JP2015043864A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】新たな態様の救済機能によって従来よりも遊技興趣を高めることを可能とする。【解決手段】AT期間が終了してから次のAT期間が開始されるまでの図柄変動遊技回数(AT間ゲーム数)を計数しており、AT間ゲーム数が700〜999回である場合に、遊技者による特定操作が行われると、そのときのAT間ゲーム数に応じたAT回数のAT期間を開始する。従って、遊技者をAT間ゲーム数に注目させるとともに、AT期間の開始タイミングや該AT期間のAT回数を遊技者に選択させる遊技性を実現することができ、この結果、遊技興趣を高めることが可能となる。【選択図】図13
Description
本発明は、遊技領域が形成された遊技盤に遊技球を発射することによって遊技を行う弾球遊技機(パチンコ機)や、外周面に複数種類の図柄が描かれた回胴を回転させ、該回胴を停止させることによって遊技を行う回胴式遊技機(スロットマシン)等の遊技機に関する。
遊技機としては、始動口への遊技球入球に基づき特典を付与するか否かの抽選を実行し、該抽選の結果が当選である場合に遊技者に特典を付与する弾球遊技機や、回胴を回転させる操作に基づき特典を付与するか否かの抽選を実行し、該抽選の結果が当選である場合に遊技者に特典を付与する回胴式遊技機などが存在する。
この種の遊技機では、通常より遊技者に有利な状態(有利状態)が発生しないまま所定の回数の遊技が行われたら、有利状態を発生させる救済機能を有する遊技機が知られている(特許文献1)。このような救済機能を有することで、遊技者が多大な不利益を被ることを抑制している。
しかしながら、上述した救済機能を有した遊技機では、所定の回数の遊技が行われると遊技者の意向とは関係なく半ば強制的に有利状態が発生するので、遊技者にとっての自由度が少なく、面白味のない遊技性となっていた。
本発明は、従来の遊技機における上述した課題を解決するためになされたものであり、新たな態様の救済機能によって従来よりも遊技興趣を高めることのできる遊技機を提供することを目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の遊技機は次の構成を採用した。すなわち、
識別情報を変動表示させて停止表示する遊技を実行可能な遊技機であって、
予め定められた状況下で行われた前記遊技の回数を計数する計数手段と、
遊技を進行させるための遊技者操作と異なる特定の遊技者操作を検知する検知手段と、
前記特定の遊技者操作を検知したときの前記計数手段の計数値に基づいて、所定の遊技利益を遊技者に付与する遊技利益付与手段と、
を備えることを特徴とする。
識別情報を変動表示させて停止表示する遊技を実行可能な遊技機であって、
予め定められた状況下で行われた前記遊技の回数を計数する計数手段と、
遊技を進行させるための遊技者操作と異なる特定の遊技者操作を検知する検知手段と、
前記特定の遊技者操作を検知したときの前記計数手段の計数値に基づいて、所定の遊技利益を遊技者に付与する遊技利益付与手段と、
を備えることを特徴とする。
このような遊技機では、遊技を進行させるための遊技者操作と異なる特定の遊技者操作が行われると、予め定められた状況下で行われた遊技の回数(以下、単に「遊技回数」ともいう)に応じた遊技利益が付与される。従って、遊技者を遊技回数に注目させるとともに、遊技利益の付与タイミングや該遊技利益の種類を遊技者に選択させる遊技性を実現することができ、この結果、遊技興趣を高めることが可能となる。
尚、「予め定められた状況下で行われた遊技の回数」としては、遊技機に電源が投入された後に行われた遊技の回数や、所定時間内に行われた遊技の回数、遊技利益が付与されることなく行われた遊技の回数等を例示することができる。また、「遊技利益」としては、通常より有利な状態(有利状態)の発生や、所定の画像や楽曲の出力等を例示することができる。
また、上述した遊技機は、
前記遊技利益の付与に係る前記特定の遊技者操作が検知されることに基づいて、前記計数手段の計数値を初期化する初期化手段を備える
こととしてもよい。
前記遊技利益の付与に係る前記特定の遊技者操作が検知されることに基づいて、前記計数手段の計数値を初期化する初期化手段を備える
こととしてもよい。
このような遊技機によれば、特定の遊技者操作を行うと遊技回数が初期化されるので、さらに多くの遊技回数に到達することが困難となり、ひいては、該多くの遊技回数に応じた遊技利益を得ることが困難となってしまう。従って、すぐに特定の遊技者操作を行うことで遊技利益を得るか、後から特定の遊技者操作を行うことでさらに多くの遊技回数に応じた遊技利益を得るかを遊技者に選択させる遊技性を実現することができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
尚、「計数手段の計数値を初期化するタイミング」は、該計数値に基づいて遊技利益を付与する前であっても後であってもよい。例えば、特定の遊技者操作が行われると計数値に応じた遊技利益を付与してから計数値を初期化する構成や、特定の遊技者操作が行われると計数値を初期化するとともに該計数値を別の記憶領域に記憶しておき、該別の記憶領域に記憶された計数値に応じた遊技利益を付与する構成としてもよい。
また、上述した遊技機は、
前記特定の遊技者操作が検知されることのないまま前記計数手段によって計数された前記遊技の回数が特別回数になることに基づいて、前記遊技利益付与手段が付与する遊技利益よりも大きい特別利益を付与する特別利益付与手段を備える
こととしてもよい。
前記特定の遊技者操作が検知されることのないまま前記計数手段によって計数された前記遊技の回数が特別回数になることに基づいて、前記遊技利益付与手段が付与する遊技利益よりも大きい特別利益を付与する特別利益付与手段を備える
こととしてもよい。
このような遊技機によれば、遊技回数が特別回数に到達すると遊技利益よりも大きい特別利益が付与されるものの、遊技回数が特別回数に到達する前に特定の遊技者操作を行うことで遊技利益が付与されると遊技回数が初期化される。従って、特定の遊技者操作を行うと遊技回数を特別回数に到達させることが困難となり、ひいては、特別利益を得ることが困難となってしまう。この結果、特定の遊技者操作を行うことで遊技利益を得るか、特定の遊技者操作を行うことなく遊技回数が特別回数に到達するまで待機することで特別利益を得るかを遊技者に選択させる遊技性を実現することができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
尚、「特別利益」としては、例えば「遊技利益」の例として上述したものを採用することができる。
また、上述した遊技機は、
前記遊技利益付与手段は、前記特定の遊技者操作が検知されたときの前記計数手段の計数値が多いほど、遊技者に付与する前記遊技利益の内容を有利にする
こととしてもよい。
前記遊技利益付与手段は、前記特定の遊技者操作が検知されたときの前記計数手段の計数値が多いほど、遊技者に付与する前記遊技利益の内容を有利にする
こととしてもよい。
このような遊技機によれば、特定の遊技者操作が行われたときの遊技回数が多いほど遊技利益が大きくなるものの、特定の遊技者操作を行うことでそのときの遊技回数に応じた遊技利益が付与されると遊技回数が初期化される。従って、特定の遊技者操作を行うと、さらに多くの遊技回数に到達することが困難となり、ひいては、該多くの遊技回数に応じた遊技利益を得ることが困難となってしまう。この結果、すぐに特定の遊技者操作を行うことで遊技利益を得るか、後から特定の遊技者操作を行うことでさらに大きな遊技利益を得るかを遊技者に選択させる遊技性を実現することができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
