まず、図1を用いて、モノクロプリンター1の全体の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るモノクロプリンターの構成の概略を示す模式図である。
モノクロプリンター1は、箱型形状のプリンター本体2を備えており、プリンター本体2の下部には用紙(図示せず)を収納した給紙カセット3が設けられ、プリンター本体2の上部には排紙トレイ4が設けられている。
プリンター本体2の下部中央には、レーザー・スキャニング・ユニット(LSU)で構成される露光器5が配置され、プリンター本体2の一側(図面上右側)には、画像形成部6が設けられている。画像形成部6には、像担持体としての感光体ドラム7が回転可能に設けられており、感光体ドラム7の周囲には、帯電器8と、トナー補給装置10と、転写ローラー11と、クリーニング装置12と、除電器13とが、転写プロセス順に配置されている。
プリンター本体2の一側(図面上右側)には、用紙の搬送経路14が設けられている。搬送経路14の上流端には給紙部15が設けられ、搬送経路14の下流部には定着装置16が設けられ、搬送経路14の下流端には排紙口17が設けられている。搬送経路14の一側(図面上右側)には、反転経路18が設けられている。
次に、このような構成を備えたモノクロプリンター1の画像形成動作について説明する。
モノクロプリンター1に電源が投入されると、各種パラメーターが初期化され、定着装置16の温度設定等の初期設定が実行される。そして、モノクロプリンター1に接続されたコンピューター等から画像データが入力され、印刷開始の指示がなされると、以下のようにして画像形成動作が実行される。
まず、帯電器8によって感光体ドラム7の表面が帯電された後、露光器5からのレーザー光により感光体ドラム7に対して画像データに対応した露光が行われ、感光体ドラム7の表面に静電潜像が形成される。次に、この静電潜像を、トナー補給装置10がトナーによりトナー像に現像する。
一方、給紙部15によって給紙カセット3から取り出された用紙は、上記した画像形成動作とタイミングを合わせて搬送経路14の下流側へと搬送され、転写ローラー11によって感光体ドラム7上のトナー像が用紙に転写される。トナー像を転写された用紙は、搬送経路14を下流側へと搬送されて定着装置16に進入し、この定着装置16において用紙にトナー像が定着される。トナー像が定着された用紙は、排紙口17から排紙トレイ4に排出される。なお、感光体ドラム7上に残留したトナー及び電荷は、クリーニング装置12及び除電器13によって除去される。
次に、トナー補給装置10について説明する。以下、説明の便のため、図2における紙面手前側をトナー補給装置10の正面側(前側)とする。
図2に示されるように、トナー補給装置10は、第1容器としてのトナーコンテナ20と、トナーコンテナ20の後方に設けられる駆動ユニット21と、トナーコンテナ20の下方に設けられる第2容器としての中間ホッパー22と、中間ホッパー22の下方に設けられる現像器23と、を主体として構成されている。以下、これらについて順番に説明する。
まず、図2及び図3を用いて、トナーコンテナ20について説明する。なお、図3では、図面上の左右関係と実際上の左右関係が逆転している。
トナーコンテナ20は、プリンター本体2に設けられた装着部(図示せず)に着脱可能に装着されており、必要に応じてトナーコンテナ20を交換できるようになっている。
図2に示されるように、トナーコンテナ20は、上面が開口された箱型形状の第1容器本体24と、第1容器本体24の上面を覆う第1蓋体25と、第1容器本体24の下端部に収容される第1搬送部材としての第1搬送スクリュー26と、第1容器本体24の左側部と右側部にそれぞれ収容される第1攪拌パドル27a、27bと、を備えている。
第1容器本体24は、前後方向(図2における紙面奥行き方向)に長い形状を成している。第1容器本体24には、磁性トナーとキャリアから成る2成分現像剤(以下、特に2成分現像について言及する必要がある場合を除き、単に「トナー」と称する。)が収容されている。
第1容器本体24の底壁28には、トナーを排出するための第1排出口30が設けられている。図3に示されるように、第1容器本体24の後端壁31には、従動ギア32が回転可能に支持されている。従動ギア32は、第1容器本体24の後端壁31の略中央に設けられている。従動ギア32には、従動カップリング33が突設されている。第1容器本体24の後端壁31には、従動ギア32の右上方(図3の図面上は左上方)に、アイドルギア34が回転可能に支持されている。アイドルギア34は、従動ギア32に噛合している。
第1蓋体25は、前後方向に長い形状を成している。第1蓋体25の下端部は、第1容器本体24の上端部に超音波溶着されている。これにより、第1容器本体24と第1蓋体25が一体化されている。
