次に、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。本発明は多くの他の形態および形状を取ることができると考えられ、したがって、以下の開示は、限定ではなく例示として意図され、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して決定すべきである。
本発明の実施形態は、コンピュータシステムおよびコンピュータシステム操作の様々な側面の知的であり柔軟な管理および監視を行うためのシステムおよび方法を提供する。本発明の実施形態は、多様な汎用コンピュータシステムおよび多様な専用コンピュータシステムを含めた多様な既存および将来のコンピュータシステムに適用可能である。本発明を様々な方法で実装することができるコンピュータシステムの1つのクラスまたは構成は、「Non−Peripherals Processing Control Module Having Improved Heat Dissipating Properties」という名称の米国特許第7,256,991号明細書、「Robust Customizable Computer Processing System」という名称の米国特許第7,242,574号明細書、および「Systems and Methods for Providing a Dynamically Modular Processing Unit」という名称の米国特許第7,075,784号明細書に開示されており、上記特許を、それらが開示することすべてについて参照により本明細書に明示的に援用する。
上記の特許に開示されているものなど複数の相互接続された回路基板を有して使用するように構成されたコンピュータシステム内で、本発明の特定の実施形態は、認可された回路基板のみがコンピュータシステム内で使用されることを保証するためのシステムを提供する。このシステムは、各回路基板上に位置された認可チップを含む。各認可チップは、1)コンピュータの1つが機能動作するため、および認可チップが位置する回路基板が機能動作するために必要な鍵機能と、2)回路基板が試験されており、コンピュータシステム内で適切に機能動作するものとして認可されていることを通信する認可機能とを含む。また、このシステムは、認可通信バスも含み、認可通信バスは、システム内に組み込まれた各回路基板の認可ステータスを検証するために各認可チップが互いに通信できるようにする。少なくともいくつかのそのようなシステムでは、各認可チップは、認可チップを有さない回路基板がコンピュータシステムに取り付けられている場合には、コンピュータシステムが機能動作するのを妨げるように構成される。
特定の実施形態では、各認可チップは、各々の回路基板の状態を監視するように構成される。認可チップは、監視される回路基板の状態の記録を保持することができ、各認可チップは、各々の回路基板の状態のレポートを送信するように構成されることもある。
コンピュータシステムに関する電力制御に各認可チップが知的に関与するように構成されるいくつかの実施形態では、認可チップは、協働して、コンピュータシステムに関する複数の電源をオンおよびオフに切り替えるタイミングに関与する。いくつかのそのような実施形態では、認可チップは、逐次順序において先行するすべての電源が適切にオンに切り替わっていることを検証した後でのみ、チップに安全な順序でコンピュータの電源を逐次にオンに切り替えることによって、コンピュータシステムのチップを破壊する危険があることが分かっている電力状態がコンピュータシステム内で生じるのを共同で防止する。追加または代替として、認可チップは、コンピュータシステム内での電源故障の検出後にオン状態のままであるとチップの損壊を引き起こすことがある電源を迅速にオフに切り替えることによって、コンピュータシステムのチップを破壊する危険があることが分かっている電力状態がコンピュータシステム内で生じるのを共同で防止する。
少なくともいくつかの実施形態では、認可チップは、電力制御を監視して電源の活動化および非活動化を制御するように構成された論理ゲートを備え、それにより、1つの電源が故障したときに、コンピュータシステムの損壊を防止するのに十分に速く他の電源の非活動化が行われる。少なくともいくつかの実施形態では、他の電源の非活動化は、数クロックサイクル以内に行われる。
実装されるとき、認可チップは、コンピュータシステムがオフに切り替えられている場合でさえ、コンピュータシステムが電源に接続されているときにはいつでも動作することができる。認可チップは、コンピュータシステムのサイドバンド管理を行い、論理ゲートのみを使用してサイドバンド管理を行うことができる。
特定の実施形態では、認可チップ内部の論理ゲートによって故障事象が検出および記録され、認可チップは、協働して、故障事象のログを取り、コンピュータシステムをシャットダウンするように構成される。認可チップは、次の電源投入試行、および故障の時点の1つまたは複数で、故障事象の記録を送信するように構成することができる。
いくつかの実施形態では、認可チップは、コンピュータシステムが動作しているときに、集積回路間(I2C)バスやローピンカウント(LPC)バスなどコンピュータシステムの1つまたは複数のバス上で行われる通信をスヌープするように構成される。認可チップは、入出力(I/O)通信やポストコードなど、スヌープされた通信に応答するように構成されることがある。
本発明のいくつかの実施形態では、認可チップの1つまたは複数は、論理ゲートを使用してリアルタイムプロセッサエミュレーションを提供するように構成される。リアルタイムプロセッサエミュレーションを提供する1つまたは複数の認可チップは、選択された入力に対する特定の選択された出力を自動的にかつ迅速に提供することができる。特定の例では、1つまたは複数の認可チップが、PS/2キーボードコントローラおよびビデオコントローラの1つのエミュレーションを提供する。
特定の実施形態では、認可チップは、電源が最初にコンピュータシステムに接続されるときに、コンピュータシステムをオンに切り替えて使用できるようになる前に各認可チップがアクティブ状態になって機能動作する準備が整っていることを保証するために、認可チップが互いに通信できるように構成される。
特定の実施形態はコンピュータシステム内で行われ、その際、コンピュータシステム内に組み込まれ、論理ゲートのみを使用してコンピュータシステムのサイドバンド管理を提供するサイドバンド管理装置を使用して、コンピュータシステムの組込型サイドバンド管理を提供するためのシステムが提供される。サイドバンド管理装置は、電源入力時にコンピュータシステムの電源の活動化の適切なシーケンスを保証する電源投入管理を提供することができる。サイドバンド管理装置は、損壊を引き起こす可能性がある不適切な電圧組合せがコンピュータシステム内で生じるのを防止する様式でのみ電源の活動化が行われることを保証することができる。サイドバンド管理装置は、1つまたは複数の電源が活動化できなかったときには、電源シーケンスを中断し、コンピュータシステムをオフに切り替え、故障状態の詳細のログを取るように構成することができる。
特定の実施形態のサイドバンド管理装置は、コンピュータシステムの複数の回路基板にわたって分散された複数の装置を含むことができる。それとは無関係に、コンピュータシステムがオフに切り替えられているときにも、サイドバンド管理装置は電力供給されたままであることがある。特定の実施形態では、コンピュータシステムが単一のコンピュータ装置であり、サイドバンド管理装置がコンピュータ装置の少なくとも1つの回路基板に組み込まれ、それにより、サイドバンド管理装置は、別個のプロセッサまたはコンピュータ装置を含まない。
本発明の実施形態は、コンピュータシステムの機能動作に必要な異なる電圧の複数の電源を備えるコンピュータシステムにおいて、電源の活動化を制御するための方法を提供する。この方法は、複数の電源の1つまたは複数の活動化を選択的に命令するステップと、活動化されるように命令された電源が適切にオンに切り替わったかどうか監視するステップとを含む。活動化されるように命令された電源の1つまたは複数が設定時間内に適切にオンに切り替わらなかったときには、方法は、故障事象のログを取り、コンピュータシステムをオフに切り替えるステップを含む。
この方法のいくつかの実施形態では、電源は、不適切な電圧シーケンスによって引き起こされるコンピュータシステムの構成要素の損壊を防止するように設計されたシーケンスで活動化され、活動化のシーケンスが継続される前に、各電源の活動化が適切な活動化であるか監視される。少なくともいくつかの実施形態では、コンピュータシステムをオフに切り替えるステップは、不適切な電圧シーケンスによって引き起こされるコンピュータシステムの構成要素の損壊を防止する順序で、オン状態の任意の電源を非活動化するステップを含む。
本発明の実施形態は、複数の回路基板を有するコンピュータシステムのための電力管理システムを提供する。電力管理システムは、コンピュータシステムの回路基板わたって延在する電力管理バスと、電力管理バスに通信可能に結合された複数のプラットフォーム管理制御装置(PMC)とを含み、ここで、各PMCは、異なる回路基板上に位置され、各々の回路基板上の電源を制御するように構成される。
少なくともいくつかの実施形態では、各PMCは、論理ゲート内に完全に実装される。PMCは、コンピュータがオンに切り替えられているかどうかに関わらず、コンピュータシステムが入力電源に接続されているときはいつでも動作するように構成することができる。また、PMCは、コンピュータシステムの任意の電源を活動化できるようになる前に他のPMCがアクティブ状態であることを保証するように構成することもできる。PMCは、制御装置専用の鍵を生成することによって他のPMCがアクティブ状態であることを確認することができる。これらの鍵は、電力管理バスを使用して、他の制御装置に渡され、他の制御装置がアクティブ状態であるときに、受信されたように、他の制御装置によって送られ、それにより、各制御装置は、それ独自の鍵を再び受信するときに、すべての制御装置がアクティブ状態であることを知る。
本発明の実施形態は、コンピュータシステムの速度を改良すると共に、コンピュータシステム内のプロセッサベースのコンピュータ構成要素をエミュレートするためのシステムを提供する。プロセッサベースのコンピュータ構成要素をエミュレートするためのシステムは、論理ゲートのみを使用してプロセッサベースのコンピュータ構成要素をエミュレートするように構成された論理ゲートベースの装置を含み、ここで、論理ゲートは、プロセッサベースのコンピュータ構成要素によって通常取り扱われるコマンドセットを受信し、プロセッサベースのコンピュータ構成要素によって通常出力されるものと同じ出力を、しかしはるかに高速で提供するように構成される。いくつかの実施形態では、論理ゲートは、プロセッサベースのコンピュータ構成要素によって通常取り扱われるすべての可能なコマンドのサブセットのみを認識してそれらに応答するように構成される。論理ゲートベースの装置は、コンピュータシステムによって積極的には使用されないが、1)コンピュータシステムの基本入出力システム(BIOS)と、2)コンピュータシステムのオペレーティングシステム(OS)との一方の適切な動作にその存在が必要とされるレガシーコンピュータ装置のエミュレーションを提供することができる。
本発明の特定の実施形態は、デジタル通信を符号化、送信、および復号するための方法を提供し、ここで、通信のデータ部分は、受信されるデータ部分の妥当性に関するチェックサム情報を本来的に含み、さらなるデータビットを必要としない。この方法は、デジタルデータの特定のパターンが無効となるような方式を使用してデジタルストリームに情報を符号化するステップと、送信機を使用してデジタルストリームを繰り返し送信するステップとを含む。受信機は、受信情報を受信し、受信情報は、有効および無効のパターンに関して評価される。受信情報は、有効な開始パターンに1つまたは複数の有効なデータパターンが続くときにのみ保持および復号される。
開始パターンは、データストリームに含まれるデータのタイプに関する情報を含むことがある。また、開始パターンは、デジタルストリームが繰り返された回数に関する情報を含むこともある。
本発明の実施形態は、コンピュータシステム内に組み込まれたPMCを使用してコンピュータシステムの起動および機能動作を監視するための方法を提供する。この方法は、コンピュータシステムにPMCを提供するステップを含み、ここで、PMCは、コンピュータシステムの電力を管理し、かつコンピュータシステムの機能動作に関する情報をコンピュータシステムから取得することができるようにコンピュータシステムに接続され、さらに、PMCは、送信機に動作可能に接続される。また、この方法は、PMCを使用して、コンピュータシステムの起動および動作を監視するステップと、PMCを使用して、コンピュータシステムの起動および動作の少なくとも一方に関係付けられる事象のログを取るステップと、PMCを使用して、ログを取られた事象を送信機を使用して送信するステップとを含む。
ログを取られた事象は、起動時にコンピュータシステムによって生成されるポストコードを含むことがある。ログを取られた事象がポストコードを含むとき、PMCは、起動時点でポストコードを送信することができる。追加または代替として、ログを取られた事象は、シャットダウンの時点および異常な温度の検出時点の一方でコンピュータシステムから取得される温度読取値を含むことがある。いくつかの実施形態では、コンピュータシステムのオペレーティングシステムが、外部への送信のためにPMCにメッセージを送るように構成される。
本発明の実施形態は、電力供給追跡装置を提供するための技法に関する。特に、本発明の少なくともいくつかの実施形態は、演算回路への第1の電力入力が演算回路への第2の電力入力に対して所定の関係を保つことを保証するための電力供給追跡装置に関する。
本発明の実施形態は、基準電圧源と、比較器と、スイッチとを有する電力供給追跡装置を含む。基準電圧源は、比較器の第1の入力に基準電圧を提供する。比較器の第2の入力は、第1の電力入力に結合される。比較器の出力は、基準電圧と第1の電力入力の相対電圧の関数として状態を切り替える。比較器の出力は、スイッチを制御し、すなわち基準電圧と第1の電力入力の相対電圧に従ってスイッチを開閉する。スイッチは、電源と第2の電力入力の間に配設される。したがって、第2の電力入力を第1の電力入力に対して所定の関係で保つことができる。
本発明の実施形態の方法およびプロセスは、パーソナルコンピューティングエンタープライズの分野で特に有用であることが実証されているが、本発明の方法およびプロセスを、様々な異なる適用分野、およびカスタマイズ可能なエンタープライズを生成するための様々な異なる製造分野で使用することができることを当業者は理解されよう。そのようなエンタープライズには、制御システムまたはスマートインターフェースシステムを利用する任意の産業のためのエンタープライズ、および/またはそのような装置の実施から利益を得るエンタープライズが含まれる。限定はしないが、そのような産業の例には、自動車産業、航空産業、液圧制御産業、自動/ビデオ制御産業、電気通信産業、医療産業、特殊応用産業、および家庭用電気機械器具産業が含まれる。したがって、本発明のシステムおよび方法は、現在のコンピュータ技法によって従来は未開拓であった市場を含めた多くの異なる市場に利益を提供することができる。
本発明の実施形態は、コンピュータシステム診断情報をワイヤレスで受信するため、およびそのような情報をカスタマイズ可能に表示するためのシステムおよび方法を提供する。この情報は、多様な汎用コンピュータシステムおよび多様な専用コンピュータシステムを含めた多様な既存および将来のコンピュータシステムから受信することができる。本明細書で開示するように、コンピュータシステムに組み込まれたプラットフォーム管理制御装置(PMC)または同様の装置が、コンピュータシステム情報を監視し、監視された情報を赤外線などによって送信または他の形で搬送する。本発明の実施形態は、送信された情報を受信し、それにより、本明細書で開示するものなど様々な目的にその情報を使用することができる。
本発明の実施形態では、PMCまたは他の同様の装置によって送信される複数のログを取られた事象を、ワイヤレス診断装置などの診断装置によって受信して監視することができる。本発明の少なくともいくつかの実施形態では、診断装置の処理機能は、論理ゲート内に本質的にまたは完全に実装される。本明細書で詳細に述べるように、そのような実施形態は、特定の利点を提供する。本明細書で論じる診断装置の特定の実施形態は、論理ゲート装置を使用して実装されるが、診断装置が、当技術分野で現在知られているタイプまたは将来開発されるタイプの様々な他のコンピュータシステムに情報を提供する、または渡すことができることを理解されよう。例えば、少なくともいくつかの実施形態では、診断装置は、ユニバーサルシリアルバス(USB)接続やイーサネット(登録商標)接続など有線または無線接続を使用して外部コンピュータシステムに接続することができる。そのような接続は、PMCまたは他の同様の装置から通信が受信される時点、またはより後のある時点を含めた、診断装置の使用中の任意の時点で行うことができる。したがって、以下の論述は、何らかの理由で診断装置と共に使用される、または診断装置に接続されることがあるコンピュータシステムを説明する意図のものである。
