JP3999673B2 - 溶接用鋼 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は溶接性に優れた鋼に関するものであり、好ましくは大入熱溶接から小入熱溶接に至る幅広い入熱量で溶接しても熱影響部の靭性に優れる鋼(特に厚肉鋼板)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
厚肉鋼板は、船舶、海洋構造物などを建造するのに使用されており、溶接後における熱影響部(Heat Affected Zone:HAZ)の靭性に優れていることが求められる。特に前記船舶等は、その使用温度域が低下する傾向にあり、また大型化する傾向にあるため、厚肉鋼板も低温HAZ靭性に優れていること、また小入熱溶接時のみならず大入熱溶接時においてもHAZ靭性に優れていることなどが求められる。
【0003】
HAZの靭性を向上する技術として、TiNによるピンニングを利用してHAZにおけるオーステナイト粒の成長を抑制する技術が利用されている。しかし大入熱を受けたHAZでは、超微細なTiNは固溶してしまうためにオーステナイト粒の成長を抑制できず、またある程度大きなTiNはさらに粗大化してしまうため、TiNによる靭性向上効果を十分に発揮させるのは困難である。
【0004】
そこでTiNの粒径を制御して靭性を向上する技術が提案されている(特許文献1参照)。すなわちこの特許文献1では、粒径0.01〜0.1μmのTiNを5×105〜5×106個程度に制御することによって、大入熱を受けたHAZの靭性を改善している。
【0005】
しかしTiNの粒径を制御してもHAZ靭性の向上には限界があり、特に、小入熱溶接を行ったときにも大入熱溶接の場合と同様のHAZ靭性を確保するのは困難である。すなわち大入熱溶接部位の靭性を高めるためには、通常、上述したTiNを利用するだけでなく、鋼の焼入性を高めておくことも重要である。鋼の焼入性を高めておけば、大入熱溶接のように冷却速度が遅い条件でも、結晶粒が粗大化し難いため、前記TiNのピンニング効果と相俟ってHAZ靭性を確保できるからである。例えば上記特許文献1でも、焼入性を高めるためにNbを添加する例を開示している。なおNbはマトリックス中に固溶することによって焼入性を発揮する。ところがNbを固溶させて焼入性を高めると、小入熱溶接時には冷却速度が速いために、HAZにベイナイト組織が形成され、靭性が劣化する。
【0006】
すなわち大入熱溶接部と小入熱溶接部とでは、靭性の観点から相反する焼入れ特性が要求されるため、小入熱から大入熱に至る幅広い入熱量に対する靭性(特に低温靭性)を確保することはできなかった。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−98340号公報(請求項1、段落0008、段落0023、実施例)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、小入熱から大入熱に至る幅広い入熱量の溶接を行ってもHAZ靭性(特に低温靭性)に優れた鋼を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、TiN系介在物中に積極的にNbを含有させておくと、大入熱溶接時には介在物からNbが固溶していき溶接中又は溶接直後に鋼の焼入性が高まるためか、フェライト粒の粗大化を防止できHAZ靭性を確保できること、一方、小入熱溶接時の熱量程度では介在物中にNbが含まれたままであるためか、ベイナイト化を抑制できHAZ靭性を確保できること、従って小入熱から大入熱に至る幅広い入熱量の溶接を行ってもHAZ靭性を確保できることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明に係る溶接用鋼は、Ti:0.005〜0.050%(質量%の意、以下同じ)及びNb:0.005〜0.050%を含有すると共に、粒径が0.01〜0.25μmであり且つTi及びNを含有する介在物を、被検面積1mm2当たり、1.0×104個以上含有している。そして前記介在物(すなわち、粒径が0.01〜0.25μmであり且つTi及びNを含有する介在物)中のTiとNbの質量比(Ti/Nb)は1.0〜5.0になっている。
