JP2011050045A - フィルタ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 誘電体層1aが積層された積層体1を挟んで対向する第1の接地電極2aおよび第2の接地電極2bと、互いに電磁界結合するように横並びに整列され、一方端が短絡端で他方端が開放端である3個以上の共振器電極3a〜3dと、共振器電極3a〜3dとの間に誘電体層1aを挟んで配置され、一端および他端がそれぞれ初段および最終段の共振器電極3a,3dの短絡端部と対向してその短絡端に電気的に接続された結合電極4と、初段および最終段の共振器電極3a,3dに電磁界結合する入力端子5および出力端子6とからなり、共振器電極3は、結合電極と入力端子電極および出力端子電極とに挟まれた部分に切欠きまたは開口8を有するフィルタ装置である。通過帯域の高域側の減衰が急峻かつ減衰量の大きいフィルタ装置となる。
【選択図】 図1
Description
Band)等の無線通信機器その他の各種通信機器等において使用されるフィルタ装置に関
するものである。
い周波数帯域を使用する計画となっている。そして、日本では、無線LANのIEEE802.11.aにおいて使用される5.15GHz〜5.25GHzを避ける形で、3.4GHz〜4.8GH
z程度の帯域を使用するローバンドと7.25GHz〜10.25GHz程度の帯域を使用するハ
イバンドとに分割された規格が立案されている。このため、ローバンド用のフィルタであれば、3.4GHz〜4.8GHz程度の広い帯域を使用する(この帯域の周波数の信号を通過させる)のに対して、わずかに0.35GHzしか離れていない5.15GHzでは減衰するという非常に急峻な減衰特性が求められている。
ってλ/2共振が生じるものであった。このλ/2共振が生じると、減衰特性に跳ね上がりが生じるので、例えば、ローバンド用とハイバンド用との両方を備えたデュアルバンドのフィルタ装置とした場合には、ローバンド用フィルタにおいて発生したλ/2共振によって、ハイバンド用のフィルタによる通過帯域の外側において、減衰が急峻でなくなったり共振が発生したりしてしまう、あるいは、通過帯域においても共振によるノイズが発生してしまう場合があるという問題点があった。
り、入力端子電極または出力端子電極の幅と結合電極の幅とが開口の幅より狭いとともに、入力端子電極または出力端子電極の一対の側辺と結合電極の一対の側辺とが平面視において開口内に位置しているときには、結合電極と共振器電極との容量結合を小さくするとともに、入力端子電極または出力端子電極と共振器電極との容量結合を小さくすることができ、結合電極と入力端子電極または出力端子電極との容量結合を増大させることができる。これによって、結合電極によるλ/2共振を低減させることができ、所定の通過帯域を除く周波数帯域において減衰特性の跳ね上がりが抑えられたフィルタ装置とすることができる。
1に示す例のようなクランク型となる。同じ4つの共振器電極3a〜3dであっても、短絡端および開放端の向きが同じ、いわゆるコムライン型に配置されている場合であれば、結合電極4はコの字型(C字型)となる。同様に、共振器電極の配置が同じインターデジタル型の配置の場合でも、その数が5つ等の奇数である場合にも、結合電極4はコの字型(C字型)となる。このように、結合電極4の形状は共振器電極の配置と数に応じた形状となる。そして、初段の共振器電極3aおよび最終段の共振器電極3dには、それぞれ結合電極4と入力端子電極5とで挟まれる位置および結合電極4と出力端子電極6とで挟まれる位置に開口8が設けられている。
に配置されて相互に電磁界結合するためには、共振器電極3a〜3dの形状は細長い帯状のものであるのが好ましい。
