JP5868490B2 - 絶縁伝送媒体および絶縁伝送装置 - Google Patents

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Description

本発明は、基準電位の異なる第一の回路と第二の回路との間で絶縁しながら電磁エネルギーを伝送させる絶縁伝送媒体および絶縁伝送装置に関するものである。
例えば、特許文献1では、絶縁通信方式として、負荷へ流入する電流を制御するスイッチング素子と、前記スイッチング素子への制御信号を生成する制御回路と、制御信号に基づいてスイッチング素子の制御端子を駆動する駆動回路と、前記制御回路と駆動回路とが絶縁されるように、半導体プロセス技術により1次巻線と2次巻線とが互いに対向配置され、ガラス基板またはセラミック基板にて互いに分離された絶縁トランスを備えた電力変換装置が開示されている。例えば、1次巻線と2次巻線はコイルパターンとして半導体基板上に形成され、巻線間の距離は数十μm程度で、電磁誘導により制御信号を伝送しており、小型かつ高絶縁な絶縁通信が可能であることが開示されている。
特許文献2では、UWB(Ultra Wide Band)向けのフィルタ構造として、導体パターンと誘電体層が交互に積層され、積層方向からみて一部が重なって配置されるN個(N≧2)の共振器であって、各共振器の一端は接地されているバンドパスフィルタが開示されている。共振器間の距離が500μmを超えても、重なり部分での面結合により大きな結合が得られ、広帯域において低損失な通過特性と対域外の急峻な減衰特性が得られることが開示されている。
特開2008−270490号公報 特開2007−097113号公報
特許文献1記載の絶縁トランス技術は、半導体プロセス技術で製造することを前提としており、1次巻線と2次巻線間に製造可能な絶縁膜厚は数十μm程度と小さい。出荷時の絶縁破壊耐量(絶縁破壊する電圧)としてはそれでも十分であるが、鉄道車両等のように運用年数が10年を超える装置においては、過電圧印加や連続動作による絶縁劣化を考慮し、半導体プロセス技術では対応困難な数百μmを超える絶縁体厚が必要となる。また、1次巻線と2次巻線はコイルパターンとしているため、低周波領域のノイズ耐性に懸念があり、例えば、インバータのスイッチングノイズを拾い易く、動作が不安定になることが考えられる。さらに、同技術を給電に適用することを考えた場合に、1次2次間距離が離れると伝送損失が増加し、高効率な電力供給が困難である。
特許文献2記載のバンドパスフィルタ技術は、共振器間の距離を500μm以上に離しても低損失な伝送が可能であるが、各共振器の一端が接地されており、グランド導体を介して各共振器は物理的に接続されている。従って、共振器間は絶縁されておらず、絶縁通信、絶縁給電の用途には使用できない。
また、近年、電子機器内において、機器を構成するモジュール、部品間の配線数が増加の一途にあり、機器の小型化、低コスト化、信頼性向上を妨げている。無線LAN(Local Area Network)等の一般的な無線通信システムの導入が一つの配線削減手段であるが、筐体金属壁面で電磁波が乱反射され、通信品質を不安定化させるという懸念点がある。
また、結線するための従来の着脱式コネクタは信頼性、コスト面での課題があり、物理的な着脱が不要で電極非露出の部品間接続へのニーズが増大している。電気自動車や鉄道車両等のモータに用いられるインバータへの絶縁通信方式として、現状では、絶縁が比較的容易に確保でき実績もある光モジュールと光ファイバのセットが用いられている。しかし、光ファイバ方式は、コストやフォトダイオードを構成する化合物半導体の寿命、誤動作等の信頼性、艤装(組立)時の破損や誤接続などの問題があり,代替手段が求められている。
また、ゲートドライバへの電源供給、いわゆる絶縁給電方式として、現状では、基板実装型のトランス部品が用いられている。このトランス部品はサイズ、重量が大きく、高コストであるため、ゲートドライバの小型化、軽量化、低コスト化の障壁となっており、同じく代替手段が求められている。
本発明の代表的なものの一例を示せば、次のとおりである。本発明の絶縁伝送媒体は、複数の誘電体層からなる誘電体多層基板と、前記基板上に設けられた、第1の基準電位を持つ第1の共振器と、前記基板上に設けられ、前記第1の基準電位とは異なる第2の基準電位を持ち、前記第1の共振器とは電気的に絶縁されている第2の共振器と、を有し、前記第1の共振器と前記第2の共振器との間で電磁エネルギーを伝送させることを特徴とする。
また、本発明の絶縁伝送装置は、複数の誘電体層からなる誘電体多層基板と、前記基板上に設けられた、第1の基準電位を持つ第1の共振器と、前記基板上に設けられ、前記第1の基準電位とは異なる第2の基準電位を持ち、前記第1の共振器とは電気的に絶縁されている第2の共振器と、を有し、前記第1の共振器は、第1の主共振部と、第1の副共振部とからなる、絶縁伝送媒体と、前記絶縁伝送媒体の前記第1の共振器と電気的に接続された第1の回路と、前記絶縁伝送媒体の前記第2の共振器と電気的に接続された第2の回路とを有し、前記第1の回路と前記第2の回路との間で、前記絶縁伝送媒体を介し電磁エネルギーを伝送させる絶縁伝送装置。
本発明によれば、長期に渡って絶縁信頼性を維持でき、低損失で、小型、低コストな絶縁通信方式、絶縁給電方式に好適な絶縁伝送媒体および絶縁伝送装置を提供することができる。
上述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
実施形態1に係る絶縁伝送媒体200の構成を示す縦断面から見た透視図および、絶縁伝送媒体200を用いた回路ブロック図である。 図1中の誘電体多層基板101の面A1−A1’の横断面図(a)、面A2−A2’の横断面図(b)、面A3−A3’の横断面図(c)である。 実施形態1に係る絶縁伝送媒体200の等価回路図である。 実施形態1に係る絶縁伝送媒体の実測結果である。 実施形態1に係る絶縁伝送媒体200の縦断面から見た透視図における設計パラメータを示す図(a)、誘電体多層基板101の面A2−A2’の横断面図における設計パラメータを示す図(b)である。 実施形態1に係る絶縁伝送媒体200の共振器の変形例を示す図である。 実施形態1に係る絶縁伝送媒体200の共振器の変形例を示す図である。 実施形態1に係る絶縁伝送媒体200の共振器の変形例を示す図である。 実施形態1に係る絶縁伝送媒体200の共振器の変形例を示す図である。 実施形態1に係る絶縁伝送媒体200の共振器の変形例を示す図である。 実施形態1に係る絶縁伝送媒体200の共振器の変形例を示す図である。 実施形態1に係る絶縁伝送媒体200の共振器の変形例を示す図である。 実施形態1に係る共振器を並列化させた絶縁伝送媒体200の説明図である。 実施形態2に係る絶縁伝送媒体200の構成を示す縦断面から見た透視図である。 図8中の誘電体多層基板101の面A1−A1’の横断面図(a)、面B1−B1’の縦断面図(b)、面B2−B2’の縦断面図(c)である。 実施形態2に係る絶縁伝送媒体200の変形例を示す、図8中の誘電体多層基板101の面A1−A1’の横断面図(a)、面B1−B1’の縦断面図(b)、面B2−B2’の縦断面図(c)である。 実施形態3に係る絶縁伝送媒体200の構成を示す縦断面から見た透視図である。 図11中の誘電体多層基板101の面A2−A2’の横断面図(a)、面A3−A3’の横断面図(b)である。 実施形態3に係る絶縁伝送媒体200の変形例を示す縦断面から見た透視図(a)、誘電体多層基板101の面C1−C1’の横断面図(b)である。 実施形態4に係る絶縁伝送媒体200の構成を示す縦断面から見た透視図(a)と、その変形例を示す縦断面から見た透視図(b)である。 実施形態4に係り、1個の共振器と2個の共振器間を結合させる絶縁伝送媒体200について、1個の共振器側を示す図(a)、2個の共振器側を示す図(b)である。 実施形態4に係り、1個の共振器と4個の共振器間を結合させる絶縁伝送媒体200について、1個の共振器側を示す図である。 実施形態4に係り、1個の共振器と4個の共振器間を結合させる絶縁伝送媒体200について、4個の共振器側を示す図である。 実施形態5に係る絶縁伝送媒体について、1層目導体層と2層目導体層それぞれを示す図である。 実施形態5に係る絶縁伝送媒体について、図17中の面214a−214b、面214c−214dそれぞれにおける縦断面図である。 実施形態5のブリッジ配線位置を説明する図である。 1回以上巻いた巻線導体パターンの内周と外周の輪郭のみで表した図である。 1回以上巻いた巻線導体パターンの概形と、1層目および2層目導体層の開口面の形状とブリッジ配線位置を示す図である。 図21の巻線導体パターンを変形させた図である。 図22の巻線導体パターンを変形させた図である。 実施形態5に係る絶縁伝送媒体について、1層目導体層と2層目導体層それぞれを示す図である。 実施形態5に係る絶縁伝送媒体の図で、図25中の面236a−236b、面236c―236dそれぞれにおける縦断面図である。 実施形態6に係り、4つの導体層と5つの誘電体層で構成される絶縁伝送媒体について、各導体層の概形を示す図である。 実施形態6に係り、4つの導体層と5つの誘電体層で構成される絶縁伝送媒体について、各導体層の概形を示す図である。 実施形態6に係り、4つの導体層と5つの誘電体層で構成される絶縁伝送媒体について、各導体層の概形を示す図である。 実施形態6に係り、4つの導体層と5つの誘電体層で構成される絶縁伝送媒体について、各導体層の概形を示す図である。 実施形態6に係り、4つの導体層と5つの誘電体層で構成される絶縁伝送媒体について、図26中の面236a−236b、面236c−236dそれぞれにおける縦断面図である。 本発明の実施の形態7による絶縁伝送装置の構成例である。 本発明の実施の形態7による絶縁伝送装置の構成例である。 本発明の実施の形態7による絶縁伝送装置のインバータへの適用例である。 本発明の実施の形態8による絶縁伝送装置の構成例である。 本発明の実施の形態8による絶縁伝送装置の構成例である。 本発明の実施の形態9による絶縁伝送装置の構成例である。 本発明の実施の形態9による絶縁伝送装置の構成例である。