【0011】
前記鋼は、通常、鋼中のTiとNbの質量比(Ti/Nb)が0.3以上となっている。また前記鋼は、通常、C:0.01〜0.15%、Si:0.8%以下(0%を含まない)、Mn:1〜2.0%、Al:0.20%以下(0%を含まない)、及びN:0.002〜0.010%を含有している。残部はFe及び不可避的不純物(例えばP、S及び他の不純物)であってもよく、必要に応じて他の元素を含有していてもよい。
【0012】
他の元素としては、B:0.005%以下(0%を含まない)、Zr:0.05%以下(0%を含まない)、Ca:0.005%以下(0%を含まない)、Mg:0.005%以下(0%を含まない)、REM:0.005%以下(0%を含まない)、Cu:1.5%以下(0%を含まない)、Ni:3%以下(0%を含まない)、Cr:1.5%以下(0%を含まない)、Mo:1.5%以下(0%を含まない)、V:0.3%以下(0%を含まない)などが挙げられる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の鋼は、所定量のTi及びNbを含有する鋼において、TiN系介在物の粒径及び個数を所定の範囲にした上で、前記TiN系介在物中にNbを積極的に含有させている点に最大の特徴がある。以下、詳細に説明する。
【0014】
(1)Ti量
TiはTiNを形成するため本発明にとって重要な元素である。鋼中のTi量は、0.005%以上、好ましくは0.008%以上、さらに好ましくは0.010%以上とする。しかしTiを過剰に添加するとTiN系介在物が粗大化しやすくなり、またTiN系介在物中のNb量が不足しやすくなる。従って鋼中のTi量は、0.050%以下、好ましくは0.040%以下、さらに好ましくは0.030%以下とする。
【0015】
(2)Nb量
本発明ではTiN系介在物中にNbを積極的に含有させているため、Nbの添加量も重要である。Nb添加量のみで介在物中のNb量が定まるものではないが(詳細は後述)、鋼中のNb量(添加量)も介在物中のNb量を確保するためには重要な要素である。鋼中のNb量は、0.005%以上、好ましくは0.010%以上、さらに好ましくは0.012%以上とする。一方Nbが過剰になると、炭化物が析出するためHAZ靭性が劣化する。従って鋼中のNb量は、0.050%以下、好ましくは0.04%以下、さらに好ましくは0.03%以下(特に0.02%以下)とする。
【0016】
(3)TiN系介在物
TiN系介在物は、大入熱溶接時にピンニングによってオーステナイト粒の粗大化を抑制してHAZ靭性を高めるのに有用である。
【0017】
このTiN系介在物は種々の粒径を有しているが、粒径が0.01〜0.25μmの範囲に入るTiN系介在物が上記靭性の確保に有効である。粒径が小さすぎると、大入熱溶接時に固溶してしまうためピンニング効果を発揮できない。一方粒径が大きすぎると大入熱溶接時にTiN系介在物が粗大化してHAZ靭性が劣化する虞がある。なお本発明では、後述するようにTiN系介在物中に含まれるNbが大入熱溶接時に固溶し、この固溶NbがTiNの粗大化を抑制するため、TiN系介在物の最大粒径は大きめに設定されている。また本発明では、鋼中のTi量、N量、及び鋼中のTi/Nb比を前記及び後記の範囲で制御するのが望ましいが、かかる範囲で制御した場合にはTiN系介在物の粒径が0.01μm以下となることは少ない。
【0018】
TiN系介在物の粒径は、同等の面積を有する円を想定したときの直径を意味する。
【0019】
そして本発明の鋼では、前記有効な粒径のTiN系介在物を、被検面積1mm2当たり、1.0×104個以上含有している。有効な粒径のTiN系介在物の量が少なすぎると、HAZ靭性の確保が困難となる。好ましい個数は、被検面積1mm2当たり、2.0×104個以上、特に4×104個以上である。なお前記個数は、通常、20×104個以下(例えば10×104個以下、特に9.5×104個以下)程度である。
【0020】
