JP5869394B2 - 熱媒体配管システム - Google Patents
熱媒体配管システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP5869394B2 JP5869394B2 JP2012070874A JP2012070874A JP5869394B2 JP 5869394 B2 JP5869394 B2 JP 5869394B2 JP 2012070874 A JP2012070874 A JP 2012070874A JP 2012070874 A JP2012070874 A JP 2012070874A JP 5869394 B2 JP5869394 B2 JP 5869394B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- air conditioner
- pump
- piping system
- heat medium
- return
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Other Air-Conditioning Systems (AREA)
- Air Conditioning Control Device (AREA)
Description
従来、建物の空調設備では、空調機毎に異なる熱負荷を熱媒体との熱交換できちんと対応処理させるため、空調機のコイル毎に備える二方弁で熱媒体流量を制御することが最も一般的であり、熱源機から空調機へ冷温水を搬送する際に、熱源機の圧損とその周りの配管圧損の揚程を受け持つ一次ポンプと、空調機等の熱負荷側圧損と長い配管系圧損とを受け持つ二次ポンプとに熱媒体循環系を分担させて、一次ポンプ、二次ポンプとも機械室に設置して一括して送水し、空調機個々(又は空調機群毎)に設置した二方弁の開度調整によって各コイルでの熱媒体流量を変えることで、熱負荷の変動に対応していた。
そこで、様々なパラメータを記憶して、推定末端差圧制御を行う二次ポンブ制御によって、部分負荷時に空調機の流量不足を生じない範囲で往還差圧の設定値を小さく変更することで、インバータ制御によるポンプ動力の削減効果を大きくする技術が開示されている(例えば、特許文献1の図1参照)。
図19に示す熱媒体配管システムは、冷凍機又はボイラのような熱源機1と、熱源機1の出口側に接続されて冷水又は温水等の熱媒体が送給される往き主管2と、往き主管2から分岐した複数の往き管3と、入口側が各往き管3に接続されて互いに並列配置される空調機4と、各空調機4の出口側に接続される還り管5と、各還り管5が合流するように接続されると共に、熱源機1の入口側に接続される還り主管6と、往き主管2側においては、最も熱源機1側の空調機4よりも熱媒体流れ方向上流側において往き主管2に接続され、還り主管6側においては、最も熱源機1側の空調機4よりも熱媒体流れ方向下流側において還り主管6に接続されたバイパス管7とを備えている。
還り主管6には、バイパス管7の還り主管6との接続位置に設けた還りヘッダ18よりも熱源機1側において熱源ポンプ(一次ポンプ)8が接続されると共に、往き主管2の第一往きヘッダ17より熱媒体流れ方向側において羽根車を駆動するモータの回転数がインバータ制御可能な二次ポンプ9が接続され、二次ポンプ9の吐出側に設けた第二往きヘッダ19が設けられている。
各還り管5には二方弁10が設けられている。
各空調機4によって空調が行われる空調対象領域11には、制御対象領域の空気温度を計測する温度センサ12と、温度センサ12からの計測信号と設定されている設定温度との偏差に基づいて演算した出力にて二方弁10の開度調整を行う温度制御装置(TIC)13とが設置されている。
二次ポンプコントローラ16は、先ず、還り主管6に設けた流量計15での負荷流量測定値を入力され、予め設定している演算式によって差圧の設定値を演算決定する。次に、入力されている差圧計14で測定されるヘッダ間の差圧の計測値と、現状の流量計測定値における演算決定差圧設定値との偏差に基づいてPID演算された二次ポンプ9のインバータ周波数に対応する出力信号を出力する。
