これら各p型領域3aおよび各n型領域3bの表面上にはアノード電極4が形成される。この場合、各n型領域3bは、アノード電極4とショットキー接合するショットキー接合層として機能する。また、これら各p型領域3aおよび各n型領域3bの表面は、GaN系化合物半導体のc面(ガリウム面または窒素面)であってもよいが、m面であることが望ましい。これは、p型不純物およびn型不純物の電気的活性化のために必要な各p型領域3aおよび各n型領域3bの熱処理の温度をc面の場合に比して低くできるからである。この熱処理では、各p型領域3aおよび各n型領域3bが同時に熱処理されるので、この温度低下によって、各p型領域3aおよび各n型領域3bの熱処理による表面の荒れを抑制できる。
ここで、上述した各p型領域3aおよび各n型領域3bの元となるp型エピ層は、ドリフト層2の表面上にエピタキシャル成長したp型窒化物系化合物半導体(具体的にはp型のGaN系化合物半導体)からなる。すなわち、各p型領域3aに含まれるp型不純物の組成および濃度は、このp型エピ層と略同じである。一方、各n型領域3bには、p型不純物とn型不純物とが混在する。各n型領域3bに含まれるp型不純物は、上述したp型領域3aに含まれるp型不純物と同じ不純物(例えば同じ組成のもの)、すなわち、このp型エピ層に元来含まれるp型不純物である。これら各n型領域3bのp型不純物濃度は、p型領域3aのp型不純物濃度と略同じである。ここで、n型領域3bのp型不純物濃度とp型領域3aのp型不純物濃度との濃度差がn型領域3bのp型不純物濃度の−10[%]以上、+10[%]以下の範囲内であれば、各n型領域3bのp型不純物濃度は、p型領域3aのp型不純物濃度と略同じと定義する。また、各n型領域3bに含まれるn型不純物は、このp型エピ層へ部分的に導入したn型不純物である。このように混在するp型不純物をn型不純物が補償することによって、このp型エピ層のうちのn型不純物の導入領域は、n型領域3bに転換される。このようなn型領域3b内に混在するn型不純物とp型不純物との間には、例えば、活性化したp型不純物の濃度よりも、活性化したn型不純物の濃度が高濃度であるという関係が成り立つ。一方、各n型領域3bの直下には、n型領域3bを形成する際のp型エピ層に対するn型不純物の導入条件に応じて、n+領域(図示せず)が形成される場合がある。このn+領域は、ドリフト層2のうちのn型領域3bの直下に位置する。このようなn+領域内には、ドリフト層2に含まれるn型不純物よりも高濃度のn型不純物が存在する。
アノード電極4は、上述したp型領域3aおよびn型領域3bの各層表面上に形成され、各n型領域3bとショットキー接触し、且つ、複数のp型領域3aのうちの少なくとも一部と接触する。具体的には、アノード電極4は、下地金属4aと配線金属4bとの多層構造を有する。下地金属4aは、n型のGaN系化合物半導体であるn型領域3bとショットキー接合可能な金属材料を用いて実現され、p型領域3aおよびn型領域3bの各層表面上に形成される。このような下地金属4aは、ドリフト層2の表面上に形成されたn型領域3bの全部とショットキー接触する。且つ、下地金属4aは、ドリフト層2の表面上に形成された複数のp型領域3aのうち、周縁側の各p型領域3aに対して、その縁領域以外の内側部分とオーミック接触し、これら周縁側の各p型領域3aよりも内側の各p型領域3aに対して、その全表面とオーミック接触する。配線金属4bは、窒化物系化合物半導体装置10のアノード側の配線等と電気的に接続される金属層であり、下地金属4aの表面上に形成される。このようなアノード電極4の側部には、図1に示すように、周縁側の各p型領域3aとアノード電極4との段差が形成される。
カソード電極5は、上述した基板1の裏面上に形成され、基板1とオーミック接触する。具体的には、カソード電極5は、オーミック金属5aと配線金属5bとの多層構造を有する。オーミック金属5aは、n型のGaN系化合物半導体である基板1とオーミック接合可能な金属材料を用いて実現される。オーミック金属5aは、基板1の裏面上に形成され、この基板1の裏面側とオーミック接触する。配線金属5bは、窒化物系化合物半導体装置10のカソード側の配線等と電気的に接続される金属層であり、オーミック金属5aの裏面上に形成される。
メサ構造6は、窒化物系化合物半導体装置10の耐圧を維持する耐圧構造である。具体的には、メサ構造6は、図1に示すように、アノード電極4の周辺領域に形成された段差部6a,6bによって構成される。段差部6aは、上述したp型領域3aおよびn型領域3bを形成するためにドリフト層2の表面上に形成されたp型エピ層の周縁領域を除去することによって、p型領域3aおよびn型領域3bを囲むように周回状に形成される。段差部6bは、図1に示すように周縁側の各p型領域3aの縁領域が露出するようにアノード電極4を形成することによって、アノード電極4を囲むように周回状に形成される。このような段差部6a,6bによるメサ構造は、アノード電極4の端部における電界集中を緩和することによって、p型エピ層が周辺領域においてドリフト層2上の全面に形成される場合に比べて高耐圧を実現できる。
ここで、本実施の形態1にかかる窒化物系化合物半導体装置10は、図1に示すように、各n型領域3bとアノード電極4とのショットキー接合領域と、ドリフト層2および各n型領域3bと各p型領域3aとのpn接合領域とをアノード側に併せ持つMPS構造を有する。このようなMPS構造の窒化物系化合物半導体装置10は、パワーデバイスに適用可能な高耐圧のMPSダイオードとして機能する。
すなわち、窒化物系化合物半導体装置10では、アノード電極4側に正のバイアス電圧を印加した場合、ドリフト層2内の空乏層が狭まるとともにショットキー接合領域が主に作用して、アノード電極4側からカソード電極5側に向かって縦方向に電流が流れる。また、この印加するバイアス電圧(順電圧)が所定の電圧よりも大きくなった場合、窒化物系化合物半導体装置10では、ショットキー接合領域およびpn接合領域の双方が通電可能な状態となる。この場合、窒化物系化合物半導体装置10は、pn接合領域側に大電流を流すことができ、これによって、突発的なサージ電流等の大電流による損傷を防止できる。
一方、カソード電極5側に正のバイアス電圧を印加した場合、アノード電極4側は負のバイアス電圧が印加された逆バイアス状態となる。この場合、ドリフト層2内の空乏層が広がり、この結果、窒化物系化合物半導体装置10は、電流が流れない電流阻止状態となって高耐圧を維持する。また、この逆バイアス状態において、pn接合領域から空乏層が広がり、これによって、ショットキー接合領域は、高電界にさらされることがない。すなわち、逆バイアス状態時の窒化物系化合物半導体装置10における電界強度は、ショットキー接合領域ではなくpn接合領域において最大となる。この結果、窒化物系化合物半導体装置10は、ショットキー接合領域からのリーク電流を抑制することができる。さらに、窒化物系化合物半導体装置10は、メサ構造6によってアノード電極4の端部における電界集中を緩和できるため、上述した高耐圧を確保することができる。
