JP5874267B2 - 常温硬化性高活性光触媒塗工液及びそれから得られる光触媒薄膜 - Google Patents

常温硬化性高活性光触媒塗工液及びそれから得られる光触媒薄膜 Download PDF

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本発明は光触媒塗工液及びそれから得られる光触媒薄膜に関する。
種々の基材表面に形成された光触媒コーティング薄膜は、その中に含まれる酸化チタン等の光触媒性金属化合物が光の照射により有機物の分解力及び親水性を発揮することから、基材表面の清浄化、脱臭、抗菌等の用途に活用されている。現在、このような光触媒コーティングは、外装用タイル、ガラス、外壁塗装、空気清浄機内部のフィルター、無機系の基材(セラミック、金属等)への応用が主体であるものの、プラスティック材料等の有機材料、意匠性材料への応用も近年盛んに検討されている[特開2006−116461号公報(特許文献1)、特開2006−272757号公報(特許文献2)]。
このような現状にあって、広く利用される光触媒の大部分は粉体であるか、又は粒子径が100nm〜数μmと大きい光触媒粒子が分散したゾルの形態を取るため、得られる薄膜は透明性に乏しい。
また、光触媒粒子塗工液を基材に塗布し硬化させて定着させるために、“バインダ”成分として加水分解シラン、シリコーン樹脂を使用する手段も一般的に使用されている[特許第2756474号(特許文献3)、特許第2865065号(特許文献4)]。しかし、この場合、実際に施工する際には、得られる薄膜の透明度を確保するため、塗工液液中の光触媒固形分を著しく低下させる必要がある。その結果、得られる薄膜は粉体状態の光触媒粒子に比較して酸化分解特性や親水性が著しく劣り、多くの場合、長期にわたって光照射および降雨に晒される条件に限って親水特性が得られるに止まる。
また、この加水分解シランの液は、多くの場合液の安定性を考慮して溶媒として水系溶媒ではなく有機溶剤を用いて調製されることが多いが、それでもポットライフは十分といえず、ポットライフの短さ、作業安全性に関する問題は未解決である。
さらに、薄膜を基材に定着のために数百℃での焼付けを必要とする場合も多く、この場合適切な熱源を用意できない現場施工は困難である。あるいは、薄膜を基材に定着のために著しく長い養生時間を必要とする。
特開2006−116461号公報 特開2006−272757号公報 特許第2756474号 特許第2865065号
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、特に、ポットライフ及び塗工性が良好で、かつ、常温で乾燥、硬化させることができるとともに、透明性が高く、触媒活性の持続期間が長い親水性薄膜を形成することができる光触媒塗工液並びにかかる親水性薄膜を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題点を解決すべく鋭意検討を行った結果、溶媒、特に好ましくは水、又はアルコール等を含む水系混合溶媒に光触媒粒子が分散され、かつ加水分解性ケイ素化合物を水、極性有機溶媒を含む液中、塩基性化合物の存在下で加水分解して得られる加水分解縮合生成物をバインダ成分として特定量含有してなる光触媒塗工液を塗布してなる薄膜が、透明度・硬度に優れ、表面は常に親水性となり、十分な酸化分解能力を維持できており、また、光触媒による超親水性に依存せず、膜自体が水濡れ性を示すため、暗所においても親水性が継続し、セルフクリーニング性が低下しないことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、次の発明を提供するものである。
本発明は、第一に、
(A)光触媒粒子、
(B)バインダ成分、及び
(C)水溶性ルイス酸化合物
を含有する光触媒塗工液であって、
(B)成分のバインダ成分が、(b−1)加水分解性ケイ素化合物を、水及び極性有機溶媒の混合溶媒中において塩基性化合物の存在下で加水分解して得られた加水分解縮合物を含み、
(A)成分の光触媒粒子は該塗工液中に分散しており、
(A)成分と(B)成分の合計に対する(A)成分の割合は0.05〜99.5質量%であり、
(C)成分の水溶性ルイス酸化合物の(B)成分のバインダ成分に対する割合は0.01〜50質量%であり、
該塗工液のpHは5〜8の範囲内にある、
ことを特徴とする光触媒塗工液を提供する。
上記光触媒塗工液の実施形態として、特に、次のものが挙げられる。
・前記加水分解性ケイ素化合物がアルコキシシラン、ハロゲン化シラン、又はそれらの組み合わせである上記光触媒塗工液。
・前記塩基性化合物が、式(2a):
−NH3−y (2a)
(式中、Rは1価の有機基であり、yは1〜3の整数である。)
若しくは、
−N (2b)
(式中、Rは1価の有機基である。)
で表される化合物又は含窒素複素環式化合物である光触媒塗工液。
・(C)成分の水溶性ルイス酸化合物が、金属ホウフッ化物、金属トリフラート化合物又はこれらの組み合わせである、上記光触媒塗工液。
・(B)成分のバインダ成分が、さらに、(b−2)式(3):
−Si(OR (3)
(式中、Rは置換もしくは非置換の一価炭化水素基を表し、Rはアルキル基を示す。)
で表される3官能性シラン化合物の加水分解縮合物を含有する上記光触媒塗工液。
・前記(B)成分のバインダ成分が、さらに、(b−3)水溶性チタン酸系化合物を含有する光触媒塗工液。さらに、該(b−3)成分の水溶性チタン酸系化合物がペルオキソチタン酸である上記光触媒塗工液。
・前記(B)成分のバインダ成分が、さらに、(b−4)水溶性ジルコニウム系化合物を含有する上記光触媒塗工液。そして、該(b−4)成分の水溶性ジルコニウム系化合物が、下記構造式:
