上述した本発明の内容を明確にするために、本発明の構成を以下のような回胴式遊技機に適用した実施例について説明する。
A.回胴式遊技機の装置構成 :
図1は、本実施例の回胴式遊技機1(以下「遊技機1」という)の外観を示す正面図である。図1に示すように、遊技機1には、箱状に形成された筐体3と、筐体3の前面側を覆うようにして設けられた前面扉2などが設けられている。前面扉2は、実際に遊技が行われる中段の領域(2ma,2mb)と、遊技の進行に応じて種々の演出が行われる上段の領域2uと、遊技メダルが払い出される下段の領域2dとの大きく3つの領域から構成され、更に中段の領域は、遊技の状態を表示するための遊技状態表示部2maと、遊技を行うための操作部2mbとから構成されている。
上段の領域2uには、中央に演出表示装置10が設けられ、演出表示装置10の左右にはスピーカー14が設けられ、演出表示装置10およびスピーカー14の上方には、各種のランプ類12が設けられている。演出表示装置10は、いわゆる液晶表示装置によって構成されており、遊技の進行状況に合わせて種々の図柄を表示して演出を行うことが可能となっている。
前面扉2の中段に設けられた遊技状態表示部2maの中央には、大きな表示窓20が設けられており、内部に設けられた3つの回胴20a,20b,20cが回転する様子を視認可能となっている。
前面扉2の中段下方に設けられた操作部2mbは、手前に向かって突出した形状に形成されており、上面には、遊技メダルを投入するための遊技メダル投入口30と、貯留データ(貯留データ)として貯留されている遊技メダルを遊技に要する枚数だけベットするためのベットボタン34などが設けられている。また、操作部2mbの前面には、規定数の遊技メダルのベット後に回胴20a,20b,20cの回転を開始させるためのスタートレバー36と、3つの回胴20a,20b,20cの回転をそれぞれ停止させるための回胴停止ボタン38a,38b,38cなどが設けられている。また、操作部2mbには、上面に精算ボタン40が設けられている。精算ボタン40は、遊技機1の内部に貯留されている遊技メダルを外部に払い出す(精算する)際に操作されるボタンである。また、前面扉2の下段の領域2dには、遊技メダルが払い出される遊技メダル払出口50と、払い出された遊技メダルを受け止める受け皿52などが設けられている。
図2は、前面扉2を開いて遊技機1の内部の構成を示した斜視図である。前面扉2の裏面側において、表示窓20の下方には、後述する扉基板240が設けられている。また、扉基板240の下方には、遊技メダル投入口30から投入された遊技メダルの通路となるメダルセレクタ106が設けられており、その下方には、遊技メダルを遊技メダル払出口50に導くためのコインシュータ108などが設けられている。
このような前面扉2が取り付けられる筐体3のほぼ中央には、3つの回胴20a,20b,20cが設けられており、各回胴の外周面には、後述するように複数種類の図柄が描かれている。これら回胴の上方には、遊技全体の制御を司る後述する主制御基板200が格納された主制御基板ユニット110が設けられており、回胴の背後には、各回胴を駆動するための後述する回胴基板260が格納された回胴基板ユニット112が設けられている。また、回胴の左方には、図1に示した演出表示装置10や、各種ランプ類12、スピーカー14などを用いて行われる各種演出の制御を司る後述するサブ制御基板220が格納されたサブ制御基板ユニット111が設けられている。
3つの回胴20a,20b,20cの下方には、リアスピーカー114が設けられ、更にその下方には、遊技メダル投入口30から投入された遊技メダルが集められるホッパー116や、遊技メダルを払い出すメダル払出装置118、遊技機1全体に電源を供給するための後述する電源基板280が格納された電源ユニット120などが搭載されている。
図3は、3つの回胴20a,20b,20cの外周面に描かれた図柄の配列を示す説明図である。各回胴の外周面は21コマの領域に区画されており、各コマに図柄が描かれている。そして、各回胴の図柄には、描かれた領域(コマ)に応じて1〜21の図柄番号が付されている。
図4は、本実施例の遊技機1の電気的構成を示す説明図である。図4に示すように、遊技機1には、主制御基板200を中心として、サブ制御基板220、扉基板240、回胴基板260、電源基板280、中継基板300等がデータを通信可能に接続されて構成されている。
主制御基板200は、遊技機1で行われる遊技全体の進行制御を司る基板である。この主制御基板200には、CPU201、ROM202、RAM203などがバスによって互いにデータを通信可能に接続されて搭載されており、前面扉2に搭載された扉基板240から、スタートレバー36や回胴停止ボタン38a,38b,38cが操作されたことを示す信号などを受け取って、後述する遊技制御処理を実行しながら、サブ制御基板220や、扉基板240、回胴基板260などに向かって制御コマンド(あるいは制御信号)を送信することにより、これら各種基板の動作を制御している。
サブ制御基板220は、上述した主制御基板200と同様に、CPU221や、ROM222、RAM223、演出用のデータを記憶する演出データROM224などがバスによって互いにデータを通信可能に接続されて構成されている。また、サブ制御基板220には、各種のランプ類12、各種のスピーカー14,114、演出表示装置10、回胴バックライト20Lなどが接続されている。サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200から受け取った制御コマンドに基づき、各種ランプ類12、各種スピーカー14,114、演出表示装置10、回胴バックライト20Lにそれぞれ駆動信号を送信することにより、各種の演出を行っている。
扉基板240には、メダルセレクタ106や、ベットボタン34、スタートレバー36、回胴停止ボタン38a,38b,38c、精算ボタン40などが接続されている。また、この扉基板240は、前述した主制御基板200とデータを通信可能に接続されている。このため、前面扉2に設けられたスタートレバー36や、回胴停止ボタン38a,38b,38c、ベットボタン34、精算ボタン40などを操作すると、扉基板240を介して、その信号が主制御基板200に供給されるようになっている。また、メダルセレクタ106が、内蔵するメダルセンサによって遊技メダルの通過を検出した信号も、扉基板240を介して主制御基板200に供給される。
回胴基板260には、3つの回胴20a,20b,20cをそれぞれ回転させるための回胴モータ24a,24b,24cと、それぞれの回胴の回転位置を検出するための回胴センサ26a,26b,26cなどが接続されている。回胴基板260は、回胴センサ26a,26b,26cによって、各回胴20a,20b,20cの回転位置を検出しながら、回胴モータ24a,24b,24cを駆動することにより、それぞれの回胴20a,20b,20cを、所望の位置で停止させることが可能となっている。
また、メダル払出装置118は、中継基板300を介して、主制御基板200に接続されており、主制御基板200からの制御信号に基づいて、所定枚数の遊技メダルを払い出す動作を行う。
これら各種制御基板および各種基板で消費される電力は、電源基板280から供給されている。図4では、電源基板280から電力が供給される様子を破線の矢印で表している。図示されているように、主制御基板200およびサブ制御基板220には、電源基板280から直接電力が供給されており、各種基板(扉基板240、回胴基板260、中継基板300)には、主制御基板200を介して電力が供給されている。
B.遊技の概要 :
