JP5881265B1 - 加熱調理器 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱室内の温度分布を極力均一にすることで調理ムラが生じにくい加熱調理器を提供する。【解決手段】本発明の加熱調理器1は、加熱室2と、蒸気発生装置3と、給気ダクト4と、加熱室2の第1の側板に設けられた第1の吹出口5と、第1の側板に対向する第2の側板に設けられた第2の吹出口6と、を備え、加熱室2の対角線によって区画される2つの領域に対し、第1の吹出口5は2つの領域のうちの第1の領域に設けられ、第2の吹出口6は2つの領域のうちの第2の領域に設けられ、第1の吹出口5の吹き出し方向は加熱室2の中心よりも第1の領域側にあり、第2の吹出口6の吹き出し方向は加熱室2の中心よりも第2の領域側にある。【選択図】図1

Description

本発明は、加熱調理器に関する。
水蒸気発生装置で発生させた水蒸気を加熱室に導入し、高温の水蒸気により食品を加熱調理するタイプの加熱調理器が従来から知られている。例えば、加熱室の左右の側壁から熱風を吹き出す構成の加熱調理器が、下記の特許文献1に開示されている。この加熱調理器の場合、加熱室内に熱風を吹き出すための多数の吹出孔は、加熱室の左右の側壁における前後方向の全体にわたって設けられている。
特許第5433353号公報
特許文献1に記載の加熱調理器においては、加熱室の左右の側壁の吹出孔が互いに対向する位置に設けられていた。そのため、左右の吹出孔から吹き出された熱風が加熱室の中央部でぶつかって淀みが生じ、加熱室の中央部が集中的に加熱される傾向にあった。これにより、加熱室内の温度分布が不均一となり、調理ムラが生じるという問題があった。
本発明の一つの態様は、上記の課題を解決するためになされたものであって、加熱室内の温度分布を極力均一にすることで調理ムラが生じにくい加熱調理器を提供することを目的の一つとする。
上記の目的を達成するために、本発明の一つの態様の加熱調理器は、食品を収容して加熱する加熱室と、蒸気を発生させる蒸気発生装置と、前記蒸気を前記蒸気発生装置から前記加熱室に導く給気ダクトと、前記加熱室の第1の側板に設けられ、前記給気ダクトを介して前記蒸気発生装置から供給される前記蒸気を前記加熱室の内部に吹き出す第1の吹出口と、前記第1の側板に対向する第2の側板に設けられ、前記給気ダクトを介して前記蒸気発生装置から供給される前記蒸気を前記加熱室の内部に吹き出す第2の吹出口と、を備える。前記加熱室の対角線によって区画される2つの領域に対し、前記第1の吹出口は、前記2つの領域のうちの第1の領域に設けられ、前記第2の吹出口は、前記2つの領域のうちの第2の領域に設けられ、前記第1の吹出口の吹き出し方向は、前記加熱室の中心よりも前記第1の領域側にあり、前記第2の吹出口の吹き出し方向は、前記加熱室の中心よりも第2の領域側にある。
本発明の一つの態様の加熱調理器は、前記加熱室内の前記蒸気を排気する排気ダクトと、前記加熱室内の前記蒸気を前記排気ダクトに吸い込む吸込口と、をさらに備え、前記吸込口が前記第1の吹出口と前記第2の吹出口とを含む仮想平面に平行な天板もしくは側板に設けられていてもよい。
本発明の一つの態様の加熱調理器は、前記加熱室内の前記蒸気を排気する排気ダクトと、前記加熱室内の前記蒸気を前記排気ダクトに吸い込む吸込口と、をさらに備え、前記吸込口が前記加熱室の背板に設けられていてもよい。
本発明の一つの態様の加熱調理器は、前記食品を載置する網と、前記網を載置するトレイと、をさらに備え、前記網および前記トレイを前記加熱室内に設置した状態において、前記第1の吹出口の少なくとも一部および前記第2の吹出口の少なくとも一部は、前記網の食品載置面よりも下方に位置していてもよい。
本発明の一つの態様の加熱調理器において、前記網は、前記食品載置面を有する網本体と、脚部と、を備え、前記脚部は、前記第1の吹出口からの前記蒸気の吹出方向、もしくは前記第2の吹出口からの前記蒸気の吹出方向に略平行に設けられた第1のガイド部を有していてもよい。
本発明の一つの態様の加熱調理器において、前記脚部は、前記第1の吹出口からの前記蒸気の吹出方向、もしくは前記第2の吹出口からの前記蒸気の吹出方向に交差して設けられた第2のガイド部を有していてもよい。
