JP5866208B2 - 運搬用容器 - Google Patents

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Description

本発明は、運搬用容器に関する。
従来、内部の収容物を側方から取り出すことができるように有底四角箱状の容器本体の側壁に開口部を形成し、その開口部を開閉するための開閉扉を容器本体に連結した運搬用容器が知られている。例えば、特許文献1の運搬用容器においては、容器本体の底壁がフォークリフトのフォーク等を挿し込むことのできる中空四角板状のパレットとして構成されている。底壁の4つの各側縁には、それぞれ四角板状の側壁が立設されている。容器本体は、これら底壁及び4つの側壁によって全体として有底四角箱状を成している。容器本体の4つの側壁のうち、いずれか1つの側壁には、略台形状の開口部が形成されている。容器本体の側壁において開口部の開口上縁には、開口部と同じ略台形状で板状に形成された開閉扉が連結されている。開閉扉は、開口部が形成された側壁に対して上下方向に回動可能に連結されている。
実開昭63−57231号公報。
特許文献1の運搬用容器においては、閉状態の開閉扉を容器本体の側壁に対して上方向に回動させて開状態に保持したとき、容器本体における側壁の外面に対して開閉扉が外側に張り出したような状態になる。具体的には、例えば、容器本体における側壁の外面に対して開閉扉が90度の角度を成すように開閉扉が保持された場合、開閉扉全体の上下方向の長さと略等しい長さで、開閉扉が容器本体における側壁の外面から外側に張り出すことになる。同様に、例えば、容器本体における側壁の外面に対して開閉扉が30度(150度)の角度を成すように開閉扉が保持された場合、開閉扉全体の上下方向の長さの2分の1と略等しい長さで、開閉扉が容器本体における側壁の外面から外側に張り出すことになる。
このように、特許文献1の運搬用容器においては、開閉扉が開状態に保持された場合に、開閉扉全体の上下方向の長さに応じた長さでもって開閉扉が外側に張り出すことになる。そして、開閉扉の張り出し長さが過度に長いと、運搬用容器の使用者の作業スペースが奪われたり、開口部を介して収容物を取り出す際に使用者の腕等が開閉扉に引っかかったりするといった事態が生じ得る。
本発明は、上記従来技術の問題点を鑑みてなされたものであって、運搬用容器において開状態における開閉扉の外側への張り出し長さを短くすることを目的とする。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、有底四角箱状の容器の側壁に開口部が形成され、該開口部を開閉するための開閉扉が前記容器に連結された運搬用容器であって、前記開閉扉は、上下方向に回動可能に前記容器の側壁に連結された上扉部と、上下方向に回動可能に前記上扉部に連結された下扉部とを備え、前記上扉部に対する前記下扉部の回動軸線から前記下扉部の下縁までの前記下扉部における上下方向の長さよりも、前記容器に対する前記上扉部の回動軸線から前記上扉部に対する前記下扉部の回動軸線までの前記上扉部における上下方向の長さの方が短く形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、上扉部を容器の側壁に対して上方向に回動させつつ、下扉部を上扉部に対して上方向に回動させることで開閉扉を開状態にできる。開閉扉の開状態において、下扉部の下縁を上扉部の下縁よりも容器側に配置するようにすれば、開閉扉の外側への張り出し長さは、容器に対する上扉部の回動軸線から上扉部に対する下扉部の回動軸線までの上扉部における上下方向の長さによって決定される。この長さが上扉部に対する下扉部の回動軸線から下扉部の下縁までの下扉部における上下方向の長さよりも短いため、背景技術のように開閉扉全体が一枚の板状に形成されている場合に比較して、開状態における開閉扉の外側への張り出し長さをおよそ半分以下に短くすることができる。
また、請求項1に記載では、前記下扉部は、板状の下扉本体と、該下扉本体に設けられた開状態保持部とを備え、前記開状態保持部が前記容器の上縁に係止されることにより前記下扉部が前記容器の上縁に載置された状態で保持されることを特徴とする。