また、残りの熱媒体は、二次ポンプ9によりさらに往き主管2へ送給され、往き管3から空調機4へ導入されて冷熱又は温熱を消費し、還り管5を通って還り主管6へ流入し、バイパス管7からの熱媒体と共に熱源機1へ戻る。この際、空調機4を通る熱媒体は、空調機4を経て空調対象領域11に送給される空気により空調対象領域11が所定の空気温度になるよう、温度制御装置13によって二方弁10の流量制御を行う。また、バイパス管7で熱媒体の冷熱又は温熱を消費せず熱源機1に戻すのは、第一往きヘッダ17及び還りヘッダ18の空調機4側である二次側配管系では複数の二方弁10の開閉に伴って熱媒体の流量が大きく変動するが、熱源機1が不具合を起こさないようにするため最低確保すべき熱源機1の熱媒体流量が決まっており、その流量を確保するためである。
しかし、図19に示す熱媒体配管システムでは、空調機4毎の負荷が偏在する場合においても、空調機4の流量不足を発生させないように、往還差圧の設定値は、余裕をもって設定せざるを得ない。そのため、設定値を大きくした分だけ配管系に二方弁10の絞り抵抗が生じ、ポンプ動力が増加するという問題がある。
逆に、往還差圧の設定値を必要以上に小さくしすぎると、空調機4の流量不足が発生してしまうため、ポンプ動力の削減効果をできるだけ発揮させるための往還差圧の設定値の決め方が難しいという問題がある。
図20に示す熱媒体配管システムでは、往き主管2と還り主管6との間の往き管3及び還り管5を含む分散系に、複数の空調対象領域11をそれぞれ独立して空調するために、上流側から下流側に向かって羽根車を駆動するモータの回転数がインバータ制御可能な空調機ポンプ20と、空調機4と、全開及び全閉が可能な二方弁21とを順に配管22に備えている。
そして、二次ポンプ9と空調機ポンプ20とで揚程を分担し、各分散系に負荷が少しでもあれば、空調機ポンプ20は運転する。
どの分散系の空調機ポンプ20においても、そのサクションで大気圧より負圧にならないように、二次ポンプ9は、定格流量と定格揚程を最大値とする二次曲線上を流量計15の測定流量に応じて動かし揚程圧力設定値を演算し、往き主管2及び還り主管6の間の差圧(往還差圧)を差圧計14で測定しその流量での設定値になるよう圧力制御装置16で制御している。
二方弁21は、全開時に関係と同じ内径となって圧力損失が無く、自身の分散系の負荷がなくなった場合、閉鎖されて隣の空調機ポンプ20の圧力による逆流を防止する。
この場合、システム全体の消費電力を小さくするためには、二次ポンプ9で制御する往還差圧の設定値をできる限り大きくとり、二次ポンプ9の仕事量の割合を増やせばよい。
しかし、図20に示す熱媒体配管システムでは、空調機ポンプ20に対する背圧が大きくなり空調機流量が制御不能になることを避けるには、空調機廻りの情報が必要となり制御が困難である。
開閉弁は、全開時に分岐管と同じ内径となりそうなボール弁やバタフライ弁で圧力損失が無く、自身の分散系の負荷がなくなった場合、閉鎖されて隣の分散ポンプ圧による逆流を防止するように構成されている。開閉弁は、特許文献3では二方弁のような流量制御するものではない。
しかし、特許文献3には、熱媒体往き主管と熱媒体還り主管との差圧を測定する技術も、それにより制御される二次ポンプも存在しないため、図20に示す熱媒体配管システムにおける不具合を解消することはできない。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の熱媒体配管システムにおいて、前記圧力制御装置は、前記二次ポンプの定格流量Q0における定格揚程P0から、定格流量Q0における往還差圧P0を前記負荷流量と設定差圧との関係式の基準点とし、前記差圧の設定値を、前記流量計の計測負荷流量値の二乗に比例して変化させることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4の何れか記載の熱媒体配管システムにおいて、前記制御対象領域の温度制御装置は、前記空調機ポンプの回転数調整による制御時には前記二方弁を全開とし、前記空調機ポンプの回転数が下限値となった場合に、前記二方弁の開度調整によって制御させるように、前記空調機ポンプの回転数調整と前記二方弁の開度調整とを行うことを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1乃至6の何れか記載の熱媒体配管システムにおいて、前記第一出力調整装置及び前記第二出力調整装置は、レシオバイアス設定器であることを特徴とする。
