JP7515441B2 - 緩衝器 - Google Patents
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Description
本発明は、緩衝器に関する。
緩衝器には、伸び切り作動時の衝撃をクッションゴムで緩和する構造を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
緩衝器においては、耐久性を向上させることが求められている。
したがって、本発明は、耐久性を向上させることが可能となる緩衝器の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、一端が開口し、他端が閉塞されたシリンダと、前記シリンダの一端を閉塞する閉塞部材と、前記シリンダ内に封入される作動流体と、前記シリンダ内に摺動可能に設けられ、該シリンダ内を2室に区画するピストンと、前記ピストンに連結されると共に前記シリンダの外部に延出されるピストンロッドと、前記ピストンロッドが挿入されると共に該ピストンロッドに固定される底部と該ピストンロッドの外周を覆う筒部とを有し、該筒部の前記閉塞部材側の端面が径方向に拡径するよう形成されたストッパ部材と、前記ストッパ部材の前記閉塞部材側に設けられる弾性部材と、を備える構成とした。
本発明によれば、耐久性を向上させることが可能となる。
実施形態の緩衝器について、図面を参照しつつ以下に説明する。
図1は、実施形態の緩衝器11を示すものである。この緩衝器11は、自動車や鉄道車両等の車両のサスペンション装置に用いられる緩衝器である。緩衝器11は、具体的には自動車のサスペンション装置に用いられる緩衝器である。緩衝器11は、内筒15と外筒16とを有するシリンダ17を備えた複筒式の緩衝器である。内筒15は円筒状である。外筒16は内筒15よりも大径の有底筒状である。外筒16は内筒15の径方向外側に、内筒15と同軸状に設けられている。外筒16と内筒15との間はリザーバ室18となっている。
図1は、実施形態の緩衝器11を示すものである。この緩衝器11は、自動車や鉄道車両等の車両のサスペンション装置に用いられる緩衝器である。緩衝器11は、具体的には自動車のサスペンション装置に用いられる緩衝器である。緩衝器11は、内筒15と外筒16とを有するシリンダ17を備えた複筒式の緩衝器である。内筒15は円筒状である。外筒16は内筒15よりも大径の有底筒状である。外筒16は内筒15の径方向外側に、内筒15と同軸状に設けられている。外筒16と内筒15との間はリザーバ室18となっている。
外筒16は胴部材20と底部材21とを有している。胴部材20は円筒状である。底部材21は、胴部材20の軸方向の一方の端部に嵌合されて固定されている。底部材21の胴部材20との嵌合部分と、胴部材20とが、外筒16の円筒状の胴部22を構成する。底部材21の胴部材20との嵌合部分よりも径方向内側の部分が外筒16の底部23を構成する。底部23は、胴部22の軸方向の一方の端部を閉塞する。胴部22の底部23とは反対側は開口部24となっている。外筒16の開口部24は、シリンダ17においても軸方向の一端に設けられる。外筒16の底部23は、シリンダ17においても軸方向の他端に設けられる。言い換えれば、シリンダ17は、軸方向の一端が開口し、軸方向の他端が閉塞されている。底部23の開口部24とは反対側には図示略の取付アイが固定される。取付アイは車両の車輪側に連結される。内筒15は、金属製の一部材からなる一体成形品であり、円筒状である。内筒15は、その内周面15aが円筒面状である。
緩衝器11は、バルブボディ27とロッドガイド28(閉塞部材)とを備えている。バルブボディ27は、円環状であり、内筒15および外筒16の軸方向の一端部に設けられている。ロッドガイド28は、円環状であり、内筒15および外筒16の軸方向の他端部に設けられている。バルブボディ27は、ベースバルブ30を構成するものであり、外周部が段差状をなしている。バルブボディ27は底部23に載置されている。その際に、バルブボディ27は、外周部の大径部分において外筒16に対し径方向に位置決めされる。
図2に示すように、ロッドガイド28は、ロッドガイド本体32とカラー33とを有している。ロッドガイド本体32は、金属製であって円環状である。ロッドガイド本体32は、外周部に大径部35と小径部36とを有している。大径部35の外径は小径部36の外径よりも大径である。よって、ロッドガイド本体32は、外周部が段差状をなしている。カラー33は円筒状である。カラー33は、金属製の円筒体の内周面を摺動性の高い材料で被覆してなるものである。カラー33は、ロッドガイド本体32の内周部に嵌合されて固定されている。ロッドガイド28は、ロッドガイド本体32の大径部35において、外筒16の胴部22の開口部24側の内周部に嵌合する。ロッドガイド28は、その軸方向の大径部35とは反対側の端部にある端面28aがロッドガイド28の中心軸線に直交して広がる平面状をなす。端面28aはロッドガイド本体32およびカラー33に形成されている。
