JP5880553B2 - 薄膜ガラスの搬送方法及び搬送装置 - Google Patents
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Description
本発明の課題は、装置の小型化を図りつつも、薄膜ガラス単体をロールトゥロールで搬送する際に生じる破損を防止することである。
薄膜ガラスをロールトゥロールで搬送する薄膜ガラスの搬送方法において、
前記薄膜ガラスの搬送経路のうち、曲がった部分の環境を相対湿度10%RH以下とすることを特徴としている。
前記曲がった部分の環境を相対湿度1%RH以下とすることを特徴としている。
前記曲がった部分の環境での相対湿度調整は、当該環境に対してドライエアーを吹き付けることで行うことを特徴としている。
前記曲がった部分を通過する前に前記薄膜ガラスを乾燥処理することを特徴としている。
前記薄膜ガラスの乾燥処理は、前記薄膜ガラスにドライエアーを吹き付けることで行うことを特徴としている。
前記薄膜ガラスの乾燥処理は、水分置換法によって行うことを特徴としている。
前記薄膜ガラスの厚みは200μm以下であることを特徴としている。
薄膜ガラスをロールトゥロールで搬送する薄膜ガラスの搬送装置において、
前記薄膜ガラスの搬送経路のうち、曲がった部分の環境を相対湿度10%RH以下とすることを特徴としている。
前記曲がった部分の環境を相対湿度1%RH以下とすることを特徴としている。
前記曲がった部分の環境での相対湿度調整は、当該環境に対してドライエアーを吹き付けることで行うことを特徴としている。
前記曲がった部分を通過する前に前記薄膜ガラスを乾燥処理する乾燥処理手段を有することを特徴としている。
前記乾燥処理手段は、前記薄膜ガラスにドライエアーを吹き付けることで前記薄膜ガラスに乾燥処理を施すことを特徴としている。
前記乾燥処理手段は、水分置換法によって前記薄膜ガラスに乾燥処理を施すことを特徴としている。
前記薄膜ガラスの厚みは200μm以下であることを特徴としている。
また、ドライエアーは空気に限ったものではなく、例えばN2等の不活性ガスであっても構わない。ドライエアーはULPAフィルター等のパーティクル除去エアーであることが好ましい。ドライエアーを供給する乾燥手段は、デシカントロータ式除湿装置であることが好ましい。
なお、第四工程部8の環境としてより好ましいのは相対湿度10%RH以下であり、さらに好ましいのは相対湿度1%RH以下である。
まず、引出部3から搬送された薄膜ガラス2は、第一工程部5を通過することで平坦性を維持したまま洗浄される。その後、薄膜ガラス2は第二工程部6を通過することで平坦性を維持したまま水分置換法が施される。そして、薄膜ガラス2は第三工程部7を通過することで平坦性を維持したまま乾燥される。
薄膜ガラス2は第四工程部8に進入すると、蛇行するように搬送されながら、所定の処理が施される。このとき、第四工程部8の内部環境は、相対湿度40%以下に設定されているので、薄膜ガラス2の搬送経路のうち、曲がった部分の環境が相対湿度40%RH以下となり、蛇行したとしても薄膜ガラス2にクラックが生じることが防止されている。そして、所定の処理が施された薄膜ガラス2は、巻き取り部4によってロール状に巻き取られる。
例えば、上記実施形態では第四工程部8のみの相対湿度を調整可能としているが、引出部3や巻き取り部4をカバーで覆ってこれらの相対湿度も調整可能とすることも可能である。こうした場合、引出部3や巻き取り部4においても低湿度環境にすることが好ましい。
以下、図3に示すテスト用の搬送装置100を用いて厚みの異なる薄膜ガラス2を一部曲げながら搬送した場合の実験結果を示す。
まず、テスト用の搬送装置100について説明する。この搬送装置100には、ロール状に巻かれた薄膜ガラス2を回転自在に保持する引出部103と、薄膜ガラス2をロール状に巻き取る巻き取り部104とを備えている。引出部103に巻かれた薄膜ガラス2は、幅300mm、長さ50mのシート状部材であり、全てが巻かれた状態であると外径が500mmとなっている。
引出部103と、巻き取り部104との間には、薄膜ガラス2を蛇行させる蛇行搬送部105が設けられている。蛇行搬送部105には、薄膜ガラス2を蛇行させるための複数の蛇行用ローラ106が搬送方向に沿って千鳥状となるように配置されている。複数の蛇行用ローラ106のうち、上流側から順に第一ローラ106a、第二ローラ106b、第三ローラ106c、第四ローラ106d、第五ローラ106eとすると、第一ローラ106aの直径は400mm、第二ローラ106bの直径は200mm、第三ローラ106cの直径は100mm、第四ローラ106dの直径は10mm、第五ローラ106eの直径は400mmである。各蛇行用ローラ106間のフリースパン長さは1200mmであり、中間の蛇行用ローラ106の抱角は180度である。また、各蛇行用ローラ106は、SUSから形成されていて、その表面粗さが0.8sとなるように表面にHCrメッキが施されている。また、搬送時における張力は50N/m幅であり、搬送速度は2m/minに設定されている。
