JP6289869B2 - コンテナ - Google Patents

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Description

本発明は、手又はフックを掛けることが可能な持手部を有する持手部付側壁を備えたコンテナに関する。
この種のコンテナは、持手部に手やフックを掛けて床面、路面又は荷台等の上を引きずるようにして使用されることがある。その際の持手部付側壁の膨出変形を防止するために、持手部付側壁は、その外面に形成された補強リブにて補強されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2010−163186号公報(図5)
特開2012−30836号公報(図1,図4)
ところで、複数のコンテナを段積み状態にして床面等の上で引きずるように移動すると、非段積み時に比べてコンテナと床面等との間の摩擦抵抗が増し、持手部を引っ張られた持手部付側壁の膨出変形量が大きくなることが問題になっていた。特に折り畳み可能なコンテナでは、持手部付側壁の膨出変形によって側壁同士の連結が外れたり、上段側のコンテナが下段側のコンテナの内部に落ち込等の事態が生じ得た。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、持手部付側壁の膨出変形を従来より抑えることが可能なコンテナの提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るコンテナは、手又はフックを掛けることが可能な持手部を有する持手部付側壁を備えたコンテナであって、持手部付側壁の上端から外側に張り出し、コンテナ同士を段積みしたときに上段側のコンテナの下面外縁部と重なる上端横リブと、上端横リブの一部の先端から基端寄り位置までの四角形の領域を下方に陥没させてなる係合凹部と、コンテナの下面外縁部から突出し、コンテナ同士を段積みしたときに下段側のコンテナの係合凹部内に凹凸係合し、下段側のコンテナにおける持手部付側壁の外側への膨出変形を規制する係合突部とを備え、係合凹部は、上端横リブのうち前記四角形の領域より基端側に残された凹部開口壁の下方に延設されて持手部付側壁の外面に接続され、凹部開口壁と係合凹部とに上下方向から挟まれた隙間を有するところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のコンテナにおいて、下端部を中心に回動してコンテナの底面上に折り畳まれると共に起立状態で互いに対向する1対の第1の側壁と、下端部を中心に回動して第1の側壁に次いでコンテナの底面上に折り畳まれると共に起立状態で第1の側壁を間に挟んで互いに対向する1対の第2の側壁とを備え、各第1の側壁の上縁部に、起立状態の第1と第2の側壁同士を連結する連結部材を組み付けると共に連結部材の下方に持手部を設けて第1の側壁を持手部付側壁としたところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のコンテナにおいて、コンテナの下面のうち下面外縁部より内側部分から突出して、コンテナ同士を段積みしたときに、下段側のコンテナの上面開口の内側に嵌合し、コンテナ同士の横ずれを規制する横ずれ規制突部を備え係合突部の下面と横ずれ規制突部の下面とが面一になっているところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか1の請求項に記載のコンテナにおいて、係合凹部は、持手部の真上分部の両側部近傍にそれぞれ配置されているところに特徴を有する。
本発明のコンテナによれば、コンテナ同士を段積みしたときに下段側のコンテナの係合突部が、上段側のコンテナの係合凹部内に凹凸係合して、下段側のコンテナの持手部付側壁の膨出変形が、上段側のコンテナによって規制される。これにより、従来のコンテナに比べて持手部付側壁の膨出変形を抑えることができる。
請求項2のコンテナは、折り畳み可能とするために第1と第2の側壁が分かれていて、それら側壁同士を連結する連結部材が第1の側壁に組み付けられて第1の側壁における補強用リブの設置スペースが制限されるので、第1の側壁の強度が特に弱くなる。これに対し、本発明のコンテナでは、持手部付側壁である第1の側壁の膨出変形を、上述の如く、係合突部と係合凹部との凹凸係合によって抑えることができる。