図2に示されるように、第1搬送スクリュー26は、第1容器本体24の第1排出口30の真上に配置されている。第1搬送スクリュー26の前後両端部は、第1容器本体24の前後両端壁(図2、図3において後端壁31のみ表示)に回転可能に取り付けられている。これにより、第1搬送スクリュー26が第1容器本体24に回転可能に支持されている。図3に示されるように、第1搬送スクリュー26の後端部には第1搬送ギア35が設けられている。第1搬送ギア35は、第1容器本体24の従動ギア32に噛合している。本実施形態では、従動ギア32と第1搬送ギア35の歯数比が、3:2に設定されている。
図2に示されるように、左側の第1攪拌パドル27aは、第1搬送スクリュー26の左上方に配置されている。右側の第1攪拌パドル27bは、第1搬送スクリュー26の右上方に配置されている。各第1攪拌パドル27a、27bの前後両端部は、第1容器本体24の前後両端壁(図2、図3において後端壁31のみ表示)に回転可能に取り付けられている。これにより、各第1攪拌パドル27a、27bが第1容器本体24に回転可能に支持されている。図3に示されるように、左側の第1攪拌パドル27a(図3の図面上は右側に表示)の後端部には、第1攪拌ギア36aが設けられている。この第1攪拌ギア36aは、第1容器本体24の従動ギア32に噛合している。右側の第1攪拌パドル27b(図3の図面上は左側に表示)の後端部には、第1攪拌ギア36bが設けられている。この第1攪拌ギア36bは、第1容器本体24のアイドルギア34に噛合している。
次に、図4及び図5を用いて、駆動ユニット21について説明する。なお、図4及び図5では、図面上の左右関係と実際上の左右関係が逆転している。また、図4、図5に示される矢印Frは、トナー補給装置10の前側を示している。
駆動ユニット21は、プリンター本体2の後部に固定されている。駆動ユニット21は、駆動ユニット本体37と、この駆動ユニット本体37の左端部(図4、図5の図面上は右端部)に固定される第1駆動モーター(第1駆動源)38と、駆動ユニット本体37の下部中央に設けられる中間ギア40と、駆動ユニット本体37の下部右側(図4、図5の図面上は下部左側)に設けられる出力軸41と、出力軸41の後端側において駆動ユニット本体37に固定される第1回転センサー42と、を備えている。
図4に示されるように、駆動ユニット本体37は、フレーム状の部材によって構成されている。図5に示されるように、駆動ユニット本体37の下部右側(図5の図面上は下部左側)には、連通穴43が前後方向に穿設されている。駆動ユニット本体37の下部中央には前後方向に延びる支軸44が設けられている。
第1駆動モーター38は、例えば、DCブラシモーター、DCブラシレスモーター、ステッピングモーター等によって構成されている。第1駆動モーター38には、下方に向かって延びるモーター軸45が設けられ、モーター軸45には、ウォーム46が固定されている。
中間ギア40は、駆動ユニット本体37の支軸44に回転可能に支持されている。中間ギア40は、大径部40aと小径部40bを備えている。中間ギア40の大径部40aは、第1駆動モーター38のモーター軸45に固定されたウォーム46に噛合している。
図5に示されるように、出力軸41は、前後方向に延びて駆動ユニット本体37の連通穴43を貫通しており、駆動ユニット本体37に回転可能に支持されている。出力軸41の前端部には、駆動カップリング47が設けられている。駆動カップリング47は、トナーコンテナ20をプリンター本体2に装着するのに連動して、トナーコンテナ20の第1容器本体24の従動ギア32に設けられた従動カップリング33に連結されるようになっている。駆動カップリング47は、コイルスプリング48によって前方に付勢されている。
出力軸41の後部には、出力ギア50が設けられている。出力ギア50は、中間ギア40の小径部40bに噛合している。出力軸41の後部には、出力ギア50と一体に第1パルス板51が設けられている。図4に示されるように、第1パルス板51の外周には、後方に向かってフランジ状に突出する遮光部52が設けられ、この遮光部52には、12個のスリット53が周方向に等間隔で設けられている。
第1回転センサー42は、いわゆるPIセンサー(Photo Interrupter Sensor)である。第1回転センサー42は、出力軸41の第1パルス板51に設けられた遮光部52を挟んで対向配置される発光部54と受光部55を備えている。そして、出力軸41が回転すると、発光部54から受光部55に至る検出光路が遮光部52及びスリット53によって開閉されることで、第1回転センサー42が出力軸41の回転をパルスとして検知できるようになっている。
次に、図2、図6及び図7を用いて、中間ホッパー22について説明する。