この構成によれば、開状態保持部によって下扉部が容器の上縁に載置された状態で保持されることから、開閉扉の開状態において運搬用容器の使用者が下扉部を支えるといったことをしなくとも、開閉扉の開状態における下扉部の位置を安定させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の運搬用容器において、前記開状態保持部は、前記下扉本体の外面において上下方向に並ぶように突設された一対の突出部であり、前記一対の突出部の離間長は、前記側壁の上縁における厚み方向長さ以上に設定されていることを特徴とする。
この構成によれば、側壁の上縁が下扉部の一対の突出部の間に嵌り込んで下扉部が保持されることから、運搬用容器に振動が与えられたり、運搬用容器が傾斜したりしても、意図せずに開閉扉の上扉部及び下扉部が下方向に回動して閉状態に戻ることが抑制される。
本発明によれば、開状態における開閉扉の外側への張り出し長さを、容器に対する上扉部の回動軸線から上扉部に対する下扉部の回動軸線までの上扉部における上下方向の長さ以下にすることにより、開状態にある開閉扉が邪魔になることが抑制される。その結果、開閉扉の開状態において容器の奥側に収容されている収容物が取り出しやすく、また、容器の奥側に収容物を入れやすい。
運搬用容器の斜視図。 運搬用容器における第一短側壁の正面図 (a)は、図2におけるA−A線断面図。(b)は、図2におけるB−B線断面図。 開状態における運搬用容器の断面図。 変更例についての開状態における運搬用容器の断面図。
先ず、本発明の一実施形態の構成を図1〜図4に従って説明する。
図1に示すように、運搬用容器の容器本体10は、全体として有底四角箱状に形成されている。容器本体10の底壁11は、長方形板状に形成されている。底壁11において両長側縁には、それぞれ長方形板状の長側壁12が立設されている。底壁11において一方の短側縁には、全体として略長方形板状の第一短側壁21が立設されているとともに、他方の短側縁には、長方形板状の第二短側壁25が立設されている。
図3(a)及び(b)に示すように、容器本体10の第一短側壁21には、容器本体10の内外を連通させる長方形状の開口部22が形成されている。開口部22は、第一短側壁21における開口上縁22aから第一短側壁21の上縁21aまでの長さが所定の長さX1となるようにその位置が設定されている。また、容器本体10の第一短側壁21において開口部22の上辺に沿う部分の外面には、断面視四角形状の切欠部21bが切欠形成されている。
図3(b)に示すように、第一短側壁21の開口下縁22bには、開閉扉30を閉状態に保持するための係止凹部23が下側に向かって凹設されている。図2に示すように、係止凹部23は、第一短側壁21の左右方向に二箇所並設されている。なお、図2においては係止凹部23の凹設位置を破線で図示している。図3(a)に示すように、第一短側壁21の開口上縁22aにおいて外面側の角部(切欠部21bの下側の角部)には、上部軸受24が形成されている。上部軸受24は、容器本体10の第一短側壁21において切欠部21bが形成されていない部分の外面よりも外側に突出しないように形成されている。図2に示すように、上部軸受24は第一短側壁21の左右方向に三箇所並設されている。
図2に示すように、容器本体10の第一短側壁21には、全体として第一短側壁21における開口部22の形状と略同じ長方形板状を成す開閉扉30が連結されている。開閉扉30は、容器本体10における第一短側壁21の上部軸受24を介して上下方向に回動可能に連結されている。この開閉扉30が上下方向に回動することにより、開閉扉30は、第一短側壁21の開口部22を閉塞する閉状態と第一短側壁21の開口部22を開放する開状態とに配置される。開閉扉30は、上下方向に二分割されており、上側に配置される上扉部31と下側に配置される下扉部41とを備えている。また、開閉扉30において下扉部41には、開閉扉30を閉状態に保持するためのロック機構部51が添設されている。
