JP4105306B2 - 運搬用容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば魚介類を収容することができるとともに、上下に積み重ね可能に構成した運搬用容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の運搬用容器は合成樹脂により有底四角箱状に一体形成され、その容器本体の上部及び下部には横方向に連続する周面フランジが形成されている。この容器本体の底板は、下部周面フランジの下端面よりも下方に位置するように形成されている。さらに、運搬用容器の下面には、底部リブが底板の周縁を僅かに下方に突出させることによって、四角環状をなすように形成されている。そして、魚介類が容器本体内部の収容空間に収容されるようになっている。
【0003】
この運搬用容器はその内部に魚介類を収容した後、これらを長期間保存するために冷凍庫内に積み重ねられた状態で収納される。このとき、各運搬用容器は、介装材としての一対の桟木を介した状態で積み重ねられる。一対の桟木は角材よりなり、運搬用容器の幅方向に延びるように配置される。各桟木は下方に配置される運搬用容器の上部周面フランジの上面に載置されるとともに、この桟木上に別の運搬用容器がその底部リブを接触させた状態で載置され、積み重ねられる。そして、桟木を介在した状態で積み重ねられた各運搬用容器は上下間に隙間が形成され、この隙間から容器内部へと冷気が入り込むことによって、冷却効率が向上される。
【0004】
また、冷凍された魚介類を倉庫内等で保管する場合、桟木を取り外し、運搬用容器同士を段積みした状態で収納される。複数の運搬用容器を上下に積み重ねるときには、上方の運搬用容器の底部が下方の運搬用容器の上部開口に挿入され、上方の運搬用容器の下部周面フランジが下方の運搬用容器の上部周面フランジに係合される。このように、上方の運搬用容器が下方の運搬用容器に対して位置決めされることによって、下方の運搬用容器内に所定の収容空間が保持された状態で複数の運搬用容器が上下に積み重ねられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記運搬用容器は上下に積み重ねた際、最も下部に位置する運搬用容器の底部リブに複数の運搬用容器及びその内容物等の全重量が加わる。この底部リブの幅は短く形成され、接地面積が小さなものであることから、底部リブの根元を中心として容器本体の側壁が上方から加わる荷重によって側方に捩れ、運搬用容器が破損するおそれがあった。
【0006】
また、容器本体の底面を下部周面フランジの下面と同じ位置に設定した運搬用容器も知られている。この構成の場合、容器本体を上下に積み重ねたとき、下部周面フランジが上部周面フランジ上に支持されることとなり、接地面積を確保できて運搬用容器を安定した状態で積み重ねることができる。
【0007】
しかしながら、この運搬用容器を上下に積み重ねたとき、運搬用容器は合成樹脂製であることから、各周面フランジの表面は滑りやすく、両周面フランジ間の摩擦力が弱くなっている。このため運搬用容器を積み重ねたとき、桟木又は運搬用容器が横方向に大きく位置ずれするという問題があった。
【0008】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、上下に積み重ねたとき、上方から加わる荷重による変形や破損を防止することができるとともに、上下間における横方向の大きな位置ずれを規制することができる運搬用容器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の運搬用容器の発明は、有底四角箱状に形成した容器本体の上部及び下部に横方向に連続する上部周面フランジ及び下部周面フランジを突設し、前記上部周面フランジの上面には所定間隔をおいて突設部を設け、前記下部周面フランジは、前記容器本体の下端を下方に突出させて形成された底部周壁の外周面を取り囲むように形成されるとともにその下面に凹条が凹設され、前記突設部間に対応する前記上部周面フランジの下面から前記下部周面フランジの上面に到る側壁補強リブを前記容器本体の側壁に設け、前記凹条内は前記側部補強リブから連続して延びるように形成されるリブにより連結されており、前記容器本体を介装材を介して積み重ねるときその介装材を前記突設部間に介装可能に構成するとともに、前記容器本体を介装材を介さずに積み重ねるとき前記凹条内に前記突設部が収容されるように構成したものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、この発明の第1実施形態を、図1〜図5に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1に示すように、運搬用容器10を構成する容器本体11は、合成樹脂により上面を開口した有底長四角箱状に一体形成され、その内部の収容空間内に魚介類が収容されるようになっている。