図2に示されるように、中間ホッパー22は、トナーコンテナ20と現像器23の間に介装されており、トナーコンテナ20と現像器23を中継する役割を果たしている。
図2及び図6に示されるように、中間ホッパー22は、上面が開口された箱型形状の第2容器本体56と、第2容器本体56の上面を覆う第2蓋体57と、第2容器本体56の右下側に設けられる第2駆動モーター(第2駆動源)58(図6参照)と、第2駆動モーター58の左下側に設けられる接続ギア列60(図6参照)と、第2容器本体56の右下端部に収容される第2搬送部材としての第2搬送スクリュー61と、第2搬送スクリュー61の右下側に配置される第2回転センサー62(図6参照)と、第2容器本体56の右側部と中央部と左側部にそれぞれ収容される第2攪拌パドル63a〜63cと、を備えている。
図2に示されるように、第2容器本体56の底壁部64の右端部には、トナーを排出するための第2排出口65が設けられている。図6に示されるように、第2容器本体56の前壁部66の中央よりも僅かに右側には、第1中間ギア67が回転可能に支持されている。第2容器本体56の前壁部66には、第1中間ギア67の左上方に第2中間ギア68が回転可能に支持されている。
第2蓋体57の下端部は、第2容器本体56の上端部に超音波溶着されている。これにより、第2容器本体56と第2蓋体57が一体化されている。図2に示されるように、第2蓋体57の左側部には、トナーを受け入れるための補給口70が設けられている。補給口70は、トナーコンテナ20の第1容器本体24に設けられた第1排出口30にダクト部材71を介して接続されている。
第2駆動モーター58は、例えば、DCブラシモーター、DCブラシレスモーター、ステッピングモーター等によって構成されている。図6に示されるように、第2駆動モーター58には、右下方に向かって突出するモーター軸72が設けられており、モーター軸72にはウォーム73が固定されている。
接続ギア列60は、接続ギア74と、接続ギア74の左上側に設けられる接続ギア75と、接続ギア75の下側に設けられる接続ギア76と、接続ギア74の上側に設けられる接続ギア77と、を備えている。
接続ギア74は、回転軸74aと、大径部74bと、中径部74cと、小径部74dと、を備えている。接続ギア74の大径部74bは、接続ギア74の回転軸74aとワンウェイクラッチ(図示せず)を介して接続されている。接続ギア74の大径部74bは、第2駆動モーター58のモーター軸72に固定されたウォーム73に噛合している。接続ギア74の中径部74cは、接続ギア74の回転軸74aと他のワンウェイクラッチ(図示せず)を介して接続されている。接続ギア74の小径部74dは、接続ギア74の回転軸74aに固定されている。
接続ギア75は、大径部75aと小径部75bを備えている。接続ギア75の大径部75aは、接続ギア74の大径部74bに噛合している。接続ギア75の小径部75bは、接続ギア76に噛合している。接続ギア76は、接続ギア74の中径部74cに噛合している。接続ギア77は、大径部77aと小径部77bを備えている。接続ギア77の大径部77aは、接続ギア74の小径部74dに噛合している。
図2に示されるように、第2搬送スクリュー61は、第2容器本体56の第2排出口65の真上に配置されている。第2搬送スクリュー61の前後両端部は、第2容器本体56の前後両壁部(図2では後壁部78のみ、図6では前壁部66のみ表示)に回転可能に取り付けられている。これにより、第2搬送スクリュー61が第2容器本体56に回転可能に支持されている。図6に示されるように、第2搬送スクリュー61の前端部には、第2搬送ギア80が設けられている。第2搬送ギア80は、第2駆動モーター58のモーター軸72に固定されたウォーム73に噛合している。第2搬送スクリュー61の前部には、第2搬送ギア80と一体に第2パルス板81が設けられている。第2パルス板81の外周には遮光部82が設けられ、この遮光部82には、8個のスリット83が周方向に等間隔で設けられている。
第2回転センサー62は、いわゆるPIセンサー(Photo Interrupter Sensor)である。図7に示されるように、第2回転センサー62は、第2搬送スクリュー61の第2パルス板81に設けられた遮光部82を挟んで対向配置される発光部84と受光部85を備えている。そして、第2搬送スクリュー61が回転すると、発光部84から受光部85に至る検出光路が遮光部82及びスリット83によって開閉されることで、第2回転センサー62が第2搬送スクリュー61の回転をパルスとして検知できるようになっている。
