JP2017119613A - ガラスリボン成膜装置及びガラスリボン成膜方法 - Google Patents

ガラスリボン成膜装置及びガラスリボン成膜方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ガラスリボンに膜を形成する装置であって、搬送手段による搬送の際に、ガラスリボンが傷つくことを抑えることが可能なガラスリボン成膜装置を提供する。【解決手段】ガラスリボンGを搬送させる搬送手段である搬送ローラー部4と、搬送ローラー部4により搬送されるガラスリボンGに対して、ガラスリボンGの一方面側に膜を形成する成膜手段6と、ガラスリボンGと成膜手段6との間の距離を一定にする支持手段である支持ローラー20と、を備えるガラスリボン成膜装置1であって、支持ローラー20とガラスリボンGが直接接触しないように、ガラスリボンGの延出方向に沿って、ガラスリボンGの他方面側に樹脂材料からなるシート部材である保護フィルムPが配置されるガラスリボン成膜装置1。【選択図】図1

Description

本発明は、ガラスリボン成膜装置及びガラスリボン成膜方法の技術に関する。
従来より、例えばガラスリボンの表面に成膜する技術として、ロール・ツー・ロール方式が広く利用されている。
前記ロール・ツー・ロール方式は、ロール状のガラスリボンを真空中で巻き出し、スパッタ・蒸着・CVDなどの手法で連続的に成膜を行い、再びロール状に巻き取る方式の成膜方法である。
ここで、このようなロール・ツー・ロール方式による成膜技術の一例が、「特許文献1」によって開示されている。
前記「特許文献1」においては、巻出し部及び巻取り部を有するガラスフィルム搬送装置と、成膜ローラー及びスパッタ蒸発源を有するスパッタ成膜部と、を備えるロール・ツー・ロール方式の成膜装置が開示されている。
この装置では、ガラスフィルム搬送装置によりガラスフィルムを搬送しつつ、スパッタ成膜部により該ガラスフィルムの表面にスパッタ処理が施されることで成膜が行われる。
特開2014−043326号公報
ところで、前記「特許文献1」における成膜装置において、前述したロール・ツー・ロール方式によって、ガラスフィルムを搬送しながら当該ガラスフィルムの被成膜面に、所定の材料を連続的に成膜する場合、被成膜面の反対面には成膜ロールと直接接触することにより傷等が発生する虜があった。
そのため、このようにガラスフィルムを用いる場合、ガラスフィルムが成膜ロールと直接接触する際にガラスフィルムが傷つかないように保護する対策が切望されていた。
本発明は、以上に示した現状の問題点を鑑みてなされたものであり、ガラスフィルムに膜を形成する装置であって、ガラスフィルムが成膜ロールと直接接触する際に、ガラスフィルムが傷つくことを抑えることが可能なガラスフィルム成膜装置を提供することを課題とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、本発明に係るガラスリボン成膜装置は、ガラスリボンを搬送する搬送手段と、該搬送手段によって搬送されるガラスリボンに対して、該ガラスリボンの一方面側に膜を形成する成膜手段と、前記ガラスリボンと前記成膜手段との間の距離を一定にする支持手段と、を備えるガラスリボン成膜装置であって、前記支持手段と前記ガラスリボンが直接接触しないように、前記ガラスリボンの延出方向に沿って、前記ガラスリボンの他方面側にシート部材が配置されることを特徴とする。
このように、本発明のガラスリボン成膜装置は、前記ガラスリボンの延出方向に沿って、前記ガラスリボンの他方面側にシート部材が配置されることで、ガラスリボンを搬送手段により搬送する際に、支持手段や搬送手段との接触により、傷付くことを抑えることができる。
すなわち、前記支持手段や前記搬送手段にガラスリボンの被成膜面の反対面が直接接触することがなく、ガラスリボンが傷付くことを抑えることができる。
また、本発明に係るガラスリボン成膜装置において、前記搬送手段は、前記ガラスリボンの他方面側に前記シート部材を配置した状態で巻き出す巻出し手段と、前記成膜手段により前記膜が形成された前記ガラスリボンの一方面側を内側にするとともに、前記ガラスリボンの他方面側に前記シート部材を配置した状態で前記巻出し手段とは逆の方向に巻き取る巻取り手段と、を有することが好ましい。
このような構成からなるガラスリボン成膜装置によれば、前記巻取り手段により膜が形成されたガラスリボンを内側に、該ガラスリボンの外側にシート部材が配置された状態で巻き取られる。
当該ガラスリボンの他方面側に膜を形成する際においては、外側に配置されたシート部材をガラスリボンから分離し、これを膜の外側面側に配置した状態で成膜手段に搬送することで、膜の外側面側をシート部材により保護しつつ、前記成膜手段によりガラスリボンの他方面側に膜を形成することができる。
よって、シート部材を有効に用いて、容易にガラスリボンの両面に膜を形成することができる。
また、本発明に係るガラスリボン成膜装置において、前記搬送手段は、前記ガラスリボンの他方面側に前記シート部材を配置した状態で巻き出す巻出し手段と、前記成膜手段により前記膜が形成された前記ガラスリボンの一方面側を内側にするとともに、前記ガラスリボンの他方面側に前記シート部材とは別の新たなシート部材を配置した状態で前記巻出し手段とは逆の方向に巻き取る巻取り手段と、を有することを特徴とする。
このような構成を有することで、本発明のガラスリボン成膜装置においては、例えば成膜時の加熱によって、巻出し手段より巻き出されたシート部材が変形したとしても、熱の影響を受けていない別の新たなシート部材を用いることで、成膜後のガラスリボンとともに安定して巻取り手段によって巻き取ることができる。
また、本発明に係るガラスリボン成膜装置において、前記巻出し手段と前記巻取り手段との間に配置され、前記シート部材に対して所定の張力を付与するテンション機構を有することが好ましい。
このような構成からなるガラスリボン成膜装置によれば、前記ガラスリボンと前記シート部材との間で長さのずれが生じた場合でも、それに追従して適切な張力を付与することができる。
