JP2004202514A - 山形鋼の圧延方法及び圧延装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】山形鋼の製造途中における捻れを防止すると共に脚長のバラツキを小さくすることが可能な山形鋼の圧延装置を提供することを目的とする。
【解決手段】山形鋼の圧延装置であって、カリバ3の圧延機とカリバ2の圧延機との間に配置され、カリバ3の圧延機から搬出された山形鋼1のコーナ部1aの外側と両脚部1bの外側とを抑える第1のロール6と、第1のロールと対向して配置され山形鋼のコーナ部の内側と両脚部の内側とを抑える第2のロール7と、第2のロールの両側に山形鋼の両脚部の端面と対向して配置され、両脚部の先端を規制する一対の第3のロール8、8とから成るサイジングガイド装置5を備えた構成としたものである。
【選択図】 図2
【解決手段】山形鋼の圧延装置であって、カリバ3の圧延機とカリバ2の圧延機との間に配置され、カリバ3の圧延機から搬出された山形鋼1のコーナ部1aの外側と両脚部1bの外側とを抑える第1のロール6と、第1のロールと対向して配置され山形鋼のコーナ部の内側と両脚部の内側とを抑える第2のロール7と、第2のロールの両側に山形鋼の両脚部の端面と対向して配置され、両脚部の先端を規制する一対の第3のロール8、8とから成るサイジングガイド装置5を備えた構成としたものである。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、山形鋼の圧延製造において捻れを抑え、脚長の寸法精度を高めるようにした山形鋼の圧延方法及び圧延装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ステンレス製山形鋼(アングル材)は、耐蝕性を有し、比較的綺麗な表面を有することで多方面に使用されている。これに伴いコーナ部の直角度、脚長寸法精度、表面荒さ(肌荒れ)等の品質の要求が厳しくなってきている。
山形鋼の圧延方法としては、閉式孔型と開式孔型があり、閉式孔型は、寸法精度が高い利点があるが、サイズ毎に専用の孔型(カリバK)を使用することが必要であり、孔型交換のために生産性が悪く、また、多数の孔型が必要であるという欠点がある。開式孔型は、孔型の共用範囲が広く、生産性が高いという利点がある反面、寸法精度が悪いという欠点がある。
【0003】
山形鋼の圧延方法及び圧延装置として、素材としての山形鋼の搬送方向に沿って3方ロールと、3方ガイドロール、及び少なくとも2ロール以上のロールからなる山形鋼保持兼圧延部材を互いに接近させて配置し、前記3方ロールと山形鋼保持兼圧延部材とにより山形鋼の面方向のスキンパス圧延を行い、前記3方ガイドロールにより山形鋼の脚長方向のスキンパス圧延を行うようにしたアングル材の圧延方法及び圧延装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
或いは、アングル圧延工程の最後において、アングル断面に関して、両辺の外側及び内側を夫々ロールで抑えて圧延成形する曲げ成形工程と、両辺の縁及びコーナ部外側を夫々ロールで抑えて両辺の幅(脚長)が所定範囲内に入るように調整する脚長精圧工程と、両辺の外側及び内側を夫々のロールで抑えて脚長精圧において生じた両辺の縁の変形を矯正し、且つ両辺の厚さを所定値に調整する脚先整形・厚さ精圧工程とから成り、脚長の精度及び肉厚の精度を向上させるようにしたアングル材の製造方法及び製造装置がある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000―167601号公報
【特許文献2】
特開2000―42640号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般に山形鋼は、両側部の長さ(脚長)が同じの等辺山形鋼とされ、その長さが数十乃至数百メートルにも及ぶ長尺物として製造される。このため、上記特許文献1に記載されているアングル材の圧延装置及び特許文献2に記載されているアングル材の製造装置ではセンタリングが困難であり、製造途中において山形鋼が傾いて(捻れて)しまい、次パスでの通材トラブルにより安定生産が不可能であるという問題がある。