図1に示すように、内筒15は、軸方向の一端部が、バルブボディ27の外周部の小径部分に、バルブボディ27の大径部分に軸方向に当接するまで嵌合されている。内筒15は、軸方向の一端部が、このバルブボディ27を介して外筒16の底部23に係合している。また、内筒15は、軸方向の他端部が、ロッドガイド本体32の小径部36に、軸方向において大径部35に当接するまで嵌合されている。内筒15は、この他端部が、ロッドガイド28を介して外筒16の胴部22に係合している。この状態で、内筒15は、外筒16に対して軸方向および径方向に位置決めされている。ここで、バルブボディ27と底部23との間は、バルブボディ27に形成された通路溝40を介して内筒15と外筒16との間に連通している。バルブボディ27と底部23との間は、内筒15と外筒16との間と同様、リザーバ室18を構成している。
緩衝器11は、円環状のロッドシール41(閉塞部材)を備えている。ロッドシール41は、ロッドガイド28の底部23とは反対側に設けられている。このロッドシール41も、ロッドガイド28と同様に胴部22の内周部に嵌合されている。胴部22の底部23とは反対の端部には係止部43が形成されている。係止部43は、胴部材20をカール加工等の加締め加工によって径方向内方に塑性変形させて形成されている。ロッドシール41は、この係止部43とロッドガイド28とに挟持されている。ロッドシール41は、その際に、ロッドガイド28によって胴部22の内周面に押し付けられる。これにより、ロッドシール41は、外筒16の開口部24を閉塞する。言い換えれば、ロッドガイド28とロッドシール41とが、一端が開口し他端が閉塞されたシリンダ17の、この一端を閉塞する。ロッドシール41は、具体的にはオイルシールである。
緩衝器11はピストン45を備えている。ピストン45は、シリンダ17の内筒15内に摺動可能に設けられている。ピストン45は、内筒15内を第1室48と第2室49との2室に区画している。第1室48は、内筒15内のピストン45とロッドガイド28との間に設けられている。第2室49は、内筒15内のピストン45とバルブボディ27との間に設けられている。第2室49は、バルブボディ27によって、リザーバ室18と区画されている。シリンダ17内には、第1室48および第2室49に作動流体としての油液Lが封入されている。シリンダ17内には、リザーバ室18に作動流体としてのガスGと油液Lとが封入されている。
緩衝器11はピストンロッド51を備えている。ピストンロッド51は、軸方向の一端部分がシリンダ17の内部に挿入されている。ピストンロッド51は、この一端側の部分がピストン45に連結されている。ピストンロッド51は、軸方向の他端側の部分が外筒16の開口部24を介してシリンダ17の外部に延出している。ピストンロッド51は、金属製であって、第1室48内を貫通している。ピストンロッド51は第2室49を貫通していない。よって、第1室48はピストンロッド51が貫通するロッド側室である。第2室49はシリンダ17の底部23側のボトム側室である。ピストンロッド51は、シリンダ17から外部に延出する部分が車両の車体側に連結される。
ピストンロッド51は主軸部52と取付軸部53とを有している。取付軸部53は、その外径が主軸部52の外径よりも小径である。主軸部52は外周面52aが円筒面状である。ピストンロッド51は、取付軸部53側がシリンダ17内に挿入されている。ピストンロッド51には、取付軸部53に、ピストン45がナット54によって連結されている。ピストンロッド51は、主軸部52においてロッドガイド28およびロッドシール41を通ってシリンダ17から外部へと延出している。ロッドガイド28およびロッドシール41は、シリンダ17のピストンロッド51が延出する側の部分に設けられている。ロッドガイド28は、ピストンロッド51を摺動可能に支持する。ピストンロッド51は、主軸部52の外周面52aにおいてロッドガイド28に案内される。ロッドガイド28の端面28aは、ピストンロッド51の中心軸線に直交して広がる。ピストンロッド51は、シリンダ17に対して、ピストン45と一体に軸方向に移動する。ピストンロッド51がシリンダ17からの突出量を増やす緩衝器11の伸び行程において、ピストン45は第1室48側へ移動する。ピストンロッド51がシリンダ17からの突出量を減らす緩衝器11の縮み行程において、ピストン45は第2室49側へ移動する。