図2に示されるように、各第2攪拌パドル63a〜63cは、第2搬送スクリュー61よりも左側に配置されている。各第2攪拌パドル63a〜63cの前後両端部は、第2容器本体56の前後両壁部(図2では後壁部78のみ、図6では前壁部66のみ表示)に回転可能に取り付けられている。これにより、各第2攪拌パドル63a〜63cが第2容器本体56に回転可能に支持されている。
図6に示されるように、右側の第2攪拌パドル63aの前端部には、第2攪拌ギア86aが設けられている。第2攪拌ギア86aの大径部は、接続ギア列60の接続ギア77の小径部77bに噛合し、第2攪拌ギア86aの小径部は、第2容器本体56の第1中間ギア67に噛合している。中央の第2攪拌パドル63bの前端部には、第2攪拌ギア86bが設けられている。第2攪拌ギア86bの小径部は、第2容器本体56の第1中間ギア67に噛合し、第2攪拌ギア86bの大径部は、第2容器本体56の第2中間ギア68に噛合している。左側の第2攪拌パドル63cの前端部には、第2攪拌ギア86cが設けられている。この第2攪拌ギア86cは、第2容器本体56の第2中間ギア68に噛合している。
次に、図2及び図8を用いて、現像器23の構成について説明する。
現像器23は、箱型形状の現像器本体87と、現像器本体87の下部に収容される攪拌スクリュー88a〜88cと、現像器本体87の上下方向中央部に収容される磁気ローラー90と、現像器本体87の上部に収容されるトナー担持体としての現像ローラー91と、を備えている。
現像器本体87は、前後方向に長い形状を成している。図2に示されるように、現像器本体87の上端には、トナーを受け入れるための現像器側補給口92が設けられている。現像器側補給口92は、中間ホッパー22の第2容器本体56に設けられた第2排出口65に接続されている。現像器本体87の下部には、磁性トナーとキャリアから成る二成分現像剤を収容する収容空間93が設けられている。図8に示されるように、収容空間93の前部は、前側隔壁94によって左右に区画され、収容空間93の後部は、後側隔壁95によって左右に区画されている。
収容空間93の前部には、前側隔壁94よりも右方にトナー残量センサーとしてのトナー濃度センサー96が設けられている。トナー濃度センサー96は、例えば、二成分現像剤中のトナー濃度を検出する透磁率センサーによって構成されている。トナー濃度センサー96は、二成分現像剤中のトナー濃度に対応する検出値(本実施形態では、二成分現像剤中のトナー濃度に反比例する検出値)を出力するように構成されている。
各攪拌スクリュー88a〜88cは、前後方向に長い形状を成している。各攪拌スクリュー88a〜88cは、現像器本体87に回転可能に支持されると共に、収容空間93に収容されている。攪拌スクリュー88aは、前側隔壁94及び後側隔壁95の左方に配置されている。攪拌スクリュー88bは、前側隔壁94の右方に配置されている。攪拌スクリュー88cは、後側隔壁95の右方に配置されている。そして、各攪拌スクリュー88a〜88cによって、収容空間93内を二成分現像剤が循環するように構成されている(図8の白抜き矢印参照)。
磁気ローラー90は、現像器本体87に回転可能に支持されている。磁気ローラー90は、収容空間93内の二成分現像剤中のトナーを現像ローラー91に供給するように構成されている。
現像ローラー91は、現像器本体87に回転可能に支持されている。現像ローラー91は、磁気ローラー90の右上方に配置されており、磁気ローラー90と所定の間隔を介して対向している。現像ローラー91は、感光体ドラム7に当接又は近接しており、磁気ローラー90から供給されるトナーを感光体ドラム7に補給するように構成されている。
次に、図9、図10を用いて、トナー補給装置10の制御システムについて説明する。
図9に示されるように、トナー補給装置10には、制御部(CPU)101が設けられている。制御部101は、ROM、RAM等の記憶装置で構成される記憶部102と接続されており、記憶部102に格納された制御プログラムや制御用データに基づいて、制御部101がトナー補給装置10の各部を制御するように構成されている。
記憶部102は、第1搬送スクリュー26及び第2搬送スクリュー61を連続的に回転させる時間の基準値である基準連続回転時間T1(本実施形態では、1分間)を記憶している。記憶部102は、第1搬送スクリュー26及び第2搬送スクリュー61を連続的に回転させる回転数の基準値である基準連続回転数Nを記憶している。記憶部102は、第2搬送スクリュー61の回転に伴うパルスが検知される間隔の基準値である基準パルス間隔T2(本実施形態では、0.1秒又は0.2秒)を記憶している。