また、容器本体11の長さ方向の対向する側壁11a及び底壁11bには複数の挿通孔12が所定間隔を置いて貫設され、収容空間内部に溜まる水等を排出することができるようになっている。
【0014】
図1、図4及び図5に示すように、上部周面フランジ13は、容器本体11の上端において、その外周面を取り囲むように横方向に連続して形成されている。下部周面フランジ14は、容器本体11の下端を僅かに下方に突出させて形成された底部周壁11cにおいて、その外周面を取り囲むように横方向に連続して形成されている。つまり、この下部周面フランジ14は、容器本体11の底壁11bよりも下方に位置するように形成されている。
【0015】
複数の容器本体11は、介装材としての一対の桟木15を介装した状態で上下に積み重ねられている。この桟木15は角材よりなり、下方の容器本体11の上部周面フランジ13上に載置された状態で、その上面に上方の容器本体11の下部周面フランジ14が載置される。このとき、両容器本体11間には桟木15の厚さ分だけの隙間16が保持されるようになっている。
【0016】
図1及び図2に示すように、突設部としての規制突起17は、四角錐台状をなすように上部周面フランジ13の4つのコーナ部上面に所定間隔をおいて複数突設されている。そして、図4に2点鎖線で示すように、桟木15は2つの規制突起17の間に位置するように配置され、その横方向の移動が規制されている。
【0017】
図3〜図5に示すように、複数の側部補強リブ18は規制突起17の近傍位置における側壁11a,11d外面に、容器本体11の高さ方向に延びるように突出形成されている。底部補強リブ19は側部補強リブ18から連続して延びるように、容器本体11の底壁11b外面に突設されている。これら補強リブ18,19は桟木15が介装されたとき、桟木15の延びる方向に対して側部補強リブ18が垂直方向に、底部補強リブ19が同じ方向に延びるように配置されている。そして、側部補強リブ18は桟木15を介して上方から加えられる荷重を受けるとともに、底部補強リブ19は桟木15に対して上方から加えられる荷重をその下面全体で受けるようになっている。
【0018】
容器本体11の側壁11a,11dには側部補強リブ18の他に、側部補強リブ18の延びる方向と平行方向又は水平方向に延びる複数の側壁リブ20が突設されている。また、容器本体11の底壁11bには底部補強リブ19の他に、底部補強リブ19の延びる方向と平行又は直交方向に延びる複数の補助リブ21が突設されている。加えて、容器本体11のコーナ部外側面には、コーナリブ22が容器本体11の対角線方向に突出して高さ方向に延びるように形成されている。これら各リブ20,21,22は各補強リブ18,19とともに、容器本体11に対して加えられる捩れ等の力を受け、その変形を防止するようになっている。
【0019】
図3に示すように、下部周面フランジ14の4つのコーナ部下面には、環状をなす長辺側凹条23a、コーナ部凹条23b及び短辺側凹条23cよりなる凹設部としての凹条23が所定深さだけ凹設されている。
【0020】
図1又は図5に示すように、容器本体11の幅方向の対向する側壁11d中央には把持部24が設けられている。把持部24は、水平方向に延びる側壁リブ20の下面を凹凸状とすることによって形成され、この把持部24を手で把持することにより、運搬用容器10の移動、運搬等を行うようになっている。
【0021】
次に、前記運搬用容器10の作用について以下に記載する。
さて、第1実施形態の運搬用容器10は、その内部収容空間内に魚介類を収容した状態で運搬が行われる。そして、複数の運搬用容器10は冷凍庫で魚介類を冷凍するとき、桟木15を介して上下に積み重ねられる。
【0022】