本発明の実施形態は、一時的電気接続に関する。特に、本発明は、情報をプリント回路基板(PCB)から受信する、またはPCBに送信するために、外部装置をPCBに一時的に接続するためのシステムおよび方法に関する。
本発明の実施形態は、接続を介するデータの転送を容易に実現するために、外部データ源とPCBの間の一時的電気接続に関連付けて行われる。少なくとも1つの実施形態では、一時的電気システムは、PCBの1つまたは複数の縁部に隣接して配設された電気接触パッドを有するPCBを含む。電気接触パッドはさらに、PCB上の特定の位置に電気的に接続される。さらに、システムは、一時的電気コネクタ装置を含み、一時的電気コネクタ装置はさらに、電気ワイヤリボンと、電気ワイヤリボンの遠位端にあるヘッドとを含み、ヘッドは、そこに配設された1つまたは複数の電気接触パッドを有し、これらの電気接触パッドは、PCBの縁部に配設された電気パッドに対応する。
さらなる実施形態では、PCBと一時的に電気的に接続するように適合された装置が、電気ワイヤリボンを含む。さらに、この装置は、電気ワイヤリボンの遠位端にヘッドを含み、ヘッドは、そこに配設された1つまたは複数の電気接触パッドを有する。いくつかの実施形態では、ヘッドはまた、そこに設けられた接着剤を有し、接着剤は、電気接触パッドを実質的に取り囲む。使用前には、接着剤は非接着性の裏当紙などによって保護されており、使用時に、この裏当紙を剥がすことができる。他の実施形態では、ヘッドは圧縮取付具を含み、圧縮取付具は、PCBなど対応する表面にヘッドが一時的に固定されるように、ヘッドに張力付与するように操作することができる。さらに他の実施形態では、ヘッドは、ピンまたは他のロケータを含み、これらを使用して、ヘッドとPCBなど対応する表面との一時的な接続を容易に成すことができる。さらに別の実施形態では、ヘッドは、動作可能なばねによって接続された2つの向かい合う顎部から構成され、ばねは、顎部を閉じた位置に偏倚し、したがって、ユーザが顎部を選択的に開いて、PCBなど対応する表面にヘッドを一時的に「クリップ留め」することができる。さらに他の実施形態では、ヘッドは、PCBの幅だけ接続可能に離隔された2つの向かい合う静止表面から構成され、それにより、ヘッドをPCBの縁部の上で一時的に滑動させて、そこに一時的に固定することができる。
本発明の実施形態の方法およびプロセスは、一時的なPCB接続の分野で特に有用であることが実証されているが、これらの方法およびプロセスを、様々な異なる適用分野、および簡便で安価な一時的電気接続を生成するための様々な異なる製造分野で使用することができることを当業者は理解することができる。
本発明の実施形態のいくつかの側面を、論述および明確さのために、様々な表題を使用して論じる。表題は、例示実施形態のいくつかの側面を理解しやすくするために与えたものにすぎず、何ら限定を意図していない。
代表的なコンピュータシステム
上述したように、本発明の実施形態は、多様なコンピュータシステムおよび構成で実装することができ、そのようなシステムおよび構成には、「Non−Peripherals Processing Control Module Having Improved Heat Dissipating Properties」という名称の米国特許第7,256,991号明細書、「Robust Customizable Computer Processing System」という名称の米国特許第7,242,574号明細書、および「Systems and Methods for Providing a Dynamically Modular Processing Unit」という名称の米国特許第7,075,784号明細書に開示されるものと同様のシステムおよび構成が含まれる。単に例示として、図1および図2は、米国特許第7,075,784号明細書の図1および図3の複製である。ここでは、元の参照番号のままにしてある。これらの図面および対応する論述(以下に本質的に転載する)は、本発明の少なくともいくつかの実施形態を実装することができる動作実施形態を提供することができる代表的なコンピュータシステムの第1の例を提供する。
図1および対応する論述は、本発明の実施形態による適切な動作環境の一般的な説明を行う意図のものである。以下にさらに論じるように、本発明の実施形態は、以下に論じるようなネットワーク化された構成または複合構成を含めた様々なカスタマイズ可能なエンタープライズ構成における1つまたは複数の動的モジュラー処理ユニットの使用を包含する。
本発明の実施形態は、非一時的および/または有形コンピュータ可読媒体を含めた1つまたは複数のコンピュータ可読媒体を包含し、ここで、各媒体は、データ、またはデータを操作するためのコンピュータ実行可能命令を含むように構成されることがあり、またはそれらを含む。コンピュータ実行可能命令は、データ構造、オブジェクト、プログラム、ルーチン、または他のプログラムモジュールを含み、これらに1つまたは複数のプロセッサがアクセスすることができ、そのようなプロセッサは、例えば、様々な異なる機能を実施することができる汎用モジュラー処理ユニットに関連付けられるもの、または限られた数の機能を実施することができる専用モジュラー処理ユニットに関連付けられるものである。
コンピュータ実行可能命令は、エンタープライズの1つまたは複数のプロセッサに特定の機能または機能群を実施させるものであり、処理の方法に関するステップを実施するためのプログラムコード手段の例である。さらに、実行可能命令の特定のシーケンスが、そのようなステップを実施するために使用することができる対応する動作の一例を提供する。
コンピュータ可読媒体の例には、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、読み出し専用メモリ(「ROM」)、プログラマブル読み出し専用メモリ(「PROM」)、消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(「EPROM」)、電気的に消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(「EEPROM」)、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(「CD−ROM」)、任意のソリッドステート記憶装置(例えば、フラッシュメモリやスマートメディアなど)、または、処理ユニットがアクセスすることができるデータもしくは実行可能命令を提供することができる任意の他の装置もしくは構成要素が含まれる。
図1を参照すると、代表的なエンタープライズは、汎用または専用処理ユニットとして使用することができるモジュラー処理ユニット10を含む。例えば、モジュラー処理ユニット10は、パーソナルコンピュータ、ノートブックコンピュータ、携帯情報端末(「PDA」)もしくは他のハンドヘルドデバイス、ワークステーション、ミニコンピュータ、メインフレーム、スーパーコンピュータ、マルチプロセッサシステム、ネットワークコンピュータ、プロセッサベースの家庭用電気機械器具、スマート機器もしくは装置、制御システムなどとして、単独で、あるいは1つまたは複数の同様のモジュラー処理ユニットと共に採用することができる。同じエンタープライズ内で複数の処理ユニットを使用することで、処理能力が高められる。例えば、エンタープライズの各処理ユニットは、特定のタスクに特化させることができ、または分散処理に共同で関与することができる。
図1で、モジュラー処理ユニット10は、1つまたは複数のバスおよび/または相互接続12を含み、バス/相互接続12は、モジュラー処理ユニット10の様々な構成要素を接続するように構成することができ、2つ以上の構成要素の間でデータを交換できるようにする。バス/相互接続12は、様々なバスアーキテクチャの任意のものを使用するメモリバス、周辺機器バス、またはローカルバスを含めた様々なバス構造の1つを含むことができる。バス/相互接続12によって接続される典型的な構成要素には、1つまたは複数のプロセッサ14および1つまたは複数のメモリ16が含まれる。他の構成要素は、論理、1つまたは複数のシステム、1つまたは複数のサブシステム、および/または1つまたは複数のI/Oインターフェース(本明細書では以後「データ操作システム18」と呼ぶ)の使用によってバス/相互接続12に選択的に接続することができる。さらに、他の構成要素は、論理、1つまたは複数のシステム、1つまたは複数のサブシステム、および/または1つまたは複数のI/Oインターフェースの使用によってバス/相互接続12に外部から接続することができ、および/または、論理、1つまたは複数のシステム、1つまたは複数のサブシステム、および/または1つまたは複数のI/Oインターフェースとして機能することができ、例えば、モジュラー処理ユニット30および/または独自の装置34である。I/Oインターフェースの例には、1つまたは複数の大容量記憶装置インターフェース、1つまたは複数の入力インターフェース、1つまたは複数の出力インターフェースなどが含まれる。したがって、本発明の実施形態は、1つまたは複数のI/Oインターフェースを使用することができる機能、および/または採用される論理もしくは他のデータ操作システムに基づいて製品の有用性を変更することができる機能を包含する。
論理は、インターフェース、システムの一部、サブシステムに結び付けることができ、および/または特定のタスクを実施するために使用することができる。したがって、論理または他のデータ操作システムは、例えばIEEE1394(ファイアワイヤ)を考慮に入れることがあり、ここで、論理または他のデータ操作システムはI/Oインターフェースである。代替または追加として、モジュラー処理ユニットを別の外部システムもしくはサブシステムに結び付けることができるようにする論理または別のデータ操作システムを使用することもできる。例えば、外部システムまたはサブシステムは、特別なI/O接続を含むことも、含まないこともある。代替または追加として、外部I/Oが論理に関連付けられていない形で、論理または他のデータ操作システムを使用することができる。また、本発明の実施形態は、例えば車両用や液圧制御システム用のECUのための特殊論理、および/またはハードウェアの特定の部品を制御する方法をプロセッサに知らせる論理の使用を包含する。さらに、本発明の実施形態が、論理、システム、サブシステム、および/またはI/Oインターフェースを利用する多くの異なるシステムおよび/または構成を包含することを当業者は理解されよう。
上述したように、本発明の実施形態は、1つまたは複数のI/Oインターフェースを使用することができる機能、および/または採用される論理もしくは他のデータ操作システムに基づいて製品の有用性を変更することができる機能を包含する。例えば、モジュラー処理ユニット10が、デスクトップコンピュータとして使用するために設計された1つまたは複数のI/Oインターフェースおよび論理を含むパーソナルコンピューティングシステムの一部である場合、論理または他のデータ操作システムは、2つの標準のRCAを介してアナログ音声を録音し、それらをIPアドレスにブロードキャストすることを望む音楽ステーション向けに音声符号化を行うためにフラッシュメモリまたは論理を含むように変更することができる。したがって、モジュラー処理ユニット10は、モジュラー処理ユニット10のバックプレーン上のデータ操作システム(例えば、論理、システム、サブシステム、I/Oインターフェースなど)に施される修正により、コンピュータシステムではない機器として使用されるシステムの一部となり得る。したがって、バックプレーン上のデータ操作システムの修正により、モジュラー処理ユニットの用途を変えることができる。したがって、本発明の実施形態は、非常に適応性のあるモジュラー処理ユニット10を包含する。
上述したように、処理ユニット10は、1つまたは複数のプロセッサ14、例えば中央プロセッサを含み、さらに任意選択で、特定の機能またはタスクを実施するように設計された1つまたは複数の他のプロセッサを含む。典型的には、プロセッサ14が、コンピュータ可読媒体、例えばメモリ16、磁気ハードディスク、着脱可能な磁気ディスク、磁気カセット、光ディスクに提供されている命令、またはやはりコンピュータ可読媒体とみなすことができる通信接続からの命令を実行する。
メモリ16は、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体を含み、コンピュータ可読媒体は、データ、またはデータを操作するための命令を含むように構成されることがあり、またはそれらを含み、バス/相互接続12を介してプロセッサ14がアクセスすることができる。メモリ16は、例えば、永久的に情報を記憶するために使用されるROM20、および/または一時的に情報を記憶するために使用されるRAM22を含むことができる。ROM20は、モジュラー処理ユニット10の起動中などに通信を確立するために使用される1つまたは複数のルーチンを有する基本入出力システム(「BIOS」)を含むことができる。動作中、RAM22は、1つまたは複数のプログラムモジュール、例えば1つまたは複数のオペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、および/またはプログラムデータを含むことができる。
例示されるように、本発明の少なくともいくつかの実施形態は、周辺機器を含まない筐体を包含し、これは、より頑強な処理ユニットを提供し、様々な異なる用途でのユニットの使用を可能にする。図1において、(データ操作システム18として示される)1つまたは複数の大容量記憶装置インターフェースを使用して、1つまたは複数の大容量記憶装置24をバス/相互接続12に接続することができる。大容量記憶装置24は、モジュラー処理ユニット10の周辺機器であり、モジュラー処理ユニット10が大量のデータを保持できるようにする。大容量記憶装置の例には、ハードディスクドライブ、磁気ディスクドライブ、テープドライブ、光ディスクドライブ、およびソリッドステートドライブが含まれる。
大容量記憶装置24は、磁気ハードディスク、着脱可能な磁気ディスク、磁気カセット、光ディスク、ソリッドステートメモリ、または別のコンピュータ可読媒体からの読出しを行う、および/またはそれらへの書込みを行うことができる。大容量記憶装置24およびそれらの対応するコンピュータ可読媒体は、データおよび/または実行可能命令の不揮発性記憶を提供し、そのようなデータおよび/または実行可能命令は、1つまたは複数のプログラムモジュール、例えばオペレーティングシステム、1つまたは複数のアプリケーションプログラム、他のプログラムモジュール、またはプログラムデータを含むことがある。そのような実行可能命令は、本明細書で開示する方法のためのステップを実施するためのプログラムコード手段の例である。
1つまたは複数の対応する周辺I/O装置26を介してデータおよび/または命令をモジュラー処理ユニット10と交換できるようにデータ操作システム18を採用することができる。周辺I/O装置26の例には、キーボードなどの入力装置、および/または代替入力装置、例えば、マウス、トラックボール、ライトペン、スタイラス、もしくは他のポインティングデバイス、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、サテライトディッシュ、スキャナ、カムコーダ、デジタルカメラ、センサなど、および/または出力装置、例えば、モニタもしくは表示画面、スピーカ、プリンタ、制御システムなどが含まれる。同様に、バス/相互接続12に周辺I/O装置26を接続するために使用することができる特殊化された論理と結合されたデータ操作システム18の例には、シリアルポート、パラレルポート、ゲームポート、ユニバーサルシリアルバス(「USB」)、ファイアワイヤ(IEEE1394)、ワイヤレス受信機、ビデオアダプタ、オーディオアダプタ、パラレルポート、ワイヤレス送信機、任意のパラレルもしくはシリアルI/O周辺機器、または別のインターフェースが含まれる。
データ操作システム18は、1つまたは複数のネットワークインターフェース28にわたる情報の交換を可能にする。ネットワークインターフェース28の例には、処理ユニット間で情報を交換できるようにする接続、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)への接続用のネットワークアダプタもしくはモデム、ワイヤレスリンク、またはインターネットなどワイドエリアネットワーク(「WAN」)への接続用の別のアダプタが含まれる。ネットワークインターフェース28は、モジュラー処理ユニット10に組み込まれることがあり、またはモジュラー処理ユニット10の周辺機器であることもあり、LAN、ワイヤレスネットワーク、WAN、および/または処理ユニット間の任意の接続に関連付けられることがある。
