以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
図1は発明を実施する形態の一例であって、本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。
本実施形態は、図1に示すように、表面に静電潜像が形成される感光体ドラム3と、感光体ドラム3表面を帯電させる帯電器(帯電装置)5と、感光体ドラム3表面に静電潜像を形成する露光ユニット(露光装置)1と、感光体ドラム3表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置(現像剤収容装置)2と、現像装置2にトナーを補給するトナー補給装置22と、感光体ドラム3表面のトナー像を記録媒体に転写する中間転写ベルトユニット(転写装置)8と、トナー像を記録媒体に定着させる定着ユニット(定着装置)12とを備え、電子写真方式によりトナーを用いて画像を形成する画像形成装置100において、本発明に係る特徴的な画像形成装置の構成を採用したものである。
この画像形成装置100は、外部から伝達される画像データに応じて所定のシート(記録用紙,記録媒体)に多色または単色の画像を形成するものである。なお、画像形成装置100の上方にスキャナ等を備えてもよい。
まず、画像形成装置100の全体構成について説明する。
画像形成装置100は、図1に示すように、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の色成分毎の画像データが取り扱われ、黒画像、シアン画像、マゼンタ画像、イエロー画像が形成され、各々の色成分の画像を重畳することによってカラー画像が形成されるようになっている。
従って、画像形成装置100においては、図1に示すように、各色成分の画像が形成されるように、現像装置2(2a,2b,2c,2d)、感光体ドラム3(3a,3b,3c,3d)、帯電器5(5a,5b,5c,5d)、クリーナユニット4(4a,4b,4c,4d)がそれぞれ4個ずつ設けられている。言い換えると、現像装置2と感光体ドラム3と帯電器5とクリーナユニット4とを1つずつ含む画像形成ステーション(画像形成部)が4つ設けられることになる。
なお、上記a〜dの符号は、aが黒画像形成用の部材、bがシアン画像形成用の部材、cがマゼンタ画像形成用の部材、dがイエロー画像形成用の部材であることを示したものである。また、画像形成装置100には、露光ユニット1、定着ユニット12、シート搬送路S、給紙トレイ10及び排紙トレイ15が備えられている。
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるものである。
帯電器5としては、図1に示す接触ローラ型の帯電器の他、接触ブラシ型の帯電器、或いは非接触チャージャー型の帯電器などが使用されることもある。
露光ユニット1は、図1に示すように、レーザ照射部及び反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)である。但し、レーザスキャニングユニット以外に、発光素子をアレイ状に並べたEL(エレクトロルミネッセンス)やLED書込みヘッドを露光ユニット1とすることもできる。露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、感光体ドラム3の表面に画像データに応じた静電潜像を形成する。
現像装置2は、感光体ドラム3に形成された静電潜像をK,C,M,Yのいずれかのトナーにより顕像化する(現像する)ものである。現像装置2(2a,2b,2c,2d)の上部には、トナー移送機構102(102a,102b,102c,102d)、トナー補給装置22(22a,22b,22c,22d)、現像槽(現像剤収容部)111(111a,111b,111c,111d)を備えている。
トナー補給装置22は、現像槽111よりも上方に配され、未使用トナー(粉体状のトナー)を貯蔵している。トナー補給装置22から現像槽111へトナー移送機構102を介してトナーが供給されるようになっている。
クリーナユニット4は、現像及び画像転写工程後に感光体ドラム3の表面に残留しているトナーを除去し、回収するものである。
感光体ドラム3の上方には中間転写ベルトユニット8が配置されている。中間転写ベルトユニット8は、中間転写ローラ6(6a,6b,6c,6d)、中間転写ベルト7、中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルト従動ローラ72、中間転写ベルトテンション機構73、及び中間転写ベルトクリーニングユニット9を備えている。
