JP2019128029A - シリンダ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ピストンロッドの移動に対する摩擦力の軽減が可能なシリンダ装置を提供する。【解決手段】シール部材33は、大気側に配置されるダストシール70と、ダストシール70よりもシリンダ15の内方側に配置されるメインシール71と、を有し、メインシール71は、環状のベース部材111と、ベース部材111とは別体であってベース部材111に傾動可能に係合されてピストンロッド41の外周面に摺接する環状の摺接部材112と、を有する。【選択図】図2
Description
本発明は、シリンダ装置に関する。
シリンダ装置には、メインリップとダストリップとの間に径方向に移動可能なシールリップを有するオイルシールを設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。
ピストンロッドの移動に対する摩擦力の軽減が望まれている。
したがって、本発明は、ピストンロッドの移動に対する摩擦力の軽減が可能なシリンダ装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、シール部材が、大気側に配置されるダストシールと、前記ダストシールよりもシリンダの内方側に配置されるメインシールと、を有し、前記メインシールは、環状のベース部材と、前記ベース部材とは別体であって該ベース部材に傾動可能に係合されてピストンロッドの外周面に摺接する環状の摺接部材と、を有する構成とした。
本発明によれば、ピストンロッドの移動に対する摩擦力の軽減が可能となる。
「第1実施形態」
本発明に係る第1実施形態のシリンダ装置を図1,図2を参照して以下に説明する。
本発明に係る第1実施形態のシリンダ装置を図1,図2を参照して以下に説明する。
第1実施形態のシリンダ装置11は、自動車や鉄道車両等の車両のサスペンション装置に用いられる緩衝器であり、具体的には自動車のストラット型サスペンションに用いられる緩衝器である。図1に示すように、第1実施形態のシリンダ装置11は、流体としての作動液体が封入される円筒状の内筒12と、内筒12よりも大径で内筒12の外周側に設けられ内筒12との間に流体としての作動液体および作動気体が封入されるリザーバ室13を形成する有底筒状の外筒14とを有するシリンダ15を備えている。つまり、シリンダ装置11は、外筒14内に内筒12が設けられた複筒式の筒状のシリンダ15を有しており、シリンダ15には流体が封入されている。
外筒14は、金属製の一部材からなる一体成形品であり、円筒状の側壁部17と、側壁部17の軸方向の一端側を閉塞する底部18とを有しており、側壁部17の底部18とは反対側が開口19となっている。これら側壁部17および底部18の中心軸線が外筒14の中心軸線となる。
底部18は、側壁部17の軸方向の端縁部から側壁部17から離れるほど縮径するように延出するテーパ筒状部21と、テーパ筒状部21の側壁部17とは反対側の端縁部から径方向内方に延出する平板状の円板部22とを有している。テーパ筒状部21は、外筒14の中心軸線を中心とするテーパ状となっており、円板部22は、外筒14の中心軸線に対し直交して広がっている。
内筒12は、金属製の一部材からなる一体成形品であり、円筒状をなしている。内筒12は、その軸方向の一端側に取り付けられた円環状のベース部材30を介して外筒14の底部18に係合している。また、内筒12は、その軸方向の他端側に取り付けられた円環状のロッドガイド31を介して外筒14の側壁部17の開口19側に係合している。内筒12は、外筒14の開口19よりも底部18側にあり、よって、外筒14の開口19がシリンダ15の開口19となる。
ベース部材30は、内筒12の一端側の内周部に嵌合し固定された状態で外筒14の底部18に載置されており、この状態で、底部18のテーパ筒状部21で径方向に位置決めされている。これにより、ベース部材30は、外筒14と同軸状に配置されることになり、その結果、内筒12の軸方向の一端部を外筒14と同軸状に配置する。
ロッドガイド31は、シリンダ15の開口19側に設けられている。ロッドガイド31は、内筒12の他端側の内周部と外筒14の側壁部17の開口19側の内周部とに嵌合することで、内筒12の軸方向の他端部を外筒14と同軸状に配置する。
ロッドガイド31に対して底部1の反対側には、円環状のシール部材33が配置されており、このシール部材33も側壁部17の開口19側の内周部に嵌合されている。側壁部17の底部18とは反対の開口19側には、カール加工によって径方向内方に塑性変形させられた加締部34が形成されており、シール部材33は、この加締部34とロッドガイド31とに挟持されている。シール部材33は、外筒14の開口19側に配置されて、この開口19を封止する。