そのため、空調機の流量不足を発生させることなく、往還差圧の設定値を理想通りに下げることができると共に、二方弁の絞り抵抗が小さくなり、空調機ポンプを含めたポンプ動力を低減することができる。
また、二次ポンプの往還差圧の設定値は定格流量時の値を基準とした負荷流量の二乗に比例曲線で設定するが、定格流量時の値を二方弁の開度調整がない範囲で可能な限り大きくとることで、二次ポンプの仕事量の割合が大きくなり、システム全体の消費電力が小さくできる。
また、二次ポンプ廻りと各空調機廻りの制御は切り離して構成できるため、制御が容易に構成できる。
図1〜図18は、本発明の一実施形態に係る熱媒体配管システムを示す説明図である。なお、図19、図20と同一記号の構成は同一機能を表す。
本実施形態に係る熱媒体配管システムは、図20に示す熱媒体配管システムと同様に、熱源機1側の冷温水を循環させる一次ポンプ8と空調機4側への冷温水を循環させるインバータ等による回転数制御可能な二次ポンプ9とで構成されるツーポンプシステムであり、複数の空調対象領域11をそれぞれ独立して空調するための空調機配管系である温度制御配管系Xと、熱媒体主搬送ループYとを備えている。
各温度制御配管系Xによって空調される空調対象領域11には、空調機ポンプ20のインバータ20aの回転数及び二方弁10の開度の制御を行う制御対象領域の温度制御装置Zを備えている。
還り主管6には、バイパス管7の還り主管6との接続位置に設けた還りヘッダ18よりも熱源機1側において一次ポンプである熱源ポンプ8が接続されると共に、第一往きヘッダ17より熱媒体流れ方向側の往き主管2には羽根車を駆動するモータの回転数がインバータ制御可能な二次ポンプ9が接続され、二次ポンプ9の吐出側に第2往きヘッダ19が設けられている。
圧力制御装置16では、流量計15で測定した負荷流量測定値を入力され、予め与えられた負荷流量と設定差圧との関係式により差圧の設定値を演算し、差圧計14で測定した差圧測定値と演算した前記差圧の設定値との偏差に基づいて、例えば、PIやPID演算した圧力制御出力により、二次ポンプ9のインバータ9aを制御する。
二次ポンプ9は、コイルや弁を含む配管抵抗が流量のほぼ二乗に比例する特性を考慮し、差圧計14で測定した往還差圧(≒二次ポンプ9の揚程)が、全ての空調機4の流量の合計である負荷流量の二乗に比例した値になるよう、圧力制御装置16に予め与えられている負荷流量と設定差圧との関係式によって設定されて制御される。
各空調機4の負荷傾向にバラツキが見られた場合には、全体負荷の平均より負荷の高い系統は、二次ポンプ9による仕事量が相対的に小さくなるため(二次ポンプ9による押込み圧が小さくなるため)、熱負荷に対応した流量を確保するために空調機ポンプ20のインバータ20aの回転数が上昇していく。反対に、全体負荷の平均より負荷の低い系統は、二次ポンプ9による仕事量が相対的に大きくなるため(二次ポンプ9による押込み圧が大きくなるため)、空調機ポンプ20のインバータ20aの回転数が下降し、さらに下限回転数(下限周波数)に達すると、二方弁10の開度を絞り、熱負荷に応じた流量に調整する。
それぞれの空調機ポンプ20の能力は、二次ポンプ9の揚程がゼロであっても、それぞれの各空調機4の定格流量を確保できるよう、第一往きヘッダ17から還りヘッダ18までの圧力損失を賄うだけの定格揚程にて定格流量を流せる能力を有している。二次ポンプ9は全体負荷の平均とみることができる負荷流量によって往還差圧を決定しているため、各空調機4で熱負荷がばらついた場合、特に極端に熱負荷が小さい系統が多数あり、定格の熱負荷がある系統が少数ある場合、定格の熱負荷がある系統にとって二次ポンプ9の仕事量は極端に小さくなり、その分空調機ポンプ20の仕事量を増やさなければならない。
空調機ポンプ20と二方弁10とによって、一般的なシステムと同じように、制御対象領域の空気温度を一定にするように冷温水量を調整して熱負荷を処理する。制御対象領域の空気温度は、空調機4が変風量の場合は給気温度、空調機4が定風量の場合は代表室の室内空気温度となる場合が多い。
