JP5884468B2 - T形鋼の製造方法とt形鋼圧延用ユニバーサル圧延機およびt形鋼製造設備 - Google Patents

T形鋼の製造方法とt形鋼圧延用ユニバーサル圧延機およびt形鋼製造設備 Download PDF

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Description

本発明は、造船や橋梁等の分野で広く使用されるT形鋼の製造方法とT形鋼圧延用ユニバーサル圧延機、さらに、T形鋼製造設備に関する。
造船や橋梁等の分野で使用されるT形鋼は、図5に示されるように、ウェブ11と、このウェブ11の一方の側端部に形成されたフランジ12とからなる断面T字状の形鋼である。このようなT形鋼の寸法は、通常、ウェブ高さHwが200〜1000mm程度、ウェブ厚Twが8〜25mm程度、フランジ幅Wfが80〜300mm程度、フランジ厚Tfが12〜40mm程度であり、造船用として用いられるT形鋼のウェブ高さHwはフランジ幅Tfの2倍以上であることが多い。
また、ウェブ高さHwとフランジ幅Wfがほぼ同じであっても、ウェブ厚Twとフランジ厚Tfが異なるものもある。例えば、ウェブ高さHwからフランジ厚Tfを差し引いたウェブ内法寸法をAi、内法寸法Aiにフランジ厚Tfを加えたウェブ外法寸法(図5のウェブ高さと同じ)をAoとすると、図12(a)に示すように、ウェブ内法寸法Aiが一定(以下、ウェブ内法一定という)であってもフランジ厚がTf1<Tf2<Tf3、ウェブ外法寸法がAo1<Ao2<Ao3と異なるT形鋼や、図12(b)に示すように、ウェブ外法寸法Aoが一定(以下、ウェブ外法一定という)であってもフランジ厚がTf1<Tf2<Tf3、ウェブ内法寸法がAi1>Ai2>Ai3と異なるT形鋼が必要とされる強度に応じて選択される。
このようなサイズの異なるT形鋼を長さ方向に接続すると、ウェブ内法一定の場合はフランジの内面(ウェブ側の面)が同じ高さになり、フランジの外面に段差が生じる。逆にウェブ外法一定の場合には、フランジの外面が同じ高さになり、フランジの内面に段差が生じる。どちらを使用するかは、用途や使用部位に応じて施工性の観点から選択される。
また、T形鋼はウェブとフランジとを溶接して製造されることが一般的であるが、圧延にてT形鋼を一体成形する技術も提案されている。例えば、ウェブ厚、フランジ厚、ウェブ高さおよびフランジ幅が様々な寸法のT形鋼を効率よく製造するため、ユニバーサル圧延機を中間圧延工程に2基、仕上圧延工程に1基配置した熱間圧延設備を用いてT形鋼を製造する技術が特許文献1に記載されている。
T形鋼を圧延にて製造する場合には、図6に示すように、加熱炉(図示せず)から搬出された素材鋼片をT字形断面に粗造形圧延して断面が略T字形状のT形鋼片を得る粗造形圧延機1と、この粗造形圧延機1で得られたT形鋼片のウェブとフランジを圧延する第1の粗ユニバーサル圧延機2と、この第1の粗ユニバーサル圧延機2で圧延されたT形鋼片のフランジ端面を圧延するエッジャー圧延機3と、このエッジャー圧延機3の出側に配置された第2の粗ユニバーサル圧延機4と、この第2の粗ユニバーサル圧延機4で圧延されたT形鋼片のウェブとフランジを製品寸法に仕上げる仕上ユニバーサル圧延機5とを備えた熱間圧延設備が用いられる。
第1の粗ユニバーサル圧延機2は、図7に示されるように、水平な軸回りに回転する上下一対の水平ロール21a,21bを有し、これらの水平ロール21a,21bでT形鋼片6のウェブを粗圧延するように構成されている。また、第1の粗ユニバーサル圧延機2は鉛直な軸回りに回転する左右一対の竪ロール22a,22bを水平ロール21a,21bの両側に有し、これらの竪ロール22a,22bのうち一方の竪ロール、例えば竪ロール22aと水平ロール21a,21bとの間でT形鋼片6のフランジを粗圧延するように構成されている。
エッジャー圧延機3は、図8に示されるように、水平な軸回りに回転する上下一対のエッジャーロール31a,31bを有し、これらエッジャーロール31a,31bの一方の端部間に形成された孔型32でT形鋼片6のフランジを所定のフランジ幅に成形するように構成されている。