以下の実施の形態において、便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、以下の実施の形態において、「導体」と言うときは、電磁波の伝搬に用いる電磁波周波数帯において導電体であるものを指し、「誘電体」と言うときは、電磁波の伝搬に用いる電磁波周波数帯において誘電体であるものを指す。従って、例えば直流電流に対して導体であるか半導体であるか誘電体であるか等によって、直接的には何ら制約されるものではない。また、導体と誘電体とは、電磁波との関係においてその特性により定義されるものであって、固定であるか液体であるか気体であるか等の態様または構成材料を制限するものではない。
また、以下の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
<実施の形態1>
以下、本発明の実施の形態1に係る絶縁伝送媒体を図1〜図7を用いて説明する。図1は絶縁伝送媒体200の構成を示す縦断面から見た透視図および、絶縁伝送媒体200を用いた回路ブロック図である。絶縁伝送媒体200は、IGBT等の高耐圧インバータのスイッチング素子105を駆動するゲートドライバ回路104と、ゲートドライバ回路104に駆動指令を送る論理制御ユニット102との間の絶縁通信に用いられる。絶縁伝送媒体200と論理制御ユニット102、絶縁伝送媒体200とゲートドライバ回路104の間には通信機103a、103bがそれぞれ設けられ、駆動信号を高周波信号へ変換して絶縁伝送媒体200へ入力、絶縁伝送媒体200より出力された高周波信号を駆動信号に再変換してゲートドライバ回路104に入力する役割を担う。ここでの高周波信号は、例えば2.4GHz帯を利用することで、500MHz程度までの周波数領域を持つインバータのスイッチングノイズに対する通信品質の耐性を大きくすることができる。また、以下に説明する絶縁伝送媒体200も伝送される電磁エネルギーの波長が小さい方が小型化しやすいというメリットがあるため、高周波帯を利用することが望ましい。ここで、電磁エネルギーというのは、絶縁伝送媒体200が介在してやりとりされる電磁気的なエネルギーであり、回路素子等の動作電力として利用できるのはもちろん、制御信号等の変調信号も含む。絶縁伝送媒体200は、複数の誘電体の層から成る誘電体多層基板101から成り、例えばガラスエポキシ基板やセラミック基板が用いられる。通信機103a、103bと主共振部導体108a、108bは外部インターフェース主導体106a、106b、インターフェース主ビア107a、107b、内部インターフェース主導体111a、111bを経由して接続される。ここで、外部インターフェース主導体106a、106bが被覆の無い裸電極だとすると、両者は最小沿面距離Lmin以上離す必要があることが安全規格(例えば、JISC1010−1)で決められており、以下の式で近似される(Vop:スイッチング素子の動作電圧)。
Lmin=4.1×Vop−1.0
これは、気体と誘電体の境界に2つの電極があるケースにおいて、コロナ放電あるいは火花放電によって誘電体の表面に沿って樹枝状の放電路が形成される、いわゆる沿面放電の発生を防止するための規格である。一般的に沿面放電は空間放電よりも短い電極間距離、低い印加電圧で発生するため、重要な項目である。この沿面放電を防ぐには外部インターフェース主導体106a、106bを誘電体材料により被覆することが有効である。この誘電体材料としては、ソルダーレジスト材、シリコン系コーティング材が候補として挙げられる。また、主共振部導体108a、108bの間の距離Dminについては安全規格に規定は無いが、0.4mm以上の厚さの誘電体を設けることが望ましい。ガラスエポキシ基板等のプリント基板加工においては、誘電体の厚みは数mm程度まで厚くできるので、絶縁体として長期的な絶縁信頼性を考慮した十分な絶縁性能が得られる。なお、目安としてのガラスエポキシ基板の絶縁破壊耐量は約30kV/mmであり、これに長期的な絶縁信頼性を考慮し、熱サイクル試験、恒温恒湿試験等の加速試験による性能確認を実施し、Dminを設定する。
図2(a)、(b)、(c)はそれぞれ図1中の誘電体多層基板101の面A1−A1’、面A2−A2’、面A3−A3’の横断面図である。外部インターフェース主導体106a、外部インターフェース副導体110aで構成されるコプレーナ線路は、同様にインターフェース主ビア107a、インターフェース副ビア109aで構成される等価的なコプレーナ線路へ水平垂直変換され、さらに、内部インターフェース主導体111a、内部インターフェース副導体112aで構成されるコプレーナ線路へ垂直水平変換されて、主共振部導体108a、副共振部導体136aから構成された第1の基準電位をもつ第1の共振器に接続される。主共振部導体108a、副共振部導体136aは高周波信号の周波数帯において共振し、誘電体により隔離された主共振部導体108b、副共振部導体136bからなる、第1の基準電位とは異なる第2の基準電位を持つ第2の共振器と共振結合する。ここでは主共振部導体として、直線を複数回曲折させたジグザグ形状の導体、例えばメアンダライン等を用いて、隣り合う導体の電流の向きが反対となることによりアンテナ放射成分をキャンセルし、誘電体多層基板101の外部への電磁波漏洩を小さく抑えている。また、副共振部導体136a、136bは主共振部導体108a、108bの外部への電磁波漏洩を低減する役割も持つ。共振器としての変形例は後述する。主共振部導体108b、副共振部導体136bは、内部インターフェース主導体111b、内部インターフェース副導体112bで構成されるコプレーナ線路に接続され、インターフェース主ビア107b、インターフェース副ビア109bで構成される等価的なコプレーナ線路、外部インターフェース主導体106b、外部インターフェース副導体110bで構成されるコプレーナ線路を介して通信機103bに接続される。ここでは、インターフェースとしての伝送線路をコプレーナ形状とすることで、使用する導体層数を削減している。なお、上述した最小沿面距離については外部インターフェース副導体110a、110bについても同様に適用され、また同様に誘電体材料による被覆が有効であることは言うまでもない。
図3は図1の領域PRにおける等価回路図である。自己誘導成分115aは、主共振部導体108aの線路自身に由来し、静電容量成分113aは、主共振部導体108aの線路間の容量に由来する。また、静電容量成分114aは、主共振部導体108aと副共振部導体112aとの間の容量に由来する。これら静電容量成分113a、114a、自己誘導成分115aにより、ある周波数において共振が発生する。静電容量成分113b、114b、自己誘導成分115bについても上述と同様に共振器構造に由来し、ある周波数において共振が発生する。これら2つの共振回路の共振周波数が一致するときに、静電容量成分116を介して、さらには主共振部導体108a、108b間の相互誘導成分117によって共振結合が成立し、高効率な電磁エネルギー伝送が実現できる。また、本構造は共振を利用した伝送であるためバンドパスフィルタの特性を持ち、低周波領域のインバータのスイッチングノイズに対する通信品質の耐性を向上させることができる。静電容量成分116は副共振部導体136a、136b間の容量に起因し、誘電体多層基板101の面方向から見た副共振部導体136a、136bの重なり面積が大きくなる、もしくは副共振部導体136a、136bの距離が小さくなると増加し、結合量も上昇する。しかし、この静電容量成分116の増加は、インバータのスイッチングによるノイズ電流の増大を招くため、10pF以下程度に抑える必要がある。
図4は、設計の一例として、上述した絶縁伝送媒体の反射量、通過量の周波数特性の実測結果である。設計周波数は2.4GHzとした。測定にはネットワークアナライザを用いた。2.4GHzにおいて反射量120、通過量119はそれぞれ−18.2dB、−1.4dBという数値が得られている。また、2.2GHzから2.75GHzまでの範囲で反射量が−10dB以下となり、動作帯域幅としては0.55GHzという数値が得られている。
なお、本実測に用いた試作サンプルは、絶縁伝送媒体200の縦断面から見た透視図における設計パラメータを示す図5(a)においては、誘電体層118a、118cの厚みD1=D3=0.5mm、比誘電率εr1=εr3=2.7、誘電正接tanδ1=tanδ3=0.001のシリコン系コーティング材、誘電体層118bの厚みD2=2.4mm、比誘電率εr2=4.2、誘電正接tanδ2=0.02のガラスエポキシ材を用いている。また、誘電体多層基板101の面A2−A2’の横断面図における設計パラメータを示す図5(b)においては、主共振部となるメアンダラインのピッチp=0.4[mm]、メアンダラインの線幅w=0.12[mm]、メアンダライン全体の横幅my=5.92[mm]、引き出し線の長さm0=4.14[mm]、副共振部幅gdy=1.5[mm]、副共振部の長さspx=10[mm]、副共振部同士の間隔spy=12[mm]と設定している。
図6A〜図6Gは絶縁伝送媒体200の共振器の変形例を示す図で、図1中の誘電体多層基板101の面A2−A2’の横断面図に該当する。図6Aは、主共振部導体108aを副共振部導体121で囲うことで、主共振部導体108aの外部への電磁波漏洩を低減させている変形例である。
図6Bは、副共振部導体136aを主共振部導体108aの片側だけ配置することで、絶縁伝送媒体200の面積を削減させている変形例である。
