JP2013072118A - 高温強度に優れる鋼材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】質量%で、C:0.01〜0.1%、Si:0.01〜1.0%、Mn:0.1〜2.0%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、A1:0.003〜0.1%、Mo:0.010〜0.30%、Nb:0.010〜0.20%、V:0.005〜0.50%を、炭素当量Ceqが0.46%以下を満足するように調整して含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼素材を、1000〜1350℃の範囲の温度に加熱したのち、圧延終了温度が850℃以上となる熱間圧延を行い、熱間圧延後、(Ar3変態点−30℃)〜(Ar3変態点−130℃)の範囲の温度まで空冷または加速冷却したのち、さらに、(Ar3変態点−30℃)〜(Ar3変態点−130℃)の範囲の温度で圧下率:1.0〜10%とする、少なくとも1パスの熱間圧延を行う。
【選択図】なし
Description
このような耐火鋼材としては、たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4などに、記載がある。特許文献1〜4に記載された耐火鋼材は、いずれもMoを必須含有し、Mo炭化物の析出により、600℃で所望の優れた強度(高温強度)を確保している。なお、上記した耐火鋼材では、Mo炭化物の析出強化以外に、フェライト粒の微細化、Mo以外の合金元素による固溶強化、析出強化さらには、硬質相の分散による強化などを併用している。
例えば、特許文献5、特許文献6には、C:0.001〜0.030%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.4〜2.0%、Nb:0.03〜0.50%、Ti:0.005%以上0.040%未満、N:0.0001〜0.0050%、Al:0.005〜0.030%を含み、さらに、Mg:0.005%以下、REM:0.010%以下の1種または2種を含有し、P、Sを低く制限し、C、Nb、Ti、Nを特定の関係を満足するように調整した耐火鋼材が記載されている。特許文献5、6に記載された技術では、Nbを多量含有させ、さらに炭化物を形成しないようにC量を低く抑えて、固溶Nbのドラッグ効果を利用して、Mo含有鋼材と同等の高温強度を確保できるとしている。なお、特許文献5、6に記載された技術では、Mo:0.10%未満の含有が許容されている。
(1)質量%で、C:0.01〜0.1%、Si:0.01〜1.0%、Mn:0.1〜2.0%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、Al:0.003〜0.1%、Mo:0.010〜0.30%、Nb:0.010〜0.20%、V:0.005〜0.50%を、次(1)式
炭素当量Ceq(%)=C+Si/24+Mn/6+Mo/4+V/14+Ni/40+Cr/5‥‥(1)
(ここで、C,Si,Mn,Mo,V,Ni,Cr:各元素の含有量(質量%))
で定義される炭素当量Ceqが0.46%以下を満足するように調整して含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、鋼中に質量%で、粒径20nm未満の析出物として析出したNb量およびV量の合計が0.03〜0.15%であることを特徴とする高温強度に優れた耐火鋼材。
(3)(1)または(2)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ti:0.003〜0.02%を含有することを特徴とする耐火鋼材。
(5)(1)ないし(4)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Zr:0.0001〜0.003%、Mg:0.0001〜0.003%のうちから選ばれた1種または2種を含有することを特徴とする耐火鋼材。
炭素当量Ceq(%)=C+Si/24+Mn/6+Mo/4+V/14+Ni/40+Cr/5‥‥(1)
(ここで、C,Si,Mn,Mo,V,Ni,Cr:各元素の含有量(質量%))
