JP5879206B2 - シリンダ装置 - Google Patents

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本発明は、シリンダ装置に関する。
オイルシールには、機内側に延びる主シールリップと、機外側に延びるダストリップとを有するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−97607号公報
ところで、オイルシールに挿通されるピストンロッドが例えば微振幅作動を行うと、オイルシールの特に外側のダストリップがピストンロッドの油膜を多く掻き取ってしまうことがある。このような状態になると、ダストリップとピストンロッドとの間の油膜が薄くなって滑りにくくなり、ダストリップが変形して、密封性を低下させてしまう可能性がある。
したがって、本発明は、オイルシールの密封性低下を抑制することができるシリンダ装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、オイルシールのダストリップ側の内周部が、環状部材の内周面と対向する位置からシリンダの軸方向における内外方向の外側に向け縮径しつつ延出する第1内周部と、前記ダストリップの前記内外方向の外端側に設けられ前記内外方向の外側に向け縮径しつつ延出する第2内周部と、前記第1内周部と前記第2内周部との間に設けられ前記内外方向の外側に向け縮径しつつ延出する第3内周部とからなり、該第3内周部の前記オイルシールの中心軸に対する角度が、前記第1内周部および前記第2内周部の前記角度よりも大きい構成とした。
本発明によれば、オイルシールの密封性低下を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係るシリンダ装置を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るシリンダ装置のオイルシールを示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るシリンダ装置のオイルシールを示す図2に示すX部の部分拡大断面図である。 本発明の一実施形態に係るシリンダ装置のオイルシールおよび従来のオイルシールのダストリップの内周部のシリンダ内外方向外端部の軌跡を示す線図である。 従来のオイルシールを示す部分断面図である。
本発明の一実施形態に係るシリンダ装置を図面を参照して以下に説明する。
図1に示す本実施形態に係るシリンダ装置11は、作動流体として油液が用いられる油圧緩衝器であり、自動車や鉄道車両のサスペンション装置に用いられるものである。シリンダ装置11は、内側シリンダ12と、内側シリンダ12より大径で内側シリンダ12との間にリザーバ室13を形成するように同軸状に配置される外側シリンダ14と、内側シリンダ12の中心軸線上に配置されるとともに軸方向一側が内側シリンダ12の内部に挿入され軸方向他側が内側シリンダ12および外側シリンダ14から外部に突出するピストンロッド15と、このピストンロッド15の一端部に取り付けられ内側シリンダ12内に摺動可能に挿入されて内側シリンダ12内を二つの室16,17に区画するピストン18とを有している。つまり、このシリンダ装置11は、そのシリンダ部19が内側シリンダ12と外側シリンダ14とを有する複筒式となっている。
ピストンロッド15は、ピストン18と一体的に移動することになり、他端部がシリンダ部19つまり内側シリンダ12および外側シリンダ14から外部に突出している。内側シリンダ12内には、作動流体としての油液が封入されることになり、内側シリンダ12と外側シリンダ14との間のリザーバ室13には、作動流体としての油液および高圧ガスが封入されることになる。
