JP7029593B2 - 温度調和ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、温度調和ユニット、温度調和システム、及び、温度調和ユニット又は温度調和システムを搭載する車両に関する。
二次電池等の蓄電デバイス、及び、インバータ及びコンバータ等の電力変換装置(以下、まとめて被温度調和体と称する)は、電流が流れる際、内部抵抗及び外部抵抗により、発熱する。被温度調和体の温度が過度に高くなると、被温度調和体の性能が十分に発揮されない。また、寒冷地での使用等、周囲の温度が過度に低い場合にも、被温度調和体の性能は十分に発揮されない。すなわち、被温度調和体の温度は、被温度調和体の出力特性あるいは電力変換特性、さらには被温度調和体の寿命に大きく影響する。
被温度調和体は、ハイブリッド車、電気自動車(EV:Electric Vehicle)等に搭載され得る。車両内部の居住空間を確保するため、被温度調和体の設置領域は制限されている。そのため、二次電池を構成する複数の電池セルは、これらが収容される筐体内に密接するように設置されており、放熱され難い。電力変換装置も同様に、放熱され難い環境下に置かれる。さらに、ハイブリッド車及びEV等には、広い温度域で使用可能であることが求められている。ハイブリッド車及びEV等に搭載される被温度調和体にも、広い温度域での動作が求められる。
特許文献1では、被温度調和体を収容する筐体内に吸排気機(送風機)により強制的に気体を送り込み、筺体内を二次電池の出力及び電力変換装置の動作に適した温度に調整している。近年、ハイブリッド車に搭載される二次電池には、高出力化及び小型化が求められている。二次電池及び電力変換装置の放熱あるいは加温は、益々重要な問題になってきている。なお、特許文献1は、従来技術を記述する文献の一例である。
特開2015-012628号公報
今日、ハイブリッド車、電気自動車等に搭載される温度調和ユニット等においては、複数の被温度調和体及び各々の被温度調和体の周囲に配置する隔壁や仕切り板などを収納する。温度調和ユニットの内部の収容物による高密度化が進行することによって、温度調和ユニット全体の圧力抵抗が高くなる。すなわち、送風機に対する負荷が高くなるため、より大きな送風機出力が必要となる。したがって、適切な送風特性を有する送風機、及び、その送風機の動作点の最適化などによって、更なる温度調和ユニット自体の高性能化が希求される状況であった。
本発明は、温度調和ユニットの内部の収容物による高密度化が進行し、温度調和ユニット全体の圧力抵抗が高くなった構成においても、好適な冷却・加温が可能な新規な構成の温度調和ユニットを提供することを目的とする。
上述の問題を解決するために、本件出願の発明者らは、試行錯誤を重ね且つ鋭意検討を行った。その詳細を下記に述べる。
問題を解決するための本発明の温度調和ユニットは、第1の温度調和ユニット部と第2の温度調和ユニット部と送風機とを含む温度調和ユニットである。第1の温度調和ユニット部は、第1の筐体部と、第1の通気孔部と、第1のエアーチャンバーと、第1の被温度調和体と、第2のエアーチャンバーとを含む。第2の温度調和ユニット部は、第2の筐体部と、第2の被温度調和体と、第2の通気孔部と、第3のエアーチャンバーとを含む。温度調和ユニットは、第1の筐体部の壁部の一部分が第2の筐体部の壁部の一部分を兼ねる隔壁、又は、第2の筐体部の壁部の一部分が第1の筐体部の壁部の一部分を兼ねる隔壁と、送風機の吸気孔と第2のエアーチャンバーとを通気可能に接続する構成と、送風機の第1の吐出孔と第3のエアーチャンバーとを通気可能に配置する構成と、第3のエアーチャンバーの内部に第2の被温度調和体の一部を配置する構造と、送風機の一部分を第3のエアーチャンバーの内部に配置する構成とを含む。送風機は、中心部に回転軸を含み、回転軸と交差する方向に延伸する面を有するインペラディスクと、回転軸に沿った方向に延伸するとともに、回転軸と交差する方向の断面形状はインペラディスクが回転する方向に向かって凸となる円弧状であり、回転軸の側に位置する内周側端部と回転軸に対して反回転軸の側に位置する外周側端部とを含む、複数の動翼を有するインペラと、シャフトを含み、シャフトを介して回転軸に回転動作を伝達する電動機と、インペラを覆うように構回転軸の長手方向に延伸する側壁と、回転軸の長手方向に位置する吸気孔と、を含むファンケースと、吸気孔に対応する第1の吐出孔と、側壁の一部分に位置する開口部又は切欠部である第2の吐出孔と、を有する。ファンケースは、電動機から伝達された回転動作によりインペラが回転するとき、吸気孔から吸い込まれて内周側端部から外周側端部を経た空気を、側壁に沿って第1の吐出孔及び第2の吐出孔へと導く流路を有する。
第2の吐出孔の態様が、送風機のファンケースの側壁の一部分に位置する切欠部である場合は、この第2の吐出孔の構成によって、ファンケースの回転軸方向の寸法が部分的に短く、ファンの回転軸に垂直な平面上に存在しておらず、第2の被温度調和体に近接する部分が短くなっている。これにより、ファンケースの高さが短い部分では、送風機からの吐出流れの半径方向成分が大きくなり、第2の吐出孔から第2の被温度調和体に向かって送風することができる。したがって、第2の被温度調和体の冷却効果を高めることができる。この第2の吐出孔の構成は、任意の位置のファンケースの高さ寸法を短くする形状として、ファン回転軸に対して角度を持った平面で切断した形状としているが、部分的な切欠きでもよい。その形状は好適な形状を選択する。
また、第2の吐出孔の態様が、第2の被温度調和体に近接する送風機のファンケースの側壁の一部分に位置する開口部である場合は、この第2の吐出孔からファンケースの内部の空気の流れの一部が吐出し、第2の吐出孔から第2の被温度調和体に向かって送風することができる。したがって、第2の被温度調和体の冷却効果を高めることが可能である。ファンケースの側壁の第2の吐出孔の形状は、円形、楕円、多角形などでもよい。
また、本発明の温度調和ユニットは、第3のエアーチャンバーの内部に、前記送風機の送風機に含むファンケースの少なくとも一部分を配置する構成である。また、本発明の温度調和ユニットは、第3のエアーチャンバーの内部に、送風機の吸気孔又は第1の吐出孔のみを配置する構成でも良い。
また、本発明の温度調和ユニットは、送風機のファンケースを回転軸対称な円筒形状ではなく、楕円形状で構成する。送風機を設置する領域が狭い場合、ファンケースを円筒形状で構成すると、十分な流路面積が確保できずに、送風機性能を発揮できない場合がある。そのような場合には、ファンケース形状を、楕円形状、又は実質的な多角形、例えば実質的な三角形で構成する。これにより、狭小な領域を活用することができる。よって、送風機の流路面積を広くすることができる。したがって、送風機の高出力化が可能である。
本発明によれば、温度調和ユニットの内部の収容物による高密度化が進行し、温度調和ユニット全体の圧力抵抗が高くなった構成においても、好適な冷却・加温が可能な構成の温度調和ユニットを提供することが可能である。
詳述すると、課題を解決する第1の発明は、第1の温度調和ユニット部と第2の温度調和ユニット部と送風機とを含む温度調和ユニットであって、
前記第1の温度調和ユニット部は、
第1の筐体部と、第1の通気孔部と、第1のエアーチャンバーと、第1の被温度調和体と、第2のエアーチャンバーとを含み、
前記第2の温度調和ユニット部は、
第2の筐体部と、複数の第2の被温度調和体と、第2の通気孔部と、第3のエアーチャンバーとを含み、
前記温度調和ユニットは、
前記第1の筐体部の壁部の一部分が前記第2の筐体部の壁部の一部分を兼ねる隔壁、又は、前記第2の筐体部の壁部の一部分が前記第1の筐体部の壁部の一部分を兼ねる隔壁と、前記送風機の吐出孔と前記第2のエアーチャンバーとを通気可能に接続する通気路と、
前記送風機の吸気孔を前記第3のエアーチャンバーに通気可能に配置する構成と、
前記第3のエアーチャンバーの内部に前記複数の第2の被温度調和体の一部又は全部を配置する構造と、
前記送風機の一部分を前記第3のエアーチャンバーの内部に配置する構成とを含み、
前記送風機は、
中心部に回転軸を含み、前記回転軸と交差する方向に延伸する面を有するインペラディスクと、
前記回転軸に沿った方向に延伸するとともに、前記回転軸と交差する方向の断面形状は前記インペラディスクが回転する方向に向かって凸となる円弧状であり、前記回転軸の側に位置する内周側端部と前記回転軸に対して反回転軸の側に位置する外周側端部とを含む、複数の動翼を有するインペラと、
シャフトを含み、前記シャフトを介して前記回転軸に回転動作を伝達する電動機と、
前記インペラを覆うように前記回転軸の長手方向に延伸する側壁と、前記回転軸の長手方向に位置する吸気孔と、を含むファンケースと、
前記吸気孔に対応する前記第1の吐出孔と、側壁の一部分に位置する開口部又は切欠部である第2の吐出孔と、を有し、
前記ファンケースは、前記電動機から伝達された回転動作により前記インペラが回転するとき、前記吸気孔から吸い込まれて前記内周側端部から前記外周側端部を経た空気を、前記側壁に沿って前記第1の吐出孔及び前記第2の吐出孔へと導く流路を有する温度調和ユニットである。
また、第2の発明は、第1の発明の温度調和ユニットにおいて、前記第2の吐出孔は、前記複数の第2の被温度調和体の少なくとも一つと近接して配置する構成を含み、前記第2の吐出孔から前記複数の第2の被温度調和体の少なくとも一つに向かって送風する態様を含む温度調和ユニットである。
また、第3の発明は、第1の発明の温度調和ユニットにおいて、
前記第3のエアーチャンバーの内部に配置する前記送風機の一部分は、前記送風機に含むファンケースの少なくとも一部分である温度調和ユニットである。
また、第4の発明は、第1の発明の温度調和ユニットにおいて、
前記第1の被温度調和体は、二次電池を含む温度調和ユニットである。
また、第5の発明は、第1の発明の請求項1記載の温度調和ユニットにおいて、
前記第2の被温度調和体は、回路基板、電子部品、放熱器、継電器又は半導体素子のいずれかを含む温度調和ユニットである。
また、第6の発明は、第1の発明の温度調和ユニットにおいて、
前記ファンケースは、前記流路の一部を構成するとともに、前記インペラと向かい合う内壁面をさらに含み、
前記内壁面は、前記回転軸の軸心を含む面において、前記外周側端部と近接する部分と前記第1の吐出孔の縁部とを結んだ線の延長線が、前記軸心と鋭角に交差するように湾曲する、湾曲部を有する温度調和ユニットである。
また、第7の発明は、第1の発明の温度調和ユニットにおいて、
前記流路は、前記内壁面と向かい合って位置する誘導面をさらに含み、
前記誘導面は、前記外周側端部と近接する部分から前記第1の吐出孔に至るまでの間において、前記軸心方向に傾斜する傾斜部を有する温度調和ユニットである。
また、第8の発明は、第1の発明の温度調和ユニットにおいて、