また、本発明に係るガラスリボン成膜装置において、前記巻出し手段は、前記ガラスリボン及び前記シート部材を巻き出す張力を調節する張力調節手段を有することが好ましい。
このような構成からなるガラスリボン成膜装置によれば、前記ガラスリボン及び前記シート部材を巻き出す張力を張力調節手段により調節することで、前記ガラスリボン及び前記シート部材が弛むことを抑えることができる。
また、本発明に係るガラスリボン成膜装置において、前記巻出し手段と前記巻取り手段との間において、前記成膜手段に対向して配置される支持ローラーを備え、前記支持ローラーは、外周面に亘って前記ガラスリボン及び前記巻出し手段より巻き出された前記シート部材を位置決めする段差部を有することが好ましい。
このような構成からなるガラスリボン成膜装置によれば、前記ガラスリボン及び前記巻出し手段より巻き出された前記シート部材を位置決めする段差部を有することで、前記ガラスリボン及び前記シート部材を所定の成膜位置に位置決めすることができる。
また、本発明に係るガラスリボン成膜装置において、前記シート部材は、前記ガラスリボンより幅広であることが好ましい。
このような構成からなるガラスリボン成膜装置によれば、シート部材の幅方向両端部がガラスリボンの幅方向両端部より外側に延設されるため、ガラスリボンの幅方向両端部をシート部材により保護することができる。
また、本発明に係るガラスリボン成膜方法は、ガラスリボンを搬送する搬送手段と、該搬送手段によって搬送されるガラスリボンに対して、該ガラスリボンの一方面側に膜を形成する成膜手段と、前記ガラスリボンと前記成膜手段との間の距離を一定にする支持手段と、を備えるガラスリボン成膜装置を用いたガラスリボン成膜方法であって、前記支持手段と前記ガラスリボンが直接接触しないように、前記ガラスリボンの延出方向に沿って、前記ガラスリボンの他方面側にシート部材を配置することを特徴とする。
このように、本発明のガラスリボン成膜方法は、前記ガラスリボンの延出方向に沿って、前記ガラスリボンの他方面側に樹脂材料からなるシート部材が配置されることで、ガラスリボンを搬送手段により搬送する際に、支持手段や搬送手段との接触により、傷つくことを抑えることができる。
すなわち、前記支持手段や前記搬送手段にガラスリボンの被成膜面の反対面が直接接触することがなく、ガラスリボンが傷つくことを抑えることができる。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明に係るガラスリボン成膜装置及びガラスリボン成膜方法によれば、ガラスリボンを搬送手段により搬送する際に、ガラスリボンが搬送手段と接触することで傷つくことを抑えることができる。
本発明の一実施形態に係るガラスリボン成膜装置の全体構成を示した側面図。 主ローラーの外周面近傍を示した図であって、図1における矢印Bの方向から見た拡大断面図。 ガラスリボン成膜装置の各領域におけるガラスリボンの状態を示した図であって、(a)は図1における領域cでのガラスリボンの状態を示した側面図、(b)は図1における領域bでのガラスリボンの状態を示した側面図、(c)は図1における領域aでのガラスリボンの状態を示した側面図。 両面に膜が成膜されたガラスリボンの構成を示した断面図。 本発明の別実施形態に係るガラスリボン成膜装置の全体構成を示した側面図。
次に、発明の実施形態について、図1乃至図5を用いて説明する。
なお、以下の説明に関しては便宜上、図1、図3および図5における矢印Aの方向をガラスリボンGの搬送方向と規定して記述する。
また、以下の説明に関しては便宜上、図1の上下方向をガラスリボン成膜装置1の上下方向と規定して記述する。
また、以下の説明に関しては便宜上、図5の上下方向を別実施形態におけるガラスリボン成膜装置101の上下方向と規定して記述する。
さらに、以下の説明に関しては便宜上、図2によって示されるガラスリボンGにおいて、成膜手段6に対向する面側を「一方面側」、その反対面側を「他方面側」と規定して記述する。
[ガラスリボン成膜装置1]
先ず、本発明を具現化するガラスリボン成膜装置1(以下、単に「成膜装置1」と記載する)の全体構成について、図1及び図2を用いて説明する。
本実施形態における成膜装置1は、図1に示すように、ロール・ツー・ロール方式によって、例えばガラスリボンGに連続的に金属膜Mを形成するのに用いられるものである。
なお、本実施形態で説明する成膜装置1は、ガラスリボンGの片面もしくは両面に金属を成膜して、薄膜状の金属電極(本実施形態では、厚さ40nmの金属電極)を形成するものであり、例えば、キャパシタ(コンデンサー)を構成する金属電極付誘電体を製造する際に適用可能である。
ここで、ガラスリボンGは、長尺で帯状のガラス部材からなり、成膜装置1によって所定の被膜(本実施形態では、金属膜)が施される。
また、図2に示すように、ガラスリボンGは、後述する成膜手段6と対向する一方面Ga、及び当該一方面Gaの反対面側の他方面Gbを有して構成され、例えばその幅寸法は25mm、また厚み寸法は10μmに設定されている。
なお、ガラスリボンGの厚み寸法は、特に限定するものではなく、用途に応じて変更可能である。
例えば、キャパシタ等の電子部品用途の場合は、ガラスリボンGを巻回して構成するため、1〜300μmであることが好ましい。さらには、1〜200μmであることがより好ましい。
ガラスリボンGの構成材料は、ガラスである限りにおいて特に限定されない。
具体的には、ガラスリボンGは、例えば、珪酸塩系ガラス、硼酸塩系ガラス、硼珪酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラス、硼リン酸塩系ガラス等により構成することができる。
また、ガラスリボンGは、ナトリウム成分、カリウム成分等のアルカリ金属成分を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