シリンダ装置11は、シリンダ部19におけるピストンロッド15の突出側の端部位置に配置されるロッドガイド21と、シリンダ部19の端部であってシリンダ部19の軸方向にける内外方向(図1の上下方向で、以下、シリンダ内外方向という)のロッドガイド21よりも外側(図1の上下方向上側)に配置されるオイルシール22と、シリンダ部19の軸方向のロッドガイド21およびオイルシール22とは反対側の端部に配置されるベースバルブ23とを有している。ロッドガイド21およびオイルシール22は、いずれも環状をなしており、それぞれの内側にピストンロッド15が摺動可能に挿通される。ロッドガイド21は、ピストンロッド15を、その径方向移動を規制しつつ軸方向移動可能に支持して、このピストンロッド15の移動を案内する。オイルシール22は、その内周部24で、軸方向に移動するピストンロッド15に摺接して、内側シリンダ12内の油液およびリザーバ室13内の高圧ガスおよび油液が外部に漏出するのを規制する。なお、本実施形態ではリザーバ室13内に作動流体としての油液および高圧ガスを封入するとしたが、高圧ガスに限らず、空気を封入してもよい。
シリンダ部19の外側シリンダ14は、円筒状の胴部25と、この胴部25におけるピストンロッド15の突出側とは反対の一端側を閉塞させる底部26と、胴部25におけるピストンロッド15の突出側の開口部27の位置から径方向内方に突出する係止部28とを有する略有底円筒状をなしている。
シリンダ部19の内側シリンダ12は、円筒状をなしており、軸方向の一端側が外側シリンダ14の底部26の内側に配置されるベースバルブ23のベースボディ30に嵌合状態で支持され、軸方向の他端側が外側シリンダ14の開口部27の内側に嵌合されるロッドガイド21に嵌合状態で支持されている。
ベースバルブ23のベースボディ30には、内側シリンダ12内の室17と、外側シリンダ14と内側シリンダ12との間のリザーバ室13とを連通可能な油通路31,32が形成されている。また、ベースボディ30には内側の油通路31を開閉可能な縮み側減衰バルブとしてのディスクバルブ33が底部26側に配置されるとともに、外側の油通路32を開閉可能なチェックバルブとしてのディスクバルブ34が底部26とは反対側に配置されている。これらディスクバルブ33,34は、ベースボディ30に底部26側から挿入されるリベット35の一端の頭部35aと他端の加締部35bとでベースボディ30に取り付けられている。
ディスクバルブ33は、ディスクバルブ34の図示略の通路穴および油通路31を介して室17からリザーバ室13側への油液の流れを許容して減衰力を発生する一方で逆方向の油液の流れを規制し、これとは反対に、ディスクバルブ34は油通路32を介してリザーバ室13から室17側への油液の流れを抵抗無く許容する一方で逆方向の油液の流れを規制する。つまり、ディスクバルブ33は、ピストンロッド15が縮み側に移動しピストン18が室17側に移動して室17の圧力が上昇すると油通路31を開くことになり、その際に減衰力を発生する減衰バルブである。また、ディスクバルブ34は、ピストンロッド15が伸び側に移動しピストン18が室16側に移動して室17の圧力が下降すると油通路32を開くことになるが、その際にリザーバ室13から室17内に実質的に減衰力を発生せずに油液を流すサクションバルブである。
ピストンロッド15は、一定径の主軸部37と、内側シリンダ12に挿入される側の端部の、主軸部37よりも小径の内端軸部38とを有している。この内端軸部38にはナット39が螺合されており、このナット39によってピストン18およびその両側のディスクバルブ41,42がピストンロッド15に取り付けられている。
ピストン18には、内側シリンダ12の底部26側の室17と底部26とは反対側の室16とを連通可能な油通路44,油通路45が形成されている。また、ピストン18には、外側の油通路44を開閉可能な縮み側減衰バルブである上記したディスクバルブ41が底部26とは反対側に配置されるとともに、内側の油通路45を開閉可能な伸び側減衰バルブとしての上記したディスクバルブ42が底部26側に配置されている。
ディスクバルブ41は室17から室16側への油液の流れを許容する一方で逆方向の油液の流れを規制し、これとは反対に、ディスクバルブ42は室16側から室17への油液の流れを許容する一方で逆方向の油液の流れを規制する。つまり、ディスクバルブ41は、ピストンロッド15が縮み側に移動しピストン18が室17側に移動して室17の圧力が上昇すると油通路44を開くことになり、その際に減衰力を発生する減衰バルブである。また、ディスクバルブ42は、ピストンロッド15が伸び側に移動しピストン18が室16側に移動して室16の圧力が上昇すると油通路45を開くことになり、その際に減衰力を発生する減衰バルブである。
