JP5874567B2 - 車両空調用ブロワ装置 - Google Patents

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本発明は、車両用空調装置において空調風の通路を成すユニットケース内に空気を流す車両空調用ブロワ装置に関するものである。
車両空調用ブロワ装置の課題の一つとして、ユニットケース(空調用ダクトとも言う)と組合せた時の磁気振動に伴う異音の発生がある。この異音の発生に対する通常の対策は、モータ側の加振力の低減を図ったり、モータ取付け用の保持部材(モータハウジングの特にフランジ部)およびユニットケースの剛性を工夫(剛性のアップダウン)し磁気振動の伝播を低減させたりすることである。しかし、上記対策は、異音の高周波数帯には一定の効果を発揮するが、低周波帯にはあまり効果がない。
モータには円周方向の回転力のむら(コギング等)がある。軸中心のずれにより、上記回転力のむらは、すりこぎ運動を引き起こす。このすりこぎ運動により、フランジ部に直交する方向(スラスト方向)の振動(スラスト振動)が発生し異音の原因になる。このように、異音の発生が、フランジ部のスラスト振動によることが確認されているが、すりこぎ運動自体を無くすことは困難である。
従来、すりこぎ運動に対して対策をしたものとして、特許文献1に記載のブロアモータ用モータハウジング(ホルダ)がある。この特許文献1では、ブロアモータ作動時に発生しようとするモータのすりこぎ運動(振動)を抑制することができるブロアモータ用のモータハウジングを提供するために次の構成を採用している。
モータヨーク(磁束を流すため金属性のカップ)が、カップ状の樹脂部材からなるモータハウジングにフローティング支持されることにより保持される。モータハウジングは、モータヨークを挿入可能な略有底筒状の収容部と、収容部の外周面から径方向外側に放射状に延設される6個の連結部を有する。連結部の外側先端部と連結され収容部の外周を囲うように配設されるベンチュリーリング部を備える。モータハウジングは、内周面の周方向に3個の側部防振ゴムを保持するための防振ゴム保持部を有している。
特許第3378836号公報
従来の一般的手法を用いて、発明者は、先ず、加振源であるモータのトルク変動による振動を車両用空調装置のユニットケースに極力伝播させないという観点から、ユニットケースと車両空調用ブロワ装置との取付け部の剛性のチューニング(剛性のアップダウン)を実施したり、ユニットケースの壁面に補強リブを立てることで、剛性を上げたりする等で異音対策とした。
しかし、車種毎に異なる各ユニットケースのチューニングが必要となることと、ユニットケース上の広い平面部の剛性を上げるため、板厚を厚くしたり、大きな補強リブを立てたりする必要があり、ユニットケースひいては車両用空調装置全体の重量増加の要因となっている。
一方、上記特許文献1の技術は、モータヨークがモータハウジングにフローティング支持されることにより、すりこぎ運動に起因する異音を防止するものであるため、フローティング支持のための3個の防振ゴムおよび6個の連結部を必要とし、コストアップする。また、連結部相互間に風が流れる特殊構造となる。従って、上記のフローティング支持以外の構造で、すりこぎ運動に起因する異音を抑制する構造が望まれる。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目して成されたものであり、その目的は、フローティング支持以外の構造で、すりこぎ運動に起因する異音を抑制できる車両空調用ブロワ装置を提供することにある。
従来技術として列挙された特許文献の記載内容は、この明細書に記載された技術的要素の説明として、参照によって導入ないし援用することができる。
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、請求項に記載の発明では、モータ軸(8)に取り付けられた回転子(10)と、該回転子の周囲に形成された固定子(11)と、該固定子の周りを取り囲む有底筒状のモータヨーク(12)とを有するモータ(5)と、モータ軸の先端側である一方側において、回転子と共に回転するファン(2)と、ファンを取り囲むファンスクロール(3)と、ファンスクロールに結合されモータヨークを保持するモータハウジング(6)と、を備え、モータハウジングは、一側に設けられファンスクロールに結合されたフランジ部(13)を有し、モータハウジングがモータヨークに接触して該モータヨークを支持する支持部(7)の一方向端部(7t)をファンとモータとから成る電動ファン部分の回転している状態での動的重心(G)よりも他方側に所定寸法(L3)離し、モータハウジングの底部(15)から動的重心までの寸法をL1とし、一方向端部から底部までの寸法をL2としたとき、L1に対するL2の大きさの比(L2/L1)を0.9〜0.3の範囲内としたことを特徴としている。
