JP5880202B2 - Dc−dcコンバータ用制御回路、dc−dcコンバータ、及びdc−dcコンバータの制御方法 - Google Patents

Dc−dcコンバータ用制御回路、dc−dcコンバータ、及びdc−dcコンバータの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、DC−DCコンバータ用制御回路、DC−DCコンバータ、及びDC−DCコンバータの制御方法に関する。
太陽電池は、クリーンなエネルギー源として知られている。太陽電池は、太陽光により発電するため、他の電池とは異なり、得られる電力が照度に依存し、天候状態に応じて変化する。この電力の差は、例えば、開放電圧の差異として検出される。
これに関し、例えば、特許文献1には、太陽電池に接続されたDC−DCコンバータの動作を定期的に停止して、太陽電池の開放電圧を測定する点が記載されている。また、特許文献2には、太陽電池の開放電圧に基づいて生成したPWM信号(PWM:Pulse Width Modulation(パルス幅変調))によりスイッチング制御を行って、太陽電池から蓄電池に充電電流を流す点が記載されている。
太陽電池の出力電圧を変換するDC−DCコンバータは、起動時に、自己の制御回路の動作に用いる電力を確保するとともに、出力側平滑回路への突入電流を制限するソフトスタート機能を備えることがある。このとき、電流の制限値は、余裕をもって、低い方の電力を基準として設定される。したがって、DC−DCコンバータの出力電圧が所定の定格値に達するまでの起動時間は、高い方の電力を基準とした場合と比較すると、電圧の増加率が低いために長くなる。
これに関し、特許文献3には、バッテリからの入力電圧を検出し、入力電圧に対応するデューティ、及びソフトスタート期間をテーブルから取得して、該ソフトスタート期間が経過するまで、該デューティに基づくPWM信号を出力する電源装置が開示されている。なお、この電源装置は、当該期間の経過後、通常モードに移行する点も記載されている。
特開平8−297516号公報 特開2010−81711号公報 特開2007−288979号公報
DC−DCコンバータは、負荷側回路における短絡等により発生する過電流を防止するために、過電流保護回路を備えることがある。しかし、過電流保護回路は、上述した動作用電力の確保、及び突入電流の防止の機能と同様に、負荷への出力電流を制限するから、DC−DCコンバータの起動時間の短縮を妨げる。
そこで、本件は上記の課題に鑑みてなされたものであり、起動時間を効果的に短縮したDC−DCコンバータ用制御回路、DC−DCコンバータ、及びDC−DCコンバータの制御方法を提供することを目的とする。
本明細書に記載のDC−DCコンバータ用制御回路は、基準電圧の電圧値が所定値より低い場合に、前記基準電圧の電圧値に従って、DC−DCコンバータの出力電圧を制御し、前記基準電圧の電圧値が前記所定値以上である場合に、前記所定値に従って、前記DC−DCコンバータの出力電圧を制御する出力制御回路と、前記DC−DCコンバータに接続された太陽電池の開放電圧に応じて、前記基準電圧を制御する基準制御回路と、前記DC−DCコンバータから外部負荷に流れる電流を制限する制限回路と、前記基準電圧の電圧値前記所定値に達するまで前記制限回路の動作を停止する停止制御回路とを有し、前記基準制御回路は、前記基準電圧の増加量を制御することにより、前記開放電圧が第1電圧である場合における前記基準電圧の電圧値が前記所定値に達するまでの所要時間を、前記開放電圧が、前記第1電圧より低い第2電圧である場合の前記所要時間より短くする。
本明細書に記載のDC−DCコンバータの制御方法は、基準電圧の電圧値が所定値より低い場合に、前記基準電圧の電圧値に従って、DC−DCコンバータの出力電圧を制御し、前記基準電圧の電圧値が前記所定値以上である場合に、前記所定値に従って、前記DC−DCコンバータの出力電圧を制御し、前記DC−DCコンバータに接続された太陽電池の開放電圧に応じて、前記基準電圧を制御し、前記基準電圧の増加量を制御することにより、前記開放電圧が第1電圧である場合における前記基準電圧の電圧値が前記所定値に達するまでの所要時間を、前記開放電圧が、前記第1電圧より低い第2電圧である場合の前記所要時間より短くし、前記DC−DCコンバータから外部負荷に流れる電流を制限する制限回路の動作を、前記基準電圧の電圧値前記所定値に達するまで停止する。
本明細書に記載のDC−DCコンバータ用制御回路、DC−DCコンバータ、及びDC−DCコンバータの制御方法は、起動時間を効果的に短縮する。