以下では、上記の構成を有する遊技機1において、遊技を進行するために行われる制御の内容について説明するが、その準備として、遊技機1で行われる遊技の概要を説明しておく。
遊技を開始するにあたっては、遊技メダル投入口30から遊技メダルを投入して、遊技を開始するのに必要な枚数(規定数)の遊技メダルのベットを行う。本実施例の遊技機1では、規定数は「3枚」に固定されており、3枚の遊技メダルをベットすると、スタートレバー36の操作が有効化される。また、規定数の遊技メダルが既にベットされている状況下で、遊技メダルが遊技メダル投入口30から投入されると、該遊技メダルは貯留データ(貯留データ)として貯留される。そして、遊技メダルが貯留データとして貯留されている場合は、ベットボタン34を押すことによって規定数の遊技メダルをベット(掛数を設定)することが可能である。
規定数の遊技メダルをベットして、スタートレバー36を操作すると(開始操作に基づいて)、3つの回胴20a,20b,20cが回転を開始する。図3を用いて前述したように、各回胴には複数の図柄が描かれているため、回胴が回転すると、表示窓20では、これら図柄が変動表示されることになる。また、図1を用いて前述したように、前面扉2の前面側には、各回胴に対応して3つの回胴停止ボタン38a,38b,38cが設けられている。回胴20a,20b,20cの回転中に回胴停止ボタン38a,38b,38cが操作されると(停止操作に基づいて)、操作された回胴停止ボタンに対応する回胴が回転を停止し、これに伴って、表示窓20では、変動表示されていた図柄が何れかの図柄で停止表示される。このようにして、3つの回胴20a,20b,20cの回転を停止させると、それぞれの回胴で何れかの図柄が停止表示される。本実施例の遊技機1では、表示窓20の大きさは、各回胴あたり3つずつの図柄が表示されるような大きさに設定されている。結局、3つの回胴20a,20b,20cが停止表示されると、表示窓20には、3行3列の合計9つの図柄が表示されるようになる。また、これら9つの図柄が表示される位置には、複数本の入賞ラインが予め設定されている。
図1には、本実施例の遊技機1に設定されている入賞ラインL1〜L5が示されている。図示されているように、本実施例の遊技機1では、上段のラインL1と、中段のラインL2と、下段のラインL3と、右斜め上方向きのラインL4と、右斜め下方向きのラインL5の合計5本のラインが入賞ラインとして(入賞ラインL1〜L5として)設定されている。そして、3つの回胴20a,20b,20cが停止すると、これらの入賞ライン上には、何らかの図柄組合せが得られることになる。そして、入賞ライン上に揃った図柄組合せが、何れかの遊技役に対応する図柄組合せであった場合には、その遊技役の入賞が成立し、遊技役に応じた特典が遊技者に付与される。
図5は、本実施例の遊技機1に設定されている遊技役の種類を、その遊技役の入賞を成立させる図柄組合せ、および遊技役の入賞が成立したときに遊技者に付与される特典と対応付けて示した説明図である。図5では、左端の欄に遊技役の種類が表示され、中央の欄には遊技役の入賞を成立させる図柄組合せが表示され、右端の欄には遊技役の入賞が成立したときに遊技者に付与される特典が表示されている。例えば、最上段に示したスイカ役という遊技役には、3つの回胴20a,20b,20cが何れも「スイカ」の図柄で揃った図柄組合せが対応付けられており、このスイカ役の入賞成立に対する特典としては、10枚の遊技メダルが遊技者に払い出されるように設定されている。また、チェリー役という遊技役には、左回胴20aの図柄が「チェリー」の図柄であれば、中回胴20bおよび右回胴20cの図柄はどのような図柄であっても構わない図柄組合せが設定されており、チェリー役の入賞成立に対する特典としては、2枚の遊技メダルが払い出されるように設定されている。また、再遊技役という遊技役には、3つの回胴20a,20b,20cが何れも「リプレイ」の図柄で揃った図柄組合せが設定されており、再遊技役の入賞成立に対する特典としては、遊技者が新たに遊技メダルをベットせずとも、自動的に規定数の遊技メダルがベットされて、もう一度、遊技を行うことが可能となる(再遊技を行うことが可能となる)。
また、本実施例の遊技機1には、ベル役A,ベル役B,ベル役C,ベル役Dが遊技役として設定されている。ベル役A〜Dには、3つの回胴20a,20b,20cが「ベル」の図柄で揃った図柄組合せが対応付けられており、ベル役A〜Dの入賞成立に対する特典としては、15枚の遊技メダルが遊技者に払い出されるように設定されている。また、ベル役A〜Dには、「入賞成立させることが可能となる回胴停止ボタン38a,38b,38cの操作順序」(以下「入賞可能押順」ともいう)が互いに異ならせて設定されている(図示省略)。具体的には、ベル役Aには中→左→右の順序で回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作する入賞可能押順が設定されており、ベル役Bには中→右→左、ベル役Cには右→左→中、ベル役Dには右→中→左の順序で回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作する入賞可能押順が設定されている。つまり、ベル役A〜Dには、「左回胴停止ボタン38a以外の回胴停止ボタンから開始される入賞可能押順」が互いに異ならせて設定されている。そして、ベル役A〜Dは、それぞれに対応する入賞可能押順で回胴停止ボタン38a,38b,38cが操作されると、入賞が成立し得る。
もちろん、回胴20a,20b,20cが停止されたときに、何れかの遊技役の入賞が成立するとは限らない。この場合は、再び規定数の遊技メダルをベットした後、スタートレバー36を操作して回胴を回転させることによって、次回の遊技を行う。本実施例の遊技機1では、こうした操作を繰り返し行うことによって遊技が進行するようになっている。こうした遊技の進行は、主制御基板200に搭載されたCPU201によって制御されている。以下では、主制御基板200のCPU201が遊技の進行を制御するために行っている遊技制御処理について説明する。尚、スタートレバー36の操作を受けて回胴20a,20b,20cを回転させた後、回胴停止ボタン38a,38b,38cの操作を受けて回胴20a,20b,20cの回転を停止させる遊技を「図柄変動遊技」とも称する。
C.遊技制御処理 :
図6および図7は、本実施例の遊技機1において主制御基板200のCPU201が遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理を示すフローチャートである。この遊技制御処理は、遊技機1に電源が入れられて、更に主制御基板200や、サブ制御基板220に搭載されたROMのチェックサムなどの初期化処理が行われた後に実行される処理であり、所定時間毎のタイマ割り込み(例えば4msec毎)に基づいて実行されている。
図6に示すように、遊技制御処理を開始すると、主制御基板200のCPU201は先ず「投入関連処理」を行う(S100)。本実施例の遊技機1は、遊技メダル投入口30から遊技メダルが投入されると、該遊技メダルがベットまたは貯留される。詳しくは後述するが、投入関連処理では、このような遊技メダルの投入に関連する処理を行う。
投入関連処理を行ったら(S100)、「精算関連処理」を行う(S102)。本実施例の遊技機1では、精算ボタン40が操作されると(精算条件が成立すると)、ベットまたは貯留されている遊技メダルを精算する(精算手段)。詳しくは後述するが、精算関連処理では、このような遊技メダルの精算に関連する処理を行う。
