JP5863606B2 - リチウムイオン二次電池用電極活物質、リチウムイオン二次電池用電極、及びそれを用いたリチウムイオン二次電池、並びに、リチウムイオン二次電池用電極活物質の製造方法 - Google Patents
リチウムイオン二次電池用電極活物質、リチウムイオン二次電池用電極、及びそれを用いたリチウムイオン二次電池、並びに、リチウムイオン二次電池用電極活物質の製造方法 Download PDFInfo
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Description
(1)すなわち、上記課題を解決する本発明のリチウムイオン二次電池用電極活物質は、ブロンズ型の酸化チタンであるTiO2(B)を主成分とする粒子であり、BET法で測定される比表面積が8m2/g〜45m2/g、粉末X線回折法による下記(I)〜(III)の結晶学的特徴を持つ。
(2)Na、K、Csからなる群より選択される1種類以上のアルカリ金属AとTiとOとを含み、BET比表面積が5m2/g以上、60m2/g以下である複合酸化物粒子である原料粒子を調製する原料粒子調製工程と、
前記原料粒子に対し、プロトン(H+)を含む酸性溶液を用いてイオン交換を行い、HとTiとを含み、BET比表面積が5m2/g以上、60m2/g以下である複合酸化物粒子であるイオン交換体を得るイオン交換工程と、
該イオン交換体を空気中、400℃以上、700℃以下で熱処理する熱処理工程とにより得られる。
(3)前記原料粒子はAαTiβO(α+4β)/2(αが2以上、3以下、βが1)であり、前記イオン交換体はAα−pHpTiβO(α+4β)/2(pが0.9α以上、α以下)である。
(4)前記原料粒子は、AがK1−x−yNaxCsyであり、xが0以上、0.5以下、yが0以上、0.1以下である。
(電極活物質)
電極活物質には、組成式がTiO2で、結晶構造がブロンズ型であり、一般にTiO2(B)で表される酸化チタンが選ばれる。酸化チタンがTiO2(B)であるかどうかは、粉末X線回折測定により確認でき、たとえばICSD (無機結晶構造データベース) #171670が該当する。
(1)X線源としてCuKα線を使用し、測定モードを2θ/θモードとした粉末X線回折測定で回折角2θが25°付近に(110)面の回折ピークが存在し、その回折ピークの半値幅をFWHMaとしたときに、FWHMaが0.2°〜0.5°の範囲にある。
(2)X線源としてCuKα線を使用し、測定モードを2θ/θモードとした粉末X線回折測定で回折角2θが43.5°付近に(003)面の回折ピークが存在し、その回折ピークの半値幅をFWHMbとしたときに、(1)で定義されるFWHMaとFWHMbの比、すなわちFWHMb/FWHMaが1.1〜2.0の範囲にある。
(3)X線源としてCuKα線を使用し、測定モードを2θ/θモードとした粉末X線回折測定で回折角2θが25°付近に(110)面の回折ピークが存在し、その回折ピークの積分強度をIaとし、回折角2θが43.5°付近に(003)面の回折ピークが存在し、その回折ピークの積分強度をIbとし、2θが44.5°付近に(−601)面の回折ピークが存在し、その回折ピークの積分強度をIcとしたときにIaとIbの比、すなわちIb/Iaが0.35〜0.65の範囲にあり、IbとIcの比、すなわちIc/Ibが0.85〜1.50の範囲にある。
(4)BET法によって計測されるBET比表面積が8〜45m2/gの範囲にある。
・原料粒子(複合酸化物前駆体、アルカリ金属−チタン酸化物など)の調製
原料粒子はどのように製造しても良い。例えばアルカリ金属を含む原料とチタンを含む原料を良く混合した後、酸素存在下、不活性雰囲気下、真空などの任意の雰囲気での熱処理(数百℃で加熱する。例えば700℃〜1100℃程度で1〜48時間程度)を行うことにより調製可能である。酸素存在下での加熱を採用すると酸素が効果的に導入できる。なお、積極的に酸素が存在する雰囲気(空気、酸素ガス、分解して酸素を放出するガスなど)を添加しなくても後述するチタンを含む原料として採用するチタン酸化物、アルカリ金属の炭酸塩などが含む酸素を反応に供し、原料粒子の組成中に導入することができる。
・イオン交換工程は
