JP5887731B2 - リアクトル - Google Patents

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Description

本発明は、リアクトルに関し、特に、磁性材製のコアを外部から樹脂でモールドすることにより樹脂モールドコアを構成し、コイルを巻回したリアクトルおよびその樹脂モールドコアを形成するための金型構造に関する。
従来から、例えば、電気自動車またはハイブリッド車等の回転電機を搭載する車両において、回転電機と二次電池等の電源装置との間にインバータや、昇圧回路を設ける等により、回転電機駆動装置を構成することが知られている。また、昇圧回路は、スイッチング素子と、スイッチング素子に接続したリアクトルとを含み、リアクトルは、鉄心、圧粉磁芯等の磁性材製のコアと、コアに巻装されたコイルとを備える。昇圧回路は、スイッチング素子のオン時間とオフ時間とを制御することにより、リアクトルにおける電力蓄積を制御して、電源から供給される電圧を任意の電圧に昇圧して、インバータに供給することができる。また、リアクトルは、電気回路中で、変圧素子やノイズフィルタとして使用される場合もある。
このようなリアクトルとして、コアとコイルとを絶縁するために磁性材製のコアを外部から樹脂でモールドして樹脂モールドで覆われた樹脂モールドコアを構成し、コイルを巻回したリアクトルがある(例えば、特許文献1参照)。例えば、略U字状のコアを外部から樹脂でモールドして樹脂モールドで覆われた略U字状の樹脂モールドコアを形成し、一対の略U字状の樹脂モールドコアの両端部を非磁性材製の中間ギャップ板等を介して接着剤等により接合することにより、図16に示すように、コア50が樹脂モールド54で覆われたトラック状(環状)の樹脂モールドコア60を構成し、トラック状の樹脂モールドコア60の互いに対向する一対の略I字状部分に一対のコイル52を巻装して、リアクトル3を構成する。略U字状の樹脂モールドコアは、例えば、磁性材製の略U字状のコアを金型に装填し、金型のキャビティに樹脂を充填してインサート成形することにより、得られる。
このようなリアクトル3において、リアクトルの動作時の発熱を放熱するためや、インサート成形時にコアを固定するために、樹脂モールド54に開口部56が形成されている場合がある。開口部56が形成されている場合、開口部56の形状によっては、成形の際にウェルド部58(図16における点線部分)が発生する。このウェルド部58は、図17に樹脂モールドを成形する際の金型における樹脂の流れを示す概略上面図を示すように、成形の際に金型68の2カ所の樹脂注入口62から樹脂を注入し、2つの樹脂の流動先端部が合流する場所で樹脂が完全に溶融する前に固化してしまうために発生する線状痕等の成形不良であり、強度(ウェルド強度)が低下する傾向にある。また、樹脂モールドに用いる樹脂には強度を補強するための補強材としてガラス繊維等が充填されることがあるが、ウェルド部58では補強材の効果が得られにくくウェルド強度が低くなる傾向にある。樹脂モールドに用いる樹脂としてポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂等の高熱伝導性樹脂を用いる場合には、元々ウェルド強度が低い上に、熱伝導フィラーを多量に充填するとさらにウェルド強度が低くなる傾向にある。樹脂、特にポリフェニレンスルフィド樹脂は成形時にガスを発生し、発生したガスがウェルド部58での樹脂の合流を阻害すると、さらにウェルド強度が低くなる傾向にある。
このようなことから、樹脂モールド54の成形時にウェルド部58におけるガス排気を十分に行うことが望ましい。図18(a)に、コアをインサートせずに樹脂モールドを成形する際の金型の概略上面図を示す。また、図19(a)に、コアをインサートして樹脂モールドを成形する際の金型の概略上面図を示す。樹脂モールドの成形時にコア50を金型68内に装填するインサート成形でなければ、図18(b)に図18(a)におけるH−H線の断面図を示すように、金型68のウェルド部58のキャビティ66の両面にガス排気部64を設定することができ、ガス排気を十分に行うことができる。
一方、樹脂モールド54の成形時にコア50を金型68内に装填するインサート成形の場合、図19(b)に図19(a)におけるI−I断面図を示すように、金型68のウェルド部58のキャビティ66の片面にしかガス排気部64を設定することができず、ガス排気を十分に行うことができない。このため、インサート成形の場合にはウェルド強度が特に低くなり、冷熱等によりウェルド部58を起点にしてクラック等の成形不良が発生する場合がある。