(NH4)2ZrO(CO3)2
で表される炭酸アンモニウムジルコニウムである、上記光触媒塗工液。
・前記(A)成分の光触媒微粒子がn型半導体性を有する、金属酸化物の結晶微粒子である上記光触媒塗工液。そして、該n型半導体性を有する、金属酸化物の結晶微粒子に、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、スズ、タングステン、白金、及び金からなる群から選ばれる金属または該金属の化合物が担持されている、該光触媒塗工液。
本発明は、第二に、上記本発明の光触媒塗工液を基材上に塗布し乾燥、硬化させる(特に、常温で乾燥、硬化させる)親水性光触媒薄膜の製造方法を提供する。
本発明は、第三に、該製造方法によって得られる、親水性光触媒薄膜を提供する。該薄膜として、特に、形成直後の水の初期接触角が20度以下であり、清浄な暗所に1ヶ月以上静置後も接触角が20度以下である親水性光触媒薄膜を提供する。
本発明は、第四に、基材と、該基材上に形成された上記発明の光触媒薄膜とを有する、親水性表面を備える物品を提供する。
本発明の光触媒塗工液は、媒体として水系の溶媒を用いることができ、安全かつ基材ダメージの無い塗工液である。該塗工液は常温で硬化が可能であり、得られる薄膜は透明度、硬度、付着汚れに対する酸化分解力に優れ、表面は高く持続性のある親水性を有する。
該塗工液を用いて形成される、本発明の光触媒薄膜は主に無機物で構成されているため、光触媒による薄膜劣化が起こらない。また、該薄膜は、透明度、硬度に優れ、表面は常に親水性を保ち、十分な酸化分解能力や親水性によるセルフクリーニング性が経時で低下し難い。
従って、本発明の光触媒塗工液は、性能、取扱い性、意匠性の維持に優れている。
さらに、本発明の塗工液が特定の3官能性シロキサン化合物の加水分解縮合物、水溶性チタン系化合物、水溶性ジルコニウム系化合物又はこれらの二種以上を組み合わせて含む場合には、耐薬剤性、特に耐強アルカリ性、が向上する。特に、前記3官能性シロキサン化合物の加水分解縮合物((b-2)成分)を含有する場合には、耐薬品性に加えて、有機基材への密着性も向上する。
以下、本発明について詳細に説明する。
−光触媒塗工液−
本発明の光触媒塗工液は(A)光触媒粒子、及び、(B)バインダ成分を含有しているものである。以下、両成分について詳しく説明する。
<(A)光触媒粒子>
光触媒としては、従来知られているいずれのものも使用することができる。光触媒粒子は1種単独で使用しても2種類以上を併用しても良い。光触媒粒子としては、例えば酸化チタン系、酸化タングステン系、酸化亜鉛系、酸化ニオブ系等の、n型半導体である金属酸化物結晶微粒子が使用できる。例えば、結晶状態の、アナターゼ型の二酸化チタン(TiO2)、ルチル型の二酸化チタン(TiO2)、三酸化タングステン(WO3)、酸化亜鉛(ZnO)、Gaドープ酸化亜鉛(GZO)、酸化ニオブ(Nb25)等が使用し得る。
中でも、可視光活性の高いものとしてこれら金属酸化物の結晶内に窒素、硫黄、リン、炭素等をドーピングしたもの、又は表面に銅、鉄、ニッケル、金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、炭素等を担持したものが好適に使用し得る。更に詳しくは、白金を担持したルチル型酸化チタン、鉄を担持したルチル型酸化チタン、銅を担持したルチル型酸化チタン、水酸化銅を担持したルチル型酸化チタン、金を担持したアナターゼ型酸化チタン、白金を担持した三酸化タングステン等である。更に、薄膜の透明度を高め、外観が良好である上で、該微粒子の一次粒子径が微細なものが好適に使用される。即ち一次粒径が1〜100nmの範囲が好ましく、より好ましくは1〜50nmの範囲にあるものである。なお、本明細書において、「平均粒子径」とは、動的光散乱法を用いた粒度分布測定装置によって求めた累積分布の50%に相当する体積基準の平均粒子径をいう。
このような光触媒粒子の市販品としては、例えば、透明度と活性に優れる水系光触媒分散液の状態ではサガンコートTO-85(商品名、ペルオキソ改質アナターゼゾル、平均分散粒径約20nm、鯤コーポレーション製)が挙げられ、また可視光活性が高い光触媒微粒子としてはMPT−623(商品名、可視光応答光触媒、粉体状、白金を担持したルチル型二酸化チタン;石原産業(株)製)が挙げられる。
<(B)バインダ成分>
[(b−1)加水分解性ケイ素化合物の加水分解縮合物]
該バインダ成分は、加水分解性ケイ素化合物を、水及び極性有機溶媒の混合溶媒中において塩基性化合物の存在下で加水分解して得られた加水分解縮合物である。加水分解性ケイ素化合物としては、下記構造式(1)に示す珪素アルコキシド、その縮合物又はこれらの混合物が挙げられる。
Si(OR)(OH)4−x (1)
(式中、Rは1価の炭化水素基又はヒドロカルビルオキシシリル基であり、xは0〜4の整数であり、xが2以上であるとき複数のRは同一でも異なってもよい。)
上記式中。Rで表される基は、通常炭素原子数1〜10、好ましくは1〜4の1価炭化水素基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の炭素原子数1〜4のアルキル基;トリエトキシシリル基等のアルコキシシリル基などのヒドロカルビルオキシシリル基が挙げられる。
これらのうち、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン並びにこれらの部分加水分解物及び縮合物が好適に使用できる。
上記の反応において加水分解に使用される塩基性化合物としては、下記一般式(2a)若しくは一般式(2b)で表される含窒素化合物又は含窒素複素環式化合物が好ましく、これらの化合物は塩の状態であってもよい。