運搬用容器10を上下に積み重ねるには、まず、一対の桟木15が規制突起17間に位置するように配置された状態で、下方となる運搬用容器10の上部周面フランジ13上に載置される。次いで、桟木15の上面には、上方となる運搬用容器10の側部補強リブ18が桟木15と同位置となるように、その下部周面フランジ14が載置される。このとき、運搬用容器10の底部補強リブ19は桟木15上面と接触した状態とされる。そして、同様の作業を複数回繰り返すことによって、運搬用容器10を必要な個数だけ積み重ねる。
【0023】
運搬用容器10を積み重ねるとき、桟木15を規制突起17間に配置することにより、下方に位置する運搬用容器10は、桟木15及び上部周面フランジ13を介して加わる荷重がその側部補強リブ18によって受け止められる。また、上方となる運搬用容器10においては、側部補強リブ18と桟木15とを位置合わせすることによって、直接目視することなく桟木15上面に底部補強リブ19が接触した状態で配置される。そして、上方から桟木15に対して加わる荷重は、底部補強リブ19の下面全体で受け止められる。また、底部補強リブ19及び側部補強リブ18は連続的に形成されていることから、各々に加わる荷重はこれら両補強リブ18,19全体で受け止められる。
【0024】
複数の運搬用容器10が積み重ねられた状態で、振動、衝撃等の力が加わり、桟木15が横方向に大きく位置ずれしようとする場合、桟木15の側面と規制突起17の側面とが係合される。そして、両者の係合により上部周面フランジ13に対する桟木15の移動が規制され、運搬用容器10と桟木15との間における横方向の大きな位置ずれが防止される。
【0025】
前記第1実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 第1実施形態の運搬用容器10によれば、側部補強リブ18は桟木15が配置される規制突起17間に位置するように容器本体11の側壁11a,11dに突設されている。この側部補強リブ18は桟木15の延びる方向に対して垂直方向に延びるように構成されており、桟木15に加わる荷重を受けるようになっている。
【0026】
このため、桟木15を介して容器本体11を上下に積み重ねたとき、上方から加わる荷重による変形や破損を防止することができる。加えて、桟木15を各規制突起17間に配置したことから、桟木15側面と規制突起17側面との係合により桟木15の移動が規制され、上下間における横方向の大きな位置ずれを規制することができる。
【0027】
・ 第1実施形態の運搬用容器10によれば、側部補強リブ18と連続して底部補強リブ19が容器本体11の底壁11bに突設されている。この底部補強リブ19は、桟木15の延びる方向に対して平行方向に延びるように構成されており、桟木15に加わる荷重を受けるようになっているため、桟木15を介して容器本体11を上下に積み重ねたとき、上方から加わる荷重による変形や破損を確実に防止することができる。
【0028】
・ 第1実施形態の運搬用容器10によれば、側部補強リブ18を各規制突起17間の中央に設けるとともに、側部補強リブ18と連続して底部補強リブ19が設けられている。このため、規制突起17間に桟木15を配置するだけで目視等の必要なく各補強リブ18,19と桟木15との位置合わせを容易かつ確実に行うことができ、作業性を向上させることができる。
【0029】
・ 第1実施形態の運搬用容器10によれば、容器本体11の外面には各補強リブ18,19に加えて、コーナリブ22、側壁リブ20及び補助リブ21を突設したことから、捩れ等の力による容器本体11の変形や破損を効果的に防止することができる。
【0030】
・ 第1実施形態の運搬用容器10によれば、容器本体11の各側壁11a及び底壁11bに挿通孔12を設けたことから、収容空間内に溜まる水等を挿通孔12から排出することができ、運搬用容器10の衛生を保つことができる。
【0031】
(第2実施形態)
以下、この発明の第2実施形態を、図6〜図8に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態においては、前記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0032】
図6に示すように、第2実施形態の運搬用容器10は、桟木15を介さず運搬用容器10同士が直接積み重ねられている。すなわち、複数の運搬用容器10は五本配と呼ばれる積み方で積み重ねられている。つまり、下方の5つの運搬用容器10は、まず2つの運搬用容器10がその長手方向に延びるように並べられる。この2つの運搬用容器10に対して、3つの運搬用容器10がその幅方向に延びるように2つの運搬用容器10の側面に当接した状態で並列に配置される。