この発明によれば、モータヨークを保持するモータハウジングの支持部の一方向端部の位置を、すりこぎ運動によるスラスト成分への振動変換が最も大きい動的重心と同レベルの位置から他方向側の位置に離すことで、すりこぎ運動による傾きが抑制されるため、スラスト成分への振動変換が小さくなり、すりこぎ運動により支持部の一方向端部を介して外部に伝わる振動を低減できる。
また、請求項に記載の発明では、モータハウジング(6)は、支持部(7)よりも一方側においてモータヨーク(12)との間に円筒状の空間部(17)を有する径方向拡大部(18)を備えることを特徴としている。
この発明によれば、空間部が形成される部位では、モータヨークからの振動をモータハウジングが受けないようにすることができ、モータハウジングの支持部の一方向端部の位置を、すりこぎ運動によるスラスト成分への振動変換が最も大きい動的重心と同レベルの位置から他方向側の位置に離すことができる。
更に、請求項に記載の発明では、モータハウジング(6)は、フランジ部(13)と底部(15)との間において、モータヨーク(12)に介在部(23)を介して接触する支持部(7)と、支持部(7)よりも一方側においてモータヨーク(12)との間に形成された円筒状の空間部(17)とを有することを特徴としている。
この発明によれば、介在部を介して、所望の位置でモータヨークの振動をモータハウジングに伝達することができ、かつ空間部が形成される部位では、モータヨークからの振動をモータハウジングが受けないようにすることができるから、モータハウジングの支持部の一方向端部の位置を、すりこぎ運動によるスラスト成分への振動変換が最も大きい動的重心と同レベルの位置から他方向側の位置に離すことができる。
なお、特許請求の範囲および上記各手段に記載の括弧内の符号ないし説明は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を分かり易く示す一例であり、発明の内容を限定するものではない。
本発明の第1実施形態を構成する車両空調用ブロワ装置の縦断面図である。 上記第1実施形態に対する比較例を示す車両空調用ブロワ装置の縦断面図である。 上記第1実施形態に対する比較例のすりこぎ運動を示す説明図である。 上記第1実施形態におけるすりこぎ運動を示す説明図である。 本発明の第2実施形態を構成する車両空調用ブロワ装置の縦断面図である。 本発明の第3実施形態を構成する車両空調用ブロワ装置の縦断面図である。 本発明の第4実施形態を構成する車両空調用ブロワ装置の縦断面図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。
各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、図1を用いて詳細に説明する。この車両空調用ブロワ装置1は、車室内を空調する車両用空調装置に用いられる。周知のように車両空調用ブロワ装置1は、外気または内気の空気を取り込む部分に遠心多翼ファンからなるファン2が配置される。
また、ファン2を回転駆動するモータ5が取り付けられる。また、ファン2の周りを覆うファンスクロール3は、車両用空調装置の図示しないユニットケースに取り付けられる。車両用空調装置は、図示しないエバポレータが配置されるクーラユニット部と、ヒータコアが配置されると共に空気を吹き出す吹出口が形成されたヒータユニット部とを、一つのユニットケース内に一体的に形成している。
この種の車両空調用ブロワ装置1は、渦巻状をしたファンスクロール3内にファン2が内蔵されている。ファンスクロール3の空気吸込口4に、車室内空気と車室外空気とを選択的に導入する図示しない内外気切換ボックスが取り付けられ、この内外気切換ボックスと車両空調用ブロワ装置1とから、車室内または車室外の空気をユニットケース内に選択的に取り込む。
ファン2を回転駆動するモータ5は、樹脂製のカップから成るモータハウジング6に保持されている。また、車両空調用ブロワ装置1には、モータ5内を冷却するための風をファンスクロール3内から取り出してモータハウジング6内に案内する可撓性を有する冷却ホースが取り付けられることがあるが、図1では省略している。