データ操作システム18は、モジュラー処理ユニット10が、1つまたは複数の他のローカルまたは遠隔モジュラー処理ユニット30またはコンピュータ装置と情報を交換できるようにする。モジュラー処理ユニット10とモジュラー処理ユニット30の接続は、ハードワイヤードおよび/またはワイヤレスリンクを含むことがある。したがって、本発明の実施形態は、直接バス間接続を包含する。これは、大きなバスシステムの構築を可能にする。また、エンタープライズの直接バス間接続により、現在知られているハッキングを防ぐ。さらに、データ操作システム18は、モジュラー処理ユニット10が、1つまたは複数の独自のI/O接続手段32および/または1つまたは複数の独自の装置34と情報を交換できるようにする。
処理ユニットがアクセス可能なプログラムモジュールまたはそれらの一部は、遠隔メモリ記憶装置に記憶することができる。さらに、ネットワーク化されたシステムまたは複合構成では、モジュラー処理ユニット10は、分散コンピューティング環境に関与することができ、分散コンピューティング環境では、機能またはタスクが複数の処理ユニットによって行われる。あるいは、複合構成/エンタープライズの各処理ユニットは、特定のタスクに特化させることもできる。したがって、例えば、エンタープライズの1つの処理ユニットは、ビデオデータに特化されることがあり、それにより、従来のビデオカードに取って代わり、そのようなタスクを実施するために従来の技法よりも高い処理能力を提供する。
本発明の実施形態が様々な構成を備えることができることを当業者は理解されるであろうが、耐久性のある動的モジュラー処理ユニットの代表的な実施形態を示す図2を参照する。図2の例示実施形態では、処理ユニット40は、耐久性があり、動的モジュラーである。例示実施形態では、ユニット40は、冷却ファンを必要としない高度な熱力学的冷却モデルを利用する約3.5インチ(8.9cm)の立方形のプラットフォームである。
しかし、本明細書で述べるように、本発明の実施形態は、熱力学的冷却プロセスに加えて、またはその代わりに、強制空気冷却プロセスおよび/または液体冷却プロセスなど他の冷却プロセスの使用も包含する。さらに、例示実施形態は、3.5インチの立方形のプラットフォームを含むが、本発明の実施形態が、3.5インチの立方形プラットフォームよりも大きいまたは小さいモジュラー処理ユニットの使用も包含することを当業者は理解されよう。同様に、他の実施形態は、立方形以外の形状の使用も包含する。
また、処理ユニット40は、処理とメモリの割合を最適化する層状のマザーボード構成と、性能を向上させると共にハードウェアとソフトウェア両方の安定性を高めるバスアーキテクチャとを含む。本発明の他の実施形態が非層状マザーボードも包含することを当業者は理解されよう。さらに、本発明の他の実施形態は、埋込型のマザーボード構成を包含し、この構成では、マザーボードの構成要素が1つまたは複数の材料に埋め込まれ、それらの材料が、構成要素間の絶縁を提供し、1つまたは複数の材料に構成要素を埋め込み、マザーボード構成要素の1つまたは複数は、機械的、光学的、電気的、または電気機械的なものである。さらに、埋込型のマザーボード構成の実施形態の少なくともいくつかは、3次元の無菌環境内に固定された機械的、光学的、電気的、および/または電気機械的な構成要素を含む。そのような材料の例には、ポリマー、ゴム、エポキシ、および/または任意の非導電性の封入化合物が含まれる。
本発明の実施形態は、処理の多用性を提供することを包含する。例えば、本発明の少なくともいくつかの実施形態によれば、処理の負担が識別され、次いで、処理能力を選択的に集中させる、および/または割り振ることによって解決される。例えば、具体的な要求に従って特定のシステムが定義され、それにより、処理能力の集中または割振りが制御される。したがって、1つまたは複数のモジュラー処理ユニットは、そのような具体的な要求(例えば、ビデオ、オーディオ、1つまたは複数のシステム、1つまたは複数のサブシステムなど)に合わせて処理能力を提供するように特化されることがある。いくつかの実施形態では、処理能力を提供することができることが、中央ユニットに対する負荷を減少させる。したがって、処理能力は、必要とされる領域に向けられる。
例示実施形態では、処理ユニット40は2GHzのプロセッサと1.5GBのRAMを含むが、本発明の他の実施形態が、より高速または低速のプロセッサおよび/またはより大きいまたは小さいRAMの使用も包含することを当業者は理解されよう。本発明の少なくともいくつかの実施形態では、プロセッサの速度および処理ユニットのRAMの量は、処理ユニットの使用の性質に依存する。
非常に動的であり、カスタマイズ可能であり、交換可能であるバックプレーン44が、周辺機器および垂直型の用途に対する支持を提供する。例示実施形態では、バックプレーン44は、筐体42に選択的に結合され、ユニット40を動的にカスタマイズ可能にする1つまたは複数の特徴、インターフェース、機能、論理、および/または構成要素を含むことができる。例示実施形態では、バックプレーン44は、DVIビデオポート46と、イーサネット(登録商標)ポート48と、USBポート50(50aおよび50b)と、SATAバスポート52(52aおよび52b)と、電源ボタン54と、電源ポート56とを含む。また、上述したようにシステム全体の処理能力を高めるため、および以下にさらに開示するようにスケール変更された処理を提供するために、バックプレーン44は、2つ以上のモジュラー処理ユニットを一体に電気的に結合させるメカニズムを含むこともできる。
バックプレーン44と、その対応する特徴、インターフェース、機能、論理、および/または構成要素は、代表的なものにすぎず、本発明の実施形態が、様々な異なる特徴、インターフェース、機能、および/または構成要素を有するバックプレーンを包含することを当業者は理解されよう。したがって、処理ユニットは、あるバックプレーンを別のバックプレーンに取り替えることができるようにすることによって動的にカスタマイズ可能であり、処理ユニットの論理、特徴、および/または機能をユーザが選択的に変更できるようにする。
さらに、本発明の実施形態は、任意の数および/またはタイプの論理および/またはコネクタを包含して、様々な異なる環境における1つまたは複数のモジュラー処理ユニット40の使用を可能にする。例えば、そのような環境には、車両(例えば、車、トラック、オートバイなど)、液圧制御システム、および他の環境が含まれる。以下にさらに論じるように、バックプレーン上のデータ操作システムの変更は、様々な環境に対して、垂直方向および/または水平方向でスケール変更を可能にする。
さらに、本発明の実施形態は、様々な形状およびサイズのモジュラー処理ユニットを包含する。例えば、図2において、モジュラー処理ユニット40は、様々な理由から、従来の処理ユニットよりも小さい立方体である。
当業者に明らかなように、本発明の実施形態は、例えば、使用される材料、サイズおよび/または形状、論理のタイプ、および/または周辺機器ベースの筐体がないことにより、従来の技法よりもサポートが容易である。
例示実施形態では、電源ボタン54は、パワーブートに関する3つの状態、すなわちオン、オフ、およびスタンバイを含む。電源がオンに切り替えられて電力が受け取られるとき、ユニット40は、メモリにサポートされたオペレーティングシステムをロードしてブートするように命令される。電源がオフに切り替えられるとき、処理制御ユニット40は、任意の進行中の処理を中断し、シャットダウンシーケンスを開始し、それに続いてスタンバイ状態になり、この状態で、システムは、電源投入状態に作動されるのを待機する。
USBポート50は、周辺入力/出力装置を処理ユニット40に接続するように構成される。そのような入力または出力装置の例には、キーボード、マウスもしくはトラックボール、モニタ、プリンタ、別の処理ユニットもしくはコンピュータ装置、モデム、およびカメラが含まれる。
SATAバスポート52は、処理ユニット40の周辺機器である大容量記憶装置を電子的に結合およびサポートするように構成される。そのような大容量記憶装置の例には、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、CD−ROMドライブ、ハードドライブ、テープドライブなどが含まれる。
上述したように、当業者に理解されるように、本発明の他の実施形態は、周辺装置を接続するための追加のポートおよび手段の使用も包含する。したがって、本明細書で特に識別して説明する接続用の特定のポートおよび手段は、例示にすぎず、何ら限定はしないものと意図される。
本明細書で述べるように、周辺機器を含まない処理ユニットの使用によって、より大きな、周辺機器を詰め込んだコンピュータユニットに勝る様々な利点が存在する。例えば、ユーザは、エンタープライズに収容するのに必要な空間を選択的に縮小することができ、それでも、必要な全体の空間を依然としてより小さくしたままでシステムに処理ユニットを追加することによって、より高い処理能力を提供することができる。さらに、各処理ユニットは、故障しがちなシステムではなくソリッドステート構成要素を含むので、個々のユニットを(例えば、壁、家具、クローゼット、時計などの装飾デバイスに)隠すことができる。
個々の処理ユニット/立方体の耐久性により、従来の技法では普通は考えられなかった位置で処理を行うことができるようになる。例えば、処理ユニットは、地面に埋める、水中に位置させる、海中に埋める、地中数百フィートに打ち込むドリルビットのヘッドに配置する、または家具の不安定な表面上に配置することができる。処理位置の可能性は無限にある。他の利点としては、雑音および熱の減少、ならびに、家具、固定具、車両、構造、支持体、機器、計器、日用品など消費者に利用可能な様々な装置にカスタマイズ可能な「スマート」技術を提供できることが挙げられる。
図2において、この図は、立方体の側壁を取り除いた状態で処理ユニット40を示し、周辺機器ベースでない筐体42、冷却プロセス(例えば、熱力学的な対流冷却、強制空気冷却、および/または液体冷却)、最適化された層状の回路基板構成、および動的なバックプレーン44をより完全に示す。例示実施形態では、様々な回路基板が、圧力ばめ技法を使用することによって一体に結合され、この技法は、回路基板の偶発的な外れを防止し、かつ交換可能性を提供する。回路基板は、向上されたEMI分散および/またはチップ/論理配置を提供する。本発明の実施形態が任意の数の回路基板および/または構成を包含することを当業者は理解されよう。さらに、回路基板構造は、1つまたは複数の用途および/または機能に基づいて、特定の利益および/または要求に合わせて変更することができる。図2で、処理ユニット40は、層状回路基板/マザーボード構成60を含み、この構成60は、2枚の平行なサイドボード62(62aおよび62b)と、サイドボード62に対して横方向であり、サイドボード62を電子的に結合させる中央ボード64とを含む。例示実施形態は、3枚の回路基板を有する構成を提供するが、本発明の実施形態が、3つ未満の回路基板を有する回路基板構成、および4つ以上の回路基板を有する層状回路基板構成も包含することを当業者は理解されよう。さらに、本発明の実施形態は、互いに直角を成す回路基板以外の他の回路基板構成も包含する。
例示実施形態では、層状マザーボード60は、マザーボード60を筐体42に結合するための手段を使用して、筐体42の内部に支持される。例示実施形態では、マザーボード60を筐体42に結合するための手段は、マザーボード60の少なくとも一部分を選択的に受け取ってマザーボード60を定位置に保持するように構成された様々なチャネル型スロットを含む。先端技術を用いたアップグレードが必要なとき、例えばプロセッサ66を改良されたプロセッサと交換すべきときには、対応する回路基板(例えば中央ボード64)が筐体42から取り外されて、新たなプロセッサを備える新たな回路基板が挿入されて、アップグレードを可能にする。したがて、本発明の実施形態は、必要に応じたアップグレートを容易にし、カスタマイズ可能であり動的な処理ユニットを提供することが実証されている。
また、処理ユニット40は、1つまたは複数のタスクを実施するように構成された1つまたは複数のプロセッサを含む。図2で、1つまたは複数のプロセッサは、プロセッサ66として示されており、プロセッサ66は、中央ボード64に結合される。技術が進歩するにつれて、処理ユニット40のユーザが、プロセッサ66をアップグレードされたプロセッサに交換することを望む時が来ることがある。その際、中央ボード64を筐体42から取り外すことができ、アップグレードされたプロセッサを有する新たな中央ボードを、ユニット40に関連付けて設置して使用することができる。したがって、本発明の実施形態は、従来の技法とは異なり容易にアップグレードされ、したがって長寿命のプラットフォームを提供する、動的にカスタマイズ可能な処理ユニットを包含する。
図3および対応する論述は、本発明の少なくともいくつかの実施形態を実装することができる別の適切な動作環境を全般的に説明する意図のものである。本発明の実施形態は、1つまたは複数のコンピューティング装置によって、ネットワーク化された構成を含めた様々なシステム構成で実施することができることを当業者は理解されよう。しかし、本発明の方法およびプロセスは、汎用コンピュータを備えるシステムに関連付けて有用であることが実証されているが、本発明の実施形態は、様々な環境での方法およびプロセスの利用を含み、そのような環境には、汎用処理ユニットを有する埋込型システム、デジタル/メディア信号プロセッサ(DSP/MSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、スタンドアローン電子デバイス、および他のそのような電子的な環境が含まれる。
本発明の実施形態は、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体を包含し、ここで、各媒体は、データ、およびデータを操作するためのコンピュータ実行可能命令を含むように構成されることがあり、またはそれらを含む。コンピュータ実行可能命令は、データ構造、オブジェクト、プログラム、ルーチン、または他のプログラムモジュールを含み、これらに処理システムがアクセスすることができ、そのようなプロセッサは、例えば、様々な異なる機能を実施することができる汎用コンピュータに関連付けられるもの、または限られた数の機能を実施することができる専用コンピュータに関連付けられるものである。コンピュータ可読命令は、処理システムに特定の機能または機能群を実施させるものであり、本明細書に開示する方法に関するステップを実施するためのプログラムコード手段の例である。さらに、実行可能命令の特定のシーケンスが、そのようなステップを実施するために使用することができる対応する動作の一例を提供する。コンピュータ可読媒体の例には、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、読み出し専用メモリ(「ROM」)、プログラマブル読み出し専用メモリ(「PROM」)、消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(「EPROM」)、電気的に消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(「EEPROM」)、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(「CD−ROM」)、または、処理ユニットがアクセスすることができるデータもしくは実行可能命令を提供することができる任意の他の装置もしくは構成要素が含まれる。本発明の実施形態は、すべてのタイプのコンピュータ可読媒体の使用を包含するが、特許請求の範囲に記載されている特定の実施形態は、有形および/または非一時的コンピュータ可読媒体の使用に限定されることがあり、本明細書で使用される「有形コンピュータ可読媒体」および「非一時的コンピュータ可読媒体」(または複数形)は、一時的な伝播信号自体を除外することを意図されている。
図3を参照すると、本発明の実施形態と共に使用するため、または本発明の実施形態を実装するための代表的なシステムは、コンピュータ装置70を含み、コンピュータ装置70は、汎用もしくは専用コンピュータ、または様々な家庭用電気機械器具の任意のものでよい。例えば、コンピュータ装置70は、パーソナルコンピュータ、ノートブックコンピュータ、ネットブック、携帯情報端末(「PDA」)もしくは他のハンドヘルドデバイス、ワークステーション、ミニコンピュータ、メインフレーム、スーパーコンピュータ、マルチプロセッサシステム、ネットワークコンピュータ、プロセッサベースの家庭用電気機械器具などでよい。
コンピュータ装置70は、システムバス72を含み、システムバス72は、コンピュータ装置70の様々な構成要素を接続するように構成することができ、2つ以上の構成要素の間でデータを交換できるようにする。システムバス72は、様々なバスアーキテクチャの任意のものを使用するメモリバス、周辺機器バス、またはローカルバスを含めた様々なバス構造の1つを含むことができる。システムバス72によって接続される典型的な構成要素には、処理システム74およびメモリ76が含まれる。他の構成要素には、1つまたは複数の大容量記憶装置インターフェース78、入力インターフェース80、出力インターフェース82、および/またはネットワークインターフェース84が含まれることがあり、それぞれを以下に論じる。