なお本発明におけるTiN系介在物とは、TiとNを含有する介在物全てを意味し、他の元素の含有の有無は問わない。従って上記TiN系介在物の粒径及び個数は、Nbを含有しないTiN系介在物も含めた全てのTiN系介在物に対して粒径と個数を計数したときの結果を意味している。
【0021】
TiN系介在物の粒径及び個数は、以下のようにして測定する。すなわち鋼部材の熱履歴を代表する部分[例えば、鋼板であれば板面から深さt/4となる場所(t:板厚)]を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、上記所定粒径を有する介在物の個数を計数する。顕微鏡倍率は大きいほど正確であり、少なくとも6万倍以上とする。また顕微鏡視野も広い程正確であり、少なくとも1.5×1.5μmに設定する。測定箇所(n数)も多いほど正確であり、少なくとも5箇所以上とする。そして上記計数結果を基に、1mm2当たりのTiN系介在物の個数を求める。
【0022】
なおTi及びNの含有の有無は、TEMに付属するエネルギー分散型X線検出器(EDX;energy dispersive X−ray spectrometer)によって決定する。すなわちこのEDXによってTi及びNの存在が確認できた介在物をTiN系介在物とする。EDXによれば、通常、介在物中にTi及びNが共に0.3質量%以上存在している場合に、Ti及びNの存在を確認できる。
【0023】
(4)TiN系介在物中のNb
介在物中のNbは、大入熱溶接時のHAZ靭性及び小入熱溶接時のHAZ靭性を両立させるのに有用である。すなわち大入熱溶接時には、入熱量が大きいため介在物中のNbが固溶し(正確には介在物がTiNとNbNに相分離した後、高温における安定性の低いNbNが固溶し)、溶接中又は溶接直後の鋼の焼入性を高めることができるため、HAZ靭性を確保できる。また溶接時に固溶したNbは、オーステナイト粒の粗大化を防止するのに有効であり、また溶接時に固溶したNbはTiNの粗大化を遅らせるのにも有効であり、これらの観点からも大入熱溶接時のHAZ靭性を確保するために有用である。
【0024】
一方、小入熱溶接時には入熱量が小さいために介在物中のNbは固溶することがなく、ベイナイト組織が形成されるのを防止できる。従って小入熱溶接時のHAZ靭性を確保するためにも有用である。
【0025】
TiN系介在物中のNb含有量は、介在物中のTiとNbの質量比(Ti/Nb)によって規定される。介在物中のTi/Nb比は、1.0以上(好ましくは1.5以上、さらに好ましくは2.0以上)、5.0以下(好ましくは4.0以下、さらに好ましくは3.5以下)程度である。Ti/Nb比が大きすぎると(従って介在物中のNb量が少なすぎると)、前記Nbの効果を有効に発揮することができない。一方、Ti/Nb比が小さすぎると(従って介在物中のNb量が多すぎると)、TiN系介在物の高温安定性が低下し、TiNによるピンニング効果を十分に発揮することができない。
【0026】
なおTiN系介在物中のTi/Nb比は、以下のようにして算出する。すなわちNbの含有の有無を問わず全てのTiN系介在物(ただし、上記所定粒径の範囲に入るもの)を対象として各介在物中のTi量及びNb量を測定した後、総Ti量及び総Nb量を算出し、この総Ti量と総Nb量の比(総Ti量/総Nb量)をTiN系介在物中のTi/Nb比とする。
【0027】
より詳細には、前記Ti/Nb比は、透過型電子顕微鏡(TEM)に付属するEDXを用いて求める。なおTEMの測定部分、n数、顕微鏡倍率、顕微鏡視野は、上記TiN系介在物の粒径及び個数の測定方法と同様である。
【0028】
上記のような鋼を用いれば、所定粒径のTiN系介在物の個数及びTiN系介在物中のTi/Nb比(以下、TiN系介在物プロフィールと総称する場合がある)が上記範囲を外れるような鋼に比べ、大入熱溶接時のHAZ靭性を劣化させることなく(好ましくは大入熱溶接時のHAZ靭性を高めると共に)、小入熱溶接時のHAZ靭性を改善できる。そのため小入熱から大入熱に至る幅広い入熱量の溶接を行ってもHAZ靭性(特に低温靭性)に優れている。
【0029】