図3(a)に示すように、開閉扉30の上扉部31は、上下方向に所定の長さを有する長方形板状に形成されている。上扉部31の上縁において外面側の角部には、第一短側壁21の上部軸受24に連結される上部回動軸32が形成されている。図2に示すように、上部回動軸32は、第一短側壁21の上部軸受24に対応して、上扉部31の左右方向に三箇所並設されている。開閉扉30の上扉部31は、各上部回動軸32と第一短側壁21の各上部軸受24とによって容器本体10の第一短側壁21に対して上下方向に回動可能となっている。図3(a)に示すように、上扉部31の下縁において内面側の角部には、断面視四角形状の切欠部33が切欠形成されている。上扉部31の下縁において外面側の角部には、下扉部41を連結するための下部軸受34が形成されている。本実施形態において下部軸受34は、上部回動軸32における回動軸線から下部軸受34における回動軸線までの長さX2が第一短側壁21における開口上縁22aから第一短側壁21の上縁21aまでの長さX1と同じかやや短くなるように、その高さ位置が設定されている。そして、図2に示すように、下部軸受34は、上扉部31の左右方向に三箇所並設されている。なお、本実施形態においては、上扉部31の上縁における外面側の角部に上部回動軸32が形成されているとともに、上扉部31の下縁における外面側の角部に下部軸受34が形成されている。したがって、容器本体10に対する上扉部31の回動軸線から上扉部31に対する下扉部41の回動軸線までの長さX2は、上扉部31の上下方向の長さと等しい。
図3(a)に示すように、開閉扉30において下扉部41の下扉本体42は、長方形板状に形成されている。図3(a)に示すように、下扉本体42の厚みは、上扉部31の厚みよりも薄く形成されている。本実施形態においては、下扉本体42の厚みは、上扉部31の切欠部33の深さ(図3(a)において左右方向の深さ)と同じ厚みに設定されている。
図2に示すように、下扉本体42の外面には、下扉本体42の左右方向に延びる第一突出部43が外側に向かって突出形成されている。図3(a)に示すように、第一突出部43は、断面四角形状に形成されており、その上面が下扉本体42の上縁よりも下方に配置されている。また、第一突出部43は、その上面から下扉本体42の下縁までの長さX3が容器本体10に対する上扉部31の回動軸線から上扉部31に対する下扉部41の回動軸線までの長さX2よりも長くなるように、上下方向の位置が設定されている。さらに、第一突出部43の下面の高さ位置は、図4に示すように開閉扉30の開状態において下扉本体42の外面が第一突出部43の下面に面接触した場合に下扉本体42が底壁11に対して平行(水平)となるように設定されている。なお、開閉扉30の開状態の詳細については後述する。
図3(a)に示すように、下扉部41には、上扉部31の下部軸受34に連結される下部回動軸44が形成されている。下部回動軸44は、第一突出部43の上面における先端側の角部に形成されている。図2に示すように、下部回動軸44は、上扉部31の下部軸受34に対応して、下扉部41の左右方向に三箇所並設されている。開閉扉30の下扉部41は、各下部回動軸44と上扉部31の各下部軸受34によって開閉扉30の上扉部31に対して上下方向に回動可能となっている。なお、本実施形態においては、下扉部41の第一突出部43の上面における先端側の角部に下部回動軸44が形成されている。したがって、上扉部31に対する下扉部41の回動軸線から下扉部41の下縁までの下扉部41における上下方向の長さは、第一突出部43の上面から下扉本体42の下縁までの長さX3に等しい。
図3(a)に示すように、下扉部41の下扉本体42の外面には、平板状の第二突出部45が外側に向かって突出形成されている。図2に示すように、第二突出部45は、第一突出部43よりも下側において下扉本体42の左右方向に延びるように形成されている。図3(a)に示すように、第二突出部45の上下方向の位置は、第一突出部43の下面から第二突出部45の上面までの離間長が所定の離間長D1となるように設定されている。この第一突出部43と第二突出部45との離間長D1は、第一短側壁21の上縁21aにおける厚みD2と略等しく設定されており、第一突出部43と第二突出部45との間に、容器本体10における第一短側壁21の上縁21aが嵌り込むことができるようになっている。本実施形態においては、第一突出部43及び第二突出部45が開閉扉30を開状態に保持するための開状態保持部(一対の突出部)を構成する。
