JPH06238308A - 円管の絞り圧延方法 - Google Patents

円管の絞り圧延方法

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JPH06238308A
JPH06238308A JP5636193A JP5636193A JPH06238308A JP H06238308 A JPH06238308 A JP H06238308A JP 5636193 A JP5636193 A JP 5636193A JP 5636193 A JP5636193 A JP 5636193A JP H06238308 A JPH06238308 A JP H06238308A
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rolling
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Hideo Sato
秀雄 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロールスタンドの構造を複雑化することな
く、簡素な構造により、絞り圧延による素管内面の角張
り現象の発生を防止し、仕上り管の品質を向上可能とす
ること。 【構成】 円管の絞り圧延方法において、各ロールスタ
ンドを構成するロールのフランジ側ロール面の半径をカ
リバー底側ロール面の半径より大とし、かつフランジ側
ロール面の半径は前段ロールスタンドのロールのカリバ
ー底側ロール面の半径以上に設定してなるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、継目無鋼管等の円管の
絞り圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、円管の製造工程においては、素
管外径を所定値に仕上げるための絞り圧延機(ストレッ
チレデューサ)を用いている。絞り圧延機は、通常、複
数のロールスタンドを連続的に配置し、各ロールスタン
ドの圧延パス軸回りの円周方向に3個のロールを 120度
間隔で配置するとともに、相隣るロールスタンドのロー
ルを圧延パス軸に直交する面内で相互に60度ずらしてい
る。
【0003】これにより、絞り圧延機によって仕上圧延
される素管各部は、その円周方向の位置により、圧延開
始から終了までの変形履歴を規則的に相互に異なるもの
とされる。即ち、素管のiスタンドにおけるロールフラ
ンジ相当部位は、(i+1)スタンドではカリバー底相
当部位に設定され、(i+2)スタンドではロールフラ
ンジ相当部位に設定されるというように、素管とロール
との接触位置には一定の規則性がある。この結果、素管
には六角形の内面角張り、即ち内面の偏肉不良を生じ、
仕上り管の品質を損なう。
【0004】そこで従来、上記角張り現象の発生を防止
するため、特開昭58-25805号公報に記載されるような絞
り圧延機が提案されている。この絞り圧延機は、各ロー
ルスタンドのハウジングに嵌設される多角形ロール箱の
圧延パスライン回りにおける角度位置を、スタンド相互
間でずらして配置することにより、隣接するロールスタ
ンドのロールに、圧延パスラインに直交する面内で30度
ずつの角度変位をもたせ、素管を円周方向に12分割され
た区域で塑性変形を繰り返すようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、上記従来
の絞り圧延機においては、ロールスタンドに設けられる
ロール箱を圧延パスライン回りに傾動させるという複雑
な構造を伴う。
【0006】本発明は、ロールスタンドの構造を複雑化
することなく、簡素な構造により、絞り圧延による管内
面の角張り現象の発生を防止し、仕上り管の品質を向上
可能とすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、複数のロールスタンドを連続的に配置し、各ロール
スタンドの圧延パス軸回りの円周方向に、素管絞り圧延
用のn個のロールを (360/n)度間隔で配置するととも
に、相隣るロールスタンドのロールを圧延パス軸に直交
する面内で相互に(180/n) 度ずらして配置する円管の絞
り圧延方法において、各ロールのカリバー底側ロール面
とフランジ側ロール面とで異なる半径の円弧を付与し、
且つフランジ側ロール面の半径をカリバー底側ロール面
の半径より大とし、カリバー底側ロール面は圧延パス軸