図6Cは、主共振部導体108aのメアンダラインのジグザグ方向を変えることで、同じく絶縁伝送媒体200の面積を削減させている変形例である。また、誘電体多層基板101の面から絶縁伝送媒体200の縦横のアスペクト比を変えられるため、後述するような複数の共振器を並列に並べて使用する際の面積削減としても効果がある。
図6Dは、主共振部導体122としてスパイラル形状の導体を用いた変形例である。図3の等価回路における自己誘導成分115a、相互誘導成分117の増加により、高い伝送効率が得られる。
図6Eは、主共振部導体123として矩形形状の導体を用いた変形例である。図3の等価回路における静電容量成分116が大きくなり、高い伝送効率が得られる。なお、ここでは矩形形状としたが、円形や菱形であっても同様な効果が得られる。図5Fは、主共振部導体124として細長い線路形状の導体を用いて、絶縁伝送媒体200の面積を削減させている変形例である。
図6Gは、副共振部導体を取り去り、相互誘導成分の結合の比率を高くして、絶縁伝送媒体200の面積を削減させている変形例である。
図7は、同一の誘電体多層基板内に共振器を並列化させた絶縁伝送媒体200の説明図である。一つの誘電体多層基板で複数のスイッチング素子制御に対応することができる。
複数のスイッチング素子への制御信号を伝送する場合には、動作時のスイッチング素子間の電位差を考慮して、共振器間をSminだけ離す必要がある。誘電体内の電極間距離であるので、上述したDminと同じように考えることができ、0.4mm以上の厚さの誘電体を設けることが望ましい。実用上は動作電圧や長期的な絶縁信頼性を考慮し、熱サイクル試験、恒温恒湿試験等の加速試験による性能確認を実施し、Sminを設定する。もちろん、1個のスイッチング素子との絶縁伝送として複数の共振器を用いる場合は、Sminは上述に限定されない。例としては、制御信号伝送とそれに対するスイッチング素子の状態信号伝送、もしくは制御信号伝送とゲートドライバ回路への電力伝送などが挙げられる。
以上のように本実施形態1に係る絶縁伝送媒体200は、複数の誘電体層118からなる誘電体多層基板101と、基板101上に設けられた、第1の基準電位を持つ第1の共振器108a、136aと、基板101上に設けられ、第1の基準電位とは異なる第2の基準電位を持ち、第1の共振器とは電気的に絶縁されている第2の共振器108b、136bと、を有し、第1の共振器と第2の共振器との間で電磁エネルギーを伝送させることを特徴とし、特に、第1の共振器は、第1の主共振部108aと、第1の副共振部136aとからなり、第2の共振器は、第2の主共振部108bと、第2の副共振部136bとからなることを特徴とする。
本実施形態に記載の発明による絶縁伝送媒体200は、異なる基準電位を持つ回路の間で電磁エネルギーを伝送させるために用いられ、それぞれの回路に接続された共振器が、誘電体多層基板内にお互いに隔離されて配置されることにより、長期に渡って絶縁信頼性を維持可能な厚みを持つ誘電体間において、高効率な電磁エネルギー伝送を実現できる。
また、本実施形態1によれば、従来技術である光ファイバ等を用いずに絶縁通信が実現できるのでインバータシステムとして小型化が可能である。さらに、絶縁伝送媒体200は、汎用のプリント基板加工で製造できるので低コスト化が可能である。
また、本実施形態によれば、絶縁伝送媒体200は、高周波信号を伝送させることができるので、500MHz程度までの周波数領域を持つインバータのスイッチングノイズに対する通信品質の耐性を大きくすることができる。さらに、本構造は共振を利用した伝送であるためバンドパスフィルタの特性を持ち、上記ノイズ耐性はさらに高めることができ、高信頼なインバータ動作が可能となる。
また、本実施形態1は主に絶縁通信として説明したが、通信機103aを送電回路、通信機103bを受電回路に置き換えることで、ゲートドライバ回路104への絶縁給電として用いることも可能である。もちろん、両者を同時もしくは時分割に送ることも組み合わせの構成で実現できることは言うまでもない。
<実施の形態2>
以下、本発明の実施の形態2に係る絶縁伝送媒体を図8〜図10を用いて説明する。図8は絶縁伝送媒体200の構成を示す縦断面から見た透視図である。絶縁伝送媒体200を用いた回路ブロックに関しては実施例1や図1と同様である。
図9(a)、(b)、(c)はそれぞれ図8中の誘電体多層基板101の面A1−A1’の横断面図、面B1−B1’、面B2−B2’の縦断面図である。主共振部導体126a、128a、共振器主ビア125aにより、誘電体多層基板の縦断面方向にメアンダラインが構成される。そのメアンダラインを囲う導体として、副共振部導体133a、137a、共振器副ビア132aが構成される。ただし、図3中の静電容量成分114aとしては、上記メアンダラインと、内部インターフェース副導体129a、内部インターフェース副ビア124aとの間の静電容量も含まれる。上記メアンダラインとそれを囲う導体が高周波信号の周波数帯において共振し、誘電体により隔離された他方の共振器と共振結合する。ここでは主共振部導体として、ジグザグ形状のメアンダラインを用いて、隣り合う導体の電流の向きが反対となることによりアンテナ放射成分をキャンセルし、誘電体多層基板101の外部への電磁波漏洩を小さく抑えている。また、メアンダラインを囲う導体は、メアンダラインから外部への電磁波漏洩を低減する役割も持つ。また、本実施形態においては、実施例1と異なり二つの共振器が誘電体多層基板101の基板面方向に並んで配置されているので、絶縁信頼性を考慮して誘電体多層基板の誘電体層の厚さを大きくする必要がなく、薄型化できる。ただし、共振器間の距離Dminについては、実施形態1と同様に、0.4mm以上の厚さの誘電体を設けることが望ましい。
図10(a)、(b)、(c)はそれぞれ図8中の誘電体多層基板101の面A1−A1’の横断面図、面B1−B1’、面B2−B2’の縦断面図であり、絶縁伝送媒体200の変形例を示している。主共振部導体126a、128a、共振器主ビア125aにより、誘電体多層基板の縦断面方向にスパイラルラインが構成される。そのスパイラルラインを囲う導体として、副共振部導体133a、137a、共振器副ビア132aが構成される。上記と同様に、図3中の静電容量成分114aとしては、上記スパライルラインと、内部インターフェース副導体129a、内部インターフェース副ビア124aとの間の静電容量も含まれる。上記スパイラルラインとそれを囲う導体が高周波信号の周波数帯において共振し、誘電体により隔離された他方の共振器と共振結合する。図3の等価回路における自己誘導成分115a、相互誘導成分117の増加により、高い伝送効率が得られる。
以上のように本実施形態2に係る絶縁伝送媒体200は、実施例1の効果に加え、絶縁信頼性を考慮して誘電体多層基板の誘電体層の厚さを大きくする必要がなく、薄型化できる。
<実施の形態3>
以下、本発明の実施の形態3に係る絶縁伝送媒体を図11〜図13を用いて説明する。図11は絶縁伝送媒体200の構成を示す縦断面から見た透視図である。絶縁伝送媒体200を用いた回路ブロックに関しては実施例1や図1と同様である。通信機と主共振部導体108a、108bは外部インターフェース主導体106a、106b、インターフェース主ビア107a、107b、内部インターフェース主導体111a、111bを経由して接続される。主共振部導体108c、108dはそれぞれ主共振部導体108a、108bと対向するように配置され、内部インターフェース主導体111cによってお互いに接続される。主共振部導体108c、108dは他の素子と物理的に接続されないフローティングであるため中間電位となり、主共振部導体108a、108c間にかかる電圧は、主共振部導体108a、108b間に掛かる電圧の1/2に抑えることができる。従って、主共振部導体108a、108cの間もしくは主共振部導体108b、108dの間の距離Dminは小さくでき、絶縁伝送媒体200の薄型化が可能になる。また、共振器間の伝送効率の向上、外部への電磁波漏洩の低減にも効果がある。
図12(a)、(b)はそれぞれ図11中の誘電体多層基板101の面A2−A2’、面A3−A3’の横断面図である。インターフェース主ビア107a、インターフェース副ビア109aで構成される等価的なコプレーナ線路は、内部インターフェース主導体111a、内部インターフェース副導体112aで構成されるコプレーナ線路へ垂直水平変換されて、主共振部導体108a、副共振部導体136aに接続される。主共振部導体108a、副共振部導体136aは高周波信号の周波数帯において共振し、誘電体により隔離された主共振部導体108c、副共振部導体136cと共振結合する。ここでは主共振部としてメアンダラインを用い、隣り合う導体の電流の向きが反対となることによりアンテナ放射成分をキャンセルし、誘電体多層基板101の外部への電磁波漏洩を小さく抑えている。また、副共振部導体136a、136cは主共振部導体108a、108cの外部への電磁波漏洩を低減する役割も持つ。共振器は図6A〜図6Gで上述した変形例を用いても良い。主共振部導体108c、副共振部導体136cは、内部インターフェース主導体111c、内部インターフェース副導体112cで構成されるコプレーナ線路を経由して、主共振部導体108d、副共振部導体136dに接続される。主共振部導体108d、共振器副導体136dは高周波信号の周波数帯において共振し、誘電体により隔離された主共振部導体108b、副共振部導体136bと共振結合する。主共振部導体108b、副共振部導体136bは、内部インターフェース主導体111b、内部インターフェース副導体112bで構成されるコプレーナ線路に接続され、インターフェース主ビア107b、インターフェース副ビア109bで構成される等価的なコプレーナ線路、外部インターフェース主導体106b、外部インターフェース副導体110bで構成されるコプレーナ線路を介して通信機に接続される。ここでは、インターフェースとしての伝送線路をコプレーナ形状とすることで、使用する導体層数を削減している。それぞれの共振結合については実施形態1と同様に図3の等価回路図で説明ができる。また、お互いに対向して配置された共振器のセットを二つ直列に接続することで、インバータのスイッチングによるノイズ電流に大きな影響を与える静電容量成分を約1/2にすることができる。