つぎに、本発明の実施の形態1にかかる窒化物系化合物半導体装置10の製造方法について説明する。図2は、本発明の実施の形態1にかかる窒化物系化合物半導体装置の製造方法の一例を示すフローチャートである。図3は、本実施の形態1にかかる窒化物系化合物半導体装置を構成する窒化物系化合物半導体層の形成工程を説明するための図である。図4は、窒化物系化合物半導体層のp型エピ層を部分的にn型化するn型領域の形成工程を説明するための図である。図5は、耐圧構造としてのメサ構造の形成工程を説明するための図である。図6は、各p型領域および各n型領域の電気的活性化から電極形成までの工程を説明するための図である。なお、図3〜6において、同一構成部分には同一符号を付し、同一構成部分の説明は適宜省略する。
図2に示すように、本実施の形態1にかかる窒化物系化合物半導体装置10の製造方法では、まず、p型エピ層を最表面に有する窒化物系化合物半導体層を窒化物系化合物半導体基板に形成する(ステップS101)。このステップS101では、窒化物系化合物半導体基板として基板1を準備する。ついで、図3に示すように、基板1の表面上に、順次、n型のGaN系化合物半導体からなるドリフト層2とp型のGaN系化合物半導体からなるp型エピ層3とをMOCVD法によってエピタキシャル成長させる。この結果、ドリフト層2の表面上にp型エピ層3を積層した多層構造の窒化物系化合物半導体層が基板1の表面上に形成される。ここで、この窒化物系化合物半導体層のうち、p型エピ層3は、その表面の結晶方位がc面であってもよいが、望ましくは、その表面の結晶方位がm面となるようにエピタキシャル成長させる。例えば、主表面がm面である基板1を用いれば、表面の結晶方位がm面のp型エピ層3をエピタキシャル成長できる。このようにして、図1に示した各n型領域3bのショットキー接触表面が窒化物形化合物半導体(具体的にはGaN系化合物半導体)のm面となるように、ドリフト層2の表面上にp型エピ層3を形成することが望ましい。
なお、本実施の形態1においては、例えば、300〜1000[V]程度の耐圧を実現するために、ドリフト層2の層厚は1〜10[μm]の範囲内に調整し、ドリフト層2に含まれるケイ素(Si)または酸素(O)等のn型不純物の濃度は、1×1016〜5×1016[cm-3]の範囲内に調整した。また、p型エピ層3の層厚は1〜5[μm]の範囲内に調整し、p型エピ層3に含まれるマグネシウム(Mg)または亜鉛(Zn)等のp型不純物の濃度は、ドリフト層2のn型不純物濃度の10倍程度、例えば1×1017[cm-3]以上に調整した。また、1000[V]を超える耐圧を実現するためには、ドリフト層2およびp型エピ層3のうちの少なくとも一方の層厚をより厚くし、これらのうちの少なくとも一方の不純物濃度(p型不純物濃度、n型不純物濃度)をより低くして、ドリフト層2およびp型エピ層3を形成すればよい。また、基板1はドリフト層2に比して低抵抗のものであればよく、およそ0.01[Ωcm]以下を実現する低抵抗基板であれば、通例の製法を用いて作製すればよい。例えば、基板1は、一例として、酸化亜鉛(ZnO)または砒化ガリウム(GaAs)等の基板上に50〜200[μm]程度の層厚のGaN層を結晶成長させ、その後、このGaN層から基板を除去することによって準備してもよい。
上述したステップS101の工程を実施後、p型エピ層3に対して部分的にn型不純物を導入してp型エピ層3を部分的にn型化するn型領域3bを形成する(ステップS102)。このステップS102では、図4に示すように、二酸化珪素(SiO2)等からなるマスク11を、p型エピ層3のうちのGaN系p型領域をGaN系n型領域に転換する各部分を露出させる形状にパターニングして、p型エピ層3の表面上に形成する。なお、マスク11のパターニング形状として、例えば、島状またはストライプ状等の各マスク11が互いに離散する離散状の形状が挙げられる。このような各マスク11のパターニング形状は、ドリフト層2の表面上に形成される離散状の各p型領域3aの形状に対応する。つぎに、このマスク11をイオン注入マスクとして、p型エピ層3の表面に対して部分的にSiまたはO等のn型不純物をイオン注入する。このように、p型エピ層3のうちのマスク11に被覆されていない各露出部分にn型不純物を導入する。これら各露出部分内では、p型エピ層3に元来含まれるp型不純物が、導入したn型不純物によって補償される。このような各露出部分のp型不純物と混在させたn型不純物によるp型不純物の補償によって、p型エピ層3を部分的にn型化した各n型領域3bを形成する。これと同時に、p型エピ層3のうちのn型領域3b以外の部分からなる複数のp型領域3aを形成する。これら複数のp型領域3aの各々は、島状またはストライプ状等の所望の形状をなして互いに離散している。その後、各p型領域3aの表面からマスク11を所定の手法によって除去する。また、上述したp型エピ層3に対するn型不純物のイオン注入条件によっては、例えば、イオンの加速エネルギーが大きい場合等に、ドリフト層2に含まれるn型不純物よりも高濃度のn型不純物が存在するn+領域(図示せず)が、ドリフト層2のうちのn型領域3bの直下に形成される場合がある。
ここで、ステップS102においてp型エピ層3の各露出部分にイオン注入するn型不純物の濃度は、p型エピ層3のGaN系p型領域をGaN系n型領域に転換するために最低限必要な濃度以上に調整する必要がある。また、p型エピ層3のGaN系p型領域にn型不純物を過剰に導入した場合、得られたn型領域3bのショットキー接合表面における電界強度が過度に高くなる。このため、p型エピ層3に導入(例えばイオン注入)するn型不純物の濃度は、ドリフト層2のn型不純物濃度の10倍以上等の適度な濃度に設定する必要がある。これに加え、このp型エピ層3に対するn型不純物の濃度は、p型エピ層3におけるn型不純物の導入対象領域の間隔、すなわち、各n型領域3bの間隔も併せて考慮して設定する必要がある。本実施の形態1では、このn型不純物の濃度を例えば、1×1017〜1×1018[cm-3]の範囲内に設定した。
上述したステップS102の工程を実施後、図4に示したように基板1とドリフト層2と各p型領域3aおよび各n型領域3bとを積層した多層構造の窒化物系化合物半導体層の周縁領域に耐圧構造を形成する(ステップS103)。このステップS103では、図1に示したアノード電極4の周辺領域となるp型エピ層3の周縁領域に、例えば、この周縁領域を除去してなるメサ構造6を、高耐圧を維持する耐圧構造として形成する。具体的には、図5に示すように、フォトリソグラフィー技術によって、ドリフト層2表面上の各p型領域3aのうちの周縁側の各p型領域3aの縁領域を周回状に露出させる形状にパターニングしたレジスト12を形成する。ついで、このレジスト12をマスクとしてエッチングを行い、これによって、ドリフト層2が露出するまで周縁側の各p型領域3aの縁領域を除去する。この結果、メサ構造6を構成するp型領域3aとドリフト層2との段差(図1に示した段差部6a)が、ドリフト層2表面上の各p型領域3aおよび各n型領域3bを囲むように周回状に形成される。ここで、上述した周縁側の各p型領域3aの縁領域は、図1に示したアノード電極4の周辺領域となるp型エピ層3の周縁領域に相当する。すなわち、メサ構造6が、アノード電極4の周辺領域に形成されたことになる。その後、レジスト12は、アッシング等によって除去する。