【0033】
図6の二点鎖線で示すように、上方の5つ運搬用容器10は、下方の5つの運搬用容器10に対して180゜回転した状態で積み重ねられる。この作業を複数回繰り返すことによって、5つの運搬用容器10が五本配の状態で必要な段数だけ積み重ねられる。
【0034】
図7に示すように、運搬用容器10同士を上下に積み重ねたときには、上方の容器本体11の下部周面フランジ14が下方の容器本体11の上部周面フランジ13上に載置されている。このとき、2点鎖線で示すように、各規制突起17は凹条23内に配置されるようになっている。
【0035】
図8に示すように、各凹条23は各規制突起17を跨ぐように配置され、その内側に規制突起17が遊嵌状態で収容されている。そして、容器本体11が横方向に大きく位置ずれする場合、各規制突起17の側面と凹条23の内側壁が係合することによって、その移動を規制するようになっている。
【0036】
図6に示すように、複数の運搬用容器10が積み重ねられた状態で、上方の運搬用容器10の補強リブ18,19は、下方の運搬用容器10の上部周面フランジ13の延びる方向に対して直交方向に延びている。また、底部補強リブ19は上部周面フランジ13に対して上方から加えられる荷重を受け止めるようになっている。加えて、図示されない側部補強リブ18は底部補強リブ19に対して垂直方向に延びていることから、上部周面フランジ13を介して上方から加えられる荷重を受けるようになっている。
【0037】
さて、第2実施形態の運搬用容器10は、冷凍された魚介類を収容した状態で倉庫内等において運搬用容器10同士を上下方向に積み重ね、保存される。
図6に示すように、運搬用容器10は五本配と呼ばれる積み方で一段目が積み重ねられる。次いで、二段目では一段目の5つ運搬用容器10に対して180゜回転した状態で、同様に5つの運搬用容器10が積み重ねられる。このような作業を複数回繰り返すことによって、所望の段数まで運搬用容器10が積み重ねられる。
【0038】
運搬用容器10を五本配で積み重ねるときには、下方となる運搬用容器10の規制突起17の側方に、上方となる運搬用容器10の側部補強リブ18が配置される。このとき、上部周面フランジ13の規制突起17は下部周面フランジ14の凹条23内に遊嵌される。
【0039】
運搬用容器10を積み重ねるとき、上部周面フランジ13に対して下部周面フランジ14が僅かに横ずれして載置される場合がある。この場合には、規制突起17の側面が傾斜していることから、下部周面フランジ14の下面が規制突起17により上部周面フランジ13の上面へと案内される。
【0040】
複数の運搬用容器10が積み重ねられた状態で、振動、衝撃等の力が加わり、横方向に大きく位置ずれしようとする場合、下部周面フランジ14の凹条23内において、凹条23の内側壁又は底部補強リブ19と規制突起17の側面とが係合される。そして、両者の係合により上部周面フランジ13に対する下部周面フランジ14の移動が規制され、上下の運搬用容器10間における横方向の大きな位置ずれが防止される。
【0041】
・ 第2実施形態の運搬用容器10によれば、側部及び底部補強リブ18,19は上部及び下部周面フランジ13,14の延びる方向に対して交差する方向に延びるように構成されており、各周面フランジ13,14に加わる荷重を受け止めるようになっている。このため、容器本体11同士を上下に積み重ねたとき、上方から加わる荷重による変形や破損を防止することができる。加えて、凹条23内に規制突起17が遊嵌されることから、上下間における横方向の大きな位置ずれを規制することができる。
【0042】
・ 第2実施形態の運搬用容器10によれば、運搬用容器10は五本配と呼ばれる積み方で積み重ねられていることから、複数の運搬用容器10を安定した状態で段積みすることができる。
【0043】
・ 第2実施形態の運搬用容器10によれば、規制突起17を四角錐台状に形成したことから、規制突起17の側面は傾斜している。このため、桟木15を用いることなく運搬用容器10同士を積み重ねるとき、上部周面フランジ13に下部周面フランジ14を多少ずれた状態で載置した場合においても、規制突起17の側面により下部周面フランジ14を所定位置に案内することができる。
【0044】