本発明の一つの態様の加熱調理器においては、前記加熱室を平面視したときの前記加熱室内の形状において、前記加熱室の角部が外側に凸の曲面部を有していてもよい。
本発明の一つの態様の加熱調理器は、食品を収容して加熱する加熱室と、蒸気を発生させる蒸気発生装置と、前記蒸気を前記蒸気発生装置から前記加熱室に導く給気ダクトと、前記加熱室の側板に設けられ、前記給気ダクトを介して前記蒸気発生装置から供給される前記蒸気を前記加熱室の内部に吹き出す吹出口と、を備え、前記吹出口から吹き出された前記蒸気が、前記加熱室内で渦状に流れるようにされたことを特徴とする。
本発明の一つの態様の加熱調理器は、前記加熱室内の前記蒸気を排気する排気ダクトと、前記加熱室内の前記蒸気を前記排気ダクトに吸い込む吸込口と、をさらに備え、前記吸込口が前記吹出口を含む仮想平面に平行な天板もしくは側板に設けられていてもよい。
本発明の一つの態様の加熱調理器は、前記食品を載置する網と、前記網を載置するトレイと、を備え、前記網または前記トレイの一部が、前記蒸気が前記加熱室内で渦状に流れるためのガイドとなっていてもよい。
本発明の一つの態様によれば、加熱室内の温度分布を極力均一にすることで調理ムラが生じにくい加熱調理器を実現できる。
第1実施形態の加熱調理器を示す斜視図である。 加熱調理器の平断面図である。 加熱調理器の側断面図である。 加熱室内の網を示す図であって、(A)平面図、(B)正面図、(C)側面図、である。 網の変形例を示す図であって、(A)平面図、(B)正面図、(C)側面図、である。 加熱調理器の変形例を示す平面図である。 第2実施形態の加熱調理器を示す斜視図である。 加熱調理器の平断面図である。 第3実施形態の加熱調理器の平断面図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図4を用いて説明する。
第1実施形態の加熱調理器は、水蒸気を用いたオーブン調理が可能な加熱調理器の一例である。
図1は、第1実施形態の加熱調理器を示す斜視図である。図2は、加熱調理器の平断面図である。図3は、加熱調理器の側断面図である。
以下の各図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。以下の説明では、加熱調理器の各方向を示す語句として、使用者が扉を正面から見たときの左右方向、上下方向、および前後方向を用いる。
図1〜図3に示すように、本実施形態の加熱調理器1は、加熱室2と、蒸気発生装置3と、給気ダクト4と、第1の吹出口5と、第2の吹出口6と、排気ダクト7と、吸込口8と、網9と、トレイ10と、を備える。加熱室2は、食品Wを内部に収容して加熱調理を行うための箱状の容器である。蒸気発生装置3は、加熱室に供給するための水蒸気を発生させる。給気ダクト4は、水蒸気を蒸気発生装置3から加熱室2の内部に導く。第1の吹出口5および第2の吹出口6は、給気ダクト4を介して蒸気発生装置3から供給される水蒸気を加熱室2の内部に吹き出すための開口である。吸込口8は、加熱室2の内部の水蒸気を排気ダクト7に吸い込んで排気するための開口である。
網9には、調理対象である食品Wが載置される。トレイ10には、食品Wを載置した網9が載置される。これにより、食品Wは、トレイ10の上方に位置し、トレイ10とは接触しない状態となる。食品Wを網9の上に載置して調理を行うことにより、水蒸気が食品Wの上面側のみならず、食品Wの下面側にも流通するため、食品Wの両面を同時に加熱することができる。
加熱室2の前面に、扉12が設けられている。扉12の上部に、取っ手13が設けられている。使用者は、取っ手13を用いて扉12を開閉することができる。扉12に、加熱室2の内部を視認するための窓14が設けられている。窓14の側方に、使用者が種々の操作を行うための操作部15が設けられている。
蒸気発生装置3は、図2に示すように、加熱室2の背板17の後方に設けられている。蒸気発生装置3は、水タンク(図示略)から供給された水をヒーター(図示略)によって加熱することにより、熱媒体としての飽和水蒸気を生成する。蒸気発生装置3で生成された水蒸気は、給気ダクト4を介して加熱室2の内部に導入される。本実施形態においては、加熱室2の前方から見て右側の給気ダクト4を第1の給気ダクト21と称し、加熱室2の前方から見て左側の給気ダクト4を第2の給気ダクト22と称する。第1の給気ダクト21は、加熱室2の上下方向に所定の間隔をおいて配置された第1の上部ダクト21Tと第1の下部ダクト21Bとから構成されている。同様に、第2の給気ダクト22は、加熱室2の上下方向に所定の間隔をおいて配置された第2の上部ダクト22Tと第2の下部ダクト22Bとから構成されている。これら給気ダクトの内部には、ヒーター23が設けられている。