地電極2b(以下、第1の接地電極2aおよび第2の接地電極2bをまとめて接地電極2a,2bともいう)と共にストリップライン共振器を構成しており、短絡端が上下の接地電極2a,2bに接続されて接地電位に接続されることによって1/4波長共振器として機能する。共振器電極3a〜3dと上下の接地電極2a,2bとの接続は、図1,図2,図4および図6〜8に示すように、共振器電極3a〜3dを形成した層間に共振器電極3a〜3dの短絡端同士を接続するための導体層を設けて、この導体層と貫通導体(図示せず。)とによって接続したり、この導体層を誘電体層1aの端部まで延ばして誘電体層1aの端面(積層体1の側面)に形成した端面導体(図示せず)によって接続したりすればよい。共振器電極3a〜3dの短絡端同士を接続するための導体層を設けない場合は、共振器電極3a〜3dのそれぞれを貫通導体によって接地電極2a,2bに接続してもよいし、共振器電極3a〜3dの短絡端を誘電体層1aの端部まで延ばして、誘電体層1aの端面(積層体1の側面)に形成した端面導体によって接地電極2a,2bに接続してもよい。端面導体で接続すると、共振器電極3a〜3dから発生する電磁波の周囲への漏洩を低減するシールド層として端面導体を機能させることができ、貫通導体の場合でも、その間隔を小さくしたり、共振器電極3a〜3dの周りに二重以上に配列し、側面から見てできるだけ貫通導体を隙間なく配置したりすれば、同様にシールドの機能がより顕著になるので好ましい。図1,図2,図4および図6〜8に示す例のように、共振器電極3a〜3dの短絡端同士を接続するための導体層を設けると、共振器電極3a〜3dの短絡端を接地電極2a,2bに接続するのが容易となるので好ましい。
開口8は、共振器電極3a,3dにそれぞれ1つずつ設けるのがより好ましい。
で十分な結合が得られ、フィルタ装置を作製する際の位置ずれによって初段の共振器電極3aおよび最終段の共振器電極3d以外の共振器電極3b,3cとの結合が発生してしまうことがないように、結合電極4の初段の共振器電極3aに対向する部分および最終段の共振器電極3dに対向する部分は、共振器電極3a,3dの形状に沿った帯状で、共振器電極3a,3dより幅の小さい形状とするのがよい。
磁界結合する内部入力端子電極5bと、積層体1の外表面に形成され、内部入力端子電極5bに初段の共振器電極3aの開放端側で接続された外部入力端子電極5aとを具備し、出力端子電極6は、最終段の共振器電極3dに沿った形状で、誘電体層1aを挟んで共振器電極3の最終段3dと対向するように配置されて最終段の共振器電極3dと電磁界結合する内部出力端子電極6bと、積層体1の外表面に形成され、内部出力端子電極6bに最終段の共振器電極3dの開放端側で接続された外部出力端子電極6aとを具備している。このような構成により、入力端子電極5と初段の共振器電極3aとの間および出力端子電極6と最終段の共振器電極3dとの間において、磁界による結合と電界による結合とが加算されて強い結合が生じるので、従来の1/4波長共振器を利用したフィルタで実現可能だった帯域よりも広い通過帯域であっても、それぞれの共振モードの共振周波数の間に位置する周波数における挿入損失が大きく増加することのない、広い通過帯域の全域に渡って平坦で低損失な通過特性を有するフィルタ装置を提供することができる。この結果、広い通過帯域を有し、かつ急峻な減衰特性を有する、例えばUWB用途のバンドパスフィルタに適したフィルタ装置となる。
ラフルオロエチレン−パーフルテロアルキルビニルエーテル共重合樹脂:PFA)等のフッ素樹脂やガラスエポキシ樹脂,ポリイミド等の有機樹脂材料が用いられる。これらの材料による誘電体層1aの形状や寸法(厚みや幅,長さ)は、使用される周波数や用途等に応じて設定される。セラミック材料の場合は、より高周波の信号を伝送することが可能な、Au,Ag,Cu等の低抵抗金属からなる導体材料と同時焼成が可能な低温焼成セラミックスが好ましい。
より形成する。その後、外表面に露出している導体層上には、NiめっきおよびAuめっき等のめっき皮膜を形成する。誘電体層1aが有機樹脂材料から成る場合であれば、例えば有機樹脂シート上に第1の接地電極2a,第2の接地電極2b,内部接地電極2c,共振器電極3a〜3d,接地強化部4a,入力端子電極5,出力端子電極6,結合電極4,容量電極7および第2容量電極9の各電極パターン形状に加工したCu箔を転写し、Cu箔が転写された有機樹脂シートを積層して接着剤で接着することによって形成する。
