以下、本発明の一実施形態を図1〜図21に基づいて説明する。図1に示した本実施形態のフラップ付きコンテナ10(以下、単に「コンテナ10」という)は、所謂、「折畳コンテナ」であって、図1に示した組立状態と図3に示した折畳状態とに変更可能になっている。
具体的には、コンテナ10の底壁11は長方形をなし、その1対の長辺部分に1対の長辺土手部12,12を備える一方、1対の短辺部分に1対の短辺土手部13,13を備えている。長辺土手部12は、両端部を除く全体が、底壁11の上面に対して概ね後述する長側壁22の厚さ分だけ高くなっている。一方、短辺土手部13は、両端部を除く全体が、長辺土手部12の両端部を除く全体より、概ね後述する短側壁23の厚さ分だけ高くなっている。また、図3に示すように、長辺土手部12の両端部は段突き状に高くなったコーナー突部12Cをなし、短辺土手部13の両端部は段突き状に高くなったコーナー突部13Cをなしている。これらコーナー突部12C,13Cは、面一の上面を有し、直交してL形コーナー突部12Kを構成している。また、L形コーナー突部12Kの内側面には、L形コーナー突部12Kの上面と平行なL形の段差面を有する段差部12Eが形成されている。
底壁11の下面のうち長辺土手部12及び短辺土手部13の真下位置からは台座部11Gが突出し、台座部11Gより内側部分の全体に格子状の下面リブ11X(図18参照)が張り巡らされている。また、図19に示すように、台座部11Gの下面と下面リブ11Xの下面は、面一になっている。
図1に示すように、底壁11の外面の四隅には、台座部11GをL字状に除去してL形コーナー凹部11Kが形成されている。また、底壁11の外面の外縁部のうち1対の長辺部分の中央と1対の短辺部分の中央とには、台座部11Gを直線状に除去して下面手掛部11M,11Nがそれぞれ形成されている。
なお、L形コーナー凹部11K、下面手掛部11M,11Nのそれぞれの両端部は、底壁11の外縁部に沿う方向に対して傾斜している。また、前述したL形コーナー突部12Kの両端部も、後述するL形コーナー突部22Kの両端部も(図1参照)、L形コーナー凹部11Kと同様に傾斜している。
図1に示すように、1対の長辺土手部12,12には、本発明の「1対の第1側壁」に相当する1対の長側壁22,22がヒンジ連結され、1対の短辺土手部13,13には、本発明の「1対の第2側壁」に相当する1対の短側壁23,23がヒンジ連結されている。短側壁23は略全体がメッシュ構造なしている。一方、長側壁22は上部と横方向の中央部とを除く全体がメッシュ構造をなしている。また、長側壁22及び短側壁23の外面全体には、格子状に外面リブ10Lが張り巡らされている。なお、以下の説明において、特記しない限り、「長側壁22及び短側壁23の上面」とは、起立姿勢における長側壁22及び短側壁23の上面を意味する。
上記したヒンジ連結部分の具体的な構成は、以下のようになっている。即ち、図5に示すように、長辺土手部12の長手方向の複数位置には、段突き状に陥没したヒンジ凹部12Aが形成され、長側壁22から垂下した複数のヒンジ突部22Aがヒンジ凹部12Aに受容されている。また、ヒンジ突部22Aの先端部から両側方に図示しないヒンジピンが突出し、ヒンジ凹部12Aの内側面に備えた図示しないピン係合部に回転可能に係合している。そして、1対の長側壁22,22は、回動範囲の一端で1対の長辺土手部12,12上で起立した起立姿勢(図1参照)となり、回動範囲の他端で1対の長辺土手部12,12の間で並んで水平姿勢になる(図2参照)。また、水平姿勢になった長側壁22の外面は、図19に示すように、長辺土手部12の上面から僅かに上方に位置する。
また、図5に示すように、長辺土手部12の上面には、ヒンジ凹部12Aより浅い複数の凹部12Bが形成され、そこに長側壁22の下面から段付き状に突出する突部22Bが嵌合して起立姿勢の長側壁22の横ずれを規制する。さらに、図5に示すように、長側壁22の下端両角部には切欠部22Cが形成され、切欠部22Cの内側縁部から突片22Nが垂下している。そして、長側壁22が起立姿勢になると、切欠部22Cに長辺土手部12のコーナー突部12Cが丁度収まると共に、突片22Nが段差部12E(図3参照)に収まる。