精算関連処理を行ったら(S102)、ベット済フラグがONに設定されているか否かを判断する(S104)。ベット済フラグは、規定数の遊技メダルがベットされていることを示すフラグである。ベット済フラグがONに設定されていない場合、すなわち、規定数の遊技メダルが未だベットされていない場合は(S104:no)、上述した投入関連処理(S100),精算関連処理(S102)を繰り返す。
これに対して、ベット済フラグがONに設定されている場合、すなわち、規定数の遊技メダルがベットされている場合は(S104:yes)、スタートレバー36が操作されたか否かを判断する(S106)。その結果、スタートレバー36が操作されていない場合は(S106:no)、上述した投入関連処理(S100),精算関連処理(S102),ベット済フラグの状態を判断する処理(S104)を繰り返しながら、スタートレバー36が操作されるまで待機する。そして、スタートレバー36が操作されたら(S106:yes)、ベット済フラグをOFFに設定する(S108)。すなわち、スタートレバー36が操作されることで、ベットされていた遊技メダルが消化されて図柄変動遊技が開始されるので(図柄変動遊技に供されるので)、遊技メダルがベットされた状態を解消すべくベット済フラグをOFFに設定する。続いて、内部抽選処理を行う(S110)。
内部抽選処理では、図5を用いて前述した遊技役の何れかの入賞成立を許容するか否かを、抽選によって決定する処理を行う(役抽選手段)。尚、この抽選で何れかの遊技役に当選した(入賞成立が許容された)としても、直ちに遊技役の入賞が成立するわけではなく、所定のタイミングで(ベル役A〜Dはそれぞれに対応する入賞可能押順で)回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作することにより、当選した遊技役に対応する図柄組合せを入賞ライン上に揃えなければ遊技役の入賞を成立させることはできない。また逆に、抽選で当選した遊技役でなければ、どのようなタイミングや操作順序(以下、遊技者による回胴停止ボタン38a,38b,38cの操作順序を「遊技者押順」ともいう)で回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作したとしても、入賞ライン上に対応する図柄組合せを揃えることはできないようになっている。その意味で、この抽選は、図柄組合せを揃えて遊技役の入賞を成立させるための前提条件として、内部的に行われる抽選であることから「内部抽選」とも表記する。また、内部抽選において所定の遊技役に当選することを該遊技役に「内部当選する」とも表現する。また、内部抽選に当選した状態を「内部当選状態」とも表現する。
この内部抽選は、役抽選テーブルと呼ばれる専用のテーブルを用いて行われている。この役抽選テーブルには、遊技役と内部抽選用乱数との対応関係が設定されている。ここで内部抽選用乱数とは、主制御基板200のCPU201がスタートレバー36の操作信号を受け取ったときに取得する乱数である。本実施例の遊技機1では、内部抽選用乱数は2バイトデータとなっており、0〜65535の範囲の乱数値を取ることが可能である。
図8は、本実施例の役抽選テーブルを概念的に示した説明図である。図8(a)には、各遊技役に対して割り当てられた乱数の範囲がまとめて示されている。また、図8(b)には、各遊技役に割り当てられた乱数範囲の大まかな比率が示されている。図示されているように、役抽選テーブルでは、「ベル役A」に対しては0〜4999の乱数値が設定されている。これは、取得した乱数値がこの範囲にあった場合には、ベル役Aに内部当選することを表している。同様に、「ベル役B」に対しては5000〜9999の乱数値が設定され、「ベル役C」に対しては10000〜14999の乱数値が設定され、「ベル役D」に対しては15000〜19999の乱数値が設定されている。
また、「スイカ役」に対しては20000〜21999の乱数値が設定され、「チェリー役」には22000〜23999の乱数値が設定され、「再遊技役」には24000〜43999の乱数値が設定されている。尚、44000〜65535の乱数値には、何れの遊技役も設定されておらず、従って、取得した乱数値がこの範囲にあった場合は「ハズレ」となる。
内部抽選処理(S110)では、スタートレバー36が操作されたことを検出して内部抽選用乱数を取得するとともに、役抽選テーブルを参照することにより、何れの遊技役に内部当選したか、若しくは何れの遊技役にも内部当選しなかったかを判断する。そして、何れかの遊技役に内部当選したら、遊技役毎に設けられた内部当選フラグのうち、当選した遊技役に対応する内部当選フラグをONに設定する。内部当選フラグは、内部抽選の結果を記憶しておくために用いられるフラグである。
こうして、内部抽選処理を行ったら(S110)、主制御基板200のCPU201は、サブ制御基板220に対して内部抽選結果伝達コマンドを送信する(S112)。内部抽選結果伝達コマンドには、先の内部抽選処理(S110)で行われた内部抽選において遊技役に当選したか否かを示す情報や、当選している場合にはその遊技役の種類(内部抽選結果)を示す情報が含まれており、これら情報に基づき、サブ制御基板220のCPU221の制御下で各種の演出が行われる。
内部抽選結果伝達コマンドをサブ制御基板220に向けて送信したら(S112)、回胴回転始動処理を開始する(図7のS120)。回胴回転始動処理では、所定の条件が満足されているか否かを判断して、該条件が満たされている場合は、3つの回胴20a,20b,20cを回転させる処理を行う。本実施例の回胴回転始動処理では、スタートレバー36が操作され、且つ、前回に回胴20a,20b,20cの回転が開始されてから所定時間(例えば、4.1秒)を経過した場合に回胴の回転を開始させる。回胴20a,20b,20cの回転は、各回胴20a,20b,20cの各々に設けられた回胴モータ24a,24b,24cに対して駆動信号を出力することによって行われる。
こうして3つの回胴20a,20b,20cを回転させたら、回胴の回転を停止させるための処理(回胴回転停止処理)を行う(S122)。回胴回転停止処理では、先に行われた内部抽選の結果(S110)や、遊技者によって回胴停止ボタン38a,38b,38cが操作されたタイミング、遊技者による回胴停止ボタン38a,38b,38cの操作順序(遊技者押順)に基づいて、3つの回胴20a,20b,20cのそれぞれの停止位置を決定し、決定した位置で停止させる処理を行う。すなわち、内部抽選の結果がハズレであれば何れの遊技役も入賞成立させないように回胴20a,20b,20cを停止させる。また、チェリー役またはスイカ役に内部当選している場合は、回胴停止ボタンの操作タイミングが所定のタイミングである場合にのみチェリー役またはスイカ役が入賞成立し、ベル役A〜Dに内部当選している場合は、回胴停止ボタンの操作順序(遊技者押順)が入賞可能押順である場合にのみベル役A〜Dが入賞成立するように回胴20a,20b,20cを停止させる。尚、再遊技役に内部当選している場合は、何れのタイミングおよび何れの操作順序で回胴停止ボタンを操作しても、再遊技役の入賞が成立するように回胴20a,20b,20cを停止させる。
主制御基板200のCPU201は、3つの回胴20a,20b,20cを停止させると、その停止位置に基づいて何れかの遊技役の入賞が成立したか否かを判断する(S124)。上述したように、内部抽選処理(S110)で何れかの遊技役に内部当選していても、回胴停止ボタン38a,38b,38cを押すタイミングや遊技者押順によっては、その遊技役に対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃うとは限らない。そこで、主制御基板200は、回胴の回転を停止させた後、内部抽選で当選した遊技役の入賞が成立しているか否かを判断する。