なお、ピストンロッド15が伸び側に移動してシリンダ部19からの突出量が増大すると、その分の油液がリザーバ室13からベースバルブ23のディスクバルブ34を開きつつ油通路32を介して室17に流れることになり、逆にピストンロッド15が縮み側に移動してシリンダ部19への挿入量が増大すると、その分の油液が室17からディスクバルブ33を開きつつ油通路31を介してリザーバ室13に流れることになる。
ロッドガイド21は、略段付き円筒状をなす金属製のロッドガイド本体50と、ロッドガイド本体50の内周部に嵌合固定される円筒状のカラー51とからなっている。カラー51は、SPCC材やSPCE材などの金属製の円筒体にフッ素樹脂含浸青銅が被覆されて形成される。
ロッドガイド本体50は、軸方向一側に大径外径部54が形成され、軸方向他側に大径外径部54よりも小径の小径外径部55が形成された外形形状をなしており、大径外径部54において外側シリンダ14の胴部25の内周部に嵌合し、小径外径部55において内側シリンダ12の内周部に嵌合する。ロッドガイド本体50の径方向の中央には、軸方向の大径外径部54側に大径穴部56が、軸方向の小径外径部55側に大径穴部56よりも小径の小径穴部57が、それぞれ形成されている。
ロッドガイド本体50の軸方向の大径外径部54側の端部には、軸方向に突出する環状凸部59が形成されており、環状凸部59の径方向の外端位置には、面取部60が形成されている。ロッドガイド本体50には、環状凸部59の径方向内側位置に、軸方向に沿って貫通する連通穴61が形成されている。連通穴61は、外側シリンダ14と内側シリンダ12との間のリザーバ室13に連通している。なお、カラー51は、ロッドガイド本体50の小径穴部57内に嵌合されており、ロッドガイド21は、このカラー51内にピストンロッド15が主軸部37の外周部63において摺接するように挿通される。
オイルシール22は、シリンダ部19の軸方向の一端部に配置され、その内周部24においてピストンロッド15の主軸部37の外周部63に圧接することになり、ロッドガイド21とピストンロッド15の主軸部37との隙間から漏れ出る油液等の外側への漏れ出しを規制する。
オイルシール22について、図2および図3を参照しつつ、ピストンロッド15を挿通させる前の自然状態をもってさらに詳細に説明する。図2に示すように、オイルシール22は、ニトリルゴムやフッ素ゴムなどの摺動性のよいゴム材からなるシール部65と、シール部65内に埋設されオイルシール22の形状を維持し、固定のための強度を得るための金属製の円環状の環状部材66とからなる一体成形品のオイルシール本体67と、オイルシール本体67のシール部65のシリンダ内外方向外側の外周部に嵌合される環状のスプリング68と、シール部65のシリンダ内外方向内側の外周部に嵌合される環状のスプリング69とからなっている。
シール部65の径方向内側部分は、環状部材66の内周側のシリンダ内外方向外側から軸方向に沿って環状部材66から離れる方向に延出する円環筒状のダストリップ72と、環状部材66の内周側のシリンダ内外方向内側から軸方向に沿って環状部材66から離れる方向に延出する円環筒状のオイルリップ73とを有している。また、シール部65の径方向外側部分は、その外端位置にて環状部材66の外周面を覆う外周シール74と、外周シール74からシリンダ内外方向内側に沿って径方向外側に向けて延出し、外周が拡径する円環状のシールリップ75とを有している。さらに、シール部65の径方向中間部分のシリンダ内外方向内側には、シリンダ内外方向内側に拡径しながら延びる円環状のチェックリップ76を有している。
ダストリップ72は、全体として環状部材66からシリンダ内外方向外側に離れるほど内径が小径となる先細筒状をなしており、その外周部には、上記したスプリング68を嵌合させる環状溝78が径方向内方に凹むように形成されている。
オイルシール22は、その内周部24のダストリップ72側の部分が、図3に示すように、軸方向のシリンダ内外方向内側から外側に向けて環状部材66側から順に、領域部(第1内周部)80、領域部(第3内周部)81、領域部(第2内周部)82、領域部83、領域部84となっている。領域部82は、内周部24のシリンダ内外方向外側にあり、領域部81は、領域部80と領域部82とを結ぶように形成されている。これら領域部80〜84は、環状部材66の中心軸と同心状に配置されており、この中心軸がオイルシール22の中心軸となっている。なお、領域部80〜84の隣り合うもの同士はR形状で繋がっている。