また、モータ5のモータ軸8の一方側に取り付けられた整流子9と、モータ軸8に取り付けられた回転子10と、該回転子10の周囲に形成された磁石からなる固定子11と、該固定子11の周りを取囲む有底の鉄製筒から成るモータヨーク12とをモータ5が有している。
ファンスクロール3に結合されたモータハウジング6は、モータヨーク12を保持する。モータハウジング6は、ファンスクロール3に結合されたフランジ部13を有する。モータハウジング6の、モータヨーク12に接触する部分である支持部7の一方向端部7tを、動的重心Gよりも他方側に所定寸法L3離して形成している。この動的重心Gは、ファン2つまり、モータ5とから成る電動ファン部分2、5の回転している状態での動的重心Gである。
モータハウジング6の底部15から動的重心Gまでの寸法をL1とし、支持部7の一方向端部7tから底部15までの寸法をL2としたとき、L1に対するL2の大きさの比(L2/L1)を0.9〜0.3の範囲内(好ましくは、0.8から0.4の範囲内)としている。
モータハウジング6には、フランジ部13と底部15との間にモータヨーク12に直接接触する円筒状の接触部を有し、この接触部の一方向端部から上記支持部7が形成されている。そして、支持部7の一方側においてモータヨーク12との間に円筒状の空間部17を有する径方向拡大部18が形成されている。
ここで本発明の実施形態を理解するために、比較例となる図2の車両空調用ブロワ装置1について説明する。図2において、車両空調用ブロワ装置1に取り付けられるモータ5のモータヨーク12は、ほぼ全域にわたりモータハウジング6と接触している。つまり、支持部7は、ほぼ全域にわたって設けられ、支持部7の一方向端部7tは、フランジ部13の内周側端部に位置している。
モータハウジング6は、ファンスクロール3に結合された上記フランジ部13を有する。ファンスクロール3にフランジ部13にて結合されたモータハウジング6は、モータヨーク12を保持する。モータハウジング6のモータヨーク12に接触する部分である支持部7の一方向端部7tは、ファン2とモータ5とから成る電動ファン部分2、5の回転している状態での動的重心Gよりも一方側に位置している。
従って、モータ5のモータヨーク12のすりこぎ運動に起因する振動は、支持部7を介してフランジ部13からファンスクロール3、更には車両用空調装置のユニットケースから車両内に伝わり、乗員に異音として聞こえる。この異音は主に回転中のモータ5の磁気振動がフランジ部13を伝播しユニットケースの壁面を振動させることで、ユニットケース内で共鳴(増幅)して聞こえる振動音である。
図2の比較例の車両空調用ブロワ装置1が回転すると、すりこぎ運動が発生する。図2および図3に基づいて、比較例のすりこぎ運動を説明する。車両空調用ブロワ装置1のファン2とモータ5とから成る組付け体の回転時の動的重心Gを中心としてファン2側(一方側)からモータ5側(他方側)に向かう直線の周りに対称的に砂時計状のすりこぎ運動が発生する。この場合、モータハウジング6が、図3の左右方向に大きく傾いて振れる。図3では右側にモータハウジング6が位置6aに傾いた瞬間を破線で模式的に強調して図示している。
すりこぎ運動の半径R1は、モータハウジング6の底部15の最大変位量である、このすりこぎ運動の半径R1に応じた力F1が、モータハウジング6に作用する。これによって、図2の車両空調用ブロワ装置1のファンスクロール3とモータハウジング6との結合部19から支持部7の一方向端部7tにかけて、振動力が作用する。
そして、図3の加振力Faが作用する。この加振力Faは、上下左右方向の力のベクトル成分Fas、Farとして作用する。つまり、すりこぎ運動がスラスト振動等に変換されたものとして振動が発生する。この加振力Faは、すりこぎ運動の傾きが大きく半径R1が大きいほど大きくなる。この場合、図3における動的重心Gからモータハウジング6の底部15までの寸法はL1と成る。
発明者には、以前から図2のモータハウジング6のモータ軸8の軸方向(スラスト方向)の振動成分Fasが、特にユニットケース5等を振動させ易い傾向にあるため、スラスト方向の振動成分Fasを低減することが、磁気振動に起因する異音を低減させることに有効であるとの認識があった。
そこで、図4のように、動的重心Gから支持部7の一方向端部7tまでの寸法L3を大きくした。この結果、支持部7の一方向端部7tからモータハウジング6の底部15までの寸法が図1、図4のL2のようにL1よりも小さくなる。これにより、図4の支持部7の一方向端部7tに作用する上下方向の加振力を小さくできることに気づいた。つまり、すりこぎ運動による振動を抑制するには、動的重心Gから離れたところを支持部7の一方向端部7tとすると良い。