第2の粗ユニバーサル圧延機4は、図9に示すように、水平な軸回りに回転する上下一対の水平ロール41a,41bを有し、これらの水平ロール41a,41bでT形鋼片6のウェブを粗圧延するように構成されている。また、第2の粗ユニバーサル圧延機4は鉛直な軸回りに回転する左右一対の竪ロール42a,42bを水平ロール41a,41bの両側に有し、これら竪ロール42a,42bのうち一方の竪ロール、例えば竪ロール42aと水平ロール41a,41bとの間でT形鋼片6のフランジを粗圧延するように構成されている。
仕上ユニバーサル圧延機5は、図10に示すように、水平な軸回りに回転する上下一対の水平ロール51a,51bを有し、これら水平ロール51a,51bでT形鋼片6のウェブを仕上圧延するように構成されている。また、仕上ユニバーサル圧延機5は鉛直な軸回りに回転する左右一対の竪ロール52a,52bを水平ロール51a,51bの両側に有し、これらの竪ロール52a,52bのうち一方の竪ロール、例えば竪ロール52aと水平ロール51a,51bとの間でT形鋼片6のフランジを仕上圧延するように構成されている。
第1の粗ユニバーサル圧延機2では、水平ロール21a,21bのロール幅がT形鋼片6のウェブ内法寸法Aiより大きいため、竪ロール22aから水平ロール21a,21bに作用するスラスト力によって水平ロール21a,21bが軸方向に移動することを竪ロール22bによって抑えることができる。
しかし、第2の粗ユニバーサル圧延機4では、水平ロール41a,41bのロール幅がT形鋼片6のウェブ内法寸法Aiより小さいため、竪ロール42aから水平ロール41a,41bに作用するスラスト力によって水平ロール41a,41bが軸方向に移動することを竪ロール22bによって抑えることができない。そこで、図11に示すような溝部43を竪ロール42bの周面中央部に設ければ水平ロール41a,41bが軸方向に移動することを抑えることが可能となるが、次のような問題が生じる。
すなわち、竪ロール42bの周面中央部に溝部43を設けた場合には、水平ロール41a,41bの軸方向移動を抑えるために、水平ロール41a,41bの一方の端面を竪ロール42bの周面部に接触させた状態でT形鋼片6を粗圧延する必要がある。このため、圧延後のウェブ内法が一定寸法となり、フランジ厚を変えるとウェブ高さも変化してしまうため、ウェブ外法Aoが一定でウェブ内法Aiが異なる複数サイズのT形鋼を製造することができないという問題があった。
また、ウェブ外法Aoが一定でウェブ内法Aiが例えば50mmごとに異なる複数サイズのT形鋼を製造するためには、ロール幅の異なる複数サイズの水平ロール41a,41bを用意しておき、製造しようとするT形鋼のウェブ内法に応じて水平ロール41a,41bを交換しなければならないという問題があった。
特許第4453771号公報
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、ウェブ外法が一定でウェブ内法が異なる複数サイズのT形鋼をロール幅の異なる複数の水平ロールを用意したりウェブ内法が異なる度にロール交換を要したりすることなく製造することのできるT形鋼の製造方法とT形鋼圧延用ユニバーサル圧延機、さらにはT形鋼製造設備を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、粗造形圧延機によりT形断面に造形されたT形鋼片のウェブとフランジを粗ユニバーサル圧延機により圧延して製造されるT形鋼の製造方法であって、前記粗ユニバーサル圧延機として、前記ウェブを圧下する上下一対の水平ロールと、該水平ロールの両側に配置された左右一対の竪ロールとを有し、かつ前記水平ロールがロール軸と、該ロール軸に固定された固定ロールと、前記ロール軸の軸方向に移動可能な可動ロールとからなるものを用い、前記可動ロールが前記T形鋼片のウェブ先端側に位置するように前記可動ロールを前記ロール軸の軸方向に動かして前記可動ロールの位置を調整し、次いで前記竪ロールの一方が前記可動ロールと接触するように前記竪ロールの間隔を前記T形鋼片のウェブ高さに合わせて調整した後、前記T形鋼片のウェブとフランジを前記粗ユニバーサル圧延機により圧延するものであり、前記水平ロールとして、前記可動ロールの外径が前記固定ロールの外径より小さい水平ロールを用いて、前記T形鋼片を前記粗ユニバーサル圧延機により圧延することを特徴とする。