なお、メサ構造6はp型エピ層3の厚さ以上に深く形成すればよいが、メサ構造6の深さおよび角度は、その表面上に形成する絶縁膜またはパッシベーション膜、あるいは表面準位密度に対応して設定する必要がある。
上述したステップS103の工程を実施後、ステップS102においてドリフト層2表面上に形成した各p型領域3aおよび各n型領域3bを熱処理によって電気的に活性化する(ステップS104)。このステップS104では、図6に示すように、ドリフト層2表面上の各p型領域3aおよび各n型領域3bに対して1000〜1700[℃]程度の熱処理を行う。これによって、各p型領域3a内のp型不純物を電気的に活性化するとともに、各n型領域3b内のn型不純物(イオン注入したn型不純物)を電気的に活性化する。
ここで、上述したステップS102においてp型エピ層3の表面の結晶方位をm面にしていれば、各p型領域3aおよび各n型領域3bの表面の結晶方位はm面である。この場合、ステップS104における各p型領域3aおよび各n型領域3bの熱処理は、c面に対する熱処理に比して低温、具体的には、1000〜1500[℃]の範囲内に温度設定して実施する。この結果、c面の場合と同様に各p型領域3aおよび各n型領域3bを電気的に活性化できる。なお、上述したp型エピ層3の表面の結晶方位をc面にしていれば、各p型領域3aおよび各n型領域3bの表面の結晶方位はc面であるため、ステップS104における各p型領域3aおよび各n型領域3bの熱処理は、1200〜1700[℃]の範囲内に温度設定して実施する。この場合も、各p型領域3aおよび各n型領域3bを電気的に活性化できる。
上述したステップS104の工程を実施後、各n型領域3bとショットキー接触し且つ複数のp型領域3aの少なくとも一部とオーミック接触するアノード電極4と、上述した基板1とオーミック接触するカソード電極5とを形成して(ステップS105)、MPS構造を有する窒化物系化合物半導体装置10(図1参照)が製造される。
このステップS105では、フォトリソグラフィー技術を用いて、各p型領域3aおよび各n型領域3bの表面上にアノード電極パターン部分が露出するようなレジストを加工する。このレジストは、ドリフト層2表面上のn型領域3bの全表面と、ドリフト層2表面上の複数のp型領域3aの全表面のうちの周縁領域を除く内側領域とを露出させる形状にパターニングされる。ついで、このレジストをマスクとして、チタン(Ti)、アルミニウムシリサイド(Al−Si)等の金属または合金を順次、各p型領域3aおよび各n型領域3bの露出表面(レジストによってマスクされていない表面領域)に蒸着する。これによって、図6に示すように、ドリフト層2表面上のn型領域3bの全部と複数のp型領域3aのうちの周縁部分を除く内側部分とを覆う下地金属4aと、この下地金属4a表面の配線金属4bとを形成する。この結果、下地金属4aと配線金属4bとからなる多層構造のアノード電極4が形成される。このようなアノード電極4において、下地金属4aは、全てのn型領域3bの表面とショットキー接触し、且つ、複数のp型領域3aの全表面のうちの周縁部分に囲まれた内側領域の表面とオーミック接触する。その後、リフトオフ法を用いて、このレジストとともに不要な部分を除去する。
ここで、アノード電極4の周辺領域には、上述したレジストによるマスキングによって、アノード電極4から周回状に延在したp型領域3a部分が形成される。この結果、図6に示すように、p型領域3aの延在部分とアノード電極4との段差が形成される。このアノード電極4の周縁部における段差(図1に示した段差部6b)と、上述したp型領域3aとドリフト層2との段差(図1に示した段差部6a)とによって、耐圧構造としてのメサ構造6が構成される。
つぎに、このステップS105では、スパッタ法によって、基板1の裏面上に順次、Ti、ニッケル(Ni)、金(Au)等の金属または合金を蒸着する。これによって、図6に示すように、基板1裏面上のオーミック金属5aと、このオーミック金属5a裏面上の配線金属5bとを形成する。この結果、オーミック金属5aと配線金属5bとからなる多層構造のカソード電極5が形成される。このカソード電極5において、オーミック金属5aは、基板1の裏面とオーミック接触する。
上述したように製造した窒化物系化合物半導体装置10は、例えばMPSダイオードに例示されるようなパワーデバイス等に適用可能である。なお、ステップS101〜S105では、600[V]耐圧におけるリーク電流の上限を100[μA/cm2]とする窒化物系化合物半導体装置10の製造方法を例示したが、本発明における窒化物系化合物半導体装置10の製造方法は、これに限定されるものではない。すなわち、窒化物系化合物半導体装置10を構成する基板1、ドリフト層2、各p型領域3aおよび各n型領域3b、アノード電極4、およびカソード電極5の各厚さ等の寸法、n型不純物およびp型不純物の各濃度(添加量)、アノード電極4およびカソード電極5の各金属材料は、窒化物系化合物半導体装置10に要求される耐圧仕様、パワーデバイスとしての機能等に対応して、適切なものに設定される。
以上、説明したように、本発明の実施の形態1では、n型窒化物系化合物半導体からなるドリフト層の表面上にエピタキシャル成長によってp型窒化物系化合物半導体からなるp型エピ層を形成し、このp型エピ層へ部分的にn型不純物を導入し、導入したn型不純物により、このp型エピ層のp型不純物を補償することによって、このp型エピ層を部分的にn型領域に転換するとともに、このp型エピ層のうちのn型領域以外の部分からなるp型領域を形成している。また、このn型領域とショットキー接触し、且つ、このp型領域の少なくとも一部とオーミック接触するアノード電極を形成している。
このため、n型窒化物系化合物半導体層(以下、n型半導体層と適宜略す)の複数位置に溝(トレンチ)を離散的に形成する工程と、これら離散状の各溝内にp型窒化物系化合物半導体層(以下、p型半導体層と適宜略す)をエピタキシャル成長させる工程とを行わなくとも、あるいは、半導体基板表面の複数位置にp型半導体層とn型半導体層とを選択的にエピタキシャル成長させて複数のp型半導体層を離散的に形成しなくても、n型半導体層を挟む態様のp型半導体層を容易に形成できる。これに加え、p型半導体層の表面と、このp型半導体層の間に介在するn型半導体層の表面とを研磨処理しなくても、容易に、これらp型半導体層およびn型半導体層を、平滑な層表面を有する良好な膜質の半導体層とすることができる。以上のことから、簡易な工程によってn型のドリフト層表面上にpn接合領域をなすp型半導体層を形成できるとともに、このp型半導体層の間に介在するn型半導体層とその表面上のアノード電極との良好なショットキー接合を容易に形成できる。この結果、p型不純物のイオン注入を行わなくとも、GaN系化合物半導体等の窒化物系化合物半導体を用いたMPS構造を簡易な工程によって形成でき、これにより、窒化物系化合物半導体装置の耐圧として要求される低リーク電流の確保とオン抵抗増加の抑制とを簡易に実現することができる。
