上述した本発明の内容を明確にするために、本発明の構成を以下のような回胴式遊技機に適用した実施例について説明する。
A.回胴式遊技機の装置構成 :
図1は、本実施例の回胴式遊技機1(以下「遊技機1」という)の外観を示す正面図である。図1に示すように、遊技機1には、箱状に形成された筐体3と、筐体3の前面側を覆うようにして設けられた前面扉2などが設けられている。前面扉2は、実際に遊技が行われる中段の領域(2ma,2mb)と、遊技の進行に応じて種々の演出が行われる上段の領域2uと、遊技メダルが払い出される下段の領域2dとの大きく3つの領域から構成され、更に中段の領域は、遊技の状態を表示するための遊技状態表示部2maと、遊技を行うための操作部2mbとから構成されている。
上段の領域2uには、中央に演出表示装置10が設けられ、演出表示装置10の左右にはスピーカー14が設けられ、演出表示装置10およびスピーカー14の上方には、各種のランプ類12が設けられている。演出表示装置10は、いわゆる液晶表示装置によって構成されており、遊技の進行状況に合わせて種々の図柄を表示して演出を行うことが可能となっている。
前面扉2の中段に設けられた遊技状態表示部2maの中央には、大きな表示窓20が設けられており、内部に設けられた3つの回胴20a,20b,20cが回転する様子を視認可能となっている。また、表示窓20の下方には、貯留データとして貯留されている遊技メダルの枚数を表示する貯留枚数表示部23が設けられている。貯留枚数表示部23は、液晶表示器やセグメント表示器で構成されている。
前面扉2の中段下方に設けられた操作部2mbは、手前に向かって突出した形状に形成されており、上面には、遊技メダルを投入するための遊技メダル投入口30と、貯留データとして貯留されている遊技メダルを遊技に要する枚数(規定数)だけベット(規定の賭数を設定)するためのベットボタン34などが設けられている。遊技メダル投入口30には、遊技メダル投入口30への遊技メダルの投入を遊技者に促すためのインサートランプ(INランプ)30Lが設けられ、ベットボタン34の内部には、規定数の遊技メダルのベットを遊技者に促すためのベットボタンランプ34L(図4参照)が設けられている。ベットボタン34は光透過性の材料で形成されており、ベットボタンランプ34Lが点灯することにより、ベットボタン34が点灯される。また、操作部2mbの前面には、規定数の遊技メダルのベット後に回胴20a,20b,20cの回転を開始させるためのスタートレバー36と、3つの回胴20a,20b,20cの回転をそれぞれ停止させるための回胴停止ボタン38a,38b,38cなどが設けられている。スタートレバー36の左側(近傍)には、スタートレバー36の操作を遊技者に促すためのスタートランプ36Lが設けられている。また、操作部2mbには、上面に精算ボタン40が設けられている。精算ボタン40は、遊技機1の内部に貯留されている遊技メダルを外部に払い出す(精算する)際に操作されるボタンである。また、前面扉2の下段の領域2dには、遊技メダルが払い出される遊技メダル払出口50と、払い出された遊技メダルを受け止める受け皿52などが設けられている。
図2(a)は、前面扉2を開いて遊技機1の内部の構成を示した斜視図である。前面扉2の裏面側において、表示窓20の下方には、後述する扉基板240が設けられている。また、扉基板240の下方には、メダルセレクタ106が設けられている。図2(b)は、メダルセレクタ106の大まかな構造を示した説明図である。メダルセレクタ106内には遊技メダル投入口30から投入された遊技メダルの通路が形成されており、この通路の一部は底が抜けた状態となっている。この底が抜けた部分(底抜け部)には、L字型の部材で形成されたブロッカ106bが組み付けられている。ブロッカ106bは、ブロッカ用ソレノイド106m(図4参照)によって駆動されるものであり、ブロッカ用ソレノイド106mをONにすると(ブロッカ106bをONに設定すると)、ブロッカ106bが底抜け部にあてがわれた状態(底抜け部が閉鎖された状態)となる。ブロッカ106bがONに設定された状態では、遊技メダル投入口30から投入された遊技メダルは、底抜け部を閉鎖したブロッカ106bによって、底抜け部から落下することなく、その先に設けられたメダル検知センサ106sまで誘導され、メダル検知センサ106sによって検知される。そして、メダル検知センサ106sに検知されることで遊技メダルがベットまたは貯留される。すなわち、ブロッカ106bがONに設定された状態であれば、遊技メダル投入口30に投入された遊技メダルがベットまたは貯留されることから、この状態を「遊技メダルの投入が可能な状態」と表現することもできる。尚、メダル検知センサ106sに検知された遊技メダルは、その後、ホッパー116内に落下する。
これに対して、ブロッカ用ソレノイド106mをOFFにすると(ブロッカ106bをOFFに設定すると)、ブロッカ106bが底抜け部にあてがわれた状態は解消され、底抜け部が開放された状態となる。ブロッカ106bがOFFに設定された状態では、遊技メダル投入口30から投入された遊技メダルは、メダル検知センサ106sに検知される前に(ベットまたは貯留されることなく)底抜け部から落下する。すなわち、ブロッカ106bがOFFに設定された状態であれば、遊技メダル投入口30に投入された遊技メダルはベットも貯留もされないことから、この状態を「遊技メダルの投入が不能な状態」と表現することもできる。尚、底抜け部から落下した遊技メダルは、その下方に設けられたコインシュータ108を経由して、遊技メダル払出口50から受け皿52に排出される。
前面扉2が取り付けられる筐体3のほぼ中央には、3つの回胴20a,20b,20cが設けられており、各回胴の外周面には、後述するように複数種類の図柄が描かれている(配列されている)。これら回胴の上方には、遊技全体の制御を司る後述する主制御基板200が格納された主制御基板ユニット110が設けられており、回胴の背後には、各回胴を駆動するための後述する回胴基板260が格納された回胴基板ユニット112が設けられている。また、回胴の左方には、図1に示した演出表示装置10や、各種ランプ類12、スピーカー14などを用いて行われる各種演出の制御を司る後述するサブ制御基板220が格納されたサブ制御基板ユニット111が設けられている。
3つの回胴20a,20b,20cの下方には、リアスピーカー114が設けられ、更にその下方には、ホッパー116の他に、遊技メダルを払い出すメダル払出装置118、遊技機1全体に電源を供給するための後述する電源基板280が格納された電源ユニット120などが搭載されている。尚、メダル払出装置118から払い出される遊技メダルも、コインシュータ108を経由して、遊技メダル払出口50から受け皿52に排出される。
図3は、3つの回胴20a,20b,20cの外周面に描かれた図柄の配列を示す説明図である。各回胴の外周面は21コマの領域に区画されており、各コマに図柄が描かれている。そして、各回胴の図柄には、描かれた領域(コマ)に応じて1〜21の図柄番号が付されている。
図4は、本実施例の遊技機1の電気的構成を示す説明図である。図4に示すように、遊技機1には、主制御基板200を中心として、サブ制御基板220、扉基板240、回胴基板260、電源基板280、中継基板300等がデータを通信可能に接続されて構成されている。
主制御基板200は、遊技機1で行われる遊技全体の進行制御を司る基板である。この主制御基板200には、CPU201、ROM202、RAM203などがバスによって互いにデータを通信可能に接続されて搭載されており、前面扉2に搭載された扉基板240から、スタートレバー36や回胴停止ボタン38a,38b,38cが操作されたことを示す信号などを受け取って、後述する遊技制御処理を実行しながら、サブ制御基板220や、扉基板240、回胴基板260などに向かって制御コマンド(あるいは制御信号)を送信することにより、これら各種基板の動作を制御している。
サブ制御基板220は、上述した主制御基板200と同様に、CPU221や、ROM222、RAM223、演出用のデータを記憶する演出データROM224などがバスによって互いにデータを通信可能に接続されて構成されている。また、サブ制御基板220には、各種ランプ類12、各種スピーカー14,114、演出表示装置10、回胴バックライト20L、INランプ30L、ベットボタンランプ34L、スタートランプ36Lなどが接続されている。サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200から受け取った制御コマンドに基づき、各種ランプ類12、各種スピーカー14,114、演出表示装置10、回胴バックライト20L、INランプ30L、ベットボタンランプ34L、スタートランプ36Lにそれぞれ駆動信号を送信することにより、各種の演出を行っている。
扉基板240には、ベットボタン34や、スタートレバー36、回胴停止ボタン38a,38b,38c、精算ボタン40、ブロッカ用ソレノイド106m、メダル検知センサ106s、貯留枚数表示部23などが接続されている。また、この扉基板240は、前述した主制御基板200とデータを通信可能に接続されている。このため、前面扉2に設けられたスタートレバー36や、回胴停止ボタン38a,38b,38c、ベットボタン34、精算ボタン40などを操作すると、扉基板240を介して、その信号が主制御基板200に供給されるようになっている。また、メダルセレクタ106が内蔵するメダル検知センサ106sが遊技メダルを検知した信号も、扉基板240を介して主制御基板200に供給される。また、扉基板240は、主制御基板200から受け取った制御コマンドに基づき、ブロッカ用ソレノイドをONまたはOFFにすることでブロッカ106bをONまたはOFFに設定する。また、扉基板240は、主制御基板200から受け取った制御コマンドに基づき、貯留された遊技メダルの枚数を貯留枚数表示部23に表示する。
回胴基板260には、3つの回胴20a,20b,20cをそれぞれ回転させるための回胴モータ24a,24b,24cと、それぞれの回胴の回転位置を検出するための回胴センサ26a,26b,26cなどが接続されている。回胴基板260は、回胴センサ26a,26b,26cによって、各回胴20a,20b,20cの回転位置を検出しながら、回胴モータ24a,24b,24cを駆動することにより、それぞれの回胴20a,20b,20cを、所望の位置で停止させることが可能となっている。
また、メダル払出装置118は、中継基板300を介して、主制御基板200に接続されており、主制御基板200からの制御信号に基づいて、所定枚数の遊技メダルを払い出す動作を行う。
これら各種制御基板および各種基板で消費される電力は、電源基板280から供給されている。図4では、電源基板280から電力が供給される様子を破線の矢印で表している。図示されているように、主制御基板200およびサブ制御基板220には、電源基板280から直接電力が供給されており、各種基板(扉基板240、回胴基板260、中継基板300)には、主制御基板200を介して電力が供給されている。
B.遊技の概要 :
以下では、上記の構成を有する遊技機1において、遊技を進行するために行われる制御の内容について説明するが、その準備として、遊技機1で行われる遊技の概要を説明しておく。
遊技を開始するにあたっては、遊技メダル投入口30から遊技メダルを投入して、遊技を開始するのに必要な枚数(規定数)の遊技メダルのベットを行う。本実施例の遊技機1では、規定数は「3枚」に固定されており、3枚の遊技メダルをベットすると、スタートレバー36の操作が有効化される。また、規定数の遊技メダルが既にベットされている状況下で、遊技メダルが遊技メダル投入口30から投入されると、該遊技メダルは貯留データとして貯留される。そして、遊技メダルが貯留データとして貯留されている場合は、ベットボタン34を押すことによって規定数の遊技メダルをベットすることが可能である。
規定数の遊技メダルをベットして、スタートレバー36を操作すると(開始操作に基づいて)、3つの回胴20a,20b,20cが回転を開始する。図3を用いて前述したように、各回胴には複数の図柄が描かれているため、回胴が回転すると、表示窓20では、これら図柄が変動表示されることになる。また、図1を用いて前述したように、前面扉2の前面側には、各回胴に対応して3つの回胴停止ボタン38a,38b,38cが設けられている。回胴20a,20b,20cの回転中に回胴停止ボタン38a,38b,38cが操作されると(停止操作に基づいて)、操作された回胴停止ボタンに対応する回胴が回転を停止し、これに伴って、表示窓20では、変動表示されていた図柄が何れかの図柄で停止表示される。このようにして、3つの回胴20a,20b,20cの回転を停止させると、それぞれの回胴で何れかの図柄が停止表示される。本実施例の遊技機1では、表示窓20の大きさは、各回胴あたり3つずつの図柄が表示されるような大きさに設定されている。結局、3つの回胴20a,20b,20cが停止表示されると、表示窓20には、3行3列の合計9つの図柄が表示されるようになる。また、これら9つの図柄が表示される位置には、複数本の入賞ラインが予め設定されている。