記憶部102は、現像器本体87内のトナー濃度(トナー残量)に対応する第1基準値A1(本実施形態では、500)と、第1基準値A1に対応するトナー濃度よりも低いトナー濃度(第1基準値A1に対応するトナー残量よりも少ないトナー残量)に対応する第2基準値A2(本実施形態では、550)と、第2基準値A2に対応するトナー濃度よりも低いトナー濃度(第2基準値A2に対応するトナー残量よりも少ないトナー残量)に対応する第3基準値A3(本実施形態では、600)を記憶している。なお、トナー濃度が低くなるに従って基準値が大きくなっているのは、トナー濃度センサー96の検出値が現像器本体87内のトナー濃度と反比例しているからである。
図10に示されるように、本実施形態では、トナー濃度センサー96の検出値が第1基準値A1(500)よりも低い領域を、「補給禁止領域」とする。また、トナー濃度センサー96の検出値が第1基準値A1(500)以上で、且つ、第2基準値A2(550)よりも低い領域を、「通常補給領域」とする。また、トナー濃度センサー96の検出値が第2基準値A2(550)以上で、且つ、第3基準値A3(600)よりも低い領域を、「準強制補給領域」とする。また、トナー濃度センサー96の検出値が第3基準値A3(600)以上である領域を、「強制補給領域」とする。
図9に示されるように、制御部101は、プリンター本体2に設けられた操作表示部103と接続されている。操作表示部103には、例えば、スタートキー、ストップ/クリアキー、電源キー、テンキー、タッチパネル等の操作キーが設けられ、ユーザーが各操作キーを操作すると、その操作指示が制御部101に出力されるように構成されている。また、制御部101から出力される信号に基づいて、例えばエラーメッセージやトナー残量等の各種の情報が操作表示部103に表示されるように構成されている。
制御部101は、第1駆動モーター38に接続されており、制御部101からの駆動指令信号に基づいて第1駆動モーター38に電流が流れることで、第1駆動モーター38のモーター軸45が回転するように構成されている。制御部101は、第2駆動モーター58に接続されており、制御部101からの駆動指令信号に基づいて第2駆動モーター58に電流が流れることで、第2駆動モーター58のモーター軸72が回転するように構成されている。
制御部101は、第1回転センサー42に接続されており、第1回転センサー42が出力軸41の回転を検知すると、第1回転センサー42から制御部101に検知信号が出力されるように構成されている。本実施形態では、出力軸41の第1パルス板51(図4等参照)に12個のスリット53が設けられているため、出力軸41が1回転する間に12回のパルスが第1回転センサー42によって検知される。つまり、1パルスは出力軸41の1/12回転に相当する。一方、本実施形態では、出力軸41に連結される従動ギア32と第1搬送スクリュー26の第1搬送ギア35の歯数比が前述の如く3:2に設定されているため、第1搬送スクリュー26が1回転する間に出力軸が2/3回転し、これに伴って8回のパルスが第1回転センサー42によって検知される。つまり、1パルスは第1搬送スクリュー26の1/8回転に相当する。このように、第1回転センサー42は、第1搬送スクリュー26の回転を1/8回転ずつパルスとして検知できるようになっている。
図9に示されるように、制御部101は、第2回転センサー62に接続されており、第2回転センサー62が第2搬送スクリュー61の回転を検知すると、第2回転センサー62から制御部101に検知信号が出力されるように構成されている。本実施形態では、第2搬送スクリュー61の第2パルス板81(図4等参照)に8個のスリット83が設けられているため、第2搬送スクリュー61が1回転する間に8回のパルスが第2回転センサー62によって検知される。つまり、1パルスは第2搬送スクリュー61の1/8回転に相当する。このように、第2回転センサー62は、第2搬送スクリュー61の回転をパルスによって1/8回転ずつパルスとして検知できるようになっている。
図9に示されるように、制御部101は、トナー濃度センサー96に接続されており、トナー濃度センサー96が現像器本体87内のトナー濃度に対応する検出値を出力すると、その検出値が制御部101に送信されるように構成されている。
上記のように構成されたトナー補給装置10において、制御部101からの駆動指令信号に基づいて第1駆動モーター38のモーター軸45が回転すると、この回転がウォーム46及び中間ギア40を介して出力軸41に伝達され、出力軸41が回転する。このように出力軸41が回転すると、この回転がトナーコンテナ20の従動ギア32(図3参照)に伝達され、従動ギア32が回転する。
このように従動ギア32が回転すると、この回転が左側の第1攪拌パドル27a(図3では右側に表示)の第1攪拌ギア36aに伝達され、左側の第1攪拌パドル27aが回転する。また、上記のように従動ギア32が回転すると、この回転がアイドルギア34を介して右側の第1攪拌パドル27b(図3では左側に表示)の第1攪拌ギア36bに伝達され、右側の第1攪拌パドル27bが回転する。このように各第1攪拌パドル27a、27bが回転すると、トナーコンテナ20の第1容器本体24内に収容されたトナーが、攪拌されつつ第1搬送スクリュー26の方向へと搬送される。