−NH3−y (2a)
(式中、Rは1価の有機基であり、yは1〜3の整数である。)
−N (2b)
(式中、Rは1価の有機基である。)
上記式(2a)及び(2b)中、Rは独立に1価の有機基である。Rは互いに同一であっても異なっていても良い。Rとして具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の炭素原子数1〜4のアルキル基、メチロール基、エチロール基等の炭素原子数1〜3のヒドロキシアルキル基が挙げられる。
なお、該含窒素化合物が第4アンモニウムの形態を取る場合、下記式(3):
・X (3)
(ここで、Xは対アニオンを示す)
で表される塩の状態になっていてもよい。具体的には、Xとしてヒドロキシルアニオン、、ハロゲン化物アニオン(F-、Cl-、Br-、I-)等が挙げられる。第四アンモニウム塩の中では、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドが好適に使用できる。
また、含窒素複素環式化合物としては、例えば、ピリジン、ピラジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、イソキサゾール、オキサゾール、チアゾールなどが挙げられる。好ましくは、ピリジン、イミダゾールである。
上記の反応は水及び極性有機溶媒の混合溶媒中で行われる。極性有機溶媒として、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール)、グリコール類(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール)、グリセリン、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、及びこれらの酢酸エステル類、ケトン類(例えば、アセトン、ダイアセトンアルコール、アセチルアセトン、メチルエチルケトン)が挙げられる。上記極性有機溶媒は、1種単独でも又は2種以上の併用でも使用することができる。これらのうち、酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、トリアセチン、アセトンが好適に使用できる。混合溶媒中の割合は、水が5〜60質量%が好ましく、20〜50質量%がより好ましい。
上記の加水分解反応は、具体的には、加水分解性ケイ素化合物、塩基性化合物、極性有機溶媒、及び水を混合・攪拌することにより進行させることができる。
このとき、加水分解性ケイ素化合物の得られる溶液中の濃度が1〜20質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。塩基性化合物の仕込み量は、加水分解性ケイ素化合物に対して0.1〜10モル倍量が好ましく、0.5〜5モル倍量がより好ましい。反応温度は約10〜約70℃が好ましく、20〜30℃程度の常温がより好ましい。温度が高すぎるとゲル状生成物の生成が促進される
うして生成した加水分解縮合物((b−1)成分)を含む反応溶液が得られる。該溶
液から溶媒を除去し、生成物を水に又はアルコールに溶解し、酸添加又はイオン交換によ
ってpH5〜8に調整することにより(b−1)成分を含むバインダ液として好適に使用
できる。
本発明の(B)成分であるバインダ成分は、上記(b−1)成分以外に、必要に応じて以下に説明する別のバインダ成分を含むことができる。
[(b−2)3官能性シラン化合物の加水分解縮合物]
該バインダ成分は、式(3):
−Si(OR (3)
(式中、Rは置換もしくは非置換の一価炭化水素基を表し、Rはアルキル基を示す。)
で表される3官能性シラン化合物の加水分解縮合物である。
該3官能性シラン化合物の加水分解は、(b−1)成分を得る際の加水分解とともに行ってもよいし、別途加水分解してもよい。
本発明の塗工液において、(b−1)成分/(b−2)成分の割合は、質量比で、90/10〜10/90の範囲が好ましい。
[(b−3)水溶性チタン酸系化合物]
該バインダ成分は、水溶性チタン酸系化合物である。水溶性チタン酸系化合物としては、ペルオキソチタン酸が好ましい。ペルオキソチタン酸とは、酸化チタン系化合物の一種であり、下記構造式に示すような、Ti-O-Ti結合の一部がTi-O-O-Ti結合に転化した化合物である。
Figure 0005874267
ペルオキソチタン酸を含有する塗工液としては、市販品を使用し得る。このような市販の塗工液としては、サガンコートPTAゾル(ペルオキソチタン酸水溶液、ペルオキソチタン固形分濃度1.70質量%;(株)鯤コーポレーション製)、ティオスカイコートTAK−B(ペルオキソチタン酸水溶液、ペルオキソチタン固形分濃度1.70質量%;(株)ティオテクノ製)などが挙げられる。
本発明の塗工液において、(b−1)成分/(b−3)成分の割合は、質量比で、90/10〜10/90の範囲が好ましい。
[(b−4)水溶性ジルコニウム系化合物]