処理システム74は、1つまたは複数のプロセッサ、例えば中央プロセッサを含み、さらに任意選択で、特定の機能またはタスクを実施するように設計された1つまたは複数の他のプロセッサを含む。典型的には、処理システム74が、コンピュータ可読媒体、例えばメモリ76、磁気ハードディスク、着脱可能な磁気ディスク、磁気カセット、光ディスクに提供されている命令、またはやはりコンピュータ可読媒体とみなすことができる通信接続からの命令を実行する。
メモリ76は、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体を含み、コンピュータ可読媒体は、データ、またはデータを操作するための命令を含むように構成されることがあり、またはそれらを含み、システムバス72を介して処理システム74がアクセスすることができる。メモリ76は、例えば、永久的に情報を記憶するために使用されるROM88、および/または一時的に情報を記憶するために使用されるRAM90を含むことができる。ROM88は、コンピュータ装置70の起動中などに通信を確立するために使用される1つまたは複数のルーチンを有する基本入出力システム(「BIOS」)を含むことができる。RAM90は、1つまたは複数のプログラムモジュール、例えば1つまたは複数のオペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、および/またはプログラムデータを含むことができる。
1つまたは複数の大容量記憶装置インターフェース78を使用して、1つまたは複数の大容量記憶装置86をシステムバス72に接続することができる。大容量記憶装置26は、コンピュータ装置70に組み込まれることがあり、またはコンピュータ装置70の周辺機器であることもあり、コンピュータ装置70が大量のデータを保持できるようにする。任意選択で、大容量記憶装置86の1つまたは複数は、コンピュータ装置70から取外し可能にすることもできる。大容量記憶装置の例には、ハードディスクドライブ、磁気ディスクドライブ、テープドライブ、ソリッドステートドライブ、および光ディスクドライブが含まれる。大容量記憶装置86は、磁気ハードディスク、着脱可能な磁気ディスク、磁気カセット、光ディスク、ソリッドステートデバイス、または別のコンピュータ可読媒体からの読出しを行う、および/またはそれらへの書込みを行うことができる。大容量記憶装置86およびそれらの対応するコンピュータ可読媒体は、データおよび/または実行可能命令の不揮発性記憶を提供し、そのようなデータおよび/または実行可能命令は、1つまたは複数のプログラムモジュール、例えばオペレーティングシステム、1つまたは複数のアプリケーションプログラム、他のプログラムモジュール、またはプログラムデータを含むことがある。そのような実行可能命令は、本明細書で開示する方法のためのステップを実施するためのプログラムコード手段の例である。
ユーザが1つまたは複数の対応する入力装置92を介してコンピュータ装置70にデータおよび/または命令を入力することができるように、1つまたは複数の入力インターフェース80を採用することができる。そのような入力装置の例には、キーボードおよび代替入力装置、例えば、マウス、トラックボール、ライトペン、スタイラス、もしくは他のポインティングデバイス、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、サテライトディッシュ、スキャナ、カムコーダ、デジタルカメラなどが含まれる。同様に、入力装置92をシステムバス72に接続するために使用することができる入力インターフェース80の例には、シリアルポート、パラレルポート、ゲームポート、ユニバーサルシリアルバス(「USB」)、集積回路、ファイアワイヤ(IEEE1394)、または別のインターフェースが含まれる。例えば、いくつかの実施形態では、入力インターフェース80は、特定の用途のために設計された特定用途向け集積回路(ASIC)を含む。さらなる実施形態では、ASICが埋め込まれ、既存の回路構築ブロックを接続する。
1つまたは複数の対応する出力装置94をシステムバス72に接続するために1つまたは複数の出力インターフェース82を採用することができる。出力装置の例には、モニタもしくは表示画面、スピーカ、プリンタ、多機能周辺機器などが含まれる。特定の出力装置94は、コンピュータ装置70に組み込まれることがあり、またはコンピュータ装置70の周辺機器であることもある。出力インターフェースの例には、ビデオアダプタ、オーディオアダプタ、パラレルポートなどが含まれる。
1つまたは複数のネットワークインターフェース84により、コンピュータ装置70は、ハードワイヤードおよび/またはワイヤレスリンクを含むことがあるネットワーク98を介して、コンピュータ装置96として示される1つまたは複数の他のローカルまたは遠隔コンピュータ装置と情報を交換できるようにされる。ネットワークインターフェースの例には、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)への接続用のネットワークアダプタもしくはモデム、ワイヤレスリンク、またはインターネットなどワイドエリアネットワーク(「WAN」)への接続用の他のアダプタが含まれる。ネットワークインターフェース84は、コンピュータ装置70に組み込まれることがあり、またはコンピュータ装置70の周辺機器であることもある。ネットワーク化されたシステムでは、アクセス可能なプログラムモジュールまたはその一部を遠隔メモリ記憶装置に記憶することができる。さらに、ネットワーク化されたシステムでは、コンピュータ装置70は、分散コンピューティング環境に関与することができ、分散コンピューティング環境では、機能またはタスクが複数のネットワーク化されたコンピュータ装置によって行われる。
したがって、多くのタイプのシステム構成を有する様々な異なる環境で本発明の実施形態を実施することができることが当業者には理解されるが、図4は、本発明の特定の実施形態に関連付けて使用することができる代表的なネットワーク化システム構成を提供する。図4の代表的なシステムは、クライアント100として示されるコンピュータ装置を含み、クライアント100は、ネットワーク98を介して、1つまたは複数の他のコンピュータ装置(クライアント102およびクライアント104として示される)および1つまたは複数の周辺装置106(多機能周辺機器(MFP)MFPなど)に接続される。図4は、ネットワーク98に接続されたクライアント100と、2つの追加のクライアント、すなわちクライアント102およびクライアント104と、1つの周辺装置106と、任意選択のサーバ108とを含む実施形態を示すが、代替実施形態は、ネットワーク98に接続されたより多くのクライアントもしくはより少ないクライアントを含む、複数の周辺装置を含む、周辺装置を含まない、サーバ108を含まない、および/または複数のサーバ108を含む。本発明の他の実施形態は、ローカル環境、ネットワーク化された環境、またはピアツーピア環境を含み、1つまたは複数のコンピュータ装置を1つまたは複数のローカルまたは遠隔周辺装置に接続することができる。さらに、本発明による実施形態は、単一の家庭用電気機械器具、ワイヤレスネットワーク化環境、および/またはインターネットなどワイドエリアネットワーク化環境も包含する。
プラットフォーム管理
上述した一般的なコンピュータシステムは、一般に本発明の実施形態と共に使用することができるコンピュータシステムの代表例である。以下、本発明の実施形態のいくつかの側面を、「Non−Peripherals Processing Control Module Having Improved Heat Dissipating Properties」という名称の米国特許第7,256,991号明細書、「Robust Customizable Computer Processing System」という名称の米国特許第7,242,574号明細書、および「Systems and Methods for Providing a Dynamically Modular Processing Unit」という名称の米国特許第7,075,784号明細書に開示されるタイプの特定のコンピュータシステムをより特定的に参照しながら、より詳細に説明する。本発明の特定の実施形態は、上記の特許に開示されるコンピュータシステムのタイプに関連付けられる特徴に特に適用可能であり得るが、他のコンピュータシステムタイプに適用可能な、本明細書で論じる本発明の様々な実施形態の任意の特徴が、そのようなコンピュータシステムタイプと共に使用するためのものとしても意図されることを理解すべきである。
上記の特許に開示され、図2に関して上で論じたコンピュータシステムは、特に、複数の相互接続された回路基板を含む。本発明の実施形態は、接続された各回路基板に認可およびセキュリティ機能を提供する。例えば、特定の実施形態では、使用許諾された認可された回路基板のみが共に使用されることを保証することが望ましいことがある。現在、コンピュータ産業で不満に感じられていることの1つは、特に多様な回路基板製造業者が存在することを考慮して、相互接続された回路基板間で生じる非互換性である。多くの例で、回路基板間の非互換性により、ある回路基板製造業者が、過失がない場合でさえ弊害を受ける。認可および/または使用許諾されていない回路基板の使用を防止することで、非互換性が生じないことを保証することができ、それにより、回路基板の製造業者の顧客満足および顧客が受ける全体的な印象を改善する。
したがって、本発明の実施形態は、各回路基板上に含まれる認可チップを提供する。本明細書でより詳細に論じるように、認可チップは、認可チップの価値を高める追加の機能を設けられることがあり、それにより、各回路基板上に認可チップを提供することに伴う任意の追加のコストを相殺する。本明細書でより詳細に論じる1つのそのような機能は、電力管理である。したがって、認可チップは、そのような例では、プラットフォーム管理制御装置(PMC)とみなすことができる。さらに、本明細書でより詳細に論じるように、認可チップは、論理ゲートチップでよく、ここでは、すべての機能が論理ゲートによって提供され、チップによって提供される機能がチップの論理接続によって完全に行われる。以下により詳細に論じるように、これにより、認可チップは、非常に迅速に機能動作できるようになり、また、中断を必要とせずに複数の機能を並列して実施できるようになる。
認可チップが回路基板に組み込まれる例では、製造業者は、回路基板が特定の互換性基準に準拠している、および/または各回路基板が接続されることがあるすべての他の回路基板と互換性があることを保証するためにテストを実施することがあり、それにより、認可チップを含む各回路基板が、認可チップを含む回路基板のみを備えるシステムに接続されるときにのみ動作することを保証する。さらに、そのようなシステムにおいて、認可された回路基板のみが使用されることを保証することが望ましいことがある。したがって、システム(例えば、認可チップ)は、認可および/または使用許諾された回路基板のみがシステムに接続され、そうでない場合にはシステムが機能動作しないことを保証するように構成することができる。
これを実現することができる1つの方法は、認可チップにコンピュータシステムの鍵機能を組み込むことによるものである。例えば、後でより詳細に論じるように、多くの基本入出力システム(BIOS)およびオペレーティングシステム(OS)は、BIOSまたはOSによってもはや使用されない場合でさえ特定のレガシー構成要素がシステム内に存在することを必要とする。同等の機能または他の必要とされる機能が認可チップに組み込まれる場合、システムは、認可されていない回路基板(認可チップを有さない回路基板)がシステムに組み込まれているときには機能動作しない。
これを達成するための代替方法は、(上で言及し、以下に詳細に論じるプラットフォーム管理制御装置として)コンピュータシステムの電力を管理する認可チップを有するというものである。認可チップを有さない回路基板がシステムに挿入されているときには、必要な電力制御機能が存在しないことがある。あるいは、認可チップは、互いに通信することができ、すべての必要な電力制御機能が存在する場合でさえ認可チップがないことを検出することがあり、コンピュータシステムに電力を提供するのを拒否することがある。本明細書で具体的に論じるもの以外の様々な同様の認可/使用許諾制御方式が、本発明の実施形態によって包含される。
いくつかの実施形態では、認可/使用許諾の問題に加えて、認可チップを使用して、特定のソフトウェアパッケージに関して一般に必要とされるようなセキュリティ/認証機能を提供することができる。例えば、いくつかのソフトウェアライセンスは、特定の機械へのインストールを制限する。認可チップは、チップの論理ゲートに含まれる一意のシリアル番号を含むことがある。いくつかの実施形態では、信頼できるプラットフォーム管理のいくつかの側面は、認可チップを使用して制御することができ、製造業者/システム鍵および(例えばソフトウェアライセンスなどによって提供される)顧客鍵の提供を含むことがあり、それらの組合せにより、システムがトークンファイルを受信して暗号解読できるようにすることができ、それにより、使用許諾されたソフトウェアに対して権限を付与されたシステムを認証する。シリアル番号、製造業者/システム鍵、顧客鍵などは、認可チップ内に含めることができ、またコンピュータシステム内の複数のチップにわたって分散されることができ、したがって複製または盗難されにくい。
本発明の少なくともいくつかの実施形態では、1つまたは複数のプラットフォーム管理制御装置(PMC)(本明細書では、単数の制御装置および/または複数の制御装置への言及は、所望のコンピュータシステム構成に適用可能な場合には常に、単数および/または複数の制御装置を表すものと解釈すべきである)が、当技術分野でこれまで利用可能でなかった様式でサイドバンド管理を提供するように機能動作する。従来のサイドバンド管理方式は、接続されたコンピュータシステムを管理するために別個のコンピュータシステムおよび/またはプロセッサに依拠する。そのようなサイドバンド管理方式は、別個のコンピュータシステムが電源投入されたままであることを必要とし、また、追加の計算能力を必要とする状況に関して監視する必要がある。そのような必要性が検出されると、別個のコンピュータシステム/プロセッサは、必要とされる追加の計算能力を提供するために、他のコンピュータに電源投入信号を提供する。既存のサイドバンド管理機能は、本質的に、追加のコンピュータ装置が正常に電源投入されて利用可能になったか否かを判断することしか可能でなく、故障に関する詳細は何ら提供することができない。そのようなシステムのコストにより、既存のサイドバンド管理機能は、サーバクラスの機械に限定されている。
本発明の実施形態は、従来利用可能でなかった様式で、低コストであり強力なサイドバンド管理を提供する。本発明の実施形態によるPMCは、コンピュータシステムが電源に接続されているときにはいつでも電力供給される。また、コンピュータシステムのいくつかの追加の構成要素(例えば、スタティックメモリや温度モニタなど)は、コンピュータがオフに切り替えられているときでさえ、PMCを用いて、またはPMCによってパワーを供給されることがある。これは、システム故障によりコンピュータシステムが電源投入されない、または電源投入できないときでさえ、コンピュータシステムの健康状態を監視するため、コンピュータシステムに関係付けられる事象のログを取るため、およびコンピュータのステータスに関して外部装置に通信するための追加のリソースをPMCに提供する。
サイドバンド管理は、論理のみを使用して行われるので、サイドバンド管理のための電力要件は非常に小さい。さらに、PMCを使用するサイドバンド管理は、既存のシステムに比べて、管理および診断能力の面で大幅に向上される。既存のシステムに比べて、PMCを使用するサイドバンド管理の相対コストは大幅に減少されるので、デスクトップ、ラップトップ、およびワークステーションシステム、ならびに埋込型のシステムを含めた、サイドバンド管理を従来利用できなかったシステムに容易に組み込むことができる。
管理および診断能力に関して、サイドバンド管理システムは、従来可能であったよりもはるかに詳細にシステムの健康状態を監視することができる。PMCは、監視および管理されるコンピュータシステム内に密接に組み込まれているので、管理される対象の大きな柔軟性が提供される。例えば、PMCは、様々なシステムバス、様々な電源/パワーレール、温度測定装置などに接続することができ、システムを管理するために、これらおよび他の情報源の任意のものまたはすべてからの情報を記録して使用することができる。
この一例は、電力制御の分野におけるものである。既存の管理システムは、一般に、コンピュータシステムへの電力を単にオンに切り替えるが、本発明の実施形態は、知的であり柔軟な制御式電力管理を提供する。典型的なコンピュータシステムには、様々な電源、電圧、およびパワーレールが存在する。典型的なシステムにおけるいくつかのコンピュータチップは、特定の電圧が特定の順序で印加されることを必要とし、さもないと、コンピュータチップが損壊する危険がある。したがって、既存のシステムは、様々な電源がオンに切り替えられるシーケンスを提供する。しかし、典型的には、単に電源の活動化の順序のタイミング設定を行う以外には、シーケンスの管理は存在しない。したがって、典型的なシステムにおいてある電源が故障した場合、システムは、それでも他の電源の活動化に進み、これにより、望ましくない電圧状況によるチップの損壊をもたらすことがある。
