JP2012219322A - 巻取式成膜装置及び巻取式成膜方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】真空中で成膜用フィルム上に形成された薄膜に対してダメージを与えることなく、成膜用フィルムを搬送して巻き取ることができる技術を提供する。
【解決手段】本発明は、成膜用フィルムロール40から繰り出された成膜用フィルム4上に真空中で成膜を行い、かつ、成膜された成膜用フィルム4をロール状に巻き取る巻取式成膜装置1である。成膜用フィルム4をフィルム支持ローラ7に巻き付けた状態で成膜用フィルム4上に成膜を行う第1〜第4の成膜領域31〜34と、成膜された成膜用フィルム4の成膜されていない面4bを支持して搬送するフィルム搬送機構とを有する。
【選択図】 図1
Description
従来、この種の装置としては、真空中でフィルムロールから繰り出されたフィルム上に、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法等によって薄膜を形成して巻き取るものが知られている。
本発明では、前記フィルム搬送機構が、前記成膜用フィルムの成膜されていない面を支持して搬送するテンデンシーローラを有する場合にも効果的である。
本発明では、前記フィルム搬送機構が、前記成膜用フィルムの成膜面の非成膜領域に対して保護フィルムを密着させる密着機構を有する場合にも効果的である。
本発明では、前記成膜用フィルムに第1の保護フィルムが積層された第1の積層フィルムを搬送して前記フィルム支持ローラに導く第1の搬送手段と、前記成膜用フィルムから前記第1の保護フィルムを剥離するとともに、当該成膜用フィルムを前記フィルム支持ローラに巻き付けるように構成されたフィルム剥離機構と、成膜された前記成膜用フィルムの成膜面に第2の保護フィルムを貼り合わせるフィルム貼り合わせ機構と、前記成膜用フィルムの成膜面に前記第2の保護フィルムが貼り合わされた第2の積層フィルムを搬送する第2の搬送手段と、前記第2の積層フィルムをロール状に巻き取る巻取手段とを有する場合にも効果的である。
一方、本発明は、フィルムロールから繰り出された成膜用フィルム上に真空中で成膜を行った後、成膜された当該成膜用フィルムをロール状に巻き取る工程を有する巻取式成膜方法であって、成膜された前記成膜用フィルムの成膜面に保護フィルムを貼り合わせて搬送し、当該貼り合わされた積層フィルムをロール状に巻き取る工程を有するものである。
本発明では、前記保護フィルムの前記成膜用フィルムの非成膜領域に対応する領域に、複数の突起が設けられている場合にも効果的である。
本発明において、フィルム搬送機構が、成膜用フィルムの成膜されていない面を支持して搬送するテンデンシーローラを有する場合には、ベルトによって駆動される内側回転軸の駆動力が複数のボールベアリングにより速度の変化が緩和又は吸収されて外側回転軸に伝達されるため、メカニカルロスをより小さくすることが可能になる。
本発明において、フィルム搬送機構が、成膜用フィルムの成膜面の非成膜領域に対して保護フィルムを密着させる密着機構を有する場合には、成膜用フィルムの成膜領域を保護することができるとともに、成膜用フィルムと保護フィルムとを密着させて安定して搬送することができる。
本発明において、成膜用フィルムに第1の保護フィルムが積層された第1の積層フィルムを搬送して前記フィルム支持ローラに導く第1の搬送手段と、成膜用フィルムから第1の保護フィルムを剥離するとともに、当該成膜用フィルムをフィルム支持ローラに巻き付けるように構成されたフィルム剥離機構と、成膜された成膜用フィルムの成膜面に第2の保護フィルムを貼り合わせるフィルム貼り合わせ機構と、成膜用フィルムに第2の保護フィルムが貼り合わされた第2の積層フィルムを搬送する第2の搬送手段と、第2の積層フィルムをロール状に巻き取る巻取手段とを有する場合には、成膜用フィルムは常に第1又は第2の保護フィルムによって保護されているので、成膜用フィルムの成膜面にダメージを与えることなく、連続的に成膜を行い巻き取ることができ、これにより装置構成の自由度を向上させることができる。
一方、本発明において、保護フィルムの成膜用フィルムの非成膜領域に対応する領域に、複数の突起が設けられている場合には、成膜後の成膜用フィルムに保護フィルムを貼り合わせた場合であっても、成膜用フィルムの成膜領域にはダメージを与えることがない。
図1は、本発明に係る巻取式成膜装置の実施の形態を示す概略構成図である。
以下、図1に示す場合を例にとって部材間の上下関係を説明する。