特開2010−238798号公報
本発明の目的は、ウェルド部の強度が高く、耐クラック性に優れるリアクトルを提供することにある。
また、本発明の目的は、ウェルド部の強度が高く、耐クラック性に優れるリアクトルを構成する樹脂モールドコアを形成するための金型構造を提供することにある。
本発明は、コアと前記コアを外部から樹脂でモールドした樹脂モールドとを有する樹脂モールドコアと、前記樹脂モールドコアの周囲に巻回したコイルと、を備え、前記樹脂モールドはウェルド部を有し、前記コアは、分割コアが接着されて構成されたものであり、前記ウェルド部に相当する部分にガス排気構造を有し、前記ガス排気構造は、前記分割コアの少なくとも一方の接着面に形成された、幅が0.01mm〜0.1mmの範囲、クリアランスが0.01mm〜0.1mmの範囲である格子状スリットであるリアクトルである。
本発明では、樹脂モールドのウェルド部に相当するコアの部分にガス排気構造を設けることにより、ウェルド部の強度が高く、耐クラック性に優れるリアクトルを提供することができる。
また、本発明では、樹脂モールドのウェルド部に相当する部分にガス排気構造を設けたコアを外部から樹脂でモールドした樹脂モールドをインサート成形するための金型構造において、ガス排気構造に連通するように形成されたガス排気部を金型に設けることにより、ウェルド部の強度が高く、耐クラック性に優れるリアクトルを構成する樹脂モールドコアを形成するための金型構造を提供することができる。
本発明の実施形態に係るリアクトルの一例を示す概略上面図である。 本発明の実施形態に係るリアクトルにおける樹脂モールドコアを形成する方法の一例を示す概略上面図である。 (a)本発明の実施形態に係るリアクトルにおける分割コアの一例を示す概略上面図である。(b)図3(a)におけるA−A断面図であり、本発明の実施形態に係るリアクトルにおけるコアのスリットの一例を示す概略断面図である。 図3(b)に示すスリットをコアの上部から見た概略上面図である。 図3(a)におけるA−A断面図であり、本発明の実施形態に係るリアクトルにおけるコアのスリットの他の例を示す概略断面図である。 図3(a)におけるA−A断面での金型構造を示す図である。 (a)本発明の実施形態において、金型におけるガス排気部を示す概略断面図である。(b)図7(a)におけるB矢視図である。 本発明の実施形態に係るリアクトルの他の例を示す概略上面図である。 (a)本発明の実施形態に係るリアクトルにおけるコアの他の例を示す概略上面図である。(b)図9(a)におけるC−C断面図であり、本発明の実施形態に係るリアクトルにおけるコアの格子状スリットの一例を示す概略断面図である。 図9(b)に示す格子状スリットをコアの上部から見た概略上面図である。 格子状スリットの一例を示す図であり、図11(b)は図11(a)におけるD矢視図であり、図11(c)は図11(a)におけるE矢視図である。 格子状スリットの他の例を示す図であり、図12(b)は図12(a)におけるF矢視図であり、図12(c)は図12(a)におけるG矢視図である。 格子状スリットを形成する方法の一例を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るリアクトルにおける樹脂モールドコアを形成する方法の他の例を示す概略上面図である。 本発明の実施例および比較例の樹脂モールドのウェルド強度を示す図である。 従来のリアクトルの一例を示す概略上面図である。 樹脂モールドを成形する際の金型における樹脂の流れを示す概略上面図である。 (a)コアをインサートせずに樹脂モールドを成形する際の金型を示す概略上面図である。(b)図18(a)におけるH−H断面図であり、金型におけるガス排気部を示す図である。 (a)コアをインサートして樹脂モールドを成形する際の金型を示す概略上面図である。(b)図19(a)におけるI−I断面図であり、金型におけるガス排気部を示す図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係るリアクトルの一例の概略上面図を図1に示し、その構成について説明する。