そして、支持部7の一方向端部7tが、動的重心Gからファン2の方向(一方向)に離れると、ファン2とモータ5とが干渉するため、モータ5がファン2から離れる方向(他方側)において、動的重心Gから離れたところを支持部7の一方向端部7tとすると良い。
図4において、底部15の最大変位量である回転半径が異なるモータ回転時に発生する所定のすりこぎ運動の遠心力F1、F2について考察すると、F1、F2は夫々数式1、数式2および数式3のようになる。
(数式1)F1=m×RI×ω
(数式2)F2=m×R2×ω
(数式3)F2/F1=L2/L1
ただし、mは質量、R1およびR2は回転半径上の作用点、ωは角速度である。
モータ5の回転数が同じであれば、回転半径大きい部位では遠心力が大きいという関係になり、遠心力が大きければ、モータハウジング6を半径方向(遠心力方向)へ傾ける力も大きくなる。そして、支持部7の一方向端部7t(支持点7tとも言う)が動的重心Gに近い図2の構成では、支持点7tが動的重心Gからより離れた図1の構成に比べて、遠心力が大きく作用し、大きく傾いてすりこぎ運動を行う。
また、モータ5のトルク変動により発生する振動の分力(スラスト方向のベクトル成分をFasとし、ラジアル方向のベクトル成分をFarとする)において、モータハウジング6を傾かせる力が大きいほど、スラスト方向のベクトル成分をFasが増加し、フランジ部13のたわみ(変位量)が大きくなることで磁気音悪化に繋がっている。
このような考察に基づいて、本発明の実施形態においては、図1のように、モータハウジング6のフランジ部13と底部15との間に、径方向拡大部18および段付き部21を形成した。これにより、車両空調用ブロワ装置1のファンスクロール3とモータハウジング6との結合部19の高さ位置から段付き部21の高さ位置にかけてモータハウジング6とモータヨーク12との間に空間部17が形成されている。空間部17は、円筒形のモータヨーク12の周囲をドーナツ状に取囲んでいる。
従って、図1においては、段付き部21の底の円周端部が、車両空調用ブロワ装置1のユニットケースひいては車両への振動力伝播の起点である支持部7の一方向端部7tとなる。すりこぎ運動に起因する振動は、この支持部7の一方向端部7tを介してユニットケースから車両内に伝わり、乗員に異音として聞こえる。
この場合、支持部7の一方向端部7tと動的重心Gの位置とが寸法L3だけ乖離しているため、すりこぎ運動による径方向拡大部18およびフランジ部13を経由する加振力Fa(図4)のベクトルの傾きも小さくなる。つまり、モータハウジング6の段付き部21のリング状の底を支持部7の一方向端部7tとし、この支持部7の一方向端部7tを動的重心Gから離すことで、すりこぎ運動に起因するスラスト成分への振動変換が小さくなり、スラスト方向の成分Fasを小さくすることができる。
図4において、L1に対してL2が小さいほうが、動的重心Gから支持部7の一方向端部7tが離れるため、効果が大きいが、L2が小さいと、モータハウジング6のモータヨーク12を支持する作用が損なわれる。つまり底の浅い容器状のモータハウジング6でモータヨーク12を保持することになるため、ある程度以上の大きさのL2の寸法が必要である。このため、L2/L1を0.9から0.3の範囲、好ましくは0.8から0.4の範囲に設定すると良い。
以上のように、上記実施形態は、モータ5の回転子10が磁気変動(トルク変動)により発生させる接線方向振動が、ファン2とモータ5との一体結合構造において、すりこぎ運動に変わるが、上記実施形態の構造によれば、モータ5を保持するモータハウジング6の支持部7の一方向端部7tの位置を、動的重心Gから離して設定することで、すりこぎ運動の傾きを抑制し、支持部7を介して伝わるスラスト方向の振動成分を低減することができる。
これにより、モータ5のフランジ部13等の剛性調整のみでは低減しきれなかった磁気振動の伝播を低減させるための新たな構造を提供できる。あるいは、防振用のゴムフロートやブチルゴムを用いる等のコストアップを伴う異音対策に対し、ほぼコストアップ無しで実施できる。
また、上記実施形態の振動の伝播低減構造とすることで、ユニットケースの磁気振動に起因する異音に対する設計ロバスト性を向上でき、かつユニットケース側での対策に比べ材料体積および重量を抑えることが可能となり、コスト面でも優位となる。
(第1実施形態の作用効果)