本発明の実施形態のPMCは、この問題を防止するために電源を知的に活動化する。様々な電源が異なる回路基板に位置していることがあるので(図2参照)、様々な電源の制御は、主PMCの指示の下で様々なPMCに分散されることがある。本発明の実施形態では、単に電力をオンに切り替えるのではなく、PMCは、任意の所要のシーケンスで電源の活動化を命令するが、パワーレールを監視することによって、活動化された各電源が適切に動作しており、所望の電圧がオン状態であり適切である(または、以下により詳細に論じるように、適切にオンに上昇している)ことを検証したときにのみ、シーケンスの次のステップに進む。故障が検出された(例えば、電源が特定の時間内に活動化できなかった)とき、PMCは、故障のログを取り、活動化されている任意の電源をオフに切り替えることによって知的に電源をシャットダウンする。
また、少なくともいくつかの実施形態では、望ましくない電圧状態を防止するように計画されたシーケンスで(通常時に、または上で論じたように故障の検出後に)知的に電力がシャットダウンされる。同様に、正常な起動の後に1つまたは複数の電源の電源故障が生じたときには、いくつかの実施形態でのPMCは、故障した電源の故障後に望ましくない電圧状態をもたらすことになるすべての他の電源を迅速にオフに切り替えることによって応答する。故障事象のログが取られ、PMCによって監視されて制御される保護的シーケンスで残りの電源がシャットダウンされる。PMCが取るこれらのタイプのアクションは、システム内で望ましくない電圧の組合せが生じるのを防止し、それにより、コンピュータシステム構成要素の損壊を制限または防止する。したがって、既存のシステムと比較して、PMCの実施形態は、付随して起こるコンピュータシステムの他の部分の損壊の可能性を大幅に減少させ、これは、保守および修復コストを大幅に減少させることができる。
さらに、PMCは、故障のログを含むので、故障に対応することを試みる技術者は、的確な故障の記録を有し、どの回路、チップ、または構成要素をデバッグすべきかを正確に知ることができる。以下により詳細に論じるように、PMCは、故障時、および次の電源投入試行の時点で、故障のログ(および任意の他の記録されたデータ)のすべてまたは一部を送信する。コンピュータシステムがオフに切り替えられているときでさえPMCが電力供給されるので、PMCは、システムに再び電源投入することを試みる前でさえ、電源投入信号を受信すると、故障のログのすべてまたは一部を送信することができる。したがって、後続の電源投入試行が失敗した場合でさえ、PMCは、過去の故障に関する情報を搬送する。この情報は、様々な外部受信装置によって、例えば、以下により詳細に論じるように、赤外線信号によって、または直接の電気的接続によって受信することができる。
PMCは、論理ゲートを使用して完全に実装されるので、検出された故障に迅速に応答することができる。例えば、PMCは、典型的には数クロックサイクル以内に応答する(例えば、1つまたは複数の電源を非活動化する)ことができ、PMCによって提供される保護をさらに向上させる。論理ゲートによって提供される並列処理能力は、PMCによって他のタスクが取り扱われているときでさえ、中断を必要とせずに、またはコンピュータシステム上で行われている他のアクションによって影響を及ぼされずにPMCが応答を行うことができることを保証する。
PMCは、コンピュータシステムが電源に接続されているときには常にオンであるが、コンピュータシステムが電源から切断されると、オンのままでないこともある。複数の回路基板上に複数のPMCを有するシステム(例えば、図2に示されるものと同様のシステム)では、PMCは、コンピュータシステムに対して任意のアクションを取ることを試行する前にすべてのPMCがアクティブ状態であって機能動作していることを保証するように構成することができる。PMC間の通信を可能にするために、1つまたは複数のバス、例えば、(電力管理情報を通信するための)電力管理バスおよび(例えばセキュリティ/認可情報を通信するための)安全なバスをPMC間に確立することができる。
様々なPMC(110、112、114)間での例示的な接続の一例が、図5に示されている。各PMC(110、112、114)は、その独自のローカルリソース(116、118、120)および被制御要素へのアクセスを有する。例示実施形態では、1つのPMCが「メイン」PMCであり、ログ情報を記憶するためのメモリ122、およびログ情報のエラー報告を行うための赤外線(IR)送信機124へのアクセスを有する。各PMC(110、112、114)は、非常に小さなサイズでよく、したがって回路基板上で最小の不動産リソースを占める。さらに、装置は、ごくわずかな電力しか使用せず、本質的に壊れない、および/または非常に高信頼性であることがあり、したがってPMCの故障の可能性はほとんどない。
最初に電力がPMCに送達される(例えば、電源がコンピュータシステムに接続される)とき、アクティブ状態の各PMC(110、112、114)は、他の制御装置によって通信される情報が有効な情報である(例えば、他の制御装置が、適切に機能動作を始める時間を有していた)かどうか、または起動中に他の制御装置によって通信されるジャンク情報にすぎないかを判断する。この判断を達成するために様々な方法が存在するが、1つの方法は、各制御装置が、一意の鍵コードを他の制御装置に順次に渡してゆき、それと同時に、各制御装置が受信した任意のコードも順次に渡してゆくというものである。したがって、各制御装置は、それ独自の鍵コードを再び受信したとき、他の制御装置が適切に機能動作していることを知り、制御装置は、それらの間でのすべての将来のデータおよび情報が有効であることを知った状態で、それらの動作を共同で開始することができる。
上述したように、追加の機能をPMCに追加することができる。コンピュータが進化していくことにより、一般に、既存のBIOSおよびOSは、コンピュータのための有用な機能をもはや行わないレガシーハードウェアデバイスからの入力を必要とする。そのようなレガシーデバイスに対するすべての参照を様々なBIOSおよびOSから取り除くのは複雑および/または困難であり、したがって、ほとんどのハードウェア製造業者は、いくらかのコスト、および回路基板不動産の浪費を伴って、自社の装置をそれらの設計に単に追加し続ける。
本発明の実施形態では、PMCを使用して、PS/2キーボードコントローラおよびビデオコントローラなど1つまたは複数のレガシーデバイスの機能をエミュレートする。そのようなエミュレーションは、当技術分野で一般に行われているようにプロセッサ/マイクロコントローラを使用するのではなく、PMCの論理ゲートを使用して論理だけで達成される。この実装形態は、いくつかの利点、特にスピードの面での利点を有する。コンピュータ装置のブート時、BIOSは、一般に、ビデオコントローラおよびキーボードコントローラをチェックする。既存のシステムでは、問い合わせには10分の1秒〜2分の1秒かかることがある。PMCにより、数クロックサイクル(例えば、最大で10クロックサイクル)で問い合わせが回答されることがあり、ブート時間がより速くなる。当然、特定のBIOSが、エミュレートされた制御装置によって提供される回答を受け取るのにいくらかの遅延を必要とすることが判明した場合には、応答が提供される前に遅延が追加されることがある。
別の例として、USBキーボードがシステムに接続され、コマンドがキーボードから受信されるとき、いくつかのOSは、PS/2コントローラからコマンドが受信されたかどうかに関わらず、PS/2キーボードコントローラに複数回(60回ほど)問い合わせしてから、USBキーボードコマンドを解釈することに進む。理解することができるように、起動中に生じる上述した遅さに加えて、この問い合わせ操作および同様の問い合わせ操作が、使用中にシステムの大幅な速度低下をもたらすことがある。したがって、PMCの迅速な応答能力により、システム待ち時間を大幅に短縮することができる。
エミュレートされるレガシーデバイスの実際の機能は、BIOSまたはOSの期待を満足するため以外にはコンピュータシステムの動作に必要ないことがあるので、レガシーデバイスのすべての機能の完全なエミュレーションは一般には必要ない。そうではなく、どのようなコマンドがBIOS/OSによって発行され、どのような回答が返されることが期待されるかに関する評価を行うことができ、それらのコマンドおよび回答のみがPMCのゲートに構成される。上述したように、PMCの並列処理能力により、制御装置は、電力管理の要求と装置エミュレーションの要求(および任意の他の要求)に同時に応答できるようになり、システム全体の応答速度をさらに向上させる。
上述したエミュレーションは、論理でのマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラエミュレーションの一例にすぎない。本発明の実施形態は、論理ゲートでのマイクロプロセッサおよびマイクロコントローラのすべての完全なエミュレーションおよび部分的なエミュレーションを包含する。論理でのマイクロプロセッサおよびマイクロコントローラのエミュレーションの別の利点は、効率性の向上であり、これは、処理の論理エミュレーションが全体としてはるかに少ない電力しか必要としないからである。
上述したように、PMCは、コンピュータシステムの管理および故障の診断、ならびに故障の報告に関与することができる。この管理および診断、ならびにエラー報告を容易にするために、PMCは、コンピュータシステム内部の様々なバスへのアクセスを提供され、それにより、PMCは、それらのバスを介する通信をスヌープし、バスが他に使用されていないときに、特定の装置と通信するためにバスを使用することができる。PMCを接続することができるバスの例には、ローピンカウント(LPC)バスおよび集積回路間(I2C)バスが含まれる。PMCは、様々なシステム情報を監視することができるので、検出されたエラー状態についてより良く報告することができ、それにより、部品の問題および修理の問題の識別を容易にする。修復、再設計、および特に迅速に原因特定するという問題において費用が節約される。
したがって、故障事象が生じ、PMCがシステムをシャットダウンするとき、ログが生成され、それにより、故障の原因に関する知識を取得することができる。さらに、コンピュータシステムがオフであるとき、PMCは、LPCバスおよびI2Cバスに接続されている様々な装置がコンピュータシステムの他の構成要素によって使用されていないことを知り、次いで、そのような装置と通信することができる。これは、多くのそのような装置は、電源切断後でさえアクティブ状態を保つことができるからである。1つのそのような装置は、温度センサでよい。シャットダウンの時点の直後、PMCは、任意の温度センサに問い合わせして、シャットダウンの時点でのコンピュータシステムの動作温度を特定することができ、その動作温度を、シャットダウン後にPMCがアクセス可能なスタティックメモリに、関連のログで記録することができる。
コンピュータシステムが動作しているとき、PMCは、様々なバスおよび装置から取得する情報に依拠する。PMCは、ログ生成の目的で重要となり得る情報を取得するためにそれらのバスおよび装置に接続される。例えば、コンピュータシステムが動作している間、BIOSは、温度センサから温度情報を受信することができる。例えば、いくつかのコンピュータシステムは、特定のアクションを取るべき温度設定点を含む。第1の温度設定点を過ぎると、BIOSは、冷却ファン速度の上昇およびプロセッサ速度の低下など、温度制御努力を高めるべきであると理解することができる。第2の温度設定点を過ぎると、BIOSは、コンピュータを保護し、冷却を可能にするために、OSを速やかにシャットダウンすべきであると理解することができる。第3の温度設定点を過ぎると、BIOSは、システムを強制的に即時にシャットダウンすることができる。PMCは、BIOSと温度センサの間の通信をスヌープすることによってそのような事象のログを取り、さらに、上述したように温度センサと直接通信することによってシャットダウン時の温度読取値を取得する。
PMCは、様々なバスに接続されるとき、多様な通信を受けることがあり、それらの多くは、PMCからの応答を必要としない。したがって、PMCは、LPCバスおよびI2Cバス上での特定の種類の通信のみを検査する、および/またはそれらに応答する論理機能を含むことがある。例えば、PMCは、メモリサイクル通信を無視する一方で、LPCバス上でのI/Oおよびポストコードアドレス通信を検査することがある。しかし、いくつかの例では、システム診断などに関しては、PMCは、他のアクションを取らない場合でさえ、それぞれのバス上でのすべての通信をスヌープし、それらについて報告するように構成されることがある。
PMCは、それが取り付けられた様々なバス上での通信のサブセットのみを検査するように構成される場合には、それが検査する通信のサブセットのみに実際に応答することがある。例えば、PMCは、すべてのI/O通信を検査するが、レガシーデバイスの上述したようなエミュレーションの一部としてのレガシーPS/2キーボードコントローラおよびレガシービデオコントローラにアドレス指定されたI/O通信のサブセットのみに応答することがある。別の例として、起動時にシステム監視が行われる例では、PMCは、BIOSによって生成されるすべてのポストコードを監視し、検査し、さらに記録して報告することがあるが、それらのいずれにも応答しないことがある。
以下により詳細に論じるように、PMCは、例えば図5に示されるように赤外線送信機84を使用することによって、コンピュータシステムの外部のシステムに通信することができる。外部装置は、本明細書で論じるすべての監視される事象およびログを取られたエントリを含めた、PMCからの通信に関係付けられる様々なメッセージを表示することができる診断目的用の表示画面を含むことがある。さらに、OSは、LPCバス上でOSがメッセージを送信できるようにする情報を備えるようにプログラムされることがあり、このメッセージは、PMCによって解釈されて理解され、次いで、PMCは、外部装置にメッセージを送信することによって働く。これは、PMCのスヌーピング機能を使用することができる方法の別の例である。
図6は、本明細書で述べるいくつかの構成要素の部分的な構成と、コンピュータシステムのサウスブリッジ128に接続されたI2Cバス126に対するそれらの構成要素の関係とを示す図である。また、PMC130は、I2Cバス126に接続され、したがって、コンピュータがオンである間はI2Cバス126上での通信をスヌープし、コンピュータがオフのときにはI2Cバス126を使用して通信することができる。また、当技術分野で知られているように、サウスブリッジ128は、BIOS132にも接続される。この例では、温度センサ134と、4キロバイトのスタティックメモリ装置などのメモリ装置136とを含めた様々な装置がI2Cバス126に接続される。このコンピュータシステムは、当技術分野で知られているようにシステム記憶の目的でこのメモリ装置の約540バイトを使用する。ほぼすべてのコンピュータシステムが、この量よりもかなり大きい(例えば4キロバイトの)メモリ装置を利用する。なぜなら、より小さな装置は適切に機能しないからである。少なくともいくつかの実施形態では、PMC130は、メモリ装置136上のさらなる記憶域にアクセスして、そのログ、または記録された事象の事象コードを記憶する。事象ログが満杯になると、PMC130は、より古いエントリを上書きする。そのようなエントリは、通常はもう関心を持たれていないものである。
温度センサ134およびメモリ装置136は、コンピュータシステムがオフであるときには待機電源によって電力供給され、それにより、PMC130は、監視およびログ生成の目的でそれらの装置にアクセスすることができる。コンピュータシステムが複数のPMCを含む場合、図5に関して上で論じたように、様々なPMCがそれらの情報を「メイン」PMCに渡し、メインPMCは、報告の目的で、任意の必要なログ事象をメモリ装置136に記憶する。したがって、様々なPMCが、ローカル情報について報告し、必要に応じて各々の回路基板上のローカル状態を管理することができるが、それらは、メインまたはマスターPMCの下で組織化され、メインまたはマスターPMCは、事象のログ生成および報告を取り扱い、メモリ装置136と通信する。
このメインPMCは、I/O PMCとみなすことができ、図5ではPMC110として示され、PMC110は、IR送信機124に接続されている。IR送信機124は、PMCが、フラッシュのパターンを使用して診断システムおよび他の外部装置とワイヤレスで通信できるようにする。PMC110は、論理ゲートを使用してIR送信機124を制御するので、PMC110の他の任務と並行してIR送信機124を介して任意の通信を行い、コンピュータシステムと外部通信する間にPMC110の任意の他の任務を停止する必要はない。したがって、PMC110がIR送信機124を使用して通信している間にも電力管理および監視機能は継続され、マイクロコントローラは関わっていない。