リアクトル1は、磁性材製のトラック状のコア10を内装する樹脂モールドコア15と、トラック状の樹脂モールドコア15の互いに対向する一対の略I字状部分に巻装された互いに対向する一対のコイル12とを備える。リアクトル1は、例えば図2に示すように、略U字状の分割コア10a,10bをそれぞれ外部から樹脂でモールドして樹脂モールド14a,14bで覆われた略U字状の樹脂モールドコア15a,15bを形成し、一対の略U字状の樹脂モールドコア15a,15bの両端部を非磁性材製の中間ギャップ板等を介して接着剤等により接合することにより、コア10が樹脂モールド14で覆われたトラック状(環状)の樹脂モールドコア15を構成し、トラック状の樹脂モールドコア15の互いに対向する一対の略I字状部分に一対のコイル12を巻装して構成される。樹脂モールド14には、リアクトル1の動作時の発熱を放熱するためや、インサート成形時にコア10を固定するために、開口部16が形成されている。
略U字状の樹脂モールドコア15a,15bは、例えば、略U字状の分割コア10a,10bをそれぞれ金型に装填し、金型のキャビティに樹脂を充填してインサート成形することによって得られる。樹脂モールド14の開口部16を形成する部分の中央付近がインサート成形時のウェルド部19(図1の点線部分)となる。
ここで、分割コア10a,10bにおいて、樹脂モールドのインサート成形時に発生するウェルド部に相当する部分にはそれぞれガス排気構造としてスリット18が設けられている。これにより、ウェルド部の強度が高く、冷熱環境等による耐クラック性に優れるリアクトルが得られる。
図3には、リアクトル1における分割コア10aの概略上面図を示し、図3(b)に図3(a)におけるA−A断面図を示す。また、図4に図3(b)に示すスリットをコアの上部から見た概略上面図を示す。スリット18は、所定のクリアランスX、深さdを有し、分割コア10aの表面部に形成されている。また、図3(b)に示すように、スリット18は、コア10aのA−A断面の全周に設けられている。
なお、図3(b)では、スリット18は、コア10aのA−A断面の全周に設けられているが、図5に示すように、クラックが発生しにくい部分ではスリットを省略し、クラックが発生しやすい部分、すなわちウェルド部に相当する部分付近のみにスリット18を設けてもよい。これにより、スリットの形成工程を簡略化することができる。
スリット18の形成方法としては、所定のクリアランス、深さを有するスリットを形成することができる方法であればよく、特に制限はないが、例えば、レーザ等を用いて磁性材製である分割コア10aの表面を加工する方法等が挙げられる。レーザを用いることにより、微小なクリアランスX、深さdを容易に形成することができる。ここで、クリアランスX、深さdは、リアクトルの性能低下が起こらない程度に設定することが望ましい。また、クリアランスX、深さdは、樹脂モールド14の成形に用いられる樹脂をほとんど通さず、ガスを通す程度に設定することが望ましい。すなわち、スリット18に樹脂が流れ込むことにより、ガス排気不良が起こらない程度にクリアランスX、深さdを設定することが望ましい。ただし、適度にガスが排気されるものであれば、スリット18に樹脂が流れ込むこと自体に問題はない。クリアランスXは、例えば、0.01mm〜0.05mmの範囲である。深さdは、例えば、1mm〜5mmの範囲である。
図6に図3(a)におけるA−A断面での金型構造を示すように、樹脂モールド14のインサート成形に用いる金型26,28のウェルド部に相当する位置に、樹脂を流し込むキャビティ24に連通するガス排気部22と、コア10のスリット18に連通するガス排気部23を設ける。これにより、樹脂モールド14のインサート成形において、樹脂から発生するガスがキャビティ24の両面から、すなわち一方の面(内側の面)ではスリット18からガス排気部23を通ってガスが排出され、他方の面(外側の面)ではガス排気部22を通ってガスが排出される。これにより、ウェルド部の強度が高く、耐クラック性に優れるリアクトルが得られる。
図7(a)には、金型におけるガス排気部を示す概略断面図を示し、図7(b)には図7(a)におけるB矢視図を示す。このように、金型28には、ウェルド部に相当する位置の金型面上にスリット状のガス排気部22と、コア10のスリット18に接する面に、コア10のスリット18に連通するピン状等のガス排気部23とを設けることが好ましい。これにより、ウェルド部におけるキャビティ24の両面から成形時に発生するガスを排気することができる。