領域部80は、環状部材66の内周面と対向する軸方向の中間部(環状部材66の内周面のシリンダ内外方向外側と内側の間の何れかの位置)からシリンダ内外方向外側方向に環状部材66から離れる位置まで縮径しつつ延出する先細テーパ状をなしている。なお、領域部(第1内周部)80のシリンダ内外方向内側の端部は、環状部材66のシリンダ内外方向内側まで延びていてもよく、領域部(第1内周部)80の少なくとも一部が環状部材66の内周面と対向していればよい。
領域部81は、領域部80のシリンダ内外方向外側から環状部材66とは反対方向に領域部80とは異なる角度、すなわち、オイルシール22の中心軸とのなす角が大きくなる角度θbで縮径しつつ延出する先細テーパ状をなしている。領域部82は、領域部81のシリンダ内外方向外側から環状部材66とは反対方向に領域部81とは異なる角度すなわち、オイルシール22の中心軸とのなす角が小さくなる角度θaで縮径しつつ延出する先細テーパ状をなしている。
ここで、領域部80〜82の角度関係は、領域部81のオイルシール22の中心軸に対する角度θbが、領域部80のオイルシール22の中心軸に対する角度θcおよび領域部82のオイルシール22の中心軸に対する角度θaよりも大きくなっている。言い換えれば、領域部81のテーパ値(単位軸方向長さ当たりの径差)が、領域部80のテーパ値および領域部82のテーパ値よりも大きくなっている。さらに、言い換えれば、領域部80〜82は、その断面において略S字状に繋がっている。
領域部83は、領域部82のシリンダ内外方向外側から環状部材66とは反対方向に拡径しつつ延出するテーパ状をなしている。領域部84は、領域部83のシリンダ内外方向外側から環状部材66とは反対方向に一定径で延出する円筒面状をなしている。ダストリップ72のシリンダ内外方向外側先端部となる領域部83と領域部82とのなす角度θhは、85°以上となっていることが望ましい。
図2に示すように、オイルリップ73は、全体として環状部材66からシリンダ内外方向内側に離れるほど小径となる先細筒状をなしており、その外周部には、上記したスプリング69が嵌合される環状溝85が径方向内方に凹むように形成されている。
オイルシール22は、その内周部24のオイルリップ73側の部分が、シリンダ内外方向内側に向けて環状部材66側から順に、領域部86、領域部87、領域部88、領域部89、領域部90となっている。これら領域部86〜90も、環状部材66の中心軸と同心状に配置されている。領域部86は、上記した領域部80と隣り合っている。
領域部86は、環状部材66の軸方向の中間部と合う位置から領域部80とは反対側に環状部材66の範囲内の位置まで一定径で延出する円筒面状をなしている。領域部87は、領域部86の軸方向の領域部80とは反対側の端部から領域部80とは反対方向に縮径しつつ延出する先細テーパ状をなしている。領域部88は、領域部87の軸方向の領域部80とは反対側の端部から領域部80とは反対方向に拡径しつつ延出するテーパ状をなしている。領域部89は、領域部88の軸方向の領域部80とは反対側の端部から領域部80とは反対方向に縮径しつつ延出する先細テーパ状をなしている。領域部90は、領域部89の軸方向の領域部80とは反対側の端部から領域部80とは反対方向に拡径しつつ延出するテーパ状をなしている。
以上のような構成のオイルシール22は、図1に示すように、ダストリップ72が大気側つまりシリンダ内外方向の外側に配置され、オイルリップ73がシリンダ内外方向の内側に配置された状態で、外周シール74において外側シリンダ14の胴部25の内周部に密封接触することになり、この状態で環状部材66の位置がロッドガイド21の環状凸部59と外側シリンダ14の加締められた係止部28とに挟持されて係止される。この際に、オイルシール22は、シールリップ75が、ロッドガイド21の面取部60と外側シリンダ14の胴部25との間に嵌合されて、これらに密封接触する。