尚、図柄変動遊技において何れかの遊技役に内部当選した場合は、その図柄変動遊技で当選した遊技役に対応する図柄組合せを入賞ライン上に停止表示させることができなければ、その内部当選は次回の図柄変動遊技以降に持ち越されることなくリセットされてしまう。
S124の判断処理の結果、何れかの遊技役の入賞が成立したと判断された場合は(S124:yes)、入賞の成立した遊技役が再遊技役であるか否かを判断する(S126)。そして、再遊技役の入賞が成立している場合は(S126:yes)、ベット済フラグをONに設定する(S128)。前述したように、本実施例の遊技機1では、再遊技役の入賞が成立すると、遊技者が新たに遊技メダルをベットせずとも、自動的に規定数の遊技メダルがベットされて図柄変動遊技を行う(再遊技を行う)ことが可能となる。そこで、S128の処理では、再遊技の入賞が成立したことを受けて、規定数の遊技メダルがベットされた状態とすべく、ベット済フラグをONに設定する。尚、以下では、遊技者が新たに遊技メダルをベットせずとも、自動的に規定数の遊技メダルがベットされることを「自動ベット」ともいう(自動設定状態発生手段)。
こうして、ベット済フラグをONに設定したら(S128)、自動ベットコマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S130)。自動ベットコマンドは、再遊技の入賞が成立したことで自動ベットが行われたことを示すコマンドである。続いて、遊技終了コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S134)。遊技終了コマンドは、1回の図柄変動遊技が終了するたびに送信されるコマンドである。サブ制御基板220のCPU221は、遊技終了コマンドを受信することによって、1回の図柄変動遊技が終了したことを検出する。また、遊技終了コマンドには、今回の遊技で何れかの遊技役が入賞成立したか否かを示す情報や、入賞成立した遊技役の種類(入賞結果)を示す情報、所定のラインに停止表示された図柄組合せ(停止表示結果)を示す情報、今回の図柄変動遊技における遊技者押順を示す情報などが含まれている。従って、サブ制御基板220のCPU221は、遊技終了コマンドを受信することによって、1回の図柄変動遊技が終了したことだけでなく、該図柄変動遊技における「入賞結果」「停止表示結果」「遊技者押順」も検出する。こうして遊技終了コマンドを送信したら(S134)、遊技制御処理の先頭に戻って、上述した投入関連処理(図6のS100)以降の処理を行う。
一方、入賞の成立した遊技役が再遊技役でない場合は(S126:no)、何れかの遊技役の入賞が成立していることから(S124:yes)、再遊技役とは異なる遊技役が入賞成立したと判断される。そこで、入賞の成立した遊技役に応じた枚数の遊技メダルを払い出す処理(メダル払出処理)を行う(S132)。具体的には、入賞の成立した遊技役がベル役A〜Dの何れかであれば15枚の遊技メダルを払い出し、スイカ役であれば10枚の遊技メダルを払い出し、チェリー役であれば2枚の遊技メダルを払い出す処理を行う。この処理は、主制御基板200のCPU201が払い出すべき遊技メダルの枚数を決定した後、その遊技メダルの払い出しを行うための制御信号をメダル払出装置118に対して送信することによって行われる。
こうしてメダル払出処理を行ったら(S132)、サブ制御基板220に向けて遊技終了コマンドを送信した後(S134)、上述した投入関連処理(図6のS100)以降の処理を行う。尚、S124の判断処理で、何れの遊技役の入賞も成立していないと判断された場合は(S124:no)、S126〜S132の処理を省略して、サブ制御基板220に向けて遊技終了コマンドを送信した後(S134)、上述した投入関連処理(図6のS100)以降の処理を行う。
C−1.投入関連処理 :
図9は、投入関連処理を示すフローチャートである。前述したように、投入関連処理は、主制御基板200のCPU201によって、遊技制御処理の中で最初に実行される(図6のS100)。
投入関連処理を開始すると、主制御基板200のCPU201は、遊技メダル投入口36へ遊技メダルが投入されたか否かを判断する(S200)。ここで、本実施例の遊技機1は、ベットされている遊技メダルのほかに、遊技メダルを50枚まで貯留データとして貯留(記憶)することが可能である(最大53枚の貯留データを記憶可能)。従って、S200の判断処理では、規定数の遊技メダルが既にベット済であり、且つ、50枚の遊技メダルが既に貯留されている場合は、遊技メダル投入口36へ遊技メダルが投入されたとしても、投入されていないと判断する(投入検知手段)。この場合、遊技メダル投入口36から投入された遊技メダルは、メダルセレクタ106を介して遊技メダル払出口50から排出される。
遊技メダルが投入されたと判断した場合は(S200:yes)、サブ制御基板220に向けて投入コマンドを送信する(S202)。投入コマンドは、遊技メダル投入口36から遊技メダルが投入されたことを示すコマンドである。続いて、ベット済フラグがONに設定されているか否か、すなわち、規定数の遊技メダルがベットされているか否かを判断する(S204)。その結果、未だ規定数の遊技メダルがベットされていない場合は(S204:no)、ベットカウンタの値に「1」を加算する(S206)。ベットカウンタは、ベットされた遊技メダルの枚数(ベット数)を計数するためのカウンタである。前述したように、本実施例の遊技機1では、規定数として3枚の遊技メダルがベット可能であるので、ベットカウンタはベットされた遊技メダルの枚数を「3」まで計数可能である。
ベットカウンタの値に「1」を加算したら(S206)、その結果、ベットカウンタの値が「3」に到達したか否か、すなわち、規定数の遊技メダルがベットされたか否かを判断する(S208)。そして、規定数の遊技メダルがベットされた場合は(S208:yes)、スタートレバー36の操作を可能にすべくベット済フラグをONに設定するとともに(S210)、次回のベット数の計数に備えてベットカウンタの値を「0」に戻す(S212)。その後、図9に示す投入関連処理を終了して、図6および図7に示す遊技制御処理に復帰する。これに対して、ベットカウンタに「1」を加算したもののベットカウンタの値が「3」に到達していない場合、すなわち、ベットされた遊技メダルが未だ規定数に到達していない場合は(S208:no)、そのまま図9に示す投入関連処理を終了して、図6および図7に示す遊技制御処理に復帰する。
一方、遊技メダル投入口36から遊技メダルが投入されたものの、既に規定数の遊技メダルがベットされている場合は(S204:yes)、貯留カウンタの値に「1」を加算する(S214)。貯留カウンタは、遊技メダルを貯留データとして貯留しておくためのカウンタである。S214の処理では、今回投入された遊技メダルを貯留データとして貯留すべく貯留カウンタの値に「1」を加算する。尚、貯留カウンタは、主制御基板200のRAM203(貯留データ記憶手段)にその記憶領域が確保されている。
以上は、遊技メダル投入口36から遊技メダルが投入された場合(S200:yes)の処理について説明した。これに対して、遊技メダルが投入されなかった場合は(S200:no)、先ず、ベット済フラグがONに設定されているか否か、すなわち、既に規定数の遊技メダルがベットされているか否かを判断する(S220)。その結果、既に規定数の遊技メダルがベットされている場合は、そのまま図9に示す投入関連処理を終了して、図6および図7に示す遊技制御処理に復帰する。