前記インペラディスクは、前記インペラディスクの外周部において、前記第1の吐出孔が位置する方向に向かって傾斜するガイド部を有する温度調和ユニットである。
また、第9の発明は、第1の発明の温度調和ユニットにおいて、
前記インペラは、前記複数の動翼に対して前記インペラディスクとは反対側に位置し、前記複数の動翼のそれぞれに含まれる反インペラディスク側端部に接続されるシュラウドをさらに有し、
前記シュラウドは、前記吸気孔と向かい合う位置に開口部が形成され、
前記回転軸に沿った方向において、前記シュラウドと前記インペラディスクとの間の距離は、前記内周側端部側よりも前記外周側端部側のほうが短い温度調和ユニットである。
また、第10の発明は、第1の発明の温度調和ユニットにおいて、
それぞれの前記複数の動翼は、前記インペラが回転する方向において、前記内周側端部を前記外周側端部よりも前方に位置する温度調和ユニットである。
また、第11の発明は、第1の発明の温度調和ユニットにおいて、
前記インペラは、前記インペラが回転する方向において、前記インペラディスクの外周部から前方へ突出する、複数の静翼をさらに有する温度調和ユニットである。
また、第12の発明は、第1の発明の温度調和ユニットにおいて、
前記インペラは、
前記インペラディスクと平行して位置するディフューザプレートと、
前記ディフューザプレートが含む前記吸気孔側に位置する面上に、前記回転軸に沿った方向に延伸する、複数の静翼と、
を有するディフューザを取り付ける構成を有し、
前記複数の静翼は、前記インペラが回転する方向に、前記インペラディスクの外周部から前方へ突出する温度調和ユニットである。
本発明によれば、温度調和ユニットの内部の収容物による高密度化が進行し、温度調和ユニット全体の圧力抵抗が高くなった構成においても、好適な冷却・加温が可能な構成の温度調和ユニットを提供することが可能である。
実施の形態1における温度調和ユニットを示す概要図 実施の形態1における温度調和ユニットを示す斜視図 図1A及び図1Bに示す送風機(遠心送風機)の概要を示す斜視図 図1A及び図1Bに示す送風機(遠心送風機)の概要を示す断面図 実施の形態1におけるインペラの概要を説明する説明図 図1Cに示すインペラが含むシュラウドを説明する説明図 比較例における温度調和ユニットの概要図 比較例における温度調和ユニットの概要図 実施の形態1における温度調和ユニットに用いられるインペラと比較例のインペラとに関する効率特性を示すグラフ 実施の形態1における温度調和ユニットに用いられるインペラと比較例のインペラとに関する流量係数と圧力係数特性との関係を示すグラフ 比較例における温度調和ユニットに用いられるインペラの動翼形状を示す説明図 実施の形態2における温度調和ユニットに用いられるインペラの動翼形状を示す説明図 図5Aに示す動翼の要部拡大図 図5Bに示す動翼の要部拡大図 実施の形態1における温度調和ユニットに用いられるインペラと比較例のインペラとに関する風量と風圧との関係を示すグラフ 図1Cに示す送風機(遠心送風機)においてディフューザを含む構成を示す斜視断面図 図8Aに示す送風機(遠心送風機)のディフューザ及びインペラ前方斜視図 実施の形態1における温度調和ユニットに用いられるディフューザについて、圧力変動を測定した結果を示す特性図 実施の形態2における温度調和ユニットを示す概要図 実施の形態2における温度調和ユニットを示す斜視図 実施の形態3における温度調和ユニットを示す概要図 実施の形態3における温度調和ユニットを示す斜視図 実施の形態4の他の態様における温度調和ユニットを示す概要図 実施の形態4の他の態様における温度調和ユニットを示す斜視図 実施の形態5における温度調和ユニットを示す概要図 実施の形態5における温度調和ユニットを示す斜視図 実施の形態6における温度調和ユニットを示す概要図 実施の形態6における温度調和ユニットを示す斜視図 実施の形態7における温度調和ユニットを示す概要図 実施の形態7における送風機の配置を示す斜視図 実施の形態7における送風機の配置を示す上面図 実施の形態8における送風機の上面図 実施の形態8における別の送風機の上面図 実施の形態8において、ファン出口部の流速に対するファンケースの平均半径距離の比を横軸に、圧力係数を縦軸にとったグラフ 実施の形態9における送風機の斜視図 実施の形態9における送風機の側面図 実施の形態9における別の態様の送風機の斜視図 実施の形態10における温度調和システムの概要を示すシステム構成図 実施の形態10における温度調和システムの他の概要を示すシステム構成図 実施の形態10における温度調和システムのさらに他の概要を示すシステム構成図 実施の形態10における車両の概要を示す概要図 実施の形態10における車両の他の概要を示す概要図
以下、本発明について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は好ましい例示であって、その用途の範囲を限定するものではない。
本発明の実施の形態である温度調和ユニットは、後述する構成により、高密度に配置された部品が内部に収納された第1の筐体に対して、効率的に風を送ることができる。さらに、第2の筐体にも送風することができる。これにより、第2の筐体の温度上昇を抑制することができる。したがって、本発明の実施の形態である温度調和ユニットは、小型で、簡易な構成にて実現できる。
つまり、従来の温度調和ユニットには、次の改善すべき問題があった。従来の温度調和ユニットは、複数の独立した被温度調和体の温度調和を送風機にて行う場合、送風機に直結していない被温度調和体内部では、流速が遅い部分が生じることがある。よって、温度調和が十分にされにくくなっていた。これは、送風機の吸気のみ又は吐出側一方にのみ複数の連通された被温度調和体を配置しているためである。また、被温度調和体が連通される部分では流路が狭くなるとともに、流れの方向が複雑になる。このため、温度調和ユニット全体の圧力抵抗が高くなる構成となっていた。すなわち、送風機に対する負荷が高くなるため、より大きな出力を有する送風機が必要とされていた。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具現化した一例であって、本発明の技術的範囲を制限するものではない。
(実施の形態1)
図1Aは、実施の形態1における温度調和ユニットを示す概要図である。図1Bは、実施の形態1における温度調和ユニットを示す斜視図である。図1Cは、送風機(遠心送風機)を示す斜視図である。図1Dは、図1Cに示す送風機(遠心送風機)を示す断面図である。
実施の形態1における温度調和ユニット904は、第1の温度調和ユニット部901と第2の温度調和ユニット部902と送風機(遠心送風機)903とを含む。第1の温度調和ユニット部901は、第1の筐体部905と、第1の通気孔部906と、第1のエアーチャンバー907と、第1の被温度調和体908と、第2のエアーチャンバー909と、とを含む。第2の温度調和ユニット部902は、第2の筐体部910と、第2の被温度調和体911と、第2の通気孔部912と、第3のエアーチャンバー913とを含む。温度調和ユニット904は、第1の筐体部905の壁部の一部分が第2の筐体部910の壁部の一部分を兼ねる隔壁914、又は、第2の筐体部910の壁部の一部分が第1の筐体部905の壁部の一部分を兼ねる隔壁914を含む。温度調和ユニット904は、送風機(遠心送風機)903の吸気孔915と第2のエアーチャンバー909とを通気可能に接続する通気路918と、送風機(遠心送風機)903の第1の吐出孔916と第3のエアーチャンバー913とを通気可能に配置する構成と、第3のエアーチャンバー913の内部に第2の被温度調和体911の少なくとも一部を配置する構造と、送風機(遠心送風機)903の少なくとも一部分を第3のエアーチャンバー913の内部に配置する構成と、を含む。なお、図1Aに示す温度調和ユニットにおいては、第3のエアーチャンバー913の内部に送風機(遠心送風機)903及び通気路918を配置する構成である。
図1C及び図1Dに示すように、送風機(遠心送風機)500は、中心部に回転軸112aを含み、回転軸112aと交差する方向に延伸する面を有するインペラディスク112と、回転軸112aに沿った方向に延伸するとともに、回転軸112aと交差する方向の断面形状はインペラディスク112が回転する方向に向かって凸となる円弧状であり、回転軸112aの側に位置する内周側端部111aと回転軸112aに対して反回転軸の側に位置する外周側端部111bとを含む、複数の動翼111を有するインペラ110と、シャフト210を含み、シャフト210を介して回転軸112aに回転動作を伝達する電動機と、インペラ110を覆うように回転軸112aの長手方向に延伸する側壁と、回転軸112aの長手方向に位置する吸気孔122と、を含むファンケース120(図1C・図1D参照)と、吸気孔122に対応する第1の吐出孔123(図1C・図1D参照)と、を有する。ファンケース120は、電動機200(図1D参照)から伝達された回転動作によりインペラ110が回転するとき、吸気孔122から吸い込まれて内周側端部111a(図1D参照)から外周側端部111b(図1D参照)を経た空気を、側壁121(図1D参照)に沿って第1の吐出孔123(図1D参照)へと導く流路118a(図1D参照)を有する。
図1A、図1Bに示すように、実施の形態1における温度調和ユニット904は、インペラ110と、送風機(遠心送風機)903と、ファンケース922と、第1の筐体部905と、第2の筐体部910と、第1の温度調和ユニット部901と、第2の温度調和ユニット部902を備える。
図1C、図1Dに示すように、インペラ110は、インペラディスク112と、複数の動翼111と、を有する。
図1Eに示すように、インペラディスク112は、中心部に回転軸112aを有する。インペラディスク112は、回転軸112aと交差する方向に延伸する面を有する。複数の動翼111は、回転軸112aに沿った方向に延伸される。図1Eに示すように、複数の動翼111は、回転軸112aと交差する方向の断面形状が、インペラディスク112が回転する方向に向かって凸となる円弧状である。複数の動翼111は、回転軸112a側に位置する内周側端部111aと、反回転軸側に位置する外周側端部111bとを有する。
図1Aに示すように、送風機(遠心送風機)500は、シャフト210を含む。送風機(遠心送風機)500は、シャフト210を介して回転軸112aに回転動作を伝達する。
図1Dに示すように、ファンケース120は、インペラ110を覆うように構成される。ファンケース120は、側壁121と、吸気孔122と、第1の吐出孔123と、流路118aと、を有する。側壁121は、回転軸112aに沿って形成される。吸気孔122は、回転軸112aが含む軸心112b方向に位置する。第1の吐出孔123は、回転軸112aに沿った方向において、側壁121に対して吸気孔122とは反対側に位置する。送風機(遠心送風機)903から伝達された回転動作によりインペラ110が回転するとき、流路118aには、吸気孔122から吸い込まれて内周側端部111aから外周側端部111bを経た空気が、側壁121に沿って第1の吐出孔123へと導びかれる。