ロッドシール41は、シリンダ17のピストンロッド51が延出する側、すなわち外筒16の開口部24側に設けられている。ロッドシール41は、ロッドガイド28とによって、外筒16の胴部22とピストンロッド51の主軸部52との間をシールして、内筒15内の油液Lと、リザーバ室18内のガスGおよび油液Lとが外部に漏出するのを規制する。
ピストン45には通路55および通路56が形成されている。通路55および通路56は、いずれもピストン45を軸方向に貫通している。通路55,56は、第1室48と第2室49とを連通可能である。緩衝器11は、ディスクバルブ57とディスクバルブ58とを備えている。ディスクバルブ57は、ピストン45の軸方向における底部23とは反対側に設けられている。ディスクバルブ57は、円環状であり、ピストン45に当接することで通路55を閉塞する。ディスクバルブ58は、ピストン45の軸方向における底部23側に設けられている。ディスクバルブ58は、円環状であり、ピストン45に当接することで通路56を閉塞する。ディスクバルブ57,58は、ピストン45とともにピストンロッド51に取り付けられている。
ピストンロッド51が内筒15および外筒16内への進入量を増やす縮み側に移動しピストン45が第2室49を狭める方向に移動すると、第2室49の圧力が第1室48の圧力よりも高くなる。すると、ディスクバルブ57が通路55を開いて第2室49の油液Lを第1室48に流すことになる。その際にディスクバルブ57は減衰力を発生させる。ピストンロッド51が内筒15および外筒16からの突出量を増やす伸び側に移動しピストン45が第1室48を狭める方向に移動すると、第1室48の圧力が第2室49の圧力よりも高くなる。すると、ディスクバルブ58が通路56を開いて第1室48の油液Lを第2室49に流すことになる。その際にディスクバルブ58は減衰力を発生させる。
ピストン45およびディスクバルブ57のうちの少なくとも一方には図示略の固定オリフィスが形成されている。この固定オリフィスは、ディスクバルブ57が通路55を最も閉塞した状態でも通路55を介して第1室48と第2室49とを連通させる。また、ピストン45およびディスクバルブ58のうちの少なくとも一方にも図示略の固定オリフィスが形成されている。この固定オリフィスは、ディスクバルブ58が通路56を最も閉塞した状態でも通路56を介して第1室48と第2室49とを連通させる。
バルブボディ27には液通路61および液通路62が形成されている。液通路61および液通路62は、いずれもバルブボディ27を軸方向に貫通している。液通路61,62は、いずれも第2室49とリザーバ室18とを連通可能である。ベースバルブ30は、ディスクバルブ65およびディスクバルブ66を備えている。ディスクバルブ65は、バルブボディ27の軸方向における底部23側に設けられている。ディスクバルブ65は、バルブボディ27に当接することで液通路61を閉塞する。ディスクバルブ66は、バルブボディ27の軸方向における底部23とは反対側に設けられている。ディスクバルブ66は、バルブボディ27に当接することで液通路62を閉塞する。ベースバルブ30は、ピン68を有している。このピン68がディスクバルブ65,66をバルブボディ27に取り付ける。バルブボディ27、ディスクバルブ65,66およびピン68等がベースバルブ30を構成している。
ピストンロッド51が縮み側に移動しピストン45が第2室49を狭める方向に移動すると第2室49の圧力がリザーバ室18の圧力よりも高くなる。すると、ベースバルブ30は、ディスクバルブ65が液通路61を開いて、第2室49の油液Lをリザーバ室18に流すことになる。その際にディスクバルブ65が減衰力を発生させる。ピストンロッド51が伸び側に移動しピストン45が第1室48側に移動すると第2室49の圧力がリザーバ室18の圧力より低下する。すると、ベースバルブ30は、ディスクバルブ66が液通路62を開いて、リザーバ室18の油液Lを第2室49に流すことになる。ディスクバルブ66は、その際にリザーバ室18から第2室49内に実質的に減衰力を発生させずに油液Lを流すサクションバルブである。
緩衝器11は、係止リング77とストッパ部材78と弾性部材81とを備えている。
ピストンロッド51の主軸部52には係合溝85が形成されている。係合溝85は主軸部52の外周面52aから径方向内方に凹んでいる。係合溝85は主軸部52の外周面52aと同軸の円環状である。係合溝85は、主軸部52の内筒15内に配置される部位であってピストン45とロッドガイド28との間に配置される部位に形成されている。
係止リング77は、金属製であり、円環の一部を切り欠いたC字状である。係止リング77は係合溝85に嵌合されている。これにより、係止リング77はピストンロッド51に対して軸方向の移動が規制される。