PMC110およびIR送信機124によって多様なIR伝送および通信方式を使用することができるが、本発明のいくつかの実装形態は、別個のチェックサムまたは妥当性ビットを必要とせずに、本来的にチェックサムまたは妥当性情報を搬送する情報およびデータを提供する方式を使用または選択する。また、赤外線通信方式は、クロック情報を含む。以下に述べるように、また「Systems and Methods for Wirelessly Receiving Computer System Diagnostics Information」という名称の優先権出願に記載されているように、一般に、PMC110は、PMC110を組み込むシステムに特化された外部装置と通信することができるので、多くの例で、詳細なヘッダ情報は必要ないと考えられる。したがって、この通信方式は、各通信に関して送信しなければならない情報の総量を大幅に減少する。
多項式、パリティビット、およびチェックサム情報を表現するために別個のビットを利用する他の方式に依拠する標準のデータ暗号メカニズムとは異なり、本発明の通信暗号メカニズムは、特定の本来的に有効なパターンおよび特定の本来的に無効のパターンを有する反復されるメッセージを利用する。メッセージを受信する受信機は、有効なパターンが受信されているかどうか判断するためにチェックし、無効のパターンを有する通信を廃棄する。メッセージが反復されるので、良好な信号が取得されるまで送信機と受信機の向きを変えることができ、無効な情報を廃棄しなくても通信が適切に受信される。
本発明の実施形態と共に使用される特定の方式では、有効なパターンは、3ビットのギャップによって分離された4ビットおよび8ビットのシーケンスとして存在する。このとき、受信機は、有効な4ビットのシーケンスと、それに続く3ビットのギャップを探し、これが送信の開始を合図する。開始を合図する4ビットのシーケンスと3ビットのギャップの後、1つまたは複数の8ビットのシーケンスが送信および受信され、この8ビットのシーケンスは、PMC110によって搬送すべきメッセージのデータを含む。
少なくともいくつかの例では、4ビットのヘッダは、メッセージに関する有効な開始情報を搬送することに加えて、2つの目的に役立つ。1つの目的は、ポストコードやエラーコードなど後続のメッセージの内容を搬送することであり、最大で4つのタイプのメッセージの1つが、ヘッダの2ビットによって搬送される。第2の目的は、IR送信機124を使用してPMC110によってメッセージが最大で4回反復されるので、カウンタとして働くことである。カウンタ機能は、(例えばユーザが受信側装置を位置決めする間に)受信側装置がワイヤレス通信環境およびリンクの品質を判断できるようにする。受信側装置が最初の反復ですべての送信を適切に受信する場合、受信側装置が送信をよく受信していると考えられる。2方向通信が利用可能であり、良好な受信が得られている場合、いくつかの実施形態は、セッションでの将来のメッセージが2回だけ反復される旨を受信側装置がPMC110に通信できるようにする。対照的に、受信側装置が、より後の送信時にようやく完全な送信を受信する、または完全な送信を全く受信しない場合、信号が弱く、装置を位置決めし直すことが有利となり得ることをユーザに通信することができる。
2つの装置間のクロックは、2つの様式で同期させることができる。第1に、受信側装置は、有効な4ビットのヘッダを受信するので、ヘッダからのクロック情報を必然的に受信する。第2に、IR送信機124は、パルスを単純にオン/オフするのではなく、各オン「パルス」が、実際には、特定の周波数での一続きの(例えば10個の)マイクロパルスから生成されることがある。特定の実施形態のIR送信機124は、約32,768Hzのフラッシュ周波数で送信する。受信機は、この周波数またはそれに非常に近い周波数(例えば、33kHz)でパルスを検出し、10フラッシュのパルスの検出を使用して、それに従って各10フラッシュのパルスでそれ独自のクロックを設定する。また、マイクロフラッシュパルスは、受信側装置がIR信号をバックグラウンドIR雑音から見分けるのを支援する。
本明細書で論じたものと同様の様式で、通信プロトコルが提供され、ここで、別個のチェックサムデータはなくされ、データストリームは、受信時に妥当性検査することができるデータペイロードを厳密に含む。
PMCの向上された監視およびログ生成機能と、PMCの通信機能との組合せは、PMCを組み込むコンピュータシステムの診断および修復の能力を大幅に向上させる。以下に論じるように、またワイヤレス診断装置に関する優先権出願に記載されているように、多様な診断通信を外部診断装置に提供することができる。通信は、診断装置を使用する者の能力および技能に合うように調整することができ、それにより、熟練度の低い者は、故障が生じており、熟練した技能を要する修理をコンピュータ装置が必要とするという単純なメッセージを提供されることがあり、一方、より熟練度の高い者は、特定の回路基板を交換するように命令されることがあり、さらに、熟練度の高い者は、特定の電源が故障していることを知らされることがある。どのメッセージが診断装置によって表示されるかは、診断装置に含まれるプログラミングに基づいて診断装置によって調整することができるので、より完全な説明は、以下の項で扱う。
したがって、本発明の実施形態は、コンピュータシステムの回路基板上に位置された論理ゲートベースのプラットフォーム管理制御装置(PMC)を使用して、コンピュータシステムの知的であり柔軟な管理および監視を行うためのシステムおよび方法を提供する。PMCは、向上された回路基板認可およびセキュリティ、向上されたシステム監視および報告、ならびに向上されたシステム制御を提供する。また、PMCは、プロセッサベースの装置のエミュレーションを可能にし、交換される装置に比べて、また提供される機能の割に、低電力であり、低コストであり、非常に高速である。本発明の様々な実施形態の他の利益および特徴は、本明細書で説明し、および/または特許請求の範囲に記載する。
電力管理
表題「プラットフォーム管理」の下で上述したように、本発明のいくつかの実施形態は、知的な電力管理制御を組み込む。そのような制御は、表題「代表的なコンピュータシステム」の下で上述したコンピュータシステムなど電子システム内部での電源の知的な活動化および非活動化を含むことができる。図7〜図13および関連の論述は、電力管理を提供するための特定の代表的な方法およびシステムを説明する意図のものであるが、他の方法およびシステムも本発明の実施形態によって包含される。
まず図7を見ると、本発明のいくつかの実施形態を有利に採用することができる電子システムが例示される。全体を参照番号150で示される電子システムは、演算回路152を含む。例えば、演算回路は、コンピュータシステムまたはその一部であり、1つまたは複数の集積回路を含む、または備える。演算回路152は、複数の電力入力、例えば第1の電力入力154と第2の電力入力156を有する。演算回路152は、第1の電力入力154と第2の電力入力156に提供される相対電圧を制限する制約または規則を有する。
電子システム150は、複数の電源、例えば第1の電源158と第2の電源160を含む。以下にさらに詳細に説明するように、電源は、演算回路152に電力を提供する。電源は、例えばリニア電源またはスイッチング電源である。電子システム150は、各電源が単一の離散出力電圧を提供するかのように図示されているが、複数の電圧を出力する電源も本発明の範囲内にあることを理解されたい。例えば、第1の電源158と第2の電源160は、2つの異なる出力電圧を提供する単一の電源でもよい。
追跡回路162は、電源158、160および演算回路152に結合されて、演算回路152の電力入力154、156の少なくとも一方に供給される電力を調整する。例えば、図7に示される実施形態では、追跡回路162は、電力入力156に供給される電力のみを調整する。追跡回路162は、電力入力154、156に供給される電力が、演算回路152によって課される制約に従うことを保証するように機能動作する。例えば、制約は、限定はしないが、以下の例を含むことがある。
V1>V2
V1<所定の最大電圧
V2<所定の最大電圧
V1−V2<X(ここで、Xは所定の量)
ここで、V1は、第1の電力入力154での電圧であり、V2は、第2の電力入力156での電圧である。
3つ以上の電力入力を用いる場合も、3つ以上の異なる電圧に関係する同様の制約が存在することがあり、そのような制約は、限定はしないが、以下の3電圧の例を含む。
V1>V2>V3
V1<V2<V3
V1ーV3<Y、およびV1−V2<X(ここで、XおよびYは所定の量)
本発明の実施形態は、前述の例に限定されず、本発明の実施形態によって対応することができる他の制約を含む、または利用することもできる。システムに課される制約の数は、少なくともある程度は、システムによって利用される電源(または多電圧電源によって供給される個々の電圧)の数に基づいて増加することがある。
図7に示されるシステムは、演算回路152の単一の電力入力156に供給される電力を調整する構成を示すが、図8は、演算回路152の電力入力154、156すべてに供給される電力を調整する代替構成を示す。例えば、図7に示される電子システム150は、第1の電力入力154に直接接続された第1の電源158を含むが、図8に示される電子システム150は、第1の電源158が追跡回路162を介してのみ第1の電力入力154に接続されていることを示す。どちらの例においても、第1の電源158は、入力電力を追跡回路162に供給するが、図8では、追跡回路162は、任意の制約が違反されたときに、第1の電源158から第1の電力入力154への電力の送達を防止することができる。図9および図10は、これらの実施形態それぞれで使用することができる追跡回路を示す。
図9を見ると、式V1>V2およびV1−V2<Xの制約が維持されることを保証する追跡回路の一例が示されている。参照番号170で全体を示される追跡回路は、基準電圧源172と、比較器174と、スイッチ176とを含む。基準電圧源は、比較器174の第1の入力180に提供される基準電圧178を提供する。基準電圧源172は、例えば、抵抗分圧器ネットワーク、電圧基準装置、逆バイアスゼナーダイオード、または所定の電圧を発生することができる同様の装置である。所定の電圧は、X未満の何らかの値に設定される。比較器174の第2の入力182には、追跡回路170への入力である第1の電源190が結合される。例えば、第1の電源190は、図7の第1の電源158および第1の電力入力154であるか、またはそれらに結合される。
比較器174は、入力180、182での相対電圧の関数として第1の状態と第2の状態の間で切り替わる出力184を提供する。例えば、(例えば、第1の電源190からの)第2の入力182が第1の入力180での基準電圧178よりも高いとき、比較器出力184は、ローの出力からハイの出力に切り替わる。例えば演算増幅器や比較器チップなどを含めた様々なタイプの比較器を使用することができる。
比較器出力184は、スイッチ176を制御し、すなわち、第2の電源192が電力出力194に接続される時を制御する。第2の電源192は、追跡回路170への入力である。例えば、第2の電源192は、図7の第2の電源158であるか、またはそれに接続される。電力出力194は、追跡回路170からの出力であり、例えば、図7の演算回路152の第2の電力入力156に接続される。例えば、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ(例えば、MOSFET)、中継器などを含めた様々なタイプのスイッチを使用することができる。
代表的な操作は以下のようなものであり得る。電源入力中、第1の電源190と第2の電源194はどちらも上昇すると予想することができる。最初に、スイッチ176を、比較器174によって開いておくことができる。したがって、電力出力194を第2の電源192から切断することができる。これは、電力出力194(例えば第2の電力入力156)の電圧が第1の電源190(例えば第1の電力入力154)の電圧未満に保たれ、演算回路152の制約を満たすことを保証することができる。第1の電源190が所定の値X以上の電圧に上昇すると、比較器174は、状態を切り替えることができ、スイッチ176を閉じる。これは、電力出力194を第2の電源192に接続することができる。電力出力194(例えば第2の電力入力156)も上昇し始めることができ、それにより、電力出力194(例えば第2の電力入力156)の電圧が第1の電源190の電圧よりもXボルトを超えて下回らないことを保証する。
電源切断中、プロセスは、逆に動作することができる。電力供給が下降し始めると、比較器174は、第1の電源190が所定の値未満に下がったときに状態を切り替えることができ、電力出力194(例えば第2の電力入力156)を第2の電源192(例えば第2の電源160)から切断する。
この回路は、動作中に第1の電源158が故障した場合にも適切に動作することができることに留意されたい。そのような場合、比較器174は、スイッチ176を開き、電力出力194を第2の電源192から切断することができる。したがって、追跡回路170は、第1の電力入力154と共に上下するように第2の電力入力156に追跡させる効果を有することができる。
図9は、図7に示されるように演算回路152へのただ1つの電力入力の管理を提供するシステムに関係する追跡回路170を示すが、図10は、図8に示されるように演算回路への複数の電力入力およびそれらの電力入力間の関係の管理を提供する代替実施形態を示す。この実施形態では、第1の電源190(例えば第1の電源158)は、演算回路152に直接は結合されない。そうではなく、第1の電源190と演算回路152の接続(例えば第1の電力入力154)は、追跡回路170によって調整される。これは、追跡回路170が、第2の電源192の故障時に第1の電源190を第1の電力入力154から切り離すべき状況に応答できるようにし、それにより、第2の電源192の故障時に、第1の電力入力154と第2の電力入力156の間の最大の差に関する制約が違反されないことを保証する。
したがって、図10に示されるように、電力出力194は、追跡回路170の第2の電力出力(例えば、第2の電力入力156に接続された電力出力)とみなすことができ、さらに、(第1の電力入力154に接続された)第1の電力出力196が提供される。上述したように、ここでも電力出力194はスイッチ176に接続され、その同一の機能を保つ。しかし、第2のスイッチ186が、第1の電源190と第1の電力出力196の間に挿間されて、第1の電力出力196での電力を調整する。この場合、スイッチ186は、第2の電源192によって直接制御することができ、それにより、第2の電源192の故障時、スイッチ186は、第1の電源190を第1の電力出力196から切断する。当然、図10に示される構成は、2つの入力への2つの電源の接続に対する制御を提供するための1つの方法にすぎず、本発明の実施形態に関連付けられる概念を例示するにすぎないとみなすべきである。
図11は、追跡回路の一実施形態の例示的実装形態の電気構成要素概略図を提供する。追跡回路は、3.3Vの電源に基づいて1.8Vの電源の追跡を提供する。追跡回路は、別個の5Vの電源により動作される。
R533とR83から構成される抵抗分圧器が、比較器U9Aの入力ピン2に基準電圧を提供する。この例に関して、分圧器に電力供給するために5Vの電源(5P0V_S5)を使用することにより、1.94Vの基準電圧が生じる。分圧器は、他の電源から電力供給することもでき、そのような電源には、例えば3.3Vまたは1.8Vの電源が含まれ、これらは、異なる性能を提供し、したがって異なる制約を施行する。
抵抗R85を介して比較器の入力ピン3に3.3Vの入力が提供され、これは、正帰還抵抗R536と組み合わさって、比較器U9Aに少量のヒステリシスを提供する。したがって、電力が上昇しているとき、3.3V電源は、1.96376ボルトを超え、比較器U9Aは、1.8V電源イネーブル信号(1P8V_S0_ENABLE)をアサートする(ハイの論理レベルまたは約5ボルト)ことができる。逆に、電力が下降しているとき、3.3V電源は、1.89745ボルト未満に落ち、比較器は、1.8V電源イネーブル信号をアサート解除する(ローの論理レベルまたは約0ボルト)ことができる。したがって、比較は、2つの異なる所定の電圧に対するものであり、第1の所定の電圧を使用して、上昇中にスイッチングを制御し、第2の所定の電圧を使用して、下降中にスイッチングを制御する。この例は、追跡回路がそれによって相対電圧に対する制約を満たすための追加の余裕をどのようにして提供することができるか、または電源入力および電源切断中に適用される異なる制約をどのようにして施行することができるかを例示する。
MOSFET Q24は、スイッチング機能を提供し、比較器出力(1P8V_S0_ENABLE)によって制御される。MOSFETは、オンに切り替えられると、1.8V電源(1P8V_S3)から1.8Vの出力(1P8V_S0)を供給できるようにする。