前記鋼は、鋼中のTi/Nb比(質量比)が所定の範囲に制御されているのが望ましい。鋼中のTi/Nb比を所定の範囲を外れると、TiN系介在物中のTi/Nb比を所定の範囲に制御するのが困難となる。鋼中のTi/Nb比は、例えば、0.3以上程度、好ましくは0.4以上程度、さらに好ましくは0.5以上程度である。鋼中のTi/Nb比の上限は特に限定されないが、通常5以下、例えば4以下、特に3以下程度である。
【0030】
本発明の鋼は、C、Si、Mn、Al、Nなどの鋼に必ず含まれる元素の量も制御するのが望ましい。これら必須元素の量を制御することによって、HAZ靭性をさらに高めることができ、また他の特性も向上又は安定化させることができる。以下、詳細に説明する。
【0031】
C : Cは鋼の強度を確保する点で重要な元素である。かかる観点からC量は、例えば0.01%以上、好ましくは0.02%以上、さらに好ましくは0.03%以上とするのが望ましい。一方C量の上限を抑制すると、冷却速度の大きい低入熱溶接時にベイナイトラス境界に生成するマルテンサイトを微細化でき、HAZ靭性をさらに高めることができる。かかる観点からC量は、例えば0.15%以下、好ましくは0.13%以下、さらに好ましくは0.10%以下程度とするのが望ましい。
【0032】
Si: Siの上限を抑制すると、HAZにおけるマルテンサイトの生成を抑制でき、鋼の靭性をさらに高めることができる。かかる観点からSi量は、例えば0.8%以下、好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.2%以下程度とするのが望ましい。一方Siは鋼の強度を確保する点では有用である。かかる観点からSi量は、例えば0.05%以上、好ましくは0.10%以上、さらに好ましくは0.13%以上程度とするのが望ましい。
【0033】
Mn: Mnは、鋼の強度及び靭性を確保する点で重要な元素である。かかる観点からMn量は、例えば1%以上、好ましくは1.1%以上、さらに好ましくは1.2%以上とするのが望ましい。一方Mnが過剰になると低温靭性が劣化しやすくなる。従ってMn量は、例えば2.0%以下、好ましくは1.7%以下、さらに好ましくは1.6%以下程度とするのが望ましい。
【0034】
Al: Alの上限を抑制すると、Siと同様にHAZにおけるマルテンサイトの生成を抑制でき、鋼の靭性をさらに高めることができる。かかる観点からAl量は、例えば0.20%以下、好ましくは0.1%以下、さらに好ましくは0.05%以下とするのが望ましい。一方Alは製鋼時の脱酸剤として使用されるため、通常、0.01%以上、例えば0.02%以上、特に0.03%以上鋼中に残存することが多い。
【0035】
N : N量はTiN系介在物プロフィールを上記範囲に制御できる限り特に限定されないが、例えば0.002%以上、好ましくは0.003%以上、さらに好ましくは0.004%以上とする。なおNが過剰になるとTiN系介在物が粗大化してTiN系介在物の個数が少なくなりやすいため、N量は例えば0.010%以下、好ましくは0.007%以下、さらに好ましくは0.006%以下程度とする。
【0036】
上記鋼は必要に応じて他の元素(例えば、B、Zrなどの窒化物形成元素;Ca、Mg、REMなどの介在物形態制御元素;Cu、Ni、Crなどの母材強度向上元素;Mo、Vなどの焼入性向上元素など)を含有していてもよく、また他の元素の含有の有無に拘わらず残部はFe及び不可避的不純物(P、S及び他の不可避的不純物)であってもよい。これら他の元素及びP,Sの量は、例えば、以下の通りとするのが望ましい。
【0037】
[窒化物形成元素]
B : Bは焼入性を高めて強度を向上させる点、及び大入熱溶接時のHAZにおいてオーステナイト粒内からフェライトが生成するときの核となるなどの点で有用な元素である。Bを添加する場合(0%超とする場合)、例えば0.0005%以上、好ましくは0.008%以上、さらに好ましくは0.0010%以上とする。一方Bが過剰になるとかえってHAZ靭性が劣化するため、B量は例えば0.005%以下、好ましくは0.004%以下、さらに好ましくは0.003%以下程度とする。
【0038】