本発明によれば、新たな態様の救済機能によって従来よりも遊技興趣を高めることができる。
上述した本発明の内容を明確にするために、本発明の構成を以下のような回胴式遊技機に適用した実施例について説明する。
A.第1実施例 :
A−1.回胴式遊技機の装置構成 :
図1は、第1実施例の回胴式遊技機1(以下「遊技機1」という)の外観を示す正面図である。図1に示すように、遊技機1には、箱状に形成された筐体3と、筐体3の前面側を覆うようにして設けられた前面扉2などが設けられている。前面扉2は、実際に遊技が行われる中段の領域(2ma,2mb)と、遊技の進行に応じて種々の演出が行われる上段の領域2uと、遊技メダルが払い出される下段の領域2dとの大きく3つの領域から構成され、更に中段の領域は、遊技の状態を表示するための遊技状態表示部2maと、遊技を行うための操作部2mbとから構成されている。
A−1.回胴式遊技機の装置構成 :
図1は、第1実施例の回胴式遊技機1(以下「遊技機1」という)の外観を示す正面図である。図1に示すように、遊技機1には、箱状に形成された筐体3と、筐体3の前面側を覆うようにして設けられた前面扉2などが設けられている。前面扉2は、実際に遊技が行われる中段の領域(2ma,2mb)と、遊技の進行に応じて種々の演出が行われる上段の領域2uと、遊技メダルが払い出される下段の領域2dとの大きく3つの領域から構成され、更に中段の領域は、遊技の状態を表示するための遊技状態表示部2maと、遊技を行うための操作部2mbとから構成されている。
上段の領域2uには、中央に演出表示装置10が設けられ、演出表示装置10の左右にはスピーカー14が設けられ、演出表示装置10およびスピーカー14の上方には、各種のランプ類12が設けられている。演出表示装置10は、いわゆる液晶表示装置によって構成されており、遊技の進行状況に合わせて種々の図柄を表示して演出を行うことが可能となっている。
前面扉2の中段に設けられた遊技状態表示部2maの中央には、大きな表示窓20が設けられており、内部に設けられた3つの回胴20a,20b,20cが回転する様子を視認可能となっている。
前面扉2の中段下方に設けられた操作部2mbは、手前に向かって突出した形状に形成されており、上面には、遊技メダルを投入するための遊技メダル投入口30と、貯留データ(貯留データ)として貯留されている遊技メダルを遊技に要する枚数だけベットするためのベットボタン34などが設けられている。また、操作部2mbの前面には、規定数の遊技メダルのベット後に回胴20a,20b,20cの回転を開始させるためのスタートレバー36と、3つの回胴20a,20b,20cの回転をそれぞれ停止させるための回胴停止ボタン38a,38b,38cなどが設けられている。また、操作部2mbには、上面に精算ボタン40が設けられている。精算ボタン40は、遊技機1の内部に貯留されている遊技メダルを外部に払い出す(精算する)際に操作されるボタンである。また、前面扉2の下段の領域2dには、遊技メダルが払い出される遊技メダル払出口50と、払い出された遊技メダルを受け止める受け皿52などが設けられている。
図2は、前面扉2を開いて遊技機1の内部の構成を示した斜視図である。前面扉2の裏面側において、表示窓20の下方には、後述する扉基板240が設けられている。また、扉基板240の下方には、遊技メダル投入口30から投入された遊技メダルの通路となるメダルセレクタ106が設けられており、その下方には、遊技メダルを遊技メダル払出口50に導くためのコインシュータ108などが設けられている。
このような前面扉2が取り付けられる筐体3のほぼ中央には、3つの回胴20a,20b,20cが設けられており、各回胴の外周面には、後述するように複数種類の図柄(識別情報)が描かれている。これら回胴の上方には、遊技全体の制御を司る後述する主制御基板200が格納された主制御基板ユニット110が設けられており、回胴の背後には、各回胴を駆動するための後述する回胴基板260が格納された回胴基板ユニット112が設けられている。また、回胴の左方には、図1に示した演出表示装置10や、各種ランプ類12、スピーカー14などを用いて行われる各種演出の制御を司る後述するサブ制御基板220が格納されたサブ制御基板ユニット111が設けられている。
3つの回胴20a,20b,20cの下方には、リアスピーカー114が設けられ、更にその下方には、遊技メダル投入口30から投入された遊技メダルが集められるホッパー116や、遊技メダルを払い出すメダル払出装置118、遊技機1全体に電源を供給するための後述する電源基板280が格納された電源ユニット120などが搭載されている。
図3は、3つの回胴20a,20b,20cの外周面に描かれた図柄の配列を示す説明図である。各回胴の外周面は21コマの領域に区画されており、各コマに図柄が描かれている。そして、各回胴の図柄には、描かれた領域(コマ)に応じて1〜21の図柄番号が付されている。
図4は、第1実施例の遊技機1の電気的構成を示す説明図である。図4に示すように、遊技機1には、主制御基板200を中心として、サブ制御基板220、扉基板240、回胴基板260、電源基板280、中継基板300等がデータを通信可能に接続されて構成されている。
主制御基板200は、遊技機1で行われる遊技全体の進行制御を司る基板である。この主制御基板200には、CPU201、ROM202、RAM203などがバスによって互いにデータを通信可能に接続されて搭載されており、前面扉2に搭載された扉基板240から、スタートレバー36や回胴停止ボタン38a,38b,38cが操作されたことを示す信号などを受け取って、後述する遊技制御処理を実行しながら、サブ制御基板220や、扉基板240、回胴基板260などに向かって制御コマンド(あるいは制御信号)を送信することにより、これら各種基板の動作を制御している。
サブ制御基板220は、上述した主制御基板200と同様に、CPU221や、ROM222、RAM223、演出用のデータを記憶する演出データROM224などがバスによって互いにデータを通信可能に接続されて構成されている。また、サブ制御基板220には、各種のランプ類12、各種のスピーカー14,114、演出表示装置10、回胴バックライト20Lなどが接続されている。サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200から受け取った制御コマンドに基づき、各種ランプ類12、各種スピーカー14,114、演出表示装置10、回胴バックライト20Lにそれぞれ駆動信号を送信することにより、各種の演出を行っている。
扉基板240には、メダルセレクタ106や、ベットボタン34、スタートレバー36、回胴停止ボタン38a,38b,38c、精算ボタン40などが接続されている。また、この扉基板240は、前述した主制御基板200とデータを通信可能に接続されている。このため、前面扉2に設けられたスタートレバー36や、回胴停止ボタン38a,38b,38c、ベットボタン34、精算ボタン40などを操作すると、扉基板240を介して、その信号が主制御基板200に供給されるようになっている。また、メダルセレクタ106が、内蔵するメダルセンサによって遊技メダルの通過を検出した信号も、扉基板240を介して主制御基板200に供給される。
回胴基板260には、3つの回胴20a,20b,20cをそれぞれ回転させるための回胴モータ24a,24b,24cと、それぞれの回胴の回転位置を検出するための回胴センサ26a,26b,26cなどが接続されている。回胴基板260は、回胴センサ26a,26b,26cによって、各回胴20a,20b,20cの回転位置を検出しながら、回胴モータ24a,24b,24cを駆動することにより、それぞれの回胴20a,20b,20cを、所望の位置で停止させることが可能となっている。