図1および図2に示すように、第1の上部ダクト21Tからの水蒸気の吹出口である第1の上部吹出口5Tは、加熱室2の右側板18における前方側に設けられている。同様に、第1の下部ダクト21Bからの水蒸気の吹出口である第1の下部吹出口5Bは、加熱室2の右側板18における前方側に設けられている。一方、第2の上部ダクト22Tからの水蒸気の吹出口である第2の上部吹出口6Tは、加熱室2の左側板19における後方側に設けられている。同様に、第2の下部ダクト22Bからの水蒸気の吹出口である第2の下部吹出口6Bは、加熱室2の左側板19における後方側に設けられている。すなわち、第1の上部吹出口5Tと第2の上部吹出口6Tとは、加熱室2の前後方向に互いにずれた位置に設けられている。同様に、第1の下部吹出口5Bと第2の下部吹出口6Bとは、加熱室2の前後方向に互いにずれた位置に設けられている。
以下の説明において、第1の上部吹出口5Tと第1の下部吹出口5Bを第1の吹出口5と総称し、第2の上部吹出口6Tと第2の下部吹出口6Bを第2の吹出口6と総称する場合もある。
本実施形態においては、第1の吹出口5と第2の吹出口6とが前後方向で全く重ならない程度に大きくずれた例を挙げたが、第1の吹出口5の一部と第2の吹出口6の一部とが前後方向で重なる程度のずれを有していてもよい。換言すると、第1の吹出口5の中心と第2の吹出口6の中心とが前後方向にずれていればよい。また、第1の吹出口5および第2の吹出口6は、図面に矩形で示す部分が一つの開口であってもよいし、矩形で示す部分の中に複数の開口が設けられていてもよい。開口の形状は、矩形でも円形でもよく、特に限定されない。
加熱室2の上下方向における各吹出口の位置については、図3に示すように、第2の上部吹出口6Tは、網9の食品載置面9Sよりも上方にあたる高さに設けられている。一方、第2の下部吹出口6Bは、トレイ10と網9との間であって、網9の食品載置面9Sよりも下方にあたる高さに設けられている。第1の上部吹出口5Tおよび第1の下部吹出口5Bは、図3には示されないが、第2の上部吹出口6Tおよび第2の下部吹出口6Bと同等の高さにそれぞれ設けられている。すなわち、第1の上部吹出口5Tは、網9の食品載置面9Sよりも上方にあたる高さに設けられている。第1の下部吹出口5Bは、トレイ10と網9との間であって、網9の食品載置面9Sよりも下方にあたる高さに設けられている。
排気ダクト7は、加熱室2の天板20から背板17にわたって設けられている。加熱室2の内部の水蒸気を排気ダクト7に吸い込むための吸込口8は、加熱室2の天板20の略中央に設けられている。給気ダクト4と排気ダクト7を含む水蒸気の循環経路には、水蒸気を流動させるためのファン(図示略)が設けられている。
本実施形態の加熱調理器1は、上記のような水蒸気の吹出口および吸込口を有しているため、加熱室2の内部に水蒸気の旋回流を形成することができる。
図2に示すように、第1の吹出口5が加熱室2の右側板18の前側に設けられているため、第1の吹出口5から吹き出された水蒸気は、加熱室2の内部の前方側を右側から左側に向けて流れる。すなわち、第1の吹出口5からの水蒸気の吹出方向は、加熱室2の前面に平行であり、右側から左側に向かう方向である。
一方、第2の吹出口6が加熱室2の左側板19の後側に設けられているため、第2の吹出口6から吹き出された水蒸気は、加熱室2の内部の後方側を左側から右側に向けて流れる。すなわち、第2の吹出口6からの水蒸気の吹出方向は、加熱室2の背面に平行であり、左側から右側に向かう方向である。これにより、水蒸気は、加熱室2を上方から見て、右回り(時計回り)に旋回する流れを形成する。さらに、吸込口8が加熱室2の天板20の略中央に設けられているため、図3に示すように、加熱室2内の水蒸気は、天板20の中央から排気される。以上の作用により、加熱室2の内部に渦巻き状の水蒸気の旋回流が形成される。