【0007】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、山形鋼の製造途中における捻れを防止すると共に脚長のバラツキを小さくすることが可能な山形鋼の圧延方法及び圧延装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明では、山形鋼の圧延方法であって、圧延工程のカリバ3とカリバ2との間において前記カリバ3から搬出された山形鋼のコーナ部の外側と両脚部の外側とを第1のロールにより抑え、
前記山形鋼のコーナ部の内側と両脚部の内側とを前記第1のロールと対向して配置された第2のロールにより抑え、前記山形鋼の両脚部先端を前記第2のロールの両側に配置された一対の第3のロールにより抑えて前記山形鋼をセンタリングすると共に前記両脚部の脚長を調整することを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明では、山形鋼を圧延する山形鋼の圧延装置であって、カリバ3の圧延機とカリバ2の圧延機との間に配置され、前記カリバ3の圧延機から搬出された山形鋼のコーナ部の外側と両脚部の外側とを抑える第1のロールと、前記第1のロールと対向して配置され前記山形鋼のコーナ部の内側と両脚部の内側とを抑える第2のロールと、前記第2のロールの両側に前記山形鋼の両脚部の端面と対向して配置され、前記両脚部の先端を規制する一対の第3のロールとから成るサイジングガイド装置を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明では、前記第2のロールは、前記第1のロールに対して前記山形鋼の搬入側にオフセットされて配置されていることを特徴とする。
圧延工程のカリバ3で圧延されて搬出されてきた山形鋼は、サイジングガイド装置のコーナ部の外側と両脚部の外側とを第1のロールにより抑えられ、コーナ部の内側と両脚部の内側とが前記第1のロールと対向して配置された第2のロールにより抑えられ、両脚部先端が前記第2のロールの両側に配置された一対の第3のロールにより抑えられてカリバ2の圧延工程に搬送される。山形鋼は、第1のロールと対向して配置された第2のロールによりコーナ部の内側と両脚部の内側とを抑えられることで、センタリングされて搬送方向に対する捻れが防止され、更に、第3のロールにより両側部の長さ(脚長)が調整されてカリバ2に搬送される。これにより、脚長が調節された真っ直ぐな山形鋼が圧延製造される。
【0011】
また、第2ロールを第1のロールに対して山形鋼の搬入側にオフセットさせて配置することで、山形鋼をセンタリングした直後に第1ロールに搬送することができ、山形鋼の捻れを有効に矯正することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面により詳細に説明する。
図1は、本発明を適用した山形鋼の圧延方法の説明図である。図1(a)〜(e)に示すように、圧延材としての丸棒状の素材1は、山形鋼の圧延装置の圧延工程カリバK4(以下「カリバK4」という、以下同じ)において、厚肉の山形鋼とされ、カリバK3、カリバK2、カリバK1において順次圧延されて、カリバK1から所定の肉厚及び脚長の等辺山形鋼1として搬出される。
【0013】
そして、K4からK1の圧延工程において、カリバK3から搬出されてカリバK2に搬入されるまでの間の搬送工程において山形鋼1が捻れる場合がある。そこで、本発明では、このカリバK3とカリバK2との間に山形鋼1をセンタリングして捻れを矯正すると共に脚長を調整するためのサイジングガイド(SG)装置5が配置されている。
【0014】
サイジングガイド装置5は、図2及び図3に示すようにカリバ3から搬出された山形鋼1のコーナ部1aの外側と両脚部1b、1bの外側面とを抑える第1のロールとしての上ロール6と、この上ロール6の下方に所定の間隙を存して対向配置され、山形鋼1のコーナ部1aの内側と両脚部1b、1bの内側面とを抑える第2のロールとしての下ロール7と、下ロール7の左右両側に山形鋼1の両脚部1b、1bの端面1c、1cと対向して配置され、これら両脚部の先端を規制する一対の第3のロール(斜めロール)としてのサイジングガイド8、8とにより構成されている。
【0015】
上ロール6は、中央部が山形鋼1のコーナ部1aの外側と対応して直角に凹む凹部6aとされ、傾斜する転動面6b、6bの幅がカリバK3で圧延された山形鋼1の脚長と同じ長さとされている。