比較例に係るDC−DCコンバータの機能構成図である。 比較例に関する太陽電池の電流−電圧の特性を示すグラフである。 比較例に係るDC−DCコンバータの動作を示すタイミングチャートである。 実施例に関する太陽電池の電流−電圧の特性を示すグラフである。 実施例に係るDC−DCコンバータの回路図である。 制限回路の電流−電圧の特性を示すグラフである。 制限回路が動作した場合におけるDC−DCコンバータの出力電圧−出力電流の特性を示すグラフである。 実施例に係るDC−DCコンバータの動作を示すタイミングチャート(1)である。 実施例に係るDC−DCコンバータの動作を示すタイミングチャート(2)である。 実施例に係るDC−DCコンバータの動作を示すタイミングチャート(3)である。 起動中に制限回路が動作した場合におけるDC−DCコンバータの動作を示すタイミングチャートである。 他の実施例に係るDC−DCコンバータの回路図である。
図1は、比較例に係るDC−DCコンバータの機能構成図である。DC−DCコンバータ9は、外部の太陽電池4、及び負荷Ldと接続され、太陽電池4の出力電圧Eを変換して生成した出力電圧Voutを負荷Ldに印加する。
太陽電池4は、光起電力効果を利用して、光を電力に変換する。太陽電池4は、例えば、シリコン、または他の化合物半導体から形成されたものであり、限定はない。
DC−DCコンバータ9は、1以上のスイッチ素子を含むスイッチ回路92と、スイッチ回路92のスイッチング動作を制御する制御回路91と、出力側の平滑回路であるコイルL、及びコンデンサCとを含む。DC−DCコンバータ9は、起動時、制御回路91の動作に必要な消費電流Iqを確保するとともに、コイルL、及びコンデンサCに引き込まれる突入電流Irushを抑制するために、太陽電池4から入力される電流Ipvを制限する。
図2は、比較例に関する太陽電池4の電流−電圧の特性を示すグラフである。図中、横軸は出力電圧E(V)を示し、縦軸は出力電流I(A)を示す。また、符号GHは、照度が高い場合における特性を示し、符号GLは、照度が低い場合における特性を示す。
太陽電池4は、電圧が低くなるに伴って、電流が増加し、一定値になると飽和する特性を有し、また、照度に応じて、電力が変化する。短絡電流Isc(H),Isc(L)は、照度が高い場合、及び低い場合において、それぞれ、端子を短絡したときの出力電流である。また、開放電圧Voc(H),Voc(L)は、照度が高い場合、及び低い場合において、それぞれ、端子を開放したときの出力電圧である。
入力電流Ipvの制限値Imaxは、上記の消費電流Iq、及び、許容される突入電流Irushの合計であり、照度が低い場合の電流を基準として設定される。このため、照度が高い場合、太陽電池4の出力電流Iのうち、DC−DCコンバータ9の起動時に用いられない余剰電流が存在する。なお、電圧Va(H),Va(L)は、それぞれ、照度が高い場合、及び低い場合における出力電圧である。
図3は、比較例に係るDC−DCコンバータ9の動作を示すタイミングチャートである。図中、横軸は時間を示し、縦軸は電流、または電圧を示す。また、電流、及び電圧の各々について、「(照度高)」は、照度が高い場合における動作を示し、他方、「(照度低)」は、照度が低い場合における動作を示す。これは、説明の便宜上、照度を、単純に、相異する2つの値として例示するための表記であって、以降の説明、及び図においても同様とする。なお、突入電流Irushは、電流の平均値として示され、やはり、以降の図においても同様とする。
太陽電池4の電圧Eについて、照度が高い場合の電圧Va(H)は、照度が低い場合の電圧Va(L)より大きい。また、突入電流Irushは、照度が高い場合、及び低い場合の両方において、同一の制限値Imaxに制限される。したがって、DC−DCコンバータ9の出力電圧Voutは、照度が高い場合と照度が低い場合とにおいて、同一の起動時間t0となる。このように、制限値Imaxは、照度が低い場合を基準として一律に設定されることによって、照度が高い場合における起動時間の短縮が妨げられる。
図4は、実施例に関する太陽電池4の電流−電圧の特性を示すグラフである。図中、図2と同一の符号に関しては、説明を省略する。
本実施例において、電流の制限値として、照度が高い場合の制限値Imax(H)と、照度が低い場合の制限値Imax(L)とが、それぞれ設けられている。照度が高い場合の突入電流Irush(H)は、照度が低い場合の突入電流Irush(L)より差分ΔI1だけ高いため、照度が高い場合の起動時間は、上述した比較例より短縮される。
一方、過電流制限値Ilimは、DC−DCコンバータから外部負荷Ldに流れる電流を制限する過電流保護機能に基づく。過電流保護機能は、外部負荷Ldの回路において短絡などが発生した場合に、発火などの事故を防止する。