また、MPS構造を構成するp型半導体層とn型半導体層との元となるp型エピ層を、ドリフト層のエピタキシャル成長に引き続いて連続的に形成することができる。このため、MPS構造を形成するために必要な工程を簡易化することができ、これによって、窒化物系化合物半導体装置の製造に要するコストの低減を可能な限り促進することができる。
さらに、本発明の実施の形態1では、アノード電極の周辺領域に、耐圧を維持する耐圧構造としてメサ構造を形成している。このため、アノード電極端部における電界集中をメサ構造によって緩和することができ、これによって、アノード電極端部の高耐圧を維持できる。これに加え、p型半導体層とは略無関係に耐圧設計ができるため、比較的安定して高耐圧を確保することができる。
また、本発明の実施の形態1では、n型半導体層のショットキー接触表面の結晶方位が窒化物系化合物半導体のm面となるようにp型エピ層を形成している。このため、上述したようにp型エピ層を元とするp型半導体層およびn型半導体層の熱処理面をm面とすることができる。この結果、これらp型半導体層およびn型半導体層を電気的に活性化するために必要な熱処理の温度をc面の熱処理に比して低温度に設定できることから、これらp型半導体層およびn型半導体層の各表面(すなわちアノード電極との接触表面)の荒れを可能な限り抑制できる。これによって、n型半導体層とアノード電極とのショットキー接合をより良好且つ容易に形成できる。
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では、アノード電極4の周辺領域に耐圧構造としてメサ構造6を形成していたが、実施の形態2では、耐圧構造として、アノード電極4端部の電界集中を緩和する電界緩和領域を形成している。
図7は、本発明の実施の形態2にかかる窒化物系化合物半導体装置の断面構造の一例を示す模式図である。図7に示すように、本実施の形態2にかかる窒化物系化合物半導体装置20は、上述した実施の形態1にかかる窒化物系化合物半導体装置10のメサ構造6に代えて電界緩和領域26をアノード電極4の周辺領域に備える。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
電界緩和領域26は、アノード電極4の周辺領域に周回状に形成された耐圧構造であり、内側の高濃度n型領域26aと外側の低濃度n型領域26bとによって構成される。すなわち、電界緩和領域26の電気伝導性は、n型である。高濃度n型領域26aおよび低濃度n型領域26bは、アノード電極4の周辺領域となるp型エピ層3(図3参照)の周縁領域に、電界緩和領域26の電気伝導性を決める不純物、すなわちn型不純物を導入して、このp型エピ層3の周縁領域をn型化した構造のGaN系化合物半導体層である。図7に示すように、高濃度n型領域26aは、複数のp型領域3aのうちの周縁側の各p型領域3aの側面と連続して各p型領域3aおよび各n型領域3bを囲むように、ドリフト層2の周縁領域表面上に周回状に形成される。低濃度n型領域26bは、高濃度n型領域26aの外周面と連続して高濃度n型領域26aを囲むように、ドリフト層2の周縁領域表面上に周回状に形成される。また、高濃度n型領域26aに含まれるn型不純物の濃度は、その外側の低濃度n型領域26bに含まれるn型不純物の濃度よりも高濃度である。すなわち、電界緩和領域26におけるn型不純物の濃度は、電界緩和領域26の外側(外周側)からアノード電極4に近づく方向に2段階に増加する。このような構造の電界緩和領域26は、その層面方向(窒化物系化合物半導体装置20の横方向)にドリフト層2内の空乏層の広がりを大きくできるため、アノード電極4における電界集中を緩和し易く、この結果、窒化物系化合物半導体装置20の高耐圧を容易に維持する。
ここで、本実施の形態2にかかる窒化物系化合物半導体装置20の製造方法は、上述した実施の形態1の場合と略同様であり、耐圧構造の形成工程のみ異なる。すなわち、本実施の形態2にかかる窒化物系化合物半導体装置20の製造方法では、図2に示したステップS101,S102,S104,S105と同様の工程を実施し、ステップS103の工程のみが異なる。以下では、本実施の形態2におけるステップS103の工程のみ説明する。
本実施の形態2におけるステップS103では、ドリフト層2表面上のp型エピ層3(図4参照)の周縁領域にn型不純物を、その濃度がp型エピ層3の周縁領域の外側からアノード電極4に近づく方向に増加するように導入し、このp型エピ層3の周縁領域をn型化してなる耐圧構造を形成する。
具体的には、SiO2等からなるイオン注入マスクを、離散状のp型領域3aのうちの高濃度n型領域26aを形成する周回部分を露出させる形状にパターニングして、各p型領域3aおよび各n型領域3bの表面上に形成する。ついで、p型領域3aのうちのイオン注入マスクに被覆されていない周回状の露出部分に対してSiまたはO等の高濃度のn型不純物をイオン注入する。この周回状の露出部分内のp型不純物を、イオン注入したn型不純物が補償することによって、この周回状の露出部分をp型からn型に転換する。この結果、各p型領域3aおよび各n型領域3bを囲む周回状の高濃度n型領域26aをドリフト層2の周縁領域表面上に形成する。つぎに、同様のイオン注入マスクを、離散状のp型領域3aのうちの低濃度n型領域26bを形成する周回部分(すなわち高濃度n型領域26aの外周側の周回部分)を露出させる形状にパターニングして、各p型領域3aおよび各n型領域3bの表面上に形成する。ついで、p型領域3aのうちのイオン注入マスクに被覆されていない周回状の露出部分に対して、高濃度n型領域26aの形成時よりも低濃度のn型不純物(SiまたはO等)をイオン注入する。この周回状の露出部分内のp型不純物を、イオン注入したn型不純物が補償することによって、この周回状の露出部分をp型からn型に転換する。この結果、高濃度n型領域26aを囲む周回状の低濃度n型領域26bをドリフト層2の周縁領域表面上に形成する。このようにして、アノード電極4の周辺領域となるp型領域3aの周縁領域に高濃度n型領域26aと低濃度n型領域26bとからなる電界緩和領域26が形成される。その後、イオン注入マスクは、所定の手法によって除去する。
以上、説明したように、本発明の実施の形態2では、アノード電極の周辺領域となるp型半導体層の周縁領域に対し、n型不純物を、その濃度がp型半導体層の外周縁側からアノード電極に近づく方向に増加するように導入して、アノード電極を囲む周回状の電界緩和領域を耐圧構造として形成し、その他を実施の形態1と同様に構成した。このため、上述した実施の形態1の場合と同様の作用効果を享受するとともに、電界緩和領域のn型不純物濃度、すなわち、n型不純物の導入量(イオン注入量)によって、ドリフト層2表面等のpn接合表面における電界強度を容易に制御することができることから、耐圧クラス等、要求される耐圧仕様に応じて異なる多種多様な耐圧構造の設計に容易に対応することができる。
