以下に添付図面を参照して、本発明にかかる折り畳み式コンテナの好適な実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態にかかる折り畳み式コンテナの使用時(組み立て時)における外観を示す外観斜視図である。また、図2は、図1に示した折り畳み式コンテナの蓋部を開放した状態を示す外観斜視図である。また、図3は、図2に示した折り畳み式コンテナの一部を拡大して詳細に示す一部拡大斜視図である。
図1および図2に示すように、折り畳み式コンテナ100は、たとえば、ポリプロピレンなどの樹脂成形部材からなり、いわゆるパタコンなどに代表される工業製品などの物品の輸送に用いられる折り畳み式のコンテナであり、複数の側壁部101〜103および一つの側壁部である着脱式側壁部110と、蓋部104,105と、底板部106とを備えて構成されている。
複数の側壁部101〜103および着脱式側壁部110は、折り畳み式コンテナ100の組み立て時に、それぞれ底板部106の側縁部に立設状態で配置される。蓋部104,105は、これら複数の側壁部101〜103および着脱式側壁部110の上縁部側に配置される。底板部106は、格納される図示しない物品の下方に配置される。
なお、複数の側壁部101〜103は、着脱式側壁部110が配置される部分以外の上縁部側で、たとえばこれら複数の側壁部101〜103と一体成形された上方フレーム部109によって連結されている。このように上方フレーム部109によって各側壁部101〜103が連結されることにより、折り畳み式コンテナ100の折り畳み時や組み立て時においても、所定の機械的強度を維持することが可能となる。
また、蓋部104,105は、たとえば側壁部101,103の上縁部側において、蝶番部108を介して上方フレーム部109に対してそれぞれ回動可能(開閉可能)に配置され、図2に示すような完全開放状態のときは、各蓋部104,105の板面が各側壁部101,103の外壁面に沿うような状態で配置される。
また、複数の側壁部101〜103のうち、側壁部101,103は、たとえば折れ目107に沿って内壁側に折り畳まれる構造を備えており、側壁部102は、上方フレーム部109を支点として内壁側に折り込まれる構造を備えている。
一方、着脱式側壁部110は、折り畳み式コンテナ100の複数の側壁部101〜103のうち、隣接する側壁部101,103および底板部106に対して着脱自在に配置されている。この着脱式側壁部110は、図3に示すように、隣接する各側壁部101,103の上縁部側の上方フレーム部109の内壁側にそれぞれ形成された嵌合溝119(側壁部101側のみ図示)と嵌合可能な構造の支持係合部111をそれぞれ備えている。
各支持係合部111は、たとえば各側壁部101,103の嵌合溝119間を結ぶ方向を軸とする円柱状本体部と、この円柱状本体部の先端側にそれぞれ形成され、円柱状本体部の外径よりも大きな外径を有する円板状先端部とを備えた、いわゆる固定ピン形状の外観を有する。
そして、各嵌合溝119は、上方フレーム部109の上縁部側に支持係合部111を挿抜可能な開口部を有するとともに、この開口部と連通しこれら支持係合部111の円板状先端部を内包する形状の空間部と、この空間部と連通し円柱状本体部が嵌る形状のスリット部とを備えて構成されている。
また、支持係合部111は、各嵌合溝119間を結ぶ方向を軸とする円柱状本体部および円板状先端部によって形成されているため、各支持係合部111と各嵌合溝119とを完全嵌合した場合、着脱式側壁部110は、各嵌合溝119間を結ぶ方向を軸として側壁部101,103に対して回動可能な構造を備える。本実施の形態の折り畳み式コンテナ100では、各支持係合部111を支点として、着脱式側壁部110を各側壁部101〜103の内壁側に回動させることができる構造を実現している。
このように構成された着脱式側壁部110は、各側壁部101,103および底板部106に対して取り付けられた場合に、この取付状態を維持し、着脱式側壁部110と各側壁部101,103および底板部106とを係止固定するためのロック部120を備えている。
図4は、図2に示した折り畳み式コンテナの一部を図2中矢印A方向から見た状態を一部を透過して示す一部透過正面図である。また、図5は、図2に示した折り畳み式コンテナの一部を図2中矢印B方向から見た状態を一部を透過して示す一部透過側面図である。また、図6は、図2に示した折り畳み式コンテナの一部を図2中矢印C方向から見た状態を示す一部上面図である。また、図7は、図4に示した折り畳み式コンテナの一部を拡大して示す一部透過拡大正面図である。