ガラスリボンGにおいては、一方面Ga及び他方面Gbのどちらか一方に膜を形成する際に、ガラスリボンGの被成膜面の反対面側を保護するためのシート状部材である保護フィルムPが配置される。
保護フィルムPは、後述するが、巻出しローラー4aや巻取りローラー4bに巻かれた状態、または成膜の際に支持ローラー20に支持された状態などにおいて、ガラスリボンGが支持ローラー20等に直接接触して傷つかないように保護するためのものである。
保護フィルムPは、本実施形態では、樹脂材料(PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等)からなる長尺で帯状のフィルム部材であって、ガラスリボンGより幅広に形成されている。
そして、保護フィルムPは、支持ローラー20とガラスリボンGが直接接触しないように、ガラスリボンGの延出方向に沿って、ガラスリボンGの一方面Ga及び他方面Gbのどちらか一方に配置される。
成膜装置1は、キャパシタの誘電体を製造する際に用いられるガラスリボンGに対して、スパッタリング法によりスパッタリングを行うことで所定の被膜(本実施形態では、金属膜M)を形成するためのスパッタリング装置である。
成膜装置1は、図1に示すように、主に真空槽3、ガラスリボンGを搬送する搬送手段である搬送ローラー部4、テンション機構5、成膜手段6、支持手段である支持ローラー20、およびマスク部材2などにより構成される。
なお、成膜装置1の構成については、本実施形態のものに限定されるものではなく、例えば、ガラスリボンGに表面処理(例えば、エッチング処理)を施すための表面処理手段や、ガラスリボンGを所定方向にガイドするガイドローラー等を追加することも可能である。
真空槽3は、真空槽3内を減圧雰囲気(高真空状態)とするための排気手段8と、真空槽3内にスパッタリングに用いる不活性ガスとして高純度Arガスを供給するためのArガス供給手段9とを具備している。
搬送ローラー部4は、ガラスリボンGおよび保護フィルムPを複数のローラーに係合して所定の速度にて成膜手段6に供給する搬送手段であり、主に巻出しローラー4a、及び巻取りローラー4bなどにより構成されている。
搬送ローラー部4を構成する巻出しローラー4a及び巻取りローラー4bの間には、支持部材である支持ローラー20が配置されている。
支持ローラー20は、巻出しローラー4aと巻取りローラー4bとの間において、成膜手段6に対向して配置されるローラーである。
支持ローラー20は、例えばアルミニウムなどの金属部材により形成される。
支持ローラー20には、図2に示すように、外周面の全周に亘って、かつ支持ローラー20の幅方向中央に断面視矩形状の溝部10が形成されている。
溝部10は、幅寸法が保護フィルムPの幅寸法よりも大きく形成されている。
また、溝部10は、深さ寸法がガラスリボンGと保護フィルムPとを合わせた厚み寸法よりも大きく形成されている。
これにより、溝部10の内部にガラスリボンG及び保護フィルムPを配置した際に、ガラスリボンGの外側面(一方面Ga)は支持ローラー20の外周面に対してクリアランスを確保することができ、支持ローラー20の外周面に配置されたマスク部材2とガラスリボンGとが接触するのを防いでいる。
溝部10は、ガラスリボンG及び保護フィルムPが搬送方向に搬送されるようにガイドするとともに、成膜手段6のターゲット部7およびマスク部材2に対して好適な位置に配置されるように位置決めする段差部分である。
支持ローラー20は、ガラスリボンGと成膜手段6との間の距離を一定にする支持手段である。
支持ローラー20は、溝部10にガラスリボンG及び保護フィルムPが係合することで、ガラスリボンG及び保護フィルムPを成膜手段6に対して一定の距離を保持するように支持している。
これにより、ガラスリボンGに対して均質な成膜を行うことができる。
なお、本実施形態では、ガラスリボンG及び保護フィルムPを位置決めする段差部分として溝形状の溝部10を設ける構成としているが、特に限定するものではなく、支持ローラー20の外周面から凸状に形成される段差部分を設ける構成とすることもできる。
巻出しローラー4aは、予めロール状に巻回されたガラスリボンG及び保護フィルムPを支持ローラー20の回転方向と同方向に回転して巻き出す巻出し手段である。
巻出しローラー4aは、主にローラー軸4a1、及びローラー軸4a1に対して着脱可能に挿嵌されたプラスチック製のボビン4a2などにより構成される。
そして、巻出しローラー4aには、図1に示すように、ガラスリボンGの内側面側(図2では、他方面Gb側)に保護フィルムPを配置した状態になるようにして、ガラスリボンGが巻かれている。
ここで、ボビン4a2は、ローラー軸4a1に対して着脱可能に軸支される。
そして、ボビン4a2は、ガラスリボンG及び保護フィルムPに加えられる巻出し張力により支持ローラー20の回転方向と同方向に回転する。
巻出しローラー4aには、保護フィルムPの巻出し張力を調節する図示せぬブレーキ(張力調節手段)が設けられている。
具体的には、巻出しローラー4aに設けられたブレーキを操作することにより、ガラスリボンGおよび保護フィルムPに所望の巻出し張力を付与することができる。
これにより、搬送ローラー部4により搬送されるガラスリボンG及び保護フィルムPが弛むことがなく、適度な張力を保持して搬送される。
巻取りローラー4bは、巻出しローラー4aの回転方向と逆方向(支持ローラー20の回転方向と逆方向)に回転して、ガラスリボンG及び保護フィルムPをロール状に巻き取る巻き取り手段である。
巻取りローラー4bは、主にローラー軸4b1、及びローラー軸4b1に対して着脱可能に挿嵌されたプラスチック製のボビン4b2などにより構成される。
そして、巻取りローラー4bには、成膜手段6により金属膜Mが形成されたガラスリボンGの一方面Ga側を内側にするとともに、ガラスリボンGの他方面Gb側に保護フィルムPを配置した状態になるようにして、ガラスリボンGが巻かれている。
ここで、ボビン4b2は、ローラー軸4b1を駆動する駆動手段(本実施形態では、ステッピングモーター)を備え、該駆動手段を駆動することにより巻出しローラー4aの回転方向と逆方向にローラー軸4b1が駆動され、ボビン4b2にガラスリボンG及び保護フィルムPが巻き取られる。