該バインダ成分は、水溶性ジルコニウム化合物である。ここで、水溶性ジルコニウム化合物には、酸化ジルコニウム系化合物が包含される。水溶性ジルコニウム化合物は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。水溶性ジルコニウム化合物としては、例えば、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、酸塩化ジルコニウム(オキシ塩化ジルコニウム)、硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、ギ酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、炭酸ジルコニウムカリウム、オクチル酸ジルコニウム、ジルコニウムテトラノルマルプロポキシド、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムトリブトキシモノアセチルアセトネート、ジルコニウムモノブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムトリブトキシモノステアレート等、これらの加水分解物または部分加水分解物が挙げられる。水溶性ジルコニウム化合物としては、市販品を使用しうる。
本発明の塗工液において、(b−1)成分/(b−4)成分の割合は、質量比で、90/10〜10/90の範囲が好ましい。
<(C)水溶性ルイス酸化合物>
(C)成分の水溶性ルイス酸化合物としては、例えば金属ホウフッ化物及び金属トリフラートが挙げられる。金属ホウフッ化物としては、具体例として、ホウフッ化スズ、ホウフッ化亜鉛、ホウフッ化銅、ホウフッ化マグネシウムが挙げられる。金属トリフラートとしては、具体例として、スズトリフラート、銅トリフラート、亜鉛トリフラート、マグネシウムトリフラート、スカンジウムトリフラート、セリウムトリフラート、ランタントリフラートが挙げられる。なお、トリフラートとは、構造式CF3SO3 - で示される、トリフルオロメタンスルホン酸アニオンを有する塩化合物を意味する。これらの中でも、ホウフッ化スズ、ホウフッ化銅、スズトリフラート、亜鉛トリフラートが好適に使用し得る。
<塗工液の媒体>
本発明の塗工液の媒体は(A)〜(C)成分の溶媒及び/又は分散媒として機能する。該媒体としては水が用いられる。水の他に必要に応じてメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等のアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブを添加でき、エタノール、イソプロパノール及びブチルセロソルブが好ましい。水にこのような有機溶媒を添加して水系混合溶媒とする場合、水の混合溶媒中の割合は80質量%以上が好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。
<光触媒塗工液の調製>
本発明の光触媒塗工液は、あらかじめ溶媒に光触媒粒子を分散させて光触媒分散液を調製し、該光触媒分散液を上記の加水分解性ケイ素化合物の加水分解縮合物(加水分解シリケート)を溶解した溶液と混合、撹拌したのち、水溶性ルイス酸化合物を添加、攪拌することで調製することができる。
上記において、光触媒粒子を分散させる溶媒、及び加水分解縮合物を溶解する溶媒としては、基本的に水が使用され、上述したアルコールやセロソルブを必要に応じて配合した混合溶媒を用いることができるし、調製後に必要に応じて加えることもできる。
該水溶性ルイス酸の添加量は、(B)成分のバインダ成分に対して0.01〜50質量%となる量であり、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましい。0.01質量%未満では硬化の際に加熱が必要となり、50質量%を超えると硬化が過剰に促進され、塗工液のゲル化や白濁が生じる恐れがある。
本発明の光触媒塗工液には上記の光触媒粒子((A)成分)が分散し、かつ上記の加水分解縮合物((b−1)成分)が溶解又は分散している。
本発明の光触媒塗工液中の光触媒濃度は、得られる防汚活性と透明性の兼ね合いから、通常0.01〜10質量%であり、好ましくは0.1〜5質量%である。光触媒濃度が低すぎると薄膜の防汚活性が低下することがあり、該濃度が高すぎると薄膜の透明性が低下し外観を損ねることがある。
また、塗工液中の(A)成分の光触媒と(B)バインダ成分との割合は、(A)成分と(B)成分の合計に対する(A)成分の割合が0.05〜99.5質量%であり、好ましくは5〜95質量%である。(A)成分の割合が5質量%未満であると、得られる薄膜に十分な親水性及び/又は酸化分解による防汚活性が得難く、また95質量%を超えると得られる薄膜の強度が低下し、剥離、割れが生じることがある。
−光触媒薄膜−
本発明の光触媒薄膜は、上記の光触媒塗工液を基材上に塗布し乾燥することによって得られる、親水性光触媒薄膜である。
・基材:
本発明の光触媒塗工液が塗布される基材は、目的とする薄膜を形成することができる限り、特に制限されない。基材の材料としては、例えば有機材料、無機材料が挙げられ、無機材料には例えば、非金属無機材料、金属無機材料が包含される。これらはそれぞれの目的、用途に応じた様々な形状を有することができる。
有機材料としては、例えば塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アクリル樹脂ポリアセタール、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルイミド(PEEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、メラミン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂等の合成樹脂材料;天然、合成若しくは半合成の繊維材料及び繊維製品が挙げられる。これらは、フィルム、シート、その他の成型品、積層体などの所要の形状、構成に製品化されていてよい。
非金属無機材料としては、例えばガラス、セラミック材料が挙げられる。これらはタイル、硝子、ミラー等の様々な形に製品化され得る。