ピストンロッド51の主軸部52には係合溝85が形成されている。係合溝85は主軸部52の外周面52aから径方向内方に凹んでいる。係合溝85は主軸部52の外周面52aと同軸の円環状である。係合溝85は、主軸部52の内筒15内に配置される部位であってピストン45とロッドガイド28との間に配置される部位に形成されている。
係止リング77は、金属製であり、円環の一部を切り欠いたC字状である。係止リング77は係合溝85に嵌合されている。これにより、係止リング77はピストンロッド51に対して軸方向の移動が規制される。
ストッパ部材78は、金属製であり、円環状である。図2に示すように、ストッパ部材78は、底部91と筒部92とを有している。
底部91は、底部本体部95と筒状係合部96とを有している。
底部本体部95は、円環状であってその軸方向に対して直交して広がる平板状である。底部本体部95は、その軸方向の一側にある底面95aが、円環状であって底部本体部95の軸方向に対し直交して広がる平面状である。
筒状係合部96は、底部本体部95の内周縁部から底部本体部95の軸方向において底面95aとは反対側に延出する。筒状係合部96は円筒状である。筒状係合部96は、その外径が底部本体部95の外径よりも小径である。
底部本体部95は、円環状であってその軸方向に対して直交して広がる平板状である。底部本体部95は、その軸方向の一側にある底面95aが、円環状であって底部本体部95の軸方向に対し直交して広がる平面状である。
筒状係合部96は、底部本体部95の内周縁部から底部本体部95の軸方向において底面95aとは反対側に延出する。筒状係合部96は円筒状である。筒状係合部96は、その外径が底部本体部95の外径よりも小径である。
筒部92は、筒部本体部101と当接部102とを有している。
筒部本体部101は、底部本体部95の外周縁部から底部本体部95の軸方向に沿って筒状係合部96とは反対側に延出する。筒部本体部101は円筒状である。筒部本体部101はその内周面101aが円筒面状であり、その外周面101bも円筒面状である。筒部本体部101の内周面101aは、筒部92の内周面でもある。
当接部102は、筒部本体部101の軸方向における底部91とは反対側の端縁部から径方向外方に拡がる。当接部102は、円環状であってその軸方向に対し直交して広がる平板状である。当接部102は、軸方向の底部91とは反対側の端面102aが底部91の底面95aと平行に広がっている。当接部102の端面102aは、筒部92の軸方向における底部91とは反対側の端面となる。当接部102の端面102aは、ストッパ部材78の軸方向一側の端面である。当接部102の外周面102bは円形である。
筒部本体部101は、底部本体部95の外周縁部から底部本体部95の軸方向に沿って筒状係合部96とは反対側に延出する。筒部本体部101は円筒状である。筒部本体部101はその内周面101aが円筒面状であり、その外周面101bも円筒面状である。筒部本体部101の内周面101aは、筒部92の内周面でもある。
当接部102は、筒部本体部101の軸方向における底部91とは反対側の端縁部から径方向外方に拡がる。当接部102は、円環状であってその軸方向に対し直交して広がる平板状である。当接部102は、軸方向の底部91とは反対側の端面102aが底部91の底面95aと平行に広がっている。当接部102の端面102aは、筒部92の軸方向における底部91とは反対側の端面となる。当接部102の端面102aは、ストッパ部材78の軸方向一側の端面である。当接部102の外周面102bは円形である。
ストッパ部材78は、その径方向の内側にピストンロッド51の主軸部52が挿入される。その際に、ストッパ部材78は、その軸方向において筒部92が底部91がよりもロッドガイド28側に位置する状態とされる。ストッパ部材78は、底部91の筒状係合部96側の径方向内側に係止リング77が配置される。この状態で筒状係合部96が径方向内側に加締められて塑性変形させられる。すると、ストッパ部材78が係止リング77の拡径を規制する状態になる。それと共に、ストッパ部材78が係止リング77によってピストンロッド51の軸方向における移動が規制された状態になる。また、筒状係合部96が主軸部52に密着して主軸部52に対する回転が規制される。これにより、ストッパ部材78が、ピストンロッド51に取り付けられ、固定された状態になる。