テンション機構5は、巻出しローラー4aと巻取りローラー4bとの間に配置される可動式のテンションローラーであり、一端が真空槽3に対して回動自在に軸支された縦長の支持板5a、及び該支持板5aの他端に回動自在に軸支されたテンションローラー5bなどにより構成される。
テンションローラー5bには、支持ローラー20から巻取りローラー4bに搬送される保護フィルムPの中途部が巻回され、テンションローラー5bの自重により支持板5aの一端を支点としてテンションローラー5bが巻取りローラー4bより離間する方向に回動することで、保護フィルムPに対して所定の張力が付与される。
これにより、成膜時の加熱や巻出しローラー4aにおけるガラスリボンGと保護フィルムPとの間の円周差などの影響によってガラスリボンGと保護フィルムPとの間で長さのずれが生じた場合でも、それに追従して保護フィルムPに対して適切な張力を付与することができる。
なお、上記張力を付与する場合、テンション機構5の支持板5aは、水平状態から垂直状態の角度間隔90度の間に配置されるように設定することが好ましい。
以上のような構成からなる支持ローラー20、巻出しローラー4a、及び巻取りローラー4bにおいて、巻出しローラー4aには、ガラスリボンG及び保護フィルムPが予め所定長巻回されており、巻出しローラー4aから巻き出されたガラスリボンG及び保護フィルムPは、該保護フィルムPの外側面にガラスリボンGが配置された状態で一緒に搬送されるともに、支持ローラー20の外周面に穿設された溝部10に係合され、当該支持ローラー20から延出されたガラスリボンGが巻取りローラー4bに巻き取られる。
一方、支持ローラー20から延出された保護フィルムPは、テンション機構5のテンションローラー5bを介して巻取りローラー4bに巻き取られる。
こうして、巻取りローラー4bを所定の速度にて回転駆動した場合、巻出しローラー4aに巻回されたガラスリボンG及び保護フィルムPが一緒に巻き出されるとともに、保護フィルムPが溝部10の底面10aに当接した状態で支持ローラー20に係合され、ガラスリボンGはその一方面Gaを、ターゲット部7に対向するように供給される。
つまり、搬送ローラー部4は、ガラスリボンG及び保護フィルムPを所定速度にて成膜手段6のターゲット部7の近傍に搬送することが可能である。
成膜手段6は、搬送ローラー部4により搬送されるガラスリボンGの一方面Ga側に対して金属膜Mを形成するものである。
成膜手段6は、支持ローラー20の外周面に対向して配置されており、スパッタリング法により支持ローラー20に巻回したガラスリボンGの表面側(図2では、一方面Ga側)に所定の被膜を形成するスパッタリングを行う手段である。
成膜手段6は、ターゲット部7と、ターゲット部7に接続されるスパッタ電源11とにより主に構成される。
ターゲット部7は、スパッタリングを行う際のターゲット材として、本実施形態ではCu(銅)を成分とするCuターゲットを有しており、Cuターゲットの表面が支持ローラー20の溝部10に係合されたガラスリボンGの表面側(図2では、一方面Ga側)に対して対向配置される。
また、ターゲット部7には、スパッタ電源11が接続され、所定の電圧を印加することが可能となっている。
なお、本実施形態では、ターゲット材としてCuを用いているが、特に限定するものではなく、その他の金属材料でも構わない。
マスク部材2は、支持ローラー20の溝部10(図2を参照)の近傍に設けられたマスク取付部12・12を介して真空槽3に取り付けれ、ガラスリボンGの幅方向の一端側を覆うものである。
マスク部材2は、アルミホイルで形成されている。
マスク部材2は、正面視短冊状に形成され、側面視においては、支持ローラー20の外周面に対して当接もしくは近接するように配置される円弧状の部分を有する。
また、マスク部材2は、図2に示すように、溝部10により幅方向が位置決めされた保護フィルムPの外側面に配置されたガラスリボンGの幅方向の一端側を覆うようにして貼設される。
マスク部材2は、溝部10の開口部の一部を覆うように支持ローラー20の外周面に沿って当接もしくは近接するように配置されるため、溝部10内に配置されるガラスリボンGの外側面とは、所定のクリアランスを有し、マスク部材2がガラスリボンGに接触しないように構成されている。
なお、マスク部材2の材質は本実施形態で用いるアルミホイルのようなホイル状の金属箔が好ましい。
ホイル状の金属箔を用いることで、所望のマスク形状にすることが容易であり、薄い形状のため金属膜Mの端部を鮮明に形成することができる。
また、ホイル状の金属箔を用いることで、成膜時の加熱による保護フィルムP内での金属膜Mが形成される側と金属膜Mが形成されない側との間の温度差の影響が小さくなり、保護フィルムPの変形が抑えられる効果がある。
こうして、図1に示すように、成膜手段6は、排気手段8により真空槽3を所定の圧力まで減圧して減圧雰囲気にし、Arガス供給手段9により所定量のArガスを供給した後に、スパッタ電源11によりターゲット部7のCuターゲットに所定の電圧を印加することでAr原子がイオン化され、ArイオンによりCuターゲットをスパッタし、ターゲット材から弾き飛ばされたターゲット材料の粒子であるCu粒子が、所定の速度にて搬送されているガラスリボンGの表面(外側面)に堆積(吸着)することで、ガラスリボンGの表面(外側面)に、所定厚さの金属膜Mを形成することが可能である。
また、成膜手段6とガラスリボンGとの間に、前述したようにマスク部材2を配置したことで、ガラスリボンGの幅方向の一端側に金属膜Mを形成しない領域である非成膜部13(図4を参照。本実施形態における非成膜部13の幅寸法は5mm)を形成することができる。
なお、本実施形態では、成膜手段としてスパッタリング法を用いて金属膜MをガラスリボンGの表面に形成する構成としているが、特に限定するものでなく、例えば所望の金属蒸着源を有する蒸着装置により金属膜MをガラスリボンGの表面に蒸着して形成することも可能である。