下ロール7は、外周面中央部が外側に直角をなして凸状に膨出し、中央部先端が僅かに面取りされ、両端面7c、7cが平行な略算盤玉の形状をなしており、両側の転動面7b、7bが上ロール7の凹部6aの転動面6b、6bと所定の間隔即ち、カリバK3から搬出された山形鋼の脚部1bの板厚と同じ間隔を存して離隔対向している。この下ロール7は、上ロール6よりも幅狭とされている。そして、下ロール7は、転動面7bと7bとの中心が上ロール6の凹部6aの中心の真下に位置して配置され、且つその回転中心O2が上ロール6の回転中心O1に対して山形鋼1の搬入側に距離dだけオフセットされて配置されている(図3)。因みに、上ロール6の外径を200mm、下ロール7の外径を140mmとした場合、オフセット距離dは、約20mmである。
【0016】
サイジングガイド8は、転動面8bの一側(内側)にフランジ8aが設けられた略鉄道車両の車輪の形状をなしており、転動面8bの幅が山形鋼1の板厚と同じ幅とされている。このサイジングガイド8は、下ロール7の左右両側に転動面8bが上ロール6、下ロール7の各転動面6b、7bと直角をなし、且つ上ロール6の凹部6aの中心から所定の距離即ち、山形鋼1の脚部1bの幅(脚長)離隔して配置され、回転中心O3が上ロール6の回転中心O1と同一の垂直面内に位置している(図3)。これらの4つのロール6、7、8、8は、不図示の支持部材に回転自在に軸支されている。
【0017】
以下に作用を説明する。
図1に示す圧延工程において、カリバK3において山形鋼に圧延された素材1は、コーナ部1aが真上に位置する状態で搬出され、図2及び図3に示すサイジングガイド装置5に矢印で示すように水平に搬入される。サイジングガイド装置5の下ロール7は、転動面7b、7bが前記山形鋼1のコーナ部1aの内側と両脚部1b、1bの内側面とに当接してコーナ部1aを位置決めし、外側の稜線を当該下ロール7の転動面の中心線の真上に位置させる、即ち、コーナ部1aをセンタリングする。これにより、カリバK3から搬出された山形鋼1が捻れている場合でも矯正されてコーナ部1aがセンタリングされる。
【0018】
図3に示すように下ロール7は、上ロール6よりも山形鋼1の入力側にオフセットされていることで、上ロール6、サイジングガイド8、8に干渉することなく入力される前記山形鋼1を誘導して捻れを矯正してセンタリングすることが可能となる。そして、下ロール7と上ロール6とのオフセット量dが20mm程度と短いことで、下ロール7によりセンタリングされた後上ロール6とサイジングガイド8との間に搬入されるまでに捩れることが抑えられ、センタリングされた状態で上ロール6とサイジングガイド8、8との間に搬入される。山形鋼1は、上ロール6と左右のサイジングガイド8、8とにより脚長が調整されて等山形鋼とされる。このサイジングガイド装置5から搬出された山形鋼1は、カリバK2に搬入されて圧延される。
【0019】
山形鋼1は、下ロール7により持ち上げられ、当該下ロール7と上ロール6とによりセンタリングされた後、上ロール6と左右のサイジングガイド8、8とにより脚長を調整される。そして、下ロール7を上ロール6から搬入側にオフセットすることで山形鋼1をセンタリングすると共に上下のロール6と7とによる圧下を回避して肌荒れを防止する。また、下ロール7、サイジングガイド8の径を小さくすることで、小型化を図る。
【0020】
山形鋼1は、下ロール7が山形鋼1のコーナ部1aの内側と両脚部1b、1bの内側面とに当接してコーナ部1aをセンタリング(位置決め)するために、山形鋼1の左右の脚長が異なる所謂不等辺状態であってもセンタリングすることが可能である。