・ 第2実施形態の運搬用容器10によれば、凹条23は規制突起17を取り囲むように環状に構成されている。そして、運搬用容器10が横方向に大きく位置ずれしようとする場合、規制突起17の側面と凹条23の内側壁とが必ず係合されるため、横方向の大きな位置ずれを確実かつ効果的に規制することができる。
【0045】
・ 第2実施形態の運搬用容器10によれば、下部周面フランジ14は、容器本体11の底板よりも下方に位置するように形成され、底壁11bと下部周面フランジ14との間に空間が形成されている。そして、桟木15を用いず運搬用容器10同士を積み重ねた場合、従来例のように、上方の運搬用容器10の底部が下方の運搬用容器10の上部開口に挿入されることがない。このため、容器本体11の収容空間内に魚介類を満載した状態においても、上方に位置する容器本体11の底板によって魚介類が傷付くことを防止することができる。
【0046】
(第3実施形態)
以下、この発明の第3実施形態を、図9及び図10に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態においては前記第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0047】
図9及び図10に示すように、第3実施形態の運搬用容器10は、第2実施形態において凹条23が省略されるとともに、下部周面フランジ14の下面には、複数の半球状の突設部25aがコーナ部を除いて一定間隔をおいて2列に突出形成されている。なお、コーナ部には突設部25aが1つのみ突設されている。
【0048】
また、上部周面フランジ13の上面には、これらの突設部25aの間に位置するように、複数の半球状の突設部25bがコーナ部を除いて2列に突設されている。コーナ部においては、同様の突設部25bが1つのみ突設されている。
【0049】
そして、容器本体11同士を上下に積み重ねたとき、下方の突設部25b間に上方の突設部25aが入り込むように、つまり両突設部25a,25bが上部周面フランジ13の幅方向に並ぶことによって、運搬用容器10間の幅方向の移動が規制される。また、図示しないが、両突設部25a,25bが上部周面フランジ13の長さ方向に並ぶことによって、運搬用容器10間の長さ方向の移動が規制される。
【0050】
従って、第3実施形態の運搬用容器10によれば、上方から加わる荷重による変形や破損を防止することができるとともに、両突設部25a,25bの係合により、上下間における横方向の大きな位置ずれを規制することができる。
【0051】
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 第3実施形態の運搬用容器10において、桟木15を介して複数の運搬用容器10を上下方向に積み重ねること。このとき、桟木15が下部周面フランジ14の突設部25a間に配置されるように、桟木15上面に下部周面フランジ14を配置すること。
【0052】
このように構成した場合、上方から加わる荷重による変形や破損を防止することができるとともに、両突設部25a,25bと桟木15との係合により、上下間における横方向の大きな位置ずれを規制することができる。加えて、桟木15上面に下部周面フランジ14を配置するときに、突設部25a間に桟木15を配置するだけで容易に位置合わせを行うことができる。
【0053】
・ 第3実施形態の運搬用容器10において、各突設部25a,25bの間にこの突設部25a,25bよりも小さな複数の突起を設けること。そして、このように構成された運搬用容器10を、桟木15を介装したり、運搬用容器10同士を直接重ね合わせたりすることによって上下方向に積み重ねること。
【0054】
このように構成した場合、複数の突起が摩擦力を増加させ、桟木15又は運搬用容器10の横方向の大きな位置ずれをより確実に規制することができる。
・ 各実施形態において、収容される物品は魚介類に限定されるものではなく、例えばパン、野菜、工作機械の部品等を収容すること。
【0055】
・ 第2及び第3実施形態の運搬用容器10において、積み重ね方法は五本配に限定されるものではなく、例えば上下方向に一列に積み重ねる等して複数の運搬用容器10を積み重ねること。
【0056】
・ 各実施形態において、底部補強リブ19を省略し、側部補強リブ18のみで補強リブとすること。
このように構成しても、所望の強度を得ることができるとともに、構成を簡易なものとし、製造コストの低減を図ることができる。
【0057】