金属無機材料としては、例えば鋳鉄、鋼材、鉄、鉄合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合金、亜鉛ダイキャスト等が挙げられ、これらはメッキが施されてもよいし、有機塗料が塗布されていてもよい。また、非金属無機材料又は有機材料の表面に施された金属メッキ皮膜であってもよい。
上記光触媒塗工液を基材に塗布するには、従来公知のいずれの方法も用いることができる。具体的には、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、印毛塗り法、含浸法、ロール法、ワイヤーバー法、ダイコーティング法、グラビア印刷法、インクジェット法等を利用して塗膜を基材上に形成させることができる。
形成される薄膜の膜厚は、通常1〜500nmの範囲であり、50〜300nmの範囲にあることが好ましい。膜厚が薄すぎると薄膜の強度が低いことがあり、また厚すぎると薄膜に割れが生じることがある。
光触媒塗工液を塗布して塗膜を乾燥、硬化させるには、常温で乾燥させても加熱して乾燥させてもよく、常温でも硬化させることができることが本発明の光触媒塗工液の大きな利点である。ここで、「常温」とは5〜30℃の範囲の温度を意味している。常温で硬化の場合、常温に約5時間前後放置すればよい。それでも、必要に応じて加熱により乾燥、硬化を促進することができ、その場合、50℃〜200℃の温度範囲で1〜120分間加熱処理することが好ましく、特に60〜90℃の温度範囲で5〜60分間処理することが好ましい。
本発明の薄膜は親水性が高く、該薄膜上の水接触角(25℃において。以下、同じ)は、20度以下であることが好ましい。水接触角が20度を超えると、防汚性が低下することがある。該薄膜は形成直後ばかりでなく、経時的にも高い親水性を維持する。したがって、該薄膜上の水接触角は、形成直後ばかりでなく20度以下であることが好ましく、さらに、例えば形成後暗所に一ヶ月以上放置後でも20度以下であることが好ましく、かつ可能である。
また、本発明の薄膜の全光線透過率は85%以上であり、かつヘイズ率が3.5%以下であることが好ましい。該薄膜の全光線透過率が85%未満の場合は、透明性が低下し外観を損ねることがあり、またヘイズ率が3.5%を超えると透明性が低下し外観を損ねることがある。
本発明は基材上に上記薄膜を形成した物品をも提供する。このような物品としては、本発明の光触媒薄膜により有機汚染物の分解、表面の清浄化、脱臭、抗菌、親水性等の硬化が期待される物品であればいずれの物品でもよい。例えば、タイル類(白色タイル、カラータイル、干渉色により発色する光彩タイル)、フィルター(エアコン、空気清浄機、水処理)、ガイシ、皿などの日用品、浴槽、トイレ等の衛生陶器、外装用タイル等のセラミック製品;窓ガラス板、窓ガラス、鏡(大型〜手鏡サイズ)、ガラス板を用いたパネル(タッチパネル、デイスプレイパネル、太陽電池カバーパネル)、ガラス部分を有する照明器具等のガラス製品;コンクリート系壁、モルタル、しっくい、レンガ、大理石等の天然石等の石材;鋼板、塗装鋼板、ガルバリウム鋼板等の金属製品類;窓保護フィルム若しくはシート、断熱フィルム若しくはシート、遮熱フィルム若しくはシート、パネル(タッチパネル、デイスプレイパネル、太陽電池カバーパネル)、照明器具に用いられるアクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートなどからなる透明合成樹脂製品;壁紙、クロス、繊維、テント地、内装ボード、ブラインド、他加工品に用いられる塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などからなる不透明合成樹脂製品等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの例により制限されるものではない。
[調製例1](酸化チタン系光触媒分散液の調製)
光触媒材料として、市販のMPT−623(白金担持二酸化チタン結晶微粒子/ルチル型、一次粒径約20nm;石原産業(株)製)を純水に分散して、平均粒子径が50nmであるような水系分散液を作製し、光触媒濃度1質量%の可視光応答性光触媒分散液として使用した。
[調製例2](バインダ成分及びバインダ液の調製)
水14.3g、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(25質量%水溶液、東洋合成製)8.16g、テトラエチルオルトシリケート(商品名:正珪酸エチル、多摩化学(株)製)4.67g、アセトン(和光純薬工業製、特級)20.0g(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド:テトラエチルオルトシリケートがモル比で4:1となる割合である)を、混合し、常温にて5時間攪拌した。得られた反応液から溶媒を除去して生成物である加水分解縮合物(バインダ成分)を分離した後、該生成物を水に再度溶解させ、該水溶液をイオン交換樹脂(商品名:ダウエックス50W-X8、ダウコーニング製)を充填したカラムを通してpH7.0に調整し、さらに水を加えて最終的な固形分濃度を1.0質量%に調整した。得られたバインダ水溶液を以下「バインダ液1」という。
参考例1〜3]
調製例1で調製した光触媒分散液に調製例2で調製したバインダ液1を加えて混合した後、ホウフッ化スズ(ステラケミファ製)または亜鉛トリフラート(東京化成工業(株))をバインダ成分量に対して5質量%の量添加し、攪拌混合し、各参考例において水を加えて各成分が表1記載の質量濃度になるように、塗工液を調製した。
[比較例1]