このように、ウェルド部におけるキャビティ24の両面から成形時に発生したガスが排気されるため、ウェルド強度が向上し、耐クラック性が向上する。また、スリット18のクリアランスX、深さdを所定の値に設定することにより、成形時に樹脂はほとんど通さずにガスを通すものとすることができる。また、スリット18のクリアランスX、深さdを所定の値に設定することにより、リアクトルの性能が低下しない。
コア10は、金属系材料等の磁性材の圧粉磁心等の磁心である。コア10は、圧粉磁心に限定するものではなく、純鉄、Fe−Si系、Fe−Ni系、Ni−Co系等の金属磁性材料、フェライト等の金属酸化物磁性材料等の、金属系材料の粉末粒子を加圧成形、またはこの粉末粒子を焼結し、熱処理する等により結合して得られる磁心により造ったものでもよい。
樹脂モールド14を構成する樹脂としては、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂等の高熱伝導性樹脂等が挙げられる。樹脂には、強度を補強するための補強材としてガラス繊維等が充填されてもよい。また、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂等の高熱伝導性樹脂を用いる場合、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化アルミ等の熱伝導フィラーが充填されてもよい。
ボビンは、樹脂モールド14の樹脂と同一の樹脂材料により一体成形されてもよい。また、ボビンは、樹脂モールド14の樹脂とは同一の材料でなくてもよい。例えば、ボビンの材料と樹脂モールド14の樹脂の材料とを一度に用いて、2色成形等によりボビンを形成してもよいし、ボビンを別工程で形成してもよい。
樹脂モールドコア15a,15bを接着するための接着剤としては、樹脂モールドコアを接着できるものであればよく、特に制限はないが、例えば、エポキシ系等の高耐熱性の接着剤が挙げられる。
本発明の実施形態に係るリアクトルの他の一例の概略上面図を図8に示す。リアクトル3は、磁性材製のトラック状のコア10を内装する樹脂モールドコア15と、トラック状の樹脂モールドコア15の互いに対向する一対の略I字状部分に巻装された互いに対向する一対のコイル12とを備える。リアクトル3は、例えば図14に示すように、少なくとも一方の接着面30に予め格子状スリット20が形成された略L字状の分割コア10c,10dを接着面30の一部で接着剤等により接着した略U字状の分割コア10eを形成し、略U字状の分割コア10eを外部から樹脂でモールドして樹脂モールド14cで覆われた略U字状の樹脂モールドコア15cを形成し、一対の略U字状の樹脂モールドコア15c,15dの両端部を非磁性材製の中間ギャップ板等を介して接着剤等により接合することにより、コア10が樹脂モールド14で覆われたトラック状(環状)の樹脂モールドコア15を構成し、トラック状の樹脂モールドコア15の互いに対向する一対の略I字状部分に一対のコイル12を巻装して構成される。樹脂モールド14には、リアクトル1の動作時の発熱を放熱するためや、インサート成形時にコア10を固定するために、開口部16が形成されている。
略U字状の樹脂モールドコア15c,15dは、例えば、略U字状の分割コア10e,10fをそれぞれ金型に装填し、金型のキャビティに樹脂を充填してインサート成形することによって得られる。樹脂モールド14の開口部16を形成する部分の中央付近がインサート成形時のウェルド部19(図8の点線部分)となる。
ここで、分割コア10c,10dの接着面の少なくとも一方であり、インサート成形時に発生するウェルド部に相当する部分にはガス排気構造として格子状スリット20が設けられている。これにより、ウェルド部の強度が高く、冷熱環境等による耐クラック性に優れるリアクトルが得られる。
図9には、リアクトル1における分割コア10eの概略上面図を示し、図9(b)に図9(a)におけるC−C断面図を示す。また、図10に図9(b)に示すスリットをコアの上部から見た概略上面図を示す。格子状スリット20は、所定の幅w、クリアランスxを有し、コア10の表面に略直交するように分割コア10cの接着面30に形成されている。また、図9(b)に示すように、接着部32は、コア10cの接着面30の一部、例えば、コア10cの接着面30の中央付近に設けられ、接着部32の周囲に格子状スリット20が設けられており、これにより、格子状スリット20が接着部32の周囲に設けられた状態で分割コア10cと分割コア10dとが接着される。格子状スリット20は1つ1つのスリットの幅方向が図3のスリット18の幅方向に比べて小さいため、スリットへの樹脂の流れ込みが低減し、ガス排気性が向上する。