a〜3dの列の幅程度の貫通孔を形成しておき、共振器電極3a〜3dの電極パターンの短絡端をこの貫通孔に接するように形成した後、グリーンシートの積層前または積層後に導体ペーストを貫通孔の内面に印刷し、または貫通穴に充填して、貫通孔の部分で切断することによっても形成することができる。誘電体層1aが樹脂系材料から成る場合も同様に、グリーンシートに代えて有機樹脂シートを用い、導体ペーストの印刷やめっきによって貫通孔内に貫通導体を形成したり、薄膜法等によって側面導体を形成したりすればよい。共振器電極3a〜3dの電極パターンの短絡端を積層体の側面に露出させるには、共振器電極3a〜3dの電極パターンの短絡端がグリーンシート(あるいは有機樹脂シート)の端部に位置するように形成したり、共振器電極3a〜3dの電極パターンを形成したグリーンシート(有機樹脂シート)を積層した後に、共振器電極3a〜3dの電極パターンの短絡端が側面に露出するように積層体を切断したりすればよい。
、例えば誘電体層1aとして比誘電率が9.4のガラスセラミックスを用い、第1の接地電
極2a,第2の接地電極2b,内部接地電極2c,共振器電極3a〜3d,結合電極4,入力端子電極5,出力端子電極6,容量電極7および貫通導体にAgメタライズを用いることにより得られる。比誘電率が9.4のガラスセラミックスは、例えば、ガラス成分とし
てPbO,B2O3,SiO2,Al2O3,ZnOおよびアルカリ土類金属酸化物を主成分とする結晶化ガラスが50質量%と、フィラー成分としてアルミナが50質量%とからなるものを用いればよい。
を3.35mm×5.0mmで内寸(開口の寸法)を2.945mm×3.5mmとする。この開口内に
寸法が0.4mm×3.35mmの共振器電極3a,3b,3c,3dを順に0.155mm,0.135
mm,0.155mmの間隔で横並びに整列し、各短絡端を内部接地電極2cに接続して、各
開放端と内部接地電極2cとの間隔が0.15mmとなり、共振器電極3aおよび3dと内部接地電極2cとの間隔が0.45mmとなるように配置する。内部接地電極2cと積層体1の上下面の接地電極2a,2bとは、外周部に配列した直径0.1mmの貫通導体で接続する
。入力端子電極5は、0.3mm×3.35mmの内部入力端子電極5bを初段の共振器電極3
aの開放端側と平面視で0.3mm×3.35mmの範囲で重なるように配置し、0.2mm×0.2
mmの外部入力端子電極5aと直径0.1mmの貫通導体で接続する。出力端子電極6も同
様に、0.3mm×3.35mmの内部出力端子電極6bを最終段の共振器電極3dの開放端側
と平面視で0.3mm×3.35mm重なるように配置し、0.2mm×0.2mmの外部出力端子電
極6aと直径0.1mmの貫通導体で接続する。結合電極4は、2つの0.1mm×2.0mmの
対向部を1.545mm×0.1mmの接続部で接続したクランク形とし、2つの対向部がそれぞれ初段の共振器電極3aおよび最終段の共振器電極3dの短絡端側と平面視で0.1mm×1.8mmの範囲で重なるように配置し、内部接地電極2cと重なる部分の中心で直径0.1m
mの貫通導体により内部接地電極2cに接続する。容量電極7は0.2mm×0.4mmおよび0.4mm×0.6mmの2つの矩形を接続した凸型で、内部接地電極2cと0.4mm×0.6mmの範囲で重なり、共振器電極3a〜3dの開放端部と平面視で0.2mm×0.25mmの範囲
で重なるように配置し、重なる部分の中心で直径0.1mmの貫通導体により接続する。開
口部8・8は、初段の共振器電極3aおよび最終段の共振器電極3dのそれぞれの短絡端側からの距離が0.1mmで、共振器電極3a,3dの幅の中心に、共振器電極3a,3d
の長さ方向に平行な長さが0.3mmで幅が0.2mmの長方形状のものを配置する。
タ装置(比較例)において得られるフィルタ特性は、図9に破線の特性曲線で示すようなものとなる。図に示す線図において、縦軸は挿入損失(単位:dB)を、横軸は周波数(単位:GHz)を示す。
、また、上から4層目と5層目の誘電体層1a・1aの間において、同様に平面視で共振器電極3a,3dの開口部8・8の中心と中心を一致させてそれぞれ1つずつ配置して、同様に結合電極4の両端部にそれぞれ接続する。実施例1では、結合電極4と入力端子電極5および出力端子電極6とは、開口8を通して150μmの距離を置いて結合しているの