で定義される炭素当量Ceqが0.46%以下を満足するように調整して含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼素材とし、前記熱間圧延が、1000〜1350℃の範囲の温度に加熱したのち、圧延終了温度が850℃以上となる熱間圧延を行う熱延工程と、該熱延工程後、(Ar3変態点−30℃)〜(Ar3変態点−130℃)の範囲の温度まで空冷する冷却工程と、該冷却工程後、(Ar3変態点−30℃)〜(Ar3変態点−130℃)の範囲の温度で圧下率:1.0〜10%とする、少なくとも1パスの熱間圧延を行う析出誘起処理工程と、を順次施す工程であることを特徴とする高温強度に優れた耐火鋼材の製造方法。
(8)(6)または(7)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:0.01〜1.0%、Ni:0.01〜1.0%、Cr:0.05〜1.0%、B:0.0001〜0.003%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする耐火鋼材の製造方法。
(10)(6)ないし(9)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.005%、REM:0.0005〜0.005%のうちから選ばれた1種または2種を含有することを特徴とする耐火鋼材の製造方法。
C:0.01〜0.1%
Cは、鋼の強度を増加させる元素であり、本発明では、圧延状態でNb(C,N)、V(C,N)を有効に析出させるとともに、高温加熱時(火災時)に所定量以上のMo炭化物を、析出させ、高温強度を高めるために、必要不可欠な元素である。このような効果を得るためには、0.01%以上の含有を必要とする。一方、0.1%を超えて含有しても、その効果が飽和するとともに、溶接性が低下する。そのため、Cは0.01〜0.1%の範囲に限定した。なお、好ましくは、0.02〜0.08%である。
Siは、固溶して強度を増加させる有効な元素である。このような効果を得るためには、0.01%以上の含有を必要とする。一方、1.0%を超える含有は溶接熱影響部(HAZ)の靭性を著しく低下させる。このため、Siは0.01〜1.0%の範囲に限定した。なお、好ましくは、0.05%〜0.6%である。
Mnは、Siと同様に、強度を増加させる比較的安価な元素であり、溶接構造用鋼材の高強度化には重要な元素である。このような効果を得るためには、0.1%以上の含有を必要とする。0.1%未満ではその効果は小さい。一方、2.0%を超えて含有すると、上部ベイナイト変態を促進させるため、母材靭性や溶接熱影響部の靭性を低下させる。このため、Mnは0.1〜2.0%の範囲に限定した。なお、好ましくは、0.5〜1.8%である。
Pは、粒界や最終凝固位置等に偏析する傾向が強く、とくに中心偏析部などでは、靱延性や溶接熱影響部の靭性を低下させる等の悪影響を及ぼす。このため、Pはできるだけ低減することが望ましい。しかし、0.030%以下であれば、その悪影響は小さいため、Pは0.030%以下に限定した。なお、好ましくは、0.025%以下である。
Sは、鋼中では、MnS等の硫化物系介在物として存在し、延性、靭性を低下させる悪影響を及ぼす。また、Pと同様に、鋼材の脆化を助長する。そのため、Pと同様に,できるだけ低減することが望ましい。しかし、0.030%以下であれば、その悪影響は許容できる。このため、Sは0.030%以下に限定した。なお、好ましくは、0.025%以下である。
Alは、脱酸剤として作用する元素である。このような効果を得るためには、0.003%以上の含有を必要とする。一方、0.1%を超えて含有しても、効果が飽和し、含有量に見合う効果を期待できなくなる。このため、Alは0.003〜0.1%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.010〜0.050%である。
Moは、火災時(600℃加熱時)にMo炭化物を形成し、高温強度を安定的に確保する作用を有し、鋼材の耐火性能を十分発揮するために有効な元素である。このような効果を確保するためには、0.010%以上の含有を必要とする。一方、0.30%を超える含有は、材料コストの高騰を招く。このため、Moは0.010〜0.30%の範囲に限定した。なお、好ましくは、0.05%〜0.30%である。
Nbは、本発明において極めて重要な元素である。本発明では、圧延され冷却された鋼材中に、微細なNb(C,N )を多量析出させ、火災時のMo炭化物の析出を促進させる。これにより、Mo含有量が少なくても、得られる高温強度を高くすることができ、Mo含有量を低減することができる。このような効果を得るためには、0.010%以上の含有を必要とする。一方、0.20%を超えて含有しても、効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できないばかりか、粗大なNb(C,N)が析出し、鋼材が脆化するとともに、溶接部も脆化するなどの悪影響がある。このため、Nbは0.010〜0.20%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.015〜0.15%である。