図1には、本実施例の遊技機1に設定されている入賞ラインL1〜L5が示されている。図示されているように、本実施例の遊技機1では、上段のラインL1と、中段のラインL2と、下段のラインL3と、右斜め上方向きのラインL4と、右斜め下方向きのラインL5の合計5本のラインが入賞ラインとして(入賞ラインL1〜L5として)設定されている。そして、3つの回胴20a,20b,20cが停止すると、これらの入賞ライン上には、何らかの図柄組合せが得られることになる。そして、入賞ライン上に揃った図柄組合せが、何れかの遊技役に対応する図柄組合せであった場合には、その遊技役の入賞が成立し、遊技役に応じた特典が遊技者に付与される。
図5は、本実施例の遊技機1に設定されている遊技役の種類を、その遊技役の入賞を成立させる図柄組合せ、および遊技役の入賞が成立したときに遊技者に付与される特典と対応付けて示した説明図である。図5では、左端の欄に遊技役の種類が表示され、中央の欄には遊技役の入賞を成立させる図柄組合せが表示され、右端の欄には遊技役の入賞が成立したときに遊技者に付与される特典が表示されている。例えば、最上部に示した再遊技役A(通常のリプレイ結果)と呼ばれる遊技役には、3つの回胴20a,20b,20cが何れも「リプレイ」の図柄で揃った図柄組合せ(通常のリプレイ図柄組合せ、以下「リプレイ揃い」ともいう)が対応付けられており、再遊技役B(第1の特殊なリプレイ結果)と呼ばれる遊技役には、左回胴20aが「ベル」の図柄で、中回胴20bおよび右回胴20cが「リプレイ」の図柄である図柄組合せ(第1の特殊なリプレイ図柄組合せ、以下「ベル−リプレイ−リプレイ」ともいう)が対応付けられており、再遊技役C(第2の特殊なリプレイ結果)と呼ばれる遊技役には、3つの回胴20a,20b,20cが何れも「赤7」の図柄で揃った図柄組合せ(第2の特殊なリプレイ図柄組合せ、以下「赤7揃い」ともいう)が対応付けられている。以下では、再遊技役A,再遊技役B,再遊技役Cを特に区別しない場合は単に「再遊技役」と表記する。これら再遊技役の入賞成立に対する特典としては、新たに遊技メダルをベットすることなく、もう一度、遊技を行う権利が付与される(自動的に遊技メダルがベットされる)。すなわち、再遊技役が入賞成立すると(リプレイ結果が導出されると)、次の遊技では、遊技メダルがベットされたものとして、遊技を行うことが可能となる(再遊技を行うことが可能となる)。
また、ベル役という遊技役には、3つの回胴20a,20b,20cが何れも「ベル」の図柄で揃った図柄組合せが対応付けられており、ベル役の入賞成立に対する特典としては、15枚の遊技メダルが遊技者に付与されるように設定されている。次に、スイカ役という遊技役には、3つの回胴20a,20b,20cが何れも「スイカ」の図柄で揃った図柄組合せが対応付けられており、このスイカ役の成立に対する特典としては、10枚の遊技メダルが遊技者に付与されるように設定されている。また、チェリー役という遊技役には、左回胴20aが「チェリー」の図柄であれば、中回胴20bおよび右回胴20cの図柄はどのような図柄であっても構わない図柄組合せが設定されており、チェリー役の入賞成立に対する特典としては、2枚の遊技メダルが付与されるように設定されている。さらに、一枚役Aという遊技役には、左回胴20aおよび右回胴20cが「リプレイ」の図柄で、中回胴20bが「ベル」の図柄である図柄組合せが対応付けられており、一枚役Bという遊技役には、左回胴20aが「リプレイ」の図柄で、中回胴20bおよび右回胴20cが「ベル」の図柄である図柄組合せが対応付けられており、一枚役Cという遊技役には、左回胴20aおよび中回胴20bが「ベル」の図柄で、右回胴20cが「リプレイ」の図柄である図柄組合せが対応付けられており、一枚役Dという遊技役には、左回胴20aおよび右回胴20cが「ベル」の図柄で、中回胴20bが「リプレイ」の図柄である図柄組合せが対応付けられている。以下では、一枚役A,一枚役B,一枚役C,一枚役Dを特に区別しない場合は単に「一枚役」と表記する。これら一枚役の入賞成立に対する特典としては、1枚の遊技メダルが付与されるように設定されている。
もちろん、回胴20a,20b,20cが停止されたときに、図5に示した何れかの遊技役が必ず入賞成立するとは限らない。何れの遊技役も入賞成立しない場合は、再び規定数の遊技メダルをベットした後、スタートレバー36を操作して回胴を回転させることによって、次回の遊技を行う。本実施例の遊技機1では、こうした操作を繰り返し行うことによって遊技が進行する。そして、こうした遊技の進行は、主制御基板200に搭載されたCPU201によって制御されている。以下では、主制御基板200のCPU201が遊技の進行を制御するために行っている遊技制御処理について説明する。尚、本明細書では、スタートレバー36の操作を受けて回胴20a,20b,20cを回転させた後(複数の図柄を変動表示させて)、回胴停止ボタン38a,38b,38cの操作を受けて回胴20a,20b,20cの回転を停止させる(複数の図柄を停止表示させる)遊技を「図柄変動遊技」ともいう。
C.遊技制御処理 :
図6および図7は、本実施例の遊技機1において主制御基板200のCPU201が遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理を示すフローチャートである。この遊技制御処理は、遊技機1に電源が入れられて、更に主制御基板200や、サブ制御基板220に搭載されたROMのチェックサムなどの初期化処理が行われた後に実行される処理であり、所定時間毎のタイマ割り込み(例えば4msec毎)に基づいて実行されている。
図6に示すように、遊技制御処理を開始すると、主制御基板200のCPU201は先ず「ベット関連処理」を行う(S100)。本実施例の遊技機1は、遊技メダルの投入が可能な状態で(ブロッカ106bがONに設定されている状態で)遊技メダル投入口30から遊技メダルが投入されると、遊技メダルがベットされる(第1の賭数設定手段)。また、遊技メダルが貯留データとして貯留(記憶)されている状態でベットボタン34が操作されると、遊技メダルがベットされる。詳しくは後述するが、ベット関連処理では、このような遊技メダルのベットに関連する処理を行う。
ベット関連処理を行ったら(S100)、「精算関連処理」を行う(S104)。本実施例の遊技機1では、精算ボタン40が操作されると(精算操作が行われると)、ベットまたは貯留されている遊技メダルを精算する(精算手段)。詳しくは後述するが、精算関連処理では、このような遊技メダルの精算に関連する処理を行う。
精算関連処理を行ったら(S104)、何れかのベット済フラグがONに設定されているか否かを判断する(S106)。ベット済フラグは、規定数の遊技メダルがベットされていることを示すフラグである。詳しくは後述するが、本実施例の遊技機1では、ベット済フラグとして、通常のベット(遊技メダルの投入またはベットボタン34の操作によるベット)により規定数の遊技メダルがベットされていることを示す「ベット済フラグT」,再遊技役Aの入賞成立により規定数の遊技メダルがベットされていることを示す「ベット済フラグA」,再遊技役Bの入賞成立により規定数の遊技メダルがベットされていることを示す「ベット済フラグB」,再遊技役Cの入賞成立により規定数の遊技メダルがベットされていることを示す「ベット済フラグC」が設定されている。S106の判断処理では、これらのフラグのうち何れかがONに設定されているか否かが判断される。そして、何れのベット済フラグもONに設定されていない場合、すなわち、規定数の遊技メダルが未だベットされていない場合は(S106:no)、上述したベット関連処理(S100),精算関連処理(S104)を繰り返す。
これに対して、何れかのベット済フラグがONに設定されている場合、すなわち、規定数の遊技メダルがベットされている場合は(S106:yes)、スタートレバー36が操作されたか否かを判断する(S108)。その結果、スタートレバー36が操作されていない場合は(S108:no)、上述したベット関連処理(S100),精算関連処理(S104),ベット済フラグの状態を判断する処理(S106)を繰り返しながら、スタートレバー36が操作されるまで待機する。そして、スタートレバー36が操作されたら(S108:yes)、先ず、ONに設定されているベット済フラグをOFFに設定する(S110)。すなわち、スタートレバー36が操作されることで、ベットされていた遊技メダルが消化されて図柄変動遊技が開始されるので(図柄変動遊技に供されるので)、遊技メダルがベットされた状態を解消すべくONに設定されているベット済フラグをOFFに設定する。
ベット済フラグをOFFに設定したら(S110)、スタートランプ36Lの消灯を指示するスタートランプ消灯コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S118)。すなわち、図柄変動遊技が開始可能な状態(規定数の遊技メダルがベットされた状態)においてスタートレバー36の操作が行われるまでは、スタートレバー36の操作を促すべくスタートランプ36Lが点灯している。そこで、S118の処理では、スタートレバー36が操作されたことで、スタートレバー36の操作を促す必要がなくなったので、スタートランプ消灯コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する。サブ制御基板220のCPU221は、スタートランプ消灯コマンドを受信すると、スタートランプ36Lを消灯する。
続いて、ブロッカ106bがONに設定されているか否かを判断する(S124)。図2を用いて前述したように、メダルセレクタ106のブロッカ106bがONに設定されている状態では、遊技メダル投入口30からの遊技メダルの投入が可能であり(メダル検知センサ106sに遊技メダルが検知され)、ブロッカ106bがOFFに設定されている状態では、遊技メダルの投入が不能である(メダル検知センサ106sの検知される前に遊技メダルが返却される)。そして、詳しくは後述するが、本実施例の遊技機1では、図柄変動遊技中でなくても、ブロッカ106bがOFFに設定されている(遊技メダルの投入が不能である)場合がある。そこで、S124の判断処理では、ブロッカ106bがONに設定されているか否かを判断し(S124)、ブロッカ106bがONに設定されている場合は(S124:yes)、遊技メダルの投入を不能とすべくブロッカ106bをOFFに設定する(S126)。すなわち、本実施例の遊技機1では、図柄変動遊技中における遊技メダルの投入を不能とすべく、図柄変動遊技の開始に伴いブロッカ106bをOFFに設定する。そして、INランプ30Lの消灯を指示するINランプ消灯コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S128)。サブ制御基板220のCPU221は、INランプ消灯コマンドを受信すると、INランプ30Lを消灯する。つまり、INランプ30Lは遊技メダルの投入を促すものであって、ブロッカ106bのON/OFF(遊技メダルの投入可能/投入不能)に連動して、点灯/消灯する。したがって、S128の処理では、ブロッカ106bがOFFに設定されることに伴い、INランプ30Lを消灯する。尚、ブロッカ106bがOFFに設定されていれば(S124:no)、INランプ30Lも消灯中であり、ブロッカ106bをOFFに設定する処理や、INランプ30Lを消灯する処理は必要ないので、S126,S128の処理は省略する。
続いて、内部抽選処理を行う(S140)。内部抽選処理では、図5を用いて前述した遊技役の何れかの入賞成立を許容するか否かを、抽選によって決定する処理を行う(役抽選手段)。ただし、この抽選で何れかの遊技役に当選した(入賞成立が許容された)としても、直ちに遊技役の入賞が成立するわけではなく、所定のタイミングで回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作することにより、当選した遊技役に対応する図柄組合せを入賞ライン上に揃えなければ遊技役の入賞を成立させることはできない。また逆に、抽選で当選した遊技役でなければ、どのようなタイミングで回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作したとしても、入賞ライン上に対応する図柄組合せを揃えることはできない。その意味で、この抽選は、図柄組合せを揃えて遊技役の入賞を成立させるための前提条件として、内部的に行われる抽選であることから「内部抽選」と呼ばれている。また、内部抽選において所定の遊技役に当選することを該遊技役に「内部当選する」とも表現する。また、内部抽選に当選した状態を「内部当選状態」とも表現する。
この内部抽選は、役抽選テーブルと呼ばれる専用のテーブルを用いて行われており、この役抽選テーブルには、遊技役と内部抽選用乱数値との対応関係が設定されている。ここで内部抽選用乱数値とは、主制御基板200のCPU201がスタートレバー36の操作信号を受け取ったときに取得する乱数の値である。本実施例の遊技機1では、内部抽選用乱数値は2バイトデータとなっており、0〜65535の範囲の乱数値を取ることが可能である。