これに対して、未だ規定数の遊技メダルがベットされていない場合は(S220:no)、ベットボタン34が操作されたか否かを判断する(S222)。その結果、ベットボタン34が操作された場合は(S222:yes)、貯留カウンタの値の一部または全部をベットカウンタの値に移行することによって、貯留されている遊技メダルをベットする。すなわち、貯留カウンタの値を減算しつつ、ベットカウンタの値を規定数(3)に到達するまで加算する。もちろん、ベットカウンタの値が規定数に到達する前に(ベット数が規定数に到達する前に)、貯留カウンタの値が「0」になった場合は(貯留されている遊技メダルの枚数が0枚になった場合は)、そこで遊技メダルのベットが停止される。また、最初から貯留カウンタの値が「0」である場合は(貯留されている遊技メダルが0枚である場合は)、ベットカウンタの値への加算は行われない(遊技メダルはベットされない)。
こうして、貯留カウンタの値の一部または全部をベットカウンタの値に移行したら(S224)、その結果、ベットカウンタの値が「3」に到達したか否か、すなわち、規定数の遊技メダルがベットされたか否かを判断する(S208)。その結果、規定数の遊技メダルがベットされた場合は(S208:yes)、スタートレバー36の操作を可能にすべくベット済フラグをONに設定するとともに(S210)、次回のベット数の計数に備えてベットカウンタの値を「0」に戻す(S212)。そして、図9に示す投入関連処理を終了して、図6および図7に示す遊技制御処理に復帰する。これに対して、貯留カウンタの値の一部または全部をベットカウンタの値に移行したもののベットカウンタの値が「3」に到達していない場合、すなわち、ベットされた遊技メダルが未だ規定数に到達していない場合は(S208:no)、そのまま図9に示す投入関連処理を終了して、図6および図7に示す遊技制御処理に復帰する。
ここで、上述の投入関連処理は、図柄変動遊技が行われていない場合だけでなく、図柄変動遊技中であっても、さらには、再遊技役の入賞成立後の「自動ベットが行われた状態(以下、自動設定状態)」であっても、実行される処理である。従って、本実施例の遊技機1では、図柄変動遊技中であっても、遊技メダル投入口36から遊技メダルが投入されると、投入コマンドがサブ制御基板220に送信されるとともに、遊技メダルのベットおよび貯留が行われる。また、再遊技役の入賞成立後の自動設定状態であっても、遊技メダル投入口36から遊技メダルが投入されると、投入コマンドがサブ制御基板220に送信されるとともに、遊技メダルの貯留が行われる。これにより、遊技メダルをベットする機会および貯留する機会を増やすことができ、遊技者にとっての利便性を高めることが可能となる。尚、図柄変動遊技中に遊技メダル投入口36から遊技メダルが投入された場合は、遊技メダルのベットおよび貯留のうち、貯留のみが可能な構成としてもよい。
C−2.精算関連処理 :
図10は、精算関連処理を示すフローチャートである。前述したように、精算関連処理は、遊技制御処理の中で投入関連処理に続いて実行される(図6のS100)。
精算関連処理を開始すると、主制御基板200のCPU201は先ず、遊技メダルの精算が可能なタイミング(精算可能タイミング)であるか否かを判断する(S300)。ここで、遊技メダルの精算は、主制御基板200からメダル払出装置118に向けて「1枚の遊技メダルの払出を指示する精算コマンド」を繰り返し送信することによって行われる。メダル払出装置118は、精算コマンドを受信するたびに遊技メダルを1枚払い出す。当然ながら、メダル払出装置118の単位時間当たりの払出可能枚数には限度があるので、精算コマンドを短い間隔で受信しても、該コマンドに対応する遊技メダルの払出を行えない場合がある。そこで、S300の判断処理では、前回の精算コマンドの送信から所定時間以上経過しているか否かを判断することで、精算可能タイミングであるか否かを判断する。その結果、精算可能タイミングでない場合は(S300:no)、そのまま図10に示す精算関連処理を終了して、図6および図7に示す遊技制御処理に復帰する。
一方、精算可能タイミングである場合は(S300:yes)、精算ボタン40が操作されたか否かを判断する(S302)。その結果、精算ボタン40が操作されていなければ(S302:no)、そのまま図10に示す精算関連処理を終了して、図6および図7に示す遊技制御処理に復帰する。これに対して、精算ボタン40が操作された場合は(S302:yes)、貯留カウンタの値が「0」より大きいか否か、すなわち、遊技メダルが貯留データとして貯留されているか否かを判断する(S304)。その結果、遊技メダルが貯留されていれば(S304:yes)、精算コマンドをメダル払出装置118およびサブ制御基板220に向けて送信する(S306)。精算コマンドを受信すると、メダル払出装置118は1枚の遊技メダルを払い出し、サブ制御基板220のCPU221は遊技メダルの精算が行われたことを検出する。
こうして、精算コマンドを送信したら(S306)、今回遊技メダルが1枚払い出された(精算された)ことに対応して遊技メダルの貯留枚数を1枚減じるべく、貯留カウンタの値から「1」を減算する。そして、図10に示す精算関連処理を終了して、図6および図7に示す遊技制御処理に復帰する。
以上は、遊技メダルが貯留されている場合に(S304:yes)遊技メダルを精算する処理について説明した。これに対して、遊技メダルが貯留されていない場合は(S304:no)、ベット済フラグがONに設定されているか否か、すなわち、規定数の遊技メダルがベットされているか否かを判断する(S310)。その結果、規定数の遊技メダルがベットされている場合は(S310:yes)、このベットされている遊技メダルを精選する。すなわち、先ず、精算コマンドをメダル払出装置118およびサブ制御基板220に向けて送信する(S312)。続いて、ベットされている規定数(3枚)の遊技メダルのうち1枚の遊技メダルを精算することで、ベットされている遊技メダルは規定数ではなくなったので(2枚になったので)、ベット済フラグをOFFに設定するとともに(S314)、ベットカウンタの値に「2」を設定する(S316)。そして、図10に示す精算関連処理を終了して、図6および図7に示す遊技制御処理に復帰する。
以上は、遊技メダルが貯留されてないものの規定数の遊技メダルがベットされている場合に(S310:yes)、遊技メダルを精算する処理について説明した。これに対して、規定数の遊技メダルがベットされていない場合は(S310:no)、ベットカウンタの値が「0」以上であるか否か、すなわち、規定数には達していないもののそれ未満(1枚または2枚)の遊技メダルがベットされているか否かを判断する(S318)。その結果、規定数未満の遊技メダルがベットされている場合は(S318:yes)、このベットされている遊技メダルを精算する。すなわち、先ず、精算コマンドをメダル払出装置118およびサブ制御基板220に向けて送信する(S320)。続いて、ベットされている規定数未満の遊技メダルのうち1枚の遊技メダルを精算することに対応して、ベット数を減じるべくベットカウンタの値から「1」を減算する(S322)。そして、図10に示す精算関連処理を終了して、図6および図7に示す遊技制御処理に復帰する。尚、S318の判断処理で、規定数未満の遊技メダルもベットされていないと判断された場合は(S318:no)、そのまま図10に示す精算関連処理を終了して、図6および図7に示す遊技制御処理に復帰する。
ここで、上述の精算関連処理は、図柄変動遊技が行われていない場合だけでなく、図柄変動遊技中であっても、さらには、再遊技役の入賞成立後の自動設定状態であっても、実行される処理である。従って、本実施例の遊技機1では、図柄変動遊技中であっても、再遊技役成立後の自動設定状態であっても、精算ボタン40が操作されると、ベットまたは貯留された遊技メダルの精算が行われる。これにより、遊技メダルを精算可能な機会を増やすことができ、遊技者にとっての利便性を高めることが可能となる。尚、ベットまたは貯留された遊技メダルのうち、貯留された遊技メダルのみを精算可能に構成してもよい。