図3(a)に示すように、下扉部41の下扉本体42の外面には、平板状の規制リブ46が外側に向かって突出形成されている。図2に示すように、規制リブ46は、第二突出部45よりも下側において下扉本体42の左右方向に延びるように形成されている。図3(b)に示すように、下扉本体42において規制リブ46よりも下側には、上下方向に延びる貫通溝47が貫設されている。図2に示すように、貫通溝47は、下扉本体42の左右方向に二箇所並設されている。なお、図2においては、貫通溝47の貫設位置を破線で図示している。
図2に示すように、開閉扉30の下扉部41(下扉本体42)には、開閉扉30を閉状態に保持するためのロック機構部51が添設されている。ロック機構部51のロック機構本体52は、全体として下扉本体42の左右方向に延びる四角柱状に形成されている。図3(b)に示すように、ロック機構本体52の内側面(下扉部41側の面)には、基端側よりも先端側のほうが径の大きい連結ピン53が固定されている。連結ピン53は、ロック機構本体52の内側面に対して二つ固定され、各連結ピン53は、その基端側の部分が下扉部41の下扉本体42における二箇所の貫通溝47をそれぞれ貫通している。これにより、ロック機構部51は、下扉部41から脱落しないように添設されているとともに下扉部41の下扉本体42における貫通溝47の延設方向に沿って上下に移動可能となっている。
図2に示すように、開閉扉30のロック機構部51において、ロック機構本体52の外面長手方向中央には、手指等を引っ掛けることができる把持凹部54が凹設されている。ロック機構本体52の上面には、外側斜め上方に向かって延びる板状の弾性片55が突設されている。弾性片55は、下扉部41の左右方向においてロック機構本体52の把持凹部54が形成された位置よりも、左側及び右側にそれぞれ一つずつ突設されている。これら弾性片55の先端は、それぞれ下扉部41の規制リブ46の下面に当接するようになっている。弾性片55は、ロック機構本体52の上下の移動に伴って弾性変形可能に構成されている。図3(b)に示すように、ロック機構部51の下面には、下方に向かって突出する係止爪56が突設されている。図2に示すように、係止爪56は、第一短側壁21の二箇所の係止凹部23内にそれぞれ収容されるよう二つ突設されている。
次に、運搬用容器の作用について説明する。
図3(b)に示すように、開閉扉30の閉状態において、開閉扉30の上扉部31及び下扉部41は、上下方向に沿って配置されており、これら上扉部31及び下扉部41によって第一短側壁21の開口部22が閉塞された状態にある。また、開閉扉30のロック機構部51において、ロック機構本体52は、弾性片55の弾性力によって下側に配置されており、ロック機構部51の係止爪56が第一短側壁21の係止凹部23内に収容されて係止されている。この係止爪56と係止凹部23との係止関係により、下扉部41の上扉部31に対する回動が規制されるとともに、上扉部31の第一短側壁21に対する回動が規制される。即ち、ロック機構部51の係止爪56と第一短側壁21の係止凹部23とによって、開閉扉30の閉状態が保持される。また、開閉扉30の閉状態においては、上扉部31の切欠部33に下扉部41における下扉本体42の上側の一部が嵌め合わされている。したがって、下扉部41における下扉本体42の外面の一部が上扉部31の切欠部33の内面に当接し、容器本体10の内側から外側に向かう力が開閉扉30に作用したとしても、開閉扉30が外側に膨らまないようになっている。
開閉扉30が閉状態に保持されている状態において、開閉扉30におけるロック機構部51のロック機構本体52を弾性片55の弾性力に抗して上側に移動させると、ロック機構部51の係止爪56が第一短側壁21の係止凹部23内から脱して、開閉扉30が閉状態に保持されていない状態となる。この状態で、開閉扉30の下扉部41を上扉部31に対して上方向に回動させるとともに、開閉扉30の上扉部31を容器本体10の第一短側壁21に対して上方向に回動させることにより開閉扉30が開状態となる。
図4に示すように、開閉扉30の開状態においては、開閉扉30の下扉部41が容器本体10における第一短側壁21の上縁21aの上に載置されている。ここで、本実施形態では、開閉扉30の開状態において下扉本体42が底壁11に対して平行となるように設定されている。したがって、開閉扉30の下扉部41を容器本体10における第一短側壁21の上縁21aの上に載置した状態においては、下扉部41の下扉本体42は底壁11に対して平行(水平)な状態となる。