過電流制限値Ilimは、上記の制限値Imax(L)より大きく、また、上記の制限値Imax(H)より差分ΔI2だけ低く設定されている。このため、照度が高い場合の起動時間は、過電流保護機能が働くと、過電流保護機能が働いていないときより長くなる。したがって、本実施例において、電流保護機能は、DC−DCコンバータの起動中、停止するように制御される。
図5は、実施例に係るDC−DCコンバータの回路図である。DC−DCコンバータ2は、外部電源である太陽電池4、及び外部負荷Ldと接続されている。DC−DCコンバータ2は、DC−DCコンバータ用制御回路1(以下、制御回路1)と、I/V変換回路20と、1以上のスイッチング素子SW4,SW5と、電圧検出抵抗Rs3と、コイルLと、コンデンサCと、出力スイッチSW6を有する。なお、本実施例において、DC−DCコンバータ2は、電流モード(Cモード)方式のものを挙げるが、これに限定されることはなく、電圧モード(Vモード)方式のものであってもよい。
上述したように、太陽電池4から、消費電流Iqが制御回路1の各部に流れ、また、突入電流IrushがコイルL、及びコンデンサCに流れる。制御回路1は、平滑回路C,LからフィードバックされたDC−DCコンバータ2の出力電圧Voutと、基準電圧Vref1,Vref2に基づいて生成した誤差信号Verrに基づいてPWM信号を生成する。そして、DC−DCコンバータ2は、スイッチング素子SW4,SW5を、PWM信号に基づいてオンオフ制御することにより出力電圧Voutを生成する。以下に詳細を述べる。
制御回路1は、基準制御回路10と、出力制御回路11と、制限回路12と、停止制御回路13と、定電流源CCと、分圧抵抗Rs1,Rs2と、PWMコンパレータ14と、スロープ補償回路15と、PWM信号生成回路16と、発振器17とを有する。制御回路1は、単一の半導体チップ内に設けられてもよいし、回路基板内に設けられた複数の素子であってもよい。
基準制御回路10は、DC−DCコンバータ2が接続された外部電源である太陽電池4の開放電圧(図4のVoc(H),Voc(L)参照)に応じて、出力制御回路11の基準電圧Vref1を制御する。基準制御回路10は、電圧検出部100と、スイッチSW1,SW2と、コンデンサ素子Cs1,Cs2とを含む。
スイッチSW1,SW2は、例えばFET(Field Effect Transistor)であり、一端が定電流源CCと接続され、他端がコンデンサ素子Cs1,Cs2にそれぞれ接続されている。定電流源CCは、例えばトランジスタであり、太陽電池4と接続されて、消費電流Iqから一定値の電流を生成し、スイッチSW1,SW2に流す。コンデンサ素子Cs1,Cs2は、スイッチSW1,SW2とグランドGNDの間に接続されている。
電圧検出部100は、第1基準電圧Vref1の制御に先立ち、開放電圧を検出し、該電圧値をA/D変換(アナログ−デジタル変換)する。そして、電圧検出部100は、A/D変換により得た値d1,d2に応じて、スイッチSW1,SW2をオンオフ制御する。例えば、電圧検出部100は、照度が高く、開放電圧が高い場合、スイッチSW1をオンし、スイッチSW2をオフし、他方、照度が低く、開放電圧が低い場合、スイッチSW1,SW2をオンする。これにより、基準制御回路10は、開放電圧に応じて、太陽電池4と出力制御回路11との間に接続された容量Cs1,Cs2の容量値を選択する。したがって、基準制御回路10は、第1基準電圧Vref1の増加を容易に制御することができる。なお、開放電圧のデコード値d1,d2は、例として2ビットとしているが、これに限定されず、検出する電圧値の範囲に従って設ければよい。
電圧検出部100は、コンデンサ素子Cs1,Cs2の容量値の選択が完了したことを通知する通知信号S1を、出力制御回路11、定電流源CC、PWMコンパレータ14、及びPWM信号生成回路16に出力する。出力制御回路11、定電流源CC、PWMコンパレータ14、及びPWM信号生成回路16は、通知信号S1が入力されるまでは動作を停止し、通知信号S1の入力後に動作を開始する。これにより、電気的に不安定な状態におけるDC−DCコンバータ2の動作が防止される。
なお、電圧検出部100の消費電流は、太陽電池4の開放電圧に実質的に影響しない程度に低いものとする。また、電圧検出部100は、自己の消費電流による変化分を補償するように、開放電圧の電圧値をA/D変換してもよい。