なお、図1Aにおいて、空気の流れ917は、矢印として示す。この空気の流れ917は、温度調和ユニット904内を流れる空気を、模式的に示すものである。
第1の筐体部905の内部には、第1の被温度調和体908である、二次電池等が収納
される。第2の筐体部910の内部には、第2の被温度調和体911である、回路基板、電子部品、放熱器、継電器又は半導体素子が収納される。
特に、顕著な作用効果を奏する形態は、以下のとおりである。
図1Aに示すように、第1の筐体部905は、第2の筐体部910に隣接して設置される。送風機(遠心送風機)903は、第1のエアーチャンバー907と第2のエアーチャンバー909をつなぐ流路経路の間に設けられる。第1の通気孔部906は、送風機(遠心送風機)903へ吸気される空気を、温度調和ユニット904の外部から吸入する。第2の通気孔部912は、送風機(遠心送風機)903から吐出される空気を、温度調和ユニット904の外部に排出する。
送風機(遠心送風機)は、図1Cに示すように、インペラ110と、シュラウド114とを有する。シュラウド114は、複数の動翼111に対して、インペラディスク112とは反対側に位置する。図1Dに示すように、シュラウド114には、複数の動翼111のそれぞれに含まれる反インペラディスク側端部111cが接続される。
シュラウド114には、吸気孔と向かい合う位置に、開口部111dが形成される。回転軸112aに沿った方向において、シュラウド114とインペラディスク112との間の距離は、内周側端部111a側よりも外周側端部111b側のほうが短い。
なお、被温度調和部材である二次電池は、車載用二次電池を含む。
さらに、図面を用いて、詳細に説明する。
送風機(遠心送風機)500は、図1Cから図1Dに示すように、インペラ110と、ファンケース120と、を有する。
インペラ110には、実質的に円板状のインペラディスク112上に、複数の動翼111が形成される。ファンケース120は、側壁121と、吸気孔122と、を有する。側壁121は、インペラ110が含む回転軸112aの軸心112b方向に延伸する実質的に円筒の側面である。吸気孔122は、軸心112b方向に位置する。吸気孔122は、軸心112b方向と交差する面上において、軸心112bを中心とする円形に開口される。
インペラ110は、シャフト210を介して、回転駆動源である電動機200に連結される。
図1Aに示すように、送風機(遠心送風機)903は、送風機の吸気孔915と第1の筐体部905の第2のエアーチャンバー909と、ダクトによって接続されている。
図1Dから図1Dに示すように、回転駆動源である電動機200が回転すれば、シャフト210を介して、インペラ110が回転する。インペラ110が回転すれば、ファンケース922に形成された吸気孔122から空気が流入する。吸気孔122から流入した空気は、動翼111によりエネルギーを与えられる。動翼111からエネルギーを与えられた空気は、インペラディスク112に沿って、回転軸112aとほぼ直交する方向に吐出される。
インペラ110から吐出された空気は、ファンケース120の内壁面に沿って、第1の吐出孔123方向へと方向が変換される。なお、ファンケース120の内壁面の形状は、
空気の流れ301を妨げないように、なだらかな曲面であることが好ましい。
図1Aにおいては、ファンケース922の第1の吐出孔916から吐出された空気は、第2のエアーチャンバー909内に流れ、第3のエアーチャンバー913内に配置された第2の温度調和ユニット部902にある第2の被温度調和体911を冷却して、第3の通気孔部から排気される。送風機(遠心送風機)903の吸気孔は第1のエアーチャンバー907に接続されている。送風機(遠心送風機)903が空気を吸気することにより、第1のエアーチャンバー907内の圧力が低くなる。それによって、第2の通気孔部912から空気が流入し、第2のエアーチャンバー909から第1の被温度調和対象である二次電池を冷却又は加温した後、第1のエアーチャンバー907を流れ送風機(遠心送風機)903に吸引される。
第2の通気孔部912は、適宜、第2の筐体部910のいずれかの箇所に設けられる、一つ又は複数の開口である。
第1の通気孔部906及び第2の通気孔部912には、防塵用のエアフィルタを付加してもよい。さらに、第1の通気孔部906及び第2の通気孔部912には、除湿装置を取り付けてもよい。
図1Dに示すように、インペラ110は、インペラディスク112と、複数の動翼111と、を有する。インペラディスク112は、回転軸112aに対して直交する面において、実質的な円板に形成される。回転軸112aは、回転駆動源である電動機のシャフト210と連結される。複数の動翼111は、インペラディスク112の一方の面であって、吸気孔側に位置する面上に形成される。
図1Cに示すように、本実施の形態1におけるインペラ110は、シュラウド114を有する。シュラウド114は、複数の動翼111の各々に含まれる反インペラディスク側端部111cを、吸気孔側で覆うように取り付けられる。シュラウド114は、環状の板体である。
図1Fに示すように、シュラウド114の形状は、漏斗状あるいはテーパー状である。
さらに詳細に説明すれば、シュラウド114は、回転軸112aの軸心112b方向において、2つの開口を有する。吸気孔側に位置する開口部114aは、インペラディスク112側に位置する開口部114bよりも狭い。
開口部114aと開口部114bとは、側面114cで結合される。実施の形態1において、側面114cは、軸心112bを含む断面の形状が軸心112b方向に凸となるよう湾曲している。側面114cは、所望の性能を得るために、軸心112bを含む断面の形状が直線であってもよい。
ファンケース120は、流路118aの一部を構成するとともに、インペラ110と向かい合う内壁面120aをさらに含んでもよい。内壁面120aは、回転軸の軸心を含む面において、外周側端部111bと近接する部分と第1の吐出孔123の縁部とを結んだ線の延長線が、軸心と鋭角に交差するように湾曲する、湾曲部120bを有してもよい。
また、流路118aは、内壁面120aと向かい合って位置する誘導面120cをさらに含んでもよい。誘導面120cは、外周側端部111bと近接する部分から第1の吐出孔123に至るまでの間において、軸心方向に傾斜する傾斜部120dを有してもよい。
また、インペラ110は、複数の動翼111に対してインペラディスク112とは反対側に位置し、複数の動翼111のそれぞれに含まれる反インペラディスク側端部111cに接続されるシュラウド114をさらに有してもよい。シュラウド114は、吸気孔915と向かい合う位置に開口部が形成され、回転軸に沿った方向において、シュラウド114とインペラディスク112との間の距離は、内周側端部111a側よりも外周側端部111b側のほうが短くてもよい。
(比較例)
図2A及び図2Bに示す温度調和ユニットは、従来技術の一例として示す比較例である。以下では、比較例の概要を説明する。また、実施の形態1と比較例との比較を説明する。
比較例の温度調和ユニット904は、第1の温度調和ユニット部901と第2の温度調和ユニット部902が第1の筐体部905を兼ねる隔壁914を介して隣接している。隔壁914には通気孔919が設けられている。第1の筐体部905には外部から空気を取り入れる第1の通気孔部906、第2の筐体には送風機(シロッコファン)400へ接続される排気孔920があり、送風機(シロッコファン)400によって空気を排出する。比較例の温度調和ユニット904における送風機(シロッコファン)400は、ファンケース1120を有する。
ファンケース1120の内部には、前向きファン401が取り付けられる。前向きファン401は、この前向きファン401の構造自体を、シロッコファンと呼称する場合もある。前向きファン401は、図2A及び図2Bに示す第2の筐体部と接する通気孔919から吸込まれた空気を、前向きファン401の周方向に向かって吐出する。前向きファン401から吐出された空気の流れ917は、ファンケース1120の側壁1121に沿って、吐出孔1123に流される。比較例として示すファンケース1120内において、前向きファン401から吐出された空気は、周方向に積分される。ファンケース1120は、側壁1121が回転軸からの距離が徐々に大きくなる構成を有する。
(実施の形態1と比較例との対比)
図3は、実施の形態1における温度調和ユニットに用いられるインペラと比較例のインペラとに関する効率特性を示すグラフである。図4は、実施の形態1における温度調和ユニットに用いられるインペラと比較例のインペラとに関する流量係数と圧力係数特性との関係を示すグラフである。図5Aは、比較例における温度調和ユニットに用いられるインペラの動翼形状を示す説明図である。図5Bは、実施の形態1における温度調和ユニットに用いられるインペラの動翼形状を示す説明図である。図6Aは、図5Aに示す動翼の要部拡大図である。図6Bは、図5Bに示す動翼の要部拡大図である。
実施の形態1における温度調和ユニットでは、車載用二次電池を第1の被温度調和体にすることに利用できる。また、回路基板、電子部品、放熱器、継電器又は半導体素子などを第2の被温度調和体にすることに利用できる。以下、車載用二次電池は、単に二次電池ということもある。
二次電池には、高出力化による温度上昇の抑制が求められる。車載部品である二次電池には、設置面積を少しでも減らすことが求められる。よって、温度調和ユニットは、温度調和ユニットの筐体内において、二次電池を高密度で収納することが求められる。温度調和ユニットの筐体内における二次電池の実装密度が高くなれば、二次電池の温度調和を行うために送風機(遠心送風機)の出力を増やす必要がある。又は、送風機(遠心送風機)の配置数を増やす必要がある。
実施の形態1では、後述する、前向きファンと後向きファンとの比較を通して、実施の形態1における温度調和ユニットの有効性を説明する。
(前向きファン及び後向きファンの説明)
図3は、インペラを構成する、前向きファンと後向きファンとについて、無次元数としての比速度nと効率ηとの関係を示す。比速度nは、下記の(1)式にて定義される。
Figure 0007029593000001
ここで、(1)式において、Nは回転数である。Qは流量である。gは重力加速度である。Hは羽根のヘッドである。
一般的に、前向きファンは、動翼間における相対速度の減速率が大きく、二次流れ損失が高い。よって、前向きファンは、後向きファンよりも効率が低い。
次に、図4は、比較例のインペラの前向きファンと、実施の形態1における温度調和ユニットに用いられるインペラの後向きファンとについて、流量係数と圧力係数との関係を示す。