制御対象領域の空気温度の制御は、空調機ポンプ20のインバータ20aの回転数調整と二方弁10の開度調整とによって行うが、二方弁10の開度調整より空調機ポンプ20のインバータ20aの回転数調整を優先させる。つまり、空調機ポンプ20のインバータ20aの回転数調整による制御時には二方弁10が全開となり、空調機ポンプ20インバータ20aの回転数の下限値となった場合に、二方弁10の開度調整によって制御させるようにする。
制御量である制御対象領域の空気温度Tを温度制御装置30に入力し、制御対象領域の空気温度Tとその設定値Tspとの偏差に基づいてPI又はPID演算し、制御出力X(0〜100%)を決定する。この温度制御装置30からの制御出力X(0〜100%)を、空調機ポンプ20のインバータ20aと二方弁10とにそれぞれに設けたレシオバイアス設定器等の第一出力調整装置31、第二出力調整装置32に入力し、ある基準値(例えば、50%)〜100%の制御出力Xの値を、空調機ポンプ20のインバータ20aへの制御出力XINVとしての0〜100%に割付て出力し、0%〜ある基準値(例えば、50%)の制御出力Xの値を、二方弁10への制御出力Xvalveとしての0〜100%に割付て出力する。
また、温度制御装置30と第一出力制御装置31、第二出力装置32における比例帯は、実際のシステムの応答性に合わせて現地で調整するパラメータである。
図3に示す定格条件である運転状態Aから、空調機41〜44の負荷が均等に減少(負荷流量が100L/minから50L/minに減少)して図4に示す運転状態Bに変化するときの、各制御機器の制御動作について説明する。
各制御機器は、それぞれ個別の制御対象を制御しているが(空調機ポンプ20と二方弁10とはそれぞれ制御対象領域の空気温度Tを、二次ポンプ9は往還差圧を)、以下のような動作によって、最終的には運転状態Bでバランスする。
ここで、二次ポンプ9のインバータ9aの制御は、圧力制御装置16によって下記のように制御される。先ず、流量計15で測定した負荷流量Qを入力し、予め設定している演算式(Psp=aQ2)によって、差圧(往還差圧)の設定値Pspを演算する。ここで、aは定格時の流量と揚程とから予め設定しておく値であり、この例の場合は、a=(200/4002)である。次に、差圧計14で測定したヘッダ18,19間の差圧(往還差圧)を入力し、ヘッダ18,19間の差圧(往還差圧)が演算式(Psp=aQ2)で演算された設定値PspになるようにPID演算された値に基づいて行われる。
定格条件である運転状態Aでは、システム全体の搬送消費電力を小さくするため、当然二次ポンプ9の圧力つまり揚程が大きく設定され、容量の小さい空調機ポンプ20の揚程は極限に小さい0とされるべきである。よって、空調機41〜44にそれぞれ連なる空調機ポンプ20の揚程は0kPa、空調機41〜44のコイル抵抗は何れも80kPa、二方弁の全開時抵抗は20kPaである。そのため、空調機41〜44の入口側の圧力は250kPa、流量は100L/minとなり、空調機41〜44の出口側の圧力は170kPaとなり、還り主管6との接合部の圧力は150kPaとなる。
これに基づいて、空調機ポンプ20のインバータ20aは、第一出力調整装置31で求められたインバータ制御出力46%(インバータ制御出力の0〜100%をインバータ20aの周波数の0〜50Hzに割り当てる場合は23Hz、以下同様の考え方とする。)によって羽根車の回転周波数が制御される。図7は、空調機ポンプ20の運転状態を示す。揚程は0kPaであるが、当然搬送すべき流量100L/min搬送している。
また、二方弁10は、図6にあるように、第二出力調整装置32で割付直された二方弁制御出力100%を出力し、二方弁10の開度が全開に制御される。
還り主管6の配管抵抗は50kPaであるから、還りヘッダ18における圧力は100kPaとなり、基準圧力(膨張タンク接続位置)に一致する。
図8に示すように、空調機41〜44の負荷が減少すると制御対象領域の空気温度の測定値PVが矢印方向に低下し、制御出力が70%から40%になる。このとき、それぞれの温度制御配管系への制御出力も同様に減少し、第一出力調整装置31を介して割付直された出力は0%、つまり空調機ポンプ20のインバータ20aの周波数が最低周波数(例えば、5Hz)まで減少することとなり、第二出力調整装置32を介して割付直された出力は、二方弁の開度調整信号として80%を出力する。