原料粒子に含まれるアルカリ金属元素を水素にイオン交換を行いイオン交換体を得る工程である。具体的には原料粒子をプロトンを含む酸性溶液に接触させる。酸性溶液としては塩酸、硝酸が例示でき、塩酸を採用することが好ましい。原料粒子を酸の水溶液と混合・保持する。その後、混合した原料粒子を適正な方法(ろ過、遠心分離など)で分離する。分離した上澄みのpHが5〜6程度になるまで酸水溶液への接触を繰り返すことで原料粒子に含まれるアルカリ金属元素を効果的に水素に置換することができる。
・熱処理工程
本工程ではイオン交換工程にて得られたイオン交換体に対し、付着した水分を乾燥した後、焼成が進行する程度の高い温度で加熱する工程である。特に脱水反応が進行する程度にまで加熱する。
・その他の処理
前記熱処理工程の後、必要に応じて解砕操作、分級操作を行うことができる。なお、結晶構造に影響を与えるような処理(後述する結晶構造が壊れるような処理)はできるだけしないことが望ましい。
・本発明によれば、上記TiO2(B)を含むリチウムイオン二次電池用電極活物質が提供され、さらに、本発明によれば該リチウムイオン二次電池用電極活物質を含むリチウムイオン二次電池用電極を備えることを特徴とするリチウムイオン二次電池が提供される。
(二次電池)
本発明の二次電池について実施形態に基づき以下詳細に説明を行う。本実施形態の二次電池は、正極、負極、電解質、及びその他必要に応じて選択される部材を有する。正負極のいずれかに上述の電極活物質を含有する。以下の正極、負極の説明は上述の本実施形態の電極活物質を採用しない場合に主眼をおいて説明する。
(実施例1)
[電極活物質の製造]
・原料粒子調製工程:出発原料である炭酸カリウム、酸化チタンをカリウムとチタンのモル比が1:2となるように秤量し、エタノールを溶媒としてボールミルを用いて湿式混合した後に得られたスラリーを80℃で乾燥し混合物を得た。得られた混合物を大気雰囲気下、1000℃で24時間熱処理することで得られた焼成物をサンプルミルを用いて乾式で解砕した後、1000℃で24時間熱処理し、水を溶媒としてボールミルを用いて湿式解砕することで前駆体(原料粒子)を得た。得られた前駆体のBET比表面積は7.63m2/gであった。
・イオン交換工程:得られた前駆体を1Mの塩酸中で3日間、攪拌した後、デカント、水洗、ろ過を行い、塩酸を除去し、80℃で乾燥した後、サンプルミルを用いて乾式で解砕することでイオン交換体を得た。得られたイオン交換体の比表面積は9.69m2/gであった。
・熱処理工程:得られたイオン交換体を大気雰囲気下、500℃で0.5時間熱処理することで得られた焼成物をサンプルミルを用いて乾式で解砕することで電極材料1を得た。
[二次電池の製造]
電極材料1、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、アセチレンブラックが質量比で80:10:10となるようにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液中で混合しスラリーを得た。得られたスラリーを固形分質量が10mg/cm2となるようにドクターブレードを用いてアルミニウム箔に塗布した後、80℃の乾燥でNMPを除去し、φ14mmに打ち抜き、さらに塗布部の密度が1.5g/cm3となるようにプレスを行うことで電極1を得た。
(実施例2)
・原料粒子調製工程:出発原料である炭酸カリウム、酸化チタンをカリウムとチタンのモル比が1:2となるように秤量し、エタノールを溶媒としてボールミルを用いて湿式混合した後に得られたスラリーを80℃で乾燥し混合物を得た。得られた混合物を大気雰囲気下、1000℃で24時間熱処理することで得られた焼成物をサンプルミルを用いて乾式で解砕した後、1000℃で24時間熱処理し、サンプルミルを用いて乾式で解砕して得た焼成物を水を溶媒としてボールミルを用いて十分に湿式粉砕し、得られたスラリーを80℃で乾燥した後、サンプルミルを用いて乾式で解砕することで前駆体を得た。得られた前駆体のBET比表面積は20.8m2/gであった。
・イオン交換工程:得られた前駆体を1Mの塩酸中で3日間、攪拌した後、デカント、水洗、ろ過を行い、塩酸を除去し、80℃で乾燥した後、サンプルミルを用いて乾式で解砕することでイオン交換体を得た。得られたイオン交換体の比表面積は22.3m2/gであった。
・熱処理工程:得られたイオン交換体を大気雰囲気下、500℃で0.5時間熱処理することで得られた焼成物をサンプルミルを用いて乾式で解砕することで電極材料2を得た。
(実施例3)