図8は、役抽選テーブルの例を概念的に示した説明図である。図8(a)には、各遊技役に対して割り当てられた乱数値の範囲が示されている。また、図8(b)には、各遊技役に割り当てられた乱数値の範囲の大まかな比率が模式的に示されている。図示した役抽選テーブルでは、「ベル役」に対しては0〜19999の乱数値が設定されている。これは、取得した乱数値がこの範囲にあった場合には、ベル役に内部当選することを表している。
また、「一枚役A」に対しては0〜4999の乱数値が設定され、「一枚役B」に対しては5000〜9999の乱数値が設定され、「一枚役C」に対しては10000〜14999の乱数値が設定され、「一枚役D」に対しては15000〜19999の乱数値が設定されている。続いて、「スイカ役」には20000〜21999の乱数値が設定され、「チェリー役」には22000〜23999の乱数値が設定されている。さらに、「再遊技役A」には24000〜33999の乱数値が設定され、「再遊技役B」には34000〜43999の乱数値が設定され、「再遊技役C」には33500〜34499の乱数値が設定されている。尚、44000〜65535の乱数値には、何れの遊技役も設定されておらず、従って、取得した乱数値がこの範囲にあった場合は「ハズレ」となる。
ここで、0〜19999の乱数値に注目すると、「ベル役」および「一枚役A〜D」のが設定されている。これは、取得した乱数値がこの範囲にあった場合には、2つの遊技役に重複して内部当選することを表している。すなわち、0〜4999の乱数値を取得した場合はベル役と一枚役Aとが重複して内部当選する。同様に、5000〜9999の乱数値を取得した場合はベル役と一枚役Bとが重複して内部当選し、10000〜14999の乱数値を取得した場合はベル役と一枚役Cとが重複して内部当選し、15000〜19999の乱数値を取得した場合はベル役と一枚役Dとが重複して内部当選する。また、本実施例の遊技機1では、「ベル役」が一枚役A〜Dの何れと重複して内部当選するかによって、ベル役に対応付けられている図柄組合せ(3つの回胴20a,20b,20cが「ベル」の図柄で揃った図柄組合せ)を停止表示させるための回胴停止ボタン38a,38b,38cの操作順序が異なることとされている。
図9は、ベル役と重複して内部当選している一枚役(A〜D)に応じて、ベル役を成立させるための操作順序を示した説明図である。一枚役Aと重複当選している場合には、最初に中央の回胴停止ボタン(中停止ボタン)38b、2番目に左側の回胴停止ボタン(左停止ボタン)38a、3番目に右側の回胴停止ボタン(右停止ボタン)38cの操作順序(以下、このような操作順序を「中→左→右」と表記する)が設定されている。同様に、一枚役Bと重複当選している場合には「中→右→左」の操作順序が設定されており、一枚役Cと重複当選している場合には「右→左→中」の操作順序が設定されており、一枚役Dと重複当選している場合には「右→中→左」の操作順序が設定されている。このようにベル役には、重複当選している一枚役の種類によって、左停止ボタン38a以外の回胴停止ボタンから始まる操作順序が互いに異ならせて設定されている。
本実施例の遊技機1では、図9に示したベル役の内部当選態様(重複当選している一枚役の種類)に対応する操作順序で回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作しない限り、ベル役の図柄組合せが入賞ライン上に揃わない(ベル役が成立しない)ようになっている。そして、ベル役の内部当選態様に対応する操作順序とは異なる操作順序で回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作した場合は、重複して内部当選している一枚役(A〜D)が成立するようになっている。
また、図8において、33500〜33999の乱数値に注目すると、「再遊技役A」および「再遊技役C」の2つの遊技役が設定されており、この範囲の乱数値を取得した場合は「再遊技役A」と「再遊技役C」に重複して内部当選する。本実施例の遊技機1では、「再遊技役A」と「再遊技役C」に重複して内部当選した場合に、3つの回胴停止ボタン38a,38b,38cを、「右→中→左」の操作順序で操作(以下「逆押し」ともいう)すると、「赤7揃い」を停止表示させて再遊技役Cを入賞成立させることが可能であり、それ以外の操作順序では、「リプレイ揃い」が停止表示されて再遊技役Aが入賞成立する。また、34000〜34499の乱数値に注目すると、「再遊技役B」および「再遊技役C」の2つの遊技役が設定されており、この範囲の乱数値を取得した場合は「再遊技役B」と「再遊技役C」に重複して内部当選する。本実施例の遊技機1では、「再遊技役B」と「再遊技役C」に重複して内部当選した場合に、3つの回胴停止ボタン38a,38b,38cを、「右→中→左」の操作順序で操作(逆押し)すると、「赤7揃い」を停止表示させて再遊技役Cを入賞成立させることが可能であり、それ以外の操作順序では、「ベル−リプレイ−リプレイ」が停止表示されて再遊技役Bが入賞成立する。
内部抽選処理(S140)では、スタートレバー36が操作されたことを検出して内部抽選用乱数値を取得するとともに、役抽選テーブルを参照することにより、何れの遊技役に内部当選したか、若しくは何れの遊技役にも内部当選しなかったかを判断する。そして、何れかの遊技役に内部当選したら、遊技役毎に設けられた内部当選フラグのうち、当選した遊技役に対応する内部当選フラグをONに設定する。内部当選フラグは、内部抽選の結果を記憶しておくために用いられるフラグである。
こうして、内部抽選処理を行ったら(S140)、主制御基板200のCPU201は、サブ制御基板220に対して内部抽選結果伝達コマンドを送信する(S142)。内部抽選結果伝達コマンドには、先の内部抽選処理(S140)で行われた内部抽選において遊技役に当選したか否かを示す情報や、当選している場合にはその遊技役の種類(内部抽選結果)を示す情報が含まれており、これらの情報に基づき、サブ制御基板220のCPU221の制御下で各種の処理が行われる。
内部抽選結果伝達コマンドをサブ制御基板220に向けて送信したら(S142)、回胴回転始動処理を開始する(S144)。回胴回転始動処理では、所定の条件が満足されているか否かを判断して、該条件が満たされている場合は、3つの回胴20a,20b,20cを回転させる処理を行う。本実施例の回胴回転始動処理では、スタートレバー36が操作され、且つ、前回に回胴20a,20b,20cの回転が開始されてから所定時間(例えば、4.1秒)を経過した場合に回胴の回転を開始させる。回胴20a,20b,20cの回転は、各回胴20a,20b,20cの各々に設けられた回胴モータ24a,24b,24cに対して駆動信号を出力することによって行われる。
こうして3つの回胴20a,20b,20cを回転させたら、回胴の回転を停止させるための処理(回胴回転停止処理)を行う(S146)。回胴回転停止処理では、先に行われた内部抽選の結果(S140)や、回胴停止ボタン38a,38b,38cが操作されたタイミング、回胴停止ボタン38a,38b,38cの操作順序に基づいて、3つの回胴20a,20b,20cのそれぞれの停止位置を決定し、決定した位置で停止させる処理を行う。すなわち、何れの遊技役にも内部当選していない場合は、何れの遊技役も入賞成立させないように回胴20a,20b,20cを停止させる。また、チェリー役またはスイカ役に内部当選している場合は、回胴停止ボタンの操作タイミングが所定のタイミングである場合にのみチェリー役またはスイカ役が入賞成立するように回胴20a,20b,20cを停止させる。また、ベル役に内部当選している場合は、重複して当選している一枚役に対応する操作順序で回胴停止ボタンが操作されたら、ベル役が入賞成立するように回胴20a,20b,20cを停止させ、それ以外の操作順序であれば重複して当選している一枚役が入賞成立するように回胴20a,20b,20cを停止させる。また、再遊技役Aに内部当選している場合は、再遊技役Cと重複していなければ、再遊技役Aが入賞成立するように回胴20a,20b,20cを停止させる。また、再遊技役Aと再遊技役Cが重複して内部当選している場合は、所定のタイミングで逆押しされれば、再遊技役Cが入賞成立するように回胴20a,20b,20cを停止させ、それ以外は再遊技役Aが入賞成立するように回胴20a,20b,20cを停止させる。また、再遊技役Bに内部当選している場合は、再遊技役Cと重複していなければ、再遊技役Bが入賞成立するように回胴20a,20b,20cを停止させる。また、再遊技役Bと再遊技役Cが重複して内部当選している場合は、所定のタイミングで逆押しされれば、再遊技役Cが入賞成立するように回胴20a,20b,20cを停止させ、それ以外は再遊技役Bが入賞成立するように回胴20a,20b,20cを停止させる。
主制御基板200のCPU201は、3つの回胴20a,20b,20cを停止させると(S146)、その停止位置に基づいて何れかの遊技役の入賞が成立したか否かを判断する(図7のS148)。上述したように、内部抽選処理(S140)で何れかの遊技役に内部当選していても、回胴停止ボタン38a,38b,38cを押すタイミングや操作順序によっては、その遊技役に対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃うとは限らない。そこで、主制御基板200は、回胴の回転を停止させた後、内部抽選で当選した遊技役の入賞が成立しているか否かを判断する。
尚、図柄変動遊技において何れかの遊技役に内部当選した場合は、その図柄変動遊技で当選した遊技役に対応する図柄組合せを入賞ライン上に停止表示させることができなければ、その内部当選は次回の図柄変動遊技以降に持ち越されることなくリセットされてしまう。
S148の判断処理の結果、何れかの遊技役が入賞成立したと判断された場合は(S148:yes)、入賞の成立した遊技役が再遊技役(再遊技役A〜Cの何れか)であるか否かを判断する(S150)。そして、再遊技役A〜Cの何れかが入賞成立している場合は(S150:yes)、入賞の成立した遊技役が再遊技役(再遊技役A〜Cの何れか)であるか否かを判断する(S150)。そして、再遊技役A〜Cの何れかが入賞成立している場合は(S150:yes)、ベット済フラグA〜Cのうち、今回入賞成立した再遊技役に対応するベット済フラグをONに設定する(S170)。本実施例の遊技機1では、再遊技役A〜Cの何れかの入賞が成立すると、遊技者が新たに遊技メダルをベットせずとも、自動的に規定数の遊技メダルがベットされて図柄変動遊技を行うことが可能となる(再遊技が可能となる)。そこで、S170の処理では、再遊技役の入賞が成立したことを受けて、規定数の遊技メダルがベットされた状態とすべく、入賞成立した再遊技役A〜Cに対応するベット済フラグA〜CをONに設定する(第2の賭数設定手段)。尚、以下では、遊技者が新たに遊技メダルをベットせずとも自動的に規定数の遊技メダルがベットされることを「自動ベット」ともいう。
こうして、自動ベットを行ったら(S170)、3枚ベット音(自動ベット音)出力コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S174)。本実施例の遊技機1では、1枚の遊技メダルがベットされる毎にベット音を1回出力する。S174の処理では、規定数(3枚)の遊技メダルがベット(自動ベット)されたことを受けて、3回のベット音出力を指示する3枚ベット音(自動ベット音)出力コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する。サブ制御基板220のCPU221は、3枚ベット音出力コマンドを受信すると、スピーカー14からベット音を3回出力する。
続いて、遊技終了コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S176)。遊技終了コマンドは、1回の図柄変動遊技が終了するたびに送信されるコマンドである。サブ制御基板220のCPU221は、遊技終了コマンドを受信することによって、1回の図柄変動遊技が終了したことを検出する。また、遊技終了コマンドには、今回の遊技で何れかの遊技役が入賞成立したか否かを示す情報や、入賞成立した遊技役の種類(入賞結果)を示す情報、所定のラインに停止表示された図柄組合せ(停止表示結果)を示す情報、今回の図柄変動遊技における回胴停止ボタン38a,38b,38cの操作順序を示す情報などが含まれている。従って、サブ制御基板220のCPU221は、遊技終了コマンドを受信することによって、1回の図柄変動遊技が終了したことだけでなく、該図柄変動遊技における「入賞結果」「停止表示結果」等も検出する。続いて、「投入準備処理」を行う(S180)。投入準備処理では、遊技メダルのベットまたは貯留のための準備処理が行われる。投入準備処理を行ったら(S180)、遊技制御処理の先頭に戻って、上述したベット関連処理(図6のS100)以降の処理を行う。