図4に示すように、前向きファンは、後向きファンと比べて仕事係数は高い。しかしながら、低流量で動作した場合、前向きファンには、圧力係数が右下がりから右上がりへと特性に変化が生じる、不安定領域410が存在する。
一方、後向きファンは、前向きファンと比べて仕事係数は低い。しかしながら、後向きファンには、前向きファンのように特性が変化する不安定領域は存在しない。よって、後向きファンは、全領域で安定して使用できるため、高速回転化することで高出力を得ることができる。
図5A、図5Bは、それぞれ比較例として例示する前向きファンと、実施の形態1に採用する後向きファンについて、ファンの回転軸112aに垂直な面における動翼の断面形状を示す。図6A、図6Bは、前向きファンと後向きファンの動翼出口における速度三角形の比較を示す。
図5A、図6Aに示すように、前向きファンにおいて、動翼1111は、回転軸112aと交差する方向の断面形状が、インペラディスク1112の回転する方向に向かって凹となる、円弧状である。動翼1111は、回転軸112a側に位置する内周側端部1111aが、反回転軸側に位置する、外周側端部1111bよりも後方に位置する。
送風機の出力は以下の式で表される。
Pth=γ/g×(U・Cu―U・Cu
ここで、Pth:理論全圧
γ:流体の比重
g:重力加速度
:動翼前縁の周速
:動翼後縁の周速
Cu:動翼前縁の流入流れの半径方向成分
Cu:動翼後縁の流出流れの半径方向成分
図5A、図5Bに示すように、前向きファンは動翼の前縁半径と後縁半径の差が小さく、高い全圧を得ることが困難である。一方、後ろ向きファンは翼長が長いので、動翼の前縁半径と後縁半径の差が大きく、高い全圧を得ることができる。
図7は、実施の形態1における温度調和ユニットに用いられるインペラと比較例のインペラとに関する風量と風圧との関係を示すグラフである。図7に示すように、前向きファンは、ファンのみでは静圧が上昇しない。よって、前向きファンを使用する場合、スクロールケーシングを用いるなどして、ファンケースによる静圧回復を実現している。
一方、図5Bに示すように、後向きファンは、インペラディスク112の半径方向において、動翼111の長さが長い。よって、インペラ110が回転する際、動翼111の入口である内周側端部111aと、動翼111の出口である外周側端部111bとの間において、流れる空気の流速差が大きくなる。従って、図7に示すように、後向きファンは、ファン自体で静圧を上昇できる。よって、本実施の形態における温度調和ユニットを用いれば、第1の被温度調和体と第2の被温度調和体を合わせた、送風機にかかる圧力損失が大きくなっても、風量を確保することができる。送風機にかかる圧力損失が大きくなると、前向きファンの動作点がAからA’、後向きファンの動作点がBからB’に変化する。前向きファンと後ろ向きファンの動作点における風量の差が大きくなり、後ろ向きファンの優位性が高くなる。
この特性を利用すれば、さらに、温度調和ユニットを小型化することも可能となる。
以上の説明では、温度調和ユニットは、車載用二次電池の温度調和装置とした。この場合の車両は、ハイブリッドカーでもよく、電気自動車でもよい。実施の形態1における温度調和ユニットは、被温度調和部材として、電力変換装置でもよい。特に、被温度調和部材である電力変換装置は、車載用電力変換装置を含む。また、他の電力変換装置は、エンジンコントロールユニット、インバータ装置、あるいは、電動機の温度調和などにも適用できる。
また、第2の被温度調和体911は、回路基板、電子部品、放熱器、継電器又は半導体素子のいずれかを含んでもよい。
図8Aは、実施の形態1における温度調和ユニットに用いられる送風機(遠心送風機)500においてインペラ110及びディフューザ115を含む構成を示す斜視断面図である。図8Bは、インペラ110及びディフューザ115を含む構成を示す斜視断面図である。図8Cは、実施の形態1における温度調和ユニットに用いられるディフューザについて、圧力変動を測定した結果を示す特性図である。
本実施の形態における温度調和ユニットと同様の構成については、同じ符号を付して、説明を援用する。
図8Aから図8Cに示すように、実施の形態1における温度調和ユニットは、以下のインペラ及びディフューザが使用できる。
すなわち、インペラ110は、複数の静翼117をさらに有する。複数の静翼117は
、インペラ110が回転する方向において、インペラディスクの外周部から前方へ突出する。
また、インペラ110には、インペラ110の外周部にディフューザ115を配置する。ディフューザ115は、ディフューザプレート116と、複数の静翼117と、を有する。ディフューザプレート116は、インペラディスクと平行して位置する。複数の静翼117は、ディフューザプレート116が含む吸気孔側に位置する面上において、回転軸112aに沿った方向に延伸する。複数の静翼117は、インペラ110が回転する方向において、インペラディスクの外周部から前方へ突出する。
顕著な作用効果を奏する形態は、以下の通りである。
複数の動翼111の枚数をZfとする。複数の静翼117の枚数をZdとする。枚数Zfの約数をFとする。自然数をnとする。
このとき、温度調和ユニットは、Zd≠n×Fの関係を満たす。
また、他の形態は、自然数をm及びnとする。電動機が含む極数をPとする。電動機が含むスロット数をSとする。極数Pとスロット数Sとの最小公倍数をCとする。最小公倍数Cの約数をDとする。
このとき、温度調和ユニットは、m×Zf≠n×P、m×Zf≠n×S、及び、Zf≠n×Dの関係を満たす。
また、別の他の形態の温度調和ユニットは、m×Zf≠n×P、m×Zf≠n×S、Zf≠n×D、及び、Zd≠n×Fの関係を満たす。
ディフューザ115は、ディフューザ115を構成する部材として、金属又は樹脂のいずれかを含む。
図面を用いて、詳細に説明する。
本実施の形態における温度調和ユニットは、遠心送風機の構成において、ディフューザ115を含む構成を採用しても良い。
ディフューザは、インペラと、回転駆動源である電動機との間に位置する。図8Aに示すように、ディフューザ115は、ディフューザプレート116と、複数の静翼117と、を有する。ディフューザプレート116は、電動機が含むシャフト210に対して交差する方向に延伸する、面上に形成される。ディフューザプレート116は、実質的な円板形状又は実質的な円環形状である。複数の静翼117は、ディフューザプレート116が含む面であって、吸気孔が位置する側の面に形成される。複数の静翼117は、インペラ110から吐出される空気の流れである、遠心風を整流する。
ディフューザ115は、次の作用効果を奏する。ディフューザ115は、インペラインペラ510から吐出される遠心風を、複数の静翼117の翼間で減速させる。併せて、ディフューザ115は、インペラインペラ510から吐出される遠心風の圧力を昇圧する。よって、ディフューザ115を有する遠心送風機から吐出される遠心風は、圧力が高められる。
図8Aには、送風機(遠心送風機)500のインペラインペラ510の外周部に、上述
したディフューザ115が付加された構成が示される。図8Bには、送風機(遠心送風機)500のインペラインペラ510の外周部に、上述したディフューザ115が付加された状態が示される。なお、図8Aにおいては、図1Dに示したファンケース120とディフューザ115とディフューザプレート116とを一体化した構成を一例として示す。また、ファンケース120と、ディフューザ115とディフューザプレート116とを各々個別部品として構成しても良い。
インペラ110から吐出される遠心風をディフューザ115が有する複数の静翼117を用いて整流する場合、騒音が発生する。この騒音は、インペラ110が有する複数の動翼111と、ディフューザ115が有する複数の静翼117との間で生じる、乱流等に起因する。この騒音は、BPFノイズ(Blade Passing Frequency
Noise)、動翼通過周波数騒音、あるいは、離散化周波数騒音などとも呼ばれる。この騒音は、以下の説明において、BPFノイズという。
そこで、実施の形態1における温度調和ユニットで示した遠心送風機は、この騒音を低減するために、後述する構成例を採用する。
(構成例1)
インペラ110が有する複数の動翼111の枚数をZfとする。ディフューザ115が有する複数の静翼117の枚数をZdとする。インペラ110が有する複数の動翼111の枚数Zfの約数をFとする。自然数をnとする。
実施の形態1における温度調和ユニットは、Zd≠n×Fの関係を満たす構成である。
本構成とすれば、BPFノイズの発生を抑制できる。
インペラ110の回転数をN[r/min]とした場合、BPFノイズの周波数Fnは、Fn=N/60×Zfとなる。
(構成例2)
インペラ110が有する複数の動翼111の枚数をZfとする。ディフューザ115が有する複数の静翼117の枚数をZdとする。自然数をm及びnとする。電動機が含む極数をPとする。電動機が含むスロット数をSとする。電動機が含む極数Pと電動機が含むスロット数Sとの最小公倍数を、Cとする。最小公倍数Cは、電動機に含まれるコギングトルクの次数を表す。最小公倍数Cの約数をDとする。
このとき、実施の形態1における温度調和ユニットは、
m×Zf≠n×P、m×Zf≠n×S、及び、Zf≠n×D
の関係を満たす構成である。
本構成とすれば、BPFノイズの発生を抑制できる。
電動機に含まれるコギングトルクに起因する騒音の周波数Fcは、インペラの回転数をN[r/min]とした場合、Fc=N/60×C[Hz]となる。
なお、電動機に含まれるコギングトルクに起因する騒音は、電動機に含まれるコギングトルクに起因する振動ということもできる。
(構成例3)
構成例3は、上述した構成例1と構成例2とを満たす構成である。つまり、実施の形態
1における温度調和ユニットは、
m×Zf≠n×P、m×Zf≠n×S、Zf≠n×D、及び、Zd≠n×F
の関係を満たす構成である。
(ディフューザ)
以下、実施の形態1における送風機において、ディフューザについて、検証した結果を説明する。
一般的に、電動機が含む極数Pは、2の倍数である。三相電動機の場合、電動機が含むスロット数Sは、3の倍数である。よって、インペラが有する複数の動翼の枚数Zfは、素数であることが好ましい。
理由は、インペラが有する複数の動翼の枚数Zfが、電動機が含む極数Pの倍数又は極数Pの約数となる場合、あるいは、電動機が含むスロット数Sの倍数又はスロット数Sの約数となる場合、お互いが加振力となる。よって、電動機とインペラとにおいて、お互いの振動が励起され、騒音の増加を招くことになる。
電動機を製造する際、何らかの要因によって、電動機を構成する部品に歪が生じることがある。このような場合、コギングトルクの次数Cの約数をDとすると、電動機の回転数に対して、D倍の周波数の振動が生じることがある。
この対策として、次のものがある。電動機が含む極数Pと、電動機が含むスロット数Sとの最小公倍数Cの約数を、Dとする。このとき、温度調和ユニットでは、約数Dとインペラが有する複数の動翼の枚数とを一致させないようにする。本構成とすれば、温度調和ユニットは、少なくとも振動及び騒音の一方の増加を抑制できる。