求項3の発明では、コンテナの下面における横ずれ規制突部の下面と、下面外縁部の係合突部の下面とが面一になっているので、平坦面上にコンテナを載置したときに、下面外縁部が係合突部によって下方から支持され、下面外縁部の変形が防がれる。
本発明の実施形態に係るコンテナの上面側斜視図 コンテナの下面側斜視図 段積み状態にされたコンテナの斜視図 第1側壁の一部拡大斜視図 第2側壁の一部拡大斜視図 第1側壁の側断面図 第1側壁のうち係合凹部の周辺部分の一部拡大斜視図 コンテナの下面のうち係合突部の周辺部分の一部拡大斜視図 係合凹部と係合突部とが凹凸係合した1対のコンテナの一部拡大斜視図 凹凸係合した係合凹部と係合突部の側断面図
以下、本発明の一実施形態を図1〜図10に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態に係るコンテナ10は、所謂、折畳コンテナであって、上面が開放しかつ平面形状が長方形の箱状になっていて、底部30の外縁部における1対の短辺部分に1対の第1側壁11,11(本発明の「持手部付側壁」,「第1の側壁」に相当する)が回動可能に連結されると共に、底部30の外縁部における1対の長辺部分に1対の第2側壁21,21(本発明の「第2の側壁」に相当する)が回動可能に連結されている。
底部30の外縁部全体には、第1及び第2の側壁11,21を支持するための側壁支持部32が形成されている。具体的には、図2に示すように、底部30は、長方形の板状の底壁31を有していて、その底壁31の全外側面から若干内側にずれた位置より上方に支持側壁33が突出している。また、支持側壁33全体は枠状をなしていて、支持側壁33の上端部から全側方に第1フランジ部34が張り出し、その第1フランジ部34と、底壁31のうち支持側壁33より外側に張り出した部位である第2フランジ部35との間を複数の縦リブ36等にて連結して前記側壁支持部32が構成されている。
なお、本実施形態では第2フランジ部35の下面が、本発明の「下面外縁部」に相当する。また、底壁31の外縁部における1対の長辺部分の中央では、第2フランジ部35が切除されて代わりに第1フランジ部34の先端から側部対向壁37が垂下され、側壁支持部32に外側から対向している。そして、それら側部対向壁37と側壁支持部32との間が複数の縦リブ36にて連結されている。
側壁支持部32のうち底壁31の外縁部における1対の短辺部分に配置された部位(以下、適宜、「1対の第1側壁支持部32A」という)は、1対の長辺部分に配置された部位(以下、適宜、「1対の第2側壁支持部32B」という)に比べて低くなっている。そして、1対の第1側壁支持部32A,32A上で1対の第1側壁11,11が起立すると共に、1対の第2側壁支持部32B,32B上で1対の第2側壁21,21が起立してコンテナ10が組立状態になる。また、1対の第1側壁11,11を底部30の上に折り畳んでから、それらの上に1対の第2側壁21,21を折り畳んでコンテナ10を折畳状態(図示せず)にすることができる。
各第1側壁支持部32Aにおける長手方向の両端部には、1対のコーナー突片32C,32Cが設けられている。これらコーナー突片32Cは、第1と第2のフランジ部34,35の先端間を連絡する平板を第2側壁支持部32Bと同じ高さまで延長してなり、第2側壁支持部32Bと一体になっている。
底部30の下面のうち第2フランジ部35より内側部分は複数の領域に分けられ、それら各領域毎を縁取る枠形リブ38Wの内側に格子状のリブ38Lを設けて複数の格子ブロック38Aが形成されている。本実施形態では、これら格子ブロック38A群によって、本発明に係る横ずれ規制突部38が構成されている。そして、図3に示すように複数のコンテナ10,10を積み上げて段積み状態にしたときに、上段側のコンテナ10の第2フランジ部35の下面(即ち、本発明に係る「下面外縁部」)が、下段側のコンテナ10における第1と第2の側壁11,21の上面に当接すると共に、上段側のコンテナ10の横ずれ規制突部38(図2参照)が下段側のコンテナ10の上面開口10K(図1参照)内に嵌合して、上下のコンテナ10,10の横ずれが防がれる。また、図示しないがコンテナ10を折畳状態にして段積みすると、上段側のコンテナ10の第2フランジ部35が下段側のコンテナ10における第2側壁支持部32Bとコーナー突片32Cの上面に当接すると共に、上段側のコンテナ10の横ずれ規制突部38が下段側のコンテナ10の第2側壁支持部32Bとコーナー突片32C内に嵌合して、上下のコンテナ10,10の横ずれが防がれる。