また、上記のように従動ギア32が回転すると、この回転が第1搬送スクリュー26の第1搬送ギア35に伝達され、第1搬送スクリュー26が回転する。このように第1搬送スクリュー26が回転すると、トナーコンテナ20の第1容器本体24からトナーが排出され、ダクト部材71(図2参照)を介して中間ホッパー22の第2容器本体56に導入され、第2容器本体56に収容される。これにより、トナーコンテナ20から中間ホッパー22へトナーが補給される。
また、上記のように構成されたトナー補給装置10において、制御部101からの駆動指令信号に基づいて第2駆動モーター58のモーター軸72が回転すると、この回転が接続ギア列60(図6参照)を介して第2攪拌パドル63aの第2攪拌ギア86aに伝達され、第2攪拌パドル63aが回転する。また、第2攪拌パドル63aの攪拌ギア86aの回転が第1中間ギア67を介して第2攪拌パドル63bの第2攪拌ギア86bに伝達され、第2攪拌パドル63bが回転する。また、第2攪拌パドル63bの第2攪拌ギア86bの回転が第2中間ギア68を介して第2攪拌パドル63cの攪拌ギア86cに伝達され、第2攪拌パドル63cが回転する。このように各第2攪拌パドル63a〜63cが回転すると、中間ホッパー22の第2容器本体56内に収容されたトナーが、攪拌されつつ第2搬送スクリュー61の方向へ搬送される。
また、上記のように第2駆動モーター58のモーター軸72が回転すると、この回転が第2搬送スクリュー61の第2搬送ギア80に伝達され、第2搬送スクリュー61が回転する。このように第2搬送スクリュー61が回転すると、中間ホッパー22の第2容器本体56内に収容されたトナーが排出され、現像器23の現像器本体87に導入され、現像器本体87に収容される。これにより、中間ホッパー22から現像器23へトナーが補給される。
次に、上記のように構成されたトナー補給装置10におけるトナー補給制御について、図11等を用いて説明する。
まず、第1駆動モーター38によって第1搬送スクリュー26を所定回転数に達するまで、又は、所定時間だけ回転させ、トナーコンテナ20から中間ホッパー22にトナーを補給する(ステップS101)。その後、第2駆動モーター58によって第2搬送スクリュー61を所定回転数に達するまで、又は、所定時間だけ回転させ、中間ホッパー22から現像器23へとトナーを補給する(ステップS102)。この現像器23へのトナー補給により第2回転センサー62によって検知される第2搬送スクリュー61の回転が所定回転数に到達する。
その後、コンピューター(図示せず)からの指示等に基づいて画像形成部6において用紙に対する印字が開始される(ステップS103)。これに伴って、現像ローラー91から感光体ドラム7にトナーが補給され、現像器本体87内のトナーが消費される。
このように現像器本体87内のトナーが消費されると、制御部101は、トナー濃度センサー96の検出値が第1基準値A1(500)以上であるかを判定する(ステップS104)。なお、前述のように、トナー濃度センサー96の検出値は現像器本体87内のトナー濃度と反比例するため、ステップS104の判定は、トナー濃度センサー96の検出値に対応するトナー濃度が第1基準値A1に対応するトナー濃度以下であるかどうかを判定していることになる。
ステップS104の判定がNOの場合には、トナー濃度センサー96の検出値は、補給禁止領域にある(ステップS105)。この場合、現像器23へのトナー補給は不要であるため、制御部101は、第1搬送スクリュー26及び第2搬送スクリュー61を停止させた状態を保持する。従って、トナーコンテナ20から中間ホッパー22へのトナー補給及び中間ホッパー22から現像器23へのトナー補給は行われない。
これに対して、ステップS104の判定がYESの場合には、制御部101は、トナー濃度センサー96の検出値が第2基準値A2(550)以上であるかを判定する(ステップS106)。なお、前述のように、トナー濃度センサー96の検出値は現像器本体87内のトナー濃度と反比例するため、ステップS106の判定は、トナー濃度センサー96の検出値に対応するトナー濃度が第2基準値A2に対応するトナー濃度以下であるかどうかを判定していることになる。