望まれる場合には、複数の追跡回路を一体に結合することができる。例えば、3つの異なる電圧を有するシステムでは、第2の電圧V2および第3の電圧V3が第1の電圧V1を追跡できるように2つの追跡回路を供給することができる。いくつかの実施形態では、V2がV1を追跡し、V3がV1を追跡するように、各追跡回路を並列構成で接続することができる。他の実施形態では、V2がV1を追跡し、V3がV2を追跡するように、追跡回路を直列構成で接続することができる。例えば、図12は、並列構成を例示し、ここでは、電圧V2は電圧V1に基づいて制御され、V3も電圧V1に基づいて制御される。したがって、V2をV1に関係付ける制約、およびV3をV1に関係付ける制約を施行することができる。図13は、追跡回路の直列構成を例示し、ここでは、電圧V2は電圧V1に基づいて制御され、V3はV2に基づいて制御される。したがって、V2をV1に関係付ける制約、およびV3をV2に関係付ける制約を施行することができる。並列構成と直列構成の組合せを使用することもでき、より複雑な制約を施行できるようにする。
ここで理解されるように、本開示による追跡回路は、演算装置に提供される電源電圧が、装置の要件を満たすのに必要な相対電圧を保つことを保証する助けとなり得る。追跡回路は、電源入力および電源切断中に適切な相対電圧を保つ助けとなる。さらに、追跡回路は、電源が故障したときに適切な相対電圧を保つ助けとなる。さらに、追跡回路は、構成要素を保護する。
これらの例示は、本発明の実施形態による1つまたは複数のモジュラー追跡回路ユニットの機能の代表例にすぎない。実際、本発明の例示的実施形態を本明細書で述べてきたが、本発明は、本明細書で述べる様々な実施形態に限定されず、本開示に基づいて当業者に理解される修正、省略、(例えば様々な実施形態にわたるいくつかの側面の)組合せ、適合、および/または変更を伴うあらゆる実施形態を含む。特許請求の範囲における限定は、特許請求の範囲において採用される言語に基づいて広範に解釈すべきであり、本明細書中または本出願の手続き中に述べる例に限定されず、それらの例は、非排他的なものと解釈すべきである。
ワイヤレス診断
上述したように、また「Systems and Methods for Intelligent and Flexible Management and Monitoring of Computer Systems」という名称の優先権出願に開示されているように、診断情報をそこから取得することが望まれるターゲットデバイスまたはコンピュータシステムに組み込まれたプラットフォーム管理制御装置(PMC)または同様の装置によって、診断情報に有用となり得る多様な情報を記録してログを取ることができる。そのような情報は多様であることがあり、上の論述は、PMCによって記録することができる例示的な、しかし非排他的な1組の情報タイプを含む。単に例として、限定はせずに、記録して、次いで診断装置に送信することができる情報には、ポストコードデータ、故障データ、温度データ、ローピンカウント(LPC)バスや集積回路間(I2C)バスなど1つまたは複数のコンピュータバスから引き出されるすべての情報、オペレーティングシステム(OS)メッセージ、基本入出力システム(BIOS)メッセージ、サイドバンド管理情報などが含まれる。上の論述は、この情報を取得し、ログを取り、外部診断装置に送信するためのシステムおよび方法を開示する。
上述したように、本発明のいくつかの実施形態は、ターゲットデバイスと診断装置の間で赤外線(IR)伝送方式を利用する。多様なIR伝送および通信方式を使用することができるが、本発明のいくつかの実施形態は、別個のチェックサムまたは妥当性ビットを必要とせずに、本来的にチェックサムまたは妥当性情報を搬送する情報およびデータを提供する方式を使用または選択する。また、赤外線通信方式は、クロック情報を含む。多くの例で、診断装置は一般にターゲットデバイスと直接通信するように使用されるので、詳細なヘッダ情報は必要ないと考えられる。これらすべての理由により、この通信方式は、各通信に関して送信しなければならない情報の総量を大幅に減少する。上述したものと同様の様式で、通信プロトコルが提供され、ここで、別個のチェックサムデータはなくされ、データストリームは、受信時に妥当性検査することができるデータペイロードを厳密に含む。
PMCの向上された監視およびログ生成機能と、PMCの通信機能との組合せは、PMCを組み込むコンピュータシステムの診断および修復の能力を大幅に向上させる。多様な診断通信が外部診断装置に提供されることがある。通信は、診断装置を使用する者の能力および技能に合うように調整することができ、それにより、熟練度の低い者は、故障が生じており、熟練した技能を要する修理をコンピュータ装置が必要とするという単純なメッセージを提供されることがあり、一方、より熟練度の高い者は、特定の回路基板を交換するように命令されることがあり、さらに、熟練度の高い者は、特定の電源が故障していることを知らされることがある。どのメッセージが診断装置によって表示されるかに関する決定を行うことができ、この決定は、以下により詳細に述べるように、診断装置に含まれるプログラミングに基づいて診断装置によって調整することができる。
上述したPMC装置と同様に、診断装置の機能は、論理ゲートチップ、例えば百万個の論理回路を含むチップによってほぼまたは完全に提供することができる。当然、より少ない機能が必要とされる場合には、より小さいチップを使用することができ、より多くの機能が望まれる場合には、より大きいチップを使用することができることを理解されよう。論理での機能の実装は、様々な利点を提供する。第1に、論理チップは、様々なタスクを同時に並列処理することができ、マルチプロセッサベースの装置に比べてかなり電力を節約して処理を行う。さらに、異なる機能が望まれるとき、異なる機能または追加の機能を提供するように論理チップを容易にプログラムし直すことができる。データおよびルックアップを符号化および復号するために装置が論理を使用するので、装置はリアルタイムで動作し、受信されたデータに対する処理方法を決定するためにコードを実行するマイクロプロセッサまたは他の装置を必要としない。
少なくともいくつかの実施形態では、表示されることが予想される情報に基づいて、診断装置の様々なモデルに関して様々な表示画面を提供することができる。例えば、限られた情報のみを表示すべき場合、小さい表示画面を提供することができ、より大きな情報を表示すべき場合、より大きな表示画面を提供することができる。論理チップおよび画面機能により、単一の装置をプログラムし直して、異なる画面に取り付け直し、異なるタスクを比較的容易に実施することができるようになる。同様に、特定の実施形態は、様々な入力装置、例えば様々な異なるキーパッドなどを含むこともできる。したがって、本発明の実施形態は、フィールドアップグレード可能、カスタマイズ可能、およびソフトウェア構成可能な複雑設計ユニット(over−designed units)の使用を包含する。
外部診断ユニットの実施形態は、それらのターゲットデバイスからの情報をワイヤレスで(例えばIRによって)受信する。これは、ターゲットデバイスに物理的に接続する必要なく診断情報を受信する大きな柔軟性を提供する。したがって、本発明の実施形態を使用して、多様な状況で、容易に、高い柔軟性で診断を行うことができる。
一例として、本発明の実施形態によるワイヤレス診断装置は、ターゲットデバイスの製造プラントで、組立てライン内に配置することができる。各ターゲットデバイスは、診断装置のステーションに達すると電源投入され、装置が適切に電源投入されたことに関する情報、および任意の故障に関する詳細な情報が、診断装置にワイヤレスで送信される。診断装置をターゲットデバイスに物理的に接続させる必要がないので、組立てラインにおける故障したシステムの診断および除去が、より迅速に、かつより低い複雑さで容易に実現される。さらに、診断装置によって受信することができる情報はかなり詳細であるので、機能していないターゲットデバイスのトラブルシューティングおよび修復をより簡単に達成することができる。
ターゲットデバイスは、表題「代表的なコンピュータシステム」の下で上述した任意のものを含めた多様なコンピュータシステムおよび埋込型装置でよい。理解されるように、そのような装置の診断は、しばしば製造時点の後にも継続される。これは、使用による一般的な故障、および様々な他の原因に関する一般的でない故障が生じるからである。ターゲットデバイスが何らかの種類の故障に対する修理を必要とするとき、修理技術者が問題に対処するのを補助する情報を修理技術者に通信することが望ましい。しかし、修理技術者全員が等しい技能レベルを有するわけではないため、難しさが生じる。例えば、あるターゲットデバイス所有者/技術者は、システムの問題に対処する方法についての技能をほとんど有さないことがあり、第2の者は、例えば、故障している回路基板を交換するのに十分な知識を有することがある。さらに別の技術者は、回路基板上の個々の故障している構成要素を交換するのに十分な技能を有することがある。本発明の実施形態は、個々のユーザの技能レベルに適したものになるように、診断装置によって表示される情報を柔軟にカスタマイズ化できるようにする。
上述したように、ターゲットデバイスのPMCまたは同様の構成要素が、様々な情報を記録し、それを診断装置に送信し、診断装置は、情報を受信して解釈する。一例として、受信される情報は、ターゲットデバイスの1つの回路基板上の特定の電源が故障していることを示すことがある。この情報は詳細なものであり、この情報により、熟練した技術者は、回路基板全体を交換することなく、特定の電源を交換できるようになるが、すべての人がそのような技能を有するわけではない。したがって、熟練度の低いユーザによって診断装置が使用される場合には、診断装置は、異なるユーザに様々なメッセージを表示するように構成することができる。熟練した技術者によって診断装置が使用されるときには、装置は、電源故障情報を受信し、具体的な故障を表示するように構成することができる。熟練度の低い技術者によって診断装置が使用されるときには、装置は、同じ電源故障情報を受信するように構成することができるが、特定の回路基板で故障が生じており、その回路基板を交換すべきであることを表示するように構成することができる。最後に、門外漢によって診断装置が使用されるときには、装置は、同じ電源故障情報を受信するように構成することができるが、回復不能な故障が生じていること、およびターゲットデバイスを交換または修理すべきであることを単に表示するように構成することができる。各例において、診断装置の物理的構造は同一でよい(画面サイズはその例外となり得る)が、論理チップによって提供される機能を再構成することによって、様々な機能を提供することができる。あるいは、さらなる相違を有する装置(例えば、異なる量の論理ゲートおよび/または機能を有する装置)を、異なるユーザに提供することもできる。
同様に、診断装置は、ターゲットデバイスに変更および改良が行われるときでさえ、長期にわたって有用である。論理チップに実装されるソフトウェアモジュールへの単純な変更および追加により、診断装置を継続して使用できるようになり、また将来の装置のための新たな機能を提供できるようになる。モジュールは、異なるユーザや異なる用途などのために、望みに応じて除去および追加することができる。したがって、単一の診断装置を、ある当事者に、その当事者の要件に見合うように構成して賃貸することができ、次いで、異なる診断要件を有する異なる当事者に対して再構成して再び賃貸することができる。
この診断装置を使用して、システム健康状態、および様々な顧客指定の情報、例えばターゲットデバイスによって得られる情報を測定することができる。例えば、ターゲットデバイスのOSを使用して、埋込型のシステム内でデータを取得することができる。次いで、OSは、PMCまたは同様の装置を使用して、取得されたデータを送信するように命令されることがある。この例では、診断装置は、OSメッセージ以外のすべての情報を無視するように構成されていることがあり、次いで、OSによって送信された情報(取得されたデータ)を受信して記憶する。これは、診断装置の実施形態によって提供される柔軟性の一例にすぎない。情報は、ハードウェア層、OS層、およびBIOS層を含めた様々な層から受信することができる。
上述したように、診断装置の実施形態は、ターゲットデバイスの製造および使用の多様な段階で有用であることがある。それらは、製造業者にとっては、製造段階で製造欠陥および機能していないシステムを検出するために有用であることがある。診断装置は、ターゲットデバイスでの(例えば埋込型の装置に関する)データ収集に有用であることもある。また、診断装置は、オンサイト修復目的およびオフサイト(例えば、修復センター)目的でも有用であることがある。PMCによって送信され、診断装置によって受信される詳細のレベルにより、本発明の実施形態を使用して、ターゲットデバイス寿命のすべての段階での診断および修復時間ならびに修復効率が大幅に改良される。
本発明の特定の実施形態は、ターゲットデバイスから診断装置に送信される本質的に一方向の通信に依拠するが、他の実施形態は、2方向通信を利用する。2方向通信が使用される場合、診断装置を使用して、ターゲットデバイスに命令を提供し、かつターゲットデバイスから情報を受信することができる。例えば、ターゲットデバイスが電子広告掲示板制御装置である場合、診断装置を、さらに、新たな広告を広告掲示板制御装置にアップロードするために使用することもできる。
本発明の実施形態は、システム診断が必ずしも必要とされない場合でさえ、多様な報告タイプの状況で有用であろう。単に例として、本発明の実施形態は、多様な遠隔データ収集のために使用することができる。ターゲットデバイスは、遠隔位置に埋め込むことができ、多様なデータを収集することができる。診断装置のユーザは、遠隔ターゲットデバイスを時々訪れて、記録されたデータを収集することができる。少なくともいくつかの例では、ターゲットデバイスの近傍に単に近づき、情報を受信するためにターゲットデバイスに診断装置を向ければ十分であることがある。
別の例として、診断装置は、特定の順路をたどる警備員または他の者が使用することができる。ターゲットデバイスは、順路上の特定の立ち寄り地点に埋め込むことができ、診断装置を使用して、各ターゲットデバイスが訪れられたことを記録することができる。順路の最後に、診断装置からの情報をダウンロードして、必要に応じて、順路がたどられたこと、およびそのタイミングを示すために使用することができる。
別の例では、ターゲットデバイスは、水やガスなど何らかの種類の消耗品を計量供給するために人を配備することが可能でない遠隔の消耗品計量供給位置に提供することができる。例えば、プラントから長距離を走行するセメントトラックは、道程のほとんどを、乾燥したコンクリートを積載して進み、次いで、コンクリートに水を加えるために水源で止まることがある。水の代価を支払わなければならない場合、運転者が、使用した水の量のログを取らなければならない。本発明の実施形態は、この作業を単純にする。なぜなら、水源に埋め込まれたシステムが、使用された水の量を記録し、運転者またはセメントトラックの診断装置に情報を送信し、この情報が、後の時点で、料金請求の目的で診断装置から検索されるからである。
前述の例は、本明細書で述べる診断装置の実施形態の可能な用途の例にすぎない。
診断および管理のための物理的な接続
本発明の特定の実施形態は、上述したように、ワイヤレスシステムおよび通信を使用してコンピュータシステムなどの電気システムから情報を取得することを包含するが、本発明のいくつかの実施形態は、物理的な接続を使用してそのようなシステムから情報を取得することも包含する。システム間のワイヤレス接続の使用は、システム間の物理的な使用を排除せず、物理的な接続の使用は、システム間のワイヤレス接続の使用を排除しない。
本発明のいくつかの実施形態は、接続を介するデータの転送を容易に実現するために、外部データ源とPCBの間の一時的電気接続に関連付けて行われる。少なくとも1つの実施形態では、一時的電気システムは、PCBの1つまたは複数の縁部に隣接して配設された電気接触パッドを有するPCBを含む。電気接触パッドはさらに、PCB上の特定の位置に電気的に接続される。さらに、システムは、一時的電気コネクタ装置を含み、一時的電気コネクタ装置はさらに、電気ワイヤリボンと、電気ワイヤリボンの遠位端にあるヘッドとを含み、ヘッドは、そこに配設された1つまたは複数の電気接触パッドを有し、これらの電気接触パッドは、PCBの縁部に配設された電気パッドに対応する。
いくつかの実施形態では、PCBと一時的に電気的に接続するように適合された装置が、電気ワイヤリボンを含む。さらに、この装置は、電気ワイヤリボンの遠位端にヘッドを含み、ヘッドは、そこに配設された1つまたは複数の電気接触パッドを有する。いくつかの実施形態では、ヘッドはまた、そこに設けられた接着剤を有し、接着剤は、電気接触パッドを実質的に取り囲む。使用前には、接着剤は非接着性の裏当紙などによって保護されており、使用時に、この裏当紙を剥がすことができる。別の実施形態では、ヘッドは圧縮取付具を含み、圧縮取付具は、PCBなど対応する表面にヘッドが一時的に固定されるように、ヘッドに張力付与するように操作することができる。さらに別の実施形態では、ヘッドは、ピンまたは他の物理的な位置決定装置を含み、これらを使用して、ヘッドとPCBなど対応する表面との正確な一時的な接続を容易に成すことができる。さらに別の実施形態では、ヘッドは、動作可能なばねによって接続された2つの向かい合う顎部から構成され、ばねは、顎部を閉じた位置に偏倚し、したがって、ユーザが顎部を選択的に開いて、PCBなど対応する表面にヘッドを一時的に「クリップ留め」することができる。さらに別の実施形態では、ヘッドは、PCBの幅だけ接続可能に離隔された2つの静止表面から構成され、それにより、ヘッドをPCBの縁部の上で一時的に滑動させて、そこに一時的に固定することができる。