[成膜方法]
次に、前述した成膜装置1を用いてガラスリボンGに膜を形成する成膜方法について、図1、図3及び図4を用いて説明する。
成膜装置1を用いて成膜を開始する前段階工程として、図1に示すように、巻出しローラー4aから所定長巻き出された被膜対象物であるガラスリボンG、及び保護フィルムPを、支持ローラー20の溝部10に係合する。
また、支持ローラー20の上部からガラスリボンGの先端を延出して巻取りローラー4bに取り付け、該ガラスリボンGより分離した保護フィルムPをテンション機構5のテンションローラー5bに巻回させるとともに、巻取りローラー4bに取り付けたガラスリボンGの外側面に当接するように取り付ける。
こうして、支持ローラー20とガラスリボンGが直接接触しないように、ガラスリボンGの延出方向に沿って、ガラスリボンGの他方面側に保護フィルムPが配置される。
そして、排気手段8により真空槽3内を所定の圧力まで減圧して減圧雰囲気にした後、成膜工程に移行する。
なお、以下において説明する成膜工程は、搬送ローラー部4により搬送されるガラスリボンGの表面(外側面)に対して連続して行われる工程である。
また、成膜工程に投入されるガラスリボンG及び保護フィルムPは、図3(c)に示すように、ガラスリボンGが外側(成膜手段6に対向する側)、保護フィルムPが内側(ガラスリボンGの背面側)に位置するように構成されている。
成膜工程は、ガラスリボンGの外側面(図2では、一方面Ga)に金属膜Mを形成する工程である(図3(b)を参照)。
具体的には、ガラスリボンGの外側面において、幅方向の一端側に金属膜Mを形成するとともに他端側に膜が形成されていない非成膜部13を形成する工程である。
ところで、図4に示すように、非成膜部13に隣接する金属膜Mは、非成膜部13から離れるに従って徐々に膜厚が厚くなる傾斜部M1と、該傾斜部M1に連続して略膜厚一定の膜厚領域となっている部分とを有する。
ここで、成膜工程は、ガラスリボンGの外側面の所定領域にスパッタリングにて金属膜Mを形成する工程であり、減圧雰囲気下において、Arガス供給手段9(図1を参照)によりスパッタリングガスとしてArガスを真空槽3内に供給し、スパッタ電源11によりターゲット部7に所定の電圧を印加することでAr原子がイオン化され、Arイオンによりターゲット部7をスパッタし、ガラスリボンGの外側面に堆積(吸着)することで成膜が行われて、ガラスリボンGの外側面に所定の金属膜Mを形成する工程である。
続いて、巻取り工程に移行する。
巻取り工程は、成膜工程により金属膜Mが形成されたガラスリボンGと、該ガラスリボンGを保護していた保護フィルムPとを分離して、ガラスリボンGの内側面(図2では他方面Gb)に保護フィルムPが配置されるように巻き取る工程である。
巻取り工程では、ガラスリボンGが巻取りローラー4bに直接巻き取られながら、保護フィルムPがテンション機構5により所定の張力が付与され、巻取りローラー4bに巻き取られる。
その結果、図3(a)に示すように、内側にガラスリボンG、その外側に保護フィルムPが配置された状態で、連続的に巻取りローラー4bに巻き取られる。
ここで、ガラスリボンGと保護フィルムPの長さは、巻出し及び巻取り時の円周の差、成膜時の加熱によりずれが生じやすい。
これを吸収するため、保護フィルムPにガラスリボンGよりも長くなるように余り部分を持たせ、テンション機構5によりガラスリボンGとは別に保護フィルムPに対してテンションを与え、その後、保護フィルムPはガラスフィルムGと一緒に巻取りローラー4bに巻き取られる。
以上の各工程を行うことで、ガラスリボンGの一方面Gaに金属膜Mが形成されたガラスリボンGが得られる。
続いて、第2成膜工程に移行する。
第2成膜工程は、ガラスリボンGの他方面Gbに金属膜Mを形成する工程である。
具体的には、ガラスリボンGの他方面Gbにおいて、幅方向の一端側に金属膜Mを形成するとともに他端側に膜が形成されていない非成膜部13を形成する工程である。
すなわち、第2成膜工程では、成膜工程と同様の工程が行われる。
第2成膜工程では、前述した巻取り工程で得られたボビンにおいて、ガラスリボンGの外側に配置される保護フィルムPの先端をガラスリボンGから分離するとともにボビンの外側を一周させて、保護フィルムPの外側面をガラスリボンGの金属膜Mの外側面に配置した状態で、前述した成膜工程以降を実施する。
以上の工程を行うことで、図4に示すように、一方面Ga及び他方面Gbに金属膜Mが形成されたガラスリボンGが得られる。
そして、一方面Ga及び他方面Gbに金属膜Mが形成されたガラスリボンGにおいては、マスク部材2によりガラスリボンGの幅方向の一端側に非成膜部13・13が設けられ、金属電極としての絶縁性が確保される。
なお、図4においては、理解に供するために、金属膜M及びガラスリボンGが実際より厚く図示されている。
このように、本実施形態における成膜装置1においては、巻取りローラー4bにより金属膜Mが形成されたガラスリボンGを内側に、該ガラスリボンGの外側に保護フィルムPが配置された状態で巻き取られる。
当該ガラスリボンGの他方面Gb側に金属膜Mを形成する際においては、外側に配置された保護フィルムPをガラスリボンGから分離し、これを金属膜Mの外側面側に配置した状態で成膜手段6に搬送することで、金属膜Mの外側面側を保護フィルムPにより保護しつつ、成膜手段6によりガラスリボンGの他方面Gb側に金属膜Mを形成することができる。
よって、保護フィルムPを有効に用いて、容易にガラスリボンの両面に金属膜を形成することができる。
また、本発明に係るガラスリボン成膜装置1では、巻出しローラー4aは、ガラスリボンG及び保護フィルムPを巻き出す張力を調節する張力調節手段を有する。
これにより、ガラスリボンG及び保護フィルムPを巻き出す張力を張力調節手段により調節することで、ガラスリボンG及び保護フィルムPが弛むことを抑えることができる。
また、本発明に係るガラスリボン成膜装置1では、支持ローラー20は、外周面にガラスリボンG及び保護フィルムPを位置決めする溝部10を有する。