次に、全体の負荷流量が400L/minから200L/minへ2分の1に低下するため、図9に示すように、二次ポンプ9は負荷流量の二乗に比例した圧力、つまり200kPaの4分の1である50kPaになるように、圧力制御装置16に予め与えられている抵抗曲線=設定圧力(Psp=aQ2)(但し、aは係数、Qは流量)上を変化させ、結果、インバータ9aの周波数を50Hzから25Hzに減少させる。
以上の過程を経て、図4に示す運転状態B(空調機41〜44の負荷流量が均等に50L/minに減少した状態)になる。
なお、以上の制御動作については、制御機器の動作を分かりやすく説明するために制御量を急激に変化させているが、実際の変化は緩やかであるため、このように急激に制御量が変化することはない。また、運転状態Bにおける設置値SPと測定値PVとの差(オフセット)は、積分動作によって取り除かれる。
各制御機器はそれぞれ個別の制御対象を制御しているが(空調機ポンプ20と二方弁10とはそれぞれの制御対象領域の空気温度Tを、二次ポンプ9は往還差圧を)、以下のような動作によって、最終的には運転状態Cでバランスする。
次に、図3に示す運転状態Aから図12に示す運転状態Cへの途中過程を説明する。
先ず、空調機41の負荷が減少すると制御対象領域の空気温度の測定値PVが低下する。このとき、空調機41系統の温度指示調節計(TIC)30からの制御出力が減少し、図13に示すように、空調機41の負荷が減少すると制御対象領域の空気温度の測定値PVが矢印方向に低下し、制御出力が70%から15%になる。このとき、空調機41系への制御出力も同様に減少し、第一出力調整装置31を介して割付直された出力は0%、つまり空調機ポンプ20のインバータ20aの周波数が最低周波数(例えば、5Hz)まで減少することとなり、第二出力調整装置32を介して割付直された出力は、二方弁10の開度調整信号として30%に減少する。
次に、二次ポンプ9の揚程が200kPaから128kPaに減少するため、各空調機系統における押し込み圧力が低下し、全体的に流量が減少する。この結果、図15に示すように、空調機41で、負荷を処理するために必要な流量が流れなくなり、制御対象領域の空気温度の測定値PVが上昇するため、制御出力が15%から30%に増加し、空調機ポンプ20のインバータ20aの周波数が5Hzのまま、二方弁10の開度信号は30%から60%に増加する。図16は、空調機41の系統の空調機ポンプ20の運転状態を示しており、インバータ20aの周波数が運転状態Aの23Hzから運転状態Cの5Hzに減少したことで、流量100L/minから20L/minに減少している。
以上の過程を経て、図12に示す運転状態C(空調機41の負荷流量が20L/minに減少した状態)になる。
試算条件
例えば、各空調機41〜44の流量が以下の条件になった場合、
空調機41:100L/min
空調機42:80L/min
空調機43:60L/min
空調機44:40L/min
(このとき共通往還配管の流量:280L/min)
配管抵抗は流量の二乗に比例するので、それぞれの配管抵抗は以下となる。なお、図19、図20に示す従来の熱媒体配管システムにおける空調機4を、図3、図4、図12と同様に空調機41〜44として説明する。
空調機42循環配管:64kPa[=100×(80/100)2kPa]
空調機43循環配管:36kPa[=100×(60/100)2kPa]
空調機44循環配管:16kPa[=100×(40/100)2kPa]
共通往還配管:49kPa[=100×(280/400)2kPa]
以上の条件で、各システムの動力を試算すると、表1、表2、表3のようになる。
Pw=ρgQH/1000=ρg(Q′/60000)(H′/9.8)/1000
=Q′H′/60000
ρ:密度[kg/m3]
g:重力加速度[m/s2]
Q:ポンプ流量[m3/s]
H:ポンプ揚程[m]
Q′:ポンプ流量[L/min]
H′:ポンプ揚程[kPa]
また、ポンプ軸動力(P[kW]とする)はポンプを動かすのに必要な動力である。
P=Pw/η
η:ポンプ効率
図19のシステムに比べて約3%削減した。
図19のシステムに比べて約10%削減した。
2 往き主管
4 空調機
6 還り主管
7 バイパス管
8 一次ポンプ
9 二次ポンプ
9a インバータ
10 二方弁
11 空調対象領域
12 温度センサ
14 差圧計
15 流量計