図2において、加熱室2を平面視したとき、加熱室2の右上(右奥)の角部と左下(左手前)の角部とを結び、加熱室2の中心Cを通る対角線を想定する。加熱室2の対角線によって区画される2つの領域に対し、第1の吹出口5は、2つの領域のうちの第1の領域2Aに設けられ、第2の吹出口6は、2つの領域のうちの第2の領域2Bに設けられている。また、矢印F1で示す第1の吹出口5の吹き出し方向は、加熱室2の中心Cよりも第1の領域2A側にあり、矢印F2で示す第2の吹出口6の吹き出し方向は、加熱室2の中心Cよりも第2の領域2B側にある。
従来の加熱調理器においては、加熱室の左右の吹出口が互いに対向する位置に設けられていた。そのため、吹き出された熱風が加熱室の中央部でぶつかって淀みが生じ、加熱室の中央部が集中的に加熱される傾向にあった。これにより、加熱室内の温度分布が不均一となり、調理ムラが生じるという問題があった。これに対し、本実施形態の加熱調理器1においては、水蒸気の旋回流が生じるため、加熱室内の温度分布が従来に比べて均一になる。その結果、調理ムラが生じにくいという効果が得られる。
また、本実施形態の加熱調理器1においては、第1の下部吹出口5Bおよび第2の下部吹出口6Bが網9の食品載置面9Sよりも下方に位置している。そのため、第1の下部吹出口5Bおよび第2の下部吹出口6Bから吹き出された水蒸気の多くが食品Wの下面に当たり、食品Wの下面を十分に加熱することができる。これにより、食品Wの両面を同時に調理することができる。
さらに、本実施形態の加熱調理器1は、網9の下方空間の水蒸気の流れについても、旋回流を形成しやすい構成を有する。
図4(A)〜(C)に示すように、網9は、食品載置面9Sを有する網本体25と、脚部26と、を備える。脚部26は、板状の第1のガイド部27および第2のガイド部28から構成されている。第1のガイド部27および第2のガイド部28の各々は、網本体25の4つの角部のそれぞれから矩形状の網本体25の一辺に沿って一辺の途中まで延びている。第1のガイド部27は、第1の吹出口5からの水蒸気の吹出方向(矢印Aで示す)、もしくは第2の吹出口6からの蒸気の吹出方向(矢印Bで示す)に略平行に設けられている。第2のガイド部28は、第1の吹出口5からの水蒸気の吹出方向A、もしくは第2の吹出口6からの水蒸気の吹出方向Bに対して略垂直に設けられている。
上記の構成を有する脚部26は、網本体25の下方空間において水蒸気の流れをガイドする。すなわち、第1の吹出口5から吹き出された水蒸気は、第1のガイド部27に沿って流れた後、第2のガイド部28にぶつかって流れの方向を変え、次に第2のガイド28に沿って流れる。この作用を繰り返すことにより、網本体25の下方空間における水蒸気の流れは旋回流となる。このような脚部26を備えた網9を用いることにより、加熱室2内の温度分布を網9の下方空間においてより均一化できる。また、網本体25の平面形状は、正方形状でも長方形状でもよい。網本体25が正方形状である場合、網9の全体構成が回転対称となり、網9をトレイ10上にどのような向きに置いても同様の効果が得られる。
なお、図4(A)〜(C)に示す網9に代えて、図5(A)〜(C)に示す網31を用いてもよい。
図5(A)〜(C)に示す網31において、第1のガイド部32は、矩形状の網本体25の一辺の全体にわたって一つの角部から隣の角部まで延びている。第2のガイド部33は、矩形状の網本体25の一辺に沿って一辺の途中まで延びている。したがって、この網31の場合、第1のガイド部32は第2のガイド部33に接している。この網31を用いた場合も、図4(A)〜(C)に示す網9を用いた場合と同様の効果が得られる。ただし、水蒸気を網本体25の下方空間に閉じ込める効果については、網31の方が図4(A)〜(C)に示す網よりも大きい。なお、図5(A)に示す網31の向きから網31を90°回転させて置いた場合、上記の効果は得られなくなる。よって、図5(A)〜(C)に示す網31の場合、網31を置く向きが制約される。
図6に示すように、加熱室を上方から見たときの加熱室の形状について、加熱室36の4つの角部は、外側に凸の曲面部36Rを有していてもよい。すなわち、加熱室36の4つの角部は、直角に尖っておらず、丸みを帯びていてもよい。また、第1の吹出口5に臨む第1の給気ダクト37の角部に近い側の壁部37Cを角部から遠い側の壁部37Dに対して傾け、壁部37Cを曲面部36Rに沿わせる形状としてもよい。第2の吹出口6に臨む第2の給気ダクト38も同様である。この場合、水蒸気の吹出方向は、曲面部36Rに沿う方向(矢印Eで示す)となる。