(実施の形態3)
つぎに、本発明の実施の形態3について説明する。上述した実施の形態1では、アノード電極4の周辺領域に耐圧構造としてメサ構造6を形成していたが、実施の形態3では、耐圧構造としてガードリング構造を形成している。
図8は、本発明の実施の形態3にかかる窒化物系化合物半導体装置の断面構造の一例を示す模式図である。図8に示すように、本実施の形態3にかかる窒化物系化合物半導体装置30は、上述した実施の形態1にかかる窒化物系化合物半導体装置10のメサ構造6に代えてガードリング構造36をアノード電極4の周辺領域に備える。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
ガードリング構造36は、図8に示すように、アノード電極4を囲むように交互に形成された環状p型領域36aと環状n型領域36bとからなる耐圧構造である。具体的には、ガードリング構造36は、アノード電極4の周辺領域に形成された2つの環状p型領域36aと各環状p型領域36aを囲む3つの環状n型領域36bとによって構成される。2つの環状p型領域36aは、アノード電極4の周辺領域となるp型エピ層3(図3参照)の周縁領域を環状n型領域36bによって離散化してなるp型のGaN系化合物半導体層である。これら2つの環状p型領域36aの各々は、図8に示すように、アノード電極4を囲むように、ドリフト層2の周縁領域表面上に周回状に形成される。3つの環状n型領域36bは、上述したp型エピ層3の周縁領域のp型不純物を、このp型エピ層3の周縁領域へ部分的に導入したn型不純物が補償することによって、アノード電極4を囲むようにn型化したGaN系化合物半導体層である。これら3つの環状n型領域36bは、図8に示すように、上述した2つの環状p型領域36aを互いに離散させるように、ドリフト層2の周縁領域表面上に周回状に形成される。このような環状p型領域36aおよび環状n型領域36bからなるガードリング構造36は、その層面方向(窒化物系化合物半導体装置30の横方向)にドリフト層2内の空乏層の広がりを大きくできるため、アノード電極4における電界集中を緩和し易く、この結果、窒化物系化合物半導体装置30の高耐圧を容易に維持する。
ここで、本実施の形態3にかかる窒化物系化合物半導体装置30の製造方法は、上述した実施の形態1の場合と略同様であり、耐圧構造の形成工程のみ異なる。すなわち、本実施の形態3にかかる窒化物系化合物半導体装置30の製造方法では、図2に示したステップS101,S104,S105と同様の工程を実施し、ステップS102およびステップS103を1つの工程内において実施する。以下では、本実施の形態3におけるガードリング構造36の形成に関する工程のみ説明する。
本実施の形態3では、上述したステップS101の工程を実施後、p型エピ層3に対して部分的にn型不純物を導入して、p型エピ層3を複数に離散化するn型領域3bを形成するとともにガードリング構造36を形成する。この工程では、まず、SiO2等からなるイオン注入マスクを、p型エピ層3のうちのn型領域3bを形成する各部分と環状n型領域36bを形成する各部分(p型エピ層3の周縁領域の一部分)とを露出させる形状にパターニングして、p型エピ層3の表面上に形成する。この場合、環状n型領域36bを形成するためのイオン注入マスクのパターニング形状として、例えば、アノード電極4の形成領域となるp型エピ層3の内側領域を囲む環形状等が挙げられる。このようなイオン注入マスクのパターニング形状は、ドリフト層2の周縁領域表面上に形成される各環状p型領域36aの形状に対応する。なお、n型領域3bを形成するためのイオン注入マスクのパターニング形状は、上述した実施の形態1の場合と同様である。
つぎに、p型エピ層3のうちのイオン注入マスクに被覆されていない各露出部分に対してSiまたはO等のn型不純物をイオン注入する。このように、p型エピ層3の各露出部分にn型不純物を導入する。これら各露出部分内では、p型エピ層3に元来含まれるp型不純物が、導入したn型不純物によって補償される。このような各露出部分のp型不純物と混在させたn型不純物によるp型不純物の補償によって、p型エピ層3を部分的にn型化した各n型領域3bと、後に形成されるアノード電極4を囲むようにp型エピ層3の周縁領域を環状にn型化した各環状n型領域36bとを形成する。これと同時に、各n型領域3bによってp型エピ層3を離散化した複数のp型領域3aを形成し、且つ、各環状n型領域36bによってp型エピ層3の周縁領域を環状に離散化してアノード電極4を囲む各環状p型領域36aを形成する。このような各環状p型領域36aと各環状n型領域36bとによって、耐圧構造としてのガードリング構造36を構成する。一方、これら複数のp型領域3aの各々は、上述した実施の形態1の場合と同様に所望の形状をなして互いに離散している。その後、上述したイオン注入マスクは、所定の手法によって除去する。
なお、上述したようにp型エピ層3の各露出部分にイオン注入するn型不純物の濃度は、実施の形態1の場合と同様である。また、ガードリング構造36における環状p型領域36aの数(ガードリング本数)は、上述した2つに限定されず、窒化物系化合物半導体装置30に対して要求される耐圧仕様、p型エピ層3のp型不純物濃度等に応じて、適正な数に設定すればよい。環状n型領域36bの数は、上述した3つに限定されず、必要数の環状p型領域36aを形成可能な数であればよい。
以上、説明したように、本発明の実施の形態3では、アノード電極の周辺領域となるp型エピ層の周縁領域へn型不純物を部分的に導入し、このp型エピ層の周縁領域のp型不純物を、導入したn型不純物が補償することによって、このp型エピ層の周縁領域を環状にn型化した環状n型領域を形成するとともに、形成した環状n型領域によって、このp型エピ層の周縁領域を離散化して、アノード電極を囲む環状p型領域を形成し、これら環状n型領域と環状p型領域とからなるガードリング構造を耐圧構造として構成し、その他を実施の形態1と同様に構成した。このため、上述した実施の形態1の場合と同様の作用効果を享受するとともに、p型エピ層に対するn型不純物のイオン注入量によらず、ガードリング構造の環状p型領域の幅または深さ等の寸法によって耐圧を設計できることから、同一の製造工程によって、互いに異なる多種多様な耐圧クラスの窒化物系化合物半導体装置を容易に製造し分けることができる。
(実施の形態4)
つぎに、本発明の実施の形態4について説明する。上述した実施の形態1では、アノード電極4の周辺領域に耐圧構造としてメサ構造6を形成していたが、実施の形態4では、耐圧構造として、フィールドプレート構造を形成している。
図9は、本発明の実施の形態4にかかる窒化物系化合物半導体装置の断面構造の一例を示す模式図である。図9に示すように、本実施の形態4にかかる窒化物系化合物半導体装置40は、上述した実施の形態1にかかる窒化物系化合物半導体装置10のアノード電極4に代えてフィールドプレートを兼ねるアノード電極44を備え、メサ構造6に代えてフィールドプレート構造46を備える。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