短辺土手部13にも、長辺土手部12と同様に複数のヒンジ凹部13Aが形成され、短側壁23から垂下した複数のヒンジ突部23Aの図示しないヒンジピンが、ヒンジ凹部13A内の図示しないピン係合部に回転可能に係合している。そして、1対の短側壁23,23は、回動範囲の一端で1対の短辺土手部13,13上で起立した起立姿勢(図1参照)となり、回動範囲の他端で1対の短辺土手部13,13の間で並んで水平姿勢になる(図3参照)。また、図1に示すように、コンテナ10の組立状態では、起立姿勢の1対の短側壁23,23の間に、起立姿勢の長側壁22,22が収まる。さらに、図18に示すように、コンテナ10の折畳状態では、水平姿勢の短側壁23の内面が、水平姿勢の長側壁22の外面に当接して重なる。また、図5に示すように、短側壁23の下端両角部にも切欠部23Cと突片23Nとが設けられ、短側壁23が起立姿勢になると、切欠部23Cに短辺土手部13のコーナー突部13Cが丁度収まり、突片23Nが段差部12E(図2参照)に収まる。
図1に示すように、長側壁22の外面上部は、横方向の延びる1対の閂部材32,32が左右対称に組み付けられている。また、図4に示すように、長側壁22の外面上部の横方向中央には、操作部33が上下にスライド可能(又は、上下に回動可能)に組み付けられ、弾性片33Aによって操作部33が上方に付勢されている。さらに、操作部33と閂部材32,32とは図示しないカム機構によって連結され、通常は、長側壁22の両側面から閂部材32,32の先端部が突出している。そして、組立状態で、閂部材32,32の先端部が短側壁23の両側部に備えた係合部32K(図2参照)に係合して長側壁22の回動が規制される。また、操作部33を下方に押し下げ操作すると、閂部材32,32が操作部33側に引き寄せられて係合部32K,32Kとの係合が解除され、長側壁22が回動可能になる。
図1に示すように、短側壁23には、両側縁部の一部を長側壁22側に直角曲げしてサイド突片30,30が形成され、組立状態で、それらサイド突片30、30が長側壁22の外面側縁部に外側から重なる。また、図4に示すように、サイド突片30の上下方向の複数位置を矩形孔30Aが貫通していて、長側壁22の外面側縁部から突出する複数の突部31が矩形孔30Aと係合する。なお、図2に示すように、長辺土手部12には、折畳状態でサイド突片30を受容する段差部12Wが備えられている。
図1に示すように、長側壁22及び短側壁23のそれぞれの横方向の両端部には、上面から突出したコーナー突部22T,23Tが備えられ、組立状態でそれらコーナー突部22T,23Tが合体してL形コーナー突部22Kが形成される。
なお、図21に示すように、短側壁23の中央下端部には、外面リブ10Lで囲まれたカード収容部77が設けられ、そのカード収容部77の下辺の外面リブ10Lから複数の弾性片75が起立している。それら弾性片75は、上端部寄り位置が短側壁23の外面側に屈曲し、その屈曲部分より上側が短側壁23の外面から離れる斜め上方に延びている。そして、弾性片75と短側壁23の外面との間にカードを挟んで保持することができる。また、短側壁23のうち弾性片75との対向部分には、短側壁23を樹脂成形する際に、弾性片75の内面を成形する金型を抜くための型抜き孔76が備えられている。
図5に示すように、各短側壁23の上端部には、フラップ25がヒンジ連結されている。フラップ25は、横長の略長方形をなし、起立姿勢の長側壁22,22の内側に、水平姿勢になって丁度収まる。以下、水平姿勢のフラップ25の上面及び下面を、単にフラップ25の上面及び下面といい、また、フラップ25の縦方向のうち短側壁23にヒンジ連結される一端側を「基端側」といい、その反対側を「先端側」ということする。
フラップ25の上面には、外面リブ25Lが張り巡らされている。また、長側壁22及び短側壁23はメッシュ構造をなしていたが、フラップ25はメッシュ構造になっておらず、フラップ25の下面は図6に示すように平坦になっている。さらに、図18に示すように、フラップ25は、短側壁23より薄くなっている。