・原料粒子調製工程:出発原料である炭酸カリウム、酸化チタンをカリウムとチタンのモル比が1:2となるように秤量し、エタノールを溶媒としてボールミルを用いて湿式混合した後に得られたスラリーを80℃で乾燥し混合物を得た。得られた混合物を大気雰囲気下、1000℃で24時間熱処理することで得られた焼成物をサンプルミルを用いて乾式で解砕した後、1000℃で24時間熱処理し、サンプルミルを用いて乾式で解砕して得た焼成物を水を溶媒としてボールミルを用いて十分に湿式粉砕し、得られたスラリーを80℃で乾燥した後、サンプルミルを用いて乾式で解砕することで前駆体を得た。得られた前駆体のBET比表面積は31.4m2/gであった。
・イオン交換工程:得られた前駆体を1Mの塩酸中で3日間、攪拌した後、デカント、水洗、ろ過を行い、塩酸を除去し、80℃で乾燥した後、サンプルミルを用いて乾式で解砕することでイオン交換体を得た。得られたイオン交換体の比表面積は42.9m2/gであった。
・熱処理工程:得られたイオン交換体を大気雰囲気下、500℃で0.5時間熱処理することで得られた焼成物をサンプルミルを用いて乾式で解砕することで電極材料3を得た。
(実施例4)
・原料粒子調製工程:出発原料である炭酸カリウム、酸化チタンをカリウムとチタンのモル比が1:2となるように秤量し、エタノールを溶媒としてボールミルを用いて湿式混合した後に得られたスラリーを80℃で乾燥し混合物を得た。得られた混合物を大気雰囲気下、1000℃で24時間熱処理することで得られた焼成物を水を溶媒としてボールミルを用いて十分に湿式粉砕し、得られたスラリーを80℃で乾燥し、さらに大気雰囲気下、800℃で24時間熱処理し、サンプルミルを用いて乾式で解砕することで前駆体を得た。得られた前駆体のBET比表面積は9.67m2/gであった。
・イオン交換工程:得られた前駆体を1Mの塩酸中で3日間、攪拌した後、デカント、水洗、ろ過を行い、塩酸を除去し、80℃で乾燥した後、サンプルミルを用いて乾式で解砕することでイオン交換体を得た。得られたイオン交換体の比表面積は24.4m2/gであった。
・熱処理工程:得られたイオン交換体を大気雰囲気下、500℃で0.5時間熱処理することで得られた焼成物をサンプルミルを用いて乾式で解砕することで電極材料4を得た。
(比較例1)
・原料粒子調製工程:出発原料である炭酸カリウム、酸化チタンをカリウムとチタンのモル比が1:2となるように秤量し、エタノールを溶媒としてボールミルを用いて湿式混合した後に得られたスラリーを80℃で乾燥し混合物を得た。得られた混合物を大気雰囲気下、1000℃で24時間熱処理することで得られた焼成物をサンプルミルを用いて乾式で解砕した後、1000℃で24時間熱処理し、サンプルミルを用いて乾式で解砕することで前駆体を得た。得られた前駆体のBET比表面積は7.10m2/gであった。
・イオン交換工程:得られた前駆体を1Mの塩酸中で3日間、攪拌した後、デカント、水洗、ろ過を行い、塩酸を除去し、80℃で乾燥した後、サンプルミルを用いて乾式で解砕することでイオン交換体を得た。得られたイオン交換体の比表面積は8.76m2/gであった。
・熱処理工程:得られたイオン交換体を大気雰囲気下、500℃で0.5時間熱処理することで得られた焼成物をサンプルミルを用いて乾式で解砕することで電極材料5を得た。
(比較例2)
・原料粒子調製工程:出発原料である炭酸カリウム、酸化チタンをカリウムとチタンのモル比が1:2となるように秤量し、エタノールを溶媒としてボールミルを用いて湿式混合した後に得られたスラリーを80℃で乾燥し混合物を得た。得られた混合物を大気雰囲気下、1000℃で24時間熱処理することで得られた焼成物をサンプルミルを用いて乾式で解砕した後、1000℃で24時間熱処理し、サンプルミルを用いて乾式で解砕することで前駆体を得た。得られた前駆体のBET比表面積は7.24m2/gであった。
・イオン交換工程:得られた前駆体を1Mの塩酸中で3日間、攪拌した後、デカント、水洗、ろ過を行い、塩酸を除去し、80℃で乾燥した後、サンプルミルを用いて乾式で解砕することでイオン交換体を得た。得られたイオン交換体の比表面積は8.83m2/gであった。
・熱処理工程:得られたイオン交換体を大気雰囲気下、500℃で0.5時間熱処理することで得られた焼成物を水を溶媒としてボールミルを用いて十分に湿式粉砕し、得られたスラリーを80℃で乾燥することで電極材料6を得た。このようにして得られた電極材料6を粉末X線回折により測定した結果を図8に示す。実施例1と同様にして操作を行い、電極材料及び電池評価を行った結果を表1に併せて示す。
(比較例3)