Zr: ZrはTiと同様に窒化物を形成し、HAZのオーステナイト粒の粗大化を抑制するのに有用である。Zrを添加する場合(0%超とする場合)、例えば0.005%以上、好ましくは0.007%以上、さらに好ましくは0.010%以上とする。一方Zrが過剰になると介在物が粗大化してかえってHAZ靭性が劣化するため、Zr量は例えば0.05%以下、好ましくは0.04%以下、さらに好ましくは0.03%以下程度とする。
【0039】
上記B及びZrは単独で添加してもよく、組み合わせて添加してもよい。
【0040】
[介在物形態制御元素]
Ca: Caは介在物の形状の異方性を低減するのに有用であり、HAZ靭性を改善するのに有用である。Caを添加する場合(0%超とする場合)、例えば0.001%以上、好ましくは0.0015%以上、さらに好ましくは0.0020%以上とする。一方Caが過剰になると介在物を粗大化させ、かえってHAZ靭性が低下する。従ってCa量は、例えば、0.005%以下、好ましくは0.004%以下、さらに好ましくは0.003%以下程度とする。
【0041】
Mg: MgはTiN系介在物が析出するときの核となる酸化物を微細分散させるのに有用である。Mgを添加する場合(0%超とする場合)、0.0005%以上、好ましくは0.001%以上、さらに好ましくは0.0015%以上とする。一方Mgが過剰になると介在物を粗大化させ、かえってHAZ靭性が低下する。従ってMg量は、例えば、0.005%以下、好ましくは0.004%以下、さらに好ましくは0.003%以下とする。
【0042】
REM: REM(La、Ceなどの希土類金属元素)は、Caと同様の作用効果を有している。REMを添加する場合(0%超とする場合)、例えば、0.001%以上、好ましくは0.002%以上、さらに好ましくは0.003%以上とする。一方REMを過剰に添加すると、介在物の粗大化を助長し、かえってHAZ靭性を劣化させる。従ってREM量は、例えば、0.005%以下、好ましくは0.0045%以下、さらに好ましくは0.0040%以下程度とする。
【0043】
上記Ca、Mg、及びREMは単独で添加してもよく、2種以上組み合わせて添加してもよい。
【0044】
[母材強度向上元素]
Cu: CuはHAZ靭性を損なうことなく、母材強度及び母材靭性を改善するのに有用である。Cuを添加する場合(0%超とする場合)、Cu量は、例えば0.05%以上、好ましくは0.1%以上、さらに好ましくは0.2%以上とする。一方Cuが過剰になると、低入熱溶接時のマルテンサイト化を促進し、かえってHAZ靭性が劣化する。従ってCu量は、例えば、1.5%以下、好ましくは1.0%以下、さらに好ましくは0.8%以下とする。
【0045】
Ni: NiもCuと同様の作用効果を有する。Niを添加する場合(0%超とする場合)、Ni量は、例えば0.05%以上(好ましくは0.1%以上、さらに好ましくは0.2%以上)、3%以下(好ましくは2%以下、さらに好ましくは1.0%以下)とする。
【0046】
Cr: CrはHAZ靭性を損なうことなく、母材強度を向上するのに有用である。Crを添加する場合(0%超とする場合)、Cr量は、例えば0.05%以上、好ましくは0.10%以上、さらに好ましくは0.2%以上とする。一方Crが過剰になるとHAZ靭性が劣化するため、例えば1.5%以下、好ましくは1.3%以下、さらに好ましくは1.0%以下程度とする。
【0047】
上記Cu、Ni、及びCrは単独で添加してもよく、2種以上組み合わせて添加してもよい。
【0048】
[焼入性向上元素]
Mo: Moは鋼の焼入性及び焼戻軟化抵抗を高めるのに有用である。Moを添加する場合(0%超とする場合)、Mo量は、例えば0.01%以上、好ましくは0.05%以上、さらに好ましくは0.10%以上とする。一方Moが過剰になると、低入熱溶接後の強度を増加させ逆にHAZ靭性を劣化させる。従ってMo量は、1.5%以下、好ましくは1.0%以下、さらに好ましくは0.5%以下程度とする。
【0049】