次に図14を参照すると、代表的なPCB200が示される。本開示を簡略化するために、当業者に一般的な典型的なPCBの様々な物理的機能および要素は、図示も論述もしない。これは、何ら限定を意図するものではなく、本発明のいくつかの実施形態の特徴の重点的な論述を可能にすることを意図したにすぎない。図14に示されるように、製造プロセス中、PCB200は、「折取り式」または着脱可能なタブ202を含む。タブ202は、タブ202が着脱可能であることを示す破線204でPCB200に接続されている。タブ202により、PCBは、ハードウェアデバッグツール(HDT)デバイスによってプログラムおよび/またはデバッグすることができる。しかし、製造後、タブ202は、図15に示されるように破線204に沿って折り取られるか、または他の方法で取り除かれる。
図14および図15にさらに示されるように、本発明の実施形態によって企図されるPCB200の代表的な実施形態は、電気接触パッド206を含む。電気接触パッド206は、銅、金、それらの合金、および任意の他の導電性材料または複合材料など、PCB構成に一般的であり、当技術分野で知られている任意の適切な導電性材料から構成することができる。電気接触パッド206は、PCB200に組み込まれた電気回路(図示せず)を介してPCB200の任意の所望の要素または位置に接続することができる。そのような手段によって、パッド206からPCB200の任意の位置または要素に電気信号および情報を送信することができ、それにより、PCB200は、プログラム、デバッグ、またはその他、任意の所望の目的で通信することができる。
いくつかの実施形態では、電気接触パッド206は、図示されるようにPCB200の1つの縁部に実質的に位置されるが、本発明の実施形態は、必要または所望に応じて、各縁部を含め、PCB200の任意の縁部に沿った任意の適切な位置に電気接触パッド206を位置させることを包含する。さらに、いくつかの実施形態では、本発明の実施形態によって企図されるPCB200は、図14および図15に示されるように四辺形ではない異なる形状を有することができる。そのような実施形態では、電気接触パッド206は、任意の数のそのような縁部に沿って位置させることができる。さらに、電気接触パッド206は、PCB200の1つの主要な表面に位置されるものとして図示されているが、電気接触パッド206は、PCB200の両方の主要な表面(すなわち「上面」と「下面」)に同時に位置させることもできる。パッド206は、薄い形状を有し、したがって、PCB200の上面と下面の両方にそれらを位置しても、PCB200の他の機能または配置の妨げとならない。
同様に、図14および図15に示されるように、PCB200は、いくつかの個別のパッド206を含むことができる。いくつかの実施形態では、PCB200は、1つだけパッドを含むことができるが、他の実施形態では、PCB200の表面積が許すだけの数のパッド206が企図される。さらに他の実施形態では、パッド206は、個別であり独立していることがあり、またはパッド206を接続させることもできる。さらに他の実施形態では、PCB200は、個別のパッド206と接続されたパッド206の組合せを含むことができる。パッド206は、特定のサイズ、形状、または構成のものとして示されているが、これは、例示の目的にすぎず、何ら限定する意図はなく、または必ずしも縮尺通りには図示されていない。実際、パッド206は、望まれる任意のサイズ、形状、または構成でよい。さらに、パッド206は、PCB200の縁部から奥へ1列だけ延在するものとして示されているが、本発明の実施形態によって複数の列、レベル、層のパッドも包含される。
図16を参照すると、一時的電気接続装置または装置210の代表的な実施形態の遠位端が、上面図で示されている。図示されるように、電気接続装置210は、平坦な電気ワイヤリボン212およびヘッド214を含む。ヘッド214は、リボン212の遠位端に位置される。任意の目的でユーザがPCB200に接続することを望む外部装置(図示せず)は、リボン212の近位端に位置され、リボン212に直接接続することができ、または任意の望ましいタイプのコネクタによってリボン212に接続することができる。あるいは、外部装置とヘッド214を単一のユニットに組み込み、露出されたワイヤリボン212または他の外部ワイヤ接続によって分離および接続しないこともできる。外部装置は、プログラムする、デバッグする、外部装置とPCB200の間でデータを転送する、またはその他、任意の所望の目的でPCB200と通信して、任意の所望のタイプまたはフォーマットのデータを送信するのに適した任意の装置でよく、表題「ワイヤレス診断」の下で上述したワイヤレス診断装置または任意の他の装置と同様の診断装置を含むことがある。
また、そのようなデータは、限定はしないが、ジョイントテストアクショングループ(JTAG)デバッグデータ、およびCPU診断ポート上でのデータ転送に典型的なものと同様の他のCPU診断データを含むことがある。しかし、データは、デバッグ操作に限定されない。そうではなく、ビデオ、オーディオ、プログラミング、および/または任意の他のタイプの望ましい電子データを含めた任意の電子データを伝送することができる。PCB200と同様に、図16または任意の後続の図に示される装置の寸法、形状、およびサイズは、必ずしも縮尺通りであることは意図されていない。実際、リボン212およびヘッド214は、本発明の実施に適した任意の適切なサイズ、形状、および構成でよい。
図17を見ると、(図16に関して論じた装置210と同様の)一時的電気接続装置または装置210の代表的な実施形態が底面図で示されている。この例示実施形態では、装置210は、図16を参照して全般的に上で論じたリボン212および214と同様のワイヤリボン212およびヘッド214を含む。さらに、ヘッド214は、ヘッド214の下面に配設された電気接触パッド216を含む。前に述べたヘッド214の「上面」は、動作中にPCB200とは反対向きのヘッドの面を表すものと理解することができる。他方、「下面」は、PCB200に面し、パッド216がパッド206に接触できるようにする。用語「上面」および「下面」は、図16〜図20の実施形態および図示を論じる都合上のものであり、何ら限定する意図はない。
この接触パッド216、および以下の他の実施形態を参照して論じる後続の接触パッド216は、(PCB200のパッド206を参照してより詳細に上で論じたのと同様に)当技術分野で適した任意の材料から構成することができ、リボン202内に収容または収納された配線と電子的に接続され、それにより、そのような配線およびパッド216を介して電気信号を伝送することができる。さらに、図14〜図15およびPCB200の接触パッド206を参照してより詳細に論じたように、接触パッド216は、任意の適切な位置に配設することができ、任意のサイズ、任意の形状にすることができ、任意の適切な構成で位置させることができ、単一の列/レベル/層の奥行きまたは複数の列/レベル/層の奥行きにすることができ、また、本発明の実施形態を実施するための任意の適切な様式で他の形で方向付けおよび寸法設定を行うことができる。
いくつかの実施形態では、ヘッド204aは、着脱可能な接着剤218も含む。接着剤218は、電気接触パッド216の周りに、およびそれらに隣接してヘッド214の下面に配設することができる。接着剤218は、3Mなどの製造業者によって製造されている多くの接着剤材料など、産業で利用可能な任意の一時的および着脱可能な接着剤でよい。使用前、非接着性の裏当紙(図示せず)などが、接着剤218を覆っている。ユーザが装置210を使用することを望むとき、裏当紙が単に剥がされ、下面がPCB200に面した状態で、ヘッド214がPCBの望みの表面(すなわち上面または下面)に接着される。このプロセス中、電気接触パッド216は、電気接触パッド206と電子的に連絡するように位置される。
そのような位置決定を容易にするために、PCB200上にヘッド214を適切に位置させるためのロケータまたは他の物理的位置決定装置をPCB200、装置210、またはそれら両方に組み込むことができる。このようにして、ロケータは、ユーザが望む一時的な期間にわたって、外部装置とPCB200の間の適切で高い信頼性の電気的連絡を装置210が実現して維持することを保証するのを支援する。さらに、PCB200にコネクタまたはポートを外付けする必要はなく、そのような電気的連絡が簡便に達成される。したがって、上でより詳細に論じたように、外部装置がPCB200と通信することができる。
外部装置とPCB200の望みの通信が完了したとき、ユーザは、単にPCB200からヘッド214および着脱可能な接着剤218を引き剥がすことができる。装置210は、使い捨て材料から構成することができ、したがってこの時点で単に処分することができる。あるいは、着脱可能な接着剤218がその接着性を十分に維持している場合には、非接着性の裏当紙などを交換することができ、それにより装置210を後で同様に再使用することができ、あるいは裏当紙などを交換せずに装置210をすぐに再使用することができる。このプロセスは、接着剤218が接着特性を示さなくなるまで、または他の形でその接着性を失うまで、望みの回数繰り返すことができる。そのような時点で、装置210は、単に処分することができる。このようにして、ユーザは、単純にかつ安価に、PCB200または接続装置210の損壊の危険をほとんど伴わずに、PCB200に一時的に接続することができる。
図18〜図20を参照すると、代替の代表的な実施形態が示されている。図18には、(上述した装置210と同様の)一時的電気接続装置または装置210の代表的な実施形態が底面図で示されている。図18の例示実施形態では、装置210は、(図16および図17を参照して全般的に上で論じたリボン212および214と同様の)ワイヤリボン212およびヘッド214を含む。さらに、ヘッド214は、ヘッド214の下面に配設された電気接触パッド216を含む。したがって、先の論述と後の論述において、装置210、リボン212、ヘッド214、およびパッド216の様々な反復が論じられる。
図18〜図20にさらに示されるように、ヘッド214は、ヘッド214の各側にロケータまたはタブ220を含む。タブ220は、任意の適切な位置に位置させることができ、PCB200への装置210の接続を容易に成すために任意の適切なサイズまたは形状にすることができる。タブ220は、PCB200へのヘッド214の位置決定および取付けを容易にするためのものである。位置決定および取付けは、目視で、および追加のハードウェアによって達成される。例えば、図19は、タブ220を通して挿入されたロケータピン222を示し、ピン222をPCB200に挿入するか、または他の方法でPCB200に一時的に取り付けて、ヘッド214を適切な向きにし、かつヘッド214をPCB200に一時的に固定することができる。代替実施形態では、図20に示されるように、圧縮取付具224などをヘッド214のハードウェアに取り付ける、または他の方法で組み込むこともできる。圧縮取付具224は、ヘッド214をPCB200に一時的に固定するためにユーザが変形する、または他の様式で操作することができる。圧縮取付具224は、ヘッド214が特定の位置に固定されたままになるように、取付具224を変形させることにより生じる張力をヘッド214および関連のハードウェアを通して分散させることによって機能する。
図21〜図22を見ると、別の代替の代表的な実施形態が示される。図21には、一時的電気接続装置または装置210の代表的な実施形態の側面図が示されている。例示実施形態では、装置210は、ワイヤリボン212と、ヘッド214と、ヘッド214の顎部に配設された電気接触パッド216とを含む。さらに、ヘッド214は、偏倚ばね226を含み、偏倚ばね226は、ヘッド214の顎部を閉じた位置に偏倚させる。そのような偏倚は、矢印228によって示されるユーザが加える力によって克服することができる。また、ヘッド214は、ヘッド214の両方の向かい合う顎部の内面に電気接触パッド216を含み(しかし、いくつかの実施形態では、パッド216は一方の顎部のみに位置される)、それにより、望まれる場合に、PCB200の主要な上面と下面の両方に位置された対応するパッド206を同時に接触させることができる。しかし、いくらか詳細に上で論じたように、電気接触パッド216は、ヘッド214と対応するPCB200との動作可能な接続を容易に成すように任意のサイズ、形状、構成、向きなどでよい。
動作中、装置210によって外部装置をPCB200に接続することを望むユーザは、ヘッド214の向かい合う顎部を、矢印228によって示される方向に押して、ばね226の偏倚効果を克服し、それにより顎部を開く。その後、ヘッド214および顎部は、PCB200に対して望みの接続位置に配置される。ここでも、ヘッド214またはPCB200上のロケータが、PCB200へのヘッド214の適正な取付けをさらに容易にすることができる。ヘッド214が適切に位置されると、ユーザは、矢印228に従って前に加えた力を解放し、ヘッド214の顎部がPCB200に対して閉じるようにする。このようにして、装置210は、ユーザが望む一時的な期間にわたって、外部装置とPCB200との高い信頼性の電気的連絡を保つ。さらに、PCB200に外部コネクタまたはポートを外付けする必要はなく、そのような電気的連絡が簡便に達成される。したがって、上でより詳細に論じたように、外部装置がPCB200と通信することができる。外部装置とPCB200の間の望みの通信が完了すると、ユーザは、矢印228によって示されるように力を再び加えて、装置210をPCB200から取り外すことができる。偏倚ばね226により、このプロセスは、望みの回数繰り返すことができる。
図23〜図24を参照すると、別の代替の代表的な実施形態が示されている。図23には、一時的電気接続装置または装置210の代表的な実施形態の側面図が示されている。例示実施形態では、装置210は、ワイヤリボン212と、ヘッド214と、ヘッド214の固定された向かい合う表面上に配設された電気接触パッド216とを含む(しかし、望まれる場合には、パッド216は、ヘッド214の向かい合う表面の一方にのみ配設することもできる)。ヘッド214の固定された向かい合う表面および対応するパッド216は、電気接触パッド206が配設されているPCB200が簡単に、しかし確実にそのような固定表面の間に嵌まるように離隔される。また、ヘッド214は、ヘッド214の固定された向かい合う両面の内面に電気接触パッド216を含み、それにより、望まれる場合には、PCB200の主要な上面および下面に位置される対応するパッドを同時に接触させることができる。しかし、いくらか詳細に上で論じたように、電気接触パッド216は、ヘッド214と対応するPCB200との動作可能な接続を容易に成すように任意のサイズ、形状、構成、向きなどでよい。
動作中、図23〜図24に示される装置210によって外部装置をPCB200に接続することを望むユーザは、ヘッド214の固定された向かい合う表面間で、望みの接続位置にPCB200の縁部を滑動または摺動させる。ここでも、ロケータは、ヘッド214とPCB200の適正な位置合わせをさらに容易にすることができる。ヘッド214が適切に位置されると、ユーザが望む一時的な期間にわたって、外部装置とPCB200の間で、高い信頼性でデータを伝送することができる。したがって、上でより詳細に論じたように、外部装置がPCB200と通信することができる。外部装置とPCB200の間の望みの通信が完了すると、ユーザは、ヘッド214を摺動させてPCB200から外し、装置210をPCB200から取り外すことができる。このプロセスは、望みの回数繰り返すことができる。
以上、本明細書で論じたように、本発明の実施形態は、一時的な物理的電気接続を包含する。特に、本発明のいくつかの実施形態は、情報をPCBから受信する、またはPCBに送信するために、PCBに一時的に接続するためのシステムおよび方法に関する。
本発明は、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化することができる。説明した実施形態は、あらゆる点で例示にすぎず、限定ではないとみなすべきである。したがって、本発明の範囲は、前述の説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の意味合いおよび均等範囲内のすべての変更が、特許請求の範囲の範囲内に包含されるものとする。特許請求の範囲において、ミーンズプラスファンクション(means−plus−function)またはステッププラスファンクション(step−plus−function)の限定は、特定の特許請求の範囲における限定に関して、以下の条件のすべてがその限定内にある場合にのみ採用する。a)「ための手段」または「ためのステップ」と明示的に記載されていること、およびb)対応する機能が明示的に記載されていること。