上記第1実施形態の作用効果をまとめて説明する。上記第1実施形態においては、モータ軸8に取り付けられた回転子10と、該回転子10の周囲に形成された固定子11と、該固定子11の周りを取囲む有底筒状のモータヨーク12とを有するモータ5を備えている。このモータ5の外部の一方側においてモータ軸10に取り付けられ、回転子10と共に回転するファン2を有する。また、ファン2を取囲むファンスクロール3を有する。更に、ファンスクロール3に結合されモータヨーク12を保持するモータハウジング6を有する。
そして、モータハウジング6は、周辺部がファンスクロール3に結合されたフランジ部13を有し、モータハウジング6がモータヨーク12に接触する部分の一方向端部から成る支持部7の一方向端部7tを、ファン2とモータ5とから成る電動ファン部分の回転している状態での動的重心Gよりも他方側に所定寸法L3離し、モータハウジング6の底部15から動的重心Gまでの寸法をL1とし、支持部7の一方向端部7tから底部15までの寸法をL2としたとき、L1に対するL2の大きさの比L2/L1を0.9〜0.3の範囲内としている。
これによれば、モータ5を保持するモータハウジング6の支持部7の一方向端部7tを、すりこぎ運動によるスラスト成分への振動変換が最も大きい動的重心Gから他方向に離すことで、すりこぎ運動に起因して支持部7の一方向端部7tを介して外部に伝わる振動を低減できる。
また、モータハウジング6は、フランジ部13と底部15との間にモータヨーク12に直接接触する円筒状の接触部からなる支持部7の一方側端部7tと、支持部7の一方側においてモータヨーク12との間に形成された円筒状の空間部17を有する径方向拡大部18とを有する。
これによれば、空間部17によってモータヨーク12からの振動をモータハウジング6が受けないようにすることができ、モータハウジング6の支持部7の一方向端部7tを、すりこぎ運動によるスラスト成分への振動変換が最も大きい動的重心から他方向に離すことができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以降の各実施形態においては、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成および特徴について説明する。
上記第1実施形態においては、図1のように、モータヨーク12とモータハウジング6との間に、ドーナツ状の空間部17が形成されたが、この空間部17で風が滞留したり渦を巻いたりするのを防止し、ファン2の送風効率を上げるために、第2実施形態においては、図5のように、カバー22(22a、22b)を設けて、空間部17を極力閉塞したものである。カバー22は、モータハウジング6より肉厚の薄いまたは剛性が小さいリング状の部材が好ましい。
これによれば、リング状のカバー22がドーナツ状の空間部17の入口を塞ぐので空間部17で風が滞留したり渦を巻いたりするのを防止できる。また、リング状のカバー22の先端がモータヨーク12に当接しないで隙間を設けることが望ましい。当接させた場合は、カバー22が振動伝播経路となるが、剛性が小さくされていれば振動伝播による悪影響は無視でき、送風効率を向上することができる。
上記第2実施形態においては、空間部17の一方側にファン2からの風が、空間部17内に入るのを抑制するカバー22を設けた。これによれば、カバーによってファンからの風が空間部内に入るのを防止できるから、ファンの送風効率が損なわれることがない。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。上述した実施形態と異なる特徴部分を説明する。図6において、モータハウジング6の内側にモータ保持用の樹脂材料から成る介在部23(23a、23b)を形成している。この介在部23は、モータヨーク12の外周を取囲んでいる。
従って、モータ5の回転中における傾き変位により環状の介在部23を介してモータヨーク12→介在部23→モータハウジング6のように力が伝達される。そして、介在部23が支持部7を成し、この一方側端部7tが、振動を伝える起点となる。従って、段付き部が無くても、空間部17が形成でき、回転中の動的重心Gよりも他方向側の位置に、支持部7の一方向端部7tを設けたのと同じ結果となる。