出力制御回路11は、2つの非反転入力端子(+)と、1つの反転入力端子(−)とを有する増幅器である。一方の非反転入力端子(+)は、定電流源CCとスイッチSW1,SW2との間に接続され、太陽電池4からの入力電圧に基づく第1基準電圧Vref1が印加される。他方の非反転入力端子(+)は、一定の第2基準電圧Vref2が印加される。また、反転入力端子(−)は、フィードバックされたDC−DCコンバータ2の出力電圧Voutを、分圧抵抗Rs1,Rs2により分圧して得た電圧が印加される。
出力制御回路11は、2つの非反転入力端子(+)のうち、印加された電圧が低い方の非反転入力端子(+)の電圧と、反転入力端子(−)の電圧との誤差を検出して、当該誤差に基づく誤差信号Verrを出力する。すなわち、出力制御回路11は、第1基準電圧Vref1、及び第2基準電圧Vref2のうち、低い方の電圧と、DC−DCコンバータ2の出力電圧Voutとの誤差を検出する。
第1基準電圧Vref1は、太陽電池4から入力される入力電圧に基づき、他方、第2基準電圧Vref2は一定である。したがって、DC−DCコンバータ2の出力電圧Voutは、起動時、第1基準電圧Vref1に従って制御され、他方、第1基準電圧Vref1が第2基準電圧Vrefに達した後、つまり、起動後の通常動作時、第2基準電圧Vref2に従って制御される。
上述したように、基準制御回路10は、太陽電池4の開放電圧Vocに応じて、第1基準電圧Vref1に対応する非反転入力端子(+)に接続されるコンデンサ素子Cs1,Cs2を選択する。このため、起動時、太陽電池4の開放電圧Vocに応じて、定電流源CCからの電流によりコンデンサ素子Cs1,Cs2を充電するために要する時間が変化する。したがって、第1基準電圧Vref1が、第2基準電圧Vref2に達するまでの時間(つまり、ソフトスタートによる起動時間)も同様に変化する。
制限回路12は、例えばクランプ回路であり、DC−DCコンバータ2から外部負荷Ldに流れる電流を制限する過電流保護回路として機能する。制限回路12の反転入力端子(−)は、出力制御回路11の出力端子と接続され、非反転入力端子(+)は、電圧Vlimが与えられる。これにより、制限回路12は、出力制御回路11から入力される誤差信号Verrの電圧を、制限値Vlimに制限する。また、出力端子は、後述するPWMコンパレータ14の反転入力端子(−)に接続されている。
図6は、制限回路12の電流−電圧の特性を示すグラフである。図中、縦軸は、誤差信号Verrの電圧を示し、横軸は、負荷Ldに流れる出力電流Ioutを示す。制限回路12は、誤差信号Verrの電圧が制限値Vlimになると、クランプ機能によって電圧が制限値Vlim以上になることを防止する。なお、電圧が制限値Vlimであるときの出力電流Ioutは、上記の過電流制限値Ilimに対応する。
図7は、制限回路12が動作した場合におけるDC−DCコンバータ2の出力電圧−出力電流の特性を示すグラフである。縦軸は、DC−DCコンバータ2の出力電圧Voutを示し、横軸は、負荷Ldに流れる出力電流Ioutを示す。DC−DCコンバータ2は、通常、定格電圧Eoを出力するが、負荷ldの回路において発生した短絡などにより、出力電流Ioutが増加して過電流制限値Ilimになると、過電流保護動作によって、出力電圧Voutが減少する。これは、誤差信号Verrの電圧が増加した場合、該電圧は、制限回路12のクランプ機能によって、過電流制限値Ilimに対応する制限値Vlimに制限されるからである。
再び図5を参照すると、制限回路12は、停止制御回路13から入力される許可信号S2により動作が許可される。このため、制限回路12は、動作が許可されない限り、上述したクランプ機能を実行することができず、過電流保護動作は行われない。
停止制御回路13は、第1基準電圧Vref1が所定値Vthに達するまで制限回路12の動作を停止する。停止制御回路13は、例えば比較器であり、第1基準電圧Vref1と所定値Vthとを比較して一致した場合、制限回路12に、動作を許可する許可信号S2を出力する。停止制御回路13は、非反転入力端子(+)が、出力制御回路11の非反転入力端子(+)に接続されて、第1基準電圧Vref1が与えられている。一方、反転入力端子(−)には、所定の閾値電圧Vthが与えられている。また、出力端子は、制限回路12、及び出力スイッチSW6と接続されている。
許可信号S2は、第1基準電圧Vref1が閾値電圧Vthになった場合、制限回路12、及び出力スイッチSW6に出力される。したがって、閾値電圧Vthを、出力制御回路11の第2基準電圧Vref2、または第2基準電圧Vref2に近い値に設定することによって、起動中、制限回路12の動作を停止することができる。