中間転写ローラ6、中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルト従動ローラ72、中間転写ベルトテンション機構73は、中間転写ベルト7を張架し、図1の矢印B方向に中間転写ベルト7を回転駆動させるものである。
中間転写ローラ6は、中間転写ベルトユニット8の中間転写ベルトテンション機構73における中間転写ローラ取付部に回転可能に支持されている。中間転写ローラ6には感光体ドラム3のトナー像を中間転写ベルト7上に転写するための転写バイアスが印加されている。
中間転写ベルト7は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている。中間転写ベルト7上には、感光体ドラム3に形成された各色成分のトナー像が順次重ねて転写されることにより、カラーのトナー像(多色トナー像)が形成される。中間転写ベルト7は、厚さが例えば100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
感光体ドラム3から中間転写ベルト7へのトナー像の転写は、中間転写ベルト7の裏側に接触している中間転写ローラ6によって行われる。中間転写ローラ6には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。
中間転写ローラ6は、直径が例えば8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとして形成され、表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われている。この導電性の弾性材により、中間転写ローラ6は中間転写ベルト7に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施の形態では、転写電極としてローラ形状のもの(中間転写ローラ6)を使用しているが、これ以外にブラシなども用いることが可能である。
上述のように各感光体ドラム3上の静電潜像は各色成分に応じたトナーにより顕像化されてそれぞれトナー像となり、これらトナー像は中間転写ベルト7上に重ねて合わされ積層される。このように、積層されたトナー像は、中間転写ベルト7の回転によって、搬送されてきた用紙と中間転写ベルト7との接触位置(転写部)に移動し、この位置に配置されている転写ローラ11によって用紙上に転写される。この場合、中間転写ベルト7と転写ローラ11とは所定ニップで互いに圧接されるとともに、転写ローラ11にはトナー像を用紙に転写させるための電圧が印加される。この電圧は、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧である。
上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ11もしくは中間転写ベルト駆動ローラ71の何れか一方は金属等の硬質材料から形成され、他方は弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラまたは発泡性樹脂ローラ等)から形成される。
中間転写ベルト7と感光体ドラム3との接触により中間転写ベルト7に付着したトナー、及び中間転写ベルト7から用紙へのトナー像の転写の際に転写されずに中間転写ベルト7上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット9によって除去され回収される。
中間転写ベルトクリーニングユニット9には、中間転写ベルト7に接触するクリーニングブレード(クリーニング部材)が備えられている。中間転写ベルト7におけるクリーニングブレードに接触している部分は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ72にて支持されている。
給紙トレイ10は、画像形成に使用するシート(例えば記録用紙)を蓄積しておくためのものであり、画像形成部及び露光ユニット1の下側に設けられている。一方、画像形成装置100の上部に設けられている排紙トレイ15は、印刷済みのシートをフェイスダウンで載置するためのものである。
また、画像形成装置100には、給紙トレイ10のシート及び手差しトレイ20のシートを転写部や定着ユニット12を経由させて排紙トレイ15に案内するためのシート搬送路Sが設けられている。なお、転写部は中間転写ベルト駆動ローラ71と転写ローラ11との間に位置する。
さらに、シート搬送路Sには、ピックアップローラ16(16a,16b)、レジストローラ14、転写部、定着ユニット12、搬送ローラ25(25a〜25h)等が配置されている。
搬送ローラ25は、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、シート搬送路Sに沿って複数設けられている。ピックアップローラ16aは、給紙トレイ10の端部に備えられ、給紙トレイ10からシートを1枚ずつシート搬送路Sに供給する呼び込みローラである。ピックアップローラ16bは、手差しトレイ20の近傍に備えられ、手差しトレイ20からシートを1枚ずつシート搬送路Sに供給する呼び込みローラである。レジストローラ14は、シート搬送路Sを搬送されているシートを一旦保持し、中間転写ベルト7上のトナー像の先端とシートの先端とを合わせるタイミングでシートを転写部に搬送するものである。
定着ユニット12は、ヒートローラ81及び加圧ローラ82等を備え、これらヒートローラ81及び加圧ローラ82はシートを挟んで回転する。ヒートローラ81は、所定の定着温度となるように制御部(図示せず)によって制御される。この制御部は温度検出器(図示せず)からの検出信号に基づいてヒートローラ81の温度を制御する。
ヒートローラ81は、加圧ローラ82とともにシートを熱圧着することにより、シートに転写されている各色トナー像を溶融、混合、圧接させ、シートに対して熱定着させる。なお、多色トナー像(各色トナー像)が定着されたシートは、複数の搬送ローラ25によってシート搬送路Sの反転排紙経路に搬送され、反転された状態(多色トナー像を下側に向けた状態)にて、排紙トレイ15上に排出される。
次に、シート搬送路Sによるシート搬送動作について説明する。
画像形成装置100には、図1に示すように、上述したように予めシートを収納する給紙トレイ10、及び少数枚の印字を行う場合等に使用される手差しトレイ20が配置されている。これら両トレイには各々ピックアップローラ16(16a,16b)が配置され、これらピックアップローラ16によってシートを1枚ずつシート搬送路Sに供給するようになっている。
片面印字の場合は、給紙トレイ10から搬送されるシートは、シート搬送路S中の搬送ローラ25aによってレジストローラ14まで搬送され、レジストローラ14によりシートの先端と中間転写ベルト7上の積層されたトナー像の先端とが整合するタイミングで転写部(転写ローラ11と中間転写ベルト7との接触位置)に搬送される。転写部ではシート上にトナー像が転写され、このトナー像は定着ユニット12にてシート上に定着される。その後、シートは、搬送ローラ25bを経て排紙ローラ25cから排紙トレイ15上に排出される。
また、手差しトレイ20から搬送されるシートは、複数の搬送ローラ25(25f,25e,25d)によってレジストローラ14まで搬送される。それ以降のシート搬送動作は、上述した給紙トレイ10から供給されるシートと同様の経過を経て排紙トレイ15に排出される。
一方、両面印字の場合は、上記のようにして片面印字が終了し定着ユニット12を通過したシートは、後端が排紙ローラ25cにてチャックされる。次に、シートは、排紙ローラ25cが逆回転することによって搬送ローラ25g,25hに導かれ、再びレジストローラ14を経て裏面印字が行われた後に、排紙トレイ15に排出される。
次に、本実施形態の特徴的なトナー補給装置22の構成について具体的に説明する。
図2は本実施形態に係る画像形成装置を構成するトナー補給装置の概略構成を示す断面図、図3は図2のD−D断面矢視図である。
トナー補給装置22は、図2、図3に示すように、トナー収容容器121、トナー攪拌部材125、トナー排出部材122及びトナー排出口123を含む。トナー補給装置22は、現像槽111の上側に配され、未使用トナー(粉体状のトナー)を貯蔵している。トナー補給装置22内のトナーはトナー排出部材(排出スクリュー)122を回転させることによって、トナー排出口123からトナー移送機構102を介して現像槽111へ供給されるようになっている。
トナー収容容器121は、内部空間を有するほぼ半円筒状の容器部材であり、トナー攪拌部材125、トナー排出部材122を回転自在に支持し、トナーを収容する。トナー排出口123は、トナー排出部材122の下部、軸方向中央部よりに設けられる略長方形の開口部であり、トナー移送機構102を臨む位置に配置される。
トナー攪拌部材125は、回転軸125aを中心に回転することにより、トナー収容容器121内に収容されるトナーを攪拌しながら、トナー収容容器121内のトナーを汲み上げてトナー排出部材122へ搬送する板状の部材で、先端にトナー汲み上げ部材125bを備える。トナー汲み上げ部材125bは、可撓性を有するポリエチレンテレフタレート(PET)シートからなり、トナー攪拌部材125の両端に取付けられる。