シリンダ15の内筒12内には、ピストン35が摺動可能に挿入されている。このピストン35は、内筒12内を第1室38と第2室39との2室に区画している。第1室38は、内筒12内のピストン35とロッドガイド31との間に設けられ、第2室39は、内筒12内のピストン35とベース部材30との間に設けられている。内筒12内の第2室39は、内筒12の一端側に設けられたベース部材30によって、リザーバ室13と画成されている。第1室38および第2室39には作動液体である油液が充填されており、リザーバ室13には作動気体であるガスと作動液体である油液とが充填されている。
ピストン35にはピストンロッド41がナット43によって連結されている。ピストンロッド41は、一端側がロッドガイド31およびシール部材33を通ってシリンダ15の開口19側からシリンダ15の外部へと突出している。
ピストンロッド41は、ロッドガイド31に案内されて、シリンダ15に対して、ピストン35と一体的に軸方向に移動する。言い換えれば、ロッドガイド31はピストンロッド41の軸方向移動を案内する。シール部材33は、ピストンロッド41の外周面に摺接しつつ外筒14とピストンロッド41との間を閉塞して、内筒12内の作動液体と、リザーバ室13内の作動気体および作動液体とが外部に漏出するのを規制する。
ピストン35には、軸方向に貫通する通路44および通路45が形成されている。通路44,45は、第1室38と第2室39とを連通可能となっている。ピストン35には、ピストン35に当接することで通路44を閉塞可能な円環状のディスクバルブ46が軸方向の底部18とは反対側に設けられている。また、ピストン35には、ピストン35に当接することで通路45を閉塞可能な円環状のディスクバルブ47が軸方向の底部18側に設けられている。
ディスクバルブ46は、ピストンロッド41が内筒12および外筒14内への進入量を増やす縮み側に移動しピストン35が第2室39を狭める方向に移動して第2室39の圧力が第1室38の圧力よりも所定値以上高くなると通路44を開くことになり、その際に減衰力を発生させる。ディスクバルブ47は、ピストンロッド41が内筒12および外筒14からの突出量を増やす伸び側に移動しピストン35が第1室38を狭める方向に移動して第1室38の圧力が第2室39の圧力よりも所定値以上高くなると通路45を開くことになり、その際に減衰力を発生させる。
ベース部材30には、軸方向に貫通する通路52および通路53が形成されている。通路52,53は第2室39とリザーバ室13とを連通可能となっている。ベース部材30には、その軸方向の底部18側に、ベース部材30に当接することで通路52を閉塞可能な円環状のディスクバルブ55が配置され、その軸方向の底部18とは反対側に、ベース部材30に当接することで通路53を閉塞可能な円環状のディスクバルブ56が配置されている。
ディスクバルブ55は、ピストンロッド41が縮み側に移動して第2室39の圧力がリザーバ室13の圧力よりも所定値以上高くなると通路52を開くことになり、その際に減衰力を発生させる減衰バルブとなっている。ディスクバルブ56は、ピストンロッド41が伸び側に移動しピストン35が第1室38側に移動して第2室39の圧力がリザーバ室13の圧力より下降すると通路53を開くことになるが、その際にリザーバ室13から第2室39内に実質的に減衰力を発生させずに作動液体を流すサクションバルブである。
シリンダ装置11は、例えばピストンロッド41が車両の車体側に連結され、外筒14が車両の車輪側に連結されて、車輪の車体に対する移動に対して減衰力を発生させる。よって、シリンダ装置11は、ピストンロッド41およびシリンダ15が外部から衝撃力を受けることになる。その際に、ピストンロッド41は軸直交方向の横力を受けてシリンダ15に対し軸直交方向に相対移動することがある。
ピストンロッド41は、ピストン35およびナット43が取り付けられる取付軸部61と、取付軸部61よりも大径の主軸部62とを有している。ピストンロッド41は、主軸部62が、ロッドガイド31およびシール部材33に摺動可能に嵌合されてシリンダ15の外部へと延出している。主軸部62は、その外周面においてロッドガイド31およびシール部材33に摺接する。