この構成によれば、加熱室36の角部が曲面部36Rを有し、水蒸気が曲面部36Rに沿って吹き出されるため、加熱室36の角部における水蒸気の淀みが生じにくくなる。これにより、加熱室36の全体の温度分布をより均一にすることができる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、図7を用いて説明する。
第2実施形態の加熱調理器の基本構成は第1実施形態と同様であり、吸込口の位置が第1実施形態と異なる。
図7は、第2実施形態の加熱調理器を示す斜視図である。図8は、加熱調理器の平断面図である。
図7および図8において、第1実施形態で用いた図1および図2と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
図7および図8に示すように、第2実施形態の加熱調理器41において、吸込口42は、加熱室2の背板17の左端寄りの位置に設けられている。吸込口42は、上部吸込口42Tと下部吸込口42Bとから構成されている。ただし、吸込口の個数は特に限定されない。これに伴い、排気ダクト43は、背板17の後方に設けられている。その他の構成は、第1実施形態と同様である。網についても、第1実施形態で例示したものを用いることができる。
本実施形態の場合も、第1の吹出口5が加熱室2の前方側に設けられ、第2の吹出口6が加熱室2の後方側に設けられているため、水蒸気は、加熱室2の内部を右回り(時計回り)に旋回する流れを形成する。さらに、吸込口42が加熱室2の背板17の左端寄りの位置に設けられているため、加熱室2の内部の水蒸気は、右回りに旋回しつつ、一部の水蒸気が背板17の左寄りの吸込口42から排気される。
本実施形態においても、水蒸気の旋回流が生じるため、加熱室内の温度分布が従来に比べて均一化され、調理ムラが生じにくい加熱調理器を実現できる、という第1実施形態と同様の効果が得られる。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について、図9を用いて説明する。
図9は、第3実施形態の加熱調理器の平断面図である。
図9において、第1実施形態で用いた図2と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
第1実施形態では、図2に示すように、第1の吹出口5の吹き出し方向および第2の吹出口6の吹き出し方向は、加熱室2の前面および背面に平行な方向であった。この構成に代えて、第1の吹出口5の吹き出し方向および第2の吹出口6の吹き出し方向は、加熱室2の前面および背面に対して斜めに傾いていてもよい。例えば図9に示す構成においては、各給気ダクトの流路が各吹出口の手前で直角以外の方向に折り曲げられている。具体的には、第1の給気ダクト21の流路は鋭角に折り曲げられ、第2の給気ダクト22の流路は鈍角に折り曲げられている。これにより、第1の吹出口5の吹き出し方向(矢印F1で示す)は、右下から左上に向かう方向(右手前から左奥に向かう方向)に傾いている。第2の吹出口6の吹き出し方向(矢印F2で示す)は、左上から右下に向かう方向(左奥から右手前に向かう方向)に傾いている。
図9において、加熱室2を平面視したとき、加熱室2の左上(左奥)の角部と右下(右手前)の角部とを結び、加熱室2の中心Cを通る対角線を想定する。図9の例では、各吹出口の吹き出し方向は第1実施形態と異なるが、加熱室2の対角線によって区画される2つの領域に対し、第1の吹出口5は、2つの領域のうちの第1の領域2Aに設けられ、第2の吹出口6は、2つの領域のうちの第2の領域2Bに設けられている。また、第1の吹出口5の吹き出し方向F1は、加熱室2の中心Cよりも第1の領域2A側にあり、第2の吹出口6の吹き出し方向F2は、加熱室2の中心Cよりも第2の領域2B側にある点は、第1実施形態と同様である。この構成の場合にも、他の実施形態と同様、加熱室2の内部に水蒸気の渦流を形成することができる。さらに、このように各吹出口の吹き出し方向を傾けた場合、加熱室の左右の吹出口の位置を必ずしも前後方向にずらさなくても、渦流を形成することができる。少なくとも、第1の吹出口5の吹き出し方向F1と第2の吹出口6の吹き出し方向F2とが交差しないようにすれば、渦流を形成することができる。