車載用の温度調和ユニットには、出力が数十ワットであるインペラが用いられることが多い。よって、車載用の温度調和ユニットでは、インペラが有する複数の動翼は、7枚から15枚程度の範囲で形成されることが多い。その理由は、ディフューザを用いた翼間流れによる整流効果と、ディフューザを構成する静翼の表面で生じる摩擦損失との兼ね合いに起因する。
以下に、具体例を示す。具体例の仕様は、次のとおりである。電動機が含む極数Pは、10である。電動機が含むスロット数Sは、12である。インペラが有する複数の動翼の枚数は、11枚である。このとき、ディフューザが有する複数の静翼の枚数を変化させて比較した。準備したディフューザは、複数の静翼の枚数が、21枚、22枚、23枚である。
本比較では、ディフューザが有する複数の静翼において、前縁部における圧力変動の様子を、流体解析することで、算出した。対象とする前縁部は、図8B中、丸印が付与される。図8Cには、圧力変動をFFT(fast Fourier transform)分析した結果が示される。
図8Cに示すように、ディフューザが有する複数の静翼の枚数を22枚とした場合、最も圧力変動が大きくなった。この22枚という数字は、インペラが有する複数の動翼の枚数を整数倍した数である。
また、ディフューザが有する複数の静翼の枚数を21枚とした方が、23枚とするよりも良好な結果を得ることができた。ここで示した圧力変動は、BPF騒音の原因となる。
インペラが有する動翼の枚数が11枚のとき、インペラが回転することで生じる回転周波数の11次を基本高調波とする。換言すれば、基本高調波は、インペラが回転することで生じる回転周波数の11次であり、インペラが有する動翼の羽枚数の倍数である、11倍である。基本高調波は、Nzで示される。つまり、インペラが回転することで生じる回転周波数の22次は、2次高調波を意味する2Nzとなる。
Nzは、次の式で算出できる。
Nz=回転周波数N(Hz)×インペラが有する動翼の枚数z
ここで、回転周波数Nを示す単位(Hz)は、1秒間あたりの回転数を示す「rps」(revolutions per second)とも表現される。インペラが有する動翼の枚数zは、単位がない無次元数である。
上述したFFT分析の結果より、圧力変動において、回転周波数の11次であるNzの振幅の大きさと、回転周波数の22次である2Nzの振幅の大きさに顕著な差異が認められた。
実施の形態1の温度調和ユニットは、電動機が含む極数Pを多数極とすることで、コギングトルクの次数を高次にできる可能性がある。しかしながら、電動機が含む極数Pを多数極とすることによるコギングトルクの次数の高次化は、電動機が有する主磁束に対する極間の漏洩磁束の割合が多くなる。よって、電動機が利用できる有効磁束量が減少するため、電動機の効率の低下を招く。
従って、上述した具体例では、電動機の効率の向上、及び、コギングトルクの次数の高次化を考慮した上で、インペラが有する複数の動翼の枚数との最小公倍数が高くなるように、10極12スロットの電動機が選択された。
また、本実施の形態のインペラディスク112は、インペラディスク112の外周部において、第1の吐出孔123が位置する方向に向かって傾斜するガイド部113を有してもよい。
また、それぞれの複数の動翼111は、インペラ110が回転する方向において、内周側端部111aを外周側端部111bよりも前方に位置してもよい。
また、インペラ110は、インペラ110が回転する方向において、インペラディスク112の外周部から前方へ突出する、複数の静翼117をさらに有してもよい。
また、インペラ110は、インペラディスク112と平行して位置するディフューザプレート116と、ディフューザプレート116が含む吸気孔915側に位置する面上に、回転軸112aに沿った方向に延伸する、複数の静翼117と、を有するディフューザ115を取り付ける構成を有してもよい。複数の静翼117は、インペラ110が回転する方向に、インペラディスク112の外周部から前方へ突出してもよい。
(実施の形態2)
図9Aは、実施の形態2における温度調和ユニット904を示す概要図である。図9Bは、実施の形態2における温度調和ユニット904を示す斜視図である。図9A、図9Bに示すように、温度調和ユニット904は、インペラ110と、電動機200と、ファンケース922と、第1の筐体部905と第2の筐体部910と、第1の温度調和ユニット部901と第2の温度調和ユニット部902を備える。
図9Aにおいて、空気の流れ917は、矢印として示す。この空気の流れ917は、温度調和ユニット904内を流れる空気について、模式的に示すものである。第1の筐体部905の内部には、被温度調和部材である、二次電池が収納される。第2の筐体部910の内部には、被温度調和部材である、回路基板、電子部品、放熱器、継電器又は半導体素子が収納される。
図9Aに示すように、第1の筐体部905は、第2の筐体部910に隣接して設置される。送風機(遠心送風機)903は、第1の筐体部905と第2の筐体部910をつなぐ流路経路の間に設けられる。第1の通気孔部906は、送風機(遠心送風機)903から吐出される空気を、温度調和ユニット904の外部に排出する。第2の通気孔部912は、送風機(遠心送風機)903へ吸気される空気を、温度調和ユニット904の外部から吸入する。
図1Cから図1Dに示すように、送風機(遠心送風機)500は、インペラ110と、ファンケース120と、を有する。インペラ110は、実質的に円板状のインペラディスク112を有する。インペラディスク112上に、複数の動翼111が形成される。ファンケース120は、側壁121と、吸気孔122と、を有する。側壁121は、インペラ110が含む回転軸112aの軸心112b方向に延伸する、実質的に円筒の側面である。吸気孔915は、軸心112b方向に位置する。吸気孔122は、軸心112b方向と交差する面上において、軸心112bを中心とする円形に開口される。インペラ110は、シャフト210を介して、回転駆動源である電動機に連結される。
図9Aから図9Bに示すように、送風機(遠心送風機)903の第1の吐出孔916と、第1の筐体部905の第1の通気孔部が、通気路918によって接続されている。
図1Cから図1Dに示すように、回転駆動源である電動機が回転すれば、シャフト210を介して、インペラ110が回転する。インペラ110が回転すれば、ファンケース120に形成された吸気孔122から空気が流入する。吸気孔122から流入した空気は、動翼111によりエネルギーを与えられる。動翼111によりエネルギーを与えられた空気は、インペラディスク112に沿って、回転軸112aとほぼ直交する方向に吐出される。インペラ110から吐出された空気は、ファンケース120の内壁面に沿って、第1の吐出孔123方向へと方向が変換される。
ファンケース120及びファンケース922の内壁面の形状は、空気の流れ917を妨げないように、なだらかな曲面であることが好ましい。図9Aに示すように、ファンケース922の吸気孔915に流入される空気は、第2の筐体内に流れ、第3のエアーチャンバー913内に配置された第2の温度調和ユニット部902にある第2の被温度調和体911を冷却する。この空気は第3の通気孔部から吸気される。送風機の第1の吐出孔は第1の筐体の第1のエアーチャンバー907に接続されている。送風機が空気を吐出することにより第1のエアーチャンバー907内の圧力が高くなる。それによって、第1のエアーチャンバー907から第1の被温度調和対象である二次電池を冷却又は加温する。その後、第3のエアーチャンバー913を流れ、第2の通気孔部912から排出される。第2の通気孔部912は、適宜、第2の筐体部910のいずれかの箇所に設けられる、一つ又は複数の開口である。
第1の通気孔部906及び第2の通気孔部912には、防塵用のエアフィルタを付加してもよい。第1の通気孔部906及び第2の通気孔部912には、除湿装置を取り付けてもよい。なお、図9Aに示す温度調和ユニットにおいては、第3のエアーチャンバー913の内部に送風機(遠心送風機)903及び通気路918を配置する構成である。
(実施の形態3)
図10Aは、実施の形態3における温度調和ユニット904を示す概要図である。図10Bは、実施の形態3における温度調和ユニット904を示す斜視図である。
実施の形態3においては、第1の通気孔部から空気を吸入し、第1のエアーチャンバーから第2のエアーチャンバーへ風を流す。これによって、第1の被温度調和体を冷却又は加温する。第1のエアーチャンバーの空気を送風機で吸引し、送風機の吐出流れを第3のエアーチャンバーに排気する。これによって、第2の被温度調和体を冷却した後、第2の通気孔部から空気を排出する。実施の形態4では、送風機を複数設置している。これにより、被温度調和体の容量が大きくなり、大風量が必要とされる場合においても、十分な温度調和効果をもたらすことができる。なお、図10Aに示す温度調和ユニットにおいては、第3のエアーチャンバー913の内部に送風機(遠心送風機)903及び通気路918を配置する構成である。
(実施の形態4)
図10Cは、実施の形態4の態様における温度調和ユニット904を示す概要図である。図10Dは、実施の形態4の態様における温度調和ユニット904を示す斜視図である。
実施の形態4においては、第2の通気孔部から空気を吸入し、第3のエアーチャンバーから第2のエアーチャンバーへ風を流す。第3のエアーチャンバー内に生じる空気の流れによって、第2の被温度調和体を冷却又は加温する。第3のエアーチャンバーの空気を送風機で吸引し、送風機の吐出流れを第2のエアーチャンバーに排気する。そして、第2のエアーチャンバーの空気は、第1のエアーチャンバーへ送気される。これによって、第1の被温度調和体を冷却した後、第1の通気孔部から空気を排出される。実施の形態4では、送風機を複数設置している。これにより、被温度調和体の容量が大きくなり、大風量が必要とされる場合においても、十分な温度調和効果をもたらすことができる。なお、図10C及び10Dに示す温度調和ユニットにおいては、第3のエアーチャンバー913の内部に送風機(遠心送風機)903及び通気路918を配置する構成である。
(実施の形態5)
図11Aは、実施の形態5における温度調和ユニットを示す概要図である。図11Bは、実施の形態5における温度調和ユニットを示す斜視図である。実施の形態5と、実施の形態3とは、互いに類似の構成である。
実施の形態5においては、第1の通気孔部906から第1のエアーチャンバー907に空気を吸入する。第1の被温度調和体908を冷却した空気を、送風機(遠心送風機)903で吸引する。送風機の空気の吸入によって、第1のエアーチャンバー907から第2のエアーチャンバー909へ流す。これらによって、第1の被温度調和体を冷却又は加温し、第2の通気孔部から空気を排出する。空気の流れを模式的に示す矢印は、空気の流れ917として図示する。