図2に示すように、シール部材33は、大気側に配置されるゴム製のダストシール70と、ダストシール70よりもシリンダ15の内方側に配置されるゴム製のメインシール71と、メインシール71を保持する金属製の保持部材72と、保持部材72とメインシール71との間に配置される一対の合成樹脂製の滑部材73と、金属製の環状のスプリング74と、金属製の環状のスプリング75と、を有している。なお、滑部材73として、合成樹脂製に限らず、摺動特性の良いPTFEをコーティングした金属材で形成してもよい。
保持部材72は、円環状であり、円筒状の筒状部91と、筒状部91の軸方向の一端部から径方向の内側に延出する有孔円板状の内フランジ部92と、からなっている。保持部材72とは別体で、筒状部91の軸方向の他端部から径方向の内側に延出する有孔円板状の内フランジ部134が設けられている。保持部材72と内フランジ部134とは、全体として、中心軸線を含む面での断面がコ字状をなしている。
ダストシール70は、シール性および弾性を有するもので、有孔円板状の主体部101と、主体部101の内周縁部から軸方向一側に突出する筒状のダストリップ部102と、を有している。ダストシール70は、主体部101が、別体の内フランジ部134の保持部材72の内フランジ部92とは反対側の外面を覆っている。ダストリップ部102は、主体部101から軸方向の保持部材72とは反対側に、若干先細となる略テーパ筒状をなして突出している。スプリング74は、ダストリップ部102の外周部に嵌合されている。ここで、シール部材33は、少なくともダストシール70とメインシール71とスプリング74とスプリング75とが別体すなわち別部品となっている。
一対の滑部材73は、有孔円板状である。一方の滑部材73は、保持部材72の内フランジ部92の内フランジ部134側の内面を覆っており、他方の滑部材73は内フランジ部134の内フランジ部92側の内面を覆っている。ここで、一方の滑部材73の内フランジ部92への接触部分は接着により一体化されており、他方の滑部材73の内フランジ部134への接触部分も接着により一体化されている。滑部材73は有孔円板状であるため、接着しなくてもよい。
メインシール71は、ダストシール70とは独立して設けられており、環状のゴム製のベース部材111と、環状のゴム製の摺接部材112と、を有している。ベース部材111と摺接部材112とは別体すなわち別部品となっている。
ベース部材111は、内周側に、ベース部材111と同軸の環状をなす環状溝121が形成されている。環状溝121は、溝底側の底壁面122と、溝開口側の一対の開口壁面123と、を有している。底壁面122は、ベース部材111の中心軸線を含む面での断面が半円よりも周方向に長い円弧状をなしている。一対の開口壁面123は、いずれもテーパ面であり、底壁面122の開口側の両端縁部から環状溝121の開口側に広がっている。一対の開口壁面123は、環状溝121の溝幅の中央を通りベース部材111の中心軸に直交する面に対して、環状溝121の開口側に向かうほど間隔が広くなっている。このように内周側に断面円弧状の環状溝121が設けられたベース部材111は、一対の滑部材73の間に配置されている。ベース部材111は、一対の滑部材73に対し、密閉性を維持しつつ径方向に摺動可能に嵌合されている。一対の滑部材73は、ベース部材111の径方向の摺動性を高める。
摺接部材112は、有孔円板状の中間部131と、中間部131の内周縁部から軸方向一側に突出する筒状のメインリップ部132(環状摺接部)と、中間部131の外周縁部に設けられた環状の環状係合部133と、を有している。これら中間部131、メインリップ部132および環状係合部133は同軸状に形成されている。メインリップ部132は、中間部131の内周縁部から軸方向一側に、先細のテーパ筒状に突出している。環状係合部133は、中間部131の外周縁部から軸方向両側に若干突出しており、摺接部材112の中心軸線を含む面での外面の断面が半円よりも周方向に長い円弧状をなしている。言い換えれば、環状係合部133は、摺接部材112の中心軸線を含む面での断面が、円を半分に満たない範囲で一部切り欠いた形状をなしている。
摺接部材112は、メインリップ部132が中間部131からダストシール70とは反対側に突出する姿勢で、外周側の環状係合部133がベース部材111の環状溝121に全周に亘って嵌合されている。言い換えれば、摺接部材112は、外周側に環状溝121に係合する環状係合部133が設けられている。環状係合部133において環状溝121に嵌合された状態で、摺接部材112の中間部131は、環状溝121の一対の開口壁面123の径方向に位置が重なり合う部分の間隔よりもよりも薄くなっている。これにより、摺接部材112は、環状係合部133が環状溝121に対し係合し密閉性を維持した状態のまま回動可能となり、環状溝121を中心に、ベース部材111の軸方向に傾動可能となっている。言い換えれば、ベース部材111と摺接部材112とは、ボールジョイント型の連結構造となっている。摺接部材112は、これとは別体のベース部材111に傾動可能に係合されており、傾動することによって、メインリップ部132を軸方向および径方向に移動させる。スプリング75は、メインリップ部132の外周部に嵌合されている。