Vは、V(C,N)として微細析出し、常温強度、高温強度を増加させ、鋼材の強度増加に寄与する。また、Nbと同様に、V(C,N)として微細析出し、火災時のMo炭化物の析出を促進させる。これにより、Mo含有量が少なくても、得られる高温強度を高くすることができ、Mo含有量を低減することができる。このような効果を得るためには、0.005%以上の含有を必要とする。一方、0.50%を超える含有は表面品質を低下させ、溶接熱影部を脆化させる。このため、Vは0.005〜0.50%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.010〜0.30%である。
Cu、Ni、Cr、Bはいずれも、鋼材の強度を増加させる元素であり、必要に応じて、選択して1種または2種以上含有できる。
Cu:0.01〜1.0%
Cuは、0.5%程度までの含有では固溶強化により、それ以上では析出強化により鋼材の強度増加に寄与する。このような効果を得るためには、0.01%以上の含有を必要とする。一方、1.0%を超える含有は、鋼材の表面品質を低下させる。このため、含有する場合には、Cuは0.01〜1.0%の範囲に限定することが好ましい。
Niは、固溶強化により鋼材の強度増加に寄与するとともに、低温靭性の向上にも寄与する。このような効果を得るためには、0.01%以上含有することが好ましいが、1.0%を超えて含有しても、効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できず、経済的に不利となる。このため、含有する場合には、Niは0.01〜1.0%に限定することが好ましい。
Crは、固溶強化により鋼材の強度増加に寄与するとともに、セメンタイトの分解を抑える作用を有し、これにより、焼戻時の軟化抵抗の向上にも寄与する。このような効果を得るためには、0.05%以上含有することが望ましいが、1.0%を超えて含有すると、溶接性が低下するとともに、スケール剥離性が阻害され、表面品質が低下する。このため、含有する場合には、Crは0.05〜1.0%の範囲に限定することが好ましい。
Bは、微量含有で、焼入れ性を高める有効な元素であり、厚肉H形鋼等の鋼材の高強度化に寄与する。このような効果を得るためには0.0001%以上含有することが望ましいが、0.003%を超える含有は、炭窒化物を形成して靭性を低下させる。このため、含有する場合は、Bは0.0001〜0.003%の範囲に限定することが好ましい。
Tiは、TiNを形成して大入熱溶接熱影響部のミクロ組織を微細化させ、靭性向上に有効に寄与する元素であり、必要に応じて含有できる。このような効果を得るためには、0.003%以上含有することが好ましいが、0.02%を超えて含有すると、粗大なTiNが析出しやすくなり、Nb、Vを含む析出物(Nb炭窒化物およびV炭窒化物)の微細分散を阻害する。このため、含有する場合には、Tiは0.003〜0.02%の範囲に限定することが好ましい。
Ca、REMはいずれも、介在物の形態制御に有効に寄与する元素であり、とくに介在物の形態制御を介して、偏析部の靭性、延性向上や、溶接熱影響部の靭性向上に有効に寄与する元素であり、必要に応じて、選択して1種または2種を含有できる。このような効果を得るためには、それぞれ0.0005%以上含有することが望ましいが、それぞれ0.005%を超える含有は、鋼の清浄度を低下させる。このため、含有する場合には、Ca:0.0005〜0.005%、REM:0.0005〜0.005%の範囲に、それぞれ限定することが好ましい。
Zr、Mgはいずれも、酸化物を形成して、大入熱溶接部のミクロ組織を微細化して大入熱溶接部の靭性向上に寄与する元素であり、必要に応じて選択して1種または2種を含有できる。このような効果を得るためには、それぞれ0.0001%以上含有することが望ましいが、それぞれ0.003%を超えて含有すると、鋼材の清浄性を低下させる。このため、含有する場合には、Zr:0.0001〜0.003%、Mg:0.0001〜0.003%の範囲に限定することが好ましい。
炭素当量Ceq(%)=C+Si/24+Mn/6+Mo/4+V/14+Ni/40+Cr/5‥‥(1)