アノード電極44は、MPS構造におけるアノード電極としての本来の機能と、フィールドプレートの電極としての機能とを兼ね備える。具体的には、図9に示すように、アノード電極44は、上述した実施の形態1にかかる窒化物系化合物半導体装置10と同様の下地金属4aと、絶縁膜48の表面上に延出する構造の配線金属44bとによって構成される。配線金属44bは、実施の形態1にかかる窒化物系化合物半導体装置10の配線金属4bに代わる電極材料であり、図9に示すように、フィールドプレート構造46の絶縁膜48の一部表面に接触するように下地金属4aの表面上に形成される。配線金属44bは、実施の形態1における配線金属4bと同様の機能と、フィールドプレート構造46の導電材料としての機能とを兼ね備える。このような配線金属44bの周縁部分は、図9に示すように、絶縁膜48の一部表面上に庇状に延出し、この周縁部分を介して配線金属44bと絶縁膜48とが接続される。この配線金属44bの周縁部分は、フィールドプレート構造46の一構成要素であるフィールドプレート電極44cをなす。
フィールドプレート構造46は、アノード電極44の周辺領域に周回状に形成された耐圧構造であり、図9に示すように、アノード電極44の周辺領域に形成された外側n型領域47と、外側n型領域47の表面上に形成された絶縁膜48と、フィールドプレート電極44cとによって構成される。外側n型領域47は、アノード電極44の周辺領域となるp型エピ層3(図3参照)の周縁領域にn型不純物を導入し、この周縁領域のp型不純物を、導入したn型不純物が補償することによって、この周縁領域をn型化した構造のGaN系化合物半導体層である。図9に示すように、外側n型領域47は、複数のp型領域3aのうちの周縁側の各p型領域3aの側面と連続して各p型領域3aおよび各n型領域3bを囲むように、ドリフト層2の周縁領域表面上に周回状に形成される。絶縁膜48は、外側n型領域47の表面とp型領域3aの周縁領域表面とを覆い且つ下地金属4aを囲むように、外側n型領域47の表面上に周回状に形成される。フィールドプレート電極44cは、絶縁膜48の表面の少なくとも一部を覆い且つアノード電極44と電気的に接続する電極であり、アノード電極44の配線金属44bと一体的に形成される。上述したように構成されるフィールドプレート構造46は、逆バイアス状態時に外側n型領域47において空乏層を広げ、これによって、アノード電極44における電界集中を緩和でき、この結果、窒化物系化合物半導体装置40の高耐圧を容易に維持する。
つぎに、本発明の実施の形態4にかかる窒化物系化合物半導体装置40の製造方法について説明する。図10は、本発明の実施の形態4にかかる窒化物系化合物半導体装置の製造方法の一例を示すフローチャートである。本実施の形態4にかかる窒化物系化合物半導体装置40の製造方法では、上述した実施の形態1の場合と略同様に、ドリフト層2の表面上にp型領域3aおよびn型領域3bを形成し、これらp型領域3aおよびn型領域3bを電気的に活性化した後、フィールドプレート構造46、アノード電極44およびカソード電極5を形成して、窒化物系化合物半導体装置40を製造する。
すなわち、図10に示すように、本実施の形態4では、実施の形態1におけるステップS101と同様に、p型エピ層3(図3参照)を最表面に有する窒化物系化合物半導体層を窒化物系化合物半導体基板、具体的には、基板1の表面上に形成する(ステップS201)。ついで、p型エピ層3に対して部分的にn型不純物を導入してp型エピ層3を部分的にn型化するn型領域3bを形成する(ステップS202)。
このステップS202では、SiO2等からなるイオン注入マスクを、p型エピ層3のうちのn型領域3bを形成する各部分と外側n型領域47を形成する周縁部分とを露出させる形状にパターニングして、p型エピ層3の表面上に形成する。なお、n型領域3bを形成するためのイオン注入マスクのパターニング形状は、上述した実施の形態1の場合と同様である。つぎに、p型エピ層3のうちのイオン注入マスクに被覆されていない各露出部分に対してSiまたはO等のn型不純物をイオン注入する。このように、p型エピ層3の各露出部分にn型不純物を導入する。これら各露出部分内では、p型エピ層3に元来含まれるp型不純物が、導入したn型不純物によって補償される。このような各露出部分のp型不純物と混在させたn型不純物によるp型不純物の補償によって、p型エピ層3を部分的にn型化した各n型領域3bと、p型エピ層3の周縁領域をn型化した外側n型領域47とを形成する。これと同時に、p型エピ層3のうちのn型領域3b以外の部分からなる複数のp型領域3aを形成する。これら複数のp型領域3aの各々は、上述した実施の形態1の場合と同様に所望の形状をなして互いに離散している。その後、上述したイオン注入マスクは、所定の手法によって除去する。なお、本実施の形態4においても、上述したp型エピ層3に対するn型不純物のイオン注入条件(例えばイオンの加速エネルギーが大きい等)によっては、実施の形態1の場合と同様に、ドリフト層2のうちのn型領域3bの直下にn+領域が形成される場合がある。
つぎに、実施の形態1におけるステップS104と同様に、p型エピ層3のうちのn型領域3b以外の部分、すなわち、各p型領域3aと、これら各p型領域3aを離散化する各n型領域3bとを熱処理によって電気的に活性化する(ステップS203)。ついで、フィールドプレート構造46のための絶縁膜48を外側n型領域47の表面上に形成する(ステップS204)。このステップS204では、フォトリソグラフィー技術を用いて、各p型領域3aおよび各n型領域3bの表面に、絶縁膜48を形成する部分が露出するようなレジストを加工する。このレジストは、例えば、複数のp型領域3aのうちの周縁側の各p型領域3aの縁領域表面と外側n型領域47の表面とを露出させる形状にパターニングされる。ついで、このレジストをマスクとし、上述した外側n型領域47の表面等のレジストによってマスクされていない露出部分に所定の絶縁材料を堆積する。これによって、この露出部分に絶縁膜48を成膜する。その後、リフトオフ法を用いて、このレジストとともに不要な部分を除去する。なお、この絶縁膜48を構成する絶縁材料として、例えば、窒化ケイ素(SiN)、窒化アルミニウム(AlN)またはSiO2等のGaNとの界面準位が少ない物質が用いられる。また、絶縁膜48は、これらGaNとの界面準位が少ない物質(SiN、AlN、SiO2等)の中から選択した少なくとも2つによって成膜される複合膜であってもよい。
上述したステップS204によって外側n型領域47等の層表面上に絶縁膜48を形成した後、フィールドプレートを兼ねるアノード電極44と、上述した基板1とオーミック接触するカソード電極5とを形成して(ステップS205)、MPS構造を有する窒化物系化合物半導体装置40(図9参照)が製造される。