フラップ25の基端側には、短側壁23のコーナー突部23T,23Tとの干渉を回避するための切欠部25C,25Cが両角部に形成されている。また、フラップ25の基端面の両切欠部25C,25C寄り位置には、1対のヒンジ凹部25D,25Dが形成され、それらヒンジ凹部25D,25Dに対応して、短側壁23の上面のコーナー突部23T,23T寄り位置にも1対のヒンジ凹部23D,23Dが形成されている。そして、対応するヒンジ凹部23D,25Dに跨って中継板24が受容され、中継板24の一端部から両側方に突出するヒンジピン24P(図18参照)が、短辺土手部13のヒンジ凹部13A内の図示しないピン係合部に回転可能に係合すると共に、中継板24の他端部から両側方に突出するヒンジピン24P(図18参照)が、フラップ25のヒンジ凹部25A内の図示しないピン係合部に回転可能に係合している。
また、ヒンジ凹部23Dは短側壁23を内外に貫通している。そして、中継板24が、図8に示すようにヒンジ凹部23D内のピン係合部より外側に倒れた外側水平位置と、図9に示すように内側に倒れた内側水平位置とに間で回動する。また、図6に示すように、ヒンジ凹部23Dの底面には、中継板24を外側水平位置と内側水平位置とに位置決めするために位置決めリブ23Eが備えられている。さらに、ヒンジ凹部23D内のピン係合部は、短側壁23の厚さ方向における外寄りに配置されている。そして、中継板24が外側水平位置に位置したときに、フラップ25の基端面が短側壁23の真上位置より外側に位置し、図7及び図8に示すように、フラップ25を中継板24から鉛直下方に垂下した垂下姿勢にすることができる。
また、図6に示すように、短側壁23の内面には、コーナー突部23T,23Tの間の上縁部を段付き状に陥没させて段差面26Aが形成されている。そして、図9に示すように、中継板24が内側水平位置に位置したときに、フラップ25の基端面が段差面26A上に位置する。これにより、フラップ25が下方から支持されて水平姿勢に保持される。また、水平姿勢になったときにフラップ25の上面は、長側壁22の上面より僅かに下方に位置する。
組立状態でのフラップ25の水平姿勢の支持を強化するために、図6に示すように、フラップ25には、先端部から両側方に突出する1対のサイド突部52,52が備えられ、各長側壁22の上面には、サイド突部52を受容するための上面凹部42が備えられている。以下、フラップ25のうちサイド突部52と後述する姿勢保持突部51を除いた全体を「フラップ本体25Z」ということとすると共に、フラップ25の縦方向(回動半径方向)をサイド突部52の幅方向ということとする。
図10(A)に示すように、サイド突部52は、全体が直方体状をなして、フラップ本体25Zの下面(内面)と面一の下面52Bと、フラップ本体25Zの上面(外面)と面一の上面52Cと、フラップ本体25Zの先端面と面一の一側面52Aとを有する。
また、サイド突部52には、下面凹部53が形成されている。下面凹部53は、サイド突部52の下面52Bと一側面52Aとに開口している。また、下面凹部53内には、フラップ本体25Zの側面と面一の内側面53Cが備えられ、その内側面53Cに対向する水平対向部52Yの下面52B側の縁部は、下面52Bに近づくに従って内側面53Cから離れるように傾斜した傾斜面53Dになっている。また、水平対向部52Yのうち傾斜面53Dより下面凹部53の奥面53F(上面52Cの裏側面)側には、四角形の1対の貫通孔54,54が形成されてサイド突部52の幅方向に並んでいる。さらに、下面凹部53のうちサイド突部52の一側面52A側の側面開口53Bは、下面凹部53の奥面53Fから離れた位置で開口している。そして、側面開口53Bと奥面53Fとの間に側壁56が残されている。
なお、図10(B)に示すように、傾斜面53Dには、1対の貫通孔54,54と隣り合う位置に1対の肉抜部55,55が陥没形成されて残った部分が三角リブ形状になっている。また、貫通孔54,54の一内側面は下面凹部53の奥面53Fと面一になっている。
一方、サイド突部52を受容する長側壁22の上面凹部42は、図11に示されている。同図に示すように、長側壁22の上面を構成する上面壁22Jの下方には、複数の縦リブ22Mで仕切られ、長側壁22の内面に開口する複数のセルが設けられている。上面凹部42は、それらセルの1つを上面に開口させて形成され、長側壁22の上面と内面とに開口している。また、上面凹部42の底面42Fは、短側壁23の段差面26A(図8参照)と面一に配置されている。なお、上面凹部42のうち短側壁23側の内側面の上縁部は、上方に向かうに従って短側壁23側に向かうように傾斜した受容ガイド面42Bになっている。