トナー排出部材122は、トナー収容容器121内のトナーをトナー排出口123から現像槽111に供給するもので、図3に示すように、トナー搬送羽根122aとトナー排出部材回転軸122bとを含むスクリューオーガ、並びにトナー排出部材回転ギア122cで構成されている。トナー排出部材122は、図示しないトナー排出部材駆動モータによって回転駆動されるようになっている。スクリューオーガの向きは、トナー排出部材122の軸方向両端からトナー排出口123側に向けて、トナーが搬送されるように設定されている。
トナー排出部材122とトナー攪拌部材125との間には、トナー排出部材隔壁124が設けられる。これによって、トナー攪拌部材125によって汲み上げられたトナーがトナー排出部材122の周辺に適量のトナーを保持できる。
トナー攪拌部材125は、図2に示すように、矢印Z方向に回転してトナーを攪拌し、トナー排出部材122の方へ汲み上げる。このとき、トナー汲み上げ部材125bは、その可撓性によって、トナー収容容器121の内壁に沿って摺動して変形しつつ回転し、トナーをトナー排出部材122側に供給する。そして、トナー排出部材122が回転することにより、供給されたトナーをトナー排出口123へと導くようになっている。
次に、本実施形態の画像形成装置100における特徴的な構成について図面を参照して説明する。
図4は本実施形態に係る画像形成装置を構成する現像装置の構成を示す断面図、図5は図4のA−A断面矢視図、図6は図4のB−B断面矢視図、図7は図5のC−C断面矢視図である。
本実施形態の画像形成装置100は、図1、図4に示すように、現像剤が収容される現像槽(現像剤収容部)111内に補給トナーを導入するトナー補給口115aを備える現像装置2と、現像装置2にトナーを補給するトナー補給装置22と、前記現像剤収容部内にトナーが補給されているか否かを検知するトナー補給検知センサ119と、現像装置2内の現像剤のトナー濃度が所定値よりも下回った際に、トナー補給装置22に対して現像装置2へのトナー補給を指示するトナー濃度制御手段と、トナー濃度制御手段によるトナー補給の指示後にトナー補給検知センサ119がトナー補給を検知しない場合に、トナー補給装置22内のトナーが無いと判断するトナーエンプティー検知手段と、を備えるものであって、現像槽111内のトナー補給口115a付近にトナー補給検知センサ119を設けることを特徴とする。
そして、画像形成装置100は、トナー補給装置22から現像装置2に所定量のトナーを補給した後に、トナー補給検知センサ119の検出値が規定量変化しない場合、トナー補給検知センサ119の検出値が規定量変化するようトナー補給装置22からのトナー補給量を変更することを特徴とする。
まず、本実施形態の特徴的な現像装置2について図面を参照して説明する。
現像装置2は、図4に示すように、現像槽111内に、感光体ドラム3と対向するように配置された現像ローラ(現像剤担持部材)114を有し、現像ローラ114によって感光体ドラム3の表面にトナーを供給して、感光体ドラム3の表面に形成された静電潜像を顕像化する(現像する)装置である。
現像装置2は、図4〜図6に示すように、現像ローラ114の他に、現像槽111、現像槽カバー115、トナー補給口115a、ドクターブレード116、第1搬送部材112、第2搬送部材113、仕切り板(仕切り壁)117、トナー補給検知センサ119を備えている。
現像槽111は、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤(以下、単に「現像剤」と称する。)を収容する槽である。また、現像槽111には、現像ローラ114、第1搬送部材112、第2搬送部材113等が配設されている。なお、本実施形態のキャリアは、磁性を有する磁性キャリアである。
現像槽111の上側には、図4,図6に示すように、取り外し可能な現像槽カバー115が設けられている。さらに、現像槽カバー115には、現像槽111内に未使用のトナーを補給するためのトナー補給口115aが形成されている。
現像槽111には、第1搬送部材112と第2搬送部材113との間に仕切り板117が配設されている。仕切り板117は、第1搬送部材112及び第2搬送部材113の各軸方向(各回転軸方向)に平行に延設されている。現像槽111の内部は、仕切り板117によって、第1搬送部材112が配されている第1搬送路Pと、第2搬送部材113が配されている第2搬送路Qとに区画される。