(ここで、C,Si,Mn,Mo,V,Ni,Cr:各元素の含有量(質量%))
で定義される炭素当量Ceqが0.46以下を満足するように調整する。上記した(1)式で定義される炭素当量Ceqが、0.46を超えると、溶接性や溶接熱影響部靭性を低下させる。このため、炭素当量Ceqは0.46以下に限定した。好ましくは0.44以下である。なお、(1)式中のNi,Crについては、選択元素として含有する場合にはその含有量を、選択元素として含有しない場合には零として計算するものとする。
つぎに、本発明鋼材の組織限定理由について説明する。
本発明鋼材は、上記した組成を有し、さらに、鋼中に質量%で、粒径20nm未満の析出物として、Nb炭窒化物およびV炭窒化物が、Nb、V換算で合計、0.03〜0.15%、析出した組織を有する。
鋼中に、粒径20nm未満の析出物として析出したNb炭窒化物およびV炭窒化物の析出量がNb、V換算で合計、すなわち粒径20nm未満の析出物として析出したNb量、V量が合計で、0.03%未満では、高温加熱時のMo炭化物の析出促進が十分でなく、一方、0.15%を超えて多量に析出すると、降伏比が高くなり構造物として耐震性が低下する。また、このような微細なNb析出物および微細なV炭窒化物を多量析出させるためには、熱間圧延条件、その後の冷却条件を高度に管理する必要があり、生産性を低下させる。このため、圧延まま状態での、粒径20nm未満のNb炭窒化物およびV炭窒化物の析出量、すなわち、粒径20nm未満の析出物として析出したNb量およびV量の合計を、0.03〜0.15%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.03〜0.12%である。
対象とする鋼材から、電解抽出用試験片を採取し、電解抽出残渣法を用いて、電解残渣を抽出し、析出Nb量、析出V量を求める。電解抽出残渣法では、まず、試験片を、10%AA系電解液(10vol%アセチルアセトン−1mass%塩化テトラメチルアンモニウム・メタノール)中で、定電流電解する。そして、得られた電解液をろ過し、ろ過済みの電解液についてICP発光分光分析装置を用いて分析し、電解液中のNb量、V量をそれぞれ測定する。
上記した組成を有する鋼素材に、熱間圧延として、熱延工程、冷却工程、および析出促進処理工程を順次施して、所定の寸法形状を有する鋼材とする。
鋼素材の製造方法については、特に限定する必要はなく、上記した組成の溶鋼を転炉等の常用の溶製方法を用いて溶製し、連続鋳造法等の常用の鋳造方法で、スラブ、ビームブランク等の鋼素材とすることが好ましい。
熱間圧延のための加熱温度は、1000〜1350℃の範囲の温度とする。加熱温度が1000℃未満では、Nbの固溶が不十分で、微細なNb析出物を多量に分散させることができず、Mo炭化物の析出促進を達成できない。一方、1350℃を超える高温では、スケールロスが増加し、歩留りが低下するとともに、加熱のための燃料原単位が低下する。このため、鋼素材の再加熱温度は1000〜1350℃の範囲の温度に限定した。なお、好ましくは1100〜1250℃である。Nbの完全固溶という観点からは、好ましくは1200℃以上である。
Ar3変態点(℃)=910−273C+25Si−74Mn−54Ni−8Cu−15Cr−10Mo
(ここで、C,Si,Mn,Ni,Cu,Cr,Mo:各元素の含有量(質量%))
を用いて算出するものとする。なお、上記した式に記載の元素を含有しない場合には、当該元素を零として計算するものとする。
また、少なくとも1パスの熱間圧延の圧下率が、1.0%未満では、Nb,V析出物の歪誘起析出量が少ない。一方、10%を超えると、圧延負荷が増加し、熱間圧延が困難となる。このため、少なくとも1パスの熱間圧延の圧下率は1.0〜10%の範囲に限定した。なお好ましくは2〜8%である。
以下、実施例に基づいて、さらに本発明について説明する。
得られた結果を表4に示す。
Claims (11)
- 質量%で、
C:0.01〜0.1%、 Si:0.01〜1.0%、
Mn:0.1〜2.0%、 P:0.030%以下、
S:0.030%以下、 A1:0.003〜0.1%、
Mo:0.010〜0.30%、 Nb:0.010〜0.20%、
V:0.005〜0.50%
を、下記(1)式で定義される炭素当量Ceqが0.46%以下を満足するように調整して含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、鋼中に質量%で、粒径20nm未満の析出物として析出したNb量およびV量の合計が0.03〜0.15%であることを特徴とする高温強度に優れた耐火鋼材。