これら繰出・巻取室2及び成膜室3は、それぞれ図示しない真空排気系に接続されている。
第1の搬送ローラ21の例えば上方でフィルム搬送方向下流側には、固定ローラからなる第2の搬送ローラ22が設けられている。
第3の搬送ローラ23のフィルム搬送方向下流側には、それぞれ固定ローラからなる第4及び第5の搬送ローラ24、25が設けられている。
この張力調整ローラ26は、図示しないアームの支軸を中心にして揺動自在に支持され、搬送されるフィルムの張力を調整するように構成されている。
このフィルム支持ローラ7は、その回転軸7aが図示しない駆動機構に連結され、フィルム搬送方向に回転させるように構成されている。そして、搬送された成膜用フィルム4が、フィルム支持ローラ7の上方からほぼ全周に渡って巻き付けられ(例えば巻き付け角度が300度以上)、成膜後の成膜用フィルム4が上方に向って送出されるようになっている。なお、本実施の形態では、フィルム支持ローラ7は接地されている。
第1〜第4の成膜領域31〜34内には、フィルム支持ローラ7に巻き付けられた成膜用フィルム4の表面に対向するように第1〜第4の成膜源(例えばプラズマCVD用のシャワーヘッド)31s〜34sがそれぞれ配置されている。
この第2の非接触搬送ローラ36は、第1の非接触搬送ローラ35と同様に、成膜された成膜用フィルム4の非成膜面4bを支持して搬送するように構成されている。
第3の非接触搬送ローラ37は、第2の非接触搬送ローラ36とほぼ同一の高さ位置に配置され、第2の非接触搬送ローラ36と同様に、成膜された成膜用フィルム4の非成膜面4bを支持して搬送するように構成されている。
図2(a)(b)に示すように、本発明に用いるテンデンシーローラ10は、例えば、真空槽(図示せず)の壁面に取り付けられる一対のボールベアリング11、12を有し、これらボールベアリング11、12に直線状の内側回転軸13が回転可能に装着されている。この内側回転軸13は、図示しない駆動機構に連結されたベルト14によって回転駆動されるように構成されている。
このような構成を有するテンデンシーローラ10では、ベルト14の駆動によって内側回転軸13を所定方向に回転させると、ボールベアリング15、16の摩擦抵抗によって外側回転軸17が同一方向に回転する。
巻取軸9は、図示しない駆動機構によって回転駆動するように構成されている。
図3に示すように、本実施の形態の巻取式成膜装置1Aは、繰出・巻取室2内に保護フィルム繰出機構50が設けられ、成膜された成膜用フィルム4に保護フィルム5を貼り合わせるようにしたものである。
この保護フィルムロール51は、その回転軸50aが図示しない駆動機構に連結され、巻取軸9方向へ向って保護フィルム5を下方から繰り出す方向に回転させるように構成されている。
その他の構成及び作用効果については上述の実施の形態と同一であるのでその詳細な説明を省略する。
図4に示すように、本実施の形態の巻取式成膜装置1Bは、保護フィルム5を繰り出す保護フィルム繰出室2Bを有するものである。
保護フィルム繰出室2B内の保護フィルムロール51の近傍には、固定ローラからなる繰出ローラ53が設けられ、さらに、繰出ローラ53の保護フィルム搬送方向下流側には、テンションローラからなる張力調整ローラ54が設けられている。
そして、張力調整ローラ54の例えば上方で保護フィルム搬送方向下流側には、固定ローラからなる導出ローラ55が設けられている。
導入ローラ56の保護フィルム搬送方向下流側には、それぞれ固定ローラからなる第1、第2及び第3の搬送ローラ57、58、59が順次設けられている。
図5に示すように、本実施の形態では、成膜用フィルム4上に形成された薄膜層4Aの表面即ち成膜面4aに、保護フィルム5を密着させて貼り合わせる。
ここで、ガイドローラ61Aは、断面円形形状のローラ本体63を有し、このローラ本体63に、例えばシリコーンゴムからなり、ローラ本体63より外径の大きい断面円形形状のガイド部65を、成膜用フィルム4及び保護フィルム5の両縁部が載置されるように、所定の間隔をおいて二つ設けたものである。
ここで、押圧機構62Bは、ガイドローラ61Aの回転軸と平行な回転支軸68を中心として回転可能な押圧ローラ66が本体部69に取り付けられているもので、本例では、ガイドローラ61Aのガイド部65と同程度の間隔をおいて押圧機構62Bを二つ設けて構成されている。
本例では、上述したローラ本体63に、ローラ本体63より外径の大きい断面円形形状のガイド部65を、成膜用フィルム4及び保護フィルム5の中央部及び両縁部が載置されように、所定の間隔をおいて三つ設けたものである。