また、図4に示すように、開閉扉30の開状態においては、開閉扉30における下扉部41の第一突出部43と第二突出部45との間に、容器本体10における第一短側壁21の上縁21aが嵌め合わされている。したがって、開閉扉30は、下扉部41の下扉本体42が容器本体10における第一短側壁21の上縁21aの上に水平に載置された状態で保持される。
図4に示すように、開閉扉30の開状態においては、開閉扉30における下扉部41の下端が容器本体10の第二短側壁25側(図4において左側)を指向している。したがって、容器本体10における第一短側壁21の外面に対する開閉扉30の外側(図4において右側)への張り出し長さは、容器本体10に対する上扉部31の回動軸線から上扉部31に対する下扉部41の回動軸線までの長さX2によって決定されることになる。この長さX2は、開閉扉30における第一突出部43の上面から下扉本体42の下縁までの長さX3よりも短くなっているため、開閉扉30の外側(図4において右側)への張り出し長さは相応に短くなる。
上記実施形態の運搬用容器によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態によれば、開閉扉30が上扉部31と下扉部41とを備えていることから、上扉部31を容器本体10の第一短側壁21に対して上方向に回動させつつ、下扉部41を上扉部31に対して上方向に回動させることで開閉扉30を開状態にできる。そして、上記実施形態では、開閉扉30の開状態において、開閉扉30の下扉部41は、容器本体10における第一短側壁21の上縁21aの上に載置できる。この開閉扉30の下扉部41を載置した状態においては、下扉部41の下端は容器本体10の第二短側壁25側(内側)を指向しているため、開状態における開閉扉30の外側への張り出し長さは、容器本体10に対する上扉部31の回動軸線から上扉部31に対する下扉部41の回動軸線までの長さX2によって決定される。このX2が、下扉部41における第一突出部43の上面から下扉本体42の下縁までの長さX3よりも短いため、開状態における開閉扉30の外側への張り出し長さを相応に短くすることができる。
(2)上記実施形態では、下扉部41の第一突出部43及び第二突出部45によって、下扉部41が容器本体10における第一短側壁21の上縁21aに載置された状態で保持される。したがって、運搬用容器に振動が与えられたり、運搬用容器が傾斜したりしても、意図せずに開閉扉30の上扉部31及び下扉部41が下方向に回動して閉状態に戻ることが抑制される。
(3)上記実施形態では、第一短側壁21の上縁21aに、下扉部41の第一突出部43及び第二突出部45を係止させるための構成を設ける必要がない。第一短側壁21の上縁21aについての設計自由度の向上が図られる。
(4)上記実施形態では、下扉部41における第一突出部43と第二突出部45との離間長D1は、容器本体10の第一短側壁21の上縁21aにおける厚みD2と略等しく設定されている。したがって、開閉扉30の下扉部41が容器本体10における第一短側壁21の上縁21aに載置された状態において開閉扉30にがたつき等が発生することが抑制される。
(5)上記実施形態では、下扉部41の第一突出部43の下面の高さ位置は、開閉扉30の開状態において下扉本体42が底壁11に対して平行となるように設定されている。そのため、開状態において開閉扉30の下扉部41を底壁11に対して平行(水平)に載置することができ、開状態における開閉扉30の安定性を向上させることができる。
(6)上記実施形態では、下扉部41の第一突出部43及び第二突出部45を左右方向に延びるように形成しているので、これら第一突出部43及び第二突出部45は、下扉部41(下扉本体42)の補強リブとしても機能し得る。
(7)上記実施形態では、上部軸受24は、容器本体10の第一短側壁21において切欠部21bが形成されていない部分の外面よりも外側に突出しないように形成されている。すなわち、開閉扉30の上扉部31における容器本体10に対する回動軸は、容器本体10の外面よりも内側に配置されている。そのため、開閉扉30の上扉部31を、容器本体10の第一短側壁21の外面に面接触するように回動させることができない。このような回動軸の配置構成において、上記実施形態の開閉扉30の構成を採用して、開状態における開閉扉30の張り出し長さを抑制することは特に好適である。