D.演出制御処理 :
本実施例の遊技機1では、上述したような主制御基板200のCPU201による処理に連動して、サブ制御基板220のCPU221が演出制御処理を行うことによって、各種ランプ類12、各種スピーカー14,114、演出表示装置10、回胴バックライト20L等を用いた各種の演出が実行される。各種の演出の実行は次のような構成によって実現される。
サブ制御基板220の演出データROM224には、演出で使用される画像データ(スプライトデータや動画データ等)や音声データが記憶されている。また、サブ制御基板220のROM222には、各種の演出に対応する演出パターンが記憶されている。演出パターンとは、演出に使用する画像データや音声データの種類、画像データの出力位置や出力タイミング、音声データの出力音量や出力タイミング、ランプの点灯パターン等が規定されたデータである。サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200からのコマンド等に基づき実行する演出を決定すると、該演出に対応する演出パターンをROM222から読み出す。そして、読み出した演出パターンにしたがって、演出データROM224に記憶された画像データや音声データを出力することで演出を実行する。
ここで、本実施例の遊技機1では、上述の演出の一環として「ナビ演出」が実行される「アシストタイム期間(以下「AT期間」という)」を開始する場合がある(特定状態発生手段)。「ナビ演出」とは、ベル役A〜Dの何れかが内部当選した場合に、その入賞可能押順(停止操作の態様)を遊技者に報知する演出である(報知手段)。従って、「ナビ演出」が実行される「AT期間(特定状態)」は、該ナビ演出どおりに回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作することで、遊技者押順を入賞可能押順に一致させてベル役A〜Dを入賞成立させることができる(15枚の遊技メダルの払い出しを受けることができる)遊技者に有利な期間である。
このAT期間は、AT期間開始抽選で「AT期間の開始」が決定されると開始され、50回の図柄変動遊技が行われるまで継続する。AT期間開始抽選は、AT期間中ではない期間(非AT期間)にスイカ役またはチェリー役に内部当選した場合に行われる。
また、本実施例の遊技機1では、AT期間開始抽選で「AT期間の開始」が決定されると、該「AT期間の開始」が決定された図柄変動遊技中において、AT期間の開始を示唆するAT開始演出を実行する。AT開始演出としては、「AT開始投入演出」(第1の特定演出),「AT開始精算演出」(第2の特定演出),「AT開始通常演出」が実行可能であり(特定演出実行手段、演出音出力手段)、何れを実行するかは「AT開始演出抽選」で決定される。
これらのAT開始演出のうち、「AT開始投入演出」は「遊技メダル投入口36への遊技メダルの投入を催促するとともにAT期間の開始を示唆する演出」である。例えば、図11(a)に示すように、演出表示装置10において、遊技メダルの投入を催促する内容を表示するとともに遊技メダルが投入されるとパワーが貯まっていく演出を実行した後、AT期間が開始される旨を表示する。また、「AT開始精算演出」は「遊技メダルの精算(精算ボタン40の操作)を催促するとともにAT期間の開始を示唆する演出」である。例えば、図11(b)に示すように、演出表示装置10において、遊技メダルの精算を催促する内容を表示するとともに遊技メダルが精算されるとパワーが貯まっていく演出を実行した後、AT期間が開始される旨を表示する。また、「AT開始通常演出」は「遊技メダルの投入の催促も精算の催促も行わないままAT期間の開始を示唆する演出」である。例えば、図示は省略するが、演出表示装置10において、ルーレットが回転した結果としてAT期間の開始が選択される演出を実行する。
一方、AT期間開始抽選は行ったものの「AT期間の開始」が決定されなかった場合(「AT期間の非開始」が決定された場合)は、該「AT期間の開始」が決定されなかった(「AT期間の非開始」が決定された)図柄変動遊技中において、AT期間の非開始を示唆するAT非開始演出を実行する。AT非開始演出としては、「AT非開始投入演出」,「AT非開始精算演出」,「AT非開始通常演出」が実行可能であり、何れを実行するかは「AT非開始演出抽選」で決定される。
これらのAT非開始演出は、AT期間の非開始を示唆する以外は、上述したAT開始演出と同様である。すなわち、「AT非開始投入演出」は「遊技メダル投入口36への遊技メダルの投入を催促するとともにAT期間の非開始を示唆する演出」であり、「AT非開始精算演出」は「遊技メダルの精算(精算ボタン40の操作)を催促するとともにAT期間の非開始を示唆する演出」であり、「AT非開始通常演出」は「遊技メダルの投入の催促も精算の催促も行わないままAT期間の非開始を示唆する演出」である。
図12および図13は、サブ制御基板220のCPU221によって、演出制御処理の一環として実行される投入精算音出力処理を示すフローチャートである。投入精算音出力処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず、自動ベットコマンドを受信しているか否かを判断する(S800)。図7を用いて前述しように、自動ベットコマンドは、再遊技役の入賞が成立して自動ベットが行われた際に、主制御基板200から送信されるコマンドである。自動ベットコマンドを受信している場合は(S800:yes)、自動ベットが行われたことを遊技者に報知する「自動ベット音」をスピーカー14から出力する(S802)。続いて、自動ベットフラグをONに設定する(S804)。自動ベットフラグは、再遊技役成立後の自動設定状態であることを示すフラグである。
次に、内部抽選結果伝達コマンドを受信しているか否かを判断する(S806)。図6を用いて前述したように、内部抽選結果伝達コマンドは、図柄変動遊技が開始される際に、主制御基板200から送信されるコマンドである。内部抽選結果伝達コマンドを受信している場合は(S806:yes)、自動ベットフラグがONに設定されているか否か、すなわち、自動設定状態であるか否かを判断する(S808)。その結果、自動設定状態である場合は、今回の図柄変動遊技が開始されることで該自動ベットされた遊技メダルは消化されるので、自動設定状態を解消すべく自動ベットフラグをOFFに設定する。このように自動ベットフラグを操作することで、サブ制御基板220のCPU221は、自動ベッドが行われた状態であるか否かを検出することが可能となる。尚、自動ベットフラグがONに設定されていない場合は(S808:no)、S810の処理を省略する。
内部抽選結果伝達コマンドを受信している場合は(S806:yes)、さらに、図柄変動遊技中フラグをONに設定する(S812)。図柄変動遊技中フラグは、図柄変動遊技中であることを示すフラグである。S812の処理では、図柄変動遊技が開始されたことに対応して、図柄変動遊技中フラグをONに設定する。
次に、遊技終了コマンドを受信しているか否かを判断する(S814)。図7を用いて前述したように、遊技終了コマンドは、図柄変動遊技が終了される際に、主制御基板200から送信されるコマンドである。遊技終了コマンドを受信している場合は(S814:yes)、図柄変動遊技が終了されたことに対応して、図柄変動遊技中フラグをOFFに設定する(S816)。このように図柄変動遊技中フラグを操作することで、サブ制御基板220のCPU221は、図柄変動遊技中であるか否かを検出することが可能となる。