なお、加熱室の左右の吹出口の位置を前後方向にずらす場合、蒸気発生装置を加熱室の背面中央に配置すると、蒸気発生装置から各吹出口までの左右の給気ダクトの長さが異なることになる。左右の給気ダクトの熱効率のバランスを改善するためには、図9に示すように、蒸気発生装置3を加熱室2の背面中央からずらして配置し、左右の給気ダクトの長さを揃えればよい。この構成は他の実施形態にも適用が可能である。
また、食品を載置する網やトレイの一部に切り起こしのような部分を設けることにより、水蒸気の渦状の流れを生じやすくしてもよい。この場合、網やトレイの横方向から流れてきた水蒸気の一部が切り起こしに当たり、上部へ流れる。このように、網またはトレイの一部が、加熱室内で水蒸気を渦状に流すためのガイドとして機能してもよい。このようなガイドがある場合、勿論、左右の吹出口はあってもよいが、吹出口は一つだけでもよい。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば上記実施形態では、第1の吹出口と第2吹出口とは、加熱室の前後方向に互いにずれた位置に設けられているが、加熱室の上下方向で見れば、同じ高さに設けられていた。この構成に代えて、第1の吹出口と第2吹出口とは、加熱室の前後方向にずれ、かつ、加熱室の上下方向に互いにずれた位置に設けられていてもよい。その場合、加熱室内の水蒸気の流れは、略水平面に沿う旋回流ではなく、水平面から斜めに傾いた旋回流となる。これにより、加熱室内の温度分布を均一化することができる。
その他、加熱調理器を構成する各種構成要素の数、配置、形状等の具体的な構成は、上記実施形態に限らず、適宜変更が可能である。
本発明は、オーブンレンジ等の加熱調理器に利用が可能である。
1,41…加熱調理器、2,36…加熱室、2A…第1の領域、2B…第2の領域、3…蒸気発生装置、4…給気ダクト、5…第1の吹出口、6…第2の吹出口、7,43…排気ダクト、8,42…吸込口、9,31…網、9S…食品載置面、10…トレイ、17…背板、18…右側板、19…左側板、20…天板、25…網本体、26…脚部、27,32…第1のガイド部、28,33…第2のガイド部。

Claims (9)

  1. 食品を収容して加熱する加熱室と、
    前記食品を載置する網と、
    前記網を載置するトレイと、
    蒸気を発生させる蒸気発生装置と、
    前記蒸気を前記蒸気発生装置から前記加熱室に導く給気ダクトと、
    前記加熱室の第1の側板に設けられ、前記給気ダクトを介して前記蒸気発生装置から供給される前記蒸気を前記加熱室の内部に吹き出す第1の吹出口と、
    前記第1の側板に対向する第2の側板に設けられ、前記給気ダクトを介して前記蒸気発生装置から供給される前記蒸気を前記加熱室の内部に吹き出す第2の吹出口と、
    を備え、
    前記加熱室の対角線によって区画される2つの領域に対し、前記第1の吹出口は前記2つの領域のうちの第1の領域に設けられ、前記第2の吹出口は前記2つの領域のうちの第2の領域に設けられ、
    前記網および前記トレイを前記加熱室内に設置した状態において、前記第1の吹出口の少なくとも一部は、前記網の食品載置面よりも上方または下方のいずれか一方に位置し、前記第2の吹出口の少なくとも一部は、前記網の食品載置面よりも上方または下方のいずれか他方に位置することを特徴とする加熱調理器。
  2. 前記第1の吹出口の吹き出し方向と、前記第2の吹出口の吹き出し方向と、が略対向することを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
  3. 前記第1の吹出口は、前記網の食品載置面の上方および下方に位置し、前記第2の吹出口は、前記網の食品載置面の上方および下方に位置する請求項1または請求項2に記載の加熱調理器。
  4. 前記加熱室内の前記蒸気を排気する排気ダクトと、
    前記加熱室内の前記蒸気を前記排気ダクトに吸い込む吸込口と、をさらに備え、