これに対して、入賞の成立した遊技役が再遊技役でない場合は(S150:no)、何れかの遊技役の入賞が成立していることから(S148:yes)、再遊技役とは異なる遊技役が入賞成立したと判断される。そして、入賞の成立した遊技役に応じた枚数の遊技メダルを遊技者に付与する処理(メダル付与処理)を行う(S158)。ここで、本実施例の遊技機1は、ベットされている遊技メダルとは別に、遊技メダル投入口30に投入された(メダル検知センサ106sに検知された)遊技メダルを50枚(上限値)まで貯留データ(クレジットデータ)として貯留(記憶)できる。この貯留データは、貯留カウンタの値として記憶される。そこで、S158のメダル付与処理では、入賞成立した遊技役に特典として設定された遊技メダルの枚数(図5参照)を、貯留カウンタの値が「50(上限値)」に達するまで貯留カウンタの値に加算し、貯留カウンタの値が上限値に達したら、該上限値を超えた分を遊技メダル払出口50から払い出す処理を行う。遊技メダルを払い出す処理は、主制御基板200のCPU201が払い出すべき遊技メダルの枚数を決定した後、その遊技メダルの払い出しを行うための制御信号をメダル払出装置118に対して送信することによって行われる。
こうしてメダル付与処理を行ったら(S158)、サブ制御基板220に向けて遊技終了コマンドを送信し(S176)、投入準備処理を行った後(S180)、上述したベット関連処理(図6のS100)以降の処理を行う。尚、貯留カウンタの値、すなわち、貯留されている遊技メダルの枚数は、貯留枚数表示部23に表示される。一方、S148の判断処理で、何れの遊技役の入賞も成立していないと判断された場合も(S148:no)、サブ制御基板220に向けて遊技終了コマンドを送信し(S176)、投入準備処理を行った後(S180)、上述したベット関連処理(図6のS100)以降の処理を行う。尚、図柄変動遊技の結果、何れの遊技役も入賞成立しなかった(ハズレの)状態、および、再遊技役以外の遊技役が入賞成立した状態では、遊技メダルが自動ベットされない。
C−1.投入準備処理 :
図10は、投入準備処理を示すフローチャートである。図7を用いて前述したように、投入準備処理は、図柄変動遊技の終了に伴って実行される(図7のS180)。
投入準備処理を開始すると、主制御基板200のCPU201は先ず、ベット済フラグA〜Cの何れかがONに設定されているか否か、すなわち、今回終了した図柄変動遊技で再遊技役A〜Cの何れかが入賞成立したか否かを判断する(S202)。その結果、再遊技役A〜Cの何れも入賞成立していない場合(S202:no)、すなわち、今回終了した図柄変動遊技で再遊技役以外の遊技役が入賞成立した場合、または、何れの遊技役にも入賞成立しなかった(ハズレの)場合は、次回の遊技メダルのベットに備えて遊技メダルの投入を可能にすべく、ブロッカ106bをONに設定する(S204)。併せて、遊技メダル投入口30への遊技メダルの投入を促すべく、INランプ30Lの点灯を指示するINランプ点灯コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S206)。サブ制御基板220のCPU221は、INランプ点灯コマンドを受信すると、INランプ30Lを点灯する。続いて、貯留カウンタの値が0より大きいか否か、すなわち、1枚以上の遊技メダルが貯留されているか否かを判断する(S208)。その結果、1枚以上の遊技メダルが貯留されている場合は(S208:yes)、ベットボタン34(ベットボタンランプ34L)の点灯を指示するベットボタン点灯コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S210)。サブ制御基板220のCPU221は、ベットボタン点灯コマンドを受信すると、ベットボタン34を点灯する。詳しくは後述するが、本実施例の遊技機1では、遊技メダルが貯留されている場合は、ベットボタン34を操作することによって該遊技メダルのベットが可能である。そこで、1枚以上の遊技メダルが貯留されている場合は、ベットボタン34の操作を促すべくベットボタン34を点灯する。そして、図10に示す投入準備処理を終了して、図6および図7に示す遊技制御処理に復帰する。これに対して、遊技メダルが1枚も貯留されていない場合は(S208:no)、ベットボタン34を操作しても遊技メダルのベットは行われないので、ベットボタン34を消灯したままとする(S210の処理を省略する)。
一方、S200の処理で、再遊技役A〜Cの何れかが入賞成立したと判断された場合は(S200:yes)、スタートランプ36Lの点灯を指示するスタートランプ点灯コマンドをサブ制御基板220に送信する(S212)。サブ制御基板220のCPU221は、スタートランプ点灯コマンドを受信すると、スタートランプ36Lを点灯する。すなわち、再遊技役A〜Cの入賞成立により自動ベットされることで図柄変動遊技が開始可能となったので、遊技者にスタートレバー36の操作を促すべくスタートランプ36Lを点灯する。続いて、貯留カウンタの値が「50」であるか否か、すなわち、上限値である50枚の遊技メダルが貯留データとして貯留(記憶)されているか否かを判断する(S220)。その結果、貯留された遊技メダルが未だ50枚(上限値)に達していなければ(S220:no)、遊技メダルを投入可能な状態とすべくブロッカ106bをONに設定する(S222)。すなわち、貯留された遊技メダルが上限値である50枚に達していなければ、更に遊技メダルを貯留することが可能であるので、遊技メダルの投入を可能とすべくブロッカ106bをONに設定する。そして、遊技メダル投入口30への遊技メダルの投入を促すべく、INランプ30Lの点灯を指示するINランプ点灯コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する。これに対して、貯留された遊技メダルが既に50枚(上限値)に達している場合は(S220:yes)、更に遊技メダルを貯留することができず、且つ、再遊技役A〜Cの何れかの入賞成立により自動ベットされているため、遊技メダルの投入が不能な状態のまま(ブロッカ106bをOFFに設定したまま)とすると共にINランプ30Lを消灯したままとする(S222、S224の処理を省略する)。その後、図10に示す投入準備処理を終了して、図6および図7に示す遊技制御処理に復帰する。
以上のように、本実施例の遊技機1では、再遊技役A〜Cの何れかが入賞成立した場合は、規定数の遊技メダルが自動的にベットされる(自動ベットされる)と共に自動ベット音が3回出力され、スタートランプ36Lが点灯される。また、遊技メダルの貯留数が50枚(上限値)でなければ、遊技メダルの投入(貯留)が可能な状態とする(ブロッカ106bをONに設定する)と共に遊技メダルの投入を促すINランプ30Lを点灯する。尚、再遊技役A〜Cの何れかが入賞成立した場合は遊技メダルが自動ベットされるので、遊技メダルのベット(ベットボタン34の操作)を促す必要はない。したがって、ベットボタン34(ベットボタンランプ34L)は消灯したままにする。
C−2.ベット関連処理 :
図11は、ベット関連処理を示すフローチャートである。図6を用いて前述したように、ベット関連処理は、主制御基板200のCPU201によって、遊技制御処理の中で最初に実行される(図6のS100)。
ベット関連処理を開始すると、主制御基板200のCPU201は先ず、メダル検知センサ106sが遊技メダルを検知したか否か、すなわち、遊技メダルの投入が可能な状態にて遊技メダル投入口30に遊技メダルが投入されたか否かを判断する(S400)。その結果、遊技メダルが検知された場合は(S400:yes)、何れかのベット済フラグがONに設定されているか否か、すなわち、規定数の遊技メダルがベットされているか否かを判断する(S402)。その結果、未だ規定数の遊技メダルがベットされていない場合は(S402:no)、ベットカウンタの値に「1」を加算する(S404)。ベットカウンタは、ベットされた遊技メダルの枚数(ベット数)を計数するためのカウンタである。前述したように、本実施例の遊技機1では、規定数として3枚の遊技メダルがベット可能であるので、ベットカウンタはベットされた遊技メダルの枚数を「3」まで計数する。
ベットカウンタの値に「1」を加算したら(S404)、1枚の遊技メダルがベットされたことを受けて、1回のベット音出力を指示する1枚ベット音出力コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する。サブ制御基板220のCPU221は、1枚ベット音出力コマンドを受信すると、スピーカー14からベット音を1回出力する。続いて、S404の処理でベットカウンタの値に「1」を加算した結果(投入により遊技メダルがベットされた結果)、ベットカウンタの値が「3」に達したか否か、すなわち、規定数の遊技メダルがベットされたか否かを判断する(S408)。そして、規定数の遊技メダルがベットされた場合は(S408:yes)、通常のベット(ここでは遊技メダルの投入によるベット)により規定数の遊技メダルがベットされたことを示すベット済フラグTをONに設定する(S410)。
続いて、ベットボタン34(ベットボタンランプ34L)が点灯しているか否かを判断する(S411)。すなわち、本実施例の遊技機1では、ベットボタン34の操作により遊技メダルのベットが可能な状態ではベットボタン34が点灯している(図10のS210の処理参照)。そこで、ベットボタン34が点灯している場合は(S411:yes)、規定数の遊技メダルが今回ベットされたことにより、ベットボタン34の操作を促す必要がなくなったので、ベットボタン34を消灯すべくベットボタン消灯コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S412)。サブ制御基板220のCPU221は、ベットボタン消灯コマンドを受信すると、ベットボタン34を消灯する。
続いて、規定数の遊技メダルがベットされたことでスタートレバー36の操作(図柄変動遊技の開始)が可能となったので、スタートランプ36Lを点灯すべくスタートランプ点灯コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S413)。そして、次回のベット数の計数に備えてベットカウンタの値を「0」に戻す(S414)。その後、図11に示すベット関連処理を終了して、図6および図7に示す遊技制御処理に復帰する。これに対して、ベットカウンタに「1」を加算したものの(投入により遊技メダルがベットされたものの)ベットカウンタの値が「3」に達していない場合、すなわち、ベットされた遊技メダルが未だ規定数に達していない場合は(S408:no)、そのまま図11に示すベット関連処理を終了して、図6および図7に示す遊技制御処理に復帰する。
一方、メダル検知センサ106sに遊技メダルが検知されたものの(遊技メダルの投入が可能な状態にて遊技メダル投入口30に遊技メダルが投入されたものの)、既に規定数の遊技メダルがベットされている場合は(S402:yes)、遊技メダルの貯留数を1枚増やすべく貯留カウンタの値に「1」を加算する(S416)(貯留データ記憶手段)。そして、貯留カウンタの値に「1」を加算した結果(S416)、貯留カウンタの値が「50」に達したか否か、すなわち、遊技メダルの貯留数が50枚(上限値)に達したか否かを判断する(S418)。その結果、遊技メダルの貯留数が50枚に達した場合は(S418:yes)、遊技メダルの投入が不能な状態とすべくブロッカ106bをOFFに設定すると共に(S420)、INランプ30Lを消灯すべくINランプ消灯コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S422)。これに対して、遊技メダルの貯留数が未だ50枚に達していない場合は(S418:no)、遊技メダルの投入が可能な状態のままとする(S420、S422の処理を省略する)。
続いて、1枚の遊技メダルが貯留されたことを受けて、1回の貯留音の出力を指示する貯留音出力コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S426)。サブ制御基板220のCPU221は、貯留音出力コマンドを受信すると、スピーカー14から貯留音を1回出力する。こうして、貯留音出力コマンドを送信したら、図11に示すベット関連処理を終了して、図6および図7に示す遊技制御処理に復帰する。尚、貯留音はベット音と異なる音であればよく、ベット音は遊技メダルがベットされたと遊技者が認識できる音であるのに対して、貯留音は遊技メダルが貯留されたと遊技者が認識できる音であればよい。
以上は、遊技メダルが検知された場合(遊技メダルの投入が可能な状態にて遊技メダル投入口30に遊技メダルが投入された場合)(S400:yes)の処理について説明した。これに対して、遊技メダルが検知されていない場合は(S400:no)、先ず、何れかのベット済フラグがONに設定されているか否か、すなわち、既に規定数の遊技メダルがベットされているか否かを判断する(S428)。その結果、既に規定数の遊技メダルがベットされている場合は(S428:yes)、そのまま図11に示すベット関連処理を終了して、図6および図7に示す遊技制御処理に復帰する。