請求項の発明は、請求項に記載のT形鋼の製造方法において、前記固定ロールとして、前記可動ロールと対向する側の端面に前記可動ロールの外径より大きい直径で円形状に形成された凹部を有する固定ロールを用いて、前記T形鋼片を前記粗ユニバーサル圧延機により圧延することを特徴とする。
求項の発明に係るT形鋼圧延用ユニバーサル圧延機は、ウェブを圧下する上下一対の水平ロールと、該水平ロールの両側に配置された左右一対の竪ロールとを有し、前記水平ロールがロール軸と、該ロール軸に固定された固定ロールと、前記ロール軸の軸方向に移動可能な可動ロールとからなり、前記固定ロール側の竪ロールは外周面が山形形状をなし、前記可動ロール側の竪ロールは外周面が平坦な形状をなし、前記可動ロールの外径が前記固定ロールの外径より小さいことを特徴とする。
請求項の発明は、T形鋼素材をT形断面に粗造形する粗造形圧延機と、該粗造形圧延機によりT形断面に粗造形されたT形鋼素材のウェブとフランジを粗圧延する粗ユニバーサル圧延機と、該粗ユニバーサル圧延機により粗圧延されたT形鋼素材のウェブとフランジを仕上圧延する仕上ユニバーサル圧延機と、該仕上ユニバーサル圧延機と前記粗ユニバーサル圧延機との間に配置されたエッジャー圧延機とを備えたT形鋼製造設備であって、前記粗ユニバーサル圧延機の水平ロールがロール軸と、該ロール軸に固定された固定ロールと、前記ロール軸の軸方向に移動可能な可動ロールとを有してなり、前記可動ロールの外径が前記固定ロールの外径より小さいことを特徴とする。
本発明によれば、左右一対の竪ロールのうちT形鋼片のウェブ先端側に位置する竪ロールの周面中央部に溝部を形成しなくてもT形鋼片のフランジ側に位置する竪ロールから水平ロールに作用するスラスト力によって水平ロールが軸方向に移動するのを抑制することが可能となるので、ウェブ外法が一定でウェブ内法が異なる複数サイズのT形鋼をロール幅の異なる複数の水平ロールを用意したりウェブ内法が異なる度にロール交換を要したりすることなく製造することができる。
本発明を実施するときに用いられる粗ユニバーサル圧延機の一例を示す図である。 図1に示される水平ロールの詳細構造を示す図である。 本発明を実施するときに用いられる粗ユニバーサル圧延機の他の例を示す図である。 図3に示される水平ロールの詳細構造を示す図である。 T形鋼の断面形状を示す図である。 T形鋼を製造する場合に用いられる熱間圧延設備の一例を示す図である。 T形鋼を製造する場合に用いられる第1の粗ユニバーサル圧延機の一例を示す図である。 T形鋼を製造する場合に用いられるエッジャー圧延機の一例を示す図である。 T形鋼を製造する場合に用いられる第2の粗ユニバーサル圧延機の一例を示す図である。 T形鋼を製造する場合に用いられる仕上ユニバーサル圧延機の一例を示す図である。 第2の粗ユニバーサル圧延機の他の例を示す図である。 ウェブ内法一定とウェブ外法一定のT形鋼を示す図である。
以下、図1〜図4を参照して本発明の実施の形態について説明する。
本発明を実施するときに用いられる粗ユニバーサル圧延機の一例を図1及び図2に示す。図1に示される粗ユニバーサル圧延機は、図9に図示したものと同様に、水平な軸回りに回転する上下一対の水平ロール41a,41bと、これら水平ロール41a,41bの両側に配置された左右一対の竪ロール42a,42bとを有し、これらのロール41a,41b,42a,42bでT形鋼片6を粗圧延するように構成されている。
水平ロール41a,41bは固定ロール101(図2参照)を有し、この固定ロール101はロール軸103に固定されている。また、水平ロール41a,41bは可動ロール102(図2参照)を有し、この可動ロール102はロール軸103に固定されておらず、ロール軸103の軸方向に移動可能となっている。
固定ロール101は可動ロール102の外径より大きい外径を有し、この固定ロール101の両端面のうち可動ロール102と反対側の端面はT形鋼片6のフランジ内面と同じ角度で傾斜している。