図11Bは、第2の筐体部を除いて表した温度調和ユニットを示す斜視図である。図11Aにおいて、第1のエアーチャンバー907から通気路918を介して送風機(遠心送風機)903につなぐ構成とした場合、各部品の固定、及び、接続部分の空気の漏洩防止措置が複雑となる。図11A及び図11Bに示す温度調和ユニットでは、第1の筐体と送風機(遠心送風機)903のファンケース922と、通気路918とを一体化した構成としている。これにより、第1の筐体と送風機(遠心送風機)903の取付が容易になる。同時に、温度調和ユニットの剛性も上がり、強度アップになる。よって、外部からの衝撃に対して強い温度調和ユニットを提供することができる。
本実施の形態における温度調和ユニット904は、第1の温度調和ユニット部901と第2の温度調和ユニット部902と送風機(遠心送風機)903とを含む。第1の温度調和ユニット部901は、第1の筐体部905と、第1の通気孔部906と、第1のエアーチャンバー907と、第1の被温度調和体908と、第2のエアーチャンバー909と、とを含む。第2の温度調和ユニット部902は、第2の筐体部910と、第2の被温度調和体911と、第2の通気孔部912と、第3のエアーチャンバー913とを含む。温度調和ユニット904は、第1の筐体部905の壁部の一部分が第2の筐体部910の壁部の一部分を兼ねる隔壁914、又は、第2の筐体部910の壁部の一部分が第1の筐体部905の壁部の一部分を兼ねる隔壁914を含む。温度調和ユニット904は、送風機(遠心送風機)903の吸気孔915と第2のエアーチャンバー909とを通気可能に接続する通気路918と、送風機(遠心送風機)903の第1の吐出孔916と第3のエアーチャンバー913とを通気可能に配置する構成と、第3のエアーチャンバー913の内部に第2の被温度調和体911の少なくとも一部を配置する構造と、送風機(遠心送風機)903の少なくとも一部分を第3のエアーチャンバー913の内部に配置する構成と、とを含む。
図1C及び図1Dに示すとおり、送風機(遠心送風機)500は、中心部に回転軸112aを含み、回転軸112aと交差する方向に延伸する面を有するインペラディスク112と、回転軸112aに沿った方向に延伸するとともに、回転軸112aと交差する方向の断面形状はインペラディスク112が回転する方向に向かって凸となる円弧状であり、回転軸112aの側に位置する内周側端部111aと回転軸112aに対して反回転軸の側に位置する外周側端部111bとを含む、複数の動翼111を有するインペラ110と、シャフト210を含み、シャフト210を介して回転軸112aに回転動作を伝達する電動機と、インペラ110を覆うように回転軸112aの長手方向に延伸する側壁と、回転軸112aの長手方向に位置する吸気孔122と、を含む。ファンケース120においては、吸気孔122に対応する第1の吐出孔123と、を有する。
図1C及び図1Dに示すとおり、送風機(電動送風機)100のファンケース120は、電動機200から伝達された回転動作によりインペラ110が回転するとき、吸気孔915から吸い込まれて内周側端部111a(図1D参照)から外周側端部111b(図1D参照)を経た空気を、側壁121(図1D参照)に沿って第1の吐出孔123(図1D参照)へと導く流路118a(図1D参照)を有する。
図11Aに示す、温度調和ユニット904において、温度調和ユニット904の内部の収容物による高密度化が進行し、温度調和ユニット904全体の圧力抵抗が高くなった構成においても、好適な冷却・加温が可能な構成の温度調和ユニットを提供することが可能である。なお、図11A及び11Bに示す温度調和ユニットにおいては、第3のエアーチャンバー913の内部側に送風機(遠心送風機)903の第1の吐出孔916を開口する構成である。
また、本実施の形態においては、送風機(遠心送風機)903を複数配置してもよい。
(実施の形態6)
図12Aは、実施の形態6における温度調和ユニットを示す概要図である。図12Bは、実施の形態6における温度調和ユニットを示す斜視図である。実施の形態6と、実施の形態4とは、互いに類似の構成である。
実施の形態6においては、第2の通気孔部912から第3のエアーチャンバー913に空気を吸入する。第2の被温度調和体911を冷却した空気を、送風機(遠心送風機)903で吸引する。送風機の空気の排気によって、第2のエアーチャンバー909から第1
のエアーチャンバー907へ流す。これらによって、第1の被温度調和体を冷却又は加温し、第1の通気孔部から空気を排出する。空気の流れを模式的に示す矢印は、空気の流れ917として図示する。
図12Bは、第2の筐体部を除いて表した温度調和ユニットを示す斜視図である。図12Aにおいて、第1のエアーチャンバー907から通気路918を介して送風機(遠心送風機)903につなぐ構成とした場合、各部品の固定、及び、接続部分の空気の漏洩防止措置が複雑となる。図12A及び図12Bに示す温度調和ユニットでは、第1の筐体と送風機(遠心送風機)903のファンケース、通気路918を一体化した構成としている。これにより、第1の筐体と送風機(遠心送風機)903の取付が容易になる。同時に、温度調和ユニットの剛性も上がり、強度アップになる。よって、外部からの衝撃に対して強い温度調和ユニットを提供することができる。
本実施の形態における温度調和ユニット904は、第1の温度調和ユニット部901と第2の温度調和ユニット部902と送風機(遠心送風機)903とを含む。第1の温度調和ユニット部901は、第1の筐体部905と、第1の通気孔部906と、第1のエアーチャンバー907と、第1の被温度調和体908と、第2のエアーチャンバー909と、とを含む。第2の温度調和ユニット部902は、第2の筐体部910と、第2の被温度調和体911と、第2の通気孔部912と、第3のエアーチャンバー913とを含む。温度調和ユニット904は、第1の筐体部905の壁部の一部分が第2の筐体部910の壁部の一部分を兼ねる隔壁914、又は、第2の筐体部910の壁部の一部分が第1の筐体部905の壁部の一部分を兼ねる隔壁914を含む。温度調和ユニット904は、送風機(遠心送風機)903の第1の吐出孔916と第2のエアーチャンバー909とを通気可能に接続する通気路918と、送風機(遠心送風機)903の吸気孔915と第3のエアーチャンバー913とを通気可能に配置する構成と、第3のエアーチャンバー913の内部に第2の被温度調和体911の少なくとも一部を配置する構造と、送風機(遠心送風機)903の少なくとも一部分を第3のエアーチャンバー913の内部に配置する構成と、を含む。なお、図12A及び12Bに示す温度調和ユニットにおいては、第3のエアーチャンバー913の内部側に送風機(遠心送風機)903の第1の吸気孔915を開口する構成である。
図1C・図1Dに示す送風機(遠心送風機)500は、中心部に回転軸112aを含み、回転軸112aと交差する方向に延伸する面を有するインペラディスク112と、回転軸112aに沿った方向に延伸するとともに、回転軸112aと交差する方向の断面形状はインペラディスク112が回転する方向に向かって凸となる円弧状であり、回転軸112aの側に位置する内周側端部111aと回転軸112aに対して反回転軸の側に位置する外周側端部111bとを含む、複数の動翼111を有するインペラ110と、シャフト210を含み、シャフト210を介して回転軸112aに回転動作を伝達する電動機と、インペラ110を覆うように回転軸112aの長手方向に延伸する側壁と、回転軸112aの長手方向に位置する吸気孔122と、を含むファンケース120と、吸気孔122に対応する第1の吐出孔123と、を有する。ファンケース120は、電動機200から伝達された回転動作によりインペラ110が回転するとき、吸気孔122から吸い込まれて内周側端部111aから外周側端部111bを経た空気を、側壁121に沿って第1の吐出孔123へと導く流路118aを有する。
図12Aに示す温度調和ユニット904は、温度調和ユニット904の内部の収容物による高密度化が進行し、温度調和ユニット904全体の圧力抵抗が高くなった構成においても、好適な冷却・加温が可能な構成の温度調和ユニットを提供することが可能である。
また、本実施の形態においては、送風機(遠心送風機)903を複数配置してもよい。
(実施の形態7)
図13Aは、実施の形態7における温度調和ユニットを示す概要図である。図13Bは、実施の形態7における送風機(遠心送風機)903の配置を示す斜視図である。図13Cは、実施の形態7における送風機(遠心送風機)903の配置を示す上面図である。送風機(遠心送風機)903のファンケースは、ファン回転軸に対して軸対称、すなわち円筒形状で構成される。ファンからの吐出流れは、回転軸対象となる。よって、周方向に対して一様な流れ分布をさせ、局所的な流速の変化及び流れ方向の変化を抑制する。それによって、送風機(遠心送風機)903からの吐出流れも周方向に均等な流れが得られる。また、本実施の形態の温度調和ユニットにおいては、第3のエアーチャンバー913の内部に、送風機(遠心送風機)903に含むファンケース922の少なくとも一部分を配置する構成である。また、本発明の温度調和ユニットは、第3のエアーチャンバーの内部に、送風機の吸気孔915を配置する構成である。なお、送風機(遠心送風機)903の周囲に第2の被温度調和体911が複数配置される等の場合は、送風機(遠心送風機)903の体格(外径寸法)が規制され、好適な送風機の体格(外径寸法)を選択し得無いケースもありえる。
(実施の形態8)
図14は、実施の形態8における送風機(遠心送風機)903の上面図である。図15は、実施の形態8における別の送風機(遠心送風機)903の上面図である。送風機(遠心送風機)903のファンケース922は、回転軸対称な円筒形状ではなく、楕円形状で構成されている。送風機(遠心送風機)903を設置する領域が狭い場合、送風機(遠心送風機)903のファンケース922を円筒形状で構成すると、十分な流路面積が確保できずに、送風機性能を発揮できない場合がある。そのような場合には、送風機(遠心送風機)903のファンケース922形状を、図14に示す楕円形形状、又は、図15に示す実質的な多角形(非円形形状、実質的な三角形形状)にする。実質的な三角形で構成することにより、狭小な領域を活用することができる。これにより、送風機の流路面積を広くすることができる。したがって、送風機の高出力化が可能となる。