次に、投入コマンドを受信しているか否かを判断する(図13のS820)。図9を用いて前述したように、投入コマンドは、遊技メダル投入口36から遊技メダルが投入されてベットまたは貯留された際に、主制御基板200から送信されるコマンドである。尚、以下では、遊技メダル投入口36から遊技メダルが投入されてベットまたは貯留されることを単に「遊技メダルが投入される」ともいう。
投入コマンドを受信している場合は(S820:yes)、図柄変動遊技中フラグがONに設定されているか否か、すなわち、図柄変動遊技中であるか否かを判断する(S822)。つまり、前述したように、本実施例の遊技機1では、図柄変動遊技中であっても遊技メダルの投入が可能であるので、S822の処理では、図柄変動遊技中に遊技メダルが投入されたか否かを判断する。
その結果、図柄変動遊技中に遊技メダルが投入されたのでなければ(S822:no)、今度は、自動ベットフラグがONに設定されているか否か、すなわち、自動設定状態であるか否かを判断する(S824)。つまり、前述したように、本実施例の遊技機1では、再遊技役の入賞成立後の自動設定状態であっても、遊技メダルの投入が可能であるので、S824の処理では、自動設定状態で遊技メダルが投入されたか否かを判断する。
その結果、図柄変動遊技中でも自動設定状態でもない場合に遊技メダルが投入されたのであれば(S824:no)、遊技メダルが投入されたことを遊技者に報知する投入音(第1の効果音)を、通常の音量(通常音量)でスピーカー14から出力させる(S826、第1の効果音出力手段)。
これに対して、自動設定状態である場合に遊技メダルが投入されたのであれば(S824:yes)、投入音(第1の効果音)を通常音量より小さい音量(小音量、音量ゼロでもよい)でスピーカー14から出力させる(S830、第1の効果音出力手段)。すなわち、上述したように、自動ベットが行われると所定の音量で自動ベット音が出力される(図12のS802)。そこで、自動設定状態では、この自動ベット音の妨げにならないように、投入音を自動ベット音の音量よりも小音量で出力させる。
一方、図柄変動遊技中に遊技メダルが投入された場合は(S822:yes)、図11を用いて前述した投入演出(AT開始投入演出またはAT非開始投入演出)の実行中であるか否かを判断する(S828)。その結果、投入演出の実行中でない場合は(S828:no)、小音量で投入音(第1の効果音)を出力させる(S830、第1の効果音出力手段)。すなわち、図柄変動遊技中において、投入演出の実行中でなければ、図11を用いて前述した精算演出(AT開始精算演出またはAT非開始精算演出)や通常演出(AT開始通常演出またはAT非開始通常演出)等の「投入演出以外の演出」の実行中である可能性がある。このような投入演出以外の演出の実行中に通常音量で投入音を出力させると、実行中の該演出の音量が聞き取りにくくなる等の妨げとなってしまうため、実行中の演出の音量よりも小音量で投入音を出力させる。尚、小音量で投入音を出力する構成に代えて、投入音を出力しない構成としてもよい。
これに対して、投入演出の実行中である場合は(S828:yes)、該投入演出用の投入音(演出用投入音、第1の効果音)を出力させる(S832、第1の効果音出力手段)。図11を用いて前述したように、投入演出では、遊技メダルの投入を催促する演出が行われる。従って、投入演出の実行中に遊技メダルの投入が行われた場合は、該投入を遊技者に印象付けた方が、投入演出を際立たせることができる。そこで、S832の処理では、通常の投入音とは異なる演出用投入音を出力する。尚、演出用投入音としては、通常の投入音と異なることを遊技者が認識できる投入音であればよい。
ここで、通常演出や投入演出等の演出音は各演出に対応した所定の音量(投入音の通常音量と同じ音量)で出力される。そこで、演出用投入音の音量は通常音量と同じまたは通常音量より大きい大音量で出力されることが好ましい。こうすると、投入演出中における遊技メダルの投入を際立たせることができる。
投入演出の実行中に遊技メダルの投入が行われた場合は(S828:yes)、演出用投入音を出力する以外にも、該投入に対応する演出を実行する(S834)。例えば、遊技メダルの投入が行われるたびに図11(a)に示すパワーが貯まっていく演出を実行する。そして、所定枚数の遊技メダルが投入されたら、投入演出がAT開始投入演出であればAT期間が開始される旨を表示し、AT非開始投入演出であればAT期間が開始されない旨を表示する。
以上のように、本実施例の遊技機1では、図柄変動遊技中でも自動設定状態でもない場合に遊技メダルが投入されたら、通常音量で通常の投入音を出力する。また、自動設定状態である場合に遊技メダルが投入されたら、小音量で通常の投入音を出力する。また、図柄変動遊技中において投入演出が実行されていない場合に遊技メダルが投入されたら、小音量で通常の投入音を出力する。さらに、図柄変動遊技中において投入演出が実行されている場合に遊技メダルが投入されたら、演出用投入音を出力する。
こうして、遊技メダルの投入(投入音)に係る処理を行ったら(S820〜S834)、続いて、精算コマンドを受信しているか否かを判断する(S840)。図10を用いて前述したように、精算コマンドは、遊技メダルが精算された際に、主制御基板200から送信されるコマンドである。
精算コマンドを受信している場合は(S840:yes)、図柄変動遊技中フラグがONに設定されているか否か、すなわち、図柄変動遊技中であるか否かを判断する(S842)。つまり、前述したように、本実施例の遊技機1では、図柄変動遊技中であっても遊技メダルの精算が可能であるので、S842の処理では、図柄変動遊技中に遊技メダルが精算されたか否かを判断する。
その結果、図柄変動遊技中に遊技メダルが精算されたのでなければ(S842:no)、今度は、自動ベットフラグがONに設定されているか否か、すなわち、自動設定状態であるか否かを判断する(S844)。つまり、前述したように、本実施例の遊技機1では、再遊技役の入賞成立後の自動設定状態であっても、遊技メダルの精算が可能であるので、S844の処理では、自動設定状態で遊技メダルが精算されたか否かを判断する。
その結果、図柄変動遊技中でも自動設定状態でもない場合に遊技メダルが精算されたのであれば(S844:no)、遊技メダルが精算されたことを遊技者に報知する精算音(第2の効果音)を、通常の音量(通常音量)でスピーカー14から出力させる(S826、第2の効果音出力手段)。
これに対して、自動設定状態である場合に遊技メダルが精算されたのであれば(S844:yes)、精算音(第2の効果音)を通常音量より小さい音量(小音量、音量ゼロでもよい)でスピーカー14から出力させる(S850、第2の効果音出力手段)。すなわち、上述したように、自動ベットが行われると自動ベット音が出力される(図12のS802)。そこで、自動設定状態では、この自動ベット音の妨げにならないように、精算音を小音量で出力させる。
一方、図柄変動遊技中に遊技メダルが精算された場合は(S842:yes)、図11を用いて前述した精算演出(AT開始精算演出またはAT非開始精算演出)の実行中であるか否かを判断する(S848)。その結果、精算演出の実行中でない場合は(S848:no)、小音量で精算音(第2の効果音)を出力させる(S850、第2の効果音出力手段)。すなわち、図柄変動遊技中において、精算演出の実行中でなければ、図11を用いて前述した投入演出(AT開始投入演出またはAT非開始投入演出)や通常演出(AT開始通常演出またはAT非開始通常演出)等の「精算演出以外の演出」の実行中である可能性がある。このような精算演出以外の演出の実行中に通常音量で精算音を出力させると、実行中の該演出の妨げとなってしまうため、小音量で精算音を出力させる。尚、小音量で精算音を出力する構成に代えて、精算音を出力しない構成としてもよい。