ステップS106の判定がNOの場合には、トナー濃度センサー96の検出値は、通常補給領域にある(ステップS107)。この場合、制御部101は、第1回転センサー42からの検知信号に基づいて、第1駆動モーター38によって第1搬送スクリュー26を所定の回転数ずつ(例えば、500≦検出値<525なら1/8回転=1パルスずつ、525≦検出値<550なら1/4回転=2パルスずつ)間欠的に回転させる。これに伴って、トナーコンテナ20内のトナーが中間ホッパー22に補給される。また、制御部101は、第2回転センサー62からの検知信号に基づいて、第2駆動モーター58によって第2搬送スクリュー61を第1搬送スクリュー26と同期して所定の回転数ずつ(例えば、500≦検出値<525なら1/8回転=1パルスずつ、525≦検出値<550なら1/4回転=2パルスずつ)間欠的に回転させる。これに伴って、中間ホッパー22内のトナーが現像器23に補給される。
これに対して、ステップS106の判定がYESの場合には、制御部101は、トナー濃度センサー96の検出値が第3基準値A3(600)以上であるかを判定する(ステップS108)。なお、前述のように、トナー濃度センサー96の検出値は現像器本体87内のトナー濃度と反比例するため、ステップS108の判定は、トナー濃度センサー96の検出値に対応するトナー濃度が第3基準値A3に対応するトナー濃度以下であるかどうかを判定していることになる。
このステップS108の判定がNOの場合には、トナー濃度センサー96の検出値は、準強制補給領域にある(ステップS109)。この場合、制御部101は、第1回転センサー42からの検知信号に基づいて第1駆動モーター38によって第1搬送スクリュー26を所定の回転数ずつ間欠的に回転させる。これに伴って、トナーコンテナ20内のトナーが中間ホッパー22に補給される。また、制御部101は、第2駆動モーター58によって第2搬送スクリュー61を連続的に回転させる。これに伴って、中間ホッパー22内のトナーが現像器23に補給される。
これに対して、ステップS108の判定がYESの場合には、制御部101は、第1搬送スクリュー26及び第2搬送スクリュー61の連続的な回転が開始されてから基準連続回転時間T1(1分間)又は基準連続回転数Nに到達しているかを判定する(ステップS110)。このステップS110の判定がNOの場合には、トナー濃度センサー96の検出値が強制補給領域にあることから、制御部101は、第1駆動モーター38によって第1搬送スクリュー26を連続的に回転させると共に、第2駆動モーター58によって第2搬送スクリュー61を連続的に回転させる(ステップS111)。
これに対して、ステップS110の判定がYESの場合には、第1搬送スクリュー26及び第2搬送スクリュー61の連続的な回転が開始されてから基準連続回転時間T1又は基準連続回転数Nに到達しても、トナー濃度センサー96の検出値に対応するトナー濃度が第3基準値A3に対応するトナー濃度に到達しないことになる。この場合、制御部101は、トナーコンテナ20の第1容器本体24内にトナーが無いと判定する(ステップS112)。そして、操作表示部103に「トナーがありません」「トナーコンテナを交換して下さい」等のトナーエンド表示を表示させる(ステップS113)。
本実施形態では上記のように、トナー濃度センサー96の検出値に対応するトナー濃度が第1基準値A1に対応するトナー濃度以下であることを少なくとも条件の一つとして、第1回転センサー42及び第2回転センサー62からの検知信号に基づいて第1搬送スクリュー26及び第2搬送スクリュー61を所定の回転数ずつ間欠的に回転させている。このような構成を採用することで、第1搬送スクリュー26及び第2搬送スクリュー61の回転を精度良く制御することが可能となり、トナーコンテナ20から中間ホッパー22へ、中間ホッパー22から現像器23へとトナーを過不足なく補給することが可能となる。これに伴って、現像器23の現像ローラー91から感光体ドラム7へとトナーを過不足なく補給することが可能となり、補給かぶり等の発生を防止し、画像品質の向上を図ることが可能となる。また、中間ホッパー22から現像器23にトナーを確実に補給することができるため、高濃度追従性を確保することが可能となる。
また、第1搬送スクリュー26及び第2搬送スクリュー61を所定の回転数ずつ間欠的に回転させる際に、第1搬送スクリュー26の回転と第2搬送スクリュー61の回転を同期させている。そのため、トナーコンテナ20から中間ホッパー22にトナーを補給するタイミングと中間ホッパー22から現像器23にトナーを補給するタイミングを一致させることが可能となる。
また、トナー濃度センサー96の検出値に対応するトナー濃度が第2基準値A2に対応するトナー濃度以下であることを少なくとも条件の一つとして、第1回転センサー42からの検知信号に基づいて第1搬送スクリュー26を所定の回転数ずつ間欠的に回転させると共に第2搬送スクリュー61を連続的に回転させている。このような構成を採用することにより、現像器23内のトナー濃度が低下するのに対応して中間ホッパー22から現像器23へのトナー補給量を増やすことができ、現像器23内のトナー残量の不足を解消しやすくなる。