ストッパ部材78は、ピストンロッド51に取り付けられた図2に示す取付状態で、ピストンロッド51からピストンロッド51の外径方向に広がるよう形成されている。ストッパ部材78は、ピストンロッド51と共に内筒15内に配置される。その際に、ストッパ部材78は、図1に示すように、ピストンロッド51の軸方向におけるピストン45とロッドガイド28との間の位置に配置される。この状態で、ストッパ部材78は、図2に示すように、筒部92の当接部102の軸方向におけるロッドガイド28およびロッドシール41側の端面102aが、筒部本体部101から径方向に拡径するよう形成されている。すなわち、ストッパ部材78は、筒部92の軸方向におけるロッドガイド28およびロッドシール41側の端面102aが径方向に拡径するよう形成されている。ストッパ部材78は、内筒15内で、ピストンロッド51と一体に移動する。
ストッパ部材78は、ピストンロッド51に取り付けられた図2に示す取付状態で、底部本体部95の底面95aおよび当接部102の端面102aが、いずれもピストンロッド51の中心軸線に直交して広がる平面状となる。すなわち、底面95aおよび端面102aは、主軸部52の外周面52aに直交して広がる。また、ストッパ部材78は、この取付状態で、筒部本体部101の内周面101aおよび外周面101bと、当接部102の外周面102bとが、全て中心軸線をピストンロッド51の中心軸線に一致させる。すなわち、内周面101a、外周面101bおよび外周面102bは、主軸部52の外周面52aと同軸状をなす。ストッパ部材78は、その外径となる当接部102の外周面102bの径が、内筒15の内周面15aの径よりも小径となっている。筒部本体部101の内周面101aと主軸部52の外周面52aとの間には径方向の隙間がある。
弾性部材81は、例えばNBR(ニトリルゴム)等の合成ゴム製であり、円環状である。弾性部材81は、主体部111と外側突出部112(大径部)と内側突出部113とを有している。
主体部111は円筒状である。
外側突出部112は主体部111の軸方向の中間部から径方向外側に突出する。外側突出部112は主体部111の軸方向の中央部から径方向外側に突出する。外側突出部112は主体部111の全周から突出する。外側突出部112は、主体部111と同軸の円環状である。外側突出部112は、主体部111からの突出量が全周にわたって一定である。
内側突出部113は主体部111の軸方向の中間部から径方向内側に突出する。内側突出部113は主体部111の軸方向の中央部から径方向内側に突出する。内側突出部113は主体部111の全周から突出する。内側突出部113は、主体部111と同軸の円環状である。内側突出部113は、主体部111からの突出量が全周にわたって一定である。
主体部111は、外側突出部112および内側突出部113よりも軸方向一側の部分が第1筒状部116(小径部)となっている。第1筒状部116は、外側突出部112よりも外径が小径であり、内側突出部113よりも内径が大径である。
主体部111は、外側突出部112および内側突出部113よりも軸方向他側の部分が第2筒状部117となっている。第2筒状部117は、外側突出部112よりも外径が小径であり、内側突出部113よりも内径が大径である。
第1筒状部116および第2筒状部117は、外側突出部112および内側突出部113から、互いに反対方向に突出している。
弾性部材81は、軸方向に鏡面対称の形状である。
外側突出部112は主体部111の軸方向の中間部から径方向外側に突出する。外側突出部112は主体部111の軸方向の中央部から径方向外側に突出する。外側突出部112は主体部111の全周から突出する。外側突出部112は、主体部111と同軸の円環状である。外側突出部112は、主体部111からの突出量が全周にわたって一定である。
内側突出部113は主体部111の軸方向の中間部から径方向内側に突出する。内側突出部113は主体部111の軸方向の中央部から径方向内側に突出する。内側突出部113は主体部111の全周から突出する。内側突出部113は、主体部111と同軸の円環状である。内側突出部113は、主体部111からの突出量が全周にわたって一定である。
主体部111は、外側突出部112および内側突出部113よりも軸方向一側の部分が第1筒状部116(小径部)となっている。第1筒状部116は、外側突出部112よりも外径が小径であり、内側突出部113よりも内径が大径である。
主体部111は、外側突出部112および内側突出部113よりも軸方向他側の部分が第2筒状部117となっている。第2筒状部117は、外側突出部112よりも外径が小径であり、内側突出部113よりも内径が大径である。
第1筒状部116および第2筒状部117は、外側突出部112および内側突出部113から、互いに反対方向に突出している。
弾性部材81は、軸方向に鏡面対称の形状である。
弾性部材81は、緩衝器11にその一部品として組み付けられる前の自然状態で外側突出部112の外径が、ストッパ部材78の筒部92の内径よりも大径である。すなわち、弾性部材81は、この自然状態で、外側突出部112の外径が、筒部92の内周面101aの径よりも大径である。