回りに(360/2n)度以上をなす角度範囲に渡って設け、フ
ランジ側ロール面の半径は前段ロールスタンドのロール
のカリバー底側ロール面の半径以上に設定してなるよう
にしたものである。
【0008】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記
載の本発明において更に、前記カリバー底側ロール面
を、圧延パス軸より外方にオフセットしたオフセット中
心回りで半径R1 をなす円弧とし、前記フランジ側ロー
ル面を、上記カリバー底側ロール面の端点から上記オフ
セット中心を通る延長上に定まる中心回りで半径R2
(R2 >R1 )をなす円弧としてなるようにしたもので
ある。
【0009】
【作用】絞り圧延機は、図2に示すように、複数のロー
ルスタンド10を連続的に配置し、各ロールスタンド1
0の圧延パス軸回りの円周方向に、素管20を絞り圧延
するための例えば3個のロール11を 120度間隔で配置
するとともに、相隣るロールスタンド10のロール11
を圧延パス軸に直交する面内で相互に60度ずらして配置
している。
【0010】然して、ロール11の一般的なロール面プ
ロフィールは、図1に示す如く、圧延パス軸Oより外方
に一定のオフセット量dだけオフセットしたオフセット
中心O’を定め、このオフセット中心O’回りで半径A
O’(=R1 )の円弧に改削されている。Aはカリバー
底、Dはカリバーフランジを表わす。このとき、オフセ
ット量dは、下記(1) 式となる。
【0011】
【数1】
【0012】然るに、絞り圧延での内面角張りを防止す
るためには、各ロールスタンドにおいて真円に近いカリ
バーで圧延すれば良く、このことは各ロールのロール面
のオフセット量を小さくすれば良いことを意味する。図
3は、オフセット量と角張り度との関係を示す線図であ
る。角張り度とは、図4に示す如く、素管の六角形状内
面に対し、最小肉厚をt1 、最大肉厚をt2 とし、それ
らの採取データの平均値をt1a、t2aとするとき、下記
(2) 式で表わされるものをいう。 角張度=[t2a−t1a]/[(t2a+t1a)/2 ]・ 100(%) …(2)
【0013】他方、絞り圧延では、前段(i−1)スタ
ンドのカリバー底が圧延パス軸に対してなす距離(A
O)i-1 と、次段(i)スタンドのカリバーフランジが
圧延パス軸に対してなす距離(DO)i との関係が、
(DO)i <(AO)i-1 となると、素管の前段カリバ
ー底での圧延部が次段フランジで押え込まれ、素管外面
に疵を生ずるものとなる。即ち、一般的なロール面プロ
フィールを備えるロールによる絞り圧延で外面疵防止の
ための条件は、下記(3) 式である。 (DO)i ≧ (AO)i-1 …(3)
【0014】尚、絞り圧延において、素管の外径リダク
ションは管製造寸法により決定される。そして、各ロー
ルスタンドのカリバー径は、圧延パス軸を挟んで相対す
る一方のロールのカリバー底(A)と他方のロールのフ
ランジ(D)との間隔であり、下記(4) 式が成り立つ。 カリバー径=AO+DO=α(一定) …(4)
【0015】そこで、前述したロール11の一般的なロ
ール面プロフィールにおいて、前記(3) 式の外面疵防止
の条件を満たすように、DOを決定すると、下記(5) 式
の条件が得られる。何故なら、通常、下記(6) 式が成り
立つからである。
【0016】
【数2】
【0017】従って、上記t0 より更に小さなオフセッ
ト量で圧延して内面角張りを低減しようとする場合、
(DO)i <(AO)n-1 の条件で圧延して素管の外面
性状を犠牲にしなければならない。
【0018】これに対し、本発明では、ロール11の∠
AOB=θ/2 となるカリバー底側ロール面の端点Bか
ら上記オフセット中心O’を通る延長上に、BO''=R
2 となる点O''を取り、このO''と中心とする半径R2
の円弧を点Bより延ばし、この円弧をフランジ側ロール
面とする。
【0019】本発明のフランジ側ロール面の端点をD’
とし、本発明におけるロール11のフランジ寸法をD’
Oとするとき、R2 >R1 であればD’O>DOとなる
ことは明らかである。
【0020】また、本発明におけるロール11のカリバ
ー底側ロール面が圧延パス軸O回りになす角度θの範囲
にある素管材料は、相隣るロール11でオーバーラップ
して圧延される必要があるから、θ≧60度という条件が
必要となる。
【0021】そして、上述のθの上限範囲、及びR2
は、本発明のロール11における下記(7) 式の外面疵防