V : VもMoと同様の作用効果を有する。Vを添加する場合(0%超とする場合)、V量は、例えば、0.001%以上(好ましくは0.005%以上、さらに好ましくは0.010%以上)、0.3%以下(好ましくは0.25%以下、さらに好ましくは0.20%以下)程度とする。
【0050】
上記Mo及びVは単独で添加してもよく、組み合わせて添加してもよい。
【0051】
[不純物]
P : Pは鋼の靭性を劣化させるため極力低減するのが望ましい。好ましいP量は0.02%以下程度(0%を含まない)である。
【0052】
S : SもPと同様、鋼の靭性を劣化させるため極力低減するのが望ましい。好ましいS量は0.02%以下程度(0%を含まない)、特に0.01%以下程度である。
【0053】
本発明の鋼はTiN系介在物の粒径及び個数を制御しながら、NbをTiN系介在物中に積極的に含有させることによって製造できる。より正確には、以下の現象を制御することによって製造できる。すなわち溶鋼の凝固過程においてTiN系介在物が析出し、このTiN系介在物中に一旦Nbが取り込まれる。そしてその後に高温でさらされる時間が長くなると(例えば鋳片や鋼片の冷却時間が長くなったり、分塊圧延時や熱間圧延時の加熱温度が高くなると)、TiN系介在物中のNbがマトリックス中に固溶していき、TiN系介在物中のNb含有量が減少していくと共に、TiN系介在物自体も徐々に(Nb無添加鋼に比べればゆるやかながら)粗大化してその個数が減少する。従ってまず(1)鋼中のNb量に合わせて鋼の凝固後の熱履歴条件を制御してTiN系介在物中のNb量を制御すると共に、(2)この設定された熱履歴条件から逆算して凝固末期におけるTiN系介在物の粒径及び個数を調整すれば本発明の鋼を製造できる。
【0054】
(1)TiN系介在物中のNb量の制御
TiN系介在物中のNb量は、鋼中のNb量に合わせて熱履歴条件を制御することによって調整できる。例えばTiN系介在物中のTi/Nb比を1.0〜5.0とする場合には下記(1−1)〜(1−3)に従えばよく、Ti/Nb比をより厳密に制御する場合には下記(1−1)〜(1−3)を適宜修正すればよい。
【0055】
(1−1)鋼中のTi/Nb比が0.5以下の場合
鋼中のTi/Nb比が0.5以下の場合、Tiに比べてNbが比較的多くなっていて、TiN系介在物中にNbが含まれやすい状況にあるといえる。この場合、下記(1−2)〜(1−3)の場合に比べれば、TiN系介在物中のNbをマトリックス中に固溶させるような熱履歴条件に設定する。具体的にはスラブ厚を280mm以上としてスラブの冷却速度を遅くすると共に、分塊圧延及び熱間圧延の加熱温度を1100℃以上として高く設定する。
【0056】
(1−2)鋼中のTi/Nb比が2.0を超える場合
鋼中のTi/Nb比が2.0を超える場合、Tiに比べてNbが比較的少なくなっていて、TiN系介在物中にNbが含まれにくい状況にあるといえる。この場合には、TiN系介在物中のNbをできるだけ固溶させないような熱履歴条件に設定する。具体的にはスラブ厚を280mm以下としてスラブの冷却速度を速くすると共に、分塊圧延及び熱間圧延の加熱温度を1000℃以下として低く設定する。
【0057】
(1−3)鋼中のTi/Nb比が0.5超、2.0以下の場合
この場合にはスラブ厚を280〜400mmとし、分塊圧延及び熱間圧延の加熱温度を1000〜1200℃とする。
【0058】
(2)TiN系介在物の粒径及び個数の制御
上記のようにして設定された熱履歴条件から逆算して凝固末期のTiN系介在物中の粒径及び個数を調整すれば、最終的に得られる鋼中のTiN系介在物の粒径及び個数を上記所定の範囲に制御できる。
【0059】
すなわち凝固後の鋼が高温にさらされる時間が長くなる程、TiN系介在物は粗大化して個数が少なくなる傾向があるため、凝固末期の酸化物介在物を多くして凝固末期ではTiN系介在物を微細に数多く分散させておけばよい。
【0060】
具体的には、(a)鋼中のTi量が多くなる程、また鋼中のN量が多くなる程、TiN系介在物が粗大化して個数が少なくなる傾向にあり、(b)鋼中のMg量が多くなる程TiN系介在物が微細分散し、かつ前記Mg量が過剰になるとTiN系介在物が粗大化する傾向にあるため、これらTi量及び必要に応じてN量、Mg量を適当に制御すれば、TiN系介在物の粒径及び個数を本発明の範囲に制御することができる。