また、出力スイッチSW6は、例えばFETであり、スイッチング素子SW4,SW5と外部負荷Ldとの間に接続されている。具体的には、出力スイッチSW6は、コイルLと外部負荷Ldとの間に接続され、DC−DCコンバータ2と外部負荷Ldとを、オン時に電気的に接続し、他方、オフ時に分離する。したがって、閾値電圧Vthを、上述したように設定することによって、停止制御回路13は、出力電圧Voutが外部負荷Ldに印加されないように、第1基準電圧Vref1が所定値Vref2に達するまで出力スイッチSW6をオフ制御することができる。
これにより、DC−DCコンバータ2の起動中、DC−DCコンバータ2と外部負荷Ldとを電気的に分離して、外部負荷Ldの回路において短絡などが発生した場合、外部負荷Ldに過電流が流れることを防止することができる。これは、起動中に制限回路12の動作の停止により過電流保護機能が働かないため、効果的である。なお、出力スイッチSW6は、外部負荷Ldの回路内に設けられてもよい。
PWMコンパレータ14は、比較器であり、非反転入力端子(+)には、スロープ補償回路15から波形制御信号Vslpが入力され、反転入力端子(−)には、出力制御回路11から誤差信号Verrが入力される。PWMコンパレータ14は、波形制御信号Vslpと誤差信号Verrとの比較結果に応じて、制御信号VpをPWM信号生成回路16に出力する。
PWM信号生成回路16は、発振器17から入力されるクロック信号CLKに基づいて動作する。PWM信号生成回路16は、PWMコンパレータ14から入力された制御信号Vpに基づいて、スイッチ素子SW4,SW5に出力するPWM信号Tp,Tnを生成する。PWM信号Tp,Tnは、制御信号Vpに応じたパルス幅を有している。
スイッチ素子SW4は、例えば、PチャネルのFETであり、PWM信号Tpによりオンオフされる。他方、スイッチ素子SW5は、例えば、NチャネルのFETであり、PWM信号Tnによりオンオフされる。スイッチ素子SW4は、ドレイン端子が、電圧検出抵抗Rs3を介して太陽電池4と接続され、ゲート端子が、PWM信号生成回路16と接続されている。
I/V変換回路20は、電圧検出抵抗Rs3の両端、及びスロープ補償回路15と接続され、スイッチ素子SW4がオン状態であるときに電圧検出抵抗Rs3に流れる電流値を、電圧値Vsとして検出して、スロープ補償回路15に出力する。スロープ補償回路15は、PWM信号Tpのデューティが50(%)以上の場合において、低調波発振を防止するため、コイルLを流れる電流波形の傾きを補償する補償値を算出し、波形制御信号Vslpとして出力する。
また、スイッチ素子SW4のソース端子は、スイッチ素子SW5のドレイン端子と接続され、スイッチ素子SW5のソース端子は、グランドGNDと接続されている。コイルLは、一端が、スイッチ素子SW4,SW5の間に接続され、他端が、出力スイッチSW6、及びコンデンサCの一端に接続されている。コンデンサCの他端はグランドGNDに接続されている。
PWM信号Tp,Tnに基づくスイッチ素子SW4,SW5のスイッチング動作が行われると、コンデンサCが充放電されるとともに、コイルLが磁化されるため、出力電圧Voutが生成される。出力電圧Voutは、出力スイッチSW6がオンの場合、外部負荷Ldに印加される。また、出力電圧Voutは、誤差信号Verrを生成するために、出力制御回路11にフィードバックされる。
図8乃至図10は、実施例に係るDC−DCコンバータの動作を示すタイミングチャートである。まず、図8及び図9を参照すると、電圧検出部100は、太陽電池4の開放電圧Voc(H),Voc(L)を検出し、該電圧をA/D変換して得た値d1,d2を、デジタル信号としてスイッチ素子SW1,SW2に出力する。これにより、開放電圧に応じて、出力制御回路11の非反転入力端子(+)に接続される容量が選択される。なお、本実施例において、配線の容量として、コンデンサ素子Cs1,Cs2を用いているが、配線自体が有する容量(つまり、配線容量)を用いてもよい。
容量の選択後、電圧検出部100は、通知信号S1を、出力制御回路11、定電流源CC、PWMコンパレータ14、及びPWM信号生成回路16に出力する。これにより、出力制御回路11、定電流源CC、PWMコンパレータ14、及びPWM信号生成回路16は、動作を開始する。このとき、太陽電池4の出力電圧Eは、DC−DCコンバータ2の消費電力により低下する。
第1基準電圧Vref1は、太陽電池4から入力される入力電圧の増加に伴って増加する。上述したように、開放電圧に応じて、コンデンサ素子Cs1,Cs2の充電時間が決定されるため、第1基準電圧Vref1が第2基準電圧Vref2に達する時間tH,tLも、照度に応じて決定される。したがって、照度が高い場合の到達時間tHは、照度が低い場合の到達時間tLより短縮される。