・ 各実施形態において、側壁リブ20、補助リブ21及びコーナリブ22から選ばれる少なくとも1つを省略して構成すること。
このように構成しても、所望の強度を得ることができるとともに、構成を簡易なものとし、製造コストの低減を図ることができる。
【0058】
・ 第1実施形態において、介装材は桟木15に限定されるものではなく、例えば角パイプ、長板等とすること。
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
【0059】
・ 前記凹設部は環状に構成したものである運搬用容器。
このように構成した場合、突設部と凹設部との係合により、横方向の大きな位置ずれを確実かつ効果的に規制することができる。
【0060】
・ 前記下部周面フランジを、容器本体の底壁よりも下方に位置するように構成した運搬用容器。
このように構成した場合、容器本体内の収容物が積み重ねられた容器本体の底壁により傷付くことを防止することができる。
【0061】
・ 前記容器本体の側壁には、補強リブを複数設けた運搬用容器。
このように構成した場合、上方からの荷重を複数の補強リブで分散して受け止めることができ、運搬用容器の強度をさらに向上させることができる。
【0062】
なお、この明細書において、リブとは一般的なリブの概念に加え、湾曲して厚肉に形成されたものを含む概念を意味する。
【0063】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明の運搬用容器によれば、補強リブが少なくとも側壁を補強することから、上下に積み重ねたとき、上方から加わる荷重による変形や破損を防止することができるとともに、介装材と突設部との係合によりその移動が規制され、上下間における横方向の大きな位置ずれを規制することができることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の運搬用容器を積み重ねた状態を示す斜視図。
【図2】 運搬用容器を示す平面図。
【図3】 運搬用容器を示す底面図。
【図4】 運搬用容器の一部を破断した状態を示す正面図。
【図5】 運搬用容器の一部を破断した状態を示す側面図。
【図6】 第2実施形態の運搬用容器を積み重ねた状態を示す平面図。
【図7】 規制突起が凹条に収容された状態を示す一部を拡大した平面図。
【図8】 規制突起が遊嵌された状態を示す部分拡大断面図。
【図9】 第3実施形態の突設部が係合した状態を示す平面図。
【図10】 突設部が係合した状態を示す部分拡大断面図。
【符号の説明】
10…運搬用容器、11…容器本体、11a…長さ方向の対向する側壁、11b…底壁、11d…幅方向の対向する側壁、13…上部周面フランジ、14…下部周面フランジ、15…介装材としての桟木、17…突設部としての規制突起、18…側部補強リブ、19…底部補強リブ、23…凹設部としての凹条、25a…突設部、25b…突設部。
Claims (1)
- 有底四角箱状に形成した容器本体の上部及び下部に横方向に連続する上部周面フランジ及び下部周面フランジを突設し、前記上部周面フランジの上面には所定間隔をおいて突設部を設け、
前記下部周面フランジは、前記容器本体の下端を下方に突出させて形成された底部周壁の外周面を取り囲むように形成されるとともにその下面に凹条が凹設され、
前記突設部間に対応する前記上部周面フランジの下面から前記下部周面フランジの上面に到る側壁補強リブを前記容器本体の側壁に設け、前記凹条内は前記側部補強リブから連続して延びるように形成されるリブにより連結されており、
前記容器本体を介装材を介して積み重ねるときその介装材を前記突設部間に介装可能に構成するとともに、前記容器本体を介装材を介さずに積み重ねるとき前記凹条内に前記突設部が収容されるように構成した運搬用容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26374398A JP4105306B2 (ja) | 1998-09-17 | 1998-09-17 | 運搬用容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26374398A JP4105306B2 (ja) | 1998-09-17 | 1998-09-17 | 運搬用容器 |
Publications (2)
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