16 圧力制御装置
17 往きヘッダ
18 還りヘッダ
20 空調機ポンプ
20a インバータ
22 配管
30 温度制御装置
31 第一出力調整装置
32 第二出力調整装置
X 空調機配管系
Y 熱媒体主搬送ループ
Z 制御対象領域の温度制御装置
Claims (7)
- 羽根車を駆動するモータの回転数がインバータ制御可能な空調機ポンプと、制御対象領域へ送る空気と熱交換するための熱媒体を流すコイルを有する空調機と、開度調整可能な二方弁とを順に往き管と還り管に備え、複数の空調対象領域毎にそれぞれ独立して配置される空調機配管系と、
前記空調機配管系の前記空調機ポンプの回転数及び前記二方弁の開度の制御を行う前記制御対象領域の温度制御装置と、
前記各空調機配管系に温度調整した熱媒体を供給する熱源装置と、
前記各空調機配管系の前記各空調機ポンプ入口側往き管と前記熱源装置の出口側とに第一往きヘッダを介して繋がる往き主管と、
前記各空調機配管系の前記各二方弁出口側還り管と前記熱源装置の入口側とに還りヘッダを介して繋がる還り主管と、
前記還り主管の前記熱源装置の入口側に位置し前記還りヘッダから前記第一往きヘッダまでの圧力損失分の揚程で前記熱媒体を搬送する一次ポンプと、
前記各空調機配管系へ前記熱媒体を搬送する前記往き主管の前記第一往きヘッダの下流側に配置される羽根車を駆動するモータの回転数がインバータ制御可能な二次ポンプと、
前記二次ポンプの吐出側の往き主管途中に繋がる第二往きヘッダと、
前記第一往きヘッダと前記還りヘッダとを繋ぐヘッダ間バイパス管と、
前記第二往きヘッダと前記還りヘッダとの差圧を測定する差圧計と、
前記差圧計の測定値に基づいて前記二次ポンプのインバータを制御する圧力制御装置と、
前記還り管の前記還りヘッダ上流側に設置される流量計と
を備え、
前記制御対象領域の温度制御装置は、
前記複数の空調対象領域毎の制御対象領域の空気温度を測定する温度センサと、
前記温度センサからの測定値と前記制御対象領域の空気温度設定値との偏差に基づいてPI演算した結果の一次制御出力を出力する温度指示調節計と、
前記温度指示調節計からの一次制御出力に基づいて前記空調機ポンプのインバータへの制御出力を調整して出力する第一出力調整装置と、
前記温度指示調節計からの一次制御出力に基づいて前記二方弁の開度制御出力を調整して出力する第二出力調整装置と
を備え、且つ前記第一出力調整装置と前記第二出力調整装置との調整割付に差異を持たせることで、前記一次制御出力の変動に際して、前記二方弁の開度調整より前記空調機ポンプのインバータの周波数調整を先に変化させるようにし、
前記圧力制御装置は、
前記流量計で測定した負荷流量測定値を入力され、予め与えられた負荷流量と設定差圧との関係式により差圧の設定値を演算し、前記差圧計で測定した差圧測定値と演算した前記差圧の設定値との偏差に基づいて演算した圧力制御出力により、前記二次ポンプのインバータを制御する
ことを特徴とする熱媒体配管システム。 - 請求項1記載の熱媒体配管システムにおいて、
前記二次ポンプは、全ての前記二方弁を全開としたまま、前記各空調機ポンプの中で最も揚程の低い空調機ポンプに対し、当該空調機ポンプのインバータを制御して揚程を0kPaで且つ所定の流量流れるようにした状態にて、全空調機の定格熱負荷を合計した熱量を処理できるだけの定格流量Q0を、前記最も揚程の低い空調機ポンプを備える前記空調機配管系の往き管還り管接続点までの、前記往き主管及び前記還り主管及び当該空調機配管系の圧力損失を賄える定格揚程P0で搬送できる能力を有する
ことを特徴とする熱媒体配管システム。 - 請求項1又は2記載の熱媒体配管システムにおいて、
前記圧力制御装置は、前記二次ポンプの定格流量Q0における定格揚程P0から、定格流量Q0における往還差圧P0を前記負荷流量と設定差圧との関係式の基準点とし、前記差圧の設定値を、前記流量計の計測負荷流量値の二乗に比例して変化させる
ことを特徴とする熱媒体配管システム。 - 請求項1乃至3の何れか記載の熱媒体配管システムにおいて、
前記各空調機ポンプは、前記二次ポンプの揚程がゼロであっても、前記各空調機の定格流量を確保できるよう、前記第一往きヘッダから前記還りヘッダまでの圧力損失を賄うだけの定格揚程にて定格流量を流せる能力を有している
ことを特徴とする熱媒体配管システム。 - 請求項1乃至4の何れか記載の熱媒体配管システムにおいて、