図4は、従来の圧延装置により長さ50m、脚長100mm、板厚9mmの山形鋼を圧延した場合のカリバK3から搬出された山形鋼の左右両側部の脚長のバラツキを示し、横軸に山形鋼の長さを、縦軸に脚長の長さをとり、脚長のバラツキを表したものである。また、山形鋼の先端をT、終端をBで示し、一側の脚長のバラツキを実線で、他側の脚長のバラツキを破線で示す。図5は、本発明に係るサイジングガイド(SG)装置を適用した圧延装置の脚長のバラツキを実線で、他側の脚長のバラツキを破線で示す。図4から明らかなようにサイジングガイド装置を使用しない場合は、脚長が102mmから105.75mmまでの広い範囲でバラツキが発生している。これに対して、図5に示すように本願発明のサイジングガイド装置を適用した場合には、脚長を102mmから103.75mmの範囲に収めることができ、バラツキを小さくすることができる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、山形鋼を圧延するカリバK3とカリバK2との間に上ロールと、下ロールと、斜めロールとしてのサイジングガイドを備えたサイジングガイド装置を設置することで、山形鋼の圧延製造途中における捻れの発生を防止することができると共に脚長のバラツキを小さくすることが可能となり、真っ直ぐで、脚長のバラツキが小さい山形鋼を圧延製造することが可能となり、寸法精度の高い製品を提供することが可能となる。また、サイジングガイド装置の構成が簡単であり、従来の圧延装置に容易に設置することが可能である。
【0022】
また、サイジングガイド装置の上ロールに対して下ロールを山形鋼の搬入側にオフセットして配置することで、カリバK3から搬出された山形鋼を容易にセンタリングして捻れを矯正することができ、山形鋼を安定生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】山形鋼の圧延装置の圧延工程を示す説明図である。
【図2】図1に示す圧延装置の圧延工程のカリバK3とカリバK2との間に設置する本発明に係るサイジングガイド装置の一例を示す説明図である。
【図3】図2に示すサイジングガイド装置の矢線III―IIIに沿う断面図である。
【図4】従来の圧延装置により製造した山形鋼の脚長のバラツキの一例を示す図である。
【図5】本発明に係る圧延装置により製造した山形鋼の脚長のバラツキの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 山形鋼
1a コーナ部
1b 側部(脚部)
1c 脚部先端
5 サイジングガイド装置
6 上ロール
7 下ロール
8 サイジングガイド(斜めロール)
【発明の属する技術分野】
本発明は、山形鋼の圧延製造において捻れを抑え、脚長の寸法精度を高めるようにした山形鋼の圧延方法及び圧延装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ステンレス製山形鋼(アングル材)は、耐蝕性を有し、比較的綺麗な表面を有することで多方面に使用されている。これに伴いコーナ部の直角度、脚長寸法精度、表面荒さ(肌荒れ)等の品質の要求が厳しくなってきている。
山形鋼の圧延方法としては、閉式孔型と開式孔型があり、閉式孔型は、寸法精度が高い利点があるが、サイズ毎に専用の孔型(カリバK)を使用することが必要であり、孔型交換のために生産性が悪く、また、多数の孔型が必要であるという欠点がある。開式孔型は、孔型の共用範囲が広く、生産性が高いという利点がある反面、寸法精度が悪いという欠点がある。
【0003】
山形鋼の圧延方法及び圧延装置として、素材としての山形鋼の搬送方向に沿って3方ロールと、3方ガイドロール、及び少なくとも2ロール以上のロールからなる山形鋼保持兼圧延部材を互いに接近させて配置し、前記3方ロールと山形鋼保持兼圧延部材とにより山形鋼の面方向のスキンパス圧延を行い、前記3方ガイドロールにより山形鋼の脚長方向のスキンパス圧延を行うようにしたアングル材の圧延方法及び圧延装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
或いは、アングル圧延工程の最後において、アングル断面に関して、両辺の外側及び内側を夫々ロールで抑えて圧延成形する曲げ成形工程と、両辺の縁及びコーナ部外側を夫々ロールで抑えて両辺の幅(脚長)が所定範囲内に入るように調整する脚長精圧工程と、両辺の外側及び内側を夫々のロールで抑えて脚長精圧において生じた両辺の縁の変形を矯正し、且つ両辺の厚さを所定値に調整する脚先整形・厚さ精圧工程とから成り、脚長の精度及び肉厚の精度を向上させるようにしたアングル材の製造方法及び製造装置がある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000―167601号公報
【特許文献2】