また、固定ロール101は可動ロール102の外径より大きい直径で円形状に形成された凹部104(図2参照)を有し、この凹部104は固定ロール101の両端面のうち可動ロール102と対向する側の端面に形成されている。
このような粗ユニバーサル圧延機を用いてウェブ外法一定でフランジ厚がTf1、ウェブ内法寸法がAi1のT形鋼を製造する場合は、図1(a)及び図2(b)に示すように、まず、水平ロール41a,41bの可動ロール102を竪ロール42b側に動かし、水平ロール41a,41bのロール幅を所定のロール幅(例えばウェブ内法寸法Ai1と同じロール幅)に調整する。次に、竪ロール42bの周面部が可動ロール102と接触するように竪ロール42a,42bの間隔を調整した後、T形鋼片6のウェブ11とフランジ12を図1に示す粗ユニバーサル圧延機により圧延する。
一方、ウェブ外法一定でフランジ厚がTf3(>Tf1)、ウェブ内法寸法がAi3(<Ai1)のT形鋼を製造する場合は、図1(b)及び図2(c)に示すように、水平ロール41a,41bの可動ロール102を竪ロール42a側に動かし、水平ロール41a,41bのロール幅を所定のロール幅(例えばウェブ内法寸法Ai3と同じロール幅)に調整する。次に、竪ロール42bの周面部が可動ロール102と接触するように竪ロール42a,42bの間隔を調整した後、T形鋼片6のウェブ11とフランジ12を図1に示す粗ユニバーサル圧延機により圧延する。
なお、可動ロール102をロール軸103の軸方向に動かす機構としては、例えば特公平2−45923号公報、特公平3−47931号公報、特許第2673975号公報などに開示された公知のものを使用することができる。
上述のように、可動ロール102がT形鋼片6のウェブ先端側に位置するように可動ロール102をロール軸103の軸方向に動かして可動ロール102の位置を調整し、次いで竪ロール42bが可動ロール102と接触するように竪ロール42a,42bの間隔をT形鋼片6のウェブ高さに合わせて調整した後、T形鋼片6のウェブ11とフランジ12を粗ユニバーサル圧延機で圧延すると、可動ロール102が竪ロール42bと接触した状態でT形鋼片6のウェブ11とフランジ12が圧延されることになる。これにより、図11に示すような溝部43を竪ロール42bの周面中央部に形成しなくても竪ロール42aから水平ロール41a,41bに作用するスラスト力によって水平ロール41a,41bが軸方向に移動するのを抑制することが可能となるので、図12(b)に示すT形鋼、すなわちウェブ外法一定でフランジ厚がTf1<Tf2<Tf3、ウェブ内法寸法がAi1>Ai2>Ai3のように異なるT形鋼をロール幅の異なる複数の水平ロールを用意したりウェブ内法Aiが異なる度にロール交換を要したりすることなく製造することができる。
なお、水平ロール41a,41bの可動ロール102として、ロール外径が固定ロール101の外径より小さいものを使用すると、T形鋼片6のウェブ11が可動ロール102によって圧下されない部分が生じる。この非圧下部分が広すぎる場合には、固定ロール101で圧下される部分と可動ロール102で圧下されない部分との差が大きくなりやすいから、水平ロールの可動ロールとしてロール外径が固定ロールの外径より小さいものを用いる場合には、可動ロールのロール幅をT形鋼片のウェブ内法寸法の30%以下にすることが望ましい。
次に、本発明に係るT形鋼の製造方法を実施するときに用いられる粗ユニバーサル圧延機の他の例を図3及び図4に示す。図3に示される粗ユニバーサル圧延機は、図1に図示したものと同様に、水平な軸回りに回転する上下一対の水平ロール41a,41bと、これら水平ロール41a,41bの両側に配置された左右一対の竪ロール42a,42bとを有し、これらのロール41a,41b,42a,42bでT形鋼片6を粗圧延するように構成されている。
水平ロール41a,41bは、図4に示すように、固定ロール105を有し、この固定ロール105はロール軸103に固定されている。また、水平ロール41a,41bは固定ロール105と同径の可動ロール106(図4参照)を有し、この可動ロール106はロール軸103に固定されておらず、ロール軸103の軸方向に移動可能となっている。