に対して、実施例2では、開口8を挟んで一対の第2容量電極9・9が100μmの距離を
置いて対向して結合電極4と入力端子電極5および出力端子電極6とが結合している。
面視で最終団の共振器電極3dの開口部8と重なるように0.2mm×0.3mmの細線幅部(線幅0.2mm)としている。
子電極5および出力端子電極6の少なくとも一方とが切欠きまたは開口8を通して容量結合することで電磁界結合が強まるので、結合電極4を通る信号の位相を変えることができることから、結合電極4によるλ/2共振を低減することができ、所定の通過帯域を除く周波数帯域において減衰特性の跳ね上がりが抑えられたフィルタ装置とすることができる。
1a・・・誘電体層
2a・・・第1の接地電極
2b・・・第2の接地電極
2c・・・内部接地電極
3a,3b,3c,3d・・・共振器電極
3a・・・初段の共振器電極
3d・・・最終段の共振器電極
4・・・結合電極
5・・・入力端子電極
5a・・・外部入力端子電極
5b・・・内部入力端子電極
6・・・出力端子電極
6a・・・外部出力端子電極
6b・・・内部出力端子電極
7・・・容量電極
8・・・切欠きまたは開口
9・・・第2容量電極
Claims (6)
- 複数の誘電体層が積層されてなる積層体と、
該積層体を挟んで対向するように配置された第1の接地電極および第2の接地電極と、
前記積層体内において互いに電磁界結合するように平面視で横並びに整列され、それぞれ一方端が短絡端で他方端が開放端である3つ以上の複数の共振器電極と、
前記積層体内において前記共振器電極との間に前記誘電体層を挟んで前記第2の接地電極側に配置され、一端が初段の前記共振器電極の短絡端部と対向するとともに対向する前記共振器電極の短絡端に電気的に接続され、他端が最終段の前記共振器電極の短絡端部と対向するとともに対向する前記共振器電極の短絡端に電気的に接続された結合電極と、
前記初段の共振器電極に沿った形状で、前記誘電体層を挟んで前記初段の共振器電極と対向するように前記第1の接地電極側に配置されて前記初段の共振器電極と電磁界結合する入力端子電極と、
前記最終段の共振器電極に沿った形状で、前記誘電体層を挟んで前記最終段の共振器電極と対向するように前記第1の接地電極側に配置されて前記最終段の共振器電極と電磁界結合する出力端子電極と
からなるフィルタ装置であって、前記共振器電極は、前記結合電極と前記入力端子電極とに挟まれた部分、および前記結合電極と前記出力端子電極に挟まれた部分のうち少なくとも一方の部分に切欠きまたは開口を有することを特徴とするフィルタ装置。 - 前記共振器電極を平面視した場合に、複数の前記共振器電極を取り囲むように内部接地電極が形成されていることを特徴とする請求項1記載のフィルタ装置。
- 前記第2の接地電極と前記共振器電極との間において前記誘電体層を挟んで前記第2の接地電極と対向するとともに、複数の前記共振器電極の開放端にそれぞれ電気的に接続された複数の容量電極を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフィルタ装置。
- 前記共振器電極を平面視した場合に、複数の前記共振器電極を取り囲むように内部接地電極が形成されており、前記容量電極の一部が前記誘電体層を挟んで前記内部接地電極と対向するように配置されていることを特徴とする請求項3記載のフィルタ装置。
- 前記共振器電極は前記切欠きを有しており、前記切欠きは前記共振電極の一対の側辺のうち片側側辺にのみ設けられており、前記入力端子電極または前記出力端子電極の幅と前記結合電極の幅とが前記切欠きの幅より狭いとともに、前記入力端子電極または前記出力端子電極の一対の側辺と前記結合電極の一対の側辺とが平面視において前記切欠き内に位置していることを特徴とする請求項1記載のフィルタ装置。
- 前記共振電極は前記開口を有しており、前記入力端子電極または前記出力端子電極の幅と前記結合電極の幅とが前記開口の幅より狭いとともに、前記入力端子電極または前記出力端子電極の一対の側辺と前記結合電極の一対の側辺とが平面視において前記開口内に位置していることを特徴とする請求項1記載のフィルタ装置。
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