図1に示すように、各第2側壁21の両側縁部からは、第1側壁11,11側に向かって1対のサイド突壁22,22が突出している。各サイド突壁22は、第2側壁21の上端部から下端寄り位置まで延びた帯板状をなし、各サイド突壁22における長手方向の複数位置には、連結孔22Aが貫通形成されている。また、図4に示すように、第1側壁11の外面の両側縁からは、連結孔22Aに対応した複数の連結突部12Aが突出している。そして、コンテナ10が組立状態になると、図1に示すように、各第1側壁11が1対の第2側壁21,21に間に挟まり、図4に示すように、サイド突壁22の連結孔22Aに第1側壁11の連結突部12Aが凹凸係合する。
図5に示すように、第2側壁21における内面側縁部の上端寄り位置には、連結突部24が突出形成され、サイド突壁22のうち上端の連結孔22Aとその下の連結孔22Aとの間部分に隙間を空けて対向している。
図1に示すように、第1及び第2の側壁11,21の外面からはリブ11L,21Lが突出している。また、第1側壁11の外面上部における左右方向の中央には、四方をリブ11Lで囲まれた機構部屋11Kが設けられている。そして、機構部屋11K内に操作部材41が組み付けられ、その操作部材41の外側から操作部カバー42が装着されている。また、操作部カバー42には操作窓部42Wが形成され、操作部材41の一部が操作窓部42Wを通して露出している。さらに、操作部材41は、第1側壁11の横方向を向いた回動軸を中心に回動可能に支持されると共に、図示しない弾性片を一体に備えて回動範囲の一端側のロック位置に付勢されている。そして、操作部材41は、操作窓部42Wから露出した部分を下方に押圧されると回動してロック解除位置まで移動する。
第1側壁11の外面上部のうち機構部屋11Kの両側には、1対のリブ11L,11Lに上下から挟まれて横方向に延びた収容溝40Aがそれぞれ設けられ、各収容溝40Aに横長の連結部材40がそれぞれ収容されている。また、各連結部材40の基端部は、機構部屋11K内で操作部材41にカム連結される一方、各連結部材40の先端部は、第1側壁11の両側部に備えたカバー壁19内に通されている。そして、操作部材41をロック位置からロック解除位置へと移動すると、それに連動して連結部材40,40が第1側壁11の横方向の中央側へと直動して、それら連結部材40,40の先端部がカバー壁19内へと退避する。
また、連結部材40の先端部には、図示しない摺接斜面が備えられている。そして、起立姿勢の第2側壁21,21のサイド突壁22,22に向けて第1側壁11を回動させると、各連結部材40の摺接斜面が、第2側壁21の連結突部24(図5参照)に摺接し、各連結部材40が機構部屋11K側に移動し、第1側壁11が起立姿勢になったところで、連結部材40,40が元の位置に弾性復帰して、各連結部材40の先端部が連結突部24とサイド突壁22との間に係合する。これにより、第1側壁11の起立姿勢からの回動が規制される。また、操作部材41を押し下げるようにロック解除操作を行うと、連結部材40と連結突部24との係合が解除されて、第1側壁11を起立姿勢から折畳姿勢へと回動することができるようになる。
図4に示すように、第1側壁11のうちリブ11Lを挟んで機構部屋11Kと隣り合わせとなる下方には、側壁貫通孔15が形成されている。側壁貫通孔15は、横長の四角形をなし、四方をリブ11Lにて囲まれている。また、図1に示すように、第1側壁11の内面には、側壁貫通孔15の周囲と機構部屋11Kの裏側とに亘る四角形の領域を段付き状に陥没させてカバー受容凹部16が形成され、そこに四角形のカバープレート17が収まっている。