前記制御対象領域の温度制御装置は、前記空調機ポンプの回転数調整による制御時には前記二方弁を全開とし、前記空調機ポンプの回転数が下限値となった場合に、前記二方弁の開度調整によって制御させるように、前記空調機ポンプの回転数調整と前記二方弁の開度調整とを行う
ことを特徴とする熱媒体配管システム。 - 請求項1乃至5の何れか記載の熱媒体配管システムにおいて、
前記二方弁は、全開時に前記還り管と同じ内径となるフルボア電動ボール弁又はバタフライ弁で前後配管に比べ圧力損失増加がほぼ無い
ことを特徴とする熱媒体配管システム。 - 請求項1乃至6の何れか記載の熱媒体配管システムにおいて、
前記第一出力調整装置及び前記第二出力調整装置は、レシオバイアス設定器である
ことを特徴とする熱媒体配管システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012070874A JP5869394B2 (ja) | 2012-03-27 | 2012-03-27 | 熱媒体配管システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012070874A JP5869394B2 (ja) | 2012-03-27 | 2012-03-27 | 熱媒体配管システム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013204833A JP2013204833A (ja) | 2013-10-07 |
JP5869394B2 true JP5869394B2 (ja) | 2016-02-24 |
Family
ID=49524123
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012070874A Active JP5869394B2 (ja) | 2012-03-27 | 2012-03-27 | 熱媒体配管システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5869394B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105890118A (zh) * | 2016-04-29 | 2016-08-24 | 宁波奥克斯电气股份有限公司 | 一种提升多联机内机制热效果的方法及其机组 |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6507598B2 (ja) * | 2014-11-28 | 2019-05-08 | ダイキン工業株式会社 | 空調システム |
JP6951085B2 (ja) * | 2017-02-24 | 2021-10-20 | 株式会社竹中工務店 | 空調システム |
JP6847198B2 (ja) * | 2017-03-02 | 2021-03-24 | 東芝キヤリア株式会社 | 熱源水制御方法及び熱源水制御装置 |
CN109945460A (zh) * | 2019-03-28 | 2019-06-28 | 中铁第四勘察设计院集团有限公司 | 一种空调冷却水二次泵变流量系统及控制方法 |
WO2023057409A1 (en) * | 2021-10-07 | 2023-04-13 | Belimo Holding Ag | Fluid transportation network and method |
CN114719357A (zh) * | 2022-04-12 | 2022-07-08 | 湖北华工能源股份有限公司 | 一种中央空调二次梯级泵节能设计方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2566192B2 (ja) * | 1993-07-22 | 1996-12-25 | 日比谷総合設備株式会社 | 加圧式床吹出し空調装置の制御装置 |
JPH07175528A (ja) * | 1993-12-17 | 1995-07-14 | Toshiba Corp | 2次冷温水送水圧力制御装置 |
JP5350166B2 (ja) * | 2008-10-09 | 2013-11-27 | 三機工業株式会社 | 熱媒体配管システム |