格子状スリット20の形成方法としては、所定の幅、クリアランスを有する格子状のスリットを形成することができる方法であればよく、特に制限はないが、例えば、レーザ、切削器具等を用いて磁性材製である分割コア10aの接着面30の表面を加工する方法等が挙げられる。ここで、幅w、クリアランスxは、リアクトルの性能低下が起こらない程度に設定することが望ましい。また、幅w、クリアランスxは、樹脂モールド14の成形に用いられる樹脂をほとんど通さず、ガスを通す程度に設定することが望ましい。すなわち、格子状スリット20に樹脂が流れ込むことにより、ガス排気不良が起こらない程度に幅w、クリアランスxを設定することが望ましい。ただし、適度にガスが排気されるものであれば、格子状スリット20に樹脂が流れ込むこと自体に問題はない。幅wは、例えば、0.01mm〜0.1mmの範囲、クリアランスxは、例えば、0.01mm〜0.1mmの範囲である。スリット18に比べ、スリット幅を任意に設定でき、樹脂の流れ込みが低減するため、好ましい。
図6に示した構成と同様に、樹脂モールド14のインサート成形に用いる金型26,28のウェルド部に相当する位置に、樹脂を流し込むキャビティ24に連通するガス排気部22と、コア10の格子状スリット20に連通するガス排気部23を設ける。これにより、樹脂モールド14のインサート成形において、樹脂から発生するガスがキャビティ24の両面から、すなわち一方の面(内側の面)では格子状スリット20からガス排気部23を通ってガスが排出され、他方の面(外側の面)ではガス排気部22を通ってガスが排出される。これにより、ウェルド部の強度が高く、耐クラック性に優れるリアクトルが得られる。
図9では、格子状スリット20は、コア10の表面に略直交するように分割コア10cの接着面30に形成されているが、この形態に限るものではない。コア10の表面に略直交するように形成されることにより、格子状スリット20の加工の際に、例えば図13に示すように、複数の分割コア10c一列に並べて矢印の方向に切削加工等することにより、複数の分割コア10cの格子状スリット20の加工を同時に行うことができ、加工性が向上する。
図11(a)にリアクトル3における分割コア10c,10dの概略上面図を示す。図11(b)は図11(a)におけるD矢視図であり、図11(c)は図11(a)におけるE矢視図である。このように、一方の分割コア(図11の例では分割コア10c)に格子状のスリットを加工して形成してもよい。
図12(a)にリアクトル3における分割コア10c,10dの概略上面図を示す。図12(b)は図12(a)におけるF矢視図であり、図12(c)は図12(a)におけるG矢視図である。このように、両方の分割コア(図12の例では分割コア10cおよび分割コア10dの両方)に略直交する直線状のスリットをそれぞれ加工して形成し、接着して格子状のスリットを形成してもよい。
分割コアを接着するための接着剤としては、分割コアを接着できるものであればよく、特に制限はないが、例えば、エポキシ系等の高耐熱性の接着剤が挙げられる。
接着剤の塗布範囲は、ガスを排気するのに十分なだけコアの表面から所定の間隔をもって設定するのがよい。コアの表面からの間隔は、例えば、3mm〜10mmの範囲である。
金型28には、図7に示した構成と同様に、ウェルド部に相当する位置の金型面上にスリット状のガス排気部22と、コア10の格子状スリット20に接する面に、コア10の格子状スリット20に連通するピン状等のガス排気部23とを設けることが好ましい。これにより、ウェルド部におけるキャビティ24の両面から成形時に発生するガスを排気することができる。
このように、ウェルド部におけるキャビティ24の両面から成形時に発生したガスが排気されるため、ウェルド強度が向上し、耐クラック性が向上する。また、格子状スリット20の幅w、クリアランスxを所定の値に設定することにより、成形時に樹脂はほとんど通さずにガスを通すものとすることができる。また、格子状スリット20の幅w、クリアランスxを所定の値に設定することにより、リアクトルの性能が低下しない。