このステップS205では、フォトリソグラフィー技術を用いて、各p型領域3aおよび各n型領域3bの表面等に、アノード電極パターン部分が露出するようなレジストを加工する。このレジストは、ドリフト層2表面上のn型領域3bの全表面と、ドリフト層2表面上の複数のp型領域3aの全表面のうちの絶縁膜48に囲まれる内側領域と、絶縁膜48の全表面のうちの周縁領域を除く内側領域とを露出させる形状にパターニングされる。ついで、このレジストをマスクとして、Ti、Al−Si等の金属または合金を順次、p型領域3a、n型領域3b、および絶縁膜48の各露出表面(レジストによってマスクされていない表面領域)に蒸着する。これによって、図9に示すように、ドリフト層2表面上のn型領域3bの全部と複数のp型領域3aのうちの周縁部分を除く内側部分とを覆う下地金属4aと、この下地金属4aの表面と絶縁膜48の内側領域表面とを覆う配線金属44bとを形成する。この結果、下地金属4aと配線金属44bとからなる多層構造のアノード電極44と、外側n型領域47と絶縁膜48と配線金属44bの周縁部分(すなわちフィールドプレート電極44c)とからなるフィールドプレート構造46とが、ともに形成される。このようなアノード電極44において、配線金属44bは、下地金属4aの表面と導通可能に接触する。また、配線金属44bの周縁部分は、図9に示すように、フィールドプレート電極44cをなし、フィールドプレート電極44cは、絶縁膜48の表面の少なくとも一部を覆い且つアノード電極44と電気的に接続する。なお、p型領域3aおよびn型領域3bと下地金属4aとの接触状態(ショットキー接触等)は、上述した実施の形態1の場合と同様である。その後、リフトオフ法を用いて、このレジストとともに不要な部分を除去する。
つぎに、このステップS205では、上述した実施の形態1におけるステップS105と同様に、基板1の裏面上にオーミック金属5aと配線金属5bとからなる多層構造のカソード電極5を形成する。なお、窒化物系化合物半導体装置40の製造条件は、実施の形態1の場合と同様に、窒化物系化合物半導体装置40に要求される耐圧仕様、パワーデバイスとしての機能等に対応して、適切なものに設定される。
以上、説明したように、本発明の実施の形態4では、p型エピ層の周縁領域のp型不純物を、導入したn型不純物が補償することによって、この周縁領域をn型化した外側n型領域を形成し、この外側n型領域の表面上に絶縁膜を形成し、この絶縁膜の表面の少なくとも一部を覆い且つアノード電極と電気的に接続するフィールドプレート電極を形成し、アノード電極の周辺領域における耐圧構造として、これら外側n型領域と絶縁層とフィールドプレート電極とからなるフィールドプレート構造を構成し、その他を実施の形態1と同様に構成した。このため、上述した実施の形態1の場合と同様の作用効果を享受するとともに、フィールドプレート構造によってアノード電極端部の電界集中を容易に緩和できる。本実施の形態4におけるフィールドプレート構造は、特に、600[V]程度の比較的耐圧が低い窒化物系化合物半導体装置の実現に有効である。
なお、上述した実施の形態1〜4では、イオン注入法によってp型エピ層3にn型不純物を部分的に導入して、p型エピ層3を部分的にn型化してなるn型領域3bを形成していたが、これに限らず、イオン注入法以外の方法、例えば熱拡散法によって、p型エピ層3にn型不純物を部分的に導入してn型領域3bを形成してもよい。
また、上述した実施の形態2では、電界緩和領域26の外周縁側からアノード電極側へ近づく方向に2段階でn型不純物濃度を増加させていたが、これに限らず、この電界緩和領域26のn型不純物濃度の増加は、3段階以上であってもよい。この場合、外周縁側からアノード電極側へ近づく方向にn型不純物濃度が多段階的に増加するように、互いに異なるn型不純物濃度のn型領域をドリフト層2の周縁領域表面上に3つ以上形成し、これら3つ以上のn型領域によって電界緩和領域26を構成すればよい。
さらに、上述した実施の形態2では、n型のGaN系化合物半導体からなる電界緩和領域26を耐圧構造として形成していたが、これに限らず、電界緩和領域26は、その外周縁側からアノード電極側へ近づく方向に多段階で不純物濃度が増加する絶縁層であってもよい。この場合、ドリフト層2表面上のp型エピ層3の周縁領域に、フッ素(F)等の電界緩和領域26の電気伝導性(絶縁性)を決める不純物を、その濃度がp型エピ層3の周縁領域の外側(すなわち電界緩和領域26の外側)からアノード電極側へ近づく方向に増加するように導入(例えばイオン注入)して、このp型エピ層3の周縁領域を絶縁化すればよい。
また、上述した実施の形態4では、フィールドプレート構造46を構成するフィールドプレート電極44cをアノード電極44の配線金属44bと一体化していたが、これに限らず、フィールドプレート電極44cは、アノード電極44とは別体の導電材料として絶縁膜48の表面上に形成されてもよい。また、フィールドプレート電極44cは、絶縁膜48の表面の一部(例えば絶縁膜48の内側領域表面)を覆うように形成していたが、これに限らず、絶縁膜48の全表面を覆ってもよい。すなわち、フィールドプレート電極44cは、絶縁膜48の表面の少なくとも一部を覆うように形成されればよい。
さらに、上述した実施の形態1〜4では、p型領域3aおよびn型領域3bの各表面の結晶方位をm面としていたが、これに限らず、p型領域3aおよびn型領域3bの各表面の結晶方位は、c面等のm面以外であってもよい。
また、上述した実施の形態1〜4では、アノード電極4とカソード電極5との間の積層構造を、基板1と、ドリフト層2と、p型領域3aおよびn型領域3bからなる半導体層との3層構造としていたが、これに限らず、4層以上の積層構造としてもよい。
さらに、上述した実施の形態1〜4では、複数のp型領域3aを離散化するために複数のn型領域3bを形成していたが、これに限らず、ドリフト層2の表面上において連続する1つのn型領域3bによって複数のp型領域3aを離散化してもよい。すなわち、n型領域3bはp型エピ層3を部分的にn型化して形成される層であればよく、この場合、n型領域3bの形成数は特に問われない。また、n型領域3bによってp型エピ層3を離散化することによって複数のp型領域3aを形成していたが、これに限らず、p型エピ層3をもとに形成されるp型領域3aは、ドリフト層2の表面上において連続する1つの層であってもよい。すなわち、p型領域3aは、p型エピ層3のうちのn型領域3b以外の部分からなる層であればよく、この場合、p型領域3aの形成状態(例えば離散状態または連続状態)および形成数は、特に問われない。
また、上述した実施の形態1〜4では、GaN系化合物半導体を用いて窒化物系化合物半導体装置を構成していたが、これに限らず、本発明における窒化物系化合物半導体を構成する窒化物系化合物は、GaNを主成分とし、インジウム(In)またはAl等の不純物を含むものであってもよいし、GaN、AlN、AlGaN、または窒化インジウム(InN)の少なくとも1つを含む単結晶または混晶であってもよい。