なお、介在部23は、モータハウジング6またはモータヨーク12とは別の樹脂成形品であるが、介在部23を、モータハウジング6またはモータヨーク12にプレス加工等で一体成形されたリブとしても良い。これによれば、支持部7となるリブの形成位置で支持部7の一方向端部7tの位置を決定でき、かつ特別な部材を必要としない。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。上述した実施形態と異なる特徴部分を説明する。図7において、モータハウジング6の内側に複数の断面L字状の介在部23(23a、23b)を形成している。この複数の介在部23は、全体としてリング状であり、他方側に径方向厚さの厚い厚肉部分が、突起状に多数設けられている。この厚肉部分は、モータヨーク12の周囲を取囲んでおり、モータハウジング6と介在部23とモータヨーク12との接触部位の一方向端部が支持部7の一方向端部7tとなる。
支持部7の一方向端部7tは、回転中の動的重心Gよりも図7において下の位置(他方側)にある。従って、モータ5の回転中におけるモータヨーク12の傾き変位により上記支持部7の一方向端部7tを介して振動力が伝達され、回転中の動的重心Gよりも他方側の位置に支持部7の一方向端部7tを設けた効果が発揮される。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものである。
例えば、モータは整流子の無い無整流子モータ(ブラシレスモータ)であっても良い。また、本発明は、防振用のゴムフロートやブチルゴムを用いる等の従来対策と併用することを妨げるものではない。なお、本発明において、動的重心の位置は、すりこぎ運動の径方向変位量が最も少ない回転軸上のセンターを動的重心の位置とすることができる。
3 ファンスクロール
6 モータハウジング
7 支持部
7t 支持部の一方向端部
12 モータヨーク
13 フランジ部
15 モータハウジングの底部
17 空間部
18 径方向拡大部
23 介在部(リブ)

Claims (6)

  1. モータ軸(8)に取り付けられた回転子(10)と、該回転子の周囲に形成された固定子(11)と、該固定子の周りを取り囲む有底筒状のモータヨーク(12)とを有するモータ(5)と、
    前記モータ軸の先端側である一方側において、前記回転子と共に回転するファン(2)と、
    前記ファンを取り囲むファンスクロール(3)と、
    前記ファンスクロールに結合され前記モータヨークを保持するモータハウジング(6)と、を備え、
    前記モータハウジングは、前記一側に設けられ前記ファンスクロールに結合されたフランジ部(13)を有し、
    前記モータハウジングが前記モータヨークに接触して該モータヨークを支持する支持部(7)の一方向端部(7t)を前記ファンと前記モータとから成る電動ファン部分の回転している状態での動的重心(G)よりも他方側に所定寸法(L3)離し、
    前記モータハウジングの底部(15)から前記動的重心までの寸法をL1とし、前記一方向端部から前記底部までの寸法をL2としたとき、L1に対するL2の大きさの比(L2/L1)を0.9〜0.3の範囲内としたことを特徴とする車両空調用ブロワ装置。
  2. 前記L1に対する前記L2の大きさの比(L2/L1)を0.8〜0.4の範囲内としたことを特徴とする請求項1に記載の車両空調用ブロワ装置。
  3. 前記モータハウジングは、前記支持部よりも前記一方側において前記モータヨークとの間に円筒状の空間部(17)を有する径方向拡大部(18)を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の車両空調用ブロワ装置。
  4. 前記モータハウジングは、前記フランジ部と前記底部との間において、前記モータヨークに介在部(23)を介して接触する前記支持部と、前記支持部よりも前記一方側において前記モータヨーク(12)との間に形成された円筒状の空間部(17)とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の車両空調用ブロワ装置。
  5. 前記モータハウジングは、前記フランジ部と前記底部との間において、リブ(23b)を介して前記モータヨークに接触する前記支持部と、前記支持部よりも前記一方側において前記モータヨークとの間に形成された円筒状の空間部(17)とを有し、前記リブは、前記モータハウジングまたは前記モータヨークの一部変形加工部から成ることを特徴とする請求項1または2に記載の車両空調用ブロワ装置。
  6. 前記空間部の前記一方側に前記ファンからの風が前記空間部内に入るのを抑制するカバー(22)を設けたことを特徴とする請求項3ないし5のいずれか一項に記載の車両空調用ブロワ装置。
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