JP5884498B2 - 不等辺山形鋼の短辺端部の成形方法、及びその装置 - Google Patents
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Description
図9に示すように、不等辺不等厚山形鋼200は、短辺(フランジ)201と長辺(ウエブ)202とからなり、断面が略L字形状をなしている。ここで、短辺は、長辺よりも厚くなっている。
このような不等辺不等厚山形鋼200に対して塗装を施す場合、短辺201の端部201bの端面201b1に対しても適切に塗装がなされる必要がある。
図10(a)(丸で囲んだ部位)に示すように、短辺201において、端面201b1と外側面201aとが不連続となりエッジが成形されると、塗装の際に塗装むらが発生し易くなる。なお、短辺201及び長辺202の外側面201a,202aとは、図9に示すように、曲がり部203の外側部203aを介して短辺201及び長辺202において隣接する側面である。
このような塗装むらが発生しないようにするために、図10(b)(丸で囲んだ部位)に示すように、短辺201において、端面201b1と外側面201aとが滑らかにつながりエッジの成形が抑制されること(好ましくはエッジが発生しないこと)が要求されている。
ここで、特許文献1に開示の耳出成形方法のように、冷間工程において研削加工により、耳出を除去する方法がある
本発明の目的は、簡単な構成で、短辺の端面のエッジを滑らかに成形することである。
また、請求項2に係る発明は、不等辺山形鋼の熱間圧延工程において、中間圧延工程又は仕上圧延工程を経た前記不等辺山形鋼の短辺の端部を、成形ローラの外周面に形成した成形部上をその周方向に通過させながら、該成形部により押圧して成形しており、前記成形部は、前記成形ローラの外周面の全周にわたって凹形状をなして形成され、前記成形ローラの軸方向に沿う形状が、円弧形状及び該円弧形状の部位に隣接する直線形状とされ、前記直線形状の部位は、前記円弧形状の部位における前記隣接する端部の接線と一致し、前記中間圧延工程又は仕上圧延工程を経た前記不等辺山形鋼の前記成形ローラへの案内を、前記不等辺山形鋼の長辺の端部を拘束して、前記成形ローラによる前記短辺の端部の成形を行う前から行うことを特徴とする不等辺山形鋼の短辺端部の成形方法である。
本実施形態は、不等辺不等厚山形鋼の短辺の端部成形装置(以下、単に短辺端部成形装置という。)である。
図1は、仕上圧延工程を実施するための仕上圧延装置100の後段に設置されている短辺端部成形装置10の構成を示す上面図である。
図1に示すように、短辺端部成形装置10は、短辺出側ガイド11、長辺出側ガイド12、成形ローラ(エッジ成形ローラ、成形ロール)20、及びガイドローラ30を有する。
成形ローラ20は、不等辺不等厚山形鋼の短辺の端部を成形する。成形ローラ20は、短辺出側ガイド11に回転自在として組み込まれている。ここで、成形ローラ20は、回転軸を垂直にして設置されている。
図2に示すように、成形ローラ20は、外周が上端部から下端部近傍に向かって次第に径が小さくなっていくように縮径している(くびれている)。この成形ローラ20において、外周面21の縮径部位の下端部は、短辺の端面を成形するための成形部22をなしている。そして、成形ローラ20の下端部24は、縮径部位の下端部(成形部22)に対して拡径し、略円盤形状をなしている。この下端部24は、回転軸Oに向かって次第に厚さが増加して、その上面24aが傾斜している。
以上のように、成形ローラ20の外周面には、円弧部22a、平面部22b、及び逃げ部23といったように、大きく分けて3つの異なる縮径部(くびれ部)が形成されている。
このように長辺出側ガイド12にガイドローラ30が組み込まれることで、このガイドローラ30と成形ローラ20とは、不等辺不等厚山形鋼の形状に応じて予め決められた距離だけ互いに離れて設置されている。
図3に示すように、ガイドローラ30は、外周が上下端それぞれから中央部に向かって径が次第に小さくなっていくように縮径されて、略鼓型又は砂時計型の形状をなしている。ガイドローラ30は、下側の略円柱形状をなす部位31の外周面31aで不等辺不等厚山形鋼の長辺の端部を拘束(支持)して、不等辺不等厚山形鋼をガイドする。
図4は、短辺端部成形装置10が設置されている熱間圧延設備による熱間圧延工程の一例を示す。
図4に示すように、熱間圧延工程は、加熱工程(ステップS1)、粗圧延工程(ステップS2)、中間圧延工程(ステップS3)、及び仕上圧延工程(ステップS4)を有する。そして、本実施形態では、熱間圧延工程中において、仕上圧延工程(ステップS4)後に短辺の端部成形(ステップS5)を実施する。
図5(a)に示すように、先ず、ガイドローラ30は、不等辺不等厚山形鋼200の長辺202の端面202b(特に端面202b1)を拘束する。これにより、短辺出側ガイド11及び長辺出側ガイド12によるガイドも手伝って、不等辺不等厚山形鋼200の長辺202が拘束される。この結果、短辺201のパスラインが決定される。つまり、ガイドローラ30が長辺202の端部202bを拘束することで、短辺201の端部201bのパスラインが決定される。
例えば、成形ローラ20に対して搬送路下流側にガイドローラ30を配置してしまうと、不等辺不等厚山形鋼のパスラインが不安定となり、端部の成形工程では、短辺の端部を安定して成形できなくなってしまう。このようなことから、本実施形態では、成形ローラ20に対して搬送路上流側にガイドローラ30を配置することで、短辺の端部を安定して成形することを実現している。