止条件により求められる。 (D'O)i≧ (AO)i-1 …(7)
【0022】本発明はロールカリバーを用いる場合、下
記、を同時に成立せしめることとなる。 D’O>DOより、(D’O)i≧(AO)i-1
(DO)i となるようにカリバー要素を決定でき、上記
(7) 式を満足することができるから、外面疵を防止でき
る。
【0023】下記(8) 式よりオフセット量d’を小さ
くすることができ、内面角張りを防止できる。
【0024】
【数3】
【0025】尚、本発明のロールカリバーは、絞り圧延
機におけるワーキングロールスタンドにおいてのみ用
い、サイジングロールスタンドでは通常のロールカリバ
ーを用いるものとする。こうすることにより、素管外面
の真円度を損なうことがない。
【0026】
【実施例】絞り圧延機により、素管外径90mm、製品外径
34mmのパイプを圧延した。絞り圧延機の全スタンド台数
は19台(ワーキングスタンド15台、サイジングスタンド
4台)である。
【0027】ロールカリバーが外面疵防止条件を満たす
ように、本発明では(D’O)i =(AO)i-1 、従来
ロールでは(DO)i =(AO)i-1 とすると、例えば
第6スタンドで、本発明では(AO)6 =32.16mm 、
(D’O)6 =34.55mm 、従来ロールでは(AO)6
32.16mm 、(DO)6 =34.55mm となる。
【0028】本発明の一例として、θ=40度、R2 =45
2.07mmとした場合、オフセット量=1.75mmとなる。従来
ロールで、オフセット量=5.36mmのものを従来ロール
(I)とし、オフセット量=1.75mmのものを従来ロール(I
I)とする。これらの3タイプのロールで圧延実験を行な
った結果、表1を得た。本発明により、素管の外面疵、
内面角張りを同時に防止できることが認められる。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ロールス
タンドの構造を複雑化することなく、簡素な構造によ
り、絞り圧延による管内面の角張り現象の発生を防止
し、仕上り管の品質を向上可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施に用いられるロールカリバ
ーを示す模式図である。
【図2】図2は絞り圧延機を示す模式図である。
【図3】図3はオフセット量と内面角張りとの関係を示
す線図である。
【図4】図4は素管の内面角張り状態を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
10 ロールスタンド 11 ロール

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のロールスタンドを連続的に配置
    し、各ロールスタンドの圧延パス軸回りの円周方向に、
    素管絞り圧延用のn個のロールを (360/n)度間隔で配置
    するとともに、相隣るロールスタンドのロールを圧延パ
    ス軸に直交する面内で相互に(180/n) 度ずらして配置す
    る円管の絞り圧延方法において、 各ロールのカリバー底側ロール面とフランジ側ロール面
    とで異なる半径の円弧を付与し、且つフランジ側ロール
    面の半径をカリバー底側ロール面の半径より大とし、 カリバー底側ロール面は圧延パス軸回りに(360/2n)度以
    上をなす角度範囲に渡って設け、 フランジ側ロール面の半径は前段ロールスタンドのロー
    ルのカリバー底側ロール面の半径以上に設定してなるこ
    とを特徴とする円管の絞り圧延方法。
  2. 【請求項2】 前記カリバー底側ロール面を、圧延パス
    軸より外方にオフセットしたオフセット中心回りで半径
    1 をなす円弧とし、 前記フランジ側ロール面を、上記カリバー底側ロール面
    の端点から上記オフセット中心を通る延長上に定まる中
    心回りで半径R2 (R2 >R1 )をなす円弧としてなる
    請求項1記載の円管の絞り圧延方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006150377A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Nakata Mfg Co Ltd 角管成形用ロールと角管のロール成形方法及び成形装置
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