これにより、ガラスリボンG及び保護フィルムPを所定の成膜位置に位置決めすることができる。
また、本発明に係るガラスリボン成膜装置1では、保護フィルムPは、ガラスリボンGより幅広である。
これにより、保護フィルムPの幅方向両端部がガラスリボンGの幅方向両端部より外側に延設されるため、ガラスリボンGの両端部を保護フィルムPにより保護することができる。
[ガラスリボン成膜装置101(別実施形態)]
次に、別実施形態におけるガラスリボン成膜装置101(以下、単に「成膜装置101」と記載する)の全体構成について、図5を用いて説明する。
成膜装置101は、前述した成膜装置1と略同等な構成を有する一方、成膜工程においてガラスリボンGの他方面Gb(図2を参照)側に配置されていた保護フィルムP(以下、適宜「第一保護フィルムP1」と記載する)とは別の新たな保護フィルムP(以下、適宜「第二保護フィルムP2」と記載する)を備える点について、成膜装置1と相違する。
よって、以下の説明においては、主に成膜装置1との相違点について記載し、当該成膜装置1との同等な構成についての記載は省略する。
成膜装置101は、主に真空槽103、ガラスリボンGを搬送する搬送手段である搬送ローラー部104、成膜手段106、支持手段である支持ローラー120、およびマスク部材102などにより構成される。
ここで、真空槽103、成膜手段106、支持ローラー120、およびマスク部材102は、前述した成膜装置1における真空槽3、成膜手段6、支持ローラー20、およびマスク部材2と各々略同等の構成からなる。
搬送ローラー部104は、ガラスリボンGおよび保護フィルムPを複数のローラーに係合して所定の速度にて成膜手段106に供給する搬送手段であり、主に巻出しローラー104a、巻取りローラー104b、第一保護フィルム巻取りローラー104c、及び第二保護フィルム巻出しローラー104dなどにより構成される。
そして、巻出しローラー104a及び巻取りローラー104bの間には、支持部材である支持ローラー120が配置されている。
巻出しローラー104aは、予めロール状に巻回されたガラスリボンG及び第一保護フィルムP1を支持ローラー120の回転方向と同方向に回転して巻き出す巻出し手段である。
巻出しローラー104aは、主にローラー軸104a1、ローラー軸104a1に対して着脱可能に挿嵌されたプラスチック製のボビン104a2、およびローラー軸104a1に貫設された第一プーリー104a3などにより構成される。
なお、後述するように、巻出しローラー104aは、第一プーリー104a3において第一保護フィルム巻取りローラー104cと駆動連結される。
巻出しローラー104aには、ガラスリボンGの内側面側(図2では、他方面Gb側)に第一保護フィルムP1を配置した状態になるようにして、ガラスリボンGが巻かれている。
このような構成からなる巻出しローラー104aにおいて、ボビン104a2は、ガラスリボンG及び第一保護フィルムP1に加えられる巻出し張力により支持ローラー120の回転方向と同方向に回転する。
なお、巻出しローラー104aには、ガラスリボンG及び第一保護フィルムP1の巻出し張力を調節する図示せぬブレーキ(張力調節手段)が設けられている。
具体的には、巻出しローラー104aに設けられたブレーキを操作することにより、ガラスリボンGおよび第一保護フィルムP1に所望の巻出し張力を付与することができる。
これにより、搬送ローラー部104により搬送されるガラスリボンG及び第一保護フィルムP1が弛むことがなく、適度な張力を保持して搬送される。
次に、巻取りローラー104bについて説明する。
巻取りローラー104bは、巻出しローラー104aの回転方向と逆方向(支持ローラー120の回転方向と逆方向)に回転して、ガラスリボンG及び後述する第二保護フィルム巻出しローラー104dより巻き出された第二保護フィルムP2を、ロール状に巻き取る巻き取り手段である。
巻き取りローラー104bは、主にローラー軸104b1、ローラー軸104b1に対して着脱可能に挿嵌されたプラスチック製のボビン104b2などにより構成される。
巻取りローラー104bには、成膜手段106により金属膜Mが形成されたガラスリボンGの一方面Ga側を内側にするとともに、ガラスリボンGの他方面Gb側に第二保護フィルムP2を配置した状態になるようにして、ガラスリボンGが巻かれる。
このような構成からなる巻出しローラー104aにおいて、ボビン104b2は、ローラー軸104b1を駆動する駆動手段(本実施形態では、ステッピングモーター)を備え、該駆動手段を駆動することにより巻出しローラー104aの回転方向と逆方向にローラー軸104b1が駆動され、ボビン104b2にガラスリボンG及び第二保護フィルムP2が巻き取られる。
次に、第一保護フィルム巻取りローラー104cについて説明する。
第一保護フィルム巻取りローラー104cは、成膜手段106によってガラスリボンGに成膜される際に当該ガラスリボンGを保護していた第一保護フィルムP1を、ロール状に巻き取るための巻き取り手段である。
第一保護フィルム巻取りローラー104cは、主にローラー軸104c1、ローラー軸104c1に対して着脱可能に挿嵌されたプラスチック製のボビン104c2、およびローラー軸104a1に貫設された第二プーリー104c3などにより構成される。
ここで、第一保護フィルム巻取りローラー104cは、前述した巻出しローラー104aに隣接し、且つ軸心が当該巻出しローラー104aの軸心に対して平行となるようにして配置される。
そして、第二プーリー104c3は、巻出しローラー104aの第一プーリー104a3とともに、例えばVベルトなどからなる伝動ベルト105によって巻回されており、これにより、第一保護フィルム巻取りローラー104cは、当該伝達ベルト105を介して、巻出しローラー104aと駆動連結される。