なお、これら図4〜図7においては、主に折り畳み式コンテナ100の側壁部101側に着目して着脱式側壁部110と側壁部101との様子について図示しているが、側壁部103側においても同様であるため、説明を省略する。また、以降において、既に説明した部分と重複する箇所については同一の符号を附して説明を省略する。
図4〜図6に示すように、着脱式側壁部110は、側壁部101の上方フレーム部109の内壁側に形成された嵌合溝119に支持係合部111を嵌合するとともに、側壁部101の内壁に形成された、その先端部を側壁部102側に折り曲げた形状の係止爪118に外壁の側縁部近傍に形成された係止凹部117を係合することによって、側壁部101に取り付けられる。
また、着脱式側壁部110は、外壁の下方側縁部の中央近傍に形成された図示しない係止凹部を底板部106の側縁部の中央近傍に形成された図示しない係止爪と係合することによって、底板部106に取り付けられる。そして、着脱式側壁部110は、ロック部120によって、これら側壁部101および底板部106と係止固定される。
着脱式側壁部110のロック部120は、たとえば側壁部101の内壁に形成されたロック穴116と係合する可動ロック片121と、この可動ロック片121を側壁部101の方向に出し入れするためのカムピン122およびカム溝123と、このカム溝123が形成された本体部125と、この本体部125を着脱式側壁部110の上縁部方向に付勢するための弾性付勢片124とを備えて構成されている。
なお、着脱式側壁部110は、このような構造によって側壁部101,103および底板部106と係止固定されるため、各側壁部101,103方向へのガタつきや底板部106方向へのガタつきは発生しづらく、これら側壁部101,103および底板部106と機械的強度を保ったまま確実に係止固定される。
また、上述したロック部120は、通常、可動ロック片121が外側に出た状態となるため、着脱式側壁部110の完全取付時には、常に可動ロック片121とロック穴116とが係合した状態となるため、着脱式側壁部110の側壁部102方向へのガタつきも防止することができ、さらに確実に係止固定することができる。
なお、このロック部120による側壁部101とのロック状態を解除するためには、まず、本体部125を図中黒塗り矢印(図4および図7参照)で示す方向(着脱式側壁部110の下方向)に動かす。すると、弾性付勢片124が変形しながら適度な抵抗感を演出しつつ本体部125が下方向に移動し、図7に示すように、カム溝123とカムピン122とが摺接しながらカムピン122が図中白抜き矢印(図7参照)で示す方向(側壁部101方向と反対方向)へ移動する。これにより、可動ロック片121が同様に反対方向へ移動して、ロック穴116との係合状態が解除される。
図8は、図2に示した折り畳み式コンテナから着脱式側壁部を取り外して他の側壁部に取り付けた状態を示す外観斜視図である。また、図9は、図8に示した折り畳み式コンテナの一部を図8中矢印D方向から見た状態を一部を拡大して示す一部拡大斜視図である。なお、図8においては、各側壁部101〜103の内壁側の構造については省略して図示している。
図8に示すように、本実施の形態の折り畳み式コンテナ100において、蓋部104,105を開放状態にしたのち、着脱式側壁部110を側壁部101,103および底板部106から取り外すと、蓋部104,105で閉塞していた部分と着脱式側壁部110で閉塞していた部分とが開放され、物品などの格納部130における連続した二面を機械的強度を保ったまま開放状態とすることができる。
側壁部101,103および底板部106から取り外した着脱式側壁部110は、図9に示すように、たとえば側壁部102の外壁面102aに形成された取付溝128に、着脱式側壁部110の板面に形成された取付片112を嵌め込んで取り付けることにより、側壁部102とほぼ一体的に収容することが可能となる。
このように連続した二面を開放することによって、ピッキングなどの作業時における作業性を著しく向上させることができる。また、蓋部104,105を各側壁部101,103の外壁側にほぼ一体的に開放し、着脱式側壁部110を側壁部102に取り付けることによって、ピッキングなどの作業時における作業スペースの省スペース化を図りつつ、作業時などにおける着脱式側壁部110の紛失などの防止を図ることができる。