シール部材33は、ダストシール70がシリンダ15の外方側に位置し、メインシール71がシリンダ15の内方側に位置する向きで、保持部材72の筒状部91およびダストシール70の主体部101において外筒14の加締部34を形成する前の側壁部17の開口19側の内周面に嵌合されており、保持部材72の内フランジ部92においてロッドガイド31に当接する。この状態で、カール加工で加締部34が形成されることにより、ダストシール70の主体部101と保持部材72とが、加締部34とロッドガイド31とに挟持される。この状態で、主体部101が保持部材72と側壁部17との間を密閉する。また、この状態で、保持部材72内の一対の滑部材73の間に径方向に摺動可能に設けられたメインシール71のベース部材111は、シリンダ15に対し径方向に移動可能となる。
シール部材33は、ダストシール70のダストリップ部102の内側と、メインシール71のメインリップ部132の内側とに、ピストンロッド41の主軸部62が摺動可能に嵌合される。ダストシール70は、内周側のダストリップ部102がピストンロッド41の主軸部62の外周面に摺接する。メインシール71は、内周側のメインリップ部132がピストンロッド41の主軸部62の外周面に摺接する。メインシール71は、ダストシール70とは別体であって、そのロッドガイド31に摺接するメインリップ部132が、メインリップ部132を含む摺接部材112のベース部材111に対する傾動で、軸方向および径方向の両方向に移動可能となっている。
スプリング74は、ダストリップ部102のピストンロッド41への密着方向の締付力を一定状態に保つためのものであり、また、設計仕様を満足させるための締め付け力の調整にも用いられる。スプリング75は、メインリップ部132のピストンロッド41への密着方向の締付力を一定状態に保つためのものであり、また、設計仕様を満足させるための締め付け力の調整にも用いられる。
ダストシール70は、主体部101が保持部材72と側壁部17との間を密閉することになり、ダストリップ部102がピストンロッド41に対し密閉性を維持しつつ摺動することになる。これにより、ダストシール70は、シリンダ15内に外部から異物等が進入するのを抑制する。
メインシール71は、ベース部材111が、保持部材72に密着する一対の滑部材73に対し密閉性を維持しつつ径方向に摺動可能に嵌合されている。また、摺接部材112が、環状係合部133においてベース部材111の環状溝121に対し密閉性を維持した状態のまま傾動可能に係合すると共に、メインリップ部132がピストンロッド41に対し密閉性を維持しつつ摺動することになる。これにより、メインシール71は、シリンダ15内から作動液体および作動気体がダストシール70側に漏出するのを抑制する。
ここで、シール部材33は、ピストンロッド41が軸直交方向の横力を受けて図2に二点鎖線で示すように、シリンダ15に対し軸直交方向、すなわち径方向に相対移動することがある。このような場合でも、メインシール71は、このピストンロッド41の軸直交方向移動に追従して、摺接部材112が環状溝121を中心に傾動しながら、シリンダ15に対しベース部材111を径方向に摺動させて、メインリップ部132を軸方向および軸直交方向に移動させる。よって、メインリップ部132の密閉性を維持しつつピストンロッド41に対する偏荷重の発生を抑制する。これにより、摩擦力低減に繋がり、所望の減衰力特性を得ることができる。
また、メインリップ部132のピストンロッド41に対する偏荷重の発生を抑制することができるため、メインリップ部132のピストンロッド41への面圧が一定に近づくことになり、メインリップ部132による油液のかき取り量が安定し、ピストンロッド41とメインリップ部132との間の適切なオイル潤滑が可能となる。
なお、メインシール71とは分割されているダストシール70は、主に主体部101が変形することでダストリップ部102の径方向移動に追従する。
上記した特許文献1に記載されたシール部材は、メインリップとダストリップとの間に径方向に移動可能なシールリップを設けているため、ピストンロッドにこれら3点で摺接することになり、ピストンロッドの軸方向移動に対する摩擦力が増大してしまう可能性がある。