そして、弾性部材81は、その内側に主軸部52を配置しつつ、その外側突出部112を筒部92の内周面101aに接触させながら、ストッパ部材78の筒部92の径方向内側に締め代をもって嵌合される。言い換えれば、弾性部材81が筒部92に圧入される。その際に、弾性部材81は、第1筒状部116において、底部91の底面95aに当接するまで筒部92内に嵌合される。すると、弾性部材81は、自身の弾性力により筒部92に固定される。これにより、弾性部材81はストッパ部材78に対し位置決めされる。すなわち、弾性部材81は、ストッパ部材78の筒部92と当接する外側突出部112と、ストッパ部材78の底部91と当接し、外側突出部112よりも小径の第1筒状部116と、を有する。ここで、このようにして弾性部材81がストッパ部材78に取り付けられると、弾性部材81の径方向内側にピストンロッド51の主軸部52が挿入された状態になる。弾性部材81は、ストッパ部材78の軸方向におけるロッドガイド28およびロッドシール41側に設けられる。
ストッパ部材78に取り付けられた図2に示す取付状態で、弾性部材81は、その内側突出部113の内径がピストンロッド51の主軸部52の外径よりも若干大径となる。すなわち、この取付状態で、弾性部材81は、ピストンロッド51の主軸部52には接触しない。また、この取付状態で、弾性部材81の外側突出部112および内側突出部113よりもロッドガイド28およびロッドシール41側となる第2筒状部117は、その一部が筒部92の端面102aよりロッドガイド28およびロッドシール41側に突出する。ここで、第2筒状部117は、その全部が筒部92の端面102aよりロッドガイド28およびロッドシール41側に突出している。第2筒状部117は、その少なくとも一部が筒部92の端面102aよりロッドガイド28およびロッドシール41側に突出していれば良い。
係止リング77とストッパ部材78と弾性部材81とが衝撃緩和機構121を構成している。衝撃緩和機構121は、ピストンロッド51がシリンダ17に対して伸び切り側の所定位置まで移動するとピストンロッド51に抵抗力を与えてピストンロッド51の停止時に生じる衝撃を緩和する。ストッパ部材78は、ピストンロッド51の伸び切り位置よりも伸び側への移動を規制する、いわゆるリバウンドストッパである。弾性部材81は、ストッパ部材78がピストンロッド51の伸び切り位置よりも伸び側への移動を規制する際の衝撃を緩和する、いわゆるリバウンドクッションである。
緩衝器11に軸方向の引っ張り荷重がかかり、緩衝器11の全長が長くなる方向にピストンロッド51がシリンダ17に対して軸方向に移動する。そして、ピストンロッド51がシリンダ17に対して所定位置まで移動すると、衝撃緩和機構121は、弾性部材81が第2筒状部117でロッドガイド28の端面28aに当接する。そして、ピストンロッド51がシリンダ17に対してさらに伸び側に移動すると、弾性部材81が軸方向に縮むように弾性変形し、これによりピストンロッド51の移動に抵抗を与える。また、その際に、弾性部材81は径方向に拡がる。このため、外側突出部112がストッパ部材78の筒部92の内周面101aに押し付けられることになる。それと共に内側突出部113が主軸部52の外周面52aに押し付けられる。これによっても、弾性部材81がピストンロッド51の移動に抵抗を与える。
そして、ピストンロッド51がシリンダ17に対してさらに伸び側に移動すると、図3に示すように、衝撃緩和機構121は、ストッパ部材78が当接部102の端面102aにおいてロッドガイド28の端面28aに当接して、ストッパ部材78のそれ以上のロッドガイド28側への移動を規制する。よって、ピストンロッド51は、それ以上のシリンダ17に対する伸び側への移動が規制された伸び切り状態となる。ピストンロッド51が伸び切り状態になると、ストッパ部材78は、弾性部材81がそれ以上に変形することを抑制する。
衝撃緩和機構121は、上記のように、ストッパ部材78が当接部102においてロッドガイド28に当接する直前に、弾性部材81がロッドガイド28に当接してピストンロッド51の移動に抵抗を与える。これにより、金属であるストッパ部材78と金属であるロッドガイド28との当接により生じる衝撃を吸収し緩和して、異音の発生を抑制する。