特開2000―42640号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般に山形鋼は、両側部の長さ(脚長)が同じの等辺山形鋼とされ、その長さが数十乃至数百メートルにも及ぶ長尺物として製造される。このため、上記特許文献1に記載されているアングル材の圧延装置及び特許文献2に記載されているアングル材の製造装置ではセンタリングが困難であり、製造途中において山形鋼が傾いて(捻れて)しまい、次パスでの通材トラブルにより安定生産が不可能であるという問題がある。
【0007】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、山形鋼の製造途中における捻れを防止すると共に脚長のバラツキを小さくすることが可能な山形鋼の圧延方法及び圧延装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明では、山形鋼の圧延方法であって、圧延工程のカリバ3とカリバ2との間において前記カリバ3から搬出された山形鋼のコーナ部の外側と両脚部の外側とを第1のロールにより抑え、
前記山形鋼のコーナ部の内側と両脚部の内側とを前記第1のロールと対向して配置された第2のロールにより抑え、前記山形鋼の両脚部先端を前記第2のロールの両側に配置された一対の第3のロールにより抑えて前記山形鋼をセンタリングすると共に前記両脚部の脚長を調整することを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明では、山形鋼を圧延する山形鋼の圧延装置であって、カリバ3の圧延機とカリバ2の圧延機との間に配置され、前記カリバ3の圧延機から搬出された山形鋼のコーナ部の外側と両脚部の外側とを抑える第1のロールと、前記第1のロールと対向して配置され前記山形鋼のコーナ部の内側と両脚部の内側とを抑える第2のロールと、前記第2のロールの両側に前記山形鋼の両脚部の端面と対向して配置され、前記両脚部の先端を規制する一対の第3のロールとから成るサイジングガイド装置を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明では、前記第2のロールは、前記第1のロールに対して前記山形鋼の搬入側にオフセットされて配置されていることを特徴とする。
圧延工程のカリバ3で圧延されて搬出されてきた山形鋼は、サイジングガイド装置のコーナ部の外側と両脚部の外側とを第1のロールにより抑えられ、コーナ部の内側と両脚部の内側とが前記第1のロールと対向して配置された第2のロールにより抑えられ、両脚部先端が前記第2のロールの両側に配置された一対の第3のロールにより抑えられてカリバ2の圧延工程に搬送される。山形鋼は、第1のロールと対向して配置された第2のロールによりコーナ部の内側と両脚部の内側とを抑えられることで、センタリングされて搬送方向に対する捻れが防止され、更に、第3のロールにより両側部の長さ(脚長)が調整されてカリバ2に搬送される。これにより、脚長が調節された真っ直ぐな山形鋼が圧延製造される。
【0011】
また、第2ロールを第1のロールに対して山形鋼の搬入側にオフセットさせて配置することで、山形鋼をセンタリングした直後に第1ロールに搬送することができ、山形鋼の捻れを有効に矯正することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面により詳細に説明する。
図1は、本発明を適用した山形鋼の圧延方法の説明図である。図1(a)〜(e)に示すように、圧延材としての丸棒状の素材1は、山形鋼の圧延装置の圧延工程カリバK4(以下「カリバK4」という、以下同じ)において、厚肉の山形鋼とされ、カリバK3、カリバK2、カリバK1において順次圧延されて、カリバK1から所定の肉厚及び脚長の等辺山形鋼1として搬出される。
【0013】
そして、K4からK1の圧延工程において、カリバK3から搬出されてカリバK2に搬入されるまでの間の搬送工程において山形鋼1が捻れる場合がある。そこで、本発明では、このカリバK3とカリバK2との間に山形鋼1をセンタリングして捻れを矯正すると共に脚長を調整するためのサイジングガイド(SG)装置5が配置されている。
【0014】