上記実施形態は以下のように変更してもよい。また、各変更例を組み合わせて適用してもよい。
・ 容器本体10は、上記実施形態のものに限らず、全体として有底四角箱状に形成されていれば良い。例えば、容器本体10を折畳み可能に構成しても良いし、特許文献1のように底壁をフォークリフトのフォーク等を挿し込むことのできる中空四角板状のパレットとして構成しても良い。なお、折畳み可能に構成された運搬用容器(容器本体)としては、例えば、特開2002−068180号公報及び特開2009−214913号公報に記載されたものが挙げられる。
・ 上記実施形態では、下扉部41の第一突出部43に下部回動軸44を形成したが、下部回動軸44の形成場所はこれに限らない。例えば、下扉部41の下扉本体42において、第一突出部43よりも上側に突出部を形成し、この突出部に下部回動軸44を形成しても良い。あるいは、下扉部41の下扉本体42の上縁に下部回動軸44を形成しても良い。
・ 上記実施形態において、容器本体10の第一短側壁21に開閉扉30を連結するのに代えて、又は容器本体10の第一短側壁21に開閉扉30を連結するのに加えて、第二短側壁25や長側壁12に開口部を設けて開閉扉を連結するようにしても良い。
・ 容器本体10の第一短側壁21と開閉扉30の上扉部31との連結構成は、上記実施形態のものに限らない。例えば、第一短側壁21に回動軸を形成し、上扉部に軸受を形成するといったように、回動軸と軸受との配置を逆にしても良い。また、例えば、第一短側壁21及び上扉部31それぞれについて円孔を備えた支持片を突出形成し、各円孔に軸ピンを挿通することにより、第一短側壁21及び上扉部31を連結するようにしても良い。なお、上扉部31と下扉部41との連結構成に関しても同様に変更可能である。
・ さらに、容器本体10の第一短側壁21と開閉扉30の上扉部31との連結構成は、所謂回動軸と軸受との関係に限らない。例えば、第一短側壁21と上扉部31との間に、厚みが薄い薄肉部を設け、この薄肉部が曲げられることにより第一短側壁21に対して上扉部31が上下方向に回動可能に連結されていても良い。なお、このような構成の場合、薄肉部における折り曲げ線が、容器本体10の第一短側壁21に対する上扉部31の回動軸線となる。
・ 容器本体10に対する上扉部31の回動軸線から上扉部31に対する下扉部41の回動軸線までの長さX2、即ち上記実施形態における上扉部31の上下方向の長さは、下扉部41における第一突出部43の上面から下扉本体42の下縁までの長さX3よりも短ければ、適宜変更できる。例えば、図5に示すように、容器本体10に対する上扉部31の回動軸線から上扉部31に対する下扉部41の回動軸線までの長さX2を、容器本体10の第一短側壁21における開口上縁22aから第一短側壁21の上縁21aまでの長さX1よりも長くして、下扉部41の第二突出部45を省略しても良い。この場合、開閉扉30の開状態において、下扉部41の下縁(図5においては左側の縁)の高さ位置を、下扉部41の上縁(図5においては右側の縁)の高さ位置よりも低くすることも可能である。そして、このような高さ位置の設定であれば、下扉部41が自重によって回動して開閉扉30が閉状態に戻ることは抑制できる。
・ 上記実施形態では、下扉部41における第一突出部43及び第二突出部45を左右方向に延びるように形成したが、下扉部41における下扉本体42の外面から突出する構成であれば、第一突出部43及び第二突出部45の形状を変更できる。例えば、第一突出部43及び第二突出部45を、下扉本体42の外面から半球状に突出するように形成してもよい。なお、この場合において、半球状の第一突出部と半球状の第二突出部との左右方向の位置は一致していなくとも良い。
・ 上記実施形態における下扉部41の規制リブ46を省略し、ロック機構部51の弾性片55が下扉部41の第二突出部45の下面に当接するようにしても良い。この場合、第二突出部45が規制リブ46としての機能も発揮することになる。
・ 開閉扉30のロック機構部51を省略しても良い。ロック機構部51を省略する場合には、下扉部41の規制リブ46、貫通溝47及び第一短側壁21の係止凹部23も省略できる。