仕切り板117は、第1搬送部材112及び第2搬送部材113の各軸方向の両端部において、現像槽111の内側の壁面から離間して配置されている。これにより、現像槽111には、第1搬送部材112及び第2搬送部材113の各軸方向の両端部付近において、第1搬送路Pと第2搬送路Qとを連通する連通路が形成されている。以下では、図5に示されるように、矢印X方向側に形成されている連通路を第1連通路a、矢印Y方向側に形成されている連通路を第2連通路bと称する。
第1搬送部材112及び第2搬送部材113は、互いの周面同士が仕切り板117を介して対向するように且つ互いの軸同士が平行になるように並列され、互いに逆方向に回転するように設定されている。そして、第1搬送部材112は、図5に示すように、矢印X方向に2成分現像剤を搬送し、第2搬送部材113は、矢印X方向とは逆の矢印Y方向に現像剤を搬送するように設定されている。
第1搬送部材112は、図5に示すように、螺旋状の第1搬送羽根112aと第1回転軸112bからなるスクリューオーガと、ギア112cにより構成されている。第2搬送部材113は、図5に示すように、螺旋状の第2搬送羽根113aと第2回転軸113bからなるスクリューオーガと、ギア113cにより構成されている。第1搬送部材112及び第2搬送部材113は、モータ等の駆動手段(図示せず)によって回転駆動することにより現像剤を攪拌すると共に搬送するようになっている。
また、第1搬送部材112は、図6に示すように、第1回転軸112bを垂直方向から眺めたときの第1回転軸112bと第1搬送羽根112aの外周部とがなす角度、すなわち、螺旋羽根の傾斜角θが30度以上60度以下で構成されている。
具体的には、第1搬送部材112の螺旋羽根の傾斜角θが30度以上60度以下の場合は、現像剤を第1搬送部材112の回転方向に攪拌する力が強いので、補給されたトナーが現像剤の上を浮遊しながら搬送される「浮遊トナー」が生じにくい。従って、トナー補給後であってもトナー補給検知センサ119により精度よく現像剤のトナー濃度を検知できる。
一方、螺旋羽根の傾斜角θが30度未満の場合は、第1搬送部材112による現像剤搬送速度が低下するため、現像剤の磨耗が早くなる。また、螺旋羽根の傾斜角θが60度を超えると、第1搬送部材112による現像剤搬送速度が速くなり過ぎるため、浮遊トナーが発生し易くなる。
現像ローラ114は、図示しない駆動手段によって軸心回りに回転駆動するマグネットローラであり、現像槽111の現像剤を表面に汲み上げて担持し、表面に担持している現像剤に含まれるトナーを感光体ドラム3に供給するものである。
現像ローラ114で搬送される現像剤は、最近接部分で感光体ドラム3と接触する。この接触領域が現像ニップ部Nであり、現像ニップ部Nでは、現像ローラ114に接続される図示しない電源から現像ローラ114に対して現像バイアス電圧が印加され、現像ローラ114表面の現像剤から感光体ドラム3表面の静電潜像へトナーが供給される。
現像ローラ114の表面に近接する位置にはドクターブレード(層厚規制用ブレード)116が配されている。
ドクターブレード116は、現像ローラ114の軸線方向に平行に延びる板状部材であり、現像ローラ114の鉛直方向下方において、その短手方向の一端が現像槽111によって支持され、かつ他端が現像ローラ114表面に対して間隙を有して離隔するように設けられる。ドクターブレード116の材料としては、ステンレス鋼が使用できるが、アルミニウムや合成樹脂なども使用できる。
トナー補給検知センサ119は、図4,図6に示すように、トナー補給口115a付近で、その下方の現像剤搬送方向(矢印X方向)下流側で、第1搬送部材112の鉛直方向下側の現像槽111の底面、すなわち、第1搬送路Pの底面に装着され、センサ面が現像槽111の内部に露出するように設けられている。
また、トナー補給検知センサ119は、図示しないトナー濃度制御手段に電気的に接続される。トナー補給検知センサ119には一般的なトナー補給検知センサを使用でき、例えば、透過光検知センサ、反射光検知センサ、透磁率検知センサなどが挙げられる。これらの中でも、透磁率検知センサが好ましい。
透磁率検知センサには図示しない電源が接続される。電源は、透磁率検知センサを駆動させるための駆動電圧及びトナー濃度の検知結果を制御手段に出力するための制御電圧を透磁率検知センサに印加する。電源による透磁率検知センサへの電圧の印加は、制御手段によって制御される。透磁率検知センサは、制御電圧の印加を受けてトナー濃度の検知結果を出力電圧値として出力する型式のセンサであり、基本的に出力電圧の中央値近傍の感度がよいため、その付近の出力電圧が得られるような制御電圧を印加して用いられる。このような型式の透磁率検知センサは市販されており、例えば、TS−L、TS−A、TS−K(いずれも商品名、TDK(株)社製)などが挙げられる。
ここで、現像装置2の現像槽における現像剤の搬送について説明する。