一方、未だ規定数の遊技メダルがベットされていない場合は(S428:no)、ベットボタン34が操作されたか否かを判断する(S430)。その結果、ベットボタン34が操作された場合は(S430:yes)、貯留カウンタの値が「0」より大きいか否か、すなわち、1枚以上の遊技メダルが貯留されているか否かを判断する(S432)。その結果、1枚以上の遊技メダルが貯留されている場合は(S432:yes)、貯留カウンタの値の一部または全部をベットカウンタの値に移行することによって、貯留数の範囲内で規定数まで遊技メダルをベットする(S434)。すなわち、規定数からベットカウンタの値を減算した値(規定数に達するために必要な残りのベット数)が貯留カウンタの値(貯留数)以上である場合は、規定数からベットカウンタの値を減算した値(規定数に達するために必要な残りのベット数)が貯留カウンタからベットカウンタに移行される(貯留カウンタから減算されてベットカウンタに加算される)ことで、規定数の遊技メダルがベットされた状態となる。これに対して、規定数からベットカウンタの値を減算した値(規定数に達するために必要な残りのベット数)よりも貯留カウンタの値(貯留数)が小さい場合は、貯留カウンタの値(貯留数)全てが貯留カウンタからベットカウンタに移行される(貯留カウンタから減算されてベットカウンタに加算される)。この場合は、貯留されている遊技メダル全てがベットされるものの、ベット数は規定数に達しない。続いて、S434の処理でベットされた枚数(1〜3枚)分のベット音を出力すべく、該出力を指示する1〜3枚ベット音出力コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S436)。
こうして、ベットボタン34が操作されたことを受けて、遊技メダルをベットすると共に(S434)ベット音を出力したら(S436)、ベットボタン34(ベットボタンランプ34L)を消灯すべくベットボタン消灯コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S438)。すなわち、ベットボタン34が操作されて遊技メダルがベットされたことから、ベットボタン34の操作を促す必要がなくなったので、ベットボタン34を消灯する。
続いて、S434の処理で貯留カウンタの値をベットカウンタの値に移行した結果(ベットボタン34の操作により遊技メダルがベットされた結果)、ベットカウンタの値が「3」に達したか否か、すなわち、規定数の遊技メダルがベットされたか否かを判断する(S440)。そして、規定数の遊技メダルがベットされた場合は(S440:yes)、通常のベット(ここではベットボタン34の操作によるベット)により規定数の遊技メダルがベットされたことを示すベット済フラグTをONに設定する(S442)。また、規定数の遊技メダルがベットされたことでスタートレバー36の操作(図柄変動遊技の開始)が可能となったので、スタートランプ36Lを点灯すべくスタートランプ点灯コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S444)。そして、次回のベット数の計数に備えてベットカウンタの値を「0」に戻す(S446)。その後、図11に示すベット関連処理を終了して、図6および図7に示す遊技制御処理に復帰する。これに対して、貯留カウンタの値をベットカウンタの値に移行したものの(ベットボタン34の操作により遊技メダルがベットされたものの)ベットカウンタの値が「3」に達していない場合、すなわち、ベットされた遊技メダルが未だ規定数に達していない場合は(S440:no)、そのまま図11に示すベット関連処理を終了して、図6および図7に示す遊技制御処理に復帰する。尚、未だ規定数の遊技メダルがベットされていなくても(S428:no)ベットボタン34の操作を検出していない場合(S430:no)、および、ベットボタン34の操作を検出しても(S430:yes)遊技メダルの貯留数が0枚である場合(S432:no)は、遊技メダルを新たにベットすることなく、図11に示すベット関連処理を終了して、図6および図7に示す遊技制御処理に復帰する。
C−3.精算関連処理 :
図12および図13は、精算関連処理を示すフローチャートである。図6を用いて前述したように、精算関連処理は、遊技制御処理の中で、上述したベット関連処理に続いて実行される(図6のS104)。
精算関連処理を開始すると、主制御基板200のCPU201は先ず、精算ボタン40が操作されたか否かを判断する(S604)。その結果、精算ボタン40が操作された場合は(所定の精算操作が行われることに基づいて)(S604:yes)、ベットまたは貯留された遊技メダルを精算するために、以下の処理を行う。すなわち、本実施例の遊技機1では、図柄変動遊技中であっても、再遊技役A〜Cが入賞成立した状態であっても、精算ボタン40が操作されればベットまたは貯留された遊技メダルを精算する。
精算ボタン40が操作されると(S604:yes)、先ず、貯留カウンタの値が「0」より大きいか否か、すなわち、1枚以上の遊技メダルが貯留されているか否かを判断する(S606)。その結果、1枚以上の遊技メダルが貯留されていれば(S606:yes)、貯留されている遊技メダルの精算開始を指示する貯留精算開始コマンドをメダル払出装置118およびサブ制御基板220に向けて送信するための「貯留精算開始コマンド送信処理」を行う(S608)。詳しくは後述するが、貯留精算開始コマンド送信処理では、遊技メダルのベット態様に対応する貯留精算開始コマンドを送信する。貯留精算開始コマンドを受信すると、メダル払出装置118は貯留されている遊技メダル全てを払い出し、サブ制御基板220のCPU221は貯留されている遊技メダルの精算が行われたことを検出する。
こうして、貯留精算開始コマンド送信処理を行ったら(S608)、貯留されている遊技メダルが精算されることで、遊技メダルの貯留数が0枚になるので、貯留カウンタの値を「0」に設定する(S610)。続いて、図柄変動遊技中であるか否かを判断する。すなわち、本実施例の遊技機1では、図柄変動遊技中であっても遊技メダルの精算が可能であることから、今回の精算が図柄変動遊技中に行われたか否かを判断する(S611)。その結果、図柄変動遊技中でなければ(S611:no)、ブロッカ106bがOFFに設定されているか否か、すなわち、遊技メダルの投入が不能な状態であるか否かを判断する(S612)。ここで、ブロッカ106bは、規定数の遊技メダルがベット済みで且つ遊技メダルの貯留数が50枚(上限値)である場合に、遊技メダルの投入が不能な状態とすべくOFFに設定されている。このようにブロッカ106bがOFFに設定されている場合は(S612:yes)、貯留されている遊技メダルが精算されたことを受けて、遊技メダルの投入が可能な状態にすべくブロッカ106bをONに設定する(S614)。併せて、遊技メダルの投入が可能な状態になるので、INランプ30Lを点灯すべくINランプ点灯コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S616)。
続いて、ベットボタン34(ベットボタンランプ34L)が点灯しているか否かを判断する(S618)。ベットボタン34は、1枚以上の遊技メダルが貯留されており、且つ、規定数の遊技メダルがベット済でない場合に点灯している。ベットボタン34が点灯している場合は(S618:yes)、貯留されている遊技メダルが精算されたことで、貯留されている遊技メダルをベットすることができなくなるので、ベットボタン34を消灯すべくベットボタン消灯コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S620)。
一方、S611の判断処理で、図柄変動遊技中に精算が行われたと判断された場合は(S611:no)、S612〜S620の処理は省略する。すなわち、本実施例の遊技機1では、図柄変動遊技中は遊技メダルの投入が不能であることから「遊技メダルの投入が可能な状態にする処理」は行わない。このように図柄変動遊技中に精算が行われた場合は、図柄変動遊技の終了後に「遊技メダルの投入が可能な状態にする処理」が行われる(図10のS204またはS222の処理参照)。また、図柄変動遊技中に精算が行われた場合は(S611:no)、ベットボタン34は既に消灯していることから「ベットボタン34を消灯する処理」も行わない。
以上は、貯留されている遊技メダルを精算する処理(S606:yes)について説明した。これに対して、遊技メダルが貯留されていない場合は(S606:no)、ベット済フラグTがONに設定されているか否か、すなわち、遊技メダルの投入またはベットボタン34の操作により規定数の遊技メダルがベットされているか否かを判断する(S622)。その結果、規定数の遊技メダルがベットされている場合は(S622:yes)、ベットされている遊技メダルの精算開始を指示するベット精算開始コマンドをメダル払出装置118およびサブ制御基板220に向けて送信する(S624)。ベット精算開始コマンドを受信すると、メダル払出装置118はベットされている遊技メダル全てを払い出し、サブ制御基板220のCPU221はベットされている遊技メダルの精算が行われたことを検出する。
そして、ベットされている遊技メダルの精算が行われたことから、規定数の遊技メダルがベットされた状態を解消すべくベット済フラグTをOFFに設定すると共に(S626)遊技メダルのベット数を0枚にすべくベットカウンタの値に「0」を設定する(S628)。
以上は、遊技メダルが貯留されてないものの、遊技メダルの投入またはベットボタン34の操作により規定数の遊技メダルがベットされている場合に(S622:yes)、遊技メダルを精算する処理について説明した。これに対して、規定数の遊技メダルがベットされていない場合は(S622:no)、ベットカウンタの値が「0」以上であるか否か、すなわち、規定数には達していないもののそれ未満(1枚または2枚)の遊技メダルがベットされているか否かを判断する(S630)。その結果、規定数未満の遊技メダルがベットされている場合は(S630:yes)、ベットされている遊技メダルを精算すべくベット精算開始コマンドをメダル払出装置118およびサブ制御基板220に向けて送信する(S632)。そして、ベットされている遊技メダルの精算が行われたことから、遊技メダルのベット数を0枚にすべくベットカウンタの値に「0」を設定する(S634)。
こうして、貯留またはベットされた遊技メダルの精算を開始したら(S604〜634)、遊技メダルの精算が終了したか否かを判断する(図13のS636)。この判断処理は、メダル払出装置118による精算のための払い出しが終了したか否かを判断することによって行われる。その結果、遊技メダルの精算が終了したら(S636:yes)、精算終了コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S638)。その後、図12および図13に示す精算関連処理を終了して、図6および図7に示す遊技制御処理に復帰する。
以上のように、本実施例の遊技機1では、図柄変動遊技中であるか否かに拘わらず(複数の回胴のうち少なくとも1つが回転している回胴回転状態と、複数の回胴の全てが停止している回胴停止状態とで)、ベットまたは貯留された遊技メダルを精算することができる。これにより、遊技メダルの精算機会を増やすことができるので、遊技者の利便性を向上させることができる。尚、図柄変動遊技中である場合は、ベットされた遊技メダルは該図柄変動遊技に供されていることから遊技メダルはベットされていない状態である。したがって、当然ながらベットされている遊技メダルを精算することはできない。また、再遊技役A〜Cが入賞成立して遊技メダルが自動ベットされた状態では、貯留された遊技メダルの精算はできるものの、自動ベットされた遊技メダルの精算はできない。
C−4.貯留精算開始コマンド送信処理 :
図14は、貯留精算開始コマンド送信処理を示すフローチャートである。図12を用いて前述したように、貯留精算開始コマンド送信処理は、精算関連処理の中で、貯留された遊技メダル(以下「貯留メダル」ともいう)を精算するに際して実行される(図12のS608)。
貯留精算開始コマンド送信処理を開始すると、主制御基板200のCPU201は先ず、ベット済フラグTがONに設定されているか否か、すなわち、貯留メダルを精算するに際して、通常のベット(遊技メダルの投入またはベットボタン34の操作)により規定数の遊技メダルがベットされた状態であるか否かを判断する(S700)。その結果、通常のベットにより規定数の遊技メダルがベットされた状態である場合は(S700:yes)、メダル払出装置118およびサブ制御基板220に向けて貯留精算開始コマンドTを送信する(S704)。また、規定数の遊技メダルがベットされていなくても(S700:no)、通常のベットにより規定数未満(1〜2枚)の遊技メダルがベットされた状態である場合であれば(S702:yes)、メダル払出装置118およびサブ制御基板220に向けて貯留精算開始コマンドTを送信する(S704)。貯留精算開始コマンドTには遊技メダルの貯留数を示す情報が含まれており、メダル払出装置118は、貯留精算開始コマンドTを受信すると該コマンドに基づき貯留数を検出し、該貯留数分の遊技メダルを払い出す。また、サブ制御基板220のCPU221は、貯留精算開始コマンドTを受信すると、通常のベットにより遊技メダルがベットされた状態で貯留メダルが精算されたことを検出する。貯留精算開始コマンドTを送信したら(S704)、図14に示す貯留精算開始コマンド送信処理を終了して、図12および図13に示す精算関連処理に復帰する。