また、メダル払出装置118は、中継基板300を介して、主制御基板200に接続されており、主制御基板200からの制御信号に基づいて、所定枚数の遊技メダルを払い出す動作を行う。
これら各種制御基板および各種基板で消費される電力は、電源基板280から供給されている。図4では、電源基板280から電力が供給される様子を破線の矢印で表している。図示されているように、主制御基板200およびサブ制御基板220には、電源基板280から直接電力が供給されており、各種基板(扉基板240、回胴基板260、中継基板300)には、主制御基板200を介して電力が供給されている。
A−2.遊技の概要 :
以下では、上記の構成を有する遊技機1において、遊技を進行するために行われる制御の内容について説明するが、その準備として、遊技機1で行われる遊技の概要を説明しておく。
以下では、上記の構成を有する遊技機1において、遊技を進行するために行われる制御の内容について説明するが、その準備として、遊技機1で行われる遊技の概要を説明しておく。
遊技を開始するにあたっては、遊技メダル投入口30から遊技メダルを投入して、遊技を開始するのに必要な枚数(規定数)の遊技メダルのベットを行う。第1実施例の遊技機1では、規定数は「3枚」に固定されており、3枚の遊技メダルをベットすると、スタートレバー36の操作が有効化される。また、規定数の遊技メダルが既にベットされている状況下で、遊技メダルが遊技メダル投入口30から投入されると、該遊技メダルは貯留データ(貯留データ)として貯留される。そして、遊技メダルが貯留データとして貯留されている場合は、ベットボタン34を押すことによって規定数の遊技メダルをベット(掛数を設定)することが可能である。
規定数の遊技メダルをベットして、スタートレバー36を操作すると(開始操作が行われると)、3つの回胴20a,20b,20cが回転を開始する。図3を用いて前述したように、各回胴には複数の図柄が描かれているため、回胴が回転すると、表示窓20では、これら図柄が変動表示されることになる。また、図1を用いて前述したように、前面扉2の前面側には、各回胴に対応して3つの回胴停止ボタン38a,38b,38cが設けられている。回胴20a,20b,20cの回転中に回胴停止ボタン38a,38b,38cが操作されると(停止操作が行われると)、操作された回胴停止ボタンに対応する回胴が回転を停止し、これに伴って、表示窓20では、変動表示されていた図柄が何れかの図柄で停止表示される。このようにして、3つの回胴20a,20b,20cの回転を停止させると、それぞれの回胴で何れかの図柄が停止表示される。第1実施例の遊技機1では、表示窓20の大きさは、各回胴あたり3つずつの図柄が表示されるような大きさに設定されている。結局、3つの回胴20a,20b,20cが停止表示されると、表示窓20には、3行3列の合計9つの図柄が表示されるようになる。また、これら9つの図柄が表示される位置には、複数本の入賞ラインが予め設定されている。
図1には、第1実施例の遊技機1に設定されている入賞ラインL1〜L5が示されている。図示されているように、第1実施例の遊技機1では、上段のラインL1と、中段のラインL2と、下段のラインL3と、右斜め上方向きのラインL4と、右斜め下方向きのラインL5の合計5本のラインが入賞ラインとして(入賞ラインL1〜L5として)設定されている。そして、3つの回胴20a,20b,20cが停止すると、これらの入賞ライン上には、何らかの図柄組合せが得られることになる。そして、入賞ライン上に揃った図柄組合せが、何れかの遊技役に対応する図柄組合せであった場合には、その遊技役の入賞が成立し、遊技役に応じた特典が遊技者に付与される。
図5は、第1実施例の遊技機1に設定されている遊技役の種類を、その遊技役の入賞を成立させる図柄組合せ、および遊技役の入賞が成立したときに遊技者に付与される特典と対応付けて示した説明図である。図5では、左端の欄に遊技役の種類が表示され、中央の欄には遊技役の入賞を成立させる図柄組合せが表示され、右端の欄には遊技役の入賞が成立したときに遊技者に付与される特典が表示されている。例えば、最上段に示したスイカ役という遊技役には、3つの回胴20a,20b,20cが何れも「スイカ」の図柄で揃った図柄組合せが対応付けられており、このスイカ役の入賞成立に対する特典としては、10枚の遊技メダルが遊技者に払い出されるように設定されている。また、チェリー役という遊技役には、左回胴20aの図柄が「チェリー」の図柄であれば、中回胴20bおよび右回胴20cの図柄はどのような図柄であっても構わない図柄組合せが設定されており、チェリー役の入賞成立に対する特典としては、2枚の遊技メダルが払い出されるように設定されている。また、再遊技役という遊技役には、3つの回胴20a,20b,20cが何れも「リプレイ」の図柄で揃った図柄組合せが設定されており、再遊技役の入賞成立に対する特典としては、遊技者が新たに遊技メダルをベットせずとも、自動的に規定数の遊技メダルがベットされて、もう一度、遊技を行うことが可能となる(再遊技を行うことが可能となる)ことが設定されている。
また、第1実施例の遊技機1には、ベル役A,ベル役B,ベル役C,ベル役Dが遊技役として設定されている。ベル役A〜Dには、3つの回胴20a,20b,20cが「ベル」の図柄で揃った図柄組合せが対応付けられており、ベル役A〜Dの入賞成立に対する特典としては、15枚の遊技メダルが遊技者に払い出されるように設定されている。また、ベル役A〜Dには、「入賞成立させることが可能となる回胴停止ボタン38a,38b,38cの操作順序」(以下「入賞可能押順」ともいう)が互いに異ならせて設定されている(図示省略)。具体的には、ベル役Aには中→左→右の操作順序で回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作する入賞可能押順が設定されており、ベル役Bには中→右→左、ベル役Cには右→左→中、ベル役Dには右→中→左の操作順序で回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作する入賞可能押順が設定されている。つまり、ベル役A〜Dには、「左回胴停止ボタン38a以外の回胴停止ボタンから開始される入賞可能押順」が互いに異ならせて設定されている。そして、ベル役A〜Dは、それぞれに対応する入賞可能押順で回胴停止ボタン38a,38b,38cが操作されると、入賞が成立し得る。
もちろん、回胴20a,20b,20cが停止されたときに、何れかの遊技役の入賞が成立するとは限らない。この場合は、再び規定数の遊技メダルをベットした後、スタートレバー36を操作して回胴を回転させることによって、次回の遊技を行う。第1実施例の遊技機1では、こうした操作を繰り返し行うことによって遊技が進行するようになっている。こうした遊技の進行は、主制御基板200に搭載されたCPU201によって制御されている。以下では、主制御基板200のCPU201が遊技の進行を制御するために行っている遊技制御処理について説明する。尚、スタートレバー36の操作を受けて回胴20a,20b,20cを回転させた後、回胴停止ボタン38a,38b,38cの操作を受けて回胴20a,20b,20cの回転を停止させる遊技を「図柄変動遊技」とも称する。
A−3.遊技制御処理 :
図6および図7は、第1実施例の遊技機1において主制御基板200のCPU201が遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理を示すフローチャートである。この遊技制御処理は、遊技機1に電源が入れられて、更に主制御基板200や、サブ制御基板220に搭載されたROMのチェックサムなどの初期化処理が行われた後に実行される処理であり、所定時間毎のタイマ割り込み(例えば4msec毎)に基づいて実行されている。