これに対し、第1実施形態のシリンダ装置11は、シール部材33が、大気側に配置されるダストシール70と、ダストシール70よりもシリンダ15の内方側に配置されるメインシール71と、を有し、メインシール71は、環状のベース部材111と、ベース部材111とは別体であってベース部材111に傾動可能に係合されてピストンロッド41の外周面に摺接する環状の摺接部材112とを有する。このため、ダストシール70およびメインシール71の2点でピストンロッド41に摺接することになる。したがって、ピストンロッド41の軸方向移動に対する摩擦力の軽減が可能となる。
また、メインシール71は、ベース部材111に対し別体の摺接部材112が傾動可能に係合されているため、ピストンロッド41に接触するメインリップ部132を有する摺接部材112がピストンロッド41の軸直交方向の移動に追従して傾動することにより、ピストンロッド41に対する偏荷重の発生を抑制することができる。
また、ベース部材111が、シリンダ15に対し径方向に移動可能であるため、ベース部材111がピストンロッド41の軸直交方向の移動に追従して移動することにより、ピストンロッド41に対する偏荷重の発生をさらに抑制することができる。
また、ベース部材111は、内周側に断面円弧状の環状溝121が設けられており、摺接部材112は、外周側に環状溝121に係合する環状係合部133が設けられているため、摺接部材112がピストンロッド41の軸直交方向の移動に追従して円滑に傾動することになり、ピストンロッド41に対する偏荷重の発生をさらに抑制することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を主に図3に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
次に、第2実施形態を主に図3に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
第2実施形態では、メインシール71Aが第1実施形態のメインシール71に対し一部異なっており、そのベース部材111Aがベース部材111に対し一部異なり、その摺接部材112Aが摺接部材112に対し一部異なっている。
ベース部材111Aは、第1実施形態の環状溝121に対し一部異なる環状溝121Aを有しており、環状溝121Aは、底壁面122に対し一部異なる底壁面122Aを有している。この底壁面122Aは、ベース部材111Aの中心軸線を含む面での断面が半円よりも周方向に短い円弧状をなしている。環状溝121Aには、一対の開口壁面123は設けられておらず、底壁面122Aのみが設けられている。
摺接部材112Aは、ベース部材111Aの環状溝121Aに係合する環状係合部133Aと、ピストンロッド41の主軸部62の外周面に摺接するメインリップ部132A(環状摺接部)とを有している。メインリップ部132Aは、環状係合部133Aから径方向内側に先細状に突出している。よって、摺接部材112Aは、メインリップ部132Aが環状係合部133Aから径方向内側に先細状に突出するOリングとなっている。
環状係合部133Aは、摺接部材112Aの中心軸線を含む面での外面の断面が半円状をなしている。メインリップ部132Aは、摺接部材112Aの中心軸線を含む面での外面の断面が、環状係合部133Aの両端部から径方向内側に突出する先細状をなしている。
摺接部材112Aは、メインリップ部132Aが径方向内側に位置する状態で、径方向外側の環状係合部133Aがベース部材111Aの環状溝121Aに全周に亘って当接するように係合されている。言い換えれば、摺接部材112Aは、外周側に環状溝121Aに係合する環状係合部133Aが設けられている。環状係合部133Aにおいて環状溝121Aに係合された状態で、摺接部材112Aは、環状係合部133Aが環状溝121Aに対し密閉性を維持した状態のまま回動可能となり、摺接部材112Aは、環状溝121Aを中心に、ベース部材111Aの軸方向に傾動可能となっている。よって、摺接部材112Aは、ベース部材111Aに傾動可能に係合されており、傾動することにより、メインリップ部132Aを軸方向および径方向に移動させる。第2実施形態では、第1実施形態のスプリング75は設けられていない。
第2実施形態においても、ピストンロッド41が、図3に二点鎖線に示す状態から、軸直交方向の横力を受けて図3に実線に示すようにシリンダ15に対し軸直交方向、すなわち径方向に相対移動することがある。このような場合でも、ダストシール70とは独立して設けられたメインシール71Aは、このピストンロッド41の軸直交方向移動に追従して、摺接部材112Aが、環状溝121Aを中心に傾動しつつ、シリンダ15に対しベース部材111Aを径方向に摺動させて、メインリップ部132Aを軸方向および軸直交方向に移動させる。よって、第1実施形態と同様、メインリップ部132Aの密閉性を維持しつつピストンロッド41に対する偏荷重の発生を抑制する。これにより、摩擦力低減に繋がり、所望の減衰力特性を得ることができる。