このような粗ユニバーサル圧延機を用いてウェブ外法一定でフランジ厚がTf1、ウェブ内法寸法がAi1のT形鋼を製造する場合は、図3(a)及び図4(b)に示すように、まず、水平ロール41a,41bの可動ロール106を竪ロール42b側に動かし、水平ロール41a,41bのロール幅を所定のロール幅(例えばウェブ内法寸法Ai1と同じロール幅)に調整する。次に、竪ロール42bの周面部が可動ロール106と接触するように竪ロール42a,42bの間隔を調整した後、T形鋼片6のウェブ11とフランジ12を図3に示す粗ユニバーサル圧延機により圧延する。
一方、ウェブ外法一定でフランジ厚がTf3(>Tf1)、ウェブ内法寸法がAi3(<Ai1)のT形鋼を製造する場合は、図3(b)及び図4(c)に示すように、水平ロール41a,41bの可動ロール106を竪ロール42a側に動かし、水平ロール41a,41bのロール幅を所定のロール幅(例えばウェブ内法寸法Ai3と同じロール幅)に調整する。次に、竪ロール42bの周面部が可動ロール106と接触するように竪ロール42a,42bの間隔を調整した後、T形鋼片6のウェブ11とフランジ12を図3に示す粗ユニバーサル圧延機により圧延する。
このように、可動ロール106がT形鋼片6のウェブ先端側に位置するように可動ロール106をロール軸103の軸方向に動かして可動ロール106の位置を調整し、次いで竪ロール42bが可動ロール106と接触するように竪ロール42a,42bの間隔をT形鋼片6のウェブ高さに合わせて調整した後、T形鋼片6のウェブ11とフランジ12を粗ユニバーサル圧延機で圧延すると、水平ロール41a,41bが竪ロール42bにより支えられた状態でT形鋼片6のウェブ11とフランジ12が圧延されることになる。これにより、図11に示すような溝部43を竪ロール42bの周面部に形成しなくても竪ロール42aから水平ロール41a,41bに作用するスラスト力によって水平ロール41a,41bが軸方向に移動するのを抑制することが可能となるので、図12(b)に示すT形鋼、すなわちウェブ外法一定でフランジ厚がTf1<Tf2<Tf3、ウェブ内法寸法がAi1>Ai2>Ai3のように異なるT形鋼をロール幅の異なる複数の水平ロールを用意したりウェブ内法Aiが異なる度にロール交換を要したりすることなく製造することができる。
なお、可動ロール106として、その外径が固定ロール105の外径と同径のものを用いる場合、可動ロール106をロール軸103の軸方向に移動させたときに固定ロール105と可動ロール106との間に隙間が生じるため、この隙間が位置する部分のウェブが板厚方向に圧下されず、ウェブ厚が圧下される部分よりも厚くなってしまう。ただし、ウェブ厚が圧下される部分の延伸によって、隙間に位置する部分の厚さが減少する上に、第1の粗ユニバーサル圧延機や仕上ユニバーサル圧延機の水平ロールで圧延される際に他のウェブ部分と同じ厚さに圧延されるため、製品となるT形鋼のウェブは均一な厚さとなり、特に問題は生じない。ただし、固定ロール105と可動ロール106との間に隙間が広すぎる場合には、隙間が位置する部分のウェブ厚と固定ロール105及び可動ロール106が位置する部分のウェブ厚の差が大きくなりやすいから、水平ロールの可動ロールとしてロール外径が固定ロールと同径のものを用いる場合には、固定ロールと可動ロールとの間の隙間をT形鋼片のウェブ内法寸法の30%以下にすることが望ましい。
また、上述した固定ロール101、105や可動ロール106の周面と端面との境界部は、円弧や角を円弧にしたテーパー形状などに成形することが好ましい。これは、ロールによって厚みが圧下されるウェブの部分と圧下されないウェブの部分で急激な段差が生じないようにするためである。段差が急峻な場合には、第1の粗ユニバーサル圧延機や仕上ユニバーサル圧延機の水平ロールでウェブを平坦化する際に、段差部分に折れ込み状の疵が残る場合があり、これを避けるためである。
次に、ウェブ高さの異なるT形鋼をロール交換することなく圧延する方法について説明する。