このような構成を有することにより、第一保護フィルム巻取りローラー104cにおいては、巻出しローラー104aに加えられるボビン104a2を回転させる駆動力(前述した巻出し張力)が、伝達ベルト105を介して第二プーリー104c3に伝達され、ボビン104c2が巻出しローラー104aの回転方向と同方向(支持ローラー120の回転方向と同方向)に回転される。
ところで、第二プーリー104c3の直径D2は、第一プーリー104a3の直径D1に対して1/2となるように設定されている(D1:D2=2:1)。
つまり、第一保護フィルム巻取りローラー104cのボビン104c2の回転速度は、巻出しローラー104aのボビン104a2の回転速度に比べて常に速くなるように設定されている。
これにより、後述するように、ボビン104c2上に第一保護フィルムP1を巻き取る際、当該第一保護フィルムP1に対して適度な張力を付加することができ、弛んで皺などが発生することなく当該第一保護フィルムP1を巻き取ることができる。
よって、成膜装置101においては、前述した成膜装置1のテンション機構5のように、第一保護フィルムP1に張力を付加させるための機構を別途設ける必要もない。
なお、ボビン104c2に巻き取られる第一保護フィルムP1が増加するのに伴い、当該第一保護フィルムP1に付加される張力も増加するが、当該張力が所定値を超えると、伝達ベルト105は双方のボビン104a2・104c2に対して滑動するように構成されている。
これにより、第一保護フィルムP1に付加される張力は、常に所定値以内の値となるように調整されている。
以上のような構成からなる第一保護フィルム巻取りローラー104cによって、ガラスリボンGへの成膜時に当該ガラスリボンGを保護していた第一保護フィルムP1が巻き取られる。
具体的には、成膜工程後にガラスリボンGより分離された第一保護フィルムP1は、さらに支持ローラー120の外周面に沿って進行方向を替えられ、第一保護フィルム巻取りローラー104cに向かって延出され、ボビン104c2に巻き取られる。
次に、第二保護フィルム巻出しローラー104dについて説明する。
第二保護フィルム巻出しローラー104dは、予めロール状に巻回された第二保護フィルムP2を巻取りローラー104bの回転方向と同方向(支持ローラー120の回転方向と逆方向)に回転して巻き出す巻出し手段である。
第二保護フィルム巻出しローラー104dは、主にローラー軸104d1、およびローラー軸104d1に対して着脱可能に挿嵌されたプラスチック製のボビン104d2などにより構成される。
そして、このような構成からなる第二保護フィルム巻出しローラー104dにおいて、ボビン104d2は、第二保護フィルムP2に加えられる巻出し張力により、当該巻取りローラー104bの回転方向と同方向に回転する。
なお、第二保護フィルム巻出しローラー104dには、第二保護フィルムP2の巻出し張力を調節する図示せぬブレーキ(張力調節手段)が設けられている。
具体的には、第二保護フィルム巻出しローラー104dに設けられたブレーキを操作することにより、第二保護フィルムP2に所望の巻出し張力を付与することができる。
これにより、巻取りローラー104bにおいて、ガラスリボンGとともに巻き取られる第二保護フィルムP2が、弛むことがなく適度な張力を保持して搬送される。
以上のような構成からなる支持ローラー120、巻出しローラー104a、巻取りローラー104b、第一保護フィルム巻取りローラー104c、及び第二保護フィルム巻出しローラー104dにおいて、巻出しローラー104aには、ガラスリボンG及び第一保護フィルムP1が予め所定長巻回されており、巻出しローラー104aから巻き出されたガラスリボンG及び第一保護フィルムP1は、該第一保護フィルムP1の外側面にガラスリボンGが配置された状態で一緒に搬送されるともに、支持ローラー120の外周面に穿設された溝部(図示せず)に係合され、当該支持ローラー120から延出されたガラスリボンGが巻取りローラー104bに巻き取られる。
一方、成膜工程後にガラスリボンGより分離された第一保護フィルムP1は、第一保護フィルム巻取りローラー104cによって巻き取られる。
また、支持ローラー120を通過したガラスリボンGは、第二保護フィルム巻出しローラー104dより巻き出された新たな第二保護フィルムP2とともに巻取りローラー104bに巻き取られる。
こうして、巻取りローラー104bを所定の速度にて回転駆動した場合、巻出しローラー104aに巻回されたガラスリボンG及び第一保護フィルムP1が一緒に巻き出されるとともに、第一保護フィルムP1が前記溝部の底面に当接した状態で支持ローラー120に係合され、ガラスリボンGはその一方面Gaを、ターゲット部107に対向するように供給される。
つまり、搬送ローラー部104は、ガラスリボンG及び第一保護フィルムP1を所定速度にて成膜手段106のターゲット部107の近傍に搬送することが可能である。
[成膜方法(別実施形態)]
次に、別実施形態における成膜装置101を用いてガラスリボンGに膜を形成する成膜方法について、図5を用いて説明する。
別実施形態の成膜装置101による成膜方法は、前述した成膜装置1による成膜方法と略同等である一方、成膜工程においてガラスリボンGの他方面Gb(図2を参照)側に配置されていた第一保護フィルムP1を、別の新たな第二保護フィルムP2に交換する作業を含む点について、成膜装置1による成膜方法と相違する。
第一保護フィルムP1及び第二保護フィルムP2は、保護フィルムPと同様に、樹脂材料(PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等)からなる長尺で帯状のフィルム部材であって、ガラスリボンGより幅広に形成されている。
よって、以下の説明においては、主に成膜装置1による成膜方法との相違点について記載し、当該成膜方法と同等な内容についての記載は省略する。
成膜装置101を用いて成膜を開始する前段階工程として、巻出しローラー104aから所定長巻き出された被膜対象物であるガラスリボンG、及び第一保護フィルムP1を、支持ローラー120の溝部(図示せず)に係合する。