・原料粒子調製工程:出発原料である炭酸カリウム、酸化チタンをカリウムとチタンのモル比が1:2となるように秤量し、エタノールを溶媒としてボールミルを用いて湿式混合した後に得られたスラリーを80℃で乾燥し混合物を得た。得られた混合物を大気雰囲気下、1000℃で24時間熱処理することで得られた焼成物をサンプルミルを用いて乾式で解砕した後、1000℃で24時間熱処理し、サンプルミルを用いて乾式で解砕することで前駆体を得た。得られた前駆体のBET比表面積は7.18m2/gであった。
・イオン交換工程:得られた前駆体を1Mの塩酸中で3日間、攪拌した後、デカント、水洗、ろ過を行い、塩酸を除去し、80℃で乾燥した後、サンプルミルを用いて乾式で解砕することでイオン交換体を得た。得られたイオン交換体の比表面積は8.62m2/gであった。
・熱処理工程:得られたイオン交換体を大気雰囲気下、500℃で0.5時間熱処理することで得られた焼成物を水を溶媒としてボールミルを用いて十分に湿式粉砕し、得られたスラリーを80℃で乾燥することで電極材料7を得た。このようにして得られた電極材料7を粉末X線回折により測定した結果を図9に示す。実施例1と同様にして操作を行い、電極材料及び電池評価を行った結果を表1に併せて示す。
(比較例4)
・原料粒子調製工程:出発原料である炭酸カリウム、酸化チタンをカリウムとチタンのモル比が1:2となるように秤量し、エタノールを溶媒としてボールミルを用いて湿式混合した後に得られたスラリーを80℃で乾燥し混合物を得た。得られた混合物を大気雰囲気下、1000℃で24時間熱処理することで得られた焼成物をサンプルミルを用いて乾式で解砕した後、1000℃で24時間熱処理し、サンプルミルを用いて乾式で解砕することで前駆体を得た。得られた前駆体のBET比表面積は1.37m2/gであった。
・イオン交換工程:得られた前駆体を1Mの塩酸中で3日間、攪拌した後、デカント、水洗、ろ過を行い、塩酸を除去し、80℃で乾燥した後、サンプルミルを用いて乾式で解砕することでイオン交換体を得た。得られたイオン交換体の比表面積は4.78m2/gであった。
・熱処理工程:得られたイオン交換体を大気雰囲気下、500℃で0.5時間熱処理することで得られた焼成物をサンプルミルを用いて乾式で解砕することで電極材料8を得た。このようにして得られた電極材料8を粉末X線回折により測定した結果を図10に示す。アナターゼ型の酸化チタンが確認された。実施例1と同様にして操作を行い、電極材料及び電池評価を行った結果を表1に併せて示す。
(比較例5)
・原料粒子調製工程:出発原料である炭酸カリウム、酸化チタンをカリウムとチタンのモル比が1:2となるように秤量し、エタノールを溶媒としてボールミルを用いて湿式混合した後に得られたスラリーを80℃で乾燥し混合物を得た。得られた混合物を大気雰囲気下、1000℃で24時間熱処理することで得られた焼成物をサンプルミルを用いて乾式で解砕した後、1000℃で24時間熱処理し、サンプルミルを用いて乾式で解砕して得た焼成物を水を溶媒としてボールミルを用いて十分に湿式粉砕し、得られたスラリーを80℃で乾燥した後、サンプルミルを用いて乾式で解砕することで前駆体を得た。得られた前駆体のBET比表面積は38.7m2/gであった。
・イオン交換工程:得られた前駆体を1Mの塩酸中で3日間、攪拌した後、デカント、水洗、ろ過を行い、塩酸を除去し、80℃で乾燥した後、サンプルミルを用いて乾式で解砕することでイオン交換体を得た。得られたイオン交換体の比表面積は106m2/gであった。
・熱処理工程:得られたイオン交換体を大気雰囲気下、500℃で0.5時間熱処理することで得られた焼成物をサンプルミルを用いて乾式で解砕することで電極材料9を得た。このようにして得られた電極材料9を粉末X線回折により測定した結果を図11に示す。アナターゼ型の酸化チタンが確認された。実施例1と同様にして操作を行い、電極材料及び電池評価を行った結果を表1に示す。
(比較例6)
・原料粒子調製工程:出発原料である炭酸カリウム、酸化チタンをカリウムとチタンのモル比が1:2となるように秤量し、エタノールを溶媒としてボールミルを用いて湿式混合した後に得られたスラリーを80℃で乾燥し混合物を得た。得られた混合物を大気雰囲気下、1000℃で24時間熱処理することで得られた焼成物をサンプルミルを用いて乾式で解砕した後、1000℃で24時間熱処理し、サンプルミルを用いて乾式で解砕することで前駆体を得た。得られた前駆体のBET比表面積は3.06m2/gであった。