また、出力制御回路11は、第1基準電圧Vref1が第2基準電圧Vref2より低いとき、第1基準電圧Vref1と、出力電圧Voutとの誤差に基づいて誤差信号Verrを出力する。したがって、突入電流Irushは、誤差信号Verrに基づいて生成されるPWM信号Tp,Tnのパルス幅W(H),W(L)に応じて制限され、照度が高い場合の制限値Imax(H)は、照度が低い場合の制限値Imax(L)より高い。また、出力電圧Voutが定格電圧Eoに達するまでの到達時間について、第1基準電圧Vref1と同様に、照度が高い場合の到達時間tHは、照度が低い場合の到達時間tLより短い。したがって、DC−DCコンバータ1の起動時間は、比較例とは異なり、照度に応じて異なり、照度が高い場合、照度が低い場合と比べて短縮される。
なお、出力制御回路11は、第1基準電圧Vref1が第2基準電圧Vref2に達した後(時間tH以降参照)、一定の第2基準電圧Vref2と、出力電圧Voutとの誤差に基づいて誤差信号Verrを出力する。このため、PWM信号Tp,Tnのパルス幅W(H),W(L)は、照度に依らず同一となり、出力電圧Voutは定格電圧Eoとなる。
次に、図10を参照して、制限回路12、及び停止制御回路13の動作について説明する。先に図4を参照して説明したように、制限回路12による過電流制限値Ilimは、照度が低い場合の突入電流Irushの制限値Imax(L)より大きく、照度が高い場合の突入電流Irushの制限値Imax(H)より小さいため、照度が高い場合が問題となる。このため、図10には、照度が高い場合における電流、及び電圧のみを示す。なお、図中、停止制御回路13の閾値電圧Vthは、第2基準電圧Vref2と同一であるものとしているが、互いに異なっていてもよい。
第1基準電圧Vref1が閾値電圧Vthに達する前、すなわち、起動時間0〜tH内において、停止制御回路13は、許可信号S2の電圧をロウレベル(’L’)に維持する。このとき、制限回路12は、動作を停止しているため、過電流保護機能が働かない。したがって、突入電流Irushは、過電流制限値Ilimより大きい制限値Imax(H)により制限される。
また、出力スイッチSW6は、許可信号S2の電圧がロウレベルであるとき、オフとなるため、起動中、負荷Ld側の回路に短絡などが発生しても、DC−DCコンバータ3から負荷Ldに電流が流れることはない。なお、PWM信号Tp,Tn、及びVoutについては、上述したとおりである。
そして、第1基準電圧Vref1が閾値電圧Vthに達した後、すなわち、時間tH以降、停止制御回路13は、許可信号S2のレベルをハイレベル(’H’)に維持する。このとき、出力スイッチSW6は、オンになり、DC−DCコンバータ3から負荷Ldに電流が流れるが、制限回路12は、許可信号S2により動作が許可されるため、過電流保護機能が働く。したがって、起動後(時間tH以降)の通常動作時において、DC−DCコンバータ3から負荷Ldに、過電流制限値Ilim以上の電流が流れることが防止される。
一方、図11は、起動中に制限回路12が動作した場合におけるDC−DCコンバータの動作を示すタイミングチャートである。図中、停止制御回路13は、比較のため、本実施例とは異なり、常時、許可信号S2のレベルをハイレベル(’H’)に維持するものと仮定されている。
この場合、制限回路12は、許可信号S2により動作が許可されるため、常時、過電流保護機能が働く。したがって、突入電流Irushは、基準電圧Vref1に従う制限値Imax(H)ではなく、制限値Imax(H)より小さい過電流制限値Ilimによって制限される。このため、図10と比べると、PWM信号Tp,Tnのパルス幅が広がり、出力電圧Voutが定格電圧Eoに達するまでの時間が、差分Δtだけ延びる。したがって、図10に示されるように、起動中に制限回路12の動作を停止させることによって、起動時間が短縮される。
これまで述べたように、出力制御回路11は、外部電源4からの入力電圧に基づく基準電圧Vref1に従って、DC−DCコンバータ2の出力電圧Voutを制御する。したがって、制御回路1は、自己の消費電流Iqを確保するとともに、出力側の平滑回路L,Cに流れる突入電流Irushを、入力電圧の増加に合わせて制限し、ソフトスタートを実現する。また、制限回路12は、DC−DCコンバータ2から外部負荷Ldに流れる電流を制限するから、過電流保護機能を実現する。
