JP5876841B2 - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
エステル環状三量体を抑制する性能が著しく低下原因としては、ポリカルボン酸化合物が有するカルボキシル基とアルキル鎖を有するポリアミンが有するアミノ基が反応していることが原因として考えられる。
ポリエステル1gに対し、フェノール/テトラクロロエタン:50/50(重量比)の混合溶媒を100mlの比で加えて溶解させ、30℃で測定した。
株式会社島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−CP3型を用いて、ストークスの抵抗則に基づく沈降法によって粒子の大きさを測定した。測定により得られた粒子の等価球形分布における積算(体積基準)50%の値を用いて平均粒径とした。
塗布層の表面をRuO4で染色し、エポキシ樹脂中に包埋した。その後、超薄切片法により作成した切片をRuO4で染色し、塗布層断面をTEM(株式会社日立ハイテクノロジーズ製 H−7650、加速電圧100V)を用いて測定した。
あらかじめ、未熱処理の積層ポリエステルフィルムを空気中、180℃で30分間加熱する。その後、熱処理をした該フィルムを上部が開放され、底辺の面積が250cm2となるように折り、四角の箱を作成する。塗布層を設けている場合は、塗布層面が内側となるようにする。次いで、上記の方法で作成した箱の中にジメチルホルムアミド10mlを入れて3分間放置した後、ジメチルホルムアミドを回収する。回収したジメチルホルムアミドを液体クロマトグラフィー(株式会社島津製作所製:LC−7A)に供給して、ジメチルホルムアミド中のエステル環状三量体量を求め、この値を、ジメチルホルムアミドを接触させたフィルム面積で割って、フィルム表面エステル環状三量体量(mg/cm2)とする。ジメチルホルムアミド中のエステル環状三量体量は、標準試料ピーク面積と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた(絶対検量線法)。
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学株式会社製『MCI GEL ODS 1HU』
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
製品使用上の性能を鑑みて、○以上の評価を合格とした。
◎:フィルム表面エステル環状三量体量が3.0×10−5(mg/cm2)未満
○:フィルム表面エステル環状三量体量が3.0×10−5(mg/cm2)以上、1.0×10−4(mg/cm2)未満
△:フィルム表面エステル環状三量体量が1.0×10−4(mg/cm2)以上、5.0×10−4(mg/cm2)未満
×:フィルム表面エステル環状三量体量が5.0×10−4(mg/cm2)以上
なお、実施例および比較例で用いている重量%とは、不揮発分での重量%を意味している。
(A)ポリアリルアミン
(A−1):明細書中記載の(1)式の重量平均分子量が25000であるアリルアミンのホモ重合体
(A−2):明細書中記載の(1)式の重量平均分子量が8000であるアリルアミンのホモ重合体
(A−3):明細書中記載の(1)式の重量平均分子量が1600であるアリルアミンのホモ重合体
対イオンがメチルスルホネートである、2−ヒドロキシ3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩ポリマー。数平均分子量:30000。
(C)ポリマー
ケン化度が88%の重合度500のポリビニルアルコール
(D−1):N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン
(D−2):オキサゾリン化合物であるエポクロス WS−300(株式会社日本触媒製)
(D−3):ポリグリセロールポリグリシジルエーテル。
(D−4):ヘキサメトキシメチロールメラミン
(D−5):ポリカルボジイミド化合物 カルボジライト SV−02(日清紡株式会社製)
重量平均分子量が140000であるポリアクリル酸のナトリウム塩。
(F)粒子
平均粒径0.07μmのシリカ粒子
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温すると共にメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、エチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.03部、平均粒径1.5μmのシリカ粒子を0.01部添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgに達せしめ、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後、系内を常圧に戻し、固有粘度0.61のポリエチレンテレフタレートを得た。
製造したポリエチレンテレフタレートを180℃で4時間、不活性ガス雰囲気中で乾燥し、溶融押出機により290℃で溶融し、口金から押出し静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。次に得られた未延伸シートをまず、95℃で3.6倍に縦延伸し、下記表1に示す塗布液1を塗布した後、テンターに導き、横方向に4.3倍の逐次二軸延伸を行った。その後、230℃にて熱固定し、塗布厚が0.09μmの下記表1に示す塗布液を用いて形成された塗布層が設けられた、厚さ38μmのフィルムを得た。でき上がった積層ポリエステルフィルムは下記表1に示すとおり、加熱後のエステル環状三量体析出量が極めて少なく良好であった。
実施例1において塗布する、塗布液を下記表1に示す塗布剤組成と塗布厚に変更する以外は実施例1と同様にして積層ポリエステルフィルムを得た。でき上がった積層ポリエステルフィルムは下記表1に示すとおり、加熱後のエステル環状三量体析出量が極めて少なく良好であった。
実施例1において、塗布液を塗布しないこと以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。でき上がったポリエステルフィルムは下記表2に示すとおり、加熱後のエステル環状三量体析出量が極めて多かった。
実施例1において塗布する、塗布液を下記表2に示す塗布剤組成と塗布厚に変更する以外は実施例1と同様にして積層ポリエステルフィルムを得た。なお、すべての比較例において、帯電防止剤を配合しなかった。でき上がった積層ポリエステルフィルムは下記表2に示すとおり、比較例3および4の加熱後のエステル環状三量体析出量は極めて多く、比較例2もエステル環状三量体析出量が実施例と比較して多かった。
Claims (2)
- 粒子を0.0005〜3重量%含有するポリエステルフィルムの少なくとも片面に、実質的にポリカルボン酸化合物を含有せず、ポリアリルアミンを含有する塗布液から形成された塗布層を有することを特徴とする光学用積層ポリエステルフィルム。
- アルキル鎖を有するポリアミンが炭素数18以下のアミン化合物をモノマーとして含有しているポリマーである請求項1に記載の積層ポリエステルフィルム。
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