更に、トナー濃度センサー96の検出値に対応するトナー濃度が第3基準値A3に対応するトナー濃度以下であることを少なくとも条件の一つとして、第1搬送スクリュー26及び第2搬送スクリュー61を連続的に回転させている。このような構成を採用することにより、現像器23内のトナー濃度が低下するのに対応してトナーコンテナ20から中間ホッパー22へのトナー補給量及び中間ホッパー22から現像器23へのトナー補給量を増やすことができ、現像器23内のトナー残量の不足を一層解消しやすくなる。
また、第1搬送スクリュー26及び第2搬送スクリュー61の連続的な回転が開始されてから基準連続回転時間T1又は基準連続回転数Nに到達してもトナー濃度センサー96の検出値に対応するトナー濃度が第3基準値A3に対応するトナー濃度に到達しないことを少なくとも条件の一つとして、第1容器本体24内にトナーが無いと判定している。このような構成を採用することで、第1容器本体24内にトナーが無いことを確実に判定することが可能となる。
また、二成分現像剤中のトナー濃度に対応する検出値を出力するトナー濃度センサー96をトナー残量センサーとして用いている。そのため、本実施形態のように二成分現像方式を用いる場合に、現像器本体87内のトナー残量を正確に把握することが可能となる。
次に、上記のようなトナー補給制御において、トナーコンテナ20から中間ホッパー22へのトナーの過補給を防止する方法について、主に図12を用いて説明する。
図12(a)は、中間ホッパー22の第2容器本体56内にトナーが無い状態で第2搬送スクリュー61を連続的に回転させた際に、第2回転センサー62が検知するパルスの波形を示している。この時、第2回転センサー62によってパルスが検知される間隔(以下、「パルス間隔」と称する。)は、d1である。一方、図12(b)は、中間ホッパー22の第2容器本体56内にトナーが充満した状態で第2搬送スクリュー61を連続的に回転させた際に、第2回転センサー62が検知するパルスの波形を示している。この時のパルス間隔は、d2である。
図12(a)と図12(b)を比較すると、第2容器本体56内にトナーが充満した状態におけるパルス間隔d2は、第2容器本体56内にトナーが無い状態におけるパルス間隔d1よりも長くなっている。これは、第2容器本体56内にトナーが充満した状態では、トナーの抵抗によって、第2容器本体56内にトナーが無い状態よりも第2搬送スクリュー61の回転が遅くなるためである。このように、パルス間隔の長さによって、第2容器本体56内のトナー残量を判別することができる。
本実施形態では、この原理を利用して、トナーコンテナ20から中間ホッパー22へのトナーの過補給を防止している。即ち、制御部101は、第2搬送スクリュー61を連続的に回転させ、パルス間隔をサンプリングする。そして、このパルス間隔が記憶部102に記憶された基準パルス間隔T2(0.1秒又は0.2秒)以下であることを少なくとも条件の一つとして、第1駆動モーター38によって第1搬送スクリュー26を回転させて、トナーコンテナ20から中間ホッパー22へトナーを補給する。換言すると、パルス間隔が記憶部102に記憶された基準パルス間隔T2よりも長い場合には、第1搬送スクリュー26を回転させず、トナーコンテナ20から中間ホッパー22へのトナー補給を停止する。
このような構成を採用することで、トナーコンテナ20から中間ホッパー22へとトナーが過剰に補給されるのを抑制することができ、中間ホッパー22内においてトナーが溢れるのを防止することが可能となる。これに伴って、トナーコンテナ20の着脱時に中間ホッパー22内のトナーがトナーコンテナ20に引きずられて拡散するのを回避することが可能となり、中間ホッパー22内にトナーを常に充満させておく所謂「すりきり方式」を採用する場合と比較して、トナー汚染が発生しにくくなる。また、第2搬送スクリュー61を常に回転させておくような方式を採用する場合と比較して、トナーコンテナ20から中間ホッパー22へのトナーの過補給が起こり難くなる。また、第2回転センサー62によって中間ホッパー22内のトナー残量を推測することができるため、中間ホッパー22内のトナー残量を検知するための専用のセンサーを設ける必要が無く、コストダウンを図ることが可能となる。
本実施形態では、磁性トナーとキャリアから成る二成分現像剤を用いるトナー補給装置10に本発明の構成を適用する場合について説明したが、他の異なる実施形態では、磁性トナー等のトナーのみから成る一成分現像剤を用いるトナー補給装置10に本発明の構成を適用しても良い。
本実施形態では、モノクロプリンター1に本発明の構成を適用する場合について説明したが、他の異なる実施形態では、カラープリンター、複写機、ファクシミリ、複合機等のモノクロプリンター1以外の画像形成装置に本発明の構成を適用しても良い。