このような構成において、ガイドローラ61Cと各押圧機構62Bの押圧ローラ66との間に成膜用フィルム4と保護フィルム5とを挿入し、押圧機構62Bの押圧ローラ66をガイドローラ61C側に押圧することにより、成膜用フィルム4の成膜面4aに対して保護フィルム5を密着させるようになっている。
図7に示すように、本実施の形態の巻取式成膜装置1Cは、成膜室3の一方の側部側に、第1の繰出・巻取室2Cが設けられ、成膜室3の他方の側部側に、第2の繰出・巻取室2Dが設けられている。
第1の繰出・巻取室2C内の例えば上部には、上述した成膜用フィルム4上に第1の保護フィルム5Aが積層された第1の積層フィルム71を巻回した第1のフィルムロール70が設けられている。この第1のフィルムロール70は、その回転軸70aが図示しない駆動機構に連結されている。
すなわち、第1の繰出・巻取室2Cの第1のフィルムロール70の上方近傍には、一対の固定ローラと、一対の固定ローラに掛け渡されたベルトによって構成された繰出機構72が設けられ、この繰出機構72によって第1の積層フィルム71を斜め上方に繰り出すようになっている。
第1の繰出・巻取室2Cの導出ローラ74の近傍には、第1の積層フィルム71を導出するための上述した導出口(図示せず)が設けられている。
成膜室3内の上部には、固定ローラからなる第1及び第2の搬送ローラ75、76が設けられ、さらに、フィルム支持ローラ7の上方近傍には、第1の積層フィルム71から第1の保護フィルム5Aを剥離するための剥離機構(図示せず)を有する剥離ローラ(フィルム剥離機構)77が設けられている。この剥離ローラ77は、テンションローラからなるものである。
成膜室3内の剥離ローラ77の第1の繰出・巻取室2C側には、剥離された第1の保護フィルム5Aを第1の繰出・巻取室2C側に戻すための第1及び第2の戻しローラ78、79が順次設けられている。
一方、第1の繰出・巻取室2Cの、成膜室3の導出口と対向する部分には、第1の保護フィルム5Aを導入するための上述した導入口(図示せず)が設けられている。
なお、本発明は上述の実施の形態に限られることなく、種々の変更を行うことができる。
また、本発明は、プラズマCVDのみならず、真空蒸着やスパッタリングによって成膜を行う場合にも適用することができる。
2…繰出・巻取室
3…成膜室
4…成膜用フィルム
4a…成膜面
4b…非成膜面
5…保護フィルム
7…フィルム支持ローラ
31〜34…第1〜第4の成膜領域
35〜37…第1〜第3の非接触搬送ローラ
Claims (6)
- フィルムロールから繰り出された成膜用フィルム上に真空中で成膜を行い、かつ、成膜された当該成膜用フィルムをロール状に巻き取る巻取式成膜装置であって、
前記成膜用フィルムをフィルム支持ローラに巻き付けた状態で当該成膜用フィルム上に成膜を行う成膜領域と、
成膜された前記成膜用フィルムの成膜されていない面を支持して搬送するフィルム搬送機構とを有する巻取式成膜装置。 - 前記フィルム搬送機構が、前記成膜用フィルムの成膜されていない面を支持して搬送するテンデンシーローラを有する請求項1記載の巻取式成膜装置。
- 前記フィルム搬送機構が、前記成膜用フィルムの成膜面の非成膜領域に対して保護フィルムを密着させる密着機構を有する請求項1又は2のいずれか1項記載の巻取式成膜装置。
- 前記成膜用フィルムに第1の保護フィルムが積層された第1の積層フィルムを搬送して前記フィルム支持ローラに導く第1の搬送手段と、
前記成膜用フィルムから前記第1の保護フィルムを剥離するとともに、当該成膜用フィルムを前記フィルム支持ローラに巻き付けるように構成されたフィルム剥離機構と、
成膜された前記成膜用フィルムの成膜面に第2の保護フィルムを貼り合わせるフィルム貼り合わせ機構と、
前記成膜用フィルムの成膜面に前記第2の保護フィルムが貼り合わされた第2の積層フィルムを搬送する第2の搬送手段と、
前記第2の積層フィルムをロール状に巻き取る巻取手段とを有する請求項1乃至3のいずれか1項記載の巻取式成膜装置。 - フィルムロールから繰り出された成膜用フィルム上に真空中で成膜を行った後、成膜された当該成膜用フィルムをロール状に巻き取る工程を有する巻取式成膜方法であって、
成膜された前記成膜用フィルムの成膜面に保護フィルムを貼り合わせて搬送し、当該貼り合わされた積層フィルムをロール状に巻き取る工程を有する巻取式成膜方法。 - 前記保護フィルムの前記成膜用フィルムの非成膜領域に対応する領域に、複数の突起が設けられている請求項5記載の巻取式成膜方法。
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