第2実施形態によれば、メインシール71Aはメインリップ部132Aが径方向内側に先細状に突出するOリングであるため、材料を減らすことができる上、成形が容易となり、コストを低減することができる。
以上に述べた実施形態の第1の態様は、流体が封入されるシリンダと、前記シリンダ内に摺動可能に挿入されて該シリンダ内を2室に区画するピストンと、前記ピストンと一体的に移動し一端側が前記シリンダの開口側から外部に突出するピストンロッドと、前記シリンダの開口側に配置され前記ピストンロッドの外周面に摺接する環状のシール部材と、を備えたシリンダ装置であって、前記シール部材は、大気側に配置されるダストシールと、前記ダストシールよりも前記シリンダの内方側に配置されるメインシールと、を有し、前記メインシールは、環状のベース部材と、前記ベース部材とは別体であって該ベース部材に傾動可能に係合されて前記ピストンロッドの外周面に摺接する環状の摺接部材と、を有することを特徴とする。これにより、ピストンロッドの軸方向移動に対する摩擦力の軽減が可能となる。
第2の態様は、第1の態様において、前記ベース部材は、前記シリンダに対し径方向に移動可能であることを特徴とする。
第3の態様は、第1または第2の態様において、前記ベース部材は、内周側に断面円弧状の環状溝が設けられており、前記摺接部材は、外周側に前記環状溝に係合する環状係合部が設けられ、内周側に前記ピストンロッドの外周面に摺接する環状摺接部が設けられていることを特徴とする。
第4の態様は、第3の態様において、前記摺接部材は、前記環状摺接部が径方向内側に先細状に突出するOリングであることを特徴とする。
11 シリンダ装置
15 シリンダ
19 開口
33 シール部材
38 第1室
39 第2室
41 ピストンロッド
70 ダストシール
71,71A メインシール
111,111A ベース部材
112,112A 摺接部材
121,121A 環状溝
132,132A メインリップ部(環状摺接部)
133,133 環状係合部
15 シリンダ
19 開口
33 シール部材
38 第1室
39 第2室
41 ピストンロッド
70 ダストシール
71,71A メインシール
111,111A ベース部材
112,112A 摺接部材
121,121A 環状溝
132,132A メインリップ部(環状摺接部)
133,133 環状係合部
Claims (4)
- 流体が封入されるシリンダと、
前記シリンダ内に摺動可能に挿入されて該シリンダ内を2室に区画するピストンと、
前記ピストンと一体的に移動し一端側が前記シリンダの開口側から外部に突出するピストンロッドと、
前記シリンダの開口側に配置され前記ピストンロッドの外周面に摺接する環状のシール部材と、を備えたシリンダ装置であって、
前記シール部材は、
大気側に配置されるダストシールと、
前記ダストシールよりも前記シリンダの内方側に配置されるメインシールと、を有し、
前記メインシールは、
環状のベース部材と、
前記ベース部材とは別体であって該ベース部材に傾動可能に係合されて前記ピストンロッドの外周面に摺接する環状の摺接部材と、
を有することを特徴とするシリンダ装置。 - 前記ベース部材は、前記シリンダに対し径方向に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載のシリンダ装置。
- 前記ベース部材は、内周側に断面円弧状の環状溝が設けられており、
前記摺接部材は、外周側に前記環状溝に係合する環状係合部が設けられ、内周側に前記ピストンロッドの外周面に摺接する環状摺接部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のシリンダ装置。 - 前記摺接部材は、前記環状摺接部が径方向内側に先細状に突出するOリングであることを特徴とする請求項3に記載のシリンダ装置。
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2018
- 2018-01-26 JP JP2018011764A patent/JP2019128029A/ja active Pending
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