図13(a)は絶縁伝送媒体200の構成を示す縦断面から見た透視図であり、実施形態3の変形例を示している。絶縁伝送媒体200は複数の誘電体の層から成る誘電体多層基板101から成る。通信機と主共振部導体108a、108bは物理的に接続されており、主共振部導体108a、108bに挟まれて、主共振部導体108cが配置される。この変形例の構成では、実施形態3の効果に加え、3個の共振器を誘電体基板の積層方向に直列に接続しているため、誘電体多層基板101の省面積化に貢献できる。
図13(b)は図13(a)中の誘電体多層基板101の面C1−C1’の横断面図である。主共振部導体108c、副共振部導体136cによりフローティング共振器が構成される。3個の共振器を直列に接続することで、実施形態2の効果に加えインバータのスイッチングによるノイズ電流に大きな影響を与える静電容量成分を約1/2にすることができる。
以上のように本実施形態2に係る絶縁伝送媒体200は、実施例1、の効果に加え、主共振部導体108a、108cの間もしくは主共振部導体108b、108dの間の距離Dminは小さくすることができ、絶縁伝送媒体200の薄型化が可能になる。
<実施の形態4>
以下、本発明の実施の形態4に係る絶縁伝送媒体を図14〜図16を用いて説明する。図14(a)は絶縁伝送媒体200の構成を示す縦断面から見た透視図である。絶縁伝送媒体200を用いた回路ブロックに関しては図1と類似しているが、論理制御ユニット側の通信機からは二つのスイッチング素子に対する駆動指令が送られることが異なる。通信機と主共振部導体108a、108b、108cが物理的に接続されており、主共振部導体108a、108bに挟まれて、主共振部導体108cが配置される。主共振部は実施形態1で説明したメアンダライン、もしくは図6A〜図6Bで上述した変形例を用いても良い。なお、複数のスイッチング素子への制御信号を伝送するため、実用上は動作電圧や長期的な絶縁信頼性を考慮し、外部インターフェース導体138b、138cの距離を離すことが望ましい。もちろん、1個のスイッチング素子との絶縁伝送として複数の共振器を用いる場合は、上記距離は小さくて良い。例としては、制御信号伝送とそれに対するスイッチング素子の状態信号伝送、もしくは制御信号伝送とゲートドライバ回路への電力伝送などが挙げられる。本実施形態は、主共振部導体108aから主共振部導体108cへの結合と、主共振部導体108aから主共振部導体108cを介した主共振部導体108bへの結合の比率を共振器構造の設計により容易に変えることができるため、制御信号伝送と電力伝送というエネルギー比率が大きく異なる用途への適性が高い。
図14(b)は絶縁伝送媒体200の構成を示す縦断面から見た透視図であり、実施形態4の変形例である。図14(a)の構成は(b)の構成と比べて、主共振部導体108aから主共振部導体108b、108cへの結合を同じ比率にし易いというメリットがあり、二つのスイッチング素子への制御信号を伝送する用途への適性が高い。もちろん、制御信号伝送とそれに対するスイッチング素子の状態信号伝送を重畳することや、もしくは制御信号伝送とゲートドライバ回路への電力伝送を重畳することも可能である。
図15A、図15Bは実施形態4の変形例1であり、例えば、図1における誘電体多層基板101の面A2−A2’、面A3−A3’の横断面に相当する図である。主共振部導体108aと副共振部導体36aで構成される一つの共振器に対して、主共振部導体108bと副共振部導体136b、主共振部導体108cと副共振部導体136cでそれぞれ構成される二つの共振器が共振結合される構造が誘電体多層基板内に配置されている。主共振部導体108bと副共振部導体136bで構成される共振器と、主共振部導体108cと副共振部導体136cで構成される共振器の形状を変えることで結合の比率を容易に変えることができるため、制御信号伝送とゲートドライバ回路への電力伝送を重畳することへも適用できる。また、複数のスイッチング素子への制御信号伝送や、制御信号伝送とそれに対するスイッチング素子の状態信号伝送を重畳することも、もちろん可能である。
図16A、図16Bは実施形態4の変形例2であり、例えば、実施形態1の図1における誘電体多層基板101の面A2−A2’、面A3−A3’の横断面に相当する図である。主共振部導体108aと副共振部導体121で構成される一つの共振器に対して、主共振部導体108bと副共振部導体136b、主共振部導体108cと副共振部導体136c、主共振部導体108dと副共振部導体136d、主共振部導体108eと副共振部導体136eでそれぞれ構成される4個の共振器が共振結合される構造が誘電体多層基板内に配置されている。主共振部導体108bと副共振部導体136bで構成される共振器、主共振部導体108cと副共振部導体136cで構成される共振器、主共振部導体108dと副共振部導体136dで構成される共振器、主共振部導体108eと副共振部導体136eで構成される共振器の形状を変えることで結合の比率を容易に変えることができるため、制御信号伝送とゲートドライバ回路への電力伝送を重畳することへも適用できる。
以上のように本実施形態4に係る絶縁伝送媒体200は、異なる基準電位を持つ3個以上の回路の間で電磁エネルギーを伝送させるために用いられ、それぞれの回路に接続された共振器が、誘電体多層基板内の基板面方向にお互いに隔離されて配置され、1個の共振器と複数個の共振器が共振結合することにより、実施形態1の効果に加え、制御信号、状態信号、動作電力等、複数種の伝送が可能となる。
また、本実施形態4においては1個の共振器と複数個の共振器を共振結合させることについて説明したが、同様の原理で複数個の共振器と複数の共振器を共振結合させることも可能である。
<実施の形態5>
以下では、本発明の実施の形態5に係り、2つの導体層と3つの誘電体層で構成される絶縁伝送媒体を図17〜図27と図32を用いて説明する。
図32(a)は、電力伝送を行う場合の絶縁電力伝送装置の構成例で、実施形態5に係る絶縁伝送媒体と周辺回路を含めたインバータゲートドライバ電源部を示す。発振回路310は直流電圧が印加されることにより周波数を生成し交流信号を出力する。出力された交流信号は増幅回路328で増幅され絶縁伝送媒体303に入力される。交流信号は、絶縁伝送媒体303を経由し整流回路329で整流される。得られた電圧・電流成分は、レギュレータ330により所望のレベルへ調節されゲートドライバ回路へ電源供給される。発振回路310で生成される発振周波数は、絶縁伝送媒体303の伝送効率およびインバータサージノイズに対する干渉抑圧量、絶縁耐量、整流回路329の整流効率などを考慮して決められる。
図17は2つの導体層と3つの誘電体層で構成される絶縁伝送媒体を示す図である。図17(a)は1層目導体層を示す図で、基板外形210a、1層目導体層に形成された巻線導体パターン213、ブリッジ配線209、1層目および2層目の導体層を導通させるスルービア208、212を示している。図17(b)は2層目導体層を示す図で、基板外形210、2層目導体層に形成された巻線導体パターン216、ブリッジ配線217、1層目および2層目の導体層を導通させるスルービア208、212を示している。ブリッジ配線209、217はともにコイル状の巻線導体パターン213、216の外周の外側に配置される。1層目導体層に形成される巻線導体パターン213は、スルービア212を介して2層目導体層のブリッジ配線217と導通される。さらにはスルービア212を介して1層目導体層の引き出し配線211と導通して形成される。この一連の導通された導体は、端面213a、213bに容量あるいはインダクタンスを直列または並列に付加されて共振する。同様にして、2層目導体層に形成される巻線導体パターン216は、スルービア208を介して1層目導体層のブリッジ配線209と導通される。さらにはスルービア208を介して2層目導体層の引き出し配線215と導通して形成される。この一連の導通された導体は、端面216a、216bに容量あるいはインダクタンスを直列または並列に付加されて共振する。
図18(a)、図18(b)はそれぞれ、図17中の面214a−214b、面214c−214dにおける断面図を示す。図18(a)では、2層目導体層に形成される巻線導体パターン216は、スルービア208を介して1層目導体層のブリッジ配線209と導通される。さらにはスルービア208を介して2層目導体層の引き出し配線215と導通される。このとき、引き出し配線215の露出する面が端面216bとなる。端面216a、216bのペアに対して、容量あるいはインダクタンスが直列または並列に付加される。同様にして、図18(b)では、1層目導体層に形成される巻線導体パターン213は、スルービア212を介して2層目導体層のブリッジ配線217と導通される。さらにはスルービア212を介して1層目導体層の引き出し配線211と導通される。このとき、引き出し配線211の露出する面が端面213bとなる。端面213a、213bのペアに対して、容量あるいはインダクタンスが直列または並列に付加される。図18の絶縁伝送媒体は、巻線導体、ブリッジ、スルービアの全てが絶縁体基板に内層化されており、誘電体1層目と3層目の空気に触れる面に金属導体が露出した形状と比べて絶縁耐量が改善される。
図19は、ブリッジ配線位置を説明する図である。ブリッジ配線219は巻線導体パターン218の外周の外側に横方向に距離u、縦方向に距離vだけ離して形成される。この時、距離uと距離vは、誘電体層1層目と2層目の界面および誘電体層2層目と3層目の界面における絶縁耐量を考慮して決定される。