カバープレート17は、下端縁を第1側壁11に固定されると共に、下端寄り位置に横方向に延びたヒンジ溝部17Mを備えている。また、カバープレート17は、通常は側壁貫通孔15を塞していて、図3に示したフックFや指先が側壁貫通孔15に外側から差し込まれると、図6に示すように、カバープレート17のうちヒンジ溝部17Mより上側部分が押し倒されて、側壁貫通孔15が開く。そして、例えば、フックF又は手を第1側壁11における機構部屋11Kの裏側部分等に引っ掛けてコンテナ10を持ち上げることや、コンテナ10を側方に引いて床面等の上で引きずることができる。即ち、本実施形態では、第1側壁11のうち側壁貫通孔15とその周縁部が本発明に係る持手部18になっている。
なお、図4に示すように、カバープレート17のうち側壁貫通孔15を通して第1側壁11の外側を向いた面には、補強突条17Tが形成されている。
図4に示すように、各第1側壁11の上面には、機構部屋11Kの両隣に1対の係合凹部44,44(本発明の「膨出規制係合部」に相当する)が形成されている。図7に示すように、各係合凹部44は、第1側壁11の上端で横方向に延びたリブ11L(以下、「上端横リブ11L1」という)のうち機構部屋11Kの隣となる部分の先端から基端寄り位置までの四角形の領域を下方に陥没させてなる。そして、各係合凹部44は、上端横リブ11L1と平行な凹部底壁44Aと、凹部底壁44Aを挟んで第1側壁11の横方向で対向しかつ上方に向かって互いに離間するように傾斜した1対の凹部側壁44B,44Bとを備えている。なお、それら1対の凹部側壁44B,44Bのうち機構部屋11K側に位置した一方の凹部側壁44Bは、機構部屋11Kの側部のリブ11Lと一体になって係合凹部44の内側を向いた面のみが傾斜している。
また、凹部底壁44Aは、上端横リブ11L1の下面から離れた下方に位置している。そして、上端横リブ11L1のうち係合凹部44より基端側に残された凹部開口壁44Cと凹部底壁44Aとの間には隙間が形成されている。また、凹部底壁44A及び1対の凹部側壁44B,44Bは、凹部開口壁44Cの下方まで延設されて第1側壁11の外面(図7の符号11G)に繋がっている。なお、凹部開口壁44Cにおける係合凹部44側を向いた面は、上端横リブ11L1の上面に対して直交した係止面44Dになっている。
図2に示すように、底部30の下面のうち各第1側壁11の真下に位置する外縁部、つまり、前記した第2フランジ部35の下面には、1対の係合凹部44,44に対応した1対の係合突部50,50が突出形成されている。そして、図9に示すように、コンテナ10,10を段積みした際に、下側のコンテナ10の係合凹部44に凹凸係合する。具体的には、図8に示すように、各係合突部50は、各底部30の第2フランジ部35のうち横ずれ規制突部38から離間した位置に配置され、横ずれ規制突部38を挟んで反対側から見ると、係合凹部44における凹部側壁44B,44B及び凹部底壁44Aの各内面と平行な1対の傾斜側面50B,50B及び下面50Aを有した台形状になっている。また、係合突部50の下面50Aは、横ずれ規制突部38の下面と面一になっている。これにより、コンテナ10を平坦な床面や荷台等の上に載置した際に、横ずれ規制突部38の下面と共に係合突部50の下面も床面に当接し、第2フランジ部35が係合突部50によって下方から支持される。
図10に示すように、係合突部50のうち横ずれ規制突部38側を向いた後面50Dは、下方に向かって横ずれ規制突部38から徐々に離れるように僅かに傾斜している。また、図8に示すように、後面50Dには、一側縁部を段付き状に切除して切欠部50Eが形成されている。さらに、係合突部50のうち後面50Dと反対側に位置した前面50Cは、第2フランジ部35の先端面と面一な垂直面になっている。さらに、コンテナ10を樹脂成形する際のヒケによる係合突部50の変形を抑えるために、係合突部50には下面50Aに開放した矩形孔50Tが第2フランジ部35の下面まで成形されている。