また、本願発明者は、短辺の端部のエッジが熱間圧延工程で発生することを発見しており、本実施形態のように熱間圧延工程内に短辺の端部の成形工程を組み入れることで、すなわち、熱間圧延工程の一環として、仕上圧延成形後に引き続いて短辺の端部を成形するようにしたことで、エッジの発生を効率良く防止できる。
また、仕上圧延後の不等辺不等厚山形鋼の圧延材料温度は700℃〜800℃程度であるので、成形ローラ20と短辺の端面とが接する程度で、十分滑らかな端面形状に成形することができる。
図7は、成形ローラ20の円弧部22aだけで短辺201の端部201bを成形した場合である。この場合、短辺201の端部201bには、図10(a)に示すようなエッジが発生してしまう。
図8は、成形ローラ20の上方部位25が短辺201の外側面201aに接触してしまう場合である。この場合、成形ローラ20の成形部22の形状をたとえ端部にエッジが発生しないような形状にしたとしても、そのような接触により所望の端面形状が得られなくなってしまう。
なお、本実施形態では、例えば、ガイドローラ30は案内部を実現している。
本実施形態は、不等辺不等厚山形鋼に限らず、短辺の厚さと長辺の厚さとが等しい不等辺山形鋼にも適用することができる。
また、本実施形態では、短辺端部成形装置を仕上圧延装置の後段へ設置したが、それが困難な場合などでは、中間圧延工程の孔型の出側に設置してもよく、このような場合でも、仕上圧延装置の後段に設置した場合と同様な効果が得られる。
なお、一般に山形鋼は短辺および長辺の外側部(201a、202a)を上方として熱間圧延するため、以上の例では短辺端部成形装置10を図1に示す向きに設置しているが、圧延される山形鋼の向きに応じて短辺端部成形装置10が設置される向きを適宜調整することは自由である。
その結果、エッジの許容量が厳しい不等辺不等厚山形鋼製品を製造する際、手入れラインに送ることなく、全長にわたりエッジを許容量以下にすることができた。
Claims (4)
- 不等辺山形鋼の熱間圧延工程において、中間圧延工程又は仕上圧延工程を経た前記不等辺山形鋼の短辺の端部を、成形ローラの外周面に形成した成形部上をその周方向に通過させながら、該成形部により押圧して成形しており、
前記成形部は、前記成形ローラの外周面の全周にわたって凹形状をなして形成され、前記成形ローラの軸方向に沿う形状が、円弧形状及び該円弧形状の部位に隣接する直線形状とされ、
前記直線形状の部位は、前記円弧形状の部位における前記隣接する端部の接線と一致し、
前記短辺の端面を全長においてR面として形成し、そのR面における前記短辺の外側面に隣接する端部の接線が前記外側面と一致するようにしたことを特徴とする不等辺山形鋼の短辺端部の成形方法。 - 不等辺山形鋼の熱間圧延工程において、中間圧延工程又は仕上圧延工程を経た前記不等辺山形鋼の短辺の端部を、成形ローラの外周面に形成した成形部上をその周方向に通過させながら、該成形部により押圧して成形しており、
前記成形部は、前記成形ローラの外周面の全周にわたって凹形状をなして形成され、前記成形ローラの軸方向に沿う形状が、円弧形状及び該円弧形状の部位に隣接する直線形状とされ、
前記直線形状の部位は、前記円弧形状の部位における前記隣接する端部の接線と一致し、
前記中間圧延工程又は仕上圧延工程を経た前記不等辺山形鋼の前記成形ローラへの案内を、前記不等辺山形鋼の長辺の端部を拘束して、前記成形ローラによる前記短辺の端部の成形を行う前から行うことを特徴とする不等辺山形鋼の短辺端部の成形方法。 - 不等辺山形鋼の熱間圧延工程において、中間圧延工程又は仕上圧延工程を経た前記不等辺山形鋼の短辺の端部を、外周面に形成した成形部上をその周方向に通過させながら、該成形部により押圧し成形する成形ローラを有し、
前記成形部は、前記成形ローラの外周面の全周にわたって凹形状をなして形成され、前記成形ローラの軸方向に沿う形状が、円弧形状及び該円弧形状の部位に隣接する直線形状とされ、
前記直線形状の部位は、前記円弧形状の部位における前記隣接する端部の接線と一致し、
前記短辺の端面を全長においてR面として形成し、そのR面における前記短辺の外側面に隣接する端部の接線が前記外側面と一致するようにしたことを特徴とする不等辺山形鋼の短辺端部の成形装置。 - 不等辺山形鋼の熱間圧延工程において、中間圧延工程又は仕上圧延工程を経た前記不等辺山形鋼の短辺の端部を、外周面に形成した成形部上をその周方向に通過させながら、該成形部により押圧し成形する成形ローラを有し、
前記成形部は、前記成形ローラの外周面の全周にわたって凹形状をなして形成され、前記成形ローラの軸方向に沿う形状が、円弧形状及び該円弧形状の部位に隣接する直線形状とされ、
前記直線形状の部位は、前記円弧形状の部位における前記隣接する端部の接線と一致し、
前記中間圧延工程又は仕上圧延工程を経た前記不等辺山形鋼の搬送路において前記成形ローラに対して上流側に配置され、前記不等辺山形鋼の長辺の端部を拘束して前記不等辺山形鋼の前記成形ローラへの案内を行う案内部をさらに有することを特徴とする不等辺山形鋼の短辺端部の成形装置。
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