また、支持ローラー120の上部からガラスリボンGの先端を延出して巻取りローラー104bに取り付けるとともに、該ガラスリボンGより分離した第一保護フィルムP1を、第一保護フィルム巻取りローラー104cのボビン104c2に捲回させ、且つ第二保護フィルム巻出しローラー104dより巻き出された第二保護フィルムP2を、巻取りローラー104bに取り付けたガラスリボンGの外側面に当接するように取り付ける。
こうして、支持ローラー120とガラスリボンGが直接接触しないように、ガラスリボンGの延出方向に沿って、ガラスリボンGの他方面側に第一保護フィルムP1が配置されるとともに、支持ローラー120の通過後においては、第一保護フィルムP1とは別の新たな第二保護フィルムP2がガラスリボンGの他方面側に配置される。
そして、排気手段108により真空槽103内を所定の圧力まで減圧して減圧雰囲気にした後、成膜工程、巻取り工程、第2成膜工程と順に行われ、ガラスリボンGの両面に金属膜Mが形成される。
ここで、巻取り工程においては、ガラスリボンGが巻取りローラー104bに直接巻き取られながら、第二保護フィルムP2が図示せぬブレーキ(張力調節手段)により所定の張力が付与され、巻取りローラー104bに巻き取られる。
その結果、内側にガラスリボンG、その外側に第二保護フィルムP2が配置された状態で、これらのガラスリボンG及び第二保護フィルムP2は、連続的に巻取りローラー104bに一緒に巻き取られる。
このように、別実施形態における成膜装置101においては、巻取りローラー104bにより金属膜Mが形成されたガラスリボンGを内側に、該ガラスリボンGの外側に第二保護フィルムP2が配置された状態で巻き取られる。
即ち、成膜装置101においては、成膜工程においてガラスリボンGの他方面Gb(図2を参照)側に配置されていた第一保護フィルムP1とは別の新たな第二保護フィルムP2によって、成膜後のガラスリボンGが保護される構成となっている。
このような構成を有することにより、例えば成膜時の加熱によって第一保護フィルムP1が変形したとしても、熱の影響を受けていない別の新たな第二保護フィルムP2を用いることで、成膜後のガラスリボンGとともに安定して巻取りローラー104bに捲回することができる。
1 成膜装置
4 搬送ローラー部(搬送手段)
4a 巻出しローラー
4b 巻取りローラー
6 成膜手段
20 支持ローラー(支持手段)
101 成膜装置
104 搬送ローラー部(搬送手段)
104a 巻出しローラー
104b 巻取りローラー
106 成膜手段
120 支持ローラー(支持手段)
G ガラスリボン
M 金属膜
P 保護フィルム(シート部材)
P1 第一保護フィルム(シート部材)
P2 第二保護フィルム(シート部材)

Claims (8)

  1. ガラスリボンを搬送する搬送手段と、
    該搬送手段によって搬送されるガラスリボンに対して、該ガラスリボンの一方面側に膜を形成する成膜手段と、
    前記ガラスリボンと前記成膜手段との間の距離を一定にする支持手段と、
    を備えるガラスリボン成膜装置であって、
    前記支持手段と前記ガラスリボンが直接接触しないように、前記ガラスリボンの延出方向に沿って、前記ガラスリボンの他方面側にシート部材が配置される、
    ことを特徴とするガラスリボン成膜装置。
  2. 前記搬送手段は、
    前記ガラスリボンの他方面側に前記シート部材を配置した状態で巻き出す巻出し手段と、
    前記成膜手段により前記膜が形成された前記ガラスリボンの一方面側を内側にするとともに、前記ガラスリボンの他方面側に前記シート部材を配置した状態で前記巻出し手段とは逆の方向に巻き取る巻取り手段と、
    を有する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載のガラスリボン成膜装置。
  3. 前記搬送手段は、
    前記ガラスリボンの他方面側に前記シート部材を配置した状態で巻き出す巻出し手段と、
    前記成膜手段により前記膜が形成された前記ガラスリボンの一方面側を内側にするとともに、前記ガラスリボンの他方面側に前記シート部材とは別の新たなシート部材を配置した状態で前記巻出し手段とは逆の方向に巻き取る巻取り手段と、
    を有する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載のガラスリボン成膜装置。
  4. 前記巻出し手段と前記巻取り手段との間に配置され、前記シート部材に対して所定の張力を付与するテンション機構を有する、
    ことを特徴とする、請求項2に記載のガラスリボン成膜装置。
  5. 前記巻出し手段は、前記ガラスリボン及び前記シート部材を巻き出す張力を調節する張力調節手段を有する、
    ことを特徴とする、請求項2〜請求項4の何れか一項に記載のガラスリボン成膜装置。
  6. 前記巻出し手段と前記巻取り手段との間において、前記成膜手段に対向して配置される支持ローラーを備え、
    前記支持ローラーは、外周面に亘って前記ガラスリボン及び前記巻出し手段より巻き出された前記シート部材を位置決めする段差部を有する、
    ことを特徴とする、請求項2〜請求項5の何れか一項に記載のガラスリボン成膜装置。
  7. 前記シート部材は、前記ガラスリボンより幅広である、
    ことを特徴とする、請求項1〜請求項4の何れか一項に記載のガラスリボン成膜装置。
  8. ガラスリボンを搬送する搬送手段と、
    該搬送手段によって搬送されるガラスリボンに対して、該ガラスリボンの一方面側に膜を形成する成膜手段と、
    前記ガラスリボンと前記成膜手段との間の距離を一定にする支持手段と、
    を備えるガラスリボン成膜装置を用いたガラスリボン成膜方法であって、
    前記支持手段と前記ガラスリボンが直接接触しないように、前記ガラスリボンの延出方向に沿って、前記ガラスリボンの他方面側にシート部材を配置する、
    ことを特徴とするガラスリボン成膜方法。
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