記
炭素当量Ceq(%)=C+Si/24+Mn/6+Mo/4+V/14+Ni/40+Cr/5‥‥(1)
ここで、C,Si,Mn,Mo,V,Ni,Cr:各元素の含有量(質量%) - 前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:0.01〜1.0%、Ni:0.01〜1.0%、Cr:0.05〜1.0%、B:0.0001〜0.003%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の耐火鋼材。
- 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ti:0.003〜0.02%を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の耐火鋼材。
- 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.005%、REM:0.0005〜0.005%のうちから選ばれた1種または2種を含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の耐火鋼材。
- 前記組成に加えてさらに、質量%で、Zr:0.0001〜0.003%、Mg:0.0001〜0.003%のうちから選ばれた1種または2種を含有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の耐火鋼材。
- 鋼素材を、熱間圧延して所定寸法の鋼材とするに当たり、
前記鋼素材を、質量%で、
C:0.01〜0.1%、 Si:0.01〜1.0%、
Mn:0.1〜2.0%、 P:0.030%以下、
S:0.030%以下、 A1:0.003〜0.1%、
Mo: 0.010〜0.30%、 Nb:0.010〜0.20%、
V:0.005〜0.50%
を、下記(1)式で定義される炭素当量Ceqが0.46%以下を満足するように調整して含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼素材とし、
前記熱間圧延が、1000〜1350℃の範囲の温度に加熱したのち、圧延終了温度が850℃以上となる熱間圧延を行う熱延工程と、該熱延工程後、
(Ar3変態点−30℃)〜(Ar3変態点−130℃)の範囲の温度まで空冷する冷却工程と、該冷却工程後、(Ar3変態点−30℃)〜(Ar3変態点−130℃)の範囲の温度で圧下率:1.0〜10%とする、少なくとも1パスの熱間圧延を行う析出誘起処理工程と、
を順次施す工程であることを特徴とする高温強度に優れた耐火鋼材の製造方法。
記
炭素当量Ceq(%)=C+Si/24+Mn/6+Mo/4+V/14+Ni/40+Cr/5‥‥(1)
ここで、C,Si,Mn,Mo,V,Ni,Cr:各元素の含有量(質量%) - 前記冷却工程における前記空冷に代えて、平均で20℃/s以下の冷却速度で冷却する加速冷却とすることを特徴とする請求項6に記載の耐火鋼材の製造方法。
- 前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:0.01〜1.0%、Ni:0.01〜1.0%、Cr:0.05〜1.0%、B:0.0001〜0.003%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項6または7に記載の耐火鋼材の製造方法。
- 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ti:0.003〜0.02%を含有することを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載の耐火鋼材の製造方法。
- 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.005%、REM:0.0005〜0.005%のうちから選ばれた1種または2種を含有することを特徴とする請求項6ないし9のいずれかに記載の耐火鋼材の製造方法。
- 前記組成に加えてさらに、質量%で、Zr:0.0001〜0.003%、Mg:0.0001〜0.003%のうちから選ばれた1種または2種を含有することを特徴とする請求項6ないし10のいずれかに記載の耐火鋼材の製造方法。
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