サイジングガイド装置5は、図2及び図3に示すようにカリバ3から搬出された山形鋼1のコーナ部1aの外側と両脚部1b、1bの外側面とを抑える第1のロールとしての上ロール6と、この上ロール6の下方に所定の間隙を存して対向配置され、山形鋼1のコーナ部1aの内側と両脚部1b、1bの内側面とを抑える第2のロールとしての下ロール7と、下ロール7の左右両側に山形鋼1の両脚部1b、1bの端面1c、1cと対向して配置され、これら両脚部の先端を規制する一対の第3のロール(斜めロール)としてのサイジングガイド8、8とにより構成されている。
【0015】
上ロール6は、中央部が山形鋼1のコーナ部1aの外側と対応して直角に凹む凹部6aとされ、傾斜する転動面6b、6bの幅がカリバK3で圧延された山形鋼1の脚長と同じ長さとされている。
下ロール7は、外周面中央部が外側に直角をなして凸状に膨出し、中央部先端が僅かに面取りされ、両端面7c、7cが平行な略算盤玉の形状をなしており、両側の転動面7b、7bが上ロール7の凹部6aの転動面6b、6bと所定の間隔即ち、カリバK3から搬出された山形鋼の脚部1bの板厚と同じ間隔を存して離隔対向している。この下ロール7は、上ロール6よりも幅狭とされている。そして、下ロール7は、転動面7bと7bとの中心が上ロール6の凹部6aの中心の真下に位置して配置され、且つその回転中心O2が上ロール6の回転中心O1に対して山形鋼1の搬入側に距離dだけオフセットされて配置されている(図3)。因みに、上ロール6の外径を200mm、下ロール7の外径を140mmとした場合、オフセット距離dは、約20mmである。
【0016】
サイジングガイド8は、転動面8bの一側(内側)にフランジ8aが設けられた略鉄道車両の車輪の形状をなしており、転動面8bの幅が山形鋼1の板厚と同じ幅とされている。このサイジングガイド8は、下ロール7の左右両側に転動面8bが上ロール6、下ロール7の各転動面6b、7bと直角をなし、且つ上ロール6の凹部6aの中心から所定の距離即ち、山形鋼1の脚部1bの幅(脚長)離隔して配置され、回転中心O3が上ロール6の回転中心O1と同一の垂直面内に位置している(図3)。これらの4つのロール6、7、8、8は、不図示の支持部材に回転自在に軸支されている。
【0017】
以下に作用を説明する。
図1に示す圧延工程において、カリバK3において山形鋼に圧延された素材1は、コーナ部1aが真上に位置する状態で搬出され、図2及び図3に示すサイジングガイド装置5に矢印で示すように水平に搬入される。サイジングガイド装置5の下ロール7は、転動面7b、7bが前記山形鋼1のコーナ部1aの内側と両脚部1b、1bの内側面とに当接してコーナ部1aを位置決めし、外側の稜線を当該下ロール7の転動面の中心線の真上に位置させる、即ち、コーナ部1aをセンタリングする。これにより、カリバK3から搬出された山形鋼1が捻れている場合でも矯正されてコーナ部1aがセンタリングされる。
【0018】
図3に示すように下ロール7は、上ロール6よりも山形鋼1の入力側にオフセットされていることで、上ロール6、サイジングガイド8、8に干渉することなく入力される前記山形鋼1を誘導して捻れを矯正してセンタリングすることが可能となる。そして、下ロール7と上ロール6とのオフセット量dが20mm程度と短いことで、下ロール7によりセンタリングされた後上ロール6とサイジングガイド8との間に搬入されるまでに捩れることが抑えられ、センタリングされた状態で上ロール6とサイジングガイド8、8との間に搬入される。山形鋼1は、上ロール6と左右のサイジングガイド8、8とにより脚長が調整されて等山形鋼とされる。このサイジングガイド装置5から搬出された山形鋼1は、カリバK2に搬入されて圧延される。
【0019】
山形鋼1は、下ロール7により持ち上げられ、当該下ロール7と上ロール6とによりセンタリングされた後、上ロール6と左右のサイジングガイド8、8とにより脚長を調整される。そして、下ロール7を上ロール6から搬入側にオフセットすることで山形鋼1をセンタリングすると共に上下のロール6と7とによる圧下を回避して肌荒れを防止する。また、下ロール7、サイジングガイド8の径を小さくすることで、小型化を図る。
【0020】
山形鋼1は、下ロール7が山形鋼1のコーナ部1aの内側と両脚部1b、1bの内側面とに当接してコーナ部1aをセンタリング(位置決め)するために、山形鋼1の左右の脚長が異なる所謂不等辺状態であってもセンタリングすることが可能である。