以下、図20〜図23を用いて、1層目と2層目の導体パターン最内周の開口面の、垂直方向から見た時に重なる面積を大きくし結合効率を高めることが可能なブリッジ配線の配置方法を説明する。ただし、ここでは説明を簡便にするため、巻線導体パターン形状を方形として1層目導体と2層目導体で点対称な形状としている。しかし形状は、丸形、楕円形、多角形など、およそスパイラルに適用可能と思われるものは全て本発明に含まれるものとする。
図20は巻線導体パターンの開口面形状を表す図である。図は、1層目導体層において1回以上巻いた巻線導体パターンを内周と外周の輪郭形状のみで示した巻線導体パターン概形220a、ブリッジ配線の候補位置を示す領域221、222、223を示している。ブリッジ配線位置を領域222内とした形状を図21、図22に示す。そして、ブリッジ配線位置を導体パターン方形の角の領域223とした形状を図23に示す。ブリッジ配線位置を領域221内とした形状については領域223と同様な議論が適用でき、図23と比べY軸で線対称な形態となる。
図21では、ブリッジ配線225、これと対向する導体層のブリッジ配線227が互いに点対称な配置で示される。巻線導体パターン概形220aは、図20と比べて形状を方形のままとしてY方向の長さのみ変えている。ここで、1層目および2層目の導体パターン最内周の開口面を垂直方向から見た時に重なる部分を領域226とする。この形状はまだ開口面積の拡大余地が残されており結合効率は改善可能である。
図22では、ブリッジ配線225、これと対向する導体層のブリッジ配線227が互いに点対称な配置で示される。巻線導体パターン概形220aの削減可能な部分を領域228とする。巻線導体パターン概形220aは、ブリッジ配線225から等距離を保つようにして形成されるため、図21と比べてパターン最内周の開口面がY方向に拡大される。導体パターンの領域228は、領域228aをはさむようにして折り曲げて形成される。ブリッジ配線225の位置を領域223に近づけていくと領域228aは小さくなっていき、やがて隙間がなくなり領域228のパターンが開口面拡大に寄与しなくなる。このとき、領域228を削除してパターンを短絡することができる。
図23では、ブリッジ配線225、これと対向する層のブリッジ配線227が互いに点対称な配置で示される。図23の形状は、図22でブリッジ配線225を領域223に配置し、導体パターン領域228を削除して短絡させた形状と同じである。領域229は、巻線導体パターン概形220aの開口面積が図22と比べ増加した分を表しており、領域228の面積と等しくなる。このため、図23の実施形態は図22と比べて領域229の分だけ開口面積が増えて効率が高くなる。
図24は、実施形態5に係る絶縁伝送媒体の変形例の図である。図24(a)は1層目導体層の図であり、基板外形232、巻線導体パターン235、ブリッジ配線231、これと接続され1層目および2層目の導体層を導通させるスルービア230、引き出し配線234、これと接続され1層目および2層目の導体層を導通させるスルービア233を示している。1層目導体層に形成される巻線導体パターン235は、スルービア233を介して2層目導体層のブリッジ配線239と導通される。さらにはスルービア233を介して1層目導体層の引き出し配線234と導通される。この一連の導通された導体は、端面235a、235bに容量あるいはインダクタンスを直列または並列に付加されて共振する。図24(b)は2層目導体層の図であり、基板外形232、巻線導体パターン238、ブリッジ配線239、これと接続され1層目および2層目の導体層を導通させるスルービア233、引き出し配線237、これと接続され1層目および2層目の導体層を導通させるスルービア230を示している。2層目導体層に形成される巻線導体パターン238は、スルービア230を介して1層目導体層のブリッジ配線231と導通される。さらにはスルービア230を介して2層目導体層の引き出し配線237と導通される。この一連の導通された導体は、端面238a、238bに容量あるいはインダクタンスを直列または並列に付加されて共振する。
ブリッジ配線231、239は、それぞれ巻線導体パターン235、238の内周の内側に配置されるが、それぞれ内周との間に絶縁耐量を確保するため十分な距離をあけて設計される。他の変形例として、1層目と2層目の導体パターンが、互いに異なる形状、サイズが異なる形状、片方がもう片方を回転した形状、互いに線対称の形状、互いに線対称で回転させた形状にも適用できる。
図25A、図25Bはそれぞれ、図24中の面236a−236b、面236c−236dにおける断面図を示す。図25Aでは、2層目導体層に形成される巻線導体パターン238は、スルービア230を介して1層目導体層のブリッジ配線231と導通される。さらにはスルービア230を介して2層目導体層の引き出し配線237と導通される。このとき、引き出し配線237の露出する面が端面238bとなる。端面238a、238bのペアに対して、容量あるいはインダクタンスが直列または並列に付加される。同様に、図25Bでは、1層目導体層に形成される巻線導体パターン235は、スルービア233を介して2層目導体層のブリッジ配線239と導通される。さらにはスルービア233を介して1層目導体層の引き出し配線234と導通される。このとき、引き出し配線234の露出する面が端面235bとなる。端面235a、235bのペアに対して、容量あるいはインダクタンスが直列または並列に付加される。図25の絶縁伝送媒体は、巻線導体、ブリッジ、スルービアの全てが絶縁体基板に内層化されており、誘電体1層目と3層目の空気に触れる面に金属導体が露出した形状と比べて絶縁耐量が改善される。
以上のように、本実施形態の絶縁伝送媒体は、複数の誘電体層からなる誘電体多層基板と、前記基板上に設けられた、第1の基準電位を持つ第1の共振器と、基板上に設けられ、第1の基準電位とは異なる第2の基準電位を持ち、第1の共振器とは電気的に絶縁されている第2の共振器と、を有し、第1の共振器と第2の共振器との間で電磁エネルギーを伝送させることを特徴とし、特に第1の共振器は、多層基板の第1の層上に設けられたコイル状の導体パターンであり、第2の共振器は、多層基板の第1の層とは異なる第2の層上に設けられたコイル状の導体パターンであり、第2の層には、第1の共振器の導体パターンの始点と終点をつなぐための第1ブリッジ配線が設けられ、第1の層には、第2の共振器の導体パターンの始点と終点をつなぐための第2ブリッジ配線が設けられていることを特徴とする。
実施形態5の絶縁伝送媒体は、導体パターンで形成される2層導体構造の共振器を絶縁体基板に内層化しており、誘電体1層目と3層目の空気に触れる面に共振器が露出した形状と比べて絶縁耐量が改善される。さらには、限られたスペース内において巻線導体パターン最内周の開口部面積を大きくし、1層目導体と2層目導体の開口面を垂直方向から見た時の重なる面積も大きくして結合効率を高めて小型で高効率にできる。
<実施の形態6>
以下では、本発明の実施の形態6に係り、4つの導体層と5つの誘電体層で構成される絶縁伝送媒体を図26、27を用いて説明する。
図26は、実施形態6に係る絶縁伝送媒体を示す図である。図26Aは1層目導体層の図である。基板外形242の内側の1層目導体層に形成される巻線導体パターン245は、スルービア243を介して3層目導体層のブリッジ配線253と導通される。さらにはスルービア243を介して1層目導体層の引き出し配線244と導通される。この一連の導通された導体は、端面245a、245bに容量あるいはインダクタンスを直列または並列に付加されて共振する。図26Bは2層目導体層の図である。基板外形242、他の導体と導通されていない無給電導体パターン247、1層目および2層目および3層目の導体層を導通させるスルービア243、ブリッジ配線241、これと接続され2層目および3層目の導体層を導通させるスルービア249が示される。一般に、電力伝送効率は、巻線の開口面積に依存して決まる磁界結合係数kと巻線のインピーダンスに依存して決まるQ係数の関数で表される。さらには、磁界結合係数kとQ係数の積が大きくなるに従って電力伝送効率は高くなる。無給電導体パターン247は、抵抗値を高くするような回路の経由がないため、抵抗値が低くなってQ係数が高くなる。これにより、電力伝送効率が高められる。図26Cは3層目導体層の図である。基板外形242、他の導体と導通されていない無給電導体パターン248、1層目および2層目および3層目の導体層を導通させるスルービア243、これと導通されるブリッジ配線253、2層目および3層目および4層目の導体層を導通させるスルービア249が示される。無給電導体パターン248は、無給電導体パターン247と同様に、抵抗値を高くするような回路の経由がないため、抵抗値が低くなってQ係数が高くなる。これにより、電力伝送効率が高められる。なお、無給電導体パターン247、248は1回巻いた形状としているが、他の変形例として、2回以上巻いた形状にも適用できる。図26Dは4層目導体層の図である。基板外形242の内側の4層目導体層に形成される巻線導体パターン251は、スルービア249を介して2層目導体層のブリッジ配線241と導通される。さらにはスルービア249を介して4層目導体層の引き出し配線250と導通される。この一連の導通された導体は、端面251a、251bに容量あるいはインダクタンスを直列または並列に付加されて共振する。