    前記吸込口が前記加熱室の天板に設けられたことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の加熱調理器。
  5. 食品を収容して加熱する加熱室と、
    蒸気を発生させる蒸気発生装置と、
    前記蒸気を前記蒸気発生装置から前記加熱室に導く給気ダクトと、
    前記加熱室の第1の側板に設けられ、前記給気ダクトを介して前記蒸気発生装置から供給される前記蒸気を前記加熱室の内部に吹き出す第1の吹出口と、
    前記第1の側板に対向する第2の側板に設けられ、前記給気ダクトを介して前記蒸気発生装置から供給される前記蒸気を前記加熱室の内部に吹き出す第2の吹出口と、
    前記加熱室内の前記蒸気を排気する排気ダクトと、
    前記加熱室内の前記蒸気を前記排気ダクトに吸い込む吸込口と、
    を備え、
    前記加熱室の対角線によって区画される2つの領域に対し、前記第1の吹出口は前記2つの領域のうちの第1の領域に設けられ、前記第2の吹出口は前記2つの領域のうちの第2の領域に設けられ、
    前記吸込口が前記加熱室の天板に設けられたことを特徴とする加熱調理器。
  6. 食品を収容して加熱する加熱室と、
    前記食品を載置する網と、
    前記網を載置するトレイと、
    蒸気を発生させる蒸気発生装置と、
    前記蒸気を前記蒸気発生装置から前記加熱室に導く給気ダクトと、
    前記加熱室の第1の側板に設けられ、前記給気ダクトを介して前記蒸気発生装置から供給される前記蒸気を前記加熱室の内部に吹き出す第1の吹出口と、
    前記第1の側板に対向する第2の側板に設けられ、前記給気ダクトを介して前記蒸気発生装置から供給される前記蒸気を前記加熱室の内部に吹き出す第2の吹出口と、
    を備え、
    前記加熱室の対角線によって区画される2つの領域に対し、前記第1の吹出口は前記2つの領域のうちの第1の領域に設けられ、前記第2の吹出口は前記2つの領域のうちの第2の領域に設けられ、
    前記網および前記トレイを前記加熱室内に設置した状態において、前記第1の吹出口の少なくとも一部または前記第2の吹出口の少なくとも一部は、前記網の食品載置面よりも下方に位置し、
    前記網は、食品載置面を有する網本体と、脚部と、を備え、
    前記脚部は、前記第1の吹出口からの前記蒸気の吹出方向、もしくは前記第2の吹出口からの前記蒸気の吹出方向に略平行に設けられた第1のガイド部を有することを特徴とする加熱調理器。
  7. 前記脚部は、前記第1の吹出口からの前記蒸気の吹出方向、もしくは前記第2の吹出口からの前記蒸気の吹出方向に交差して設けられた第2のガイド部を有することを特徴とする請求項に記載の加熱調理器。
  8. 食品を収容して加熱する加熱室と、
    前記食品を載置する網と、
    前記網を載置するトレイと、
    蒸気を発生させる蒸気発生装置と、
    前記蒸気を前記蒸気発生装置から前記加熱室に導く給気ダクトと、
    前記加熱室の側板に設けられ、前記給気ダクトを介して前記蒸気発生装置から供給される前記蒸気を前記加熱室の内部に吹き出す吹出口と、
    を備え、
    前記網または前記トレイの一部が、前記蒸気が前記加熱室内で渦状に流れるためのガイドとなっていることを特徴とする加熱調理器。
  9. 食品を収容して加熱する加熱室と、
    蒸気を発生させる蒸気発生装置と、
    前記蒸気を前記蒸気発生装置から前記加熱室に導く給気ダクトと、
    前記加熱室の第1の側板に設けられ、前記給気ダクトを介して前記蒸気発生装置から供給される前記蒸気を前記加熱室の内部に吹き出す第1の吹出口と、
    前記第1の側板に対向する第2の側板に設けられ、前記給気ダクトを介して前記蒸気発生装置から供給される前記蒸気を前記加熱室の内部に吹き出す第2の吹出口と、
    を備え、
    前記加熱室の対角線によって区画される2つの領域に対し、前記第1の吹出口は前記2つの領域のうちの第1の領域に設けられ、前記第2の吹出口は前記2つの領域のうちの第2の領域に設けられ、
    前記加熱室を平面視したときの前記加熱室内の形状において、前記加熱室の角部が外側に凸の曲面部を有することを特徴とする加熱調理器。
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