これら各厚みの薄膜ガラス2を引出部103から蛇行搬送部105を介して巻き取り部104まで搬送し、50m全て巻き取った際の破断発生の有無及び破断を発生させた蛇行用ローラ106の直径を確認した。
各条件及び実験結果を表1に示す。
また、厚みが250μmの薄膜ガラス2では相対湿度が10%RHであると「△」という結果が得られ、厚みが300μmの薄膜ガラス2では相対湿度が1%RHでも「△」という結果が得られている。一方、200μmの厚みの薄膜ガラス2では、相対湿度が10%RHならば「○○」という結果で、相対湿度が1%RHならば「○○○」という結果が得られている。薄膜ガラス2の厚みが薄くなるとより好結果が得られている。これらのことから、薄膜ガラス2の厚みは200μm以下であることが好ましいことが分かる。
まず、テスト用の搬送装置200について説明する。この搬送装置200は、搬送装置100の引出部103と、蛇行搬送部105との間に、薄膜ガラス2を洗浄する洗浄部109と、洗浄部109により洗浄された薄膜ガラス2に乾燥処理を施す乾燥処理部110とが設けられたものである。搬送装置100と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
そして、カバー107,108内の環境を相対湿度10%RHに設定し、乾燥処理部110での乾燥方法を、「実施せず」、「ドライエアー吹き付け」、「IPAによる水分置換」、「HFEによる水分置換」の4条件のそれぞれで、薄膜ガラス2を引出部103から蛇行搬送部105を介して巻き取り部104まで搬送し、50m全て巻き取った際の破断発生の有無及び破断を発生させた蛇行用ローラ106の直径を確認した。
各条件及び実験結果を表2に示す。なお、実験結果の評価については表1の場合と同じである。
2 薄膜ガラス
3 引出部
4 巻き取り部
5 第一工程部
6 第二工程部(乾燥処理手段)
7 第三工程部(乾燥処理手段)
8 第四工程部
9 カバー
10 カバー
11 供給口
12 排気口
81 蛇行用ローラ
Claims (14)
- 薄膜ガラスをロールトゥロールで搬送する薄膜ガラスの搬送方法において、
前記薄膜ガラスの搬送経路のうち、曲がった部分の環境を相対湿度10%RH以下とすることを特徴とする薄膜ガラスの搬送方法。 - 請求項1記載の薄膜ガラスの搬送方法において、
前記曲がった部分の環境を相対湿度1%RH以下とすることを特徴とする薄膜ガラスの搬送方法。 - 請求項1又は2に記載の薄膜ガラスの搬送方法において、
前記曲がった部分の環境での相対湿度調整は、当該環境に対してドライエアーを吹き付けることで行うことを特徴とする薄膜ガラスの搬送方法。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の薄膜ガラスの搬送方法において、
前記曲がった部分を通過する前に前記薄膜ガラスを乾燥処理することを特徴とする薄膜ガラスの搬送方法。 - 請求項4記載の薄膜ガラスの搬送方法において、
前記薄膜ガラスの乾燥処理は、前記薄膜ガラスにドライエアーを吹き付けることで行うことを特徴とする薄膜ガラスの搬送方法。 - 請求項4記載の薄膜ガラスの搬送方法において、
前記薄膜ガラスの乾燥処理は、水分置換法によって行うことを特徴とする薄膜ガラスの搬送方法。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の薄膜ガラスの搬送方法において、
前記薄膜ガラスの厚みは200μm以下であることを特徴とする薄膜ガラスの搬送方法。 - 薄膜ガラスをロールトゥロールで搬送する薄膜ガラスの搬送装置において、
前記薄膜ガラスの搬送経路のうち、曲がった部分の環境を相対湿度10%RH以下とすることを特徴とする薄膜ガラスの搬送装置。 - 請求項8記載の薄膜ガラスの搬送装置において、
前記曲がった部分の環境を相対湿度1%RH以下とすることを特徴とする薄膜ガラスの搬送装置。 - 請求項8又は9のいずれか一項に記載の薄膜ガラスの搬送装置において、
前記曲がった部分の環境での相対湿度調整は、当該環境に対してドライエアーを吹き付けることで行うことを特徴とする薄膜ガラスの搬送装置。 - 請求項8〜10のいずれか一項に記載の薄膜ガラスの搬送装置において、
前記曲がった部分を通過する前に前記薄膜ガラスを乾燥処理する乾燥処理手段を有することを特徴とする薄膜ガラスの搬送装置。 - 請求項11記載の薄膜ガラスの搬送装置において、
前記乾燥処理手段は、前記薄膜ガラスにドライエアーを吹き付けることで前記薄膜ガラスに乾燥処理を施すことを特徴とする薄膜ガラスの搬送装置。 - 請求項11記載の薄膜ガラスの搬送装置において、
前記乾燥処理手段は、水分置換法によって前記薄膜ガラスに乾燥処理を施すことを特徴とする薄膜ガラスの搬送装置。 - 請求項8〜13のいずれか一項に記載の薄膜ガラスの搬送装置において、
前記薄膜ガラスの厚みは200μm以下であることを特徴とする薄膜ガラスの搬送装置。
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