バインダ液1に代えて固体シリカゾル系バインダである市販のスノーテックスS(粒径8〜11nmのコロイダルシリカ;日産化学工業(株)製)を使用し、かつ、ホウフッ化スズも亜鉛トリフラートも添加しなかった以外は、参考例1と同様にして塗工液を調製した。各成分の濃度は表1に記載の通りとした。
[比較例2]
バインダ液1に代えて、水溶性バインダである市販のサガンコートPTAゾル(ペルオキソチタン酸の水溶液;(株)鯤コーポレーション製)を使用し、かつ、ホウフッ化スズも亜鉛トリフラートも添加しなかった以外は、参考例1と同様にして塗工液を調製した。各成分の濃度は表1に記載の通りとした。
[比較例3]
バインダ液1に代えて、水-アルコール系バインダである市販のSS-C1(加水分解シロキサンの水-アルコール溶液:コルコート(株)製)を使用し、かつ、ホウフッ化スズも亜鉛トリフラートも添加しなかった以外は、参考例1と同様にして塗工液を調製した。各成分の濃度は表1に記載の通りとした。
[調製例3](バインダ成分及びバインダ液の調製)
水14.3g、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(25質量%水溶液、東洋合成製)8.16g、テトラエチルオルトシリケート(多摩化学製)4.67g、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(製品名KBM-503信越化学工業製)5.20g、アセトン(和光純薬工業製、特級)20.0g(このとき、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド:テトラエチルオルトシリケート:γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランのモル比は4:1:1)を混合し、常温にて5時間攪拌した。得られた反応溶液から溶媒を除去して生成物である加水分解縮合物(バインダ成分)を得、この生成物を水に再度溶解させて得た水溶液をイオン交換樹脂(ダウエックス50W-X8, ダウコーニング製)を充填したカラムに通してpH=7.0に調整し、水を加えて最終的な固形分濃度が1.0質量%となるように調整した。こうして得られたバインダ液を「バインダ液2」という。
[調製例4](バインダ成分及びバインダ液の調製)
γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの代わりにグリシドキシプロピルトリメトキシシラン(製品名KBM-403,信越化学工業製)5.0gを使用し、かつ、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド:テトラエチルオルトシリケート:グリシドキシプロピルトリメトキシシランのモル比が4:1:1となるように混合した以外は、調製例3と同様の条件にてバインダ成分を得、バインダ液を調製した。該バインダ液を「バインダ液3」という。
参考例4]
調製例1で調製した光触媒分散液に調製例3で調製したバインダ液2を加えて混合した後、ホウフッ化スズ(ステラケミファ製)をバインダ液2中のバインダ成分量に対して5質量%の量添加し、攪拌混合し、その後水を加えて各成分が表2記載の質量濃度になるように、塗工液を調製した。
参考例5]
調製例1で調製した光触媒分散液に調製例4で調製したバインダ液3を加えて混合した後、ホウフッ化スズ(ステラケミファ製)をバインダ液3中のバインダ成分量に対して5質量%の量添加し、攪拌混合し、その後水を加えて各成分が表2記載の質量濃度になるように、塗工液を調製した。
[比較例4]
バインダ液2に代えて水ガラス系バインダである市販のFJ-294(グランデックス(株)製)を使用し、かつ、ホウフッ化スズを添加しなかった以外は、参考例4と同様にして塗工液を調製した。各成分の濃度は表2に記載の通りとした。
[調製例5](バインダ液の調製)
調製例2で調製したバインダ液1と、市販のペルオキソチタン酸(製品名:サガンコートPTA-85;鯤コーポレーション製)水溶液とを、得られる混合液中のペルオキソチタン酸の濃度が0.05質量%となるように混合した。得られた混合液を「バインダ液4」という。
[調製例6](バインダ液の調製)
調製例2で調製したバインダ液1と、市販のペルオキソチタン酸(製品名:サガンコートPTA-85;鯤コーポレーション製)水溶液とを、得られる混合液中のペルオキソチタン酸の濃度が0.15質量%となるように混合した。得られた混合液を「バインダ液5」という。
参考例6]
調製例1で調製した光触媒分散液に調製例5で調製したバインダ液4を混合した後、ホウフッ化スズ(ステラケミファ製)をバインダ液4中のバインダ成分量に対して5質量%の量添加し、攪拌混合し、その後水を加えて各成分が表3記載の質量濃度になるように、塗工液を調製した。
参考例7]
調製例1で調製した光触媒分散液に調製例6で調製したバインダ液5を混合した後、ホウフッ化スズ(ステラケミファ製)をバインダ液5中のバインダ成分量に対して5質量%の量添加し、攪拌混合し、その後水を加えて各成分が表3記載の質量濃度になるように、塗工液を調製した。
[調製例7](バインダ液の調製)
調製例2で調製したバインダ液1と、市販の炭酸ジルコニウムアンモニウム(製品名:AC-7;第一稀元素化学製)水溶液を、得られる混合液中の炭酸ジルコニウムアンモニウムの濃度が0.05質量%となるように混合した。得られた混合液を「バインダ液6」という。
[調製例8](バインダ液の調製)
調製例2で調製したバインダ液1と、市販の炭酸ジルコニウムアンモニウム(製品名:AC-7;第一稀元素化学製)水溶液を、得られる混合液中の炭酸ジルコニウムアンモニウムの濃度が0.15質量%となるように混合した。得られたバインダ液を「バインダ液7」という。
[実施例8]
調製例1で調製した光触媒分散液に調製例7で調製したバインダ液6を混合した後、ホウフッ化スズ(ステラケミファ製)をバインダ液6中のバインダ成分量に対して5質量%の量添加し、攪拌混合し、その後水を加えて各成分が表4記載の質量濃度になるように、塗工液を調製した。
[実施例9]
調製例1で調製した光触媒分散液に調製例8で調製したバインダ液7を混合した後、ホウフッ化スズ(ステラケミファ製)をバインダ液7中のバインダ成分量に対して5質量%の量添加し、攪拌混合し、その後水を加えて各成分が表4記載の質量濃度になるように、塗工液を調製した。
−試料の作製−
基材として、A4サイズにカットしたPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(厚さ50μm)を用い、その表面にコロナ放電処理を行ったのち、実施例又は比較例の分散液を塗布し、25℃(常温)、5時間加熱、乾燥して厚さが約200nmとなるように光触媒薄膜を形成した。
−光触媒薄膜の物性評価−
試料の光触媒薄膜について各種物性を以下のようにして測定し評価した。
・表面張力(静的/動的)
・・水接触角:
接触角計CA−A(協和界面科学(株)製)を用いて測定した。
・・暗所1ヶ月放置後の接触角:
試料フィルムに365nmのUVを1mw/cmで24時間照射した後、該フィルムを気密容器に入れて遮光し、1ヵ月後に取り出して接触角計CA−Aで測定した。
・・表面の動的濡れ張力:
ぬれ張力試験用混合液No.22.6〜No.73.0(和光純薬工業(株)製)を綿棒で試料の薄膜表面に塗布し、塗布した液膜が10秒間弾かれずに保持されているときの、濡れ張力試験用混合液の濡れ張力の値を濡れ張力(mN/m)とした。
・鉛筆硬度
試料の薄膜の硬度を、JIS K5600−5−4に準拠して、引っかき硬度(鉛筆法)試験器(コーテック(株)製)を用いて測定した。該JISの規定では全て不合格となった場合には、該薄膜を指擦りを行って、膜に肉眼で認められる傷の発生の有無を観察した。この指擦りで傷の発生が認められた場合には硬度不良と評価し、「×」と示した。ここで、「指擦り」とは薄膜表面に人指し指の腹部分を当てて軽く圧しながら上下に10cm程度往復させて擦る操作を行うことをいう。
・外観(濁り、着色の有無)
前記の試料作製の際に、基材フィルムの表面に部分的に光触媒分散液を塗布することによって、光触媒薄膜を形成した部分と形成しない部分と作った。薄膜形成部を薄膜非形成部と目視により観察し、薄膜に明らかな濁りや着色が認められるか否か調べた。
・薄膜の膜厚測定
薄膜測定装置F−20(FILMETRICS社製)、及び走査型電子顕微鏡S−3400NX((株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて測定した。
・塗工液内の光触媒微粒子の平均粒子径
マイクロトラックUPA−EX(日機装(株)製)を用いて測定した。
・光触媒活性
上記試料フィルムを、内部にブラックライトを3本備えた容積5Lの密閉型チャンバーに入れた。該チャンバー内は、50%湿度の空気(窒素と酸素の比が4:1)で満たされており、この中に濃度20ppmとなるようにアセトアルデヒドガスを封入した。
この状態で1時間程度静置した後、ブラックライトを点灯し、試料表面での光量が1.0mW/cm2となる条件下で、アセトアルデヒドガスの減少挙動を追跡した。アセトアルデヒドガス濃度の測定には、光音響マルチガスモニタ(INNOVA製;1412型)を用い、濃度が0.01ppmとなるまでの時間を測定し、光触媒活性とした。
・耐アルカリ性
水酸化ナトリウム(和光純薬工業製)の1モル/L水溶液を調製し、この中に試料の薄膜を浸漬し、24時間後にキムワイプにてふき取りし、傷の有無を見た。傷が生じたものを不良と評価して「×」で示し、生じないものを良好と評価して「○」で示した。
・有機基材への密着性
薄膜にJIS K5400に準じてクロスカット碁盤目テープ剥離試験を実施した。クロスカットによって作製した100マス中、剥離しないで残存しているマス目の個数を示す。
・総合評価
硬度3H以上であり、外観の変化がなく、かつ光触媒活性試験で12時間以内に光触媒活性のあるものを良好と評価し「○」で示した。
上記の測定及び評価の結果を表1〜4に示す。なお、形成された薄膜の膜厚はいずれも200nmであった。
なお、比較し易いように、表2には比較例2及び3を再掲し、有機基材への密着性、耐アルカリ性の結果も示した。
表3には同様の趣旨で比較例1及び3を再掲した。また、表4には比較例2〜4を再掲した。
Figure 0005874267
表1の結果から、参考例1〜3の塗工液から得られた薄膜が最も薄膜特性が良かった。光触媒:バインダ成分が同一比率である参考例1と比較例1〜3で比較すると、参考例1の薄膜が外観・硬度等の膜物性に優れ、また酸化分解活性も非常に高く維持されている。比較例1−3の塗工液はいずれも常温5時間では硬化せず、指擦りにより容易に脱落し、また光触媒として十分な特性も得られなかった。
Figure 0005874267
表2の結果から、参考例4,5の塗工液から得られた薄膜が最も薄膜特性が良かった。一般的なバインダを用いた比較例の塗工液はいずれも、常温硬化では十分な特性が得られなかった。光触媒:バインダ成分の比はいずれも同一であるが、参考例4,5と比較例2−4を比較すると、参考例4の薄膜が外観・硬度、密着性、アルカリ耐性等の膜物性に優れ、また酸化分解活性も非常に高く維持されている。比較例4より、FJ-294のみで形成した膜は、中性域にてやや白濁し、また耐アルカリ性、有機物密着性、光触媒活性には劣っていた。比較例2のペルオキソチタン酸のみで形成した薄膜は着色があり、比較例3のSS-C1で形成した膜は製膜性には優れていたものの、有機物へは密着せず、光触媒の特徴である酸化分解能力が著しく低下していた。