図4は、従来の圧延装置により長さ50m、脚長100mm、板厚9mmの山形鋼を圧延した場合のカリバK3から搬出された山形鋼の左右両側部の脚長のバラツキを示し、横軸に山形鋼の長さを、縦軸に脚長の長さをとり、脚長のバラツキを表したものである。また、山形鋼の先端をT、終端をBで示し、一側の脚長のバラツキを実線で、他側の脚長のバラツキを破線で示す。図5は、本発明に係るサイジングガイド(SG)装置を適用した圧延装置の脚長のバラツキを実線で、他側の脚長のバラツキを破線で示す。図4から明らかなようにサイジングガイド装置を使用しない場合は、脚長が102mmから105.75mmまでの広い範囲でバラツキが発生している。これに対して、図5に示すように本願発明のサイジングガイド装置を適用した場合には、脚長を102mmから103.75mmの範囲に収めることができ、バラツキを小さくすることができる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、山形鋼を圧延するカリバK3とカリバK2との間に上ロールと、下ロールと、斜めロールとしてのサイジングガイドを備えたサイジングガイド装置を設置することで、山形鋼の圧延製造途中における捻れの発生を防止することができると共に脚長のバラツキを小さくすることが可能となり、真っ直ぐで、脚長のバラツキが小さい山形鋼を圧延製造することが可能となり、寸法精度の高い製品を提供することが可能となる。また、サイジングガイド装置の構成が簡単であり、従来の圧延装置に容易に設置することが可能である。
【0022】
また、サイジングガイド装置の上ロールに対して下ロールを山形鋼の搬入側にオフセットして配置することで、カリバK3から搬出された山形鋼を容易にセンタリングして捻れを矯正することができ、山形鋼を安定生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】山形鋼の圧延装置の圧延工程を示す説明図である。
【図2】図1に示す圧延装置の圧延工程のカリバK3とカリバK2との間に設置する本発明に係るサイジングガイド装置の一例を示す説明図である。
【図3】図2に示すサイジングガイド装置の矢線III―IIIに沿う断面図である。
【図4】従来の圧延装置により製造した山形鋼の脚長のバラツキの一例を示す図である。
【図5】本発明に係る圧延装置により製造した山形鋼の脚長のバラツキの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 山形鋼
1a コーナ部
1b 側部(脚部)
1c 脚部先端
5 サイジングガイド装置
6 上ロール
7 下ロール
8 サイジングガイド(斜めロール)
Claims (3)
- 山形鋼の圧延方法であって、
圧延工程のカリバ3とカリバ2との間において前記カリバ3から搬出された山形鋼のコーナ部の外側と両脚部の外側とを第1のロールにより抑え、
前記山形鋼のコーナ部の内側と両脚部の内側とを前記第1のロールと対向して配置された第2のロールにより抑え、
前記山形鋼の両脚部先端を前記第2のロールの両側に配置された一対の第3のロールにより抑えて前記山形鋼をセンタリングすると共に前記両脚部の脚長を調整することを特徴とする山形鋼の圧延方法。 - 山形鋼の圧延装置であって、
カリバ3の圧延機とカリバ2の圧延機との間に配置され、前記カリバ3の圧延機から搬出された山形鋼のコーナ部の外側と両脚部の外側とを抑える第1のロールと、
前記第1のロールと対向して配置され前記山形鋼のコーナ部の内側と両脚部の内側とを抑える第2のロールと、
前記第2のロールの両側に前記山形鋼の両脚部の端面と対向して配置され、前記両脚部の先端を規制する一対の第3のロールとから成るサイジングガイド装置
を備えたことを特徴とする山形鋼の圧延装置。 - 前記第2のロールは、前記第1のロールに対して前記山形鋼の搬入側にオフセットされて配置されていることを特徴とする請求項2に記載の山形鋼の圧延装置。
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- 2002-12-24 JP JP2002372176A patent/JP2004202514A/ja active Pending
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