例として、図6に示す熱間圧延設備において、第2の粗ユニバーサル圧延機4の水平ロールに図2に示す水平ロール41a,41bを適用し、図12(b)に示す3種類のT形鋼、すなわちウェブ外法一定でフランジ厚がTf1<Tf2<Tf3、ウェブ内法寸法がAi1>Ai2>Ai3のように異なるT形鋼を製造する場合について説明する。
まず、フランジ厚がTf1、ウェブ内法がAi1のT形鋼を圧延するため、可動ロール102のロール軸方向位置を調整し、適正なロール幅になった後に可動ロール102を固定してT形鋼の圧延を行う。次にフランジ厚がTf2、ウェブ内法がAi2のT形鋼を圧延する場合には、可動ロール102のロール軸方向位置を再び調整し、水平ロールの幅を小さくする。水平ロール幅の調整量はTf2−Tf1の値とほぼ同じ量とすればよいが、粗造形圧延機1で圧延された後のT形鋼片6の断面形状によっては、ウェブ内法寸法がAi2となるように水平ロール幅をさらに調整する必要が生じる場合がある。フランジ厚がTf2のT形鋼の圧延が終了した後に、さらに可動ロール102のロール軸方向位置を調整して水平ロール幅をTf3−Tf2の値だけ小さくする。これにより、粗ユニバーサル圧延機のロールを一切交換することなく、ウェブ外法一定でフランジ厚がTf1<Tf2<Tf3、ウェブ内法寸法がAi1>Ai2>Ai3のように異なるT形鋼を圧延により製造することができる。
なお、本発明によれば、外法寸法が一定のT形鋼だけでなく、ウェブ高さがより大きく異なるT形鋼であっても、可動ロール102または106の移動可能範囲内であれば、ロールを交換することなく圧延することが可能であることは言うまでもない。
なお、水平ロール41a,41bの間隔を調整してもウェブ先端側の竪ロール42bの開度を調整しなくて済むように、竪ロール42bの外周面は平坦であることが望ましく、竪ロール42bと接触する側の水平ロール41a,41bの端面は垂直であることが望ましい。
また、フランジ側の竪ロール42aは圧延されるT形鋼のフランジ傾斜角度に合わせて、外周面が山形であることが望ましく、竪ロール42aと接触する側の水平ロール41a,41bの端面は、圧延されるT形鋼のフランジの傾斜角度に合わせた角度の傾斜を持たせることが望ましい。
図6に示す第2の粗ユニバーサル圧延機4の水平ロールとして、図2に示すものを用いた。固定ロール101の直径は1000mm、幅は240mmとした。また、可動ロール102の直径は850mm、幅は75mmとし、凹部104の直径は860mm、深さは40mmとした。
凹部104と反対側の固定ロール101の端面と竪ロール42aの周面には6°の傾斜を設けた。また、ウェブ先端側の竪ロール42bは平坦で、可動ロール102の両端面は傾斜のない垂直な角度とした。
図6に示す第2の粗ユニバーサル圧延機4を用いて、ウェブ高さ300mm、フランジ幅125mmのT形鋼を同じロールによって製造した。ウェブ厚が10mmであり、フランジ厚が19mmと22mmの製品を製造することとし、これらの製品のウェブ内法寸法はフランジ厚19mmのT形鋼が281mm、フランジ厚22mmのT形鋼が278mmである。
まず、フランジ厚が19mmの製品を圧延するに際し、可動ロール102のロール軸方向位置を調整し、水平ロールの幅を281mmにした。この状態で可動ロール102のウェブ先端側端面を竪ロール42bに接触させ、10本のT形鋼の圧延を行ったところ、ウェブ内法寸法は目標の281mmに対して±1.0mmの範囲となり、ウェブ高さが300mmの製品を寸法公差内で製造することができた。
次に、フランジ厚が22mmのT形鋼を圧延するため、可動ロール102のロール軸方向位置を固定ロール側に3mm移動させ、水平ロールの幅を278mmにしてT形鋼を圧延した。フランジ厚19mmのときと同様に可動ロール102のウェブ先端側端面を竪ロール42bに接触させた状態で10本のT形鋼を圧延して寸法を測定したところ、ウェブ内法寸法は目標とする278mmに対してやはり±1.0mmの範囲となっており、ウェブ高さが300mmの製品を寸法公差内で製造できた。
以上のように、本発明に係るT形鋼の製造方法を用いることにより、ウェブ外法Aoが一定でウェブ内法Aiが異なる複数サイズのT形鋼をロール幅の異なる複数の水平ロールを用意したりウェブ内法Aiが異なる度にロール交換を要したりすることなく製造することができた。