本実施形態に係るリアクトルにおけるガス排気構造として、図3,4,6のようなスリット18や、図9,10のような格子状スリット20を例として挙げたが、成形時にウェルド部のガスを排気することができる構造であればよく、その構造に特に制限はない。例えば、幾何学的な形状でなくてもよく、ランダムな溝形状であってもよい。また、分割コアの接着面を荒らして、ガスを排気することができるようにしたものであってもよい。
本実施形態に係るリアクトルは、例えば、一対のコイル12の両端を、一対のコイル12同士で図示しない別の電気回路に接続することにより、変圧素子として使用することができる。また、一対のコイル12の一端同士を接続することにより、単一のリアクトルとして使用することもできる。
本実施形態に係るリアクトルは、例えば、ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車等の車両等に搭載される。
本実施形態に係る金型構造は、上記リアクトルを構成する樹脂モールドコアを形成するために用いることができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図3,4に示すようなスリットをレーザ加工によりウェルド部に対応する位置のコアのA−A断面の全周に形成した。クリアランスXは0.01mm程度とし、深さdは3mm程度とした。図7に示すように、金型には、ウェルド位置に金型面上にスリット状のガス排気部と、コアのスリットに接する面に、コアのスリットに連通するピン状のガス排気部とを設け、インサート成型を行い、図1に示すような樹脂モールドコアを形成した。樹脂モールドのウェルド強度を図15に示す。
樹脂モールドのウェルド強度は、ウェルドを切り出し、引張試験により測定した。
(実施例2)
図9,10に示すような格子状スリットを切削歯具を用いた切削加工によりウェルド部に対応する位置の分割コアの一方の接着面の全域に形成した。幅w、クリアランスxはそれぞれ0.05mm程度とした。エポキシ系の接着剤を図9(b)に示すように、コアの表面から5mmの間隔をもって塗布した。金型には、実施例1と同様にして、ウェルド位置に金型面上にスリット状のガス排気部と、コアのスリットに接する面に、コアのスリットに連通するピン状のガス排気部とを設け、インサート成型を行い、図8に示すような樹脂モールドコアを形成した。樹脂モールドのウェルド強度を図15に示す。
(比較例1)
金型にガス排気部を全く設けない以外は、実施例1と同様にしてインサート成形を行った。樹脂モールドのウェルド強度を図15に示す。
(比較例2)
金型面上にのみガス排気部を設け、スリットに連通するガス排気部を設けなかった以外は、実施例1と同様にしてインサート成形を行った。樹脂モールドのウェルド強度を図15に示す。
図15に、本発明の実施例および比較例の樹脂モールドのウェルド強度を示すグラフを示す。比較例1は、金型にガス排気部を全く設けない場合であり、比較例2は、金型面上にのみガス排気部を設けた場合である。ウェルド強度は、図18のようにコアをインサートせずに成形した樹脂材料のウェルド強度を1とした相対値で表した。図15からわかるように、実施例1,2のウェルド強度は、比較例1,2に比べて向上した。
1,3 リアクトル、10,50 コア、10a,10b,10c,10d,10e,10f 分割コア、12,52 コイル、14,14a,14b,14c,14d,54 樹脂モールド、15,15a,15b,15c,15d,15e,15f,60 樹脂モールドコア、16,56 開口部、18 スリット、19,58 ウェルド部、20 格子状スリット、22,23 ガス排気部、24 キャビティ、26,28,68 金型、30 接着面、32 接着部、62 樹脂注入口、64 ガス排気部、66 キャビティ。

Claims (1)

  1. コアと前記コアを外部から樹脂でモールドした樹脂モールドとを有する樹脂モールドコアと、
    前記樹脂モールドコアの周囲に巻回したコイルと、
    を備え、
    前記樹脂モールドはウェルド部を有し、
    前記コアは、分割コアが接着されて構成されたものであり、前記ウェルド部に相当する部分にガス排気構造を有し、前記ガス排気構造は、前記分割コアの少なくとも一方の接着面に形成された、幅が0.01mm〜0.1mmの範囲、クリアランスが0.01mm〜0.1mmの範囲である格子状スリットであることを特徴とするリアクトル。
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