なお、ピッキングなどの作業が終了し、再び折り畳み式コンテナ100を組み立てる必要がある場合は、側壁部102に取り付けた着脱式側壁部110を取り外して各側壁部101,103および底板部106に取り付けることによって、容易に組み立て時の状態に戻すことが可能である。
図10は、本実施の形態にかかる折り畳み式コンテナの不使用時(折畳時)における外観を示す外観斜視図である。図10に示すように、折り畳み式コンテナ100は、各側壁部101〜103をそれぞれ上方フレーム部109を残した状態で折り畳み、着脱式側壁部110を、たとえば底板部106の上面側に形成された取付溝128aに取付片112を嵌め込んで底板部106に沿って収容し、各蓋部104,105を閉じた状態とすることにより、組み立て時において箱状となっていた状態から、容積が小さくなる板状に折り畳むことができる。
この折り畳み状態においては、折り畳み式コンテナ100は、たとえば複数個積み重ねてようやく組み立て時の折り畳み式コンテナ100と同様の容積となるため、運搬効率を著しく向上させることができるとともに、保管スペースなどの省スペース化を図ることができ、全体的なコストの削減を図ることが可能となる。
以上説明したように、本発明の実施の形態の折り畳み式コンテナ100によれば、組み立て時に底板部106の側縁部に立設状態で配置される複数の側壁部101〜103,110のうちの一つの側壁部が着脱式側壁部110として、隣接する他の側壁部101,103および底板部106に対して着脱自在に配置される。
このため、いわゆるピッキングなどの作業時に着脱自在に配置された着脱式側壁部110を側壁部101,103および底板部106から取り外して着脱式側壁部110の配置部分を全面的に開放した状態で作業をおこなうことができ、作業性を著しく向上させることができる。
また、複数の側壁部101〜103は、着脱式側壁部110が配置される部分以外の上縁部側でそれぞれ上方フレーム部109によって連結され、蓋部104,105は、着脱式側壁部110が配置される部分以外の上縁部側で上方フレーム部109に対して回動可能に取り付けられている。
このため、蓋部104,105を完全に開放しかつ着脱式側壁部110を側壁部101,103および底板部106から取り外すことで、上方フレーム部109によって機械的強度を保ったまま連続する二面を開放状態とすることができ、ピッキングなどの作業性を著しく向上させることができる。
また、着脱式側壁部110は、隣接する側壁部101,103および底板部106から取り外された場合に、たとえば側壁部102に対してその壁面に沿って取付可能な構造を備えている。このため、取り外した着脱式側壁部110を側壁部102と一体化させてピッキングなどの作業をおこなうことができ、作業時などにおける着脱式側壁部110の紛失などの不具合の防止を図ることができる。
また、着脱式側壁部110は、隣接する側壁部101,103の上縁部側にそれぞれ形成された嵌合溝119と嵌合可能で、かつ当該嵌合溝119間を結ぶ方向を軸として回動可能な構造の支持係合部111を備えている。このため、着脱式側壁部110を支持係合部111を介して回動させることにより、隣接する側壁部101,103から完全に取り外さなくても着脱式側壁部110の配置部分をほぼ開放することができるため、機械的強度を保ちつつピッキングなどの作業性を向上させることができる。
また、着脱式側壁部110は、隣接する側壁部101,103および底板部106に取り付けられた場合に、これら側壁部101,103にそれぞれ形成されたロック穴116とそれぞれ係合する可動ロック片121を有するロック部120によって係止固定されている。このため、着脱式側壁部110を隣接する側壁部101,103および底板部106に対してロック部120によって強固かつ確実に係止固定することができ、着脱式側壁部110の取付時における機械的強度を確実に向上させることができる。
100 折り畳み式コンテナ、101〜103 側壁部、104,105 蓋部、106 底板部、107 折れ目、108 蝶番部、109 上方フレーム部、110 着脱式側壁部、111 支持係合部、112 取付片、116 ロック穴、117 係止凹部、118 係止爪、119 嵌合溝、120 ロック部、121 可動ロック片、122 カムピン、123 カム溝、124 弾性付勢片、125 本体部、128,128a 取付溝