ここで、図3に示すようにストッパ部材78が当接部102においてロッドガイド28に当接した状態において、ロッドガイド28の端面28aと、ストッパ部材78の底面95aおよび内周面101aと、主軸部52の外周面52aとで囲まれた空間部分の容積は、この空間部分内で変形している弾性部材81の体積よりも大きい。そして、この状態において、ロッドガイド28の端面28aに当接して変形している図2に示す第2筒状部117は、ストッパ部材78の内周面101aの少なくとも端面102a側の端部との間に図3に示すように隙間を設けている。これにより、ストッパ部材78の当接部102とロッドガイド28との間に弾性部材81が挟まれてしまうことを抑制する。また、この状態において、ロッドガイド28の端面28aに当接して変形している図2に示す第2筒状部117は、主軸部52の外周面52aの少なくとも端面28a側の端部との間に図3に示すように隙間を設けている。また、この状態において、ストッパ部材78の底面95aに当接して変形している図2に示す第1筒状部116は、ストッパ部材78の内周面101aの少なくとも底面95a側の端部との間に図3に示すように隙間を設けている。また、この状態において、ストッパ部材78の底面95aに当接して変形している図2に示す第1筒状部116は、主軸部52の外周面52aの少なくとも底面95a側の端部との間に図3に示すように隙間を設けている。弾性部材81は、軸方向両側を第1筒状部116および第2筒状部117として体積を少なくし、かつ軸方向の中間部分に外側突出部112および内側突出部113を形成して全体として十分な体積を確保している。
上記した特許文献1には、伸び切り作動時の衝撃をクッションゴムで緩和する構造を備えた緩衝器が記載されている。この緩衝器は、ピストン部に格納部を設けて格納部にクッションゴムを設けている。この緩衝器は、格納部が円筒状の部分でベアリングに当接する。このことから、格納部の強度が不足する場合があって格納部の耐久性に課題を生じる場合がある。また、格納部の円筒状の部分の肉厚を増やすと、重量増になってしまう。
実施形態の緩衝器11は、ピストンロッド51が挿入されると共にピストンロッド51に固定される底部91とピストンロッド51の外周を覆う筒部92とを有するストッパ部材78を備えている。そして、このストッパ部材78は、筒部92のロッドガイド28側の端面102aが径方向に拡径するよう形成されている。よって、筒部92の重量増を抑制しつつ剛性を高めることができる。したがって、ストッパ部材78の重量増を抑制しつつ耐久性を向上させることが可能となり、ひいては、緩衝器11の重量増を抑制しつつ耐久性を向上させることが可能となる。
また、緩衝器11は、ピストンロッド51に固定されるストッパ部材78の筒部92内に弾性部材81を配置している。よって、緩衝器11は、弾性部材81が径方向外側に弾性変形してもストッパ部材78がこれを抑制して、シリンダ17の内筒15に与える影響を抑制する。よって、緩衝器11は、シリンダ17の内筒15の変形に起因した異音の発生を抑制することができる。
また、緩衝器11は、ストッパ部材78が、その筒部92のロッドガイド28側の端面102aが径方向に拡径するよう形成されている。このことから、緩衝器11は、ロッドガイド28側の形状を変更することなく対応できる。
また、緩衝器11は、ストッパ部材78が、ディスクバルブ57およびピストン45から軸方向に離れてピストンロッド51に固定されている。このため、緩衝器11は、伸び切り時の衝撃のディスクバルブ57およびピストン45への影響が少なく済む。
また、緩衝器11は、ストッパ部材78のロッドガイド28側に設けられる弾性部材81が、筒部92と当接する外側突出部112と、底部91と当接し、外側突出部112よりも小径の第1筒状部116と、を有する。このため、緩衝器11は、弾性部材81のストッパ部材78からの抜けを抑制しつつストッパ部材78内での弾性部材81の変形代を確保することができる。
また、緩衝器11は、ストッパ部材78とロッドガイド28とが最終的に直接接触して金属ストッパで荷重を負担することになる。このため、緩衝器11は、弾性部材81に作用する過度な荷重負荷を抑制することができる。よって、弾性部材81の耐久性を向上させることが可能となり、ひいては、緩衝器11の耐久性を向上させることが可能となる。
また、緩衝器11は、弾性部材81の外側突出部112よりロッドガイド28側が、少なくとも一部が筒部92の端面102aより突出する第2筒状部117である。そして、この第2筒状部117は外側突出部112より小径である。よって、緩衝器11は、ストッパ部材78の端面102aとロッドガイド28の端面28aとの間に弾性部材81が挟まれてしまうことを抑制することができる。しかも、弾性部材81は、軸方向の中間位置に筒部92に当接する外側突出部112を有し、ロッドガイド28側に外側突出部112よりも小径の第2筒状部117を有している。このため、緩衝器11は、ロッドガイド28に当接する第2筒状部117をストッパ部材78に対して径方向に位置決めできる。よって、緩衝器11は、ストッパ部材78の端面102aとロッドガイド28の端面28aとの間に弾性部材81が挟まれてしまうことを一層抑制することができる。よって、弾性部材81の耐久性を一層向上させることが可能となり、ひいては、緩衝器11の耐久性を一層向上させることが可能となる。