そして、基準制御回路10は、外部電源4の開放電圧Vocに応じて、上記の基準電圧Vref1を制御し、さらに、停止制御回路13は、基準電圧Vref1が所定値Vthに達するまで制限回路12の動作を停止する。したがって、突入電流Irushは、制限回路12による制限を受けることなく、開放電圧に応じた適当な制限値Imax(H),Imax(L)により制限される。よって、本実施例によれば、開放電圧を決定する照度に従い、外部電源4から入力される入力電流の制限値を制御することによって、DC−DCコンバータ2の起動時間を短縮し、起動後に過電流保護機能を速やかに働かせることができる。
この効果は、次のようなDC−DCコンバータの制御方法によっても同様に得られる。すなわち、基準電圧Vref1に従って、DC−DCコンバータ2の出力電圧Voutを制御し、外部電源4の開放電圧Vocに応じて、基準電圧Vref1を制御する。そして、DC−DCコンバータ2から外部負荷Ldに流れる電流を制限する制限回路12の動作を、基準電圧Vref1が所定値Vthに達するまで停止する。
また、上述した実施例において、太陽電池4の開放電圧Vocを検出するタイミング、及び出力制御回路11などを動作させるタイミングは、電圧検出部100により管理されるが、これに限定されず、外部の回路により管理されてもよい。図12は、他の実施例に係るDC−DCコンバータの回路図である。図中、上述した実施例と同一の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施例における電圧検出部101は、開放電圧Vocを検出するタイミングを、外部のタイミング制御回路5から検出指示信号S0により通知される。すなわち、基準制御回路10は、外部から通知されたタイミングに従って、外部電源である太陽電池4の開放電圧Vocを検出する。このため、電圧検出部101は、正確に管理されたタイミングに従って開放電圧Vocを検出することができる。
また、タイミング制御回路5は、電圧検出部101に代わり、上述した通知信号S1を出力制御回路11などに出力する。これによると、正確に管理されたタイミングに従ってDC−DCコンバータ2を動作させることができる。なお、タイミング制御回路5は、例えば、タイマに従って、検出指示信号S0、及び通知信号S1を出力してもよい。
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1) 基準電圧に従って、DC−DCコンバータの出力電圧を制御する出力制御回路と、
前記DC−DCコンバータに接続された外部電源の開放電圧に応じて、前記基準電圧を制御する基準制御回路と、
前記DC−DCコンバータから外部負荷に流れる電流を制限する制限回路と、
前記基準電圧が所定値に達するまで前記制限回路の動作を停止する停止制御回路とを有することを特徴とするDC−DCコンバータ用制御回路。
(付記2) 前記基準制御回路は、前記開放電圧に応じて、前記外部電源と前記出力制御回路との間に接続された容量の容量値を選択することによって、前記基準電圧を制御することを特徴とする付記1に記載のDC−DCコンバータ用制御回路。
(付記3) 前記基準制御回路は、前記容量値の選択が完了したことを通知する通知信号(S1)を、前記出力制御回路に出力することを特徴とする付記2に記載のDC−DCコンバータ用制御回路。
(付記4) 前記停止制御回路は、前記基準電圧と前記所定値とを比較して一致した場合、前記制限回路に、動作を許可する許可信号を出力することを特徴とする付記1乃至3の何れかに記載のDC−DCコンバータ用制御回路。
(付記5) 前記基準制御回路は、外部から通知されたタイミングに従って、前記外部電源の前記開放電圧を検出することを特徴とする付記1乃至4の何れかに記載のDC−DCコンバータ用制御回路。
(付記6) 付記1乃至5の何れかに記載のDC−DCコンバータ用制御回路と、
1以上のスイッチング素子とを有し、
前記DC−DCコンバータ用制御回路によって前記1以上のスイッチング素子をオンオフ制御することにより前記出力電圧を生成することを特徴とするDC−DCコンバータ。
(付記7) 前記1以上のスイッチング素子と外部負荷との間に接続された出力スイッチを、さらに有し、
前記停止制御回路は、前記出力電圧が前記外部負荷に印加されないように、前記基準電圧が前記所定値に達するまで前記出力スイッチをオフ制御することを特徴とする請求項6に記載のDC−DCコンバータ。
(付記8) 基準電圧に従って、DC−DCコンバータの出力電圧を制御し、
前記DC−DCコンバータに接続された外部電源の開放電圧に応じて、前記基準電圧を制御し、
前記DC−DCコンバータから外部負荷に流れる電流を制限する制限回路の動作を、前記基準電圧が所定値に達するまで停止することを特徴とするDC−DCコンバータの制御方法。