【0061】
上述のようにして得られる本発明の鋼は、TiN系介在物の粒径及び個数、並びにTiN系介在物中のNb量が適切に制御されているため、HAZの靭性(特に低温靭性)に優れている。
【0062】
また本発明の鋼は、C、Si、Mn、Al、Nなどの必須元素(及び必要に応じて他の元素)を適切な範囲に制御すれば高張力(例えば引張強さ500MPa以上程度、好ましくは引張強さ600MPa以上程度)の鋼とすることができるため、高張力と靭性(特に低温靭性)を両立することもできる。
【0063】
本発明は棒鋼などに適用することを否定するものではないが、通常、鋼板、特に厚板(例えば30mm以上、好ましくは40mm以上)に適用される。
【0064】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0065】
実験例1〜38
下記表1〜2に示す鋼板を溶製して下記表3に示す厚さのスラブを製造した。このスラブを下記表3〜4に示す温度で分塊圧延し、次いで下記表3〜4に示す温度で厚さ50mmまで熱間圧延した後、水冷し、次いで温度600℃で焼戻しすることによって厚板を製造した。
【0066】
前記厚板中のTiN系介在物のプロフィール、引張強さ及び溶接性を下記のようにして測定した。
【0067】
(1)TiN系介在物のプロフィール1
透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、板面と垂直な断面を板厚方向のt/4付近(t:板厚)で観察した。顕微鏡倍率を6万倍、視野を1.5×1.5μmに設定し、合計で5視野分を観察した。粒径が0.01〜0.25μmとなるTiN系介在物の個数をカウントし、1mm2当たりの個数を算出した。
【0068】
(2)TiN系介在物のプロフィール2
透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、板面と垂直な断面を板厚方向のt/4付近(t:板厚)で観察した。EDX分析を行い、粒径が0.01〜0.25μmとなるTiN系介在物中のNb/Ti比を算出した。
【0069】
(3)引張強さ
前記厚板からJIS Z2201に規定する5号試験片を切り出した。この試験片を用い、JIS Z2241に準拠して引張強さを特定した。
【0070】
(4)溶接性1(小入熱部分)
前記厚板からJIS Z2202に規定するVノッチ試験片を切り出した。この試験片を温度1350℃に加熱した後、温度800〜500℃の範囲を約60秒かけて冷却することにより、溶接入熱量=100kJ/cmに相当する熱サイクルを与えた。JIS Z2242に準拠して、温度−60℃におけるシャルピー衝撃値を測定した。3本の試験片についてシャルピー衝撃値を測定し、その平均値を厚板のシャルピー衝撃値とした。
【0071】
(3)溶接性2(大入熱部分)
試験片を温度1350℃に加熱した後、温度800〜500℃の範囲を約400秒かけて冷却することにより、溶接入熱量=500kJ/cmに相当する熱サイクルを与える以外は、前記溶接性1(小入熱部分)と同様にした。
【0072】
結果を表3〜4に示す。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】
【0077】
[鋼中のTi・Nb量及びTiN系介在物プロフィールに関して]
鋼中のTi量及びNb量が不適切な場合、TiN系介在物プロフィールを適切な範囲に制御することが困難であり、溶接性を改善できない(実験例24、26、27参照)。
【0078】
実験例29〜38は、鋼中のTi量及びNb量が適切であって、鋼板の製造条件を適切に設定すればTiN系介在物プロフィールを適切な範囲に制御可能な鋼種(1,6,7,16,22,23,25)を使用しているにも拘わらず、製造条件が適切な範囲に制御されていない結果、TiN系介在物プロフィールが不適切となっており、溶接性に劣る。より詳細には実験例29〜32及び35〜38では、TiN系介在物中のTi/Nb比が大きすぎるため(従って固溶Nb量が多すぎるため)、鋼の焼入性が高くなり過ぎており、特に小入熱溶接時の靭性が劣化する。また実験例33〜34では、TiN系介在物中のTi/Nb比が小さすぎるため(従って介在物中のNb量が多すぎるため)、介在物のピンニング効果が不十分となってオーステナイト粒が粗大化し易くなるため、特に大入熱溶接時の靭性が劣化する。