図27(a)、(b)はそれぞれ、図26中の面246a−246b、面246c−246dにおける断面図を示す。図27(a)では、4層目導体層に形成される巻線導体パターン251は、スルービア249を介して2層目導体層のブリッジ配線241と導通される。さらにはスルービア249を介して4層目導体層の引き出し配線250と導通される。このとき、引き出し配線250の露出する面が端面251bとなる。端面251a、251bのペアに対して、容量あるいはインダクタンスが直列または並列に付加される。同様に、図27(b)では、1層目導体層に形成される巻線導体パターン245は、スルービア243を介して3層目導体層のブリッジ配線253と導通される。さらにはスルービア243を介して1層目導体層の引き出し配線244と導通される。このとき、引き出し配線244の露出する面が端面245bとなる。端面245a、245bのペアに対して、容量あるいはインダクタンスが直列または並列に付加される。図27の絶縁伝送媒体は、巻線導体、ブリッジ、スルービア、無給電導体パターンの全てが絶縁体基板に内層化されており、誘電体1層目と5層目の空気に触れる面に金属導体が露出した形状と比べて絶縁耐量が改善される。他の変形例として、スルービア249が4層目導体層から1層目導体層まで導通して形成され、これと繋がるようにしてブリッジ配線241が1層目導体層に形成される形状や、スルービア243が1層目導体層から4層目導体層まで導通して形成され、これと繋がるようにしてブリッジ配線253が4層目導体層に形成される形状にも適用できる。
以上のように本実施形態6に係る絶縁伝送媒体は、導体パターンで形成される2層導体構造の共振器、および無給電導体パターンを絶縁体基板に内層化しており、誘電体1層目と5層目の空気に触れる面に共振器、および無給電導体パターンが露出した形状と比べて絶縁耐量が改善される。さらには、限られたスペース内において巻線導体パターン最内周の開口部面積を大きくし、1層目導体と4層目導体の開口面を垂直方向から見た時の重なる面積も大きくすることで結合効率を高めて小型で高効率にできる。さらには、無給電導体パターンを絶縁体基板の内層に配置することで、Q係数を高めて高効率にできる。
<実施の形態7>
実施の形態7では、先の実施の形態で明らかにした絶縁伝送媒体を適用した絶縁伝送装置の例を、図28−29を参照しながら説明する。
図28は誘電体多層基板に共振器と絶縁伝送回路を構成した絶縁伝送装置の構成例である。絶縁伝送装置301は、絶縁のために所定の距離Lmin以上離した絶縁伝送回路302と、各誘電体層305の間及び表面に導体304が形成された多層基板内に構成された共振器群303とで構成される。絶縁伝送回路302は共振器群303を介して電磁エネルギーを伝送する。絶縁伝送回路302は、例えば、通信回路、給電回路、受電回路であり、論理制御ユニットからゲートドライバ回路へ駆動波形を伝送したり、ゲートドライバ回路から論理制御ユニットへ状態信号を伝送したり、ゲートドライバ回路に電力を伝送したりする回路である。
また、図28では誘電体層305は3層としているが、共振器群303が誘電体層間に形成されていれば良いので、誘電体層は2層以上であれば何層でも良い。
図29は絶縁伝送回路302に振幅変調を用いた通信回路を適用した構成例である。図29(a)は絶縁伝送回路302が送受信に1つの共振器群303を用いる構成、図29(b)は絶縁伝送回路302が送受信それぞれに1つずつの共振器群303を用いる構成である。
図29(a)に記載の絶縁伝送回路302aは、送信器306、受信器307、ノイズ除去フィルタ308、サーキュレータ309とで構成される。IGBTを駆動するゲートドライバは特に高電圧を扱う場合、共振器群303を介して高い電位差のスイッチングノイズが発生する。このノイズを除去するため、ノイズ除去フィルタ308を備えている。サーキュレータ309は、送信器306の出力信号を、ノイズ除去フィルタ308を介して共振器群303へ出力し、共振器群303で受信した受信信号を、ノイズ除去フィルタ308を介して受信器307へ入力する。一方、送信器306の出力信号が受信器307に入力される信号強度を低く抑える機能を有する。
送信器306は発振器310、位相ロックループ311、スイッチ312で構成される。発振器310の出力する基準信号を元に、位相ロックループ311は基準信号の逓倍の周波数を持つ高周波信号を生成する。この高周波信号はスイッチ312を介してサーキュレータ309に伝送され、スイッチ312の短絡、開放は送信信号により制御される。これにより、送信信号は共振器群303を介して他方の絶縁伝送回路302aに伝送される。例えば、送信信号がデジタル信号であり、送信信号が論理1の場合にスイッチ312が短絡し、送信信号が論理0の場合にスイッチ312が開放する場合について説明する。この場合、論理1を送信するときは、高周波信号が送信器306から出力され共振器群303を介して、他方の絶縁伝送回路302aに高周波信号が受信される。一方論理0を送信するときは、高周波信号が送信器306から出力されず、他方の絶縁伝送回路302aは高周波信号を受信されない。こうして、信号を伝送することができる。
受信器307は検波器313、コンパレータ314で構成される。検波器313は受信信号に所定の高周波信号の電力がどのくらい含まれているかを検出する。コンパレータ314は検波器313が検出した高周波信号の電力が所定の閾値を上回るかどうかを判定する。閾値を適正に設定することにより、ノイズや妨害波の電力と他の絶縁伝送回路302aから受信した信号電力とを区別することができ、信号を正しく受信することができる。
図29(b)に記載の絶縁伝送回路302bは、送信器306、受信器307、ノイズ除去フィルタ308とで構成され、送信器306の出力と受信器307の入力はそれぞれ別のノイズ除去フィルタ308を介して別の共振器群303を接続される。この構成により、サーキュレータ309が不要となる。2つの絶縁伝送回路302bが共振器群303を介して接続されるとき、一方の絶縁伝送回路302bの送信器306が接続された共振器群303には、もう一方の絶縁伝送回路302bの受信器307が接続される。こうして共振器群303を2つ用いることにより双方向の通信が可能となる。
なお、位相ロックループ311により高周波信号を生成する例を示したが、位相ロックループに限定されるものではなく、周波数ロックループや電圧制御発振器などでも良い。また、スイッチ312やサーキュレータ309などはその機能を説明するために例示したもので、実際の回路では、別の手段で構成しても良い。例えば、スイッチ312の代わりに乗算器を用いても良いし、サーキュレータ309の代わりに方向性結合器を用いても良い。また、送信と受信を同時に行わない場合は、サーキュレータ309の代わりにスイッチを用いて、送信と受信を切り替えて動作させてもよい。
また、送受信器を例示したが、一方の絶縁伝送回路は送信器のみ、もう一方の絶縁伝送回路は受信器のみという構成でもかまわない。
また、変調方式は振幅変調に限らず、周波数変調や他の変調方式でも良いし、変調せずに電力を伝送するのみでも良い。
図30は図29(a)の構成をインバータに適用した例である。インバータはのIGBT等の二つのスイッチング素子317で構成され、IGBT素子のゲート駆動信号はゲートドライバ回路316によって生成される。ゲートドライバ回路316に与える駆動信号は論理制御ユニット315によって生成される。論理制御ユニット315とゲートドライバ回路316の間の駆動信号の伝送に絶縁伝送回路302aと共振器群303を用いる。このとき、絶縁伝送回路302aは双方向の通信が可能であるため、ゲートドライバ316へ駆動信号を伝送するだけではなく、ゲートドライバ316から論理制御ユニット315へゲートドライバの状態を示す状態信号をも同時に伝送すると良い。
また、同様の構成を3つ用意すれば、3つのインバータを駆動することができ、これにより3相モータを駆動することも可能である。また、さらに多くの構成を用意すれば、多数の小型インバータを直列に接続したカスケードインバータなどへの適用も可能である。
なお、図29(a)の構成を用いて説明したが、図29(b)の構成を用いても同様の効果が得られることは明白である。
以上、実施の形態7に係わる絶縁伝送装置は、複数の誘電体層からなる誘電体多層基板と、前記基板上に設けられた、第1の基準電位を持つ第1の共振器と、前記基板上に設けられ、前記第1の基準電位とは異なる第2の基準電位を持ち、前記第1の共振器とは電気的に絶縁されている第2の共振器と、を有し、前記第1の共振器は、第1の主共振部と、第1の副共振部とからなる、絶縁伝送媒体と、前記絶縁伝送媒体の前記第1の共振器と電気的に接続された第1の回路と、前記絶縁伝送媒体の前記第2の共振器と電気的に接続された第2の回路とを有し、前記第1の回路と前記第2の回路との間で、前記絶縁伝送媒体を介し電磁エネルギーを伝送させることを特徴とする。
本実施形態による絶縁伝送装置の構成を適用すれば、絶縁のために所定の距離を置いた絶縁伝送回路間で電磁エネルギーを伝送することができる。
また、複数の絶縁伝送装置を用いることで、インバータやモータなどを駆動することができる。
<実施の形態8>
実施の形態8では、先の実施の形態で明らかにした絶縁伝送媒体を適用した他の絶縁伝送装置の例を図31−32を参照しながら説明する。
図31は絶縁伝送回路302に振幅変調を用い、送受信を周波数分割した通信回路を適用した構成例である。図31(a)は2つの絶縁伝送回路302の間で双方向の通信を行う構成例、図31(b)、(c)は1つの絶縁伝送回路302と2つの絶縁伝送回路の間で双方向の通信を行う構成例である。
図31(a)に記載の絶縁伝送回路302cは、送信器306、受信器318、結合/分配器321、ノイズ除去フィルタ308で構成される。受信器318は受信信号と位相ロックループ311の信号とを掛け合わせる乗算器320、受信信号以外の周波数成分を低減するフィルタ319、検波器313、コンパレータ314で構成される。結合/分配器321は送信器306と受信器318とノイズ除去フィルタ308とを接続し、送信器306の出力信号を、ノイズ除去フィルタ308を介して共振器群303へ伝送し、共振器群303で受信した信号を、ノイズ除去フィルタ308を介して受信器318へ伝送する機能を有する。なお、送信と受信とで周波数を分割しているため、図29に記載のサーキュレータ309のように送信器の出力信号が受信器に入力される信号強度を低く抑える機能は不要である。