図1、図4に示すように、トナー補給装置22に収容されているトナーは、トナー移送機構102及びトナー補給口115aを介して現像槽111内に移送され、これにより現像槽111にトナーが補給される。
現像槽111において、第1搬送部材112及び第2搬送部材113は、モータ等の駆動手段(図示せず)によって回転駆動し、現像剤を搬送する。具体的には、第1搬送路Pにおいて、現像剤は、第1搬送部材112によって攪拌されながら矢印X方向へ搬送され、第1連通路aに到達する。第1連通路aに到達した現像剤は、第1連通路aを通過して第2搬送路Qへ搬送される。
一方、第2搬送路Qにおいて、現像剤は、第2搬送部材113によって、攪拌されながら矢印Y方向へ搬送され、第2連通路bに到達する。そして、第2連通路bに到達した現像剤は、第2連通路bを通過して第1搬送路Pへ搬送される。
つまり、第1搬送部材112と第2搬送部材113とは、互いに逆方向に現像剤を攪拌しながら搬送している。
このようにして、現像剤は、現像槽111において、第1搬送路Pと第1連通路aと第2搬送路Qと第2連通路bとを、第1搬送路P→第1連通路a→第2搬送路Q→第2連通路b、という順序にて循環移動していることになる。そして、現像剤は、第2搬送路Qにて搬送されている間に、現像ローラ114の回転にてその表面に担持されて汲み上げられ、汲み上げられた現像剤中のトナーが感光体ドラム3へと移動して、順次消費されていく。
このように消費されるトナーを補うべく、未使用のトナーがトナー補給口115aから第1搬送路Pへ補給される。補給されたトナーは第1搬送路Pにおいて従前より存在する現像剤と混合攪拌される。
次に、画像形成装置100におけるトナー濃度制御手段及びトナーエンプティー検知手段について具体的に説明する。
トナー濃度制御手段には、一般的な手段を使用でき、例えば、トナー濃度検知センサを用いた制御、パッチ画像濃度に応じた制御、ドットカウントに応じた制御などが挙げられる。これらの中でも、ドットカウントに応じた制御が好ましい。
画像形成装置100は、図8に示すように、露光ユニット1に送信する画像データに応じたドットデータをカウントするドットカウント装置35を備えており、トナー濃度制御手段は、ドットカウント装置35によりカウントされたドットデータに応じて、トナー補給装置22に対して現像装置2へのトナー補給を指示するようしている。
トナーエンプティー検知手段は、トナー濃度制御手段によるトナー補給装置22に対する現像装置2へのトナー補給の指示後において、トナー補給検知センサ119がトナー補給を検知できない場合に、トナー補給装置22から現像装置2にトナーが補給されていない、すなわち、トナー補給装置22内にトナーがない(トナーエンプティー)と判断するものである。
ここで、本実施形態の特徴的な画像形成装置100の制御系の構成についてブロック図に基づき説明する。
図8は本実施形態の画像形成装置における制御系の構成を示すブロック図である。
画像形成装置100は、図8に示すように、画像形成動作の累積回数をカウントする作像カウンタ33、感光体ドラム3上に形成される画像の画素数の積算値の検出を行うドットカウント装置35、トナー補給口付近の現像剤の透磁率を検知するトナー補給検知センサ119、画像形成プロセス部36と用紙搬送部37を含むプリンタエンジン部341、現像槽111にトナーを補給するトナー排出部材122を駆動するトナー排出部材駆動モータ126と、これらを制御する制御装置32を備えている。
画像形成装置100において、トナー濃度制御手段は、図8に示すように、主にドットカウント装置35、制御装置32、トナー排出部材駆動モータ126とから構成されている。
ドットカウント装置35は、印刷画像に対応して感光体ドラム3に形成される画像(静電潜像)の画素数の積算値を検出するもので、これから印刷しようとする画像及びこれまでに印刷した画像の画素数の積算値カウント値がドットカウント値として、制御装置32に入力及び記憶される。ドットカウント装置35にて検出される画像の画素数の積算値からは、画像形成のために消費されるトナー量を予測することができる。
制御装置32は、該ドットカウント値を基にして、当該画像形成にて消費されるトナー量を求め、そのトナー量に応じてトナー補給装置22のトナー排出部材122を回転駆動するようにトナー排出部材駆動モータ126に対して指示する。
このようにして、現像装置2(現像槽111)内から消費されたトナー量に相当するトナーが、トナー補給装置22から現像装置2(現像槽111)に補給されるようになっている。
画像形成装置100において、トナーエンプティー検知手段は、図8に示すように、主にトナー補給検知センサ119、制御装置32とから構成されている。