図16は、実施の形態8において、第1の吐出孔916すなわちファン出口部における空気の流れの流速(ファン流出速度)に対するファンケース922の平均半径距離の比を横軸に、圧力係数を縦軸にとったグラフである。ファンケース922の平均半径距離とは、インペラディスク112における外周側端部111bからファンケース922の内側面までの距離を周方向に平均した長さである(図8A及び図5Bを参照)。また、以下では、第1の吐出孔916すなわちファン出口部における空気の流れの流速を、ファン流出速度と記す。図16が示すように、ファン流出速度(単位[m/sec])と平均半径距離(単位[mm])との比に対する圧力係数は極大値を持つ。したがって、ファン流出速度と半径距離の比が0.6から0.8の範囲であるファンケース922を有する送風機を採用すると、効果的に送風機出力を増加させることができる。なお、ファン流出速度と半径距離の比が約0.8以上では圧力回復は見られず、顕著な効果は無い。ファン流出速度と半径距離の比の好適な範囲は、0.6から0.8程度である。
(実施の形態9)
図17Aは、実施の形態8における送風機(遠心送風機)903の斜視図である。図17Bは、実施の形態8における送風機(遠心送風機)903の側面図である。図18は本実施の形態8における別の態様の送風機(遠心送風機)903の斜視図である。図17A及び図17Bに示す送風機(遠心送風機)903のファンケース922は、ファンケース922の高さが、ファンの回転軸に垂直な平面上に存在しておらず、第2の被温度調和体911に近接する部分の寸法を短くし、第2の吐出孔921を構成している。これにより、ファンケース922の高さが短い部分では、送風機(遠心送風機)903からの吐出流
れの半径方向成分が大きくなり、第2の吐出孔921から第2の被温度調和体911に向かって送風することができる。したがって、第2の被温度調和体911の冷却効果を高めることができる。任意の位置のファンケース922の高さが短くなる形状として、図17A及び図17Bでは、ファン回転軸に対して角度を持った平面で切断した形状としているが、部分的な切欠きでもよい。その形状は一義的ではない。
図18に示す送風機(遠心送風機)903のファンケース922は、第2の被温度調和体911に近接する側壁の一部に、第2の吐出孔921を設けている。これにより、第2の吐出孔921からファンケース922の内部の空気の流れの一部が吐出し、第2の吐出孔から第2の被温度調和体911に向かって送風することができる。したがって、第2の被温度調和体911の冷却効果を高めることができる。送風機(遠心送風機)903のファンケース922の側壁の第2の吐出孔921の形状は、円形、楕円、多角形などでも良い。
(実施の形態10)
図19は、実施の形態10における温度調和システム20の概要を示すシステム構成図である。図20は、実施の形態10における温度調和システム20aの他の概要を示すシステム構成図である。図21は、実施の形態10における温度調和システム20bのさらに他の概要を示すシステム構成図である。
図22は、実施の形態10における車両30の概要を示す概要図である。図23は、実施の形態10における車両30aの他の概要を示す概要図である。
本実施の形態においては、上述の温度調和ユニットと同様の構成については、同じ符号を付して、説明を援用する。
図19から図21に示すように、本実施の形態における温度調和システムは、以下の構成である。
図19に示すように、本実施の形態における温度調和システム20は、第1の温度調和ユニット711aと、第2の温度調和ユニット711bと、複数のダクト(ダクト700、ダクト700a、ダクト700b、ダクト700c、ダクト700d)と、切替部701と、回転数制御部702と、制御部703と、を備える。矢印は、空気の流れ301を模式的に示す。
第1の温度調和ユニット711a及び第2の温度調和ユニット711bには、上述した各実施の形態にて説明した温度調和ユニットが使用できる。図19は、本実施の形態において説明する温度調和ユニットを模式的に示す。
複数のダクトの一部であるダクト700b、ダクト700cは、第1の温度調和ユニット711aが有する排気孔125aと、第2の温度調和ユニット711bが有する吸気孔122bとを接続する。
複数のダクトの一部であるダクト700、ダクト700aは、第1の温度調和ユニット711aが有する吸気孔122aと、第2の温度調和ユニット711bが有する排気孔125bとを接続する。
切替部701は、ダクト700、ダクト700a、ダクト700dが接続される状態を切り替える。
回転数制御部702は、第1の温度調和ユニット711aが有する電動機200aの回転数、及び、第2の温度調和ユニット711bが有する電動機200bの回転数のいずれか一方を制御する。
制御部703は、切替部701と回転数制御部702とを制御する。制御部703は、複数のダクト(ダクト700、ダクト700a、ダクト700b、ダクト700c、ダクト700d)内を流れる空気の流路あるいは空気の風量を制御する。
図20に示すように、本実施の形態における温度調和システム20aは、第1の温度調和ユニット720aと、第2の温度調和ユニット720bと、複数のダクト(ダクト700、ダクト700e、ダクト700f)と、切替部701と、回転数制御部702と、制御部703と、を備える。
第1の温度調和ユニット720a及び第2の温度調和ユニット720bは、上述した各実施の形態において説明した温度調和ユニットが適用可能である。
複数のダクトの一部であるダクト700、ダクト700eは、第1の温度調和ユニット720aが有する吸気孔122aと、第2の温度調和ユニット720bが有する吸気孔122bとを接続する。
複数のダクトは、第1の温度調和ユニット720aが有する排気孔125aと、第2の温度調和ユニット720bが有する排気孔125bとを接続してもよい。
切替部701は、ダクト700、ダクト700e、ダクト700fが接続される状態を切り替える。
回転数制御部702は、第1の温度調和ユニット720aが有する電動機200aの回転数、及び、第2の温度調和ユニット720bが有する電動機200bの回転数のいずれか一方を制御する。
制御部703は、切替部701と回転数制御部702とを制御する。制御部703は、複数のダクト700、ダクト700e、ダクト700f内を流れる空気の流路あるいは空気の風量を制御する。
図21に示すように、本実施の形態における温度調和システム20bは、温度調和ユニット10aと、第1のダクト730、第1のダクト730a、第1のダクト730bと、第2のダクト730c、第2のダクト730dと、切替部701aと、切替部701bと、回転数制御部702と、制御部703と、を備える。
温度調和ユニット10aは、上述の各実施の形態で説明した温度調和ユニットが適用可能である。
第1のダクト730、第1のダクト730a、第1のダクト730bは、温度調和ユニット10aを介することなく空気を流す。
第2のダクト730cは、温度調和ユニット10aへ供給される空気を流す。あるいは、第2のダクト730dは、温度調和ユニット10aから吐出される空気を流す。
切替部701a、701bは、第1のダクト730、第1のダクト730a、第1のダクト730b及び第2のダクト730c、第2のダクト730dが接続される。切替部7
01a、切替部701bは、空気の流れを切り替える。
回転数制御部702は、温度調和ユニット10aが有する電動機200の回転数を制御する。
制御部703は、切替部701a、切替部701bと回転数制御部702とを制御する。制御部703は、第1のダクト730、第1のダクト730a、第1のダクト730b内と、第2のダクト730c、第2のダクト730d内とを流れる空気の流路あるいは空気の風量を制御する。
図22に示すように、本実施の形態における車両30は、動力源800と、駆動輪801と、走行制御部802と、温度調和システム803と、を備える。
駆動輪801は、動力源800から供給される動力で駆動される。走行制御部802は、動力源800を制御する。温度調和システム803には、上述した温度調和システム20、20a、20bが利用できる。
また、図23に示すように、本実施の形態における車両30aは、動力源800と、駆動輪801と、走行制御部802と、温度調和ユニット804と、を備える。
駆動輪801は、動力源800から供給される動力で駆動される。走行制御部802は、動力源800を制御する。温度調和ユニット804には、上述した各実施の形態にて説明した各温度調和ユニットが適用可能である。
図面を用いて、さらに、詳細に説明する。
図22に示すように、各実施の形態における温度調和システム803は、車両30に搭載される。車両30に温度調和システム803を搭載する際、以下の構成を採用すれば、被温度調和部材の冷却、及び、加温が効果的に行える。
本実施の形態における温度調和システム803には、複数の、上述した本各実施の形態における温度調和ユニットが利用できる。温度調和システム803は、各温度調和ユニットが有する、吸気孔及び通気孔どうしを接続する、複数のダクトを備える。温度調和システム803は、ダクト内を流れる気流の量、及び、気流を流すための経路を切り替える切替部を備える。
例えば、吸気側の気温が常温より低い場合、複数の温度調和ユニットをダクトで接続する。本構成とすれば、被温度調和部材を効率よく温度調和できる。
また、本実施の形態における温度調和システム803は、温度調和ユニットの吸気孔及び通気孔と接続される、複数のダクトを有する。本実施の形態における温度調和システムは、ダクト内を流れる気流の量、及び、気流を流すための経路を切り替える切替部を備える。
例えば、本実施の形態における温度調和ユニットが有する、吸気孔及び通気孔には、複数のダクトが接続される。
ダクトは、一端が車両の外部に接続され、他端が切替部に接続される。ダクトは、一端が切替部に接続され、他端が切替部に接続される。また、ダクトは、一端が切替部に接続され、他端が温度調和ユニットが有する吸気孔に接続される。ダクトは、一端が温度調和
ユニットが有する排気孔に接続され、他端が切替部に接続される。
本構成において、車両30の外部気温が所定範囲内の場合、ダクトを介して、直接、車外の空気を車両30内に取り込むことができる。また、車両30の外部気温が所定範囲外の場合、ダクトと、温度調和ユニットとを介して、車外の空気を車両30内に取り込むことができる。
本実施の形態における温度調和システムは、車両の外部気温に応じて、被温度調和部材に提供する空気を切り替えることができる。よって、本実施の形態における温度調和システムは、効率よく、かつ、省エネルギー化を実現しながら、被温度調和部材の温度調和を実現できる。
上述した温度調和システムにおいて、ダクトを切り替えるための車両の外部気温の閾値は、目的に応じて、適宜設定すればよい。また、上述した温度調和システムにおいて、ダクトを切り替えるための車両外部の空気の取り込みは、車両外部の気温に代えて、気圧による切替とすることもできる。
図23に示した形態は、図22に示した形態の温度調和システム803を温度調和ユニット804に読み替えることで、その説明を援用できる。