上記のように、シリンダ19に取り付けられた状態で、オイルシール22のダストリップ72の図3に示す領域部80は、環状部材66の軸方向の中間部と合う位置からシリンダ内外方向の外側に向け縮径しつつ延出することになり、領域部82は、ダストリップ72のシリンダ内外方向の外端側に設けられてシリンダ内外方向の外側に向け縮径しつつ延出することになり、領域部81は、領域部80と領域部82との間に設けられてシリンダ内外方向の外側に向け縮径しつつ延出することになる。
そして、図1に示すように、シリンダ部19に取り付けられた状態のオイルシール22には、ダストリップ72およびオイルリップ73の内側にピストンロッド15の主軸部37が挿通されることになる。この状態で、ピストンロッド15はその一端がシリンダ部19の一端から突出することになり、ダストリップ72は、シリンダ部19のピストンロッド15が突出する一端側に設けられ、オイルリップ73は、ダストリップ72のシリンダ内外方向の内側に設けられることになる。
ピストンロッド15の主軸部37が挿通されると、ダストリップ72は、この主軸部37の外周部63に、図3に示す領域部82において、所定の締め代をもって全周にわたり密封接触することになる。また、領域部80は、外周部63から離間した状態となっており、領域部81の軸方向の途中に離間状態から接触状態への切り替わる接触開始点が設けられることとなる。なお、接触開始点は、摺動状態によって変化するが、設計上(組付直後の状態)の接触開始点が領域部81に設けられる。なお、仕様によっては、接触開始点を領域部82にしてもよい。
ダストリップ72の環状溝78に嵌合されるスプリング68は、ダストリップ72のピストンロッド15への密着方向の締付力を一定状態に保つためのもので、また、設計仕様を満足させるための締め付け力の調整にも用いられる。
また、ピストンロッド15の主軸部37が挿通された状態で、オイルリップ73は、この主軸部37の外周部63に、図2に示す領域部87、領域部88、領域部89および領域部90において、所定の締め代をもって全周にわたり密封接触することになる。なお、オイルリップ73の環状溝85に嵌合されるスプリング69は、オイルリップ73のピストンロッド15への密着方向の締付力を調整する。
図1に示すように、シール部65のロッドガイド21側のチェックリップ76は、ロッドガイド21の環状凸部59よりも内側に所定の締め代を持って全周に渡り密封接触可能となっている。ここで、ロッドガイド21とピストンロッド15との隙間から漏れ出た油液は、オイルシール22のチェックリップ76よりもこの隙間側の室92に溜まることになり、チェックリップ76は、この室92の圧力が、リザーバ室13の圧力よりも所定量高くなった時に開いて室92に溜まった油液を連通穴61を介してリザーバ室13に流す。つまり、チェックリップ76は、室92からリザーバ室13への方向にのみ油液およびガスの流通を許容し逆方向の流通を規制する逆止弁として機能する。
上記のオイルシール22は、ダストリップ72がその締め代およびスプリング68による緊迫力でピストンロッド15に密着して気密性を保持することになり、外部露出時にピストンロッド15に付着した異物の進入を主にこのダストリップ72が規制することになる。また、オイルリップ73もその締め代およびスプリング69による緊迫力でピストンロッド15に密着して気密性を保持することになり、ピストンロッド15の内側シリンダ12内部進入時にピストンロッド15に付着した油液の外部への漏出を主にこのオイルリップ73が規制することになる。
ピストンロッド15は、シリンダ部19内へ進入している時に外周部63が油液と接触することになり、接触した外周部63がシリンダ部19から外に出る際に付着した油液の一部がオイルリップ73で掻き落とされる。しかしながら、外周部63には油液が油膜として残存する。そして、この油膜によって、ピストンロッド15とオイルシール22のオイルリップ73およびダストリップ72との摩擦係数が低減され、ピストンロッド15がオイルリップ73およびダストリップ72に対して円滑に摺動することになる。