これに対して、通常のベットにより遊技メダルがベットされた状態でない場合は(S702:no)、ベット済フラグAがONに設定されているか否か、すなわち、貯留メダルを精算するに際して、再遊技役Aの入賞成立により自動ベットが行われた状態であるか否かを判断する(S706)。その結果、再遊技役Aの入賞成立により自動ベットが行われた状態である場合は(S706:yes)、メダル払出装置118およびサブ制御基板220に向けて貯留精算開始コマンドAを送信する(S708)。貯留精算開始コマンドAには遊技メダルの貯留数を示す情報が含まれており、メダル払出装置118は、貯留精算開始コマンドAを受信すると該コマンドに基づき貯留数を検出し、該貯留数分の遊技メダルを払い出す。また、サブ制御基板220のCPU221は、貯留精算開始コマンドAを受信すると、再遊技役Aの入賞成立により自動ベットが行われた状態で貯留メダルが精算されたことを検出する。貯留精算開始コマンドAを送信したら(S708)、図14に示す貯留精算開始コマンド送信処理を終了して、図12および図13に示す精算関連処理に復帰する。
これに対して、再遊技役Aの入賞成立により自動ベットが行われた状態でない場合は(S706:no)、ベット済フラグBがONに設定されているか否か、すなわち、貯留メダルを精算するに際して、再遊技役Bの入賞成立により自動ベットが行われた状態であるか否かを判断する(S710)。その結果、再遊技役Bの入賞成立により自動ベットが行われた状態である場合は(S710:yes)、メダル払出装置118およびサブ制御基板220に向けて貯留精算開始コマンドBを送信する(S712)。貯留精算開始コマンドBには遊技メダルの貯留数を示す情報が含まれており、メダル払出装置118は、貯留精算開始コマンドBを受信すると該コマンドに基づき貯留数を検出し、該貯留数分の遊技メダルを払い出す。また、サブ制御基板220のCPU221は、貯留精算開始コマンドBを受信すると、再遊技役Bの入賞成立により自動ベットが行われた状態で貯留メダルが精算されたことを検出する。貯留精算開始コマンドBを送信したら(S712)、図14に示す貯留精算開始コマンド送信処理を終了して、図12および図13に示す精算関連処理に復帰する。
これに対して、再遊技役Bの入賞成立により自動ベットが行われた状態でない場合は(S710:no)、ベット済フラグCがONに設定されているか否か、すなわち、貯留メダルを精算するに際して、再遊技役Cの入賞成立により自動ベットが行われた状態であるか否かを判断する(S714)。その結果、再遊技役Cの入賞成立により自動ベットが行われた状態である場合は(S714:yes)、メダル払出装置118およびサブ制御基板220に向けて貯留精算開始コマンドCを送信する(S716)。貯留精算開始コマンドCには遊技メダルの貯留数を示す情報が含まれており、メダル払出装置118は、貯留精算開始コマンドCを受信すると該コマンドに基づき貯留数を検出し、該貯留数分の遊技メダルを払い出す。また、サブ制御基板220のCPU221は、貯留精算開始コマンドCを受信すると、再遊技役Cの入賞成立により自動ベットが行われた状態で貯留メダルが精算されたことを検出する。貯留精算開始コマンドCを送信したら(S716)、図14に示す貯留精算開始コマンド送信処理を終了して、図12および図13に示す精算関連処理に復帰する。
一方、何れのベット済フラグ(ベット済フラグT,A〜C)もONに設定されていない場合、すなわち、貯留メダルを精算するに際して、遊技メダルがベットされていない状態である場合は(S714:no)、メダル払出装置118およびサブ制御基板220に向けて貯留精算開始コマンドNを送信する(S718)。貯留精算開始コマンドNには遊技メダルの貯留数を示す情報が含まれており、メダル払出装置118は、貯留精算開始コマンドNを受信すると該コマンドに基づき貯留数を検出し、該貯留数分の遊技メダルを払い出す。また、サブ制御基板220のCPU221は、貯留精算開始コマンドNを受信すると、遊技メダルがベットされていない状態で貯留メダルが精算されたことを検出する。貯留精算開始コマンドNを送信したら(S718)、図14に示す貯留精算開始コマンド送信処理を終了して、図12および図13に示す精算関連処理に復帰する。
以上のように、主制御基板200のCPU201は、貯留メダルを精算するに際して、遊技メダルのベット態様に対応する貯留精算開始コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する。すなわち、貯留メダルを精算するに際して、通常のベットにより遊技メダルがベットされている場合は「貯留精算開始コマンドT」を送信し、再遊技役Aの入賞成立により遊技メダルがベットされている場合は「貯留精算開始コマンドA」を送信し、再遊技役Bの入賞成立により遊技メダルがベットされている場合は「貯留精算開始コマンドB」を送信し、再遊技役Cの入賞成立により遊技メダルがベットされている場合は「貯留精算開始コマンドC」を送信し、遊技メダルがベットされていない場合は「貯留精算開始コマンドN」を送信する。
D.演出制御処理 :
本実施例の遊技機1では、上述したような主制御基板200のCPU201による処理に連動して、サブ制御基板220のCPU221が演出制御処理を行うことによって、各種ランプ類12、各種スピーカー14,114、演出表示装置10、回胴バックライト20L等を用いた各種の演出が実行される。各種の演出の実行は次のような構成によって実現される。
サブ制御基板220の演出データROM224には、演出で使用される画像データ(スプライトデータや動画データ等)や音声データが記憶されている。また、サブ制御基板220のROM222には、各種の演出に対応する演出パターンが記憶されている。演出パターンとは、演出に使用する画像データや音声データの種類、画像データの出力位置や出力タイミング、音声データの出力音量や出力タイミング、ランプの点灯パターン等が規定されたデータである。サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200からのコマンド等に基づき実行する演出を決定すると、該演出に対応する演出パターンをROM222から読み出す。そして、読み出した演出パターンにしたがって、演出データROM224に記憶された画像データや音声データを出力することで演出を実行する。
ここで、本実施例の遊技機1では、上述の演出の一環として「アシストタイム期間(以下「AT期間」という)」を開始する場合がある。図9を用いて前述したように、ベル役は一枚役A〜Dと重複して内部当選するものであり、重複して内部当選した一枚役A〜Dの種類によってベル役の入賞成立可能な操作順序(入賞可能押順)が異なる。AT期間は、ベル役に内部当選した場合に入賞可能押順を報知する「ナビ演出」が実行される期間である。したがって、AT期間は、ナビ演出に従って回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作することで、ベル役を入賞成立させることができる(15枚の遊技メダルの払い出しを受けることができる)遊技者に有利な期間である。以下では、サブ制御基板220のCPU221によって、演出制御処理の一環として実行される「AT開始処理」および「精算開始コマンド対応処理」について説明する。
D−1.AT開始処理 :
図15はAT開始処理を示すフローチャートである。AT開始処理では、AT期間の開始に係る処理が行われる。AT開始処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず、ATフラグがONに設定されているか否かを判断する(S800)。ATフラグとは、AT期間中であることを示すフラグである。従って、S800の判断処理では、AT期間中であるか否かが判断される。その結果、既にAT期間中である場合は(S800:yes)、そのままAT開始処理を終了する。これに対して、AT期間中でない(非AT期間中である)場合は(S800:no)、内部抽選結果伝達コマンドを受信しているか否かを判断する(S802)。図6を用いて前述したように、内部抽選結果伝達コマンドは内部抽選が実行されたときに主制御基板200から送信されるコマンドである。
内部抽選結果伝達コマンドを受信している場合は(S802:yes)、該コマンドに基づき、再遊技役Cに内部当選したか否かを判断する(S804)。その結果、再遊技役Cに内部当選した場合は(S804:yes)、逆押しして「赤7揃い」を停止表示させることを遊技者に催促する「赤7揃い催促演出」を実行する(S806)。具体的には、演出表示装置10にて、「赤7揃い」「逆押し」の文字を表示する演出を実行する。すなわち、図9を用いて前述したように、再遊技役Cに内部当選した状況下で逆押しすると「赤7揃い」を停止表示させることが可能であることから、このような「赤7揃い催促演出」を実行する。その後、図15に示すAT開始処理を終了する。
一方、内部抽選結果伝達コマンドを受信していない場合は(S802:no)、今度は、遊技終了コマンドを受信しているか否かを判断する(S808)。図7を用いて前述したように、遊技終了コマンドは図柄変動遊技が終了したときに主制御基板200から送信されるコマンドである。遊技終了コマンドを受信している場合は(S808:yes)、該遊技終了コマンドに基づき再遊技役Cが入賞成立したか否か(赤7揃いが停止表示されたか否か)を判断する(S810)。その結果、再遊技役Cが入賞成立した場合は(S810:yes)、AT期間を開始すべくATフラグをONに設定するとともに(S812)、ATカウンタの値に「50」を設定する(S814)。ATカウンタは、AT期間が終了するまでの図柄変動遊技の回数が設定されるカウンタであり、AT期間中に図柄変動遊技が行われるたびに「1」が減算される。従って、S814の処理では、AT期間が開始されてから50回の図柄変動遊技が行われるまで継続するようにATカウンタの値が設定される。続いて、AT期間が開始されたことを受けて、AT期間の開始を示すファンファーレ演出を実行する(S816)。具体的には、演出表示装置10にて、「AT開始!」の文字を表示する演出を実行する。その後、図15に示すAT開始処理を終了する。
以上のように、本実施例の遊技機1では、再遊技役Cに内部当選すると赤7揃い催促演出を実行し、該赤7揃い催促演出に従って逆押しされることで再遊技役Cが入賞成立すると、AT期間を開始するとともにファンファーレ演出を実行する。尚、このファンファーレ演出は次の図柄変動遊技が開始されると(内部抽選結果伝達コマンドを受信すると)終了する。
D−2.精算コマンド対応処理 :
図16は精算コマンド対応処理を示すフローチャートである。精算コマンド対応処理では、遊技メダルの精算が行われるときに、主制御基板200から送信される貯留精算開始コマンドおよびベット精算開始コマンドに対応する処理が行われる。
精算開始コマンド対応処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず、貯留精算開始コマンドNを受信したか否かを判断する(S900)。図14を用いて前述したように、貯留精算開始コマンドNは、遊技メダルがベットされていない状態で貯留メダルの精算を開始する場合に送信されるコマンドである。その結果、遊技メダルがベットされていない状態で貯留メダルの精算を開始する場合は(S900:yes)、図柄変動遊技中であるか否かを判断する(S902)。その結果、図柄変動遊技中でない場合は(S902:no)、スピーカー14を介して、貯留メダルを精算中であることを示す貯留精算音の出力を開始する(S904)。そして、遊技の開始を待機中であることを示唆するデモ演出(待機演出)を開始する(待機演出実行手段)(S906)。デモ演出としては、例えば、演出表示装置10の表示画面に、遊技機1における遊技の内容説明や、遊技機1で行われる演出に登場するキャラクターの情報などを表示する。一方、図柄変動遊技中である場合は(S902:yes)、貯留精算音の出力もデモ演出も開始しない(待機演出抑制手段)。
以上のように、本実施例の遊技機1では、図柄変動遊技中でない場合(非図柄変動遊技中)に、遊技メダルがベットされていない状態で貯留メダルの精算が開始されると、貯留精算音の出力を開始すると共にデモ演出を開始する。すなわち、遊技メダルがベットされていない状態で貯留メダルが精算されると、遊技メダルはベットも貯留もされていない状態となることから、遊技者は遊技機1での遊技を終了して該遊技機1を離れようとしていると判断できる。そこで、このような場合は、該遊技者とは別の遊技者による遊技の開始を促すべくデモ演出を開始することで、遊技機1の稼働率の向上を図ることが可能となる。一方、図柄変動遊技中である場合は、貯留メダルの精算が開始されても、貯留精算音の出力もデモ演出も開始しない。すなわち、図柄変動遊技中であるにも拘わらず、遊技の開始を待機中であることを示唆する(ひいては、遊技者とは別の遊技者による遊技の開始を促す)デモ演出が実行されると、遊技者に違和感を与えてしまう。そこで、図柄変動遊技中である場合は、遊技メダルがベットされていない状態で貯留メダルが精算されても、デモ演出は開始しないことで、遊技者に違和感を与えてしまうことを防止できる。また、図柄変動遊技中は該図柄変動遊技に連動して図柄変動演出が実行されている場合がある。このような場合は、貯留精算音やデモ演出が図柄変動演出の妨げとなってしまい遊技興趣を低下させてしまう虞がある。そこで、図柄変動遊技中である場合は、貯留メダルが精算されても貯留精算音の出力およびデモ演出は開始しないことで、遊技興趣を低下させてしまうことを防止できる。