図11に示すように、上面凹部42内のうち長側壁22の内面側の縁部からは底面突部43が突出している。底面突部43は、上面凹部42のうち短側壁23から離れた側の内側面と底面42Fとに接続されたリブ構造をなし、短側壁23側(図11の右側)の上面凹部42の内側面との間には隙間を有する。また、底面突部43の上面における短側壁23側の端部からは、台形状の係合突起43Tが突出している。
図5に示すように、組立状態でフラップ25が水平姿勢になると、サイド突部52が上面凹部42に受容される。サイド突部52が上面凹部42に受容されると、図12に示すように、サイド突部52の下面52Bが上面凹部42の底面42Fに当接する。これにより、フラップ25の先端部が長側壁22によって下方から支持される。また、図9に示すように、サイド突部52の上面52Cは、上面凹部42内で長側壁22の上面より僅かに下方に位置する。さらに、サイド突部52が上面凹部42に受容されると、図12に示すように、底面突部43がサイド突部52の下面凹部53に受容される。そして、サイド突部52の水平対向部52Yと底面突部43との係合により、長側壁22,22の外側への開きが規制される。
組立状態でフラップ25を水平姿勢に保持するために、図6に示すように、フラップ本体25Zの両側面における各サイド突部52の隣からは、姿勢保持突部51が突出し、各長側壁22の上面には、姿勢保持突部51と係合する1対の突部係合部41,41が備えられている。
図10(A)に示すように、姿勢保持突部51は、断面円形をなし、先端部が略半球状になっている。また、フラップ本体25Zの両側面からの姿勢保持突部51の突出量は、サイド突部52の突出量の半分以下になっている。
姿勢保持突部51が係合する突部係合部41は、図11に拡大して示されている。突部係合部41は、長側壁22の前述した上部のセルのうち上面凹部42の隣のセル44の上面壁22Jの内縁部分を陥没させてなる。また、突部係合部41は、メイン斜面41Aと1対のサブ斜面41B,41Bとで構成された上面を有する。そのメイン斜面41Aは、上面壁22Jの上面との間に長側壁22の横方向に延びる稜線を有し、長側壁22の内面に向かって下るように傾斜している。一方、サブ斜面41B,41Bは、上面壁22Jの上面との間に、長側壁22の厚さ方向に延びる稜線を有して下方に向かうに従って互いに接近するように傾斜している。また、突部係合部41の下面は水平になっている(図13参照)。そして、フラップ25を水平姿勢にする過程で姿勢保持突部51が突部係合部41のメイン斜面41Aに摺接して、突部係合部41が斜め下の外側に弾性変形するか、又は、フラップ25と長側壁22とが互いに離れるように弾性変形して、姿勢保持突部51が突部係合部41を通過し、図13に示すように、姿勢保持突部51がセル44に収まって突部係合部41に下方から係合する。これにより、フラップ25が水平姿勢に保持される。
図3に示すように、折畳状態では、1対のフラップ25,25は、1対の短側壁23,23の間に並べて水平姿勢にすることができる。折畳状態でフラップ25を水平姿勢にすると、図18に示すように、中継板24が、短側壁23からフラップ25に向かって下るように傾斜し、フラップ25の上面が短側壁23の外面(即ち、水平姿勢における短側壁23の上面)より下方に位置する。そして、水平姿勢の短側壁23と同様に水平姿勢のフラップ25の下面が、長辺土手部12の上面の僅かに上方に位置する水平姿勢の長側壁22の外面に当接した状態に重なる。
折畳状態でフラップ25が水平姿勢になると、1対のサイド突部52,52は、長辺土手部12,12上に位置する。それに対応して、各長辺土手部12の上面の長手方向における中央寄り位置の2箇所には、図14に示すように、1対のフラップ結合部60,60が突設されている。また、各長側壁22の下端部には、起立姿勢でフラップ結合部60,60を受容する1対の凹部22X,22Xが備えられている(図20参照)。