【0079】
これに対して、実験例1、実験例6、実験例7、実験例16、実験例22、実験例23、及び実験例25では、前記実験例29〜38と同じようにTi量及びNb量が適切な鋼種(1,6,7,16,22,23,25)を使用しており、しかも鋼板の製造条件を適切な範囲に制御し、TiN系介在物プロフィールを適切な範囲に制御しているため、小入熱溶接時のシャルピー衝撃値性及び大入熱溶接時のシャルピー衝撃値が前記実験例29〜38よりも向上している。
【0080】
以上より明らかなように、鋼中のTi量及びNb量を適正化してTiN系介在物プロフィールを適正化すれば、鋼板の溶接性は向上する。
【0081】
[Ti及びNb以外の化学成分に関して]
前記実験例1、6、7及び実験例16を含む実験例1〜20では、Ti及びNb以外の化学組成も適切な範囲に制御されているため、小入熱溶接時のシャルピー衝撃値性及び大入熱溶接時のシャルピー衝撃値が共に70J以上となっている。
【0082】
一方、実験例21〜23、25及び28では、Ti及びNb以外の化学成分が不適切であるため(すなわち実験例21はCが過剰であり、実験例22はSiが過剰であり、実験例23はMnが過剰であり、実験例25はNが過剰であり、実験例28はAlが過剰であるため)、TiN系介在物プロフィールを適切な範囲に制御しても、小入熱時及び大入熱時のシャルピー衝撃値を共に70以上にすることは困難である。
【0083】
以上より明らかなように、Ti及びNb以外の化学成分も適正化すれば、溶接性を十分に高くできる。
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば、鋼中のTi量及びNb量を適正化してTiN系介在物プロフィールを適正化しているため、小入熱、大入熱などの入熱量に拘わらず、溶接後のHAZ靭性(特に低温靭性)を高めることができる。
Claims (6)
- C:0.01〜0.15%(質量%の意、以下同じ)、Si:0.8%以下(0%を含まない)、Mn:1〜2.0%、Al:0.20%以下(0%を含まない)、N:0.002〜0.010%、Ti:0.005〜0.050%、Nb:0.005〜0.050%、残部:Fe及び不可避的不純物、を満たす鋼であって、
粒径が0.01 〜0.25μmであり且つTi及びNを含有する介在物を、被検面積1mm2当たり、1.0×104個以上含有し、
前記介在物中のTiとNbの質量比(Ti/Nb)が1.0 〜5.0であることを特徴とする溶接用鋼。 - 鋼中のTiとNbの質量比(Ti/Nb)が0.3以上である請求項1に記載の溶接用鋼。
- B:0.005%以下(0%を含まない)及びZr:0.05%以下(0%を含まない)から選択された少なくとも1種を含有する請求項1または2に記載の溶接用鋼。
- Ca:0.005%以下(0%を含まない)、Mg:0.005%以下(0%を含まない)、REM:0.005%以下(0%を含まない)から選択された少なくとも1種を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の溶接用鋼。
- Cu:1.5%以下(0%を含まない)、Ni:3%以下(0%を含まない)、及びCr:1.5%以下(0%を含まない)から選択された少なくとも1種を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の溶接用鋼。
- Mo:1.5%以下(0%を含まない)、及びV:0.3%以下(0%を含まない)から選択された少なくとも1種を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の溶接用鋼。
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