・イオン交換工程:得られた前駆体を1Mの塩酸中で3日間、攪拌した後、デカント、水洗、ろ過を行い、塩酸を除去し、80℃で乾燥した後、サンプルミルを用いて乾式で解砕することでイオン交換体を得た。得られたイオン交換体の比表面積は5.72m2/gであった。
・熱処理工程:得られたイオン交換体を大気雰囲気下、500℃で0.5時間熱処理することで得られた焼成物をサンプルミルを用いて乾式で解砕することで電極材料10を得た。このようにして得られた電極材料10を粉末X線回折により測定した結果を図12に示す。実施例1と同様にして操作を行い、電極材料及び電池評価を行った結果を表1に示す。
1a…電極集電体
2 …電極(リチウム)
2a…電極集電体
3 …電解液
4 …電極ケース
5 …電極ケース
6 …ガスケット
7 …セパレータ
10…コイン型電池
Claims (7)
- ブロンズ型の酸化チタンであるTiO2(B)を主成分とする粒子であり、BET法で測定される比表面積が8m2/g〜45m2/g、粉末X線回折法による下記(I)〜(III)の結晶学的特徴を持つリチウムイオン二次電池用電極活物質。
結晶学的特徴(I):X線源としてCuKα線を使用し、測定モードを2θ/θモードとした粉末X線回折測定で回折角2θが25°付近に(110)面の回折ピークが存在し、その回折ピークの半値幅をFWHMaとしたときに0.2°〜0.5°の範囲にある。
結晶学的特徴(II):X線源としてCuKα線を使用し、測定モードを2θ/θモードとした粉末X線回折測定で回折角2θが43.5°付近に(003)面の回折ピークが存在し、その回折ピークの半値幅をFWHMbとしたときに、前記半値幅FWHMb/前記半値幅FWHMaが1.1〜2.0の範囲にある。
結晶学的特徴(III):X線源としてCuKα線を使用し、測定モードを2θ/θモードとした粉末X線回折測定で回折角2θが25°付近に(110)面の回折ピークが存在し、その回折ピークの積分強度をIaとし、回折角2θが43.5°付近に(003)面の回折ピークが存在し、その回折ピークの積分強度をIbとし、2θが44.5°付近に(−601)面の回折ピークが存在し、その回折ピークの積分強度をIcとしたときにIb/Iaが0.35〜0.65の範囲にあり、Ic/Ibが0.85〜1.50の範囲にある。 - リチウムイオン二次電池用の電極であって、
請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用電極活物質を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池用電極。 - 正極または負極に請求項2に記載のリチウムイオン二次電池用電極を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
- 繊維状のセルロースあるいは高分子で形成され、前記正極及び負極の間に介装されるセパレータを有する請求項3に記載のリチウムイオン二次電池。
- 請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用電極活物質の製造方法であって、
Na、K、Csからなる群より選択される1種類以上のアルカリ金属AとTiとOとを含み、BET比表面積が5m2/g以上、60m2/g以下である複合酸化物粒子である原料粒子を調製する原料粒子調製工程と、
前記原料粒子に対し、プロトン(H+)を含む酸性溶液を用いてイオン交換を行い、HとTiとを含み、BET比表面積が5m2/g以上、60m2/g以下である複合酸化物粒子であるイオン交換体を得るイオン交換工程と、
該イオン交換体を空気中、400℃以上、700℃以下で熱処理する熱処理工程と、を備えるリチウムイオン二次電池用電極活物質の製造方法。 - 前記原料粒子はAαTiβO(α+4β)/2(αが2以上、3以下、βが1)であり、前記イオン交換体はAα−pHpTiβO(α+4β)/2(pが0.9α以上、α以下)である請求項5に記載のリチウムイオン二次電池用電極活物質の製造方法。
- 前記原料粒子は、AがK1−x−yNaxCsyであり、xが0以上、0.5以下、yが0以上、0.1以下である請求項5又は6に記載のリチウムイオン二次電池用電極活物質の製造方法。
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2012
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