2つの絶縁伝送回路302cの間での通信においては、2つの周波数を用いればよい。1つの絶縁伝送回路302cの送信信号の周波数をf31とし、もう1つの絶縁伝送回路302cの送信信号の周波数をf32とする。すると、送信信号の周波数がf31である絶縁伝送回路302cは、f32の信号を受信すればよいことになる。受信器318の動作について、f32を受信する場合について説明する。
乗算器320には自回路の送信信号f31と他回路の送信信号(所望の受信信号)f32の2つが入力される。これら2つの信号と自回路の位相ロックループ311の出力信号を掛け算すると、乗算器320の出力信号は直流の信号とf31±f32の信号となる。直流の信号はf31の信号同士が乗算された結果である。所望の受信信号の周波数はf32であるため、f31±f32の信号が乗算器320の出力においての所望の受信信号の周波数となる。従って、直流成分を除去しf31±f32の成分を通過させるフィルタ319を用いることにより、所望の受信信号f32を検波器313に伝送することができる。
f31やf32といった周波数は、例えば、ISM帯である2.4GHz帯を用い、f31を2400MHz、f32を2480MHzなどとすると良い。この場合、f31±f32は80MHzとなり、直流と80MHzを分離するフィルタ319を用意する。
また、共振器群303はf31とf32の2つの周波数を通過させる特性を持つ必要がある。共振器群303に2つの共振周波数を持たせても良いし、広帯域な特性を持たせても良い。例えば、f31を2400MHz、f32を2480MHzであるならば、f31とf32の周波数差が小さいので、広帯域な特性を持たせてf31、f32のいずれも小さな損失で通過させる構成とすることが好ましい。
図31(b)に記載の絶縁伝送回路302dは、周波数f31とf33の2つの信号を送信する送信器323、周波数f32とf34の2つの信号を受信する受信器324、結合/分配器321、ノイズ除去フィルタ308とで構成される。共振器群322は周波数f31、f32、f33、f34の4つの信号を伝送させることができるように、広帯域な特性を持つか、複数の共振周波数を持っている。
送信器323は2つの高周波信号を出力する。1つは送信信号1でスイッチ312を制御し出力した信号、もう1つは乗算器325にて送信信号2と発振器310の基準信号を乗算した信号でスイッチ312を制御した信号である。例えば、発振器310の基準信号の周波数を20MHzとし、位相ロックループ311の出力信号の周波数を2420MHzとすると、f31は2420MHz、f33は2400MHz及び2440MHzとなる。一方、相対する絶縁伝送回路302cの出力信号の周波数f32を2415MHz、f34を2445MHzとする。乗算器320の出力信号の周波数は、f32を受信した場合は5MHz、f34を受信した場合は45MHzとなる。一方、自回路の信号f31とf33はそれぞれ直流と20MHzとなる。従って、フィルタ319には、f32とf33を分離する場合は低域通過フィルタ、f34とf33を分離する場合は高域通過フィルタを用意すればよい。
なお、f33は2400MHzと2440MHzの2つの周波数となるが、送信器323の出力端にフィルタを挿入し、2400MHzを除去するなどしても良い。こうすることで、余分な周波数帯域の拡散を防ぐことができる。
なお、位相ロックループ311により高周波信号を生成する例を示したが、位相ロックループに限定されるものではなく、周波数ロックループや電圧制御発振器などでも良い。また、送受信を同時に行わない場合は、結合/分配器の代わりにスイッチを用いても良い。
同様に他の構成要素についても同様に多様な実装手段がある。
また、共振器群322はf31、f32、f33、f34の4つの周波数を通過させる特性を持つ必要がある。共振器群322を構成する2つの要素のうち、絶縁伝送回路302dに接続する要素は4つの周波数全てに対応すべく、複数の共振周波数を持たせたり、広帯域な特性を持たせたりすることが好ましい。一方、絶縁伝送回路302cに接続する要素はいずれか2つの周波数に対応すればよく、絶縁伝送回路302dに接続する要素ほどの広帯域特性は不要であり、あえて、接続する絶縁伝送回路302cで用いる周波数帯にのみ共振させることにより、他の絶縁伝送回路302cの通信への影響をさらに軽減することができる。
なお、1つの絶縁伝送回路302dで2つの絶縁伝送回路302cと通信することができるため、インバータを駆動することができる。さらに同様の構成を3つ用意するか、周波数分割数を3倍に増やすかすれば、3つのインバータを駆動することができ、これにより3相モータを駆動することも可能である。また、さらに多くの構成を用意すれば、多数の小型インバータを直列に接続したカスケードインバータなどへの適用も可能である。なお、図31(a)の構成を2つ用意することで、図31(b)と同様に、インバータを駆動することもできる。
また、変調方式は振幅変調に限らず、周波数変調や他の変調方式でも良い。
図31(c)に記載の絶縁伝送回路302eは、周波数f31とf33の2つの信号を送信する送信器326、周波数f32とf34の2つの信号を受信する受信器318、結合/分配器321、ノイズ除去フィルタ308とで構成される。共振器群322は周波数f31、f32、f33、f34の4つの信号を伝送させることができるように、広帯域な特性を持つか、複数の共振周波数を持っている。
送信器326は電圧制御発振器327、スイッチ312で構成され、電圧制御発振器327は周波数調整信号の電圧により発振周波数が調整される。こうすることで、通信したい相手に応じて、発振周波数を変更し、特定の相手のみと通信することができる。受信器318も乗算器320に入力する電圧制御発振器327の信号周波数によって、受信できる周波数が変わることから、電圧制御発振器の発振周波数を変更することで、特定の相手の信号を受信することができる。
なお、電圧制御発振器327は出力周波数が可変であればどのような実現手段でも良く、例えば、位相ロックループの分周数を変更するなどしても良い。また、変調方式は振幅変調に限らず、周波数変調や他の変調方式でも良い。
図32は電力伝送を行う場合の絶縁電力伝送装置の構成例である。図32(a)は電力伝送を行う構成例、図32(b)は通信と電力伝送を同時に行う構成例である。図32(a)に記載の絶縁電力伝送装置は、発振器310、増幅器328、共振器群303、整流回路329、レギュレータ330で構成される。増幅器328が出力する電力を共振器群303を介して整流回路329が受電し、レギュレータ330が所望の電圧レベルに調整して出力する。例えば、レギュレータ330の出力を、IGBT素子を駆動するゲートドライバ回路の電源に接続して用いる。
図32(b)に記載の絶縁通信・電力伝送装置は、図31(a)の絶縁伝送回路の構成に図32(a)の電力伝送回路の構成を加えたものである。結合/分配器321により双方の信号を合成している。図29で説明したように、周波数により分割することで、通信と電力伝送を同時に行うことができる。このとき、ノイズ除去フィルタ308は電力伝送に用いる周波数において、インピーダンスが低くならないように設計されることが好ましい。
以上、実施の形態8に係わる絶縁伝送装置の構成を適用すれば、実施形態1の効果に加え、絶縁のために所定の距離を置いた複数の絶縁伝送回路間で互いに干渉することなく同時に電磁エネルギーを伝送することができる。
また、1つの絶縁伝送装置と複数の絶縁伝送装置との間で電磁エネルギーの伝送ができる。
また、複数の絶縁伝送装置を用いることで、インバータやモータなどを駆動することができる。
また、通信と電力伝送に異なる周波数を用いることにより、1組の共振器を用いて、双方を同時に行うことができる。
<実施の形態9>
実施の形態9では、先の実施の形態で明らかにした絶縁伝送媒体と絶縁伝送回路を多層基板に実装した絶縁伝送装置の構成例を図33−34を参照しながら説明する。
図33は誘電体多層基板に共振器と絶縁伝送回路を構成した絶縁伝送装置の構成例である。特に、絶縁伝送回路302は絶縁を確保するために所定の距離Lmin以上離して配置されているが、共振器群303は少なくとも1辺が距離Lmin以上の大きさとなる構成例である。図33(a)は断面図、(b)はA2−A2’の面を絶縁伝送回路302が配置されている上部から見た図、(c)はA3−A3’の面を絶縁伝送回路302が配置されている上部から見た図である。
図33(b)と(c)に示すように、共振器群303は所定の距離Lmin以上長い辺L31を持つ。また、一方の絶縁伝送回路302と接続された導体304は、他方の絶縁伝送回路302と接続された導体304との距離を、誘電体内部で絶縁を確保するための所定の距離Dmin以上離して形成される。
なお、図33(b)、(c)に記載されたA2−A2’、A3−A3’面上の導体304は、誘電体層305の外形よりも小さいため、誘電体多層基板の側面において、露出していない。
このように、共振器群303を誘電体多層基板内部に形成することによって、共振器群303のサイズが大きくても、絶縁伝送回路302間の距離は、絶縁を確保するための所定の距離Lminだけ離せばよいため、実装面積を低減することができる。
また、図33では誘電体層305は3層としているが、共振器群303が誘電体層間に形成されていれば良いので、誘電体層は2層以上であれば何層でも良い。
また、絶縁伝送回路302と共振器群303の数はそれぞれ2つと1つに限定されるものではなく、3つ以上の絶縁伝送回路302や2つ以上の共振器群303に対しても同様に適用することが出来る。
また、図33に記載した共振器群303の構造は一例であり、先の実施例にて明らかとなったどのような共振器を用いても良い。
なお、誘電体層を増やし、絶縁伝送回路302と共振器群303の間に、基準電位を印加した導体304を配し、絶縁伝送回路302と共振器群303との間でノイズが伝搬しないようにシールドしても良い。