-
2012
- 2012-03-27 JP JP2012070874A patent/JP5869394B2/ja active Active
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105890118A (zh) * | 2016-04-29 | 2016-08-24 | 宁波奥克斯电气股份有限公司 | 一种提升多联机内机制热效果的方法及其机组 |
CN105890118B (zh) * | 2016-04-29 | 2018-10-30 | 宁波奥克斯电气股份有限公司 | 一种提升多联机内机制热效果的方法及其机组 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013204833A (ja) | 2013-10-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5869394B2 (ja) | 熱媒体配管システム | |
JP2022137259A (ja) | 主制御装置での建物の改装により冷却システムの作動効率を改善する方法 | |
JP5350166B2 (ja) | 熱媒体配管システム | |
JP5905077B2 (ja) | 空気調和システム | |
JP4505363B2 (ja) | 空調システムの冷温水制御方法 | |
JP5524467B2 (ja) | サーバ室用空調システム | |
JP6559640B2 (ja) | 冷却回収システム及び方法 | |
JP3851285B2 (ja) | 制御装置 | |
JP5284295B2 (ja) | 熱源制御システムおよび熱源制御方法 | |
JP2017129340A (ja) | 熱源制御システム、制御方法および制御装置 | |
JP5595975B2 (ja) | 空調配管システム | |
CN204943786U (zh) | 适用于空调二级泵系统的变流量控制系统 | |
JP3656299B2 (ja) | 空気調和システム | |
JP2006266566A (ja) | 2ポンプ方式熱源設備の運転制御方法 | |
JP2008241326A (ja) | 配管系設備における流量測定方法 | |
JP3745357B2 (ja) | 空調システム | |
JP4477914B2 (ja) | 空調システム | |
JP4369841B2 (ja) | 熱媒体配管システム | |
JP5285925B2 (ja) | 空調システム | |
JP4594146B2 (ja) | 空調システムの変風量最適制御方法 | |
JP7451066B2 (ja) | 空調用熱源制御システム及び空調用熱源制御方法 | |
JP6951259B2 (ja) | 空調システム | |
KR102580588B1 (ko) | 열원 시스템 | |
JP2024032385A (ja) | 空調システム及びその制御方法 | |
WO2023057409A1 (en) | Fluid transportation network and method |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20141118 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150813 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150818 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150928 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160105 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160107 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5869394 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |