JP5883257B2 - 母材および溶接熱影響部の靭性に優れた鋼材、およびその製造方法 - Google Patents
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Description
(a)Ni:1.5%以下(0%を含まない)、Cu:1.5%以下(0%を含まない)、Cr:1.5%以下(0%を含まない)およびMo:1.5%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上の元素、
(b)Nb:0.10%以下(0%を含まない)、および/またはV:0.1%以下(0%を含まない)、
(c)B:0.005%以下(0%を含まない)、
(d)Zr:0.02%以下(0%を含まない)、および/またはREM:0.02%以下(0%を含まない)、
等を含んでもよい。
[Ti]×[N]≦(1×10-5)/[Si] ・・・(1)
但し、Si=0質量%のときは、TiとNiが、下記式(2)を満足するように鋼を溶製する。
[Ti]×[N]≦1×10-3 ・・・(2)
(ア)所定の電解液で電解抽出後、目開き0.1μmのフィルターを通過したTiを固溶Tiとしたとき、固溶Ti量が鋼材の母材靭性とHAZ靭性の向上に大きな影響を及ぼしていること、
(イ)この固溶Ti量は絶対値として制御するのではなく、鋼材中に含まれる全Ti量とのバランス(具体的には、全Ti量に対する固溶Ti量の比)で制御しないと所望の特性が発揮されないこと、
(ウ)更に、所望の特性を有効に発揮させるためには、上記固溶Ti量の比を制御するだけでは足りず、目開き2.0μmのフィルターを通過しない(フィルター上に残る)サイズが2.0μm超のTi含有介在物に含まれるTi量を適切に制御することも重要であること、
(エ)よって、鋼材の母材靭性とHAZ靭性を向上させるには、上記方法によって算出される全Ti量に対する固溶Ti量の比と、サイズが2.0μmを超えるTi含有介在物として鋼材に含まれるTi量を適切に制御することが極めて重要であること、
を見出し、本発明を完成した。
本発明では、鋼材に含まれる全Ti量に対する固溶Ti量の比(以下、固溶Ti比ということがある)を0.30〜0.70とする。上記固溶Ti比が、0.30未満では、熱処理時や溶接時に、TiN粒子のオストワルド成長が顕著になるため、Ti含有窒化物が粗大化し易くなり、HAZ靭性および母材靭性の向上に有効な微細なTi含有窒化物の生成量を確保できなくなる。従って溶接時に金属組織を微細化できないため、母材靭性およびHAZ靭性が低下する。よって上記固溶Ti比は0.30以上、好ましくは0.35以上、より好ましくは0.40以上とする。しかし上記固溶Ti比が0.70を超えて過剰になると固溶Ti量が多くなり過ぎるため、旧γ粒界から生成する変態組織が粗大化し、母材靭性およびHAZ靭性が低下する。従って上記固溶Ti比は0.70以下、好ましくは0.65以下、より好ましくは0.60以下とする。
本発明では、サイズが2.0μmを超える粗大なTi含有介在物として鋼材に含まれるTi量を0.010%以下(0%を含まない)とする。このTi量が0.010%を超えると、破壊の起点となる粗大なTi含有介在物が多くなるため、母材靭性およびHAZ靭性の低下を引き起こす原因となる。このTi量は少ない方がよく、好ましくは0.0080%以下であり、より好ましくは0.0050%以下である。
Cは、強度を確保するために欠くことのできない元素であり、C量が0.03%未満では強度を確保できない。従ってC量は0.03%以上、好ましくは0.04%以上、より好ましくは0.05%以上である。しかし、C量が過剰になると、硬質な島状マルテンサイト(MA)が多く生成して母材靭性およびHAZ靭性を劣化させる。従ってC量は0.16%以下、好ましくは0.12%以下、より好ましくは0.10%以下に抑える必要がある。
Siは、固溶強化によって強度を確保するのに有用な元素であるが、Si量が過剰になると、硬質な島状マルテンサイト(MA)が多く生成すると共に、粗大なTi含有介在物が生成して母材靭性およびHAZ靭性が劣化する。従ってSi量は0.25%以下、好ましくは0.2%以下、より好ましくは0.1%以下、更に好ましくは0.08%以下とする。Si量は、0.01%以上含有することが好ましく、より好ましくは0.02%以上、更に好ましくは0.03%以上である。
Mnは、強度を確保する上で有用な元素であり、1%以上含有させる必要がある。Mn量は、好ましくは1.2%以上、より好ましくは1.4%以上である。しかし、Mnを2.0%を超えて過剰に含有させると強度が上昇し過ぎて母材靭性およびHAZ靭性が劣化する。従ってMn量は2.0%以下、好ましくは1.8%以下、より好ましくは1.7%以下とする。
Pは、不可避不純物元素であり、粒界破壊を起こし易く母材靭性およびHAZ靭性の両方に悪影響を及ぼすため、その量はできるだけ少ないことが好ましい。従って、P量は0.03%以下に抑制する必要があり、好ましくは0.02%以下、より好ましくは0.01%以下とする。しかし、鋼中のP量を0%にすることは工業的に困難であり、通常、0.003%程度は含有している。
Sは、不可避不純物元素であり、粒界偏析による粒界破壊や粗大硫化物による母材靭性の劣化を招くため、その量はできるだけ少ないことが好ましい。従ってS量は0.015%以下に抑制する必要があり、好ましくは0.010%以下、より好ましくは0.008%以下、更に好ましくは0.005%以下とする。しかし、鋼中のS量を0%にすることは工業的に困難であり、通常、0.0001%程度は含有している。
Alは、脱酸剤として作用するが、過剰に含有すると、鋼中にAl2O3含有介在物を生成し、粗大なTi含有介在物を生成させる原因となり、母材靭性およびHAZ靭性を劣化させる元素である。従ってAl量は0.05%以下、好ましくは0.040%以下、より好ましくは0.030%以下に抑える必要がある。Al量の下限は、例えば、0.0003%である。
Tiは、Nと反応して窒化物を形成し、金属組織を微細化して母材靭性を向上させる元素である。従ってTiは0.010%以上含有させる必要があり、好ましくは0.012%以上、より好ましくは0.015%以上である。しかし過剰に含有すると、粗大なTi含有介在物が多く生成して母材靭性およびHAZ靭性を劣化させる。従ってTi量は0.08%以下、好ましくは0.07%以下、より好ましくは0.06%以下、更に好ましくは0.05%以下とする。
Caは、粗大なTi含有介在物が晶出するのを抑制して、母材靭性およびHAZ靭性を向上させる元素である。従ってCaは0.0005%以上、好ましくは0.0008%以上、より好ましくは0.001%以上含有させる必要がある。しかしCa量が過剰になると、粗大なCa含有酸化物が生成して母材靭性が劣化する。従ってCa量は0.010%以下、好ましくは0.008%以下、より好ましくは0.006%以下である。
Nは、Ti含有窒化物を形成し、ピン止め効果によりオーステナイト粒の粗大化を防止して組織を微細化し、母材靭性およびHAZ靭性を向上させる元素である。また、Ti含有窒化物は、粒内フェライト変態を促進する作用も有しており、組織を微細化して母材靭性およびHAZ靭性を向上させるのに寄与する。こうした効果を発揮させるには、N量は0.0020%以上、好ましくは0.0030%以上、より好ましくは0.0040%以上とする必要がある。しかしN量が過剰になると、固溶N量が増大して歪時効が生じ、母材靭性およびHAZ靭性が劣化する。従ってN量は0.020%以下、好ましくは0.018%以下、更に好ましくは0.016%以下とする。
Ni、Cu、CrおよびMoは、いずれも鋼材の高強度化に有効に作用する元素であり、その効果はその含有量が増加するにつれて増大するが、こうした効果を有効に発揮させるには、いずれも0.05%以上含有させることが好ましい。Ni、Cu、CrおよびMoは、いずれの元素もより好ましくは0.10%以上である。しかしこれらの元素の含有量が過剰になると、強度の過大な上昇を招き、母材靭性およびHAZ靭性が却って劣化する。従って上記元素は、いずれも1.5%以下に抑えることが好ましい。Ni、Cu、CrおよびMoは、より好ましくは1.2%以下、更に好ましくは1%以下である。
NbおよびVは、炭窒化物として析出し、オーステナイト粒の粗大化を抑制することによって母材靭性を良好にする元素である。こうした効果を有効に発揮させるには、Nbは0.002%以上含有させることが好ましく、より好ましくは0.005%以上、更に好ましくは0.010%以上である。しかし、Nb量が過剰になると、炭窒化物が粗大化し、母材靭性が却って劣化する。従ってNb量は0.10%以下とすることが好ましく、より好ましくは0.08%以下、更に好ましくは0.06%以下、特に好ましくは0.04%以下である。また、Vは0.002%以上含有させることが好ましく、より好ましくは0.005%以上である。しかしV量が過剰になると粗大な炭窒化物の析出を招き、母材靭性が却って劣化する。従ってV量は0.1%以下とすることが好ましく、より好ましくは0.08%以下である。
Bは、粗大な粒界フェライトの生成を抑制して母材靭性およびHAZ靭性を向上させるのに有効な元素である。こうした効果はその含有量が増加するにつれて増大するが、こうした効果を有効に発揮させるには、0.0005%以上含有させることが好ましい。B量は、より好ましくは0.0010%以上、更に好ましくは0.0013%以上である。しかし、B量が過剰になると、オーステナイト粒界にBNが析出し、母材靭性およびHAZ靭性が劣化する。従ってB量は0.005%以下とすることが好ましく、より好ましくは0.004%以下、更に好ましくは0.003%以下とするのがよい。
ZrおよびREM(希土類元素)は、酸化物を微細化してHAZ靭性を向上するのに寄与する元素である。こうした効果は、その含有量が増加するにつれて増大するが、こうした効果を有効に発揮させるには、いずれも0.0001%以上含有させることが好ましい。ZrおよびREMは、いずれもより好ましくは0.0005%以上である。しかし過剰に含有させると、酸化物が粗大になって母材靭性およびHAZ靭性を劣化させるため、いずれも0.02%以下に抑えることが好ましい。ZrおよびREMは、より好ましくは0.018%以下、更に好ましくは0.015%以下とする。
[Ti]×[N]≦(1×10-5)/[Si] ・・・(1)
但し、Si=0質量%のときは、TiとNiが、下記式(2)を満足するように鋼を溶製する。
[Ti]×[N]≦1×10-3 ・・・(2)
鋼を溶製するにあたっては、Ti、N、およびSiが、下記式(1)を満足するように成分調整する必要がある。下記式(1)において、左辺の[Ti]×[N]は、TiとNの許容溶解度積を示しており、この値が一定値を超えると鋳造時に、サイズが2.0μmを超える粗大なTi含有介在物が生成することが分かった。また、本発明者らが検討したところ、この許容溶解度積は、鋼中のSi量に影響を受けることが明らかとなった。即ち、[Ti]×[N]の値は、鋼中のSi濃度によって変化し、鋼中のSi量が多くなるほど[Ti]×[N]の値は小さくなり、粗大なTi含有介在物の生成が抑制されることが判明した。そのため粗大なTi含有介在物として鋼材に含まれるTi量、および固溶Ti比を適切に制御するには、鋼中のTi、N、およびSi量が、下記式(1)の関係を満足するように成分調整する必要がある。下記式(1)は、本発明者らが種々実験を繰り返して設定した式である。この下記式(1)は、下記式(1a)の通り変形でき、この式(1a)を満足するように成分調整すればよい。下記式(1a)の左辺の値をZ値としたとき、Z値は、好ましくは5×10-6以下、より好ましくは1×10-6以下とする。
[Ti]×[N]≦(1×10-5)/[Si] ・・・(1)
[Ti]×[N]×[Si]≦1×10-5 ・・・(1a)
[Ti]×[N]≦1×10-3 ・・・(2)
溶製後は、溶鋼に含まれる介在物を浮上分離することによって鋼に含まれるAl2O3含有介在物の個数を1mm2あたり10個以下(0個を含む)に制御してから鋳造する必要がある。Al2O3含有介在物とは、本発明では、Al2O3を80質量%以上含有するAl2O3含有介在物を意味している。Ti含有介在物は、一般に、Al2O3等の酸化物を核として晶出することが知られているが、本発明のような成分組成の鋼では、Al2O3含有介在物を晶出核としてTi含有介在物が形成されると考えられる。これは一般に不均質核生成と呼ばれている。従って溶鋼におけるAl2O3含有介在物の個数密度を小さくすれば、サイズが2.0μmを超えるTi含有介在物として鋼材に含まれるTi量を低減でき、しかも固溶Ti比を適切な範囲に制御できる。
カップ状のサンプラー(内径約35mm×高さ約50mm)を用いて連続鋳造用タンディッシュから溶鋼を採取し、空冷にて凝固させた。凝固させて得られた鋼をカップ状サンプラーから取り出し、サンプルの底部から約10mm位置の水平面で切断し、切断面を研磨し、これを介在物観察用サンプルとした。介在物観察用サンプルを、EPMA(Electron Probe X−ray Micro Analyzer;電子プローブX線マイクロアナライザ、日本電子株式会社製「JXA−8500F」)で観察し、円相当直径が0.2μm以上の粒子の個数を測定すると共に、この粒子の成分組成を定量分析した。観察条件は、加速電圧を20kV、試料電流を0.01μA、観察視野は研磨面中央部を中心として1〜5cm2、分析粒子個数を100個以上とし、粒子の成分組成はエネルギー分散型特性X線検出器(EDS)により半定量分析した。分析対象元素は、Al、Mn、Si、Ti、Zr、Ca、La、Ce、Oとし、検出された元素濃度を全て酸化物に換算して規格化した後、Al2O3濃度を求めた。検出された全介在物のうち、Al2O3を80質量%以上含有する介在物をAl2O3含有介在物とした。Al2O3含有介在物の個数を、1mm2あたりに換算して個数密度を求めた。Al2O3含有介在物の個数密度を下記表3に示す。
(a)鋼材に含まれる全Ti量のうち、サイズが2.0μmを超える粗大なTi含有介在物として鋼材に含まれるTi量、
(b)サイズが0.1μmを超えるTi含有介在物として鋼材に含まれるTi量を全Ti量Qから引いた値Rと、鋼材に含まれる全Ti量Qとの比R/Q(固溶Ti比)、
(c)母材靭性、
(d)母材を溶接したときのHAZ靭性
を測定した。これらの結果を、下記表3に示す。
軸心が熱延鋼板の表面から深さt/4位置(tは板厚)を通るように試験片(縦15mm×横15mm×長さ5mm)を各熱延鋼板から切り出し、2%トリエタノールアミン−1%テトラメチルアンモニウムクロリド−メタノール溶液を電解液として、常温で500A/m2以下の電流で電解抽出を行った。電解抽出後、抽出残渣を目開きが2.0μmのメンブレン・フィルターで濾過した。
上記(a)において、目開きが2.0μmのメンブレン・フィルターを用いて濾過する代わりに、目開きが0.1μmのメンブレン・フィルターを用いて濾過し、サイズが0.1μmを超えるTi含有介在物として鋼材に含まれるTi量を測定した。
各熱延鋼板の表面から深さt/4位置(tは板厚)から、圧延方向にシャルピー衝撃試験片(JIS Z2201の4号試験片)を採取し、JIS Z2242に基づいて−60℃でシャルピー衝撃試験を行い、吸収エネルギー(vE-60)を測定した。このとき3本の試験片について吸収エネルギー(vE-60)を測定し、その最低値を求めた。vE-60の最低値が100J以上のものを母材靭性に優れると評価した。