また、緩衝器11は、弾性部材81が、軸方向両側を第1筒状部116および第2筒状部117として体積を少なくし、かつ軸方向の中間部分に外側突出部112および内側突出部113を形成して十分な体積を確保している。これにより、緩衝器11は、弾性部材81によってストッパ部材78の当接部102とロッドガイド28との当接時の衝撃を緩和しつつ、弾性部材81の当接部102とロッドガイド28との間への挟まれを抑制することができる。弾性部材81は、ストッパ部材78の底部23側がストッパ部材78の筒部92の内径よりも小径の第1筒状部116となっているため、軸方向に圧縮された際に径方向へ変形しても、ストッパ部材78の筒部92の底部91側を外径側に変形させてしまうことを抑制できる。弾性部材81は、ロッドガイド28側がストッパ部材78の筒部92の内径よりも小径の第2筒状部117となっているため、軸方向に圧縮された際に径方向へ変形しても、ストッパ部材78の筒部92のロッドガイド28側を外径側に変形させてしまうことを抑制できる。
また、緩衝器11は、弾性部材81が、径方向外方に突出する外側突出部112および径方向内方に突出する内側突出部113を有している。このため、緩衝器11は、伸び切り時に弾性部材81が弾性変形すると、その内側突出部113がピストンロッド51に直接接触して摩擦抵抗を付与することになる。よって、緩衝器11は、ピストンロッドの伸び切り時の衝撃を一層緩和して、異音の発生を一層抑制することができる。
11…緩衝器、17…シリンダ、28…ロッドガイド(閉塞部材)、41…ロッドシール(閉塞部材)、45…ピストン、48…第1室、49…第2室、51…ピストンロッド、78…ストッパ部材、81…弾性部材、112…外側突出部(大径部)、116…第1筒状部(小径部)、L…油液(作動流体)。
Claims (2)
- 一端が開口し、他端が閉塞されたシリンダと、
前記シリンダの一端を閉塞する閉塞部材と、
前記シリンダ内に封入される作動流体と、
前記シリンダ内に摺動可能に設けられ、該シリンダ内を2室に区画するピストンと、
前記ピストンに連結されると共に前記シリンダの外部に延出されるピストンロッドと、
前記ピストンロッドが挿入されると共に該ピストンロッドに固定される底部と該ピストンロッドの外周を覆う筒部とを有し、該筒部の前記閉塞部材側の端面が径方向に拡径するよう形成されたストッパ部材と、
前記ストッパ部材の前記閉塞部材側に設けられる弾性部材と、
を備え、
前記弾性部材は、
径方向内側が前記ピストンロッドと当接し、径方向外側が前記筒部と当接する大径部と、
前記大径部よりも小径に形成され、前記ピストンロッドおよび前記筒部と隙間を有している小径部と、を有することを特徴とする緩衝器。 - 請求項1に記載の緩衝器であり、
前記弾性部材の前記大径部より前記閉塞部材側は、少なくとも一部が前記筒部の前記端面より突出し、前記大径部よりも小径に形成され、前記ピストンロッドおよび前記筒部と隙間を有していることを特徴とする緩衝器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021106614A JP7515441B2 (ja) | 2021-06-28 | 緩衝器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021106614A JP7515441B2 (ja) | 2021-06-28 | 緩衝器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023004732A JP2023004732A (ja) | 2023-01-17 |
JP7515441B2 true JP7515441B2 (ja) | 2024-07-12 |
Family
ID=
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006017192A (ja) | 2004-06-30 | 2006-01-19 | Hitachi Ltd | シリンダ装置 |
JP2008051247A (ja) | 2006-08-25 | 2008-03-06 | Nissan Motor Co Ltd | シリンダ装置 |
JP2012127365A (ja) | 2010-12-13 | 2012-07-05 | Kyb Co Ltd | 緩衝器 |
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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