続いて、サブ制御基板220のCPU221は、貯留精算開始コマンドTを受信したか否かを判断する(S908)。図14を用いて前述したように、貯留精算開始コマンドTは、通常のベットにより遊技メダルがベットされている状態で貯留メダルの精算を開始する場合に送信されるコマンドである。その結果、通常のベットにより遊技メダルがベットされている状態で貯留メダルの精算を開始する場合は(S908:yes)、貯留精算音の出力を開始する(S910)。尚、当然ながら、図柄変動遊技中は遊技メダルがベットされていない状態である。したがって、図柄変動遊技中に「遊技メダルがベットされていることを示す貯留精算開始コマンドT」を受信することはない。
以上のように、本実施例の遊技機1では、貯留メダルを精算しても通常のベットにより遊技メダルがベットされている場合は、貯留精算音の出力は開始するものの、デモ演出は開始しない。すなわち、この場合は、貯留メダルが精算されても、遊技メダルがベットされている状態であることから、遊技者は遊技機1での遊技を継続することが予測される。そして、このような場合にデモ演出を開始してしまうと、遊技を継続しようとしている遊技者に違和感を与えてしまう。そこで、貯留メダルを精算しても通常のベットにより遊技メダルがベットされている場合はデモ演出を開始しないことで、遊技者に違和感を与えてしまうことを防止できる。
続いて、サブ制御基板220のCPU221は、貯留精算開始コマンドAを受信したか否かを判断する(S912)。図14を用いて前述したように、貯留精算開始コマンドAは、再遊技役Aの入賞成立により自動ベットされた状態で貯留メダルの精算を開始する場合に送信されるコマンドである。その結果、再遊技役Aの入賞成立により自動ベットされた状態で貯留メダルの精算を開始する場合は(S912:yes)、貯留精算音の出力を開始する(S914)。そして、再遊技役Aの入賞成立により自動ベットされた状態であることを報知する(報知演出を実行する)(S916)。例えば、演出表示装置10の表示画面に「再遊技役A入賞成立」の文字を表示する。尚、当然ながら、図柄変動遊技中は遊技メダルがベットされていない状態である。したがって、図柄変動遊技中に「遊技メダルがベットされていることを示す貯留精算開始コマンドA」を受信することはない。
以上のように、本実施例の遊技機1では、再遊技役Aの入賞成立により自動ベットされた状態で貯留メダルの精算が開始されると、貯留精算音の出力は開始するものの、デモ演出は開始しない。すなわち、この場合は、貯留メダルが精算されても、再遊技役Aの入賞成立により自動ベットされた状態であることから、遊技者は遊技機1での遊技を継続することが予測される。そして、このような場合にデモ演出を開始してしまうと、遊技を継続しようとしている遊技者に違和感を与えてしまう。そこで、再遊技役Aの入賞成立により自動ベットされた状態で貯留メダルの精算が開始される場合は、デモ演出を開始しないことで、遊技者に違和感を与えてしまうことを防止できる。また、逆に、再遊技役Aの入賞成立により自動ベットされた状態で貯留メダルの精算が開始される場合は、「再遊技役Aの入賞成立により自動ベットされた状態」であることを遊技者が気付かないまま遊技機1での遊技を終了して該遊技機1を離れようとしている可能性もある。そこで、このような場合は、再遊技役Aの入賞成立により自動ベットされた状態であることを報知することで、遊技者が不利益(再遊技を行わないまま遊技を終了してしまうという不利益)を被ることを抑制できる。尚、図5を用いて前述したように、再遊技役Aが入賞成立した場合はリプレイ揃いが停止表示されることから、遊技者が再遊技役Aに入賞成立したことに気付かない可能性は低い。そこで、再遊技役Aの入賞成立により自動ベットされた状態で貯留メダルの精算が開始される場合は、再遊技役Aの入賞成立により自動ベットされた状態であることを報知しない構成としてもよい。こうすると、リプレイ揃いが停止表示されたこと(再遊技役Aの入賞成立)に気付いている遊技者が煩わしく感じることを防止することができる。
続いて、サブ制御基板220のCPU221は、貯留精算開始コマンドBを受信したか否かを判断する(S920)。図14を用いて前述したように、貯留精算開始コマンドBは、再遊技役Bの入賞成立により自動ベットされた状態で貯留メダルの精算を開始する場合に送信されるコマンドである。その結果、再遊技役Bの入賞成立により自動ベットされた状態で貯留メダルの精算を開始する場合は(S920:yes)、貯留精算音の出力を開始する(S922)。続いて、再遊技役Bの入賞成立により自動ベットされた状態であることを報知する(報知演出を実行する)(S924)。例えば、演出表示装置10の表示画面に「再遊技役B入賞成立」の文字を表示する(再遊技報知演出実行手段)。尚、当然ながら、図柄変動遊技中は遊技メダルがベットされていない状態である。したがって、図柄変動遊技中に「遊技メダルがベットされていることを示す貯留精算開始コマンドB」を受信することはない。
以上のように、本実施例の遊技機1では、再遊技役Bの入賞成立により自動ベットされた状態で貯留メダルの精算が開始されると、貯留精算音の出力は開始するものの、デモ演出は開始しない。すなわち、この場合は、貯留メダルが精算されても、再遊技役Bの入賞成立により自動ベットされた状態であることから、遊技者は遊技機1での遊技を継続することが予測される。そして、このような場合にデモ演出を開始してしまうと、遊技を継続しようとしている遊技者に違和感を与えてしまう。そこで、再遊技役Bの入賞成立により自動ベットされた状態で貯留メダルの精算が開始される場合は、デモ演出を開始しないことで、遊技者に違和感を与えてしまうことを防止できる。また、逆に、再遊技役Bの入賞成立により自動ベットされた状態で貯留メダルの精算が開始される場合は、「再遊技役Bの入賞成立により自動ベットされた状態」であることを遊技者が気付かないまま遊技機1での遊技を終了して該遊技機1を離れようとしている可能性もある。すなわち、図5を用いて前述したように、再遊技役Bが入賞成立した場合は複数種類の図柄が揃った図柄組合せ(ベル−リプレイ−リプレイ)が停止表示されることから、再遊技役Bが入賞成立したことに遊技者が気付かない可能性が高い。そこで、このような場合は、再遊技役Bの入賞成立により自動ベットされた状態であることを報知することで、遊技者が不利益(再遊技を行わないまま遊技を終了してしまうという不利益)を被ることを抑制できる。
続いて、サブ制御基板220のCPU221は、貯留精算開始コマンドCを受信したか否かを判断する(S926)。図14を用いて前述したように、貯留精算開始コマンドCは、再遊技役Cの入賞成立により自動ベットされた状態で貯留メダルの精算を開始する場合に送信されるコマンドである。その結果、再遊技役Cの入賞成立により自動ベットされた状態で貯留メダルの精算を開始する場合は(S926:yes)、再遊技役Cの入賞成立により自動ベットされた状態であることを報知する(報知演出を実行する)(S928)。例えば、演出表示装置10の表示画面に「再遊技役C入賞成立」の文字を表示する。尚、当然ながら、図柄変動遊技中は遊技メダルがベットされていない状態である。したがって、図柄変動遊技中に「遊技メダルがベットされていることを示す貯留精算開始コマンドC」を受信することはない。
以上のように、本実施例の遊技機1では、再遊技役Cの入賞成立により自動ベットされた状態で貯留メダルの精算が開始されると、貯留精算音の出力もデモ演出も開始しない。すなわち、この場合は、貯留メダルが精算されても、再遊技役Cの入賞成立により自動ベットされた状態であることから、遊技者は遊技機1での遊技を継続することが予測される。そして、このような場合にデモ演出を開始してしまうと、遊技を継続しようとしている遊技者に違和感を与えてしまう。また、図15を用いて前述したように、再遊技役Cが入賞成立すると、ファンファーレ演出が開始されると共にAT期間が開始される。したがって、貯留精算音やデモ演出がファンファーレ演出の妨げとなってしまい遊技興趣を低下させてしまう虞がある。そこで、貯留メダルの精算が開始されても、再遊技役Cの入賞成立により自動ベットされている場合は、貯留精算音の出力およびデモ演出は開始しないことで、遊技者に違和感を与えてしまうこと、および、遊技興趣を低下させてしまうことを防止できる。また、図5を用いて前述したように、再遊技役Cが入賞成立した場合は特殊な図柄(赤7)が揃った図柄組合せ(赤7揃い)が停止表示されることから、遊技者が再遊技役Cに入賞成立したことに気付かずに、通常のベット(遊技メダルの投入またはベットボタン34の操作)を行おうとする可能性が高い。そこで、このような場合は、再遊技役Cの入賞成立により自動ベットされた状態であることを報知することで、通常のベットを行おうとする遊技者の手間を省くことができる。
続いて、サブ制御基板220のCPU221は、ベット精算開始コマンドを受信したか否かを判断する(S930)。図12を用いて前述したように、ベット精算開始コマンドは、通常のベットによりベットされた遊技メダルの精算を開始する場合に送信されるコマンドである。その結果、通常のベットによりベットされた遊技メダルの精算を開始する場合は(S930:yes)、スピーカー14を介して、ベットされている遊技メダルを精算中であることを示すベット精算音の出力を開始する(S932)。そして、遊技の開始を待機中であることを示唆するデモ演出を開始する(S934)。尚、ベット精算音は、貯留精算音と同一の音(音声データ)であってもよい。尚、当然ながら、図柄変動遊技中は遊技メダルがベットされていない状態である。したがって、図柄変動遊技中にベット精算開始コマンドを受信することはない。
以上のように、本実施例の遊技機1では、通常のベットによりベットされた遊技メダルの精算を開始する場合は、ベット精算音の出力を開始すると共にデモ演出を開始する。すなわち、通常のベットによりベットされた遊技メダルの精算を開始する場合は、既に貯留メダルも精算されている状態であることから、遊技者は遊技機1での遊技を終了して該遊技機1を離れようとしていると判断できる。そこで、このような場合は、該遊技者とは別の遊技者による遊技の開始を促すべくデモ演出を開始することで、遊技機1の稼働率の向上を図ることが可能となる。
続いて、サブ制御基板220のCPU221は、精算終了コマンドを受信したか否かを判断する(S936)。図13を用いて前述したように、精算終了コマンドは、ベットされた遊技メダルまたは貯留メダルの精算(払い出し)が終了する場合に送信されるコマンドである。その結果、遊技メダルの精算が終了する場合は(S936:yes)、貯留精算音またはベット精算音の出力中であるか否かを判断する(S938)。すなわち、上述したように、貯留メダルの精算中であっても、図柄変動遊技中である場合やファンファーレ演出中である場合は貯留精算音を出力しないことから、貯留精算音またはベット精算音の出力中であるか否かを判断する(S938)。その結果、貯留精算音またはベット精算音の出力中である場合は(S938:yes)、出力中の貯留精算音またはベット精算音の出力を停止する(S940)。
E.本実施例の遊技機1によって得られる効果 :
図17は、本実施例の遊技機1によって得られる効果を説明するための図である。図17(a)に示すように、本実施例の遊技機1では、図柄変動遊技中でない場合(非図柄変動遊技中)に、遊技メダルがベットされていない状態で貯留メダルの精算が開始されると、貯留精算音の出力を開始すると共にデモ演出を開始する。すなわち、遊技メダルがベットされていない状態で貯留メダルが精算されると、遊技メダルはベットも貯留もされていない状態となることから、遊技者は遊技機1での遊技を終了して該遊技機1を離れようとしていると判断できる。そこで、このような場合は、該遊技者とは別の遊技者による遊技の開始を促すべくデモ演出を開始することで、遊技機1の稼働率の向上を図ることができる。
また、図17(b)に示すように、図柄変動遊技中である場合は貯留メダルの精算が開始されても、貯留精算音の出力もデモ演出も開始しない。すなわち、図柄変動遊技中であるにも拘わらず、遊技の開始を待機中であることを示唆する(ひいては、遊技者とは別の遊技者による遊技の開始を促す)デモ演出が実行されると、遊技者に違和感を与えてしまう。そこで、図柄変動遊技中である場合は、遊技メダルがベットされていない状態で貯留メダルが精算されてもデモ演出は開始しないことで、遊技者に違和感を与えてしまうことを防止できる。また、図柄変動遊技中は該図柄変動遊技に連動して図柄変動演出が実行されている場合がある。このような場合は、貯留精算音やデモ演出が図柄変動演出の妨げとなってしまい遊技興趣を低下させてしまう虞がある。そこで、図柄変動遊技中である場合は、貯留メダルが精算されても貯留精算音の出力およびデモ演出は開始しないことで、遊技興趣を低下させてしまうことを防止することができる。