図9に示すように、コンテナ10が段積みされると、上段側のコンテナ10における第2フランジ部35の下面と、下段側のコンテナ10における第1及び第2の側壁11,21の上面とが当接した状態で、係合突部50と係合凹部44とが凹凸係合する。このとき、下段側のコンテナ10に対して上段側のコンテナ10が全くずれていないとすると、係合突部50の1対の傾斜側面50B,50Bと、係合凹部44の1対の凹部側壁44B,44Bの内面との間に僅かな隙間が形成され、図10に示すように、係合突部50の下面50Aと係合凹部44の凹部底壁44Aの内面との間にも僅かな隙間が形成され、さらには、係合突部50の後面50Dと係合凹部44の係止面44Dとの間にも僅かな隙間が形成された状態になる。なお、係合突部50の前面50Cは、リブ11Lの先端面より若干内側に位置した状態になる。
本実施形態のコンテナ10の構成に関する説明は、以上である。次に、このコンテナ10の作用効果について説明する。本実施形態のコンテナ10は、図3に示すように、例えば荷物を収容してから床面、路面、パレット又はトラックの荷台(以下、「床面等」という)の上に複数、段積みされた状態で使用されることがある。その段積み状態では、最下段のコンテナ10は、それより上側のコンテナ10の荷重の全てを第1と第2の側壁11,21で受け、その荷重が第1と第2の側壁11,21を下方から支持する側壁支持部32にかかる。しかしながら、本実施形態のコンテナ10では、側壁支持部32の下面、即ち、第2フランジ部35の下面に形成されている係合突部50群が床面等に当接して側壁支持部32を下方から支持するので側壁支持部32の変形が抑えられる。
ところで、コンテナ10は、段積みされた状態で床面等の上を引きずられるようにして移動されることがある。具体的には、図3に示すように、段積みされたコンテナ10群のうち最下段のコンテナ10における一方の第1側壁11の持手部18にフックFを引っ掛けて引っ張ることで、コンテナ10群が床面等の上を引きずられることがある。このとき、コンテナ10群に収容された荷物が重いほど最下段のコンテナ10と床面等との間の摩擦抵抗が大きくなり、コンテナ10群を引っ張る力も大きくなるので、第1側壁11の過度の膨出変形による破損やコンテナ10群の荷崩れが懸念される。特に、本実施形態のコンテナ10では、折り畳み可能とするために第1と第2の側壁11,21が分かれていて、それら側壁11,21同士を連結する連結部材40が第1側壁11に組み付けられて第1側壁11における補強用のリブ11Lの設置スペースが制限されるので、第1側壁11の強度が弱く、上記した第1側壁11の過度の膨出変形の懸念が大きい。
しかしながら、本実施形態のコンテナ10では、段積みしたときに下段側のコンテナ10における第1側壁11の係合凹部44と、上段側のコンテナ10における第2フランジ部35の係合突部50とが凹凸係合し、下段側のコンテナ10の第1側壁11の外側への膨出変形を上段側のコンテナ10によって規制することで第1側壁11が補強され、第1側壁11の過度の膨出変形を防ぐことができる。
詳細には、下段側のコンテナ10の一方の第1側壁11における持手部18がフックF等にて引っ張られると、下段側のコンテナ10のうち一方の第1側壁11の上縁部が、それ以外の部位(具体的には、他方の第1側壁11や第2側壁21,21)に対して相対的に離れるように外側に撓む。すると、下段側のコンテナ10の一方の第1側壁11の係合凹部44における係止面44Dが、その係合凹部44内に凹凸係合している上段側のコンテナ10の係合突部50における後面50Dに当接する。このとき、下段側のコンテナ10の他方の第1側壁11の係合凹部44と上段側のコンテナ10の係合突部50の凹凸係合や、下段側のコンテナ10の第2側壁21,21の上面と上段側のコンテナ10の第2フランジ部35の下面との摩擦係合や、下段側のコンテナ10の一方の第1側壁11の横方向両端部と上段側のコンテナ10の横ずれ規制突部38との当接等により、上段側のコンテナ10は、下段側のコンテナ10の一方の第1側壁11以外の部位に対する移動が規制されている。これにより、下段側のコンテナ10の一方の第1側壁11における持手部18が引っ張られて外側に撓んでも、第1側壁11の過度に膨出変形は防がれる。
このように本実施形態のコンテナ10では、段積みしたときに下段側のコンテナ10における第1側壁11の係合凹部44と、上段側のコンテナ10の係合突部50とが凹凸係合し、下段側のコンテナ10の第1側壁11の膨出変形が、上段側のコンテナ10によって規制される。これにより、従来のコンテナに比べて第1側壁11の膨出変形を抑えることができる。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記実施形態の係合凹部44は、第1側壁11の上端横リブ11L1に陥没形成されていたが、係合凹部は、上端横リブに貫通形成されていてもよい。