ところが、ピストンロッド15が例えば微振幅作動を行うと、オイルシール22のオイルリップ73およびダストリップ72それぞれがピストンロッド15の狭い同じ範囲を往復摺動することになり、その際に、ダストリップ72の摺動範囲は、油膜の再付着が少なくダストリップ72による油膜の掻き取りが相対的に多くなってしまうことがある。このような状態になると、ダストリップ72とピストンロッド15との間の油膜が薄くなってしまう。油膜が薄くなると、図5に示す従来構造のダストリップでは、滑りにくくなり、ピストンロッドとともに移動しようとして内側に捲れるように変形する転動が生じて、密封性が低下し、砂等の異物の進入を許容してしまう可能性がある。そして、砂などが、オイルリップ73やダストリップ72のピストンロッド15との接触面に挟まれると、シール性が低下しオイル漏れの原因となる。
これに対して、本実施形態のダストリップ72は、ピストンロッド15の外周部63と接触する領域部(第2内周部)82のシール22の中心軸とのなす角度θaを小さく、シリンダ内外方向の外端の角度θhを大きくできることから、内側に捲れる方向の剛性が高くなり、図5に示す従来技術のダストリップ100のように角度θhが小さいものに比べ内側に捲れる方向の剛性が高くなり、内側に捲れる転動を抑制し、砂等の異物の進入を抑制し、結果としてオイル漏れ等を防ぐことができる。
また、角度θhを大きくし角度θaを小さくすると、仮に、領域部(第3内周部)81を設けなかった場合、ピストンロッド15への接触面積が軸方向へ延び、また、角度θaが小さいのでゴムの逃げ場がなく、結果として緊迫力が増加してしまう。これによって、摺動性が悪化してしまう。
これに対して、本実施形態のダストリップ72は、領域部(第2内周部)82の角度θaより角度θbが大きい領域部(第3内周部)81を設けたので、ピストンロッド15への接触面積が軸方向へ延びることを抑制でき、この角度θbを調整することで、所望の緊迫力を設定することができ、設計自由度が向上する。
さらに、この角度θbを大きくすると、環状部材66の内周における接着部分のゴムの径方向厚さが薄くなり、耐久性が問題となる。また、環状部材66の内径を大きくすることもできるが、ダストリップ72やオイルリップ73の全体剛性が低くなるなどの問題を生じる。
しかし、本実施形態のダストリップ72は、領域部(第3内周部)81の角度θbより角度の小さい領域部(第1内周部)80を設けたので、環状部材66の内周における接着部分のゴムの径方向厚さが薄くなることを抑制し、所望の全体剛性を得るなど設計自由度が向上する。
また、領域部(第1内周部)80を設けずに、環状部材66よりも内外方向の外側、つまり環状部材66の範囲内の位置に達しない位置から一定径で延出する円筒面状にすると、ダストリップ72の軸方向幅が短く剛性が低下する可能性がある。さらに、内周部24において、一定径で延出する円筒面状の領域86に至るまでのダストリップ72のテーパ値(単位軸方向長さ当たりの径差)が大きくなるため、内側に捲れるように変形する転動が生じる可能性がある。
しかし、本実施形態のダストリップ72は、領域部(第1内周部)80を設け、さらに角度θcを角度θbよりも大きくしたので、円筒面状の領域86に向けて滑らかな曲線とすることができ、結果として剛性を高めることができる。
また、ダストリップ72側の部分が、環状部材66の内周面と対向する位置から縮径を開始したので、ダストリップ72全体の剛性を高めることができる。
このように、本実施形態のダストリップ72は、領域部(第1内周部)80、領域部(第3内周部)81、領域部(第2内周部)82を組み合わせて設けることで、所望の耐久性、剛性、緊迫力を設定することができ、設計自由度が向上する。
ここで、図4に示すように、本実施形態のダストリップ72の内周部24のシリンダ内外方向外端部の軸方向の変形量および径方向の変形量を、図5に示す従来のダストリップと比較すると、ピストンロッド15に対する摩擦係数が高い場合(例えばμ=1.0)において、ダストリップ72の上記外端部の軸方向の変形量および径方向の変形量は、シリンダ装置11の伸び行程時および縮み行程時のいずれの行程反転時においても、破線で示す従来のダストリップと比べて、実線で示すように小さくなり、特に、ダストリップ72の転動量に対応する径方向の変形量が小さくなることがわかる。
以上の実施形態では複筒式の油圧緩衝器をシリンダ装置として示したが、単筒式油圧緩衝器、油圧アクティブサスペンション等のシリンダ装置にも適用可能である。一般的な油圧以外も含む液圧シリンダであれば、本発明は適用可能であるが、特に、泥水等がかかる悪環境にさらされ、高周波振動に対して用いられる自動車用サスペンション用のシリンダ装置に好適である。