また、図17(c)に示すように、本実施例の遊技機1では、再遊技役Aまたは再遊技役Bの入賞成立により自動ベットされた状態で貯留メダルの精算が開始されると、貯留精算音の出力は開始するものの、デモ演出は開始しない。すなわち、この場合は、貯留メダルが精算されても、再遊技役Aまたは再遊技役Bの入賞成立により自動ベットされた状態であることから、遊技者は遊技機1での遊技を継続することが予測される。そして、このような場合にデモ演出を開始してしまうと、遊技を継続しようとしている遊技者に違和感を与えてしまう。そこで、再遊技役Aまたは再遊技役Bの入賞成立により自動ベットされた状態で貯留メダルの精算が開始される場合は、デモ演出を開始しないことで、遊技者に違和感を与えてしまうことを防止できる。また、逆に、再遊技役Aまたは再遊技役Bの入賞成立により自動ベットされた状態で貯留メダルの精算が開始される場合は、「再遊技役Aまたは再遊技役Bの入賞成立により自動ベットされた状態」であることを遊技者が気付かないまま遊技機1での遊技を終了して該遊技機1を離れようとしている可能性もある。そこで、このような場合は、再遊技役Aまたは再遊技役Bの入賞成立により自動ベットされた状態であることを報知することで、遊技者が不利益(再遊技を行わないまま遊技を終了してしまうという不利益)を被ることを抑制できる。
尚、再遊技役Bが入賞成立した場合は複数種類の図柄が揃った図柄組合せ(ベル−リプレイ−リプレイ)が停止表示されることから、遊技者が再遊技役Bに入賞成立したことに気付かない可能性が高いものの、再遊技役Aが入賞成立した場合はリプレイ揃いが停止表示されることから、遊技者が再遊技役Aに入賞成立したことに気付かない可能性は低い。そこで、再遊技役Aの入賞成立により自動ベットされた状態で貯留メダルの精算が開始される場合は、再遊技役Aの入賞成立により自動ベットされた状態であることを報知しない構成としてもよい。
また、図17(d)に示すように、本実施例の遊技機1では、再遊技役Cの入賞成立により自動ベットされた状態で貯留メダルの精算が開始されると、貯留精算音の出力もデモ演出も開始しない。すなわち、この場合は、貯留メダルが精算されても、再遊技役Cの入賞成立により自動ベットされた状態であることから、遊技者は遊技機1での遊技を継続することが予測される。そして、このような場合にデモ演出を開始してしまうと、遊技を継続しようとしている遊技者に違和感を与えてしまう。また、再遊技役Cが入賞成立すると、ファンファーレ演出が開始されると共にAT期間が開始される。したがって、貯留精算音やデモ演出がファンファーレ演出の妨げとなってしまい遊技興趣を低下させてしまう虞がある。そこで、貯留メダルの精算が開始されても、再遊技役Cの入賞成立により自動ベットされている場合は、貯留精算音の出力およびデモ演出は開始しないことで、遊技者に違和感を与えてしまうこと、および、遊技興趣を低下させてしまうことを防止できる。また、再遊技役Cが入賞成立した場合は特殊な図柄(赤7)が揃った図柄組合せ(赤7揃い)が停止表示されることから、遊技者が再遊技役Cに入賞成立したことに気付かずに、通常のベット(遊技メダルの投入またはベットボタン34の操作)を行おうとする可能性が高い。そこで、このような場合は、再遊技役Cの入賞成立により自動ベットされた状態であることを報知することで、通常のベットを行おうとする遊技者の手間を省くことができる。
F.変形例 :
F−1.変形例1 :
上述した実施例では、図17(b)を用いて前述したように、図柄変動遊技中に、貯留メダルの精算が開始された場合は、デモ演出を開始しない構成とした。これに対して、図柄変動遊技中に、貯留メダルの精算が開始された場合は、デモ演出を該図柄変動遊技終了後に(遅延させて)開始する構成としてもよい。
図18は、変形例1の精算コマンド対応処理において、上述した実施例の処理(図16のS900〜S906)に代えて行われる処理を示すフローチャートである。変形例1の精算コマンド対応処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず、貯留精算開始コマンドNを受信したか否か、すなわち、遊技メダルがベットされていない状態で貯留メダルの精算を開始するか否かを判断する(S1000)。その結果、遊技メダルがベットされていない状態で貯留メダルの精算を開始する場合は(S1000:yes)、図柄変動遊技中であるか否かを判断する(S1002)。その結果、図柄変動遊技中でない場合は(S1002:no)、上述した実施例と同様に、貯留メダルを精算中であることを示す貯留精算音の出力を開始すると共に(S1004)デモ演出を開始する(S1006)。これに対して、図柄変動遊技中である場合は(S1002:yes)変動中精算フラグをONに設定する(S1008)。変動中精算フラグとは、図柄変動遊技中に貯留メダルの精算が開始されたことを示すフラグである。尚、変形例1の精算コマンド対応処理において、貯留精算開始コマンドT,A〜Cを受信したときは、実施例のS908(図16)以降の処理と同様の処理を行う。
図19は、変形例1のデモ遅延実行処理を示すフローチャートである。変形例1において、デモ遅延実行処理は、精算コマンド対応処理に続いて実行される。デモ遅延実行処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず、遊技終了コマンドを受信したか否か、すなわち、図柄変動遊技が終了したか否かを判断する(S1100)。その結果、図柄変動遊技が終了した場合は(S1100:yes)、変動中精算フラグがONに設定されているか否か、すなわち、今回終了した図柄変動遊技中に貯留メダルの精算が開始されたか否かを判断する(S1102)。その結果、今回終了した図柄変動遊技中に貯留メダルの精算が開始された場合は(S1102:yes)、デモ演出を開始すると共に(S1104)、次回の図柄変動遊技中における貯留メダルの精算開始に備えて変動中精算フラグをOFFに設定する(S1106)。
図20は、変形例1によって得られる効果を説明するための図である。図20に示すように変形例1では、上述した実施例と同様に、図柄変動遊技中に貯留メダルの精算が開始されても、貯留精算音の出力もデモ演出も開始しない。すなわち、図柄変動遊技中であるにも拘わらず、遊技の開始を待機中であることを示唆する(ひいては、遊技者とは別の遊技者による遊技の開始を促す)デモ演出が実行されると、遊技者に違和感を与えてしまう。そこで、図柄変動遊技中である場合は、遊技メダルがベットされていない状態で貯留メダルが精算されても、デモ演出は開始しないことで、遊技者に違和感を与えてしまうことを防止できる。また、図柄変動遊技中は該図柄変動遊技に連動して図柄変動演出が実行されている場合がある。このような場合は、貯留精算音やデモ演出が図柄変動演出の妨げとなってしまい遊技興趣を低下させてしまう虞がある。そこで、図柄変動遊技中である場合は、貯留メダルが精算されても貯留精算音の出力およびデモ演出は開始しないことで、遊技興趣を低下させてしまうことを防止することができる。
そして、図柄変動演出中にデモ演出を開始しなかった場合は、該図柄変動遊技終了後にデモ演出を(遅延させて)開始する。すなわち、図柄変動遊技中に精算が行われた場合であっても、貯留メダルが精算されると、遊技メダルはベットも貯留もされていない状態となる。したがって、遊技者は該図柄変動遊技終了後に遊技機1での遊技を終了して該遊技機1を離れようとしていると判断できる。そこで、このような場合は、図柄変動遊技の終了後に、該遊技者とは別の遊技者による遊技の開始を促すべくデモ演出を開始することで、遊技機1の稼働率の向上を図ることが可能となる。
これらの結果、変形例1では、図柄変動遊技中に貯留メダルの精算が開始された場合において、遊技者に違和感を与えてしまうこと、および、遊技興趣を低下させてしまうことを防止しつつ、遊技機1の稼働率の向上を図ることが可能となる。
F−2.変形例2 :
上述した実施例では、図柄変動遊技中はデモ演出を実行しない構成とした。これに対して、図柄変動遊技に連動した図柄変動演出(遊技中演出)を実行中である場合は(遊技中演出実行手段)、該図柄変動演出の種類に対応する態様でデモ演出を実行する構成としてもよい。
図21は、変形例2におけるデモ演出の実行態様を説明するための図である。図21に示すように、変形例2では、図柄変動演出Aの実行中、例えば、実行頻度の低い演出や遊技者に有利な事象が発生することを示唆する演出の実行中に、貯留メダルの精算が行われた場合は、上述した実施例と同様にデモ演出を実行する。また、図柄変動演出Bの実行中、例えば、実行頻度の高い演出の実行中に、貯留メダルの精算が行われた場合は、デモ演出を実行する。さらに、図柄変動演出Cの実行中、例えば、実行頻度が図柄変動演出Aより高く図柄変動遊技Bより低い演出の実行中は、デモ演出を抑制して実行する。具体的には、演出表示装置10の表示画面におけるデモ演出の実行領域を小さくしたり、デモ演出実行時にスピーカー14から出力する音量を小さくしたり、点灯させる各種ランプ類12の数量を少なくしたりしてもよい。
以上のように、図柄変動演出の種類に対応する態様でデモ演出を実行することによって、デモ演出の実行により遊技機1の稼働率の向上を図りつつも、デモ演出が図柄変動演出の妨げとなることによる遊技興趣の低下を抑制することができる。
以上、本発明について実施例および変形例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、上述した実施例では、再遊技役A〜Cが入賞成立した状態ではデモ演出を実行しない構成としたが、入賞成立している再遊技役の種類に対応する態様でデモ演出を実行する構成としてもよい。一例としては、再遊技役Aの入賞成立により自動ベットされた状態で貯留メダルの精算が開始された場合はデモ演出を実行し、再遊技役Bの入賞成立により自動ベットされた状態で貯留メダルの精算が開始された場合はデモ演出を実行しない構成としてもよい。こうすると、再遊技役の種類によってデモ演出の実行態様を変更することができるので、遊技機1の稼働率の向上を更に効率的に図ることができる。
また、上述した実施例では、図柄変動遊技中は遊技メダルのベットおよび貯留ができない構成としたが、図柄変動遊技中でもブロッカ106bをONに設定することで遊技メダルのベットおよび貯留の何れか一方または両方ができるように構成してもよい。
また、上述した実施例では、精算開始コマンド(貯留精算開始コマンドまたはベット精算開始コマンド)に基づき(精算を開始するタイミングで)デモ演出を開始する構成としたが、精算終了コマンドに基づき(精算を終了するタイミングで)デモ演出を開始する構成としてもよい。
また、上述した実施例では、主制御基板200からサブ制御基板220に対して、精算開始コマンド(貯留精算開始コマンドまたはベット精算開始コマンド)および精算終了コマンドをサブ制御基板20送信する構成とした。これに代えて、精算開始コマンドおよび精算終了コマンドのうち何れか一方のみを送信する構成としてもよい。そして、精算開始コマンドのみを出力する場合は、サブ制御基板220のCPU221は精算音の出力を停止するに際して、予め定められた時間が経過すると精算音の出力を停止することとしてもよいし、精算開始コマンドに基づき精算する遊技メダルの枚数を検出して該枚数に応じた長さの時間が経過すると精算音の出力を停止することとしてもよい。また、精算終了コマンドのみを出力する場合は、サブ制御基板220のCPU221は精算が終了した旨を報知する精算音を出力すること(例えば「精算終了しました」という音声データを出力する構成)としてもよい。
また、上述した実施例では、遊技メダルのベットや、遊技メダルの貯留を契機として実行中のデモ演出を終了する構成としてもよい。すなわち、遊技者が遊技メダルのベットや貯留を行うということは該遊技者が遊技を継続しようとしている、または、別の遊技者が遊技を開始しようとしていると考えられる。そこで、このような場合は遊技の開始を待機中であることを示唆する必要なないので、デモ演出を終了する。この結果、デモ演出が冗長になることを抑制できる。
また、上述した実施例では、遊技メダルの払い出しが特典として設定された遊技役(以下「小役」という)の入賞成立による遊技メダルの払い出し(以下「入賞払出」という)が行われる場合と(図7のS158の処理)、精算による遊技メダルの払い出し(以下「精算払出」という)が行われる場合とがある(図12)。そして、上述した実施例では図柄変動遊技中であっても精算払出が行われることから、入賞払出のタイミングと精算払出のタイミングとを調整しておかないと、メダル払出装置118に対する遊技メダルの払い出し指示が重複する等して不具合が発生する虞がある。そこで、入賞払出のタイミングと精算払出のタイミングを、次の(1)〜(5)の何れかの構成、または、複数を組み合わせた構成としてもよい。
(1)入賞払出中に精算払出の開始条件が成立したら(精算ボタン40が操作されたら)該入賞払出の終了後に精算払出を開始する構成、(2)入賞払出中は精算払出の開始条件が成立しない(精算ボタン40が操作されても無効となる)構成、(3)精算払出中に入賞払出の開始条件が成立したら(小役が入賞成立したら)該精算払出の終了後に入賞払出を開始する構成、(4)小役に内部当選した図柄変動遊技中に精算払出の開始条件が成立したら、該図柄変動遊技に係る入賞払出の終了後に精算払出を開始する構成、(5)小役に内部当選した図柄変動遊技中は精算払出の開始条件が成立しない構成。