さらに、上述した実施の形態1〜4では、アノード電極からカソード電極に向けて縦方向に電流が流れる縦型の窒化物系化合物半導体装置を構成していたが、これに限らず、本発明は、MPS構造を有し、同一表面側に形成された各電極(例えばソース電極、ドレイン電極等)の間において横方向に電流が流れる横型の窒化物系化合物半導体装置にも適用可能である。すなわち、上述した実施の形態1〜4に例示したMPS構造におけるアノード電極は、本発明にかかるMPS構造を有する窒化物系化合物半導体装置の電極(例えばトランジスタ等の電極)に置き換えることができる。
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
10,20,30,40 窒化物系化合物半導体装置
1 基板
2 ドリフト層
3 p型エピ層
3a p型領域
3b n型領域
4,44 アノード電極
4a 下地金属
4b,5b,44b 配線金属
5 カソード電極
5a オーミック金属
6 メサ構造
6a,6b 段差部
11 マスク
12 レジスト
26 電界緩和領域
26a 高濃度n型領域
26b 低濃度n型領域
36 ガードリング構造
36a 環状p型領域
36b 環状n型領域
44c フィールドプレート電極
46 フィールドプレート構造
47 外側n型領域
48 絶縁膜

Claims (17)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成され、n型窒化物系化合物半導体からなるドリフト層と、
    前記ドリフト層の表面上に部分的に位置する、p型窒化物系化合物半導体からなるp型領域と、
    前記p型領域に隣接するように前記ドリフト層の表面上に位置、p型不純物とn型不純物とが混在してn型不純物濃度が前記ドリフト層のn型不純物濃度の10倍以上のn型窒化物系化合物半導体からなるn型領域と、
    前記n型領域とショットキー接触し且つ前記p型領域の少なくとも一部と接触する電極と、
    を備えたことを特徴とする窒化物系化合物半導体装置。
  2. 前記n型領域に含まれる前記p型不純物は、前記p型領域に含まれるp型不純物と同じ不純物であり、
    前記n型領域のp型不純物濃度は、前記p型領域のp型不純物濃度と略同じであることを特徴とする請求項1に記載の窒化物系化合物半導体装置。
  3. 前記ドリフト層のうちの前記n型領域の直下に位置し、前記ドリフト層に含まれるn型不純物よりも高濃度のn型不純物が存在するn領域をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載の窒化物系化合物半導体装置。
  4. 前記電極の周辺領域に、耐圧を維持する耐圧構造を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の窒化物系化合物半導体装置。
  5. 前記耐圧構造は、前記電極の周辺領域に形成されたメサ構造であることを特徴とする請求項4に記載の窒化物系化合物半導体装置。
  6. 前記耐圧構造は、前記電極の周辺領域に周回状に形成されたn型または絶縁性の電界緩和領域であり、
    前記電界緩和領域の電気伝導性を決める前記電界緩和領域内の不純物の濃度は、前記電界緩和領域の外側から前記電極に近づく方向に増加することを特徴とする請求項4に記載の窒化物系化合物半導体装置。
  7. 前記耐圧構造は、前記電極を囲むように交互に形成された環状n型領域と環状p型領域とからなるガードリング構造であることを特徴とする請求項4に記載の窒化物系化合物半導体装置。
  8. 前記耐圧構造は、
    前記電極の周辺領域に形成された外側n型領域と、
    前記外側n型領域上に形成された絶縁膜と、
    前記絶縁膜の表面の少なくとも一部を覆い且つ前記電極と電気的に接続したフィールドプレート電極と、
    からなるフィールドプレート構造であることを特徴とする請求項4に記載の窒化物系化合物半導体装置。
  9. 前記n型領域のショットキー接触表面は、窒化物系化合物半導体のm面であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の窒化物系化合物半導体装置。
  10. 基板上にn型窒化物系化合物半導体からなるドリフト層を形成し、前記ドリフト層の表面上にp型窒化物系化合物半導体からなるp型半導体層を形成し、
    前記p型半導体層に対して部分的にn型不純物を、前記ドリフト層のn型不純物濃度の10倍以上の濃度に導入し、前記n型不純物が前記p型半導体層を補償することによって、前記p型半導体層を部分的にn型化してなるn型領域を形成するとともに、前記p型半導体層のうちの前記n型領域以外の部分からなるp型領域を形成し、
    前記n型領域とショットキー接触し且つ前記p型領域の少なくとも一部と接触する電極を形成する
    ことを特徴とする窒化物系化合物半導体装置の製造方法。
  11. 前記p型半導体層に元来含まれるp型不純物と前記n型不純物とを前記n型領域に混在させることを特徴とする請求項10に記載の窒化物系化合物半導体装置の製造方法。
  12. 前記電極の周辺領域となる前記p型半導体層の周縁領域に、耐圧を維持する耐圧構造を形成することを特徴とする請求項10または11に記載の窒化物系化合物半導体装置の製造方法。
  13. 前記耐圧構造として、前記p型半導体層の周縁領域にメサ構造を形成することを特徴とする請求項12に記載の窒化物系化合物半導体装置の製造方法。
  14. 前記耐圧構造として、前記p型半導体層の周縁領域に所定の不純物を、その濃度が前記周縁領域の外側から前記電極に近づく方向に増加するように導入し、前記周縁領域をn型化または絶縁化した構造を形成することを特徴とする請求項12に記載の窒化物系化合物半導体装置の製造方法。
  15. 前記p型半導体層の周縁領域のp型不純物を前記周縁領域へ部分的に導入したn型不純物が補償することによって、前記電極を囲むように前記周縁領域をn型化した環状n型領域を形成するとともに、前記環状n型領域によって前記周縁領域を離散化して、前記電極を囲む環状p型領域を形成し、前記耐圧構造として、前記環状n型領域と前記環状p型領域とからなるガードリング構造を構成することを特徴とする請求項12に記載の窒化物系化合物半導体装置の製造方法。
  16. 前記p型半導体層の周縁領域のp型不純物を前記周縁領域へ導入したn型不純物が補償することによって前記周縁領域をn型化した外側n型領域を形成し、前記外側n型領域上に絶縁膜を形成し、前記絶縁膜の表面の少なくとも一部を覆い且つ前記電極と電気的に接続するフィールドプレート電極を形成し、前記耐圧構造として、前記外側n型領域と前記絶縁膜と前記フィールドプレート電極とからなるフィールドプレート構造を構成することを特徴とする請求項12に記載の窒化物系化合物半導体装置の製造方法。
  17. 前記n型領域のショットキー接触表面が窒化物系化合物半導体のm面となるように前記p型半導体層を形成することを特徴とする請求項10〜16のいずれか一つに記載の窒化物系化合物半導体装置の製造方法。
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