図34は誘電体多層基板に共振器と絶縁伝送回路を構成した絶縁伝送装置の構成例である。特に、一方の絶縁伝送回路302は他方の絶縁伝送回路302とは反対側の基板表面に配置されている構成例である。図34(a)は断面図、(b)―(e)はそれぞれA1−A1’、A2−A2’、A3−A3’、A4−A4’の面について、A1−A1’面上に配置された絶縁伝送回路302の上部から見た図である。
基板表面においては、一方の絶縁伝送回路302と接続された導体304と、他方の絶縁伝送回路302と接続された導体304は、絶縁を確保するための所定の距離Lmin以上離れた場所に配置されている。また、誘電体内部では、誘電体内部で絶縁を確保するための所定の距離Dmin以上離れた場所に配置されている。
また、A1−A1’とA4−A4’面に配置された一方の絶縁伝送回路302と接続された導体304と、他方の絶縁伝送回路302と接続された導体304も絶縁を確保するための所定の距離Lmin以上離れた場所に配置されている。例えば、基板の厚さL32が十分薄く、距離Lminに対して無視できる場合、基板端面から導体304までの距離を一律Lmin/2離して配置するなどすればよい。
このように、共振器群303を誘電体多層基板内部に形成することによって、共振器群303のサイズが大きくても、絶縁伝送回路302間の距離は、絶縁を確保するための所定の距離Lminだけ離せばよいため、実装面積を低減することができる。
また、絶縁伝送回路302を基板の両面に配置することにより実装面積を低減することができる。
また、図34では誘電体層305は3層としているが、共振器群303が誘電体層間に形成されていれば良いので、誘電体層は2層以上であれば何層でも良い。
また、絶縁伝送回路302と共振器群303の数はそれぞれ2つと1つに限定されるものではなく、3つ以上の絶縁伝送回路302や2つ以上共振器群303に対しても同様に適用することが出来る。3つ以上の絶縁伝送回路302がある場合、3つのうち2つは同じ面に配置される。
また、図34に記載した共振器群303の構造は一例であり、先の実施例にて明らかとなったどのような共振器を用いても良い。
なお、誘電体層を増やし、絶縁伝送回路302と共振器群303の間に、基準電位を印加した導体304を配し、絶縁伝送回路302と共振器群303との間でノイズが伝搬しないようにシールドしても良い。
以上、実施の形態9に係わる絶縁伝送装置の構成を適用すれば、絶縁のために所定の距離を置いた絶縁伝送回路間で電磁エネルギーを伝送することができる。また、絶縁のための所定の距離Lminよりも大きな共振器を用いても、実装面積の増大を抑えることができる。また、絶縁伝送装置を基板の表裏に配置することで、さらに実装面積を低減することができる。また、複数の絶縁伝送装置を用いることで、インバータやモータなどを駆動することができる。
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成例の一部を、同じ実施の形態の他の構成例または他の実施の形態の構成例に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成例に、同じ実施の形態の他の構成例または他の実施の形態の構成例の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
101:誘電体多層基板、
102:論理制御ユニット、
103:通信機、
104:ゲートドライバ回路、
105:スイッチング素子、
106:外部インターフェース主導体、
107:インターフェース主ビア、
108:共振器主導体、
109:インターフェース副ビア、
110:外部インターフェース副導体、
111:内部インターフェース主導体、
112:内部インターフェース副導体、
113、114、116:静電容量成分、
115:自己誘導成分、
117:相互誘導成分、
118:誘電体層、
119:通過量、
120:反射量、
121:共振器副導体、
122、123、124:共振器主導体、
125:共振器主ビア、
126、128:共振器主導体、
129:内部インターフェース副導体、
132:共振器副ビア、
133、136、137:共振器副導体、
138:外部インターフェース導体、
200:電磁波伝搬装置
210、232、242:基板外形
208、212、230、233、243、249:スルービア、
209、217、219、225、227、231、239、241、253:ブリッジ配線、
213、216、218、235、238、245、251:巻線導体パターン、
213a、213b、216a、216b、235a、235b、238a、238b、245a、245b、251a、251b:端面
211、215、234、237、244、250:引き出し配線、
221、222、223:領域
220a:巻線導体パターン概形
226:領域
228:領域
228a:領域
229:領域
247、248:無給電導体パターン
301:絶縁伝送装置
302:絶縁伝送回路
303、322:共振器群
304:導体
305:誘電体層
306、323、326:送信器
307、318、324:受信器
308:ノイズ除去フィルタ
309:サーキュレータ
310:発振器
311:位相ロックループ
312:スイッチ
313:検波器
314:コンパレータ
315:論理制御ユニット
316:ゲートドライバ回路
317:スイッチング素子
319:フィルタ
320、325:乗算器
321:結合/分配器
327:電圧制御発振器
328:増幅器
329:整流回路
330:レギュレータ。

Claims (14)

  1. 複数の誘電体層からなる誘電体多層基板と、
    前記基板上に設けられた、第1の基準電位を持つ第1の共振器と、
    前記基板上に設けられ、前記第1の基準電位とは異なる第2の基準電位を持つ第2の共振器とを有し、
    前記第1の共振器と前記第2の共振器との間は直流電流に対しては電気的に絶縁されており、
    前記第1の共振器と前記第2の共振器との間で、所定の周波数帯域を持ち、かつ、直流ではない電磁波を伝送させるものであり、
    前記第1の共振器は、第1の主共振部と、第1の副共振部とからなり、
    前記第2の共振器は、第2の主共振部と、第2の副共振部とからなる
    ことを特徴とする絶縁伝送媒体。
  2. 請求項1において
    前記第1の共振器は、第1の誘電体層上に設けられ、
    前記第2の共振器は、第1の誘電体層より下層の第2の誘電体層上に設けられて、
    前記第1の誘電体層より上には、第3の誘電体層が設けられていることを特徴とする絶縁伝送媒体。
  3. 請求項1において
    前記第1の共振器、前記第2の共振器の少なくとも一つが複数の誘電体層に渡って設けられていることを特徴とする絶縁伝送媒体。
  4. 請求項1において
    前記第1及び第2の副共振部は複数あることを特徴とする絶縁伝送媒体。
  5. 請求項1において、前記第1の共振器および前記第2の共振器はいずれも導体であることを特徴とする絶縁伝送媒体。
  6. 請求項2において、
    前記第1の主共振部は複数回曲折していることを特徴とする絶縁伝送媒体。
  7. 請求項2において、
    前記第1の共振器および前記第2の共振器から前記誘電体層により絶縁されたフローティング共振器をさらに備え、
    前記第1の共振器と、前記第2の共振器との間で、前記フローティング共振器を介して電磁エネルギーを伝送させることを特徴とする絶縁伝送媒体。
  8. 請求項6において、
    前記第1の副共振部は、前記第1の主共振部を挟むような位置に設けられていることを特徴とする絶縁伝送媒体。
  9. 請求項8において、
    前記第1及び第2の共振器が複数であることを特徴とする絶縁伝送媒体。
  10. 請求項1において、
    前記第1の共振器は、前記基板の第1の層上に設けられたコイル状の導体パターンであり、
    前記第2の共振器は、前記基板の前記第1の層とは異なる第2の層上に設けられたコイル状の導体パターンであり、
    前記第2の層には、前記第1の共振器の導体パターンの始点と終点をつなぐための第1ブリッジ配線が設けられ、
    前記第1の層には、前記第2の共振器の導体パターンの始点と終点をつなぐための第2ブリッジ配線が設けられていることを特徴とする絶縁伝送媒体。
  11. 請求項10において、
    前記第1の共振器と前記第2の共振器とは互いに点対称であり、
    前記第1の共振器の外周と前記第2ブリッジ配線との距離は、両者が絶縁をとれる程度に離間され、
    前記第2の共振器の外周と前記第1ブリッジ配線との距離は、両者が絶縁をとれる程度に離間されていることを特徴とする絶縁伝送媒体。
  12. 複数の誘電体層からなる誘電体多層基板と、前記基板上に設けられた、第1の基準電位を持つ第1の共振器と、前記基板上に設けられ、
    前記第1の基準電位とは異なる第2の基準電位を持ち、前記第1の共振器とは電気的に絶縁されている第2の共振器と、を有し、前記第1の共振器は、第1の主共振部と、第1の副共振部とからなる、絶縁伝送媒体と、
    前記絶縁伝送媒体の前記第1の共振器と電気的に接続された第1の回路と、
    前記絶縁伝送媒体の前記第2の共振器と電気的に接続された第2の回路とを有し、
    前記第1の回路と前記第2の回路との間で、前記絶縁伝送媒体を介し電磁エネルギーを伝送させる絶縁伝送装置。
  13. 請求項12において、
    前記第1の回路と前記第2の回路との間で、複数の信号が同時に伝送されることを特徴とする絶縁伝送装置。
  14. 請求項12において、
    前記第1の回路と前記第2の回路との間で、通信と電力伝送とが同時に行われることを特徴とする絶縁伝送装置。
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