・ 下扉部41における第一突出部43と第二突出部45との離間長D1は、第一短側壁21の上縁21aにおける厚みD2以上であれば変更できる。ただし、第一突出部43と第二突出部45との離間長D1が第一短側壁21の上縁21aにおける厚みD2よりも過度に大きいと、第一短側壁21の上縁21aの上に載置された下扉部41のがたつきが大きくなるおそれがある。そういった観点からは、第一突出部43と第二突出部45との離間長D1は、第一短側壁21の上縁21aにおける厚みD2の1.2倍以下であることが好ましい。
・ 下扉部41における第一突出部43と第二突出部45との離間長D1、及び容器本体10における第一短側壁21の上縁21aの厚みD2を調整しつつ、第一短側壁21の上縁21aに第二突出部45が収容される凹部を形成してもよい。このように、第一短側壁21の上縁21aに凹部を形成することにより、下扉部41の第一突出部43及び第二突出部45による下扉部41の保持状態をより強固なものとすることができる。
・ 容器本体10における第一短側壁21の上縁21aに上方向に突出する突出部を突設し、下扉部41の下扉本体42に、第一短側壁21の上縁21aに突設された突出部を収容するための凹部を凹設してもよい。なお、この場合、下扉部41の下扉本体42には凹部が凹設されているため、下扉部41には開状態保持部が形成されていると言える。
・ 開状態保持部は、上記実施形態における下扉部41の第一突出部43及び第二突出部45(一対の突出部)に限らない。例えば、下扉部41のロック機構部51において、係止爪56に代えてロック機構本体52の長手方向外側に突出する係止突起を設け、開閉扉30の開状態において、ロック機構部51の係止突起が容器本体10の長側壁12の上縁に係止されるようにしてもよい。なお、ロック機構本体52の長手方向外側に突出する係止突起が設けられたロック機構部としては、例えば、特開2002−347760号公報に記載されているものが挙げられる。
・ 上記実施形態において、下扉部41の第一突出部43及び第二突出部45を省略しても良い。即ち、下扉部41の開状態保持部を省略しても良い。開状態保持部を省略したとしても、開閉扉30の下扉部41を容器本体10における第一短側壁21の上縁21aの上に載置すれば、下扉部41が自重によって下方向に回動して、開閉扉30が閉状態に戻ることは抑制できる。
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
・ 前記側壁の開口部の開口上縁から側壁の上縁までの長さよりも、前記容器に対する前記上扉部の回動軸線から前記上扉部に対する前記下扉部の回動軸線までの前記上扉部における上下方向の長さの方が長く形成されていることを特徴とする運搬用容器。
・ 前記側壁の上縁には、前記一対の突出部が収容される凹部が凹設されていることを特徴とする運搬用容器。
10…容器としての容器本体、21…第一短側壁、21a…第一短側壁の上縁、22…開口部、30…開閉扉、31…上扉部、41…下扉部、42…下扉本体、43…開状態保持部としての第一突出部、45…開状態保持部としての第二突出部。

Claims (2)

  1. 有底四角箱状の容器の側壁に開口部が形成され、該開口部を開閉するための開閉扉が前記容器に連結された運搬用容器であって、
    前記開閉扉は、上下方向に回動可能に前記容器の側壁に連結された上扉部と、上下方向に回動可能に前記上扉部に連結された下扉部とを備え、
    前記上扉部に対する前記下扉部の回動軸線から前記下扉部の下縁までの前記下扉部における上下方向の長さよりも、前記容器に対する前記上扉部の回動軸線から前記上扉部に対する前記下扉部の回動軸線までの前記上扉部における上下方向の長さの方が短く形成されており、
    前記下扉部は、板状の下扉本体と、該下扉本体に設けられた開状態保持部とを備え、前記開状態保持部が前記容器の上縁に係止されることにより前記下扉部が前記容器の上縁に載置された状態で保持されることを特徴とする運搬用容器。
  2. 前記開状態保持部は、前記下扉本体の外面において上下方向に並ぶように突設された一対の突出部であり、前記一対の突出部の離間長は、前記側壁の上縁における厚み方向長さ以上に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の運搬用容器。
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