また、本発明に係るT形鋼の製造方法を用いてウェブ高さ350mm、フランジ幅125mm、ウェブ厚10mm、フランジ厚19mmのT形鋼を製造した。製品のウェブ内法寸法が331mmであることから、可動ロール102のロール軸方向位置をウェブ先端方向に移動させ、水平ロールの幅を331mmにした。可動ロール102の端面をウェブ先端側の竪ロール42bに接触させた状態で10本のT形鋼を製造したところ、製品のウェブ内法寸法は目標±1.0mmの範囲内であり、ウェブ高さが350mmのT形鋼がロール交換なしで製造できた。
一方、従来の技術では第2の粗ユニバーサル圧延機のウェブ先端側竪ロールで水平ロールの側面を支持しつつT形鋼を圧延しようとすると、ウェブ内法寸法が一定となるため、ウェブ内法寸法が異なるT形鋼を圧延する場合には、ロール交換が必要であった。
1…粗造形圧延機
2,4…粗ユニバーサル圧延機
3…エッジャー圧延機
5…仕上ユニバーサル圧延機
6…H形鋼片
11…ウェブ
12…フランジ
21a,21b,41a,41b,51a,51b…水平ロール
22a,22b,42a,42b,52a,52b…竪ロール
31a,31b…エッジャーロール
32…孔型
43…溝部
101,105…固定ロール
102,106…可動ロール
103…ロール軸
104…凹部

Claims (4)

  1. 粗造形圧延機によりT形断面に造形されたT形鋼片のウェブとフランジを粗ユニバーサル圧延機により圧延して製造されるT形鋼の製造方法であって、
    前記粗ユニバーサル圧延機として、前記ウェブを圧下する上下一対の水平ロールと、該水平ロールの両側に配置された左右一対の竪ロールとを有し、かつ前記水平ロールがロール軸と、該ロール軸に固定された固定ロールと、前記ロール軸の軸方向に移動可能な可動ロールとからなるものを用い、前記可動ロールが前記T形鋼片のウェブ先端側に位置するように前記可動ロールを前記ロール軸の軸方向に動かして前記可動ロールの位置を調整し、次いで前記竪ロールの一方が前記可動ロールと接触するように前記竪ロールの間隔を前記T形鋼片のウェブ高さに合わせて調整した後、前記T形鋼片のウェブとフランジを前記粗ユニバーサル圧延機により圧延するものであり、
    前記水平ロールとして、前記可動ロールの外径が前記固定ロールの外径より小さい水平ロールを用いて、前記T形鋼片を前記粗ユニバーサル圧延機により圧延することを特徴とするT形鋼の製造方法。
  2. 前記固定ロールとして、前記可動ロールと対向する側の端面に前記可動ロールの外径より大きい直径で円形状に形成された凹部を有する固定ロールを用いて、前記T形鋼片を前記粗ユニバーサル圧延機により圧延することを特徴とする請求項に記載のT形鋼の製造方法。
  3. ウェブを圧下する上下一対の水平ロールと、該水平ロールの両側に配置された左右一対の竪ロールとを有し、前記水平ロールがロール軸と、該ロール軸に固定された固定ロールと、前記ロール軸の軸方向に移動可能な可動ロールとからなり、前記固定ロール側の竪ロールは外周面が山形形状をなし、前記可動ロール側の竪ロールは外周面が平坦な形状をなし、前記可動ロールの外径が前記固定ロールの外径より小さいことを特徴とするT形鋼圧延用ユニバーサル圧延機。
  4. T形鋼素材をT形断面に粗造形する粗造形圧延機と、該粗造形圧延機によりT形断面に粗造形されたT形鋼素材のウェブとフランジを粗圧延する粗ユニバーサル圧延機と、該粗ユニバーサル圧延機により粗圧延されたT形鋼素材のウェブとフランジを仕上圧延する仕上ユニバーサル圧延機と、該仕上ユニバーサル圧延機と前記粗ユニバーサル圧延機との間に配置されたエッジャー圧延機とを備えたT形鋼製造設備であって、
    前記粗ユニバーサル圧延機の水平ロールがロール軸と、該ロール軸に固定された固定ロールと、前記ロール軸の軸方向に移動可能な可動ロールとを有してなり、
    前記可動ロールの外径が前記固定ロールの外径より小さいことを特徴とするT形鋼製造設備。
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