以上のように、本実施の形態における温度調和システム20は、温度調和ユニットを2つ有し、2つの温度調和ユニットのうち、一方を第1の温度調和ユニット711aとし、他方を第2の温度調和ユニット711bとし、第1の温度調和ユニット711aが有する、第1の通気孔部906又は第2の通気孔部912と、第2の温度調和ユニット711bが有する、第1の通気孔部906又は第2の通気孔部912と、を接続する、複数のダクト(ダクト700、ダクト700a、ダクト700b、ダクト700c、ダクト700d)と、複数のダクト(ダクト700、ダクト700a、ダクト700b、ダクト700c、ダクト700d)が接続された状態を切り替える切替部701と、第1の温度調和ユニット711aが有する電動機200aの回転数、又は、第2の温度調和ユニットが有する電動機200bの回転数のいずれか一方を制御する回転数制御部702と、切替部701と回転数制御部702とを制御して、複数のダクト(ダクト700、ダクト700a、ダクト700b、ダクト700c、ダクト700d)内を流れる空気の流路あるいは空気の風量を制御する制御部703と、を備える。
また、本実施の形態における温度調和システム20bは、温度調和ユニット10aと、温度調和ユニット10aを介することなく空気を流す第1のダクト730、第1のダクト730a、第1のダクト730bと、温度調和ユニット10aへ供給される空気を流す、あるいは、温度調和ユニット10aから吐出される空気を流す、第2のダクト730c、第2のダクト730dと、第1のダクト730、第1のダクト730a、第1のダクト730b及び第2のダクト730c、第2のダクト730dが接続され、空気の、流れを切り替える切替部701a、切替部701bと、温度調和ユニット10aが有する電動機200の回転数を制御する回転数制御部702と、切替部701aと、切替部701bと回転数制御部702とを制御して、第1のダクト730、第1のダクト730a、第1のダクト730b、第2のダクト730c、第2のダクト730d内を流れる空気の流路あるいは空気の風量を制御する制御部703と、を備える。
また、本実施の形態における車両30は、動力源800と、動力源800から供給される動力で駆動する駆動輪801と、動力源800を制御する走行制御部802と、温度調和システム803と、を備える。
また、本実施の形態における車両30aは、動力源800と、動力源800から供給される動力で駆動する駆動輪801と、動力源800を制御する走行制御部802と、温度調和ユニット804と、を備える。
本発明は、温度調和ユニットの内部の収容物による高密度化が進行して、温度調和ユニット全体の圧力抵抗が高くなった構成においても、好適な冷却・加温が可能な温度調和ユニットを提供することが可能である。したがって、産業的価値の大いなるものである。
10a 温度調和ユニット
20 温度調和システム
20a 温度調和システム
20b 温度調和システム
30 車両
30a 車両
110 インペラ
111 動翼
111a 内周側端部
111b 外周側端部
111c 反インペラディスク側端部
111d 開口部
112 インペラディスク
112a 回転軸
112b 軸心
113 ガイド部
114 シュラウド
114a 開口部
114b 開口部
114c 側面
115 ディフューザ
116 ディフューザプレート
117 静翼
118a 流路
120 ファンケース
121 側壁
120a 内壁面
120b 湾曲部
120c 誘導面
120d 傾斜部
122 吸気孔
122a 吸気孔
122b 吸気孔
123 第1の吐出孔
125a 排気孔
125b 排気孔
200 電動機
200a 電動機
200b 電動機
210 シャフト
301 空気の流れ
400 送風機(シロッコファン)
401 前向きファン
410 不安定領域
500 送風機(遠心送風機)
700 ダクト
700a ダクト
700b ダクト
700c ダクト
700d ダクト
700e ダクト
700f ダクト
701 切替部
701a 切替部
701b 切替部
702 回転数制御部
703 制御部
711a 第1の温度調和ユニット
711b 第2の温度調和ユニット
720a 第1の温度調和ユニット
720b 第2の温度調和ユニット
730 第1のダクト
730a 第1のダクト
730b 第1のダクト
730c 第2のダクト
730d 第2のダクト
800 動力源
801 駆動輪
802 走行制御部
803 温度調和システム
804 温度調和ユニット
901 第1の温度調和ユニット部
902 第2の温度調和ユニット部
903 送風機(遠心送風機)
904 温度調和ユニット
905 第1の筐体部
906 第1の通気孔部
907 第1のエアーチャンバー
908 第1の被温度調和体
909 第2のエアーチャンバー
910 第2の筐体部
911 第2の被温度調和体
912 第2の通気孔部
913 第3のエアーチャンバー
914 隔壁
915 吸気孔
916 第1の吐出孔
917 空気の流れ
918 通気路
919 通気孔
920 排気孔
921 第2の吐出孔
922 ファンケース
1111 動翼
1111a 内周側端部
1111b 外周側端部
1112 インペラディスク
1120 ファンケース
1121 側壁
1123 吐出孔

Claims (12)

  1. 第1の温度調和ユニット部と第2の温度調和ユニット部と送風機とを含む温度調和ユニットであって、
    前記第1の温度調和ユニット部は、
    第1の筐体部と、第1の通気孔部と、第1のエアーチャンバーと、第1の被温度調和体と、第2のエアーチャンバーとを含み、
    前記第2の温度調和ユニット部は、
    第2の筐体部と、複数の第2の被温度調和体と、第2の通気孔部と、第3のエアーチャンバーとを含み、
    前記温度調和ユニットは、
    前記第1の筐体部の壁部の一部分が前記第2の筐体部の壁部の一部分を兼ねる隔壁、又は、前記第2の筐体部の壁部の一部分が前記第1の筐体部の壁部の一部分を兼ねる隔壁と、前記送風機の第1の吐出孔と前記第2のエアーチャンバーとを通気可能に接続する通気路と、
    前記送風機の吸気孔を前記第3のエアーチャンバーに通気可能に配置する構成と、
    前記第3のエアーチャンバーの内部に前記複数の第2の被温度調和体の一部又は全部を配置する構造と、
    前記送風機の一部分を前記第3のエアーチャンバーの内部に配置する構成とを含み、
    前記送風機は、
    中心部に回転軸を含み、前記回転軸と交差する方向に延伸する面を有するインペラディスクと、
    前記回転軸に沿った方向に延伸するとともに、前記回転軸と交差する方向の断面形状は前記インペラディスクが回転する方向に向かって凸となる円弧状であり、前記回転軸の側に位置する内周側端部と前記回転軸に対して反回転軸の側に位置する外周側端部とを含む、複数の動翼を有するインペラと、
    シャフトを含み、前記シャフトを介して前記回転軸に回転動作を伝達する電動機と、
    前記インペラを覆うように前記回転軸の長手方向に延伸する側壁と、前記回転軸の長手方向に位置する吸気孔と、を含むファンケースと、
    前記吸気孔に対応する前記第1の吐出孔と、前記側壁の一部分に位置する開口部又は切欠部である第2の吐出孔と、を有し、
    前記ファンケースは、前記電動機から伝達された回転動作により前記インペラが回転するとき、前記吸気孔から吸い込まれて前記内周側端部から前記外周側端部を経た空気を、前記側壁に沿って前記第1の吐出孔及び前記第2の吐出孔へと導く流路を有する温度調和ユニット。
  2. 請求項1記載の温度調和ユニットにおいて、
    前記第2の吐出孔は、前記複数の第2の被温度調和体の少なくとも一つと近接して配置する構成を含み、前記第2の吐出孔から前記複数の第2の被温度調和体の少なくとも一つに向かって送風する態様を含む温度調和ユニット。
  3. 請求項1記載の温度調和ユニットにおいて、
    前記第3のエアーチャンバーの内部に配置する前記送風機の一部分は、前記送風機に含むファンケースの少なくとも一部分である温度調和ユニット。
  4. 請求項1記載の温度調和ユニットにおいて、
    前記第1の被温度調和体は、二次電池を含む温度調和ユニット。
  5. 請求項1記載の温度調和ユニットにおいて、
    前記第2の被温度調和体は、回路基板、電子部品、放熱器、継電器又は半導体素子のいず
    れかを含む温度調和ユニット。
  6. 請求項1記載の温度調和ユニットにおいて、
    前記ファンケースは、前記流路の一部を構成するとともに、前記インペラと向かい合う内壁面をさらに含み、
    前記内壁面は、前記回転軸の軸心を含む面において、前記外周側端部と近接する部分と前記第1の吐出孔の縁部とを結んだ線の延長線が、前記軸心と鋭角に交差するように湾曲する、湾曲部を有する温度調和ユニット。
  7. 請求項1記載の温度調和ユニットにおいて、
    前記ファンケースは、前記流路の一部を構成するとともに、前記インペラと向かい合う内壁面をさらに含み、前記内壁面は、前記回転軸の軸心を含み、
    前記流路は、前記内壁面と向かい合って位置する誘導面をさらに含み、
    前記誘導面は、前記外周側端部と近接する部分から前記第1の吐出孔に至るまでの間において、前記軸心方向に傾斜する傾斜部を有する温度調和ユニット。
  8. 請求項1記載の温度調和ユニットにおいて、
    前記インペラディスクは、前記インペラディスクの外周部において、前記第1の吐出孔が位置する方向に向かって傾斜するガイド部を有する温度調和ユニット。
  9. 請求項1記載の温度調和ユニットにおいて、
    前記インペラは、前記複数の動翼に対して前記インペラディスクとは反対側に位置し、前記複数の動翼のそれぞれに含まれる反インペラディスク側端部に接続されるシュラウドをさらに有し、
    前記シュラウドは、前記吸気孔と向かい合う位置に開口部が形成され、
    前記回転軸に沿った方向において、前記シュラウドと前記インペラディスクとの間の距離は、前記内周側端部側よりも前記外周側端部側のほうが短い温度調和ユニット。
  10. 請求項1記載の温度調和ユニットにおいて、
    それぞれの前記複数の動翼は、前記インペラが回転する方向において、前記内周側端部を前記外周側端部よりも前方に位置する温度調和ユニット。
  11. 請求項1記載の温度調和ユニットにおいて、
    前記インペラは、前記インペラが回転する方向において、前記インペラディスクの外周部から前方へ突出する、複数の静翼をさらに有する温度調和ユニット。
  12. 請求項1記載の温度調和ユニットにおいて、
    前記インペラは、
    前記インペラディスクと平行して位置するディフューザプレートと、
    前記ディフューザプレートが含む前記吸気孔側に位置する面上に、前記回転軸に沿った方向に延伸する、複数の静翼と、
    を有するディフューザを取り付ける構成を有し、
    前記複数の静翼は、前記インペラが回転する方向に、前記インペラディスクの外周部から前方へ突出する温度調和ユニット。
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