フラップ結合部60は、図15に拡大して示すように、第1と第2のL形リブ61,62を長辺土手部12の長手方向に並べて備える。それらのうち短側壁23側(図15の右側)の第1L形リブ61の横辺部61Aは、長辺土手部12の幅方向(内外方向)に延び、第1L形リブ61の縦辺部61Bは、横辺部61Aのうち長辺土手部12の内側の一端部から上方に延びている。第2L形リブ62の横辺部62Aも同様に長辺土手部12の幅方向に延びている。そして、第2L形リブ62の縦辺部62Bは、横辺部62Aの一端部から上方に延びて途中位置で第1L形リブ61側に屈曲し、第1と第2のL形リブ61,62の縦辺部61B,62Bの上端部同士が一体になっている。また、第1と第2のL形リブ61,62の間には、長辺土手部12の内面側に補強壁64(図14参照)が張られている。
そして、第1と第2のL形リブ61,62のうち縦辺部61B,62Bより外側の横辺部61A,62Aによって載置部66が構成されている。その載置部66の上面(即ち、横辺部61A,62Aの上面)は、図19に示すように、折畳状態において長辺土手部12より上方に位置する長側壁22の外面と略面一になるように配置されている。また、第1と第2のL形リブ61,62のうち載置部66以外の部分で、土手突部65が構成されている。また、土手突部65の上端部からは、外側に向かって係止突部63が水平に突出している。係止突部63は円柱状をなし、先端外縁部は円弧状に面取りされている。
このように構成されたフラップ結合部60に対し、折畳状態でフラップ25が水平姿勢になると、サイド突部52における水平対向部52Yの傾斜面53Dに係止突起63に上方から当接する。そこでフラップ25を押し下げると、係止突起63と傾斜面53Dとの摺接により水平対向部52Yが撓んでサイド突部52の下面開口53Aを押し広げられ、図16に示すように土手突部65がサイド突部52の下面凹部53に受容される。そして、係止突起63が水平対向部52Yにおける短側壁23側の貫通孔54に凹凸係合する。これにより、折畳状態においてフラップ25が水平姿勢に保持される。また、土手突部65が下面凹部53に受容された状態で、図17に示すように、サイド突部52の下面52Bが載置部66の上に載置される。
図4に示すように、長側壁22の横方向の中央には、手掛凹部22Hが備えられている。手掛凹部22Hは、前述の操作部33の真下に位置し、上下左右を外面リブ10Lで囲まれ、奥部を長側壁22の壁部によって塞がれている。この手掛凹部22Hに指先を掛けることで、操作部33を容易に押し下げ操作することができる。また、手掛凹部22Hに指先を掛けることで、コンテナ10の持ち上げ操作や、長側壁22の回動操作も容易に行うことができる。
図6に示すように、短側壁23の横方向の中央には、本発明に係る第2持手孔23Hが備えられている。第2持手孔23Hは、四隅が丸みを帯びた横長の長方形をなしている。また、図21に示すように、短側壁23の外面においては、前述の外面リブ10Lが第2持手孔23Hの開口縁に沿うように配置されている。具体的には、短側壁23の横方向全体に延び、外面リブ10Lの一部を構成する複数の横リブ70のうち、上から複数番目(例えば、3番目)とその次ぎの横リブ70,70の中間部分が第2持手孔23Hの開口縁の横辺に沿うように配置されている。また、それら横リブ70,70の間を連絡しかつ上下の両端部が湾曲した1対のリブ71,71が、第2持手孔23Hの開口縁の縦辺及びコーナー部分に沿うように配置されている。そして、それらリブ71,71及び横リブ70,70から第2持手孔23Hを囲む環状リブ73が構成されている。また、前述したヒンジ凹部23Dを有する最上部の横リブ72と環状リブ73の上面との間は複数の補強リブ74で連絡されている。
フラップ25の横方向の中央には、本発明に係る第1持手孔25Hが備えられている。第1持手孔25Hは、四隅が丸みを帯びていない横長の長方形をなしている。また、フラップ25の上面においては、前述の外面リブ25Lが第1持手孔25Hの開口縁に沿うように配置されている。具体的には、フラップ25の縦方向全体に延び、外面リブ25Lの一部を構成する複数の縦リブ80のうち、フラップ25の横方向の中央寄りの1対の縦リブ80,80の中間部分が第1持手孔25Hの開口縁の縦辺に沿うように配置されている。また、それら縦リブ80,80の間を連絡する1対の横リブ81,81が、第1持手孔25Hの開口縁の横辺に沿うように配置されている。そして、それら横リブ81,81及び縦リブ80,80とから第1持手孔25Hを囲む環状リブ83が構成されている。また、前述したヒンジ凹部25Dを有する最基端部の横リブ82と環状リブ83の一方の横リブ81との間は、本発明に係る複数の補強リブ84で連絡されている。