図6および図7は、第1実施例の遊技機1において主制御基板200のCPU201が遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理を示すフローチャートである。この遊技制御処理は、遊技機1に電源が入れられて、更に主制御基板200や、サブ制御基板220に搭載されたROMのチェックサムなどの初期化処理が行われた後に実行される処理であり、所定時間毎のタイマ割り込み(例えば4msec毎)に基づいて実行されている。
図6に示すように、遊技制御処理を開始すると、主制御基板200のCPU201は先ず、ベット操作有効化処理を行う(S102)。前述したように、第1実施例の遊技機1は、規定数の遊技メダルがベットされた後、スタートレバー36の操作を検出すると回胴20a,20b,20cが回転を開始する。ベット操作有効化処理では、このような遊技メダルをベットする操作の受付を有効にする(遊技メダルのベット操作を検出可能にする)ための処理を行う。
ベット操作有効化処理を行ったら(S102)、精算ボタン40が操作されたか否かの確認を行う(S106)。すなわち、後述のスタートレバー36の操作が検出される前であれば、ベットした遊技メダルも含めて遊技メダルを精算することが可能となっている。そして、精算ボタン40が操作されていた場合には(S106:yes)、精算処理を行うことにより、データとして貯留されている遊技メダルおよびベットした遊技メダルを払い出す処理を行う(S124)。遊技メダルの払い出しは、主制御基板200からメダル払出装置118に向けて、払い出すべき遊技メダルの枚数を指示する制御信号を出力することによって行われる。こうして遊技メダルを払い出したら、遊技の開始前の状態に戻って、ベット操作有効化処理(S102)以降の処理を行う。
ベット操作有効化処理を行った後(S102)、精算ボタン40が操作されていないと判断した場合は(S106:no)、続いて、ベット操作受付処理を行う(S108)。ベット操作受付処理では、規定数の遊技メダルがベットされたか否かを判断して、規定数の遊技メダルがベットされた場合にはベット完了フラグをONに設定する処理を行う。ベット完了フラグとは、規定数の遊技メダルがベットされたか否かを示すフラグである。
ベット操作受付処理を行ったら(S108)、ベット完了フラグがONに設定されているか否か、すなわち、規定数の遊技メダルがベットされたか否かを判断する(S110)。その結果、規定数の遊技メダルがベットされていない場合は(S110:no)、精算ボタン40の操作の有無を確認しながら(S106)、規定数の遊技メダルがベットされるまで待機する。これに対して、規定数の遊技メダルがベットされている場合は(S110:yes)、今度は、スタートレバー36が操作されたか否かを判断する(S112)。その結果、スタートレバー36が操作されていない場合は(S112:no)、精算ボタン40の操作の有無を確認しながら(S106)、スタートレバー36が操作されるまで待機する。一方、スタートレバー36が操作されたら(S112:yes)、ベット操作無効化処理を行う(S114)。ベット操作無効化処理では、遊技メダルのベット操作を無効にする処理を行う。すなわち、スタートレバー36が操作された後は、何れの操作を行っても遊技メダルをベットすることはできないように構成されている。こうして、遊技メダルのベット操作を無効にする処理が終了したら(S114)、内部抽選処理を開始する(S116)。
内部抽選処理では、図5を用いて前述した遊技役の何れかの入賞成立を許容するか否かを、抽選によって決定する処理を行う(役抽選手段)。尚、この抽選で何れかの遊技役に当選した(入賞成立が許容された)としても、直ちに遊技役の入賞が成立するわけではなく、遊技役の種類によっては、所定のタイミングで(ベル役A〜Dはそれぞれに対応する入賞可能押順で)回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作することにより、対応する図柄組合せを入賞ライン上に揃えなければ入賞を成立させることはできない。また逆に、抽選で当選した遊技役でなければ、どのようなタイミングや操作順序(以下、遊技者による回胴停止ボタン38a,38b,38cの操作順序を「遊技者押順」ともいう)で回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作したとしても、入賞ライン上に対応する図柄組合せを揃えることはできない。その意味で、この抽選は、図柄組合せを揃えて遊技役の入賞を成立させるための前提条件として、内部的に行われる抽選であることから「内部抽選」とも表記する。また、内部抽選において所定の遊技役に当選することを該遊技役に「内部当選する」とも表現する。また、内部抽選に当選した状態を「内部当選状態」とも表現する。
この内部抽選は、役抽選テーブルと呼ばれる専用のテーブルを用いて行われている。この役抽選テーブルには、遊技役と内部抽選用乱数との対応関係が設定されている。ここで内部抽選用乱数とは、主制御基板200のCPU201がスタートレバー36の操作信号を受け取ったときに取得する乱数である。第1実施例の遊技機1では、内部抽選用乱数は2バイトデータとなっており、0〜65535の範囲の乱数値を取ることが可能である。
図8は、第1実施例の役抽選テーブルを概念的に示した説明図である。図8(a)には、各遊技役に対して割り当てられた乱数の範囲がまとめて示されている。また、図8(b)には、各遊技役に割り当てられた乱数範囲の大まかな比率が示されている。図示されているように、役抽選テーブルでは、「ベル役A」に対しては0〜4999の乱数値が設定されている。これは、取得した乱数値がこの範囲にあった場合には、ベル役Aに内部当選することを表している。同様に、「ベル役B」に対しては5000〜9999の乱数値が設定され、「ベル役C」に対しては10000〜14999の乱数値が設定され、「ベル役D」に対しては15000〜19999の乱数値が設定されている。
また、「スイカ役」に対しては20000〜21999の乱数値が設定され、「チェリー役」には22000〜23999の乱数値が設定され、「再遊技役」には24000〜43999の乱数値が設定されている。尚、44000〜65535の乱数値には、何れの遊技役も設定されておらず、従って、取得した乱数値がこの範囲にあった場合は「ハズレ」となる。
内部抽選処理(S116)では、スタートレバー36が操作されたことを検出して内部抽選用乱数を取得するとともに、役抽選テーブルを参照することにより、何れの遊技役に内部当選したか、若しくは何れの遊技役にも内部当選しなかったかを判断する。そして、何れかの遊技役に内部当選したら、遊技役毎に設けられた内部当選フラグのうち、当選した遊技役に対応する内部当選フラグをONに設定する。内部当選フラグは、内部抽選の結果を記憶しておくために用いられるフラグである。例えば、スイカ役に内部当選したら、この旨を記憶すべくスイカ役用の内部当選フラグをONに設定する。
こうして、内部抽選処理を行ったら(S116)、主制御基板200のCPU201は、サブ制御基板220に対して内部抽選結果伝達コマンドを送信する(S118)。内部抽選結果伝達コマンドには、先の内部抽選処理(S116)で行われた内部抽選において遊技役に当選したか否かを示す情報や、当選している場合にはその遊技役の種類(内部抽選結果)を示す情報が含まれており、これら情報に基づき、サブ制御基板220のCPU221の制御下で各種の演出が行われる。
内部抽選結果伝達コマンドをサブ制御基板220に向けて送信したら(S118)、回胴回転始動処理を開始する(図7のS128)。回胴回転始動処理では、所定の条件が満足されているか否かを判断して、該条件が満たされている場合は、3つの回胴20a,20b,20cに「内部抽選結果に基づく図柄の停止表示を行うための回転(通常回転)」を行わせる処理を行う。第1実施例の回胴回転始動処理では、前回に回胴20a,20b,20cの通常回転が開始されてから所定時間(例えば、4.1秒)を経過した場合に回胴の通常回転を開始させる。回胴20a,20b,20cの通常回転は、各回胴20a,20b,20cの各々に設けられた回胴モータ24a,24b,24cに対して駆動信号を出力することによって行われる。