各熱延鋼板の表面から深さt/4位置(tは板厚)から、圧延方向にシャルピー衝撃試験片(JIS Z2201の4号試験片)を採取し、大入熱溶接を模擬した熱サイクル試験を行い、熱延鋼板(母材)を溶接したときのHAZ靭性を評価した。このとき熱サイクル試験は、上記試験片を1400℃に加熱して60秒間保持した後、800〜500℃の温度範囲を500秒かけて冷却することにより、溶接入熱量が55kJに相当する熱サイクルを与えた。JIS Z2242に基づいて−40℃でシャルピー衝撃試験を行い、吸収エネルギー(vE-40)を測定した。このとき3本の試験片について吸収エネルギー(vE-40)を測定し、その最低値を求めた。vE-40の最低値が100J以上のものをHAZ靭性に優れると評価した。
Claims (6)
- 鋼中成分が
C :0.03〜0.16%(質量%の意味。以下成分について同じ。)、
Si:0.25%以下(0%を含む)、
Mn:1〜2.0%、
P :0.03%以下(0%を含まない)、
S :0.015%以下(0%を含まない)、
Al:0.05%以下(0%を含まない)、
Ti:0.010〜0.08%、
Ca:0.0005〜0.010%および
N :0.0020〜0.020%を含有し、
残部が鉄および不可避不純物からなる鋼材であって、
下記(1)および(2)の要件を満足することを特徴とする板厚が50mm以上で、入熱量を50kJ/mm以上として溶接されたときに母材および溶接熱影響部の靭性に優れた鋼材。
(1)鋼材に含まれる全Ti量Qのうち、
2.0μmを超えるTi含有介在物として鋼材に含まれるTi量が0.010%以下(0%を含まない)である。
(2)0.1μmを超えるTi含有介在物として鋼材に含まれるTi量を全Ti量Qから引いた値Rと、鋼材に含まれる全Ti量Qとの比R/Qが0.30〜0.70である。
ここで、
前記Ti含有介在物は、Tiを含む析出物であり、
前記析出物がTi以外の窒化物形成元素または酸化物形成元素を含むときは、
Tiに対する、前記Ti以外の窒化物形成元素または前記酸化物形成元素の含有量を、原子比にて50%以下で含む。 - 前記鋼材が、更に他の元素として、
Ni:1.5%以下(0%を含まない)、
Cu:1.5%以下(0%を含まない)、
Cr:1.5%以下(0%を含まない)および
Mo:1.5%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上の元素を含むものである請求項1に記載の鋼材。 - 前記鋼材が、更に他の元素として、
Nb:0.10%以下(0%を含まない)、および/または
V :0.1%以下(0%を含まない)を含むものである請求項1または2に記載の鋼材。 - 前記鋼材が、更に他の元素として、
B:0.005%以下(0%を含まない)を含むものである請求項1〜3のいずれかに記載の鋼材。 - 前記鋼材が、更に他の元素として、
Zr :0.02%以下(0%を含まない)、および/または
REM:0.02%以下(0%を含まない)を含むものである請求項1〜4のいずれかに記載の鋼材。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の鋼材を製造する方法であって、
Ti、N、およびSiが、下記式(1)を満足するように鋼を溶製した後、溶鋼に含まれる介在物を浮上分離することによって鋼に含まれる、Al2O3を80質量%以上含有するAl2O3含有介在物の個数を1mm2あたり10個以下(0個を含む)に制御してから
鋳造することを特徴とする母材および溶接熱影響部の靭性に優れた鋼材の製造方法。
[Ti]×[N]≦(1×10-5)/[Si] ・・・(1)
式(1)中、[ ]は鋼中の各元素の含有量(質量%)を表す。
但し、Si=0質量%のときは、TiとNiが、下記式(2)を満足するように鋼を溶製する。
[Ti]×[N]≦1×10-3 ・・・(2)
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