以上に述べた実施形態は、油液が封入されるシリンダ部と、該シリンダ部に挿入されるピストンロッドと、前記シリンダ部の端部に設けられて前記ピストンロッドを案内するロッドガイドと、前記シリンダ部の端部であって該シリンダ部の軸方向における内外方向の前記ロッドガイドよりも外側に設けられ内周部で前記ピストンロッドに摺接するオイルシールと、を備えたシリンダ装置であって、前記オイルシールは、前記シリンダ部に係止するための剛性を有する環状部材と、該環状部材の前記内外方向の内側に設けられて前記ピストンロッドに密封接触する環状のオイルリップと、前記環状部材の前記内外方向の外側に設けられて前記ピストンロッドに密封接触する環状のダストリップと、を備え、該ダストリップ側の内周部が、前記環状部材の内周面と対向する位置から前記内外方向の外側に向け縮径しつつ延出する第1内周部と、前記ダストリップの前記内外方向の外端側に設けられ前記内外方向の外側に向け縮径しつつ延出する第2内周部と、前記第1内周部と前記第2内周部との間に設けられ前記内外方向の外側に向け縮径しつつ延出する第3内周部とからなり、該第3内周部の前記オイルシールの中心軸に対する角度が、前記第1内周部および前記第2内周部の前記角度よりも大きいことを特徴とする。このように、ダストリップは、シリンダ部の軸方向における内外方向の外側に向け縮径しつつ延出する第1内周部が、環状部材の軸方向の中間部と合う位置からシリンダ内外方向の外側に延出しており、しかも、この第1内周部と、シリンダ内外方向の外端側でシリンダ内外方向の外側に向け縮径しつつ延出する第2内周部との間でシリンダ内外方向の外側に向け縮径しつつ延出する第3内周部のオイルシールの中心軸に対する角度が、第1内周部および第2内周部の角度よりも大きくなっているため、転動が抑制されることになる。したがって、オイルシールの密封性低下を抑制することができる。
なお、上記実施の形態では、ダストリップ72の領域部(第1内周部)80の角度θc、領域部(第2内周部)82の角度θa、領域部(第3内周部)81の角度θbを一定となる形状(錐線が直線)を説明したが、各領域における平均角度が、つまり角度θa’、角度θb’、角度θc’が本発明の関係となるようにすれば、錐線が曲線となる形状であってもよい。
11 シリンダ装置
15 ピストンロッド
19 シリンダ部
21 ロッドガイド
22 オイルシール
66 環状部材
72 ダストリップ
73 オイルリップ
80 領域部(第1内周部)
81 領域部(第3内周部)
82 領域部(第2内周部)
θa 角度(第2内周部のオイルシールの中心軸に対する角度)
θb 角度(第3内周部のオイルシールの中心軸に対する角度)
θc 角度(第1内周部のオイルシールの中心軸に対する角度)

Claims (1)

  1. 油液が封入されるシリンダ部と、
    該シリンダ部に挿入されるピストンロッドと、
    前記シリンダ部の端部に設けられて前記ピストンロッドを案内するロッドガイドと、
    前記シリンダ部の端部であって該シリンダ部の軸方向における内外方向の前記ロッドガイドよりも外側に設けられ内周部で前記ピストンロッドに摺接するオイルシールと、を備えたシリンダ装置であって、
    前記オイルシールは、
    前記シリンダ部に係止するための剛性を有する環状部材と、
    該環状部材の前記内外方向の内側に設けられて前記ピストンロッドに密封接触する環状のオイルリップと、
    前記環状部材の前記内外方向の外側に設けられて前記ピストンロッドに密封接触する環状のダストリップと、を備え、
    該ダストリップ側の内周部が、
    前記環状部材の内周面と対向する位置から前記内外方向の外側に向け縮径しつつ延出する第1内周部と、
    前記ダストリップの前記内外方向の外端側に設けられ前記内外方向の外側に向け縮径しつつ延出する第2内周部と、
    前記第1内周部と前記第2内周部との間に設けられ前記内外方向の外側に向け縮径しつつ延出する第3内周部とからなり、
    該第3内周部の前記オイルシールの中心軸に対する角度が、前記第1内周部および前記第2内周部の前記角度よりも大きいことを特徴とするシリンダ装置。
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