こうして3つの回胴20a,20b,20cを通常回転させたら、該通常回転を停止させるための処理(回胴回転停止処理)を行う(S130)。回胴回転停止処理では、先に行われた内部抽選の結果(S116)や、遊技者によって回胴停止ボタン38a,38b,38cが操作されたタイミング、遊技者による回胴停止ボタン38a,38b,38cの操作順序(遊技者押順)に基づいて、3つの回胴20a,20b,20cのそれぞれの停止位置を決定し、決定した位置で停止させる処理を行う。すなわち、内部抽選の結果がハズレであれば何れの遊技役も入賞成立させないように回胴20a,20b,20cを停止させる。また、チェリー役またはスイカ役に内部当選している場合は、回胴停止ボタンの操作タイミングが所定のタイミングである場合にのみチェリー役またはスイカ役が入賞成立し、ベル役A〜Dに内部当選している場合は、回胴停止ボタンの操作順序(遊技者押順)が入賞可能押順である場合にのみベル役A〜Dが入賞成立するように回胴20a,20b,20cを停止させる。尚、再遊技役に内部当選している場合は、何れのタイミングおよび何れの操作順序で回胴停止ボタンを操作しても、再遊技役の入賞が成立するように回胴20a,20b,20cを停止させる。
また、回胴回転停止処理(S130)では、各回胴停止ボタン38a,38b,38cに対する操作を受けて各回胴20a,20b,20cを停止させるたびにその旨を示すコマンドをサブ制御基板220に向けて送信する。すなわち、1回の図柄変動遊技における3回の回胴停止ボタンに対する操作のうち、1回目(最初)の操作(以下「第1停止操作」ともいう)が行われると「第1操作コマンド」が送信され、2回目(2番目)の操作(以下「第2停止操作」ともいう)が行われると「第2操作コマンド」が送信され、3回目(最後)の操作(以下「第3停止操作」ともいう)が行われると「第3操作コマンド」が送信される。サブ制御基板220のCPU221は、これらのコマンドを受信することで、1回の図柄変動遊技において何回目の回胴停止ボタンの操作(第1停止操作〜第3停止操作のうち何れの操作)が行われたかを検出することが可能となる。
主制御基板200のCPU201は、3つの回胴20a,20b,20cを停止させると(S130)、その停止位置に基づいて何れかの遊技役の入賞が成立したか否かを判断する(S132)。上述したように、内部抽選処理(S116)で何れかの遊技役に内部当選していても、回胴停止ボタン38a,38b,38cを押すタイミングや遊技者押順によっては、その遊技役に対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃うとは限らない。そこで、主制御基板200は、回胴の通常回転を停止させた後、内部抽選で当選した遊技役の入賞が成立しているか否かを判断する。
尚、図柄変動遊技において何れかの遊技役に内部当選した場合は、その図柄変動遊技で内部当選した遊技役に対応する図柄組合せを入賞ライン上に停止表示させることができたか否かに拘わらず、その内部当選は次回の図柄変動遊技以降に持ち越されることなくリセットされてしまう(内部当選フラグがOFFに設定される)。
S132の判断処理の結果、何れかの遊技役の入賞が成立したと判断された場合は(S132:yes)、入賞の成立した遊技役が再遊技役であるか否かを判断する(S132)。そして、再遊技役の入賞が成立している場合は(S134:yes)、ベット完了フラグをONに設定する(S136)。前述したように、第1実施例の遊技機1では、再遊技役の入賞が成立すると、遊技者が新たに遊技メダルをベットせずとも、自動的に規定数の遊技メダルがベットされて図柄変動遊技を行う(再遊技を行う)ことが可能となる。そこで、S136の処理では、再遊技の入賞が成立したことを受けて、規定数の遊技メダルがベットされた状態とすべく、ベット完了フラグをONに設定する。
これに対して、入賞の成立した遊技役が再遊技役でない場合は(S134:no)、何れかの遊技役の入賞が成立していることから(S132:yes)、再遊技役とは異なる遊技役が入賞成立したと判断される。そこで、入賞の成立した遊技役に応じた枚数の遊技メダルを払い出す処理(メダル払出処理)を行う(S138)。具体的には、入賞の成立した遊技役がベル役A〜Dの何れかであれば15枚の遊技メダルを払い出し、スイカ役であれば10枚の遊技メダルを払い出し、チェリー役であれば2枚の遊技メダルを払い出す処理を行う。この処理は、主制御基板200のCPU201が払い出すべき遊技メダルの枚数を決定した後、その遊技メダルの払い出しを行うための制御信号をメダル払出装置118に対して送信することによって行われる。一方、何れの遊技役も入賞成立していない場合は、S134〜S138の処理は省略する。
こうして、遊技役の入賞成立に係る処理を行ったら(S132〜S138)、遊技終了コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S142)。遊技終了コマンドは、1回の図柄変動遊技が終了するたびに送信されるコマンドである。サブ制御基板220のCPU221は、遊技終了コマンドを受信することによって、1回の図柄変動遊技が終了したことを検出する。また、遊技終了コマンドには、今回の図柄変動遊技で何れかの遊技役が入賞成立したか否かを示す情報や、入賞成立した遊技役の種類(入賞結果)を示す情報、所定のラインに停止表示された図柄組合せ(停止表示結果)を示す情報、今回の図柄変動遊技における遊技者押順を示す情報などが含まれている。従って、サブ制御基板220のCPU221は、遊技終了コマンドを受信することによって、1回の図柄変動遊技が終了したことだけでなく、該図柄変動遊技における「入賞結果」「停止表示結果」「遊技者押順」も検出する。こうして遊技終了コマンドを送信したら(S142)、遊技制御処理の先頭に戻って、上述したベット操作有効化処理(図6のS102)以降の処理を行う。
A−4.演出制御処理 :
第1実施例の遊技機1では、上述したような主制御基板200のCPU201による処理に連動して、サブ制御基板220のCPU221が演出制御処理を行うことによって、各種ランプ類12、各種スピーカー14,114、演出表示装置10、回胴バックライト20L等を用いた各種の演出が実行される。各種の演出の実行は次のような構成によって実現される。
第1実施例の遊技機1では、上述したような主制御基板200のCPU201による処理に連動して、サブ制御基板220のCPU221が演出制御処理を行うことによって、各種ランプ類12、各種スピーカー14,114、演出表示装置10、回胴バックライト20L等を用いた各種の演出が実行される。各種の演出の実行は次のような構成によって実現される。
サブ制御基板220の演出データROM224には、演出で使用される画像データ(スプライトデータや動画データ等)や音声データが記憶されている。また、サブ制御基板220のROM222には、各種の演出に対応する演出パターンが記憶されている。演出パターンとは、演出に使用する画像データや音声データの種類、画像データの出力位置や出力タイミング、音声データの出力音量や出力タイミング、ランプの点灯パターン等が規定されたデータである。サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200からのコマンド等に基づき実行する演出を決定すると、該演出に対応する演出パターンをROM222から読み出す。そして、読み出した演出パターンにしたがって、演出データROM224に記憶された画像データや音声データを出力することで演出を実行する。