本実施形態においては、現像槽111内の現像剤のトナー濃度をトナー補給検知センサ119でモニターしておき、トナー濃度制御手段に対するトナー補給の指示後においても、トナー補給検知センサ119がトナー補給を検知できなかった時に、トナーエンプティーと判断している。
また、制御装置32は、トナー補給装置22から現像装置2に補給されるトナー補給量を変更するトナー補給量変更手段130を備えている。
トナー補給量変更手段130は、トナー補給装置22から現像装置2に所定量のトナーを補給した後に、トナー補給検知センサ119の検出値が規定量変化しない場合、トナー補給検知センサ119の検出値の変化量が規定量よりも大きい時には、トナー補給量を所定量よりも少なくし、トナー補給検知センサ119の検出値の変化量が規定量よりも小さい時には、トナー補給量を所定量よりも多くするように制御するものである。
次に、本実施形態の画像形成装置100における現像装置2へのトナー補給について説明する。
画像形成装置100における現像装置2へのトナー補給は、現像装置2の現像槽111内の現像剤のトナー濃度が低下して所定値よりも下回った時に、トナー濃度制御手段からトナー補給装置22に対して現像装置2にトナー補給を行うように指示されて、トナー補給装置22から現像装置2にトナー補給が行われる。
現像槽111内へのトナー補給は、トナー補給検知センサ119により検知される。トナー補給検知センサ119は、トナー補給口115aの下方の第1搬送路Pの底面に配置されているため、トナー補給口115aから現像剤にトナーが補給されると、直ぐに現像剤の透磁率の変化を検知することができる。すなわち、トナー補給装置22によるトナー補給が行われたか否を直ぐに確認することができる。
従って、トナー濃度制御手段によりトナー補給装置22に対してトナー補給を行うように指示された場合に、トナー補給検知センサ119により現像剤の透磁率の変化が検知されない時には、トナー補給装置22からトナー補給が行われていないと判断できる。すなわち、エンプティー検知手段によりトナー補給装置22内のトナーが空になっている(トナーエンプティー)と直ぐに判断することができる。
以上のように構成したので、本実施形態によれば、画像形成装置100において、現像装置2のトナー補給口115aの付近であって、そのトナー補給口115aの下方の第1搬送路Pの底面にトナー補給検知センサ119を設けたことで、トナー補給装置22によりトナー補給された時に現像剤の透磁率が変化したことを直ぐに検知することができる。
従って、現像装置2内の現像剤のトナー濃度が所定値よりも低下した時、トナー濃度制御手段によりトナー補給装置22に対してトナー補給を行うように指示された場合に、トナー補給検知センサ119により透磁率の変化が検知されない時には、エンプティー検知手段によりトナー補給装置22内のトナーが空になっている(トナーエンプティー)と直ぐに判断することができる。これにより、感光体ドラム3上にトナー像を形成する時に、トナー濃度の低下による感光体ドラム3へのキャリア付着の発生を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、第1搬送部材112を、螺旋羽根の傾斜角θが30度以上60度以下となるように構成したので、現像剤を第1搬送部材112の回転方向に攪拌する力が強くなり、補給されたトナーが現像剤の上を浮遊しながら搬送される「浮遊トナー」が生じにくくなる。これにより、トナー補給後であってもトナー補給検知センサ119により精度よく現像剤の透磁率の変化を検知できる。
次に、本実施形態におけるトナー補給量変更手段130によるトナー補給量の変更について具体的に説明する。
図9は本実施形態の画像形成装置におけるトナー補給検知センサの出力値とトナー補給量との関係を示すグラフ、図10(a)は前記画像形成装置においてトナー補給量が少ないと判断した時のトナー補給時間の補正を示すグラフ、(b)は前記画像形成装置においてトナー補給量が多いと判断した時のトナー補給時間の補正を示すグラフ、図11は前記画像形成装置におけるトナー補給モータの回転速度とトナー補給量との関係を示すグラフである。
トナー補給検知センサ119を備える画像形成装置100においては、図8に示すように、トナー排出部材駆動モータ126を一定時間動作すると、略一定(予め設定された規定量)のトナーがトナー補給装置22から現像装置2に補給される。
この時、トナー濃度を検出するトナー補給検知センサ119の出力値(検出値)は、図9に示すように、補給されたトナー量に応じて変化する。例えば、トナー排出部材駆動モータ126を1秒間動作させた時、この時に補給されたトナーの補給量T0が0.167gとすると、トナー補給検知センサ119の出力値は0.15V変化する。