(2)前記実施形態では、第1と第2の側壁11,21のうち持手部18を有した第1側壁11,11とそれら第1側壁11,11の真下部分のみに係合凹部44及び係合突部50としての本発明の膨出規制係合部が形成されていたが、持手部18を有しない第2側壁21とその真下部分にも膨出規制係合部を形成してもよい。即ち、4つの側壁の全てとそれら側壁の真下部分とに本発明に係る膨出規制係合部を形成してもよい。そうすれば、段積みしたときの上下のコンテナ間における膨出規制係合部同士の凹凸係合によって4つの側壁の膨出変形を防ぐことができ、持手部に引っ張り負荷以外の、例えば、コンテナ内の荷物の圧力による側壁が過度の膨出変形や、上段側のコンテナから受ける荷重による下段側のコンテナの側壁の座屈変形も防ぐことができる。
なお、本発明の技術的範囲には含まれないが、4つの側壁のいずれにも持手部が設けられていないコンテナの各側壁とその真下部分とに膨出規制係合部を設けて、荷物の圧力による側壁が過度の膨出変形等を防いでもよい。
(3)前記実施形態では、折り畳み可能なコンテナに本発明を適用した例を示したが、折り畳み不能なコンテナに本発明を適用してもよい。
(4)前記実施形態のコンテナ10の持手部18は、第1側壁11に貫通形成された側壁貫通孔15を有していたが、手やフックを引っ掛けて側壁を側方に引っ張ることができる構造であれば、側壁貫通孔を有しない手掛部であってもよい。
10 コンテナ
10K 上面開口
11 第1側壁
18 持手部
21 第2側壁
38 横ずれ規制突部
40 連結部材
44 係合凹部
50 係合突部

Claims (4)

  1. 手又はフックを掛けることが可能な持手部を有する持手部付側壁を備えたコンテナであって、
    前記持手部付側壁の上端から外側に張り出し、前記コンテナ同士を段積みしたときに上段側の前記コンテナの下面外縁部と重なる上端横リブと、
    前記上端横リブの一部の先端から基端寄り位置までの四角形の領域を下方に陥没させてなる係合凹部と、
    前記コンテナの下面外縁部から突出し、前記コンテナ同士を段積みしたときに下段側の前記コンテナの前記係合凹部内に凹凸係合し、下段側の前記コンテナにおける前記持手部付側壁の外側への膨出変形を規制する係合突部とを備え、
    前記係合凹部は、前記上端横リブのうち前記四角形の領域より基端側に残された凹部開口壁の下方に延設されて前記持手部付側壁の外面に接続され、
    前記凹部開口壁と前記係合凹部とに上下方向から挟まれた隙間を有することを特徴とするコンテナ。
  2. 下端部を中心に回動して前記コンテナの底面上に折り畳まれると共に起立状態で互いに対向する1対の第1の側壁と、下端部を中心に回動して前記第1の側壁に次いで前記コンテナの底面上に折り畳まれると共に前記起立状態で前記第1の側壁を間に挟んで互いに対向する1対の第2の側壁とを備え、
    各前記第1の側壁の上縁部に、前記起立状態の前記第1と第2の側壁同士を連結する連結部材を組み付けると共に前記連結部材の下方に前記持手部を設けて前記第1の側壁を前記持手部付側壁としたことを特徴とする請求項1に記載のコンテナ。
  3. 前記コンテナの下面のうち前記下面外縁部より内側部分から突出して、前記コンテナ同士を段積みしたときに、下段側の前記コンテナの上面開口の内側に嵌合し、前記コンテナ同士の横ずれを規制する横ずれ規制突部を備え、
    前記係合突部の下面と前記横ずれ規制突部の下面とが面一になっていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンテナ。
  4. 前記係合凹部は、前記持手部の真上分部の両側部近傍にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1の請求項に記載のコンテナ。
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