これに対して、精算演出の実行中である場合は(S848:yes)、該精算演出用の精算音(演出用精算音、第2の効果音)を出力させる(S852、第2の効果音出力手段)。図11を用いて前述したように、精算演出では、遊技メダルの精算を催促する演出が行われる。従って、精算演出の実行中に遊技メダルの精算が行われた場合は、該精算を遊技者に印象付けた方が、精算演出を際立たせることができる。そこで、S852の処理では、通常の精算音とは異なる演出用精算音を出力する。尚、演出用精算音としては、通常の精算音と異なることを遊技者が認識できる精算音であればよい。
ここで、通常演出や精算演出等の演出音は各演出に対応した所定の音量(精算音の通常音量と同じ音量)で出力される。そこで、演出用精算音の音量は通常音量と同じまたは通常音量より大きい大音量で出力されることが好ましい。こうすると、精算演出中における遊技メダルの精算を際立たせることができる。
精算演出の実行中に遊技メダルの精算が行われた場合は(S848:yes)、演出用精算音を出力する以外にも、該精算に対応する演出を実行する(S854)。例えば、遊技メダルの精算が行われるたびに図11(b)に示すパワーが貯まっていく演出を実行する。そして、所定枚数の遊技メダルが精算されたら、精算演出がAT開始精算演出であればAT期間が開始される旨を表示し、AT非開始精算演出であればAT期間が開始されない旨を表示する。
以上のように、本実施例の遊技機1では、図柄変動遊技中でも自動設定状態でもない場合に遊技メダルが精算されたら、通常音量で通常の精算音を出力する。また、自動設定状態である場合に遊技メダルが精算されたら、小音量で通常の精算音を出力する。また、図柄変動遊技中において精算演出が実行されていない場合に遊技メダルが精算されたら、小音量で通常の精算音を出力する。さらに、図柄変動遊技中において精算演出が実行されている場合に遊技メダルが精算されたら、演出用精算音を出力する。
E.本実施例の遊技機1によって得られる効果 :
図14および図15は、本実施例の遊技機1によって得られる効果を説明するための図である。なかでも、図14は、遊技者によって遊技メダルがベットされた場合の投入音および精算音を説明するための図であり、図15は、遊技メダルが自動ベットされた場合の投入音および精算音を説明するための図である。
本実施例の遊技機1は、図14(a)に示すように、遊技者によって遊技メダルがベットされる場合は、図柄変動遊技中以外(遊技準備期間)は(規定数の遊技メダルがベットされた後であっても)、通常音量で投入音および精算音を出力し、図柄変動遊技中は、小音量で投入音および精算音を出力する。これにより、図柄変動遊技中に通常演出等の演出が実行されても、投入音や精算音が該演出の妨げとなってしまうことを抑制して、遊技者の意識を通常演出等の演出に注目させることが可能となる。
ただし、図14(b)に示すように、図柄変動遊技(遊技実行期間)中であっても、投入演出の実行中である場合は、精算音は小音量とするものの、投入音は演出用投入音に変更する。こうすると、精算音が投入演出の妨げとなってしまうことを抑制しつつ、投入演出中の実行中における遊技メダルの投入を遊技者に強く印象付けることができ、ひいては、投入演出に対する遊技者の注目度を高めることができる。
また、図14(c)に示すように、図柄変動遊技中であっても、精算演出の実行中である場合は、投入音は小音量とするものの、精算音は演出用精算音に変更する。こうすると、投入音が精算演出の妨げとなってしまうことを抑制しつつ、精算演出中の実行中における遊技メダルの精算を遊技者に強く印象付けることができ、ひいては、精算演出に対する遊技者の注目度を高めることができる。
一方、図15(a)に示すように、遊技メダルが自動ベットされる場合は、図柄変動遊技中(遊技実行期間)に加えて、遊技ベットが自動ベットされた後(自動設定状態中)も、小音量で投入音および精算音を出力する。こうすると、投入音や精算音が、遊技メダルが自動ベットされる際に出力される自動ベット音の妨げとなってしまうことを抑制することが可能となる。
もちろん、遊技メダルが自動ベットされる場合であっても、図15(b)に示すように(遊技者によって遊技メダルがベットされる場合(図14(b))と同様に)、投入演出の実行中である場合は、精算音は小音量として、投入音は演出用投入音に変更する。また、図15(c)に示すように(遊技者によって遊技メダルがベットされる場合(図14(c))と同様に)、精算演出の実行中である場合は、投入音は小音量として、精算音は演出用投入音に変更する。こうすると、図14(b)または図14(c)を用いて上述したような効果を得ることが可能となる。
以上、本発明について実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、図柄変動遊技中であっても、通常は投入音および精算音を通常音量で出力し、所定の演出が実行中である場合に、投入音および精算音を小音量で出力するようにしてもよい。該所定の演出としては、上述した通常演出や、音声によって遊技の進行状態を報知する演出(例えば、音声によって、内部抽選の結果や、AT開始抽選結果、AT遊技者に有利な状態の開始等を報知する演出)等を例示することができる。こうすると、投入音や精算音が該所定の演出の妨げとなってしまうことを抑制することができ、遊技者の意識を該所定の演出に集中させることが可能となる。特に、該所定の演出が音声によって遊技の進行状態を報知する演出である場合は、投入音や精算音が該演出の音声の妨げとなってしまうことを抑制することができるので、遊技者の意識を該演出の音声に集中させることが可能となる。
また、上述した実施例では、投入演出中は演出用投入音を出力する構成としたが、演出用投入音に代えて、通常の投入音を通常音量より大きな音量(大音量)で出力する構成としてもよい。こうした場合も、投入演出中の実行中における遊技メダルの投入を遊技者に強く印象付けることができ、ひいては、投入演出に対する遊技者の注目度を高めることができる。
また、上述した実施例では、精算演出中は演出用精算音を出力する構成としたが、演出用精算音に代えて、通常の精算音を通常音量より大きな音量(大音量)で出力する構成としてもよい。こうした場合も、精算演出中の実行中における遊技メダルの精算を遊技者に強く印象付けることができ、ひいては、精算演出に対する遊技者の注目度を高めることができる。
また、上述した実施例では、投入演出中は、図柄変動遊技中以外の(通常の)投入音とは異なる投入音を出力する構成としたが、所定の演出音が出力されている場合に(演出音出力手段)、図柄変動遊技中以外の(通常の)投入音とは異なる投入音を出力する構成としてもよい。また、上述した実施例では、精算演出中は、図柄変動遊技中以外の(通常の)精算音とは異なる精算音を出力する構成としたが、所定の演出音が出力されている場合に(演出音出力手段)、図柄変動遊技中以外の(通常の)精算音とは異なる精算音を出力する構成としてもよい。例えば、内部抽選の結果が特定の結果である場合に特定の演出音(複数の演出音のうちの1つ)を出力するようして、該特定の演出音が出力されている場合には通常とは異なる(例えば特定音と類似した音色の)投入音や精算音を出力する構成としてもよい。こうすると、出力されている演出音に合った効果音を出力することで、該演出音を伴う遊技演出を一層盛り上げることが可能となり、遊技興趣を高められる。
また、上述した実施例では、演出音の音量は通常音量としたが、通常音量より大きな大音量としてもよい。こうすると、該演出音を出力する演出を際立たせることができる。特に、投入演出や精算演出の演出音の音量を大音量とすると、投入演出や精算演出を際立たせることができる。