尚、トナー補給装置22からのトナー補給量は、トナー補給装置22の残トナー量が少なくなるにつれて時間当たりのトナー補給量が少なくなってしまう。また、トナーの流動性の変化や環境の変化でもトナー補給量は変化してしまうことがある。
そこで、トナー補給量変更手段130により、時間当たりのトナー補給量が少ない場合は、トナー補給検知センサ119の出力値の変化が小さくなるため、トナー補給量が規定量になるようにトナー排出部材駆動モータ126の動作時間を長くする。
具体的には、図10(a)に示すように、例えば、1秒間トナー補給をしてもトナー補給検知センサ119の出力Va1が1.35Vまで出力が変化しないということは、1秒間補給しても0.167g(規定量)補給できていないため、補給時間をt1秒長くしてトナー補給量を多くするように補正する。
図中の符号V0は、1秒間に0.167g補給した時のトナー補給検知センサ119の出力(電位変化)である。
一方、時間当たりのトナー補給量が多い場合は、トナー補給検知センサ119の出力値の変化が大きくなるため、のトナー補給量が規定量になるようにトナー排出部材駆動モータ126の動作時間を短くする。
具体的には、図10(b)に示すように、例えば、1秒間トナー補給をしたらトナー補給検知センサ119の出力Va2が1.35Vより低い値まで出力が変化したということは、1秒間補給した場合、0.167g(規定量)より多く補給しているため、補給時間をt2秒短くしてトナー補給量を少なくするように補正する。
この様に、トナー補給量変更手段130により、トナー補給検知センサ119の出力値の変化量に応じてトナー排出部材駆動モータ126の動作時間を制御することで、必要なトナー補給量を正確に現像装置2に補給できるので、現像装置2内のトナー濃度を安定化させることができる。
すなわち、トナー補給量変更手段130により、トナー補給量の過不足を判断する情報をピクセル数に応じたトナー補給量にフィードバックすることで、現像装置2内のトナー濃度を安定化させることができる。
以上のように構成したので、本実施形態によれば、画像形成装置100にトナー補給量変更手段130を備えたことで、トナー補給装置22から現像装置2に所定量のトナーを補給した後に、トナー補給検知センサ119の検出値が規定量変化しない場合、トナー補給量変更手段130により、トナー補給検知センサ119の検出値の変化量が規定量よりも大きい時には、トナー補給量を所定量よりも少なくし、トナー補給検知センサ119の検出値の変化量が規定量よりも小さい時には、トナー補給量を所定量よりも多くするようにトナー補給量を変更するように制御することで、適切なトナー補給を行うことができる。これにより、現像装置2内のトナー濃度を長期に渡り安定化し、延いては高精細の画像を提供できる画像形成装置を実現できる。
また、変形例として、図11に示すように、トナー排出部材駆動モータ126の回転速度を変えることで、トナー補給量を変化させることができる。
具体的には、図11に示すように、例えば、1秒間トナー補給をしたら0.167g(規定量)補給され、センサ出力の変化量が0.15Vであることが理想であるが、1秒間補給しても、この様に変化しない場合、トナー排出部材駆動モータ126の回転速度を変更することで、トナー補給量を調整できる。
すなわち、時間当たりのトナー補給量が少ない場合は、トナー排出部材駆動モータ126の駆動速度を速くして規定のトナー補給量になるよう制御する。一方、時間当たりのトナー補給量が多い場合は、トナー排出部材駆動モータ126の駆動速度を遅くして規定のトナー補給量になるよう制御する。
以上のように構成したので、変形例によれば、トナー補給量変更手段130により、トナー排出部材駆動モータ126の駆動速度を制御してトナー排出部材122の回転速度を変更することでトナー補給量を変更することができる。これにより、トナー補給装置22の駆動時間を変えることなく、必要なトナー補給量を正確に補給でき、容易にトナー濃度を安定化させることができる。
尚、上述した実施形態では、本発明に係る画像形成装置の構成を図1に示すような画像形成装置100に適用した例について説明したが、トナー補給装置によりトナーを補給することで現像装置内の現像剤のトナー濃度を制御するようにした画像形成装置であれば、上述したような構成の画像形成装置や複写機に限定されるものではなく、その他の画像形成装置等に展開が可能である。
以上のように、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。