ここで、第1実施例の遊技機1では、上述の演出の一環として「ナビ演出」が実行される「アシストタイム期間(以下「AT期間」という)」を開始する場合がある(有利状態発生手段)。「ナビ演出」とは、ベル役A〜Dの何れかが内部当選した場合に、その入賞可能押順(停止操作の態様)を遊技者に報知する演出である(報知手段)。従って、「ナビ演出」が実行される「AT期間(有利状態)」は、該ナビ演出に従って回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作することで、遊技者押順を入賞可能押順に一致させてベル役A〜Dを入賞成立させることができる(15枚の遊技メダルの払い出しを受けることができる)遊技者に有利な期間である。
以下では、上述したAT期間の開始に関連する処理(AT開始関連処理)について説明する。
図9は、サブ制御基板220のCPU221によって、演出制御処理の一環として実行されるAT開始関連処理を示すフローチャートである。AT開始関連処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず、ATフラグがONに設定されているか否かを判断する(S200)。ATフラグとは、AT期間中であることを示すフラグであり、サブ制御基板220に搭載されたRAM223の所定アドレスにその記憶領域が確保されている。従って、S200の判断処理では、AT期間中であるか否かが判断される。その結果、既にAT期間中である場合は(S200:yes)、AT期間の開始に関連する処理は行う必要がないので、そのままAT開始関連処理を終了する。これに対して、AT期間中でない(非AT期間中である)場合は(S200:no)、非特定操作時開始処理(S202)および特定操作時開始処理(S204)を実行する。詳しくは後述するが、第1実施例の遊技機1では、遊技者による特定操作を受けずにAT期間を開始する場合と、遊技者による特定操作を受けてAT期間を開始する場合とがある。非特定操作時開始処理(S202)は、遊技者による特定操作を受けずにAT期間を開始するための処理であり、特定操作時開始処理(S204)は、遊技者による特定操作を受けてAT期間を開始するための処理である。ここで、特定操作としては種々の操作が採用できる。例えば、遊技機1の筐体に設けられた演出ボタンに対する操作や、演出表示装置10に表示させたメニュー項目から所定の操作部を用いて特定の項目を選択する操作等を挙げることができる。
以下では、先ず、非特定操作時開始処理(S202)について説明し、続いて、特定操作時開始処理(S204)について説明する。
A−4−1.非特定操作時開始処理 :
図10は、非特定操作時開始処理(S202)を示すフローチャートである。サブ制御基板220のCPU221は、非特定操作時開始処理を開始すると先ず、内部抽選結果伝達コマンドを受信しているか否かを判断する(S300)。図6を用いて前述したように、内部抽選結果伝達コマンドは、内部抽選が行われた際に主制御基板200から送信されるコマンドであって、内部抽選結果を示す情報が含まれている。
図10は、非特定操作時開始処理(S202)を示すフローチャートである。サブ制御基板220のCPU221は、非特定操作時開始処理を開始すると先ず、内部抽選結果伝達コマンドを受信しているか否かを判断する(S300)。図6を用いて前述したように、内部抽選結果伝達コマンドは、内部抽選が行われた際に主制御基板200から送信されるコマンドであって、内部抽選結果を示す情報が含まれている。
その結果、内部抽選結果伝達コマンドを受信していない場合は(S300:no)、そのまま図10に示す非特定操作時開始処理を終了して、図9に示すAT開始関連処理に復帰する。これに対して、内部抽選結果伝達コマンドを受信している場合は(S300:yes)、「AT間ゲーム数カウンタ」の値に「1」を加算する(S302)。AT間ゲーム数カウンタは、AT期間が終了してから次のAT期間が開始するまでの図柄変動遊技回数(以下「AT間ゲーム数」という)を計数するためのカウンタであって、サブ制御基板220に搭載されたRAM223の所定アドレスにその記憶領域が確保されている。S302の処理では、S300の処理で内部抽選結果伝達コマンドを受信したことを受けて、非AT期間中に1回の図柄変動遊技が行われたと判断して、AT間ゲーム数を1回加算すべくAT間ゲーム数カウンタの値に「1」を加算する。
続いて、S300の処理で受信した内部抽選結果伝達コマンドに基づき、今回の図柄変動遊技でスイカ役に内部当選したか否かを判断する(S304)。その結果、スイカ役に内部当選した場合は(S304:yes)、AT期間を開始するか否かを決定するためのAT期間開始抽選を実行する(S306)。AT期間開始抽選では、逐次更新されている乱数を取得して、取得した乱数が予め定められた当選値であるか否かを判断することによって行う。AT期間開始抽選において、AT期間を開始すること(AT期間の開始)が決定される確率は、例えば、30%に設定されている。
AT期間開始抽選を実行したら(S306)、該AT期間開始抽選の結果、AT期間の開始が決定されたか否かを判断する(S308)。その結果、AT期間の開始が決定された場合は(S308:yes)、AT期間を開始すべくATフラグをONに設定するとともに(S314)、「ATカウンタ」の値に「100」を設定する(S316)。ATカウンタとは、AT期間が終了するまでの図柄変動遊技の回数が設定されるカウンタであり、AT期間中に図柄変動遊技が行われるたびに「1」が減算される。従って、AT期間開始抽選でAT期間の開始が決定された場合は(S316の処理では)、AT期間が開始されてから100回の図柄変動遊技が行われるまで継続するようにATカウンタの値が設定される。尚、ATカウンタは、サブ制御基板220に搭載されたRAM223の所定アドレスにその記憶領域が確保されている。続いて、AT期間が開始されることを受けて、AT間ゲーム数を0回(初期値)にすべくAT間ゲーム数カウンタの値に「0」を設定する(S318)。その後、図10に示す非特定操作時開始処理を終了して、図9に示すAT開始関連処理に復帰する。
一方、スイカ役に内部当選したものの(S304:yes)AT期間開始抽選でAT期間を開始しないこと(AT期間の非開始)が決定された場合(S308:no)、または、スイカ役に内部当選しなかった場合は(S304:no)、AT間ゲーム数カウンタの値が「1100」であるか否か、すなわち、AT間ゲーム数が1100回に達したか否かを判断する(S310)。つまり、非AT期間中に図柄変動遊技が実行されるに際して、該図柄変動遊技でAT期間の開始が決定されなかった場合は、該図柄変動遊技が行われることでAT間ゲーム数が1100回に達したか否かを判断する。その結果、AT間ゲーム数が1100回(いわゆる天井)に達した場合は(S310:yes)、AT期間開始抽選でAT期間の開始が決定された場合と同様に、「100回の図柄変動遊技が行われるまで継続するAT期間」を開始すべく、ATラグをONに設定するとともに(S314)、ATカウンタの値に「100」を設定する(S316)。続いて、AT期間が開始されることを受けて、AT間ゲーム数を0回(初期値)にすべくAT間ゲーム数カウンタの値に「0」を設定する(S318)。その後、図10に示す非特定操作時開始処理を終了して、図9に示すAT開始関連処理に復帰する。
これに対して、AT間ゲーム数が1100回に達しなかった場合は(S310:no)、AT間ゲーム数を演出表示装置10に表示する等して、AT間ゲーム数を遊技者に報知する(S312)。そして、図10に示す非特定操作時開始処理を終了して、図9に示すAT開始関連処理に復帰する。尚、AT間ゲーム数が1100回に達した場合も、AT間ゲーム数を報知するようにしてもよい。