Figure 0005874267
表3の結果から、参考例6,7の塗工液から得られた薄膜が最も薄膜特性が良かった。光触媒:バインダ成分の比はいずれも同一であるが、参考例と比較例1、3,4を比較すると、参考例6,7の薄膜が外観・硬度、密着性、アルカリ耐性等の膜物性に優れ、また酸化分解活性も非常に高く維持されている。比較例4でFJ-294のみで形成した膜は、中性域にてやや白濁し、また耐アルカリ性、光触媒活性には劣っていた。スノーテックスのみで形成した薄膜は本条件では硬化不十分であり、SS-C1で形成した膜は製膜性には優れていたものの、光触媒の特徴である酸化分解能力が著しく低下していた。比較例1、3,4では、いずれも常温5時間では十分に硬化せず、指擦りによって容易に脱落し、また光触媒として十分な特性を示さなかった。
Figure 0005874267
表4の結果から、実施例8、9の塗工液から得られた薄膜が最も薄膜特性が良かった。光触媒:バインダ成分の比はいずれも同一であるが、実施例と比較例2〜4を比較すると、実施例8、9の薄膜が外観・硬度、アルカリ耐性等の膜物性に優れ、また酸化分解活性も非常に高く維持されている。比較例においてFJ-294のみで形成した膜は、中性域にてやや白濁し、また耐アルカリ性、光触媒活性には劣っていた。比較例2でPTAのみで形成した薄膜は着色があり、比較例3でSS-C1で形成した膜は製膜性には優れていたものの、光触媒の特徴である酸化分解能力が著しく低下していた。比較例2〜4の塗工液はいずれも常温5時間では硬化せず、指擦りにより容易に脱落し、また光触媒として十分な特性も得られなかった。
本発明の光触媒薄膜は、光の照射により有機物の分解力及び親水性を発揮することから、基材表面の清浄化、脱臭、抗菌等の用途に活用され、例えば外装用タイル、ガラス、外壁塗装、空気清浄機内部のフィルター、セラミック、金属等の無機系の基材、プラスティック材料等の有機材料に利用されている。本発明の光触媒塗工液は該光触媒薄膜の形成に有用である。

Claims (12)

  1. (A)成分の光触媒粒子を溶媒に分散し、
    別途、(b−1)下記構造式(1)
    Si(OR) (OH) 4−x (1)
    (式中、Rは1価の炭化水素基又はヒドロカルビルオキシシリル基であり、xは0〜4の整数であり、xが2以上であるとき複数のRは同一でも異なってもよい。)
    で表される珪素アルコキシド、その縮合物又はこれらの混合物を含む加水分解性ケイ素化合物を、水及び極性有機溶媒の混合溶媒中において塩基性化合物の存在下で加水分解して得られた加水分解縮合物と、(b−4)水溶性ジルコニウム系化合物を混合し、(B)成分のバインダ成分を得、
    上記(A)成分、(B)成分及び(C)水溶性ルイス酸化合物を下記割合で混合する工程、及びpHを5〜8の範囲内に調整する工程を有する光触媒塗工液の製造方法。
    (A)成分と(B)成分の合計に対する(A)成分の割合は0.05〜99.5質量%
    (C)成分の水溶性ルイス酸化合物の(B)成分のバインダ成分に対する割合は0.01〜50質量%
  2. 前記塩基性化合物が、式(2a):
    −NH3−y (2a)
    (式中、Rは1価の有機基であり、yは1〜3の整数である。)
    若しくは、
    −N (2b)
    (式中、Rは1価の有機基である。)
    で表される化合物又は含窒素複素環式化合物である請求項1に係る光触媒塗工液の製造方法
  3. (C)成分の水溶性ルイス酸化合物が、金属ホウフッ化物、金属トリフラート化合物又はこれらの組み合わせである、請求項1又は2に記載の光触媒塗工液の製造方法
  4. (B)成分のバインダ成分が、さらに、式(3):
    −Si(OR (3)
    (式中、Rは置換もしくは非置換の一価炭化水素基を表し、Rはアルキル基を示す。)
    で表される3官能性シラン化合物の加水分解縮合物を含有する請求項1〜3のいずれか1項に係る光触媒塗工液の製造方法
  5. (B)成分のバインダ成分が、さらに、(b−3)水溶性チタン酸系化合物を含有する請求項1〜4のいずれか1項に係る光触媒塗工液の製造方法
  6. (b−3)成分の水溶性チタン酸系化合物がペルオキソチタン酸である、請求項5に係る光触媒塗工液の製造方法
  7. (b−4)成分の水溶性ジルコニウム系化合物が、下記構造式:
    (NH4)2ZrO(CO3)2
    で表される炭酸アンモニウムジルコニウムである、請求項1に係る光触媒塗工液の製造方法
  8. (A)成分の光触媒微粒子がn型半導体性を有する、金属酸化物の結晶微粒子である請求項1〜7のいずれか1項に係る光触媒塗工液の製造方法
  9. 前記のn型半導体性を有する、金属酸化物の結晶微粒子に、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、スズ、タングステン、白金、及び金からなる群から選ばれる金属および/または該金属の化合物が担持されている、請求項8に係る光触媒塗工液の製造方法
  10. 媒体として、水を用いる請求項1〜9のいずれか1項に係る光触媒塗工液の製造方法
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法により光触媒塗工液を製造し、該光触媒塗工液を基材上に塗布し乾燥、硬化させる工程を有する親水性光触媒薄膜の製造方法。
  12. 光触媒塗工液を基材上に塗布し、乾燥、硬化させる工程を常温で行う請求項11に係る製造方法。
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