第1持手孔25Hの横方向の開口幅は第2持手孔23Hより小さくなっている。また、第1持手孔25Hの縦方向の開口幅は、第2持手孔23Hより大きくなっている。さらに、図9に示すように、水平方向における短側壁23の外面から第1持手孔25Hの内面までの最短距離L1と、上下方向におけるフラップ25の外面(上面)から第2持手孔23Hの内面までの最短距離L2との和が12[cm]以下になっている。これにより、一般成人が、第1持手孔25Hに親指を差し込むと共に、第2持手孔23Hに人差し指と中指とを差し込んで、第1持手孔25Hと第2持手孔23Hとの間を握ることができる。なお、手が小さい成人でも容易に上記把持操作を可能とするためには、上記最短距離L1,L2の和は8[cm]以下とするのが好ましい。
また、図8に示すように、コンテナ10の組立状態でフラップ25が垂下姿勢になると、第1持手孔25Hの内側上面が、第2持手孔23Hの内側上面に対して差分ΔL3だけ上方に位置すると共に、第1持手孔25Hの内側下面が、第2持手孔23Hの内側下面に対して差分ΔL4だけ上方に位置する。なお、第1持手孔25Hと第2持手孔23Hの内側上面同士の高さの差分ΔL3の方が、内側下面同士の高さの差分ΔL4より大きくなっている。
本実施形態のコンテナ10の構成に関する説明は以上である。次ぎに、このコンテナ10の作用効果について説明する。図1に示すように、コンテナ10では、組立状態でフラップ25を水平姿勢にすると、フラップ25が長側壁22,22の間に位置し、閂部材32,32と協働して長側壁22,22の内側への回動を規制する。また、図12に示すように、サイド突部52の下面凹部53と長側壁22の底面突部43との係合により長側壁22の外側への回動及び膨出変形も規制される。さらに、図1に示すように、1対の長側壁22,22が1対の23,23の間に位置することで、短側壁23,23の内側への回動が規制される。また、サイド突部52と上面凹部42との凹凸係合と、サイド突片30の矩形孔30Aと突部31との凹凸係合との協働により短側壁23の外側への回動及び膨出変形も規制される。即ち、フラップ25によってコンテナ10の組立状態が補強される。
また、組立状態で水平姿勢となったフラップ25は、姿勢保持突部51と突部係合部41との係合により上方への移動を規制され、コンテナ10内の荷物の飛び出しを防ぐ役割も果たす。特に、長尺の荷物は、両端部をフラップ25,25により上方から覆われ、コンテナ10内で安定する。また、コンテナ10の上面開口の全体を塞ぐ蓋とは異なり、フラップ25,25の間から荷物の状態を確認することもできる。さらには、フラップ25を水平姿勢から270度回動して図8に示すように短側壁23の外面に重なる垂下姿勢にすれば、荷物の出し入れを容易に行うことができる。
図20に示すように、組立状態のコンテナ10の上に、別のコンテナ10が段積みされると、下段側のコンテナ10のL形コーナー突部22Kが、上段側のコンテナ10のL形コーナー凹部11Kに嵌合し、上下のコンテナ10,10同士の横ずれが防がれる。また、上下方向では下段側のコンテナ10の上面全体に、上段側のコンテナ10のL形コーナー凹部11Kの内面と台座部11Gの下面とが当接して、下段側のコンテナ10が上段側のコンテナ10の荷重を受ける。ここで、コンテナ10の組立状態でフラップ25を水平姿勢にしたときに、サイド突部52の上面は上面凹部42内で長側壁22の上面より下方に位置するので、組立状態の段積状態でサイド突部52に上段側のコンテナ10の荷重はかからず、サイド突部52の破損・変形が防がれる。また、図示しないがコンテナ10は、フラップ25を垂下姿勢にした状態であっても段積みすることができる。そして、コンテナ10は、フラップ25が水平姿勢と垂下姿勢の何れであっても、上段側のコンテナ10が下段側のコンテナ10のフラップ25と当接しないので、フラップ25の姿勢の影響を受けずに段積み作業を行うことができる。