以上のように、第1実施例の遊技機1では、AT間ゲーム数が1100回に達する前にAT期間開始抽選でAT期間の開始が決定された場合、および、AT間ゲーム数が1100回に達した場合は、「100回の図柄変動遊技が行われるまで継続するAT期間」を開始する。
こうして、遊技者による特定操作を受けずにAT期間を開始するための非特定操作時開始処理(S202)を行ったら、続いて、遊技者による特定操作を受けてAT期間を開始するための特定操作時開始処理(S204)を行う。
A−4−2.特定操作時開始処理 :
図11は、特定操作時開始処理(S204)を示すフローチャートである。サブ制御基板220のCPU221は、特定操作時開始処理を開始すると先ず、図柄変動遊技中であるか否かを判断する(S400)。ここで、図6および図7を用いて前述したように、主制御基板200からは、図柄変動遊技の開始時に内部抽選結果伝達コマンドが送信され、図柄変動遊技の終了時に遊技終了コマンドが送信される。そこで、S400の判断処理では、内部抽選結果伝達コマンドを受信した後に、未だ遊技終了コマンドを受信していない場合に、図柄変動遊技中であると判断する。
図11は、特定操作時開始処理(S204)を示すフローチャートである。サブ制御基板220のCPU221は、特定操作時開始処理を開始すると先ず、図柄変動遊技中であるか否かを判断する(S400)。ここで、図6および図7を用いて前述したように、主制御基板200からは、図柄変動遊技の開始時に内部抽選結果伝達コマンドが送信され、図柄変動遊技の終了時に遊技終了コマンドが送信される。そこで、S400の判断処理では、内部抽選結果伝達コマンドを受信した後に、未だ遊技終了コマンドを受信していない場合に、図柄変動遊技中であると判断する。
S400の判断処理の結果、図柄変動遊技中である場合は(S400:yes)、そのまま図11に示す特定操作時開始処理を終了して、図9に示すAT開始関連処理に復帰する。これに対して、図柄変動遊技中でない場合は(S400:no)、遊技者による特定操作(上述した演出ボタンの操作等)が行われたか否かを判断する(S402)。その結果、特定操作が行われた場合は(S402:yes)、AT間ゲーム数カウンタの値が「700」〜「999」の何れかであるか、すなわち、AT間ゲーム数が700〜999回であるか否かを判断する(S404)。そして、AT間ゲーム数が700〜999回であった場合は(S404:yes)、AT回数決定テーブルを読み出す(S406)。
ここで、第1実施例の遊技機1では、AT間ゲーム数が700〜999回である場合に特定操作が行われると、AT期間を開始する。AT回数決定テーブルは、このときに開始されるAT期間が継続される図柄変動遊技の回数(以下「AT回数」ともいう)を決定するためのテーブルであり、サブ制御基板220に搭載されたROM222に予め記憶されている。
図12は、第1実施例のAT回数決定テーブルを概念的に示す説明図である。図12に示すように、AT回数決定テーブルでは、「AT間ゲーム数」に対応して「AT回数」が設定されており、AT間ゲーム数が多くなるほど多くのAT回数が設定されている。詳しくは、AT間ゲーム数700〜799回に対応してAT回数40回が設定され、AT間ゲーム数800〜899回に対応してAT回数60回が設定され、AT間ゲーム数900〜999回に対応してAT回数80回が設定されている。
このようなAT回数決定テーブルを読み出したら(S406)、該テーブルを参照して、AT間ゲーム数カウンタの値、すなわち、AT間ゲーム数に対応するAT回数を、今回開始するAT期間のAT回数として決定する(S408)。例えば、AT間ゲーム数が720回であればAT回数を40回に決定し、AT間ゲーム数が902回であればAT回数を80回に決定する。こうして、AT回数を決定したら(S408)、AT期間を開始すべくATフラグをONに設定するとともに(S412)、ATカウンタの値にS408の処理で決定されたAT回数を設定する。続いて、AT期間が開始されることを受けて、AT間ゲーム数を0回(初期値)にすべくAT間ゲーム数カウンタの値に「0」を設定する(S414)。その後、図11に示す特定操作時開始処理を終了して、図9に示すAT開始関連処理に復帰する。尚、図柄変動遊技中でない場合であっても(S400:no)、特定操作が行われていない場合や(S402:no)、AT間ゲーム数が700〜999回でない場合は(S404:no)、そのまま図11に示す特定操作時開始処理を終了して、図9に示すAT開始関連処理に復帰する。
以上のように、第1実施例の遊技機1では、AT間ゲーム数が700〜999回である場合に遊技者による特定操作が行われると、該AT間ゲーム数に対応したAT回数のAT期間が開始される。詳しくは、該AT間ゲーム数が多いほど多くのAT回数のAT期間が開始される。尚、第1実施例の遊技機1では、AT間ゲーム数が1000〜1099回である場合は、特定操作が行われてもAT期間を開始しない。この理由については後述する。
A−5.第1実施例の遊技機1によって得られる効果 :
図13は、第1実施例の遊技機1によって得られる効果を説明するための説明図である。図13に示すように、第1実施例の遊技機1では、AT間ゲーム数(予め定められた状況下で行われた遊技の回数)を計数している(計数手段)。そして、AT間ゲーム数が700〜999回である場合に、遊技者による特定操作が行われると(遊技を進行させるための遊技者操作(図柄変動遊技を進行させるための遊技者操作、例えば、回胴20a,20b,20cの回転を開始させるためのスタートレバー36に対する操作や回胴20a,20b,20cの回転を停止させるための回胴停止ボタン38a,38b,38cに対する操作)と異なる特定の遊技者操作を検知すると)(検知手段)、そのときのAT間ゲーム数に応じた(計数手段の計数値に基づいて)AT回数のAT期間を開始する(所定の遊技利益を付与する遊技利益付与手段)。
図13は、第1実施例の遊技機1によって得られる効果を説明するための説明図である。図13に示すように、第1実施例の遊技機1では、AT間ゲーム数(予め定められた状況下で行われた遊技の回数)を計数している(計数手段)。そして、AT間ゲーム数が700〜999回である場合に、遊技者による特定操作が行われると(遊技を進行させるための遊技者操作(図柄変動遊技を進行させるための遊技者操作、例えば、回胴20a,20b,20cの回転を開始させるためのスタートレバー36に対する操作や回胴20a,20b,20cの回転を停止させるための回胴停止ボタン38a,38b,38cに対する操作)と異なる特定の遊技者操作を検知すると)(検知手段)、そのときのAT間ゲーム数に応じた(計数手段の計数値に基づいて)AT回数のAT期間を開始する(所定の遊技利益を付与する遊技利益付与手段)。