(付記9) 前記開放電圧に応じて、前記外部電源と前記出力制御回路との間に接続された容量の容量値を選択することによって、前記基準電圧を制御することを特徴とする付記8に記載のDC−DCコンバータの制御方法。
(付記10) 前記基準電圧の制御に先立ち、外部から通知されたタイミングに従って、前記外部電源の前記開放電圧を検出することを特徴とする付記8または9に記載のDC−DCコンバータの制御方法。
1 制御回路
10 基準制御回路
11 出力制御回路
12 制限回路
13 停止制御回路
2 DC−DCコンバータ
SW4,SW5 スイッチ素子
SW6 出力スイッチ
4 外部電源
Vref1 第1基準電圧
Vout 出力電圧
S1 通知信号
S2 許可信号

Claims (8)

  1. 基準電圧の電圧値が所定値より低い場合に、前記基準電圧の電圧値に従って、DC−DCコンバータの出力電圧を制御し、前記基準電圧の電圧値が前記所定値以上である場合に、前記所定値に従って、前記DC−DCコンバータの出力電圧を制御する出力制御回路と、
    前記DC−DCコンバータに接続された太陽電池の開放電圧に応じて、前記基準電圧を制御する基準制御回路と、
    前記DC−DCコンバータから外部負荷に流れる電流を制限する制限回路と、
    前記基準電圧の電圧値前記所定値に達するまで前記制限回路の動作を停止する停止制御回路とを有し、
    前記基準制御回路は、前記基準電圧の増加量を制御することにより、前記開放電圧が第1電圧である場合における前記基準電圧の電圧値が前記所定値に達するまでの所要時間を、前記開放電圧が、前記第1電圧より低い第2電圧である場合の前記所要時間より短くすることを特徴とするDC−DCコンバータ用制御回路。
  2. 前記基準制御回路は、前記開放電圧に応じて、前記太陽電池と前記出力制御回路との間に接続された容量の容量値を選択することによって、前記基準電圧の増加量を制御することを特徴とする請求項1に記載のDC−DCコンバータ用制御回路。
  3. 前記基準制御回路は、前記容量値の選択が完了したことを通知する通知信号を、前記出力制御回路に出力することを特徴とする請求項2に記載のDC−DCコンバータ用制御回路。
  4. 前記停止制御回路は、前記基準電圧の電圧値と前記所定値とを比較して一致した場合、前記制限回路に、動作を許可する許可信号を出力することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のDC−DCコンバータ用制御回路。
  5. 前記基準制御回路は、外部から通知されたタイミングに従って、前記太陽電池の前記開放電圧を検出することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のDC−DCコンバータ用制御回路。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載のDC−DCコンバータ用制御回路と、
    1以上のスイッチング素子とを有し、
    前記DC−DCコンバータ用制御回路によって前記1以上のスイッチング素子をオンオフ制御することにより前記出力電圧を生成することを特徴とするDC−DCコンバータ。
  7. 前記1以上のスイッチング素子と外部負荷との間に接続された出力スイッチを、さらに有し、
    前記停止制御回路は、前記出力電圧が前記外部負荷に印加されないように、前記基準電圧の電圧値が前記所定値に達するまで前記出力スイッチをオフ制御することを特徴とする請求項6に記載のDC−DCコンバータ。
  8. 基準電圧の電圧値が所定値より低い場合に、前記基準電圧の電圧値に従って、DC−DCコンバータの出力電圧を制御し、前記基準電圧の電圧値が前記所定値以上である場合に、前記所定値に従って、前記DC−DCコンバータの出力電圧を制御し、
    前記DC−DCコンバータに接続された太陽電池の開放電圧に応じて、前記基準電圧を制御し、
    前記基準電圧の増加量を制御することにより、前記開放電圧が第1電圧である場合における前記基準電圧の電圧値が前記所定値に達するまでの所要時間を、前記開放電圧が、前記第1電圧より低い第2電圧である場合の前記所要時間より短くし、
    前記DC−DCコンバータから外部負荷に流れる電流を制限する制限回路の動作を、前記基準電圧の電圧値前記所定値に達するまで停止することを特徴とするDC−DCコンバータの制御方法。
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