段積時には、コンテナ10の持ち上げ作業が必要になる。その際、図1に示した長側壁22の手掛凹部22Hや、下面手掛部11M,11Nに手を掛けてもよいが、短側壁23の第2持手孔23Hを使用すれば、手を深く差し込むことができるので滑り難く、コンテナ10の持ち上げ作業が容易になる。
また、フラップ25が水平姿勢である場合には、例えば、第1持手孔25Hに親指、第2持手孔23Hに人差し指を及び中指を差し込んで、第1持手孔25Hと第2持手孔23Hとの間を握ることもできる。これにより、コンテナ10が安定し、搬送作業の効率が向上する。また、第2持手孔23Hに手を深く差し込んで指先をフラップ25の下方から第1持手孔25Hに掛けることもできる。勿論、第1持手孔25Hは使用せずに、第2持手孔23Hのみに手を差し込むこともできる。また、第1持手孔25Hのみに手を差し込み、フラップ25を起立姿勢にしてコンテナ10を持ち上げることもできる。その場合、コンテナ10を降ろすと同時に、フラップ25を垂下姿勢か水平姿勢かの所望の姿勢に変更することができる。
また、第1持手孔25H及び第2持手孔23Hは、環状リブ73,83で包囲されているので、手に開口縁が食い込む心配がない。さらには、それら環状リブ73,83は補強リブ74,84にて補強されているので、変形し難く、差し込んだ手が安定する。
フラップ25が垂下姿勢になると、短側壁23の外側に重なる。しかしながら、第1持手孔25Hと第2持手孔23Hも重なるので、それらの両方に手を指す込むことができる。即ち、フラップ25が水平姿勢であるか垂下姿勢であるかに拘わらず、短側壁23の第2持手孔23Hを使用することができる。
ここで、フラップ25が垂下姿勢になったときに、図8に示すように、第1持手孔25Hの内側上面は、第2持手孔23Hの内側上面より上方に位置するので、それらに手を差し込んでコンテナ10を持ち上げたときに手から受ける反力が、短側壁23に多く付与されるようになり、フラップ25のヒンジ連結部分への負荷が抑えられる。また、第1持手孔25Hの内側下面は、第2持手孔23Hの内側下面に対して上方に位置するので、第1持手孔25Hから第2持手孔23Hへと手を差し込む際に、指先が第1持手孔25Hと第2持手孔23Hとの間の段差に突き当たるようにこともない。
なお、コンテナ10を折畳状態にしてフラップ25を水平姿勢にすると、フラップ25のサイド突部52が長辺土手部12の載置部66上に載置されると共に、長辺土手部12の土手突部65の係止突起63とサイド突部52の貫通孔54とが係合する。これにより、搬送時のフラップ25のばたつきが防がれる。また、サイド突部52を含むフラップ25全体は、短側壁23の上面より下方に位置するので、図19に示すように、折畳状態でフラップ25を段積みしたときに、下段側のコンテナ10のフラップ25が、上段側のコンテナ10と当接することがなくなり、破損・変形が防がれる。
上記したように本実施形態のコンテナ10では、フラップ25を短側壁23の外面に重なる垂下姿勢して荷物の出し入れ作業を効率良く行うことができる。また、フラップ25が垂下姿勢になっても、短側壁23の第2持手孔23Hにフラップ25の第1持手孔25Hが重なり、それらの両方に手を指す込むことができるので、フラップ25が水平姿勢か垂下姿勢かに拘わらず短側壁23の第2持手孔23Hを使用して、搬送作業を効率良く行うことができる。このように本実施形態のコンテナ10は従来より作業性に優れ、使用時の作業効率が向上する。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記実施形態では、長側壁22と短側壁23のうち短側壁23にフラップ25が連結されていたが、長側壁22より短側壁23が先に折り畳まれる構造にして長側壁22側にフラップ25を連結してもよく、そのように長側壁22にフラップ25が連結されたコンテナに本発明を適用してもよい。
(2)前記実施形態のコンテナ10の平面形状は長方形であったが、平面形状が正方形の折畳コンテナに本発明を適用してもよい。
(3)前記実施形態のコンテナ10は、折畳コンテナであったが、折り畳み不可能なフラップ付きコンテナに本発明を適用してもよい。
(4)なお、フラップの代わりに水平姿勢と垂下姿勢とに変更可能な1対の回動蓋を備えた蓋付きコンテナに、本発明を適用してもよい。