従って、遊技者をAT間ゲーム数に注目させるとともに、AT期間の開始タイミングや該AT期間のAT回数を遊技者に選択させる遊技性を実現することができ、この結果、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、第1実施例の遊技機1では、特定操作が行われたときのAT間ゲーム数が多いほど多くのAT回数のAT期間が開始される(遊技利益の内容が有利になる)ものの、特定操作を行うとAT間ゲーム数が0回(初期値)に戻される(計数手段の計数値を初期化する初期化手段)。すなわち、AT間ゲーム数が700〜799回である場合に特定操作が行われるとAT回数40回のAT期間が開始され、AT間ゲーム数が800〜899回である場合に特定操作が行われるとAT回数60回のAT期間が開始され、AT間ゲーム数が900〜999回である場合に特定操作が行われるとAT回数80回のAT期間が開始されるものの、特定操作を行うとAT間ゲーム数が0回に戻される(リセットされる)。従って、特定操作を行うと、さらに多くのAT間ゲーム数に到達することが困難となり、ひいては、該多くのAT間ゲーム数に応じたAT回数のAT期間を開始させることが困難となってしまう。この結果、すぐに特定操作を行うことで少ないAT回数のAT期間を開始させるか、後から特定操作を行うことでさらに多いAT回数のAT期間を開始させるかを遊技者に選択させる遊技性を実現することができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、第1実施例の遊技機1では、AT間ゲーム数が1100回(特別回数)に到達するとAT回数100回のAT期間が開始される(特別利益を付与する特別利益付与手段)ものの、AT間ゲーム数が1100回に到達する前に特定操作を行うことでAT回数40〜80回のAT期間を開始させると、AT間ゲーム数が0回(初期値)に戻される(計数手段の計数値を初期化する初期化手段)。従って、特定操作を行うと、AT間ゲーム数を1100回に到達させることが困難となり、ひいては、AT回数100回のAT期間を開始させることが困難となってしまう。この結果、特定操作を行うことでAT回数40〜80回のAT期間を開始させるか、特定操作を行うことなくAT間ゲーム数が1100回に到達するまで待機することでAT回数100回のAT期間を開始させるかを遊技者に選択させる遊技性を実現することができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、第1実施例の遊技機1では、AT間ゲーム数が700〜999回の場合は特定操作が行われるとAT期間が開始されるものの、AT間ゲーム数が1000〜1099回の場合は(AT間ゲーム数が、1000回に達してから特定操作を伴わずにAT期間が開始される1100回に達する前までは)、特定操作が行われてもAT期間が開始されない(特定操作が可能な期間を制限している)。すなわち、特定操作が行われないままAT間ゲーム数が1000に達すると、「特定操作が行われるとAT期間が開始される期間」から「特定操作が行われてもAT期間が開始されない期間」に移行することになる。従って、特定操作が行われるとAT期間が開始される期間(AT間ゲーム数が700〜999回である期間)において、特定操作を行うか否かを遊技者により深く思案させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
B.第2実施例 :
次に、第2実施例について説明する。第2実施例の遊技機は、非特定操作時開始処理および特定操作時開始処理が上述した第1実施例の遊技機と異なる。以下に、第2実施例の遊技機における「非特定操作時開始処理」および「特定操作時開始処理」について説明する。
次に、第2実施例について説明する。第2実施例の遊技機は、非特定操作時開始処理および特定操作時開始処理が上述した第1実施例の遊技機と異なる。以下に、第2実施例の遊技機における「非特定操作時開始処理」および「特定操作時開始処理」について説明する。
B−1.非特定操作時開始処理 :
図14は、第2実施例の非特定操作時開始処理(第1実施例のS202に相当)を示すフローチャートである。サブ制御基板220のCPU221は、非特定操作時開始処理を開始すると先ず、内部抽選結果伝達コマンドを受信しているか否かを判断する(S500)。その結果、内部抽選結果伝達コマンドを受信していない場合は(S500:no)、そのまま図14に示す非特定操作時開始処理を終了して、図9に示すAT開始関連処理に復帰する。これに対して、内部抽選結果伝達コマンドを受信している場合は(S500:yes)、「AT間ポイント数」を読み出す(S502)。「AT間ポイント数」とは、AT期間が終了してから次のAT期間が開始するまでのポイント数である。ここで、第2実施例の遊技機では、AT期間が終了してから次のAT期間が開始するまでの各図柄変動遊技において、該図柄変動遊技で遊技者に付与するポイント数(以下「加算ポイント数」ともいう)を決定する。そして、該ポイント数を累積加算することで、AT間ポイント数を計数している。AT間ポイント数は、「AT間ポイント数カウンタ」に記憶されており、サブ制御基板220に搭載されたRAM223にその記憶領域が確保されている。
図14は、第2実施例の非特定操作時開始処理(第1実施例のS202に相当)を示すフローチャートである。サブ制御基板220のCPU221は、非特定操作時開始処理を開始すると先ず、内部抽選結果伝達コマンドを受信しているか否かを判断する(S500)。その結果、内部抽選結果伝達コマンドを受信していない場合は(S500:no)、そのまま図14に示す非特定操作時開始処理を終了して、図9に示すAT開始関連処理に復帰する。これに対して、内部抽選結果伝達コマンドを受信している場合は(S500:yes)、「AT間ポイント数」を読み出す(S502)。「AT間ポイント数」とは、AT期間が終了してから次のAT期間が開始するまでのポイント数である。ここで、第2実施例の遊技機では、AT期間が終了してから次のAT期間が開始するまでの各図柄変動遊技において、該図柄変動遊技で遊技者に付与するポイント数(以下「加算ポイント数」ともいう)を決定する。そして、該ポイント数を累積加算することで、AT間ポイント数を計数している。AT間ポイント数は、「AT間ポイント数カウンタ」に記憶されており、サブ制御基板220に搭載されたRAM223にその記憶領域が確保されている。
こうして、AT間ポイント数を読み出したら(S502)、該AT間ポイント数に対応する「加算ポイント数決定テーブル」を読み出す(S504)。「加算ポイント数決定テーブル」は、加算ポイント数を決定するためのテーブルであり、サブ制御基板220に搭載されたROM222に予め記憶されている。
図15は、第2実施例の加算ポイント数決定テーブルを概念的に示す説明図である。図15に示すように、加算ポイント数決定テーブルでは、内部抽選結果に対応させて加算ポイント数が設定されている。また、加算ポイント数決定テーブルとしては、AT間ポイント数が0〜500ポイントである場合に読み出されるテーブルと、AT間ポイント数が501ポイントから1099ポイントである場合に読み出されるテーブルとが記憶されている。これらのテーブルを比較すると明らかなように、AT間ポイント数が0〜500ポイントである場合よりも、AT間ポイント数が501〜1099ポイントである場合の方が、多くの加算ポイント数が決定され易くなっている。また、内部抽選結果がハズレである場合や、再遊技役やベル役A〜Dに内部当選した場合よりも、スイカ役やチェリー役(特定役)に内部当選した場合の方が多くの加算ポイント数が決定され易くなっている。S504の処理では、上述した加算ポイント数決定テーブルのうち、S502の処理で読み出したAT間ポイント数に対応するテーブルを読み出す。
AT間ポイント数に対応する加算ポイント数決定テーブルを読み出したら(S504)、S500の処理で受信した内部抽選結果伝達コマンドに基づき今回の図柄変動遊技結果を検出する。そして、S504の処理で読み出した加算ポイント数決定テーブルを参照して、今回の図柄変動遊技の内部抽選結果に対応する加算ポイント数を決定する(S506)。こうして、今回の図柄変動遊技における加算ポイント数を決定したら(S506)、決定した加算ポイント数をAT間ポイント数に加算すべく、AT間ポイント数カウンタの値に加算する(S508)。
続いて、今回の図柄変動遊技でスイカ役に内部当選したか否かを判断する(S510)。その結果、スイカ役に内部当選した場合は(S510:yes)、AT期間を開始するか否かを決定するためのAT期間開始抽選を実行する(S512)。AT期間開始抽選では、逐次更新されている乱数を取得して、取得した乱数が予め定められた当選値であるか否かを判断することによって行う。AT期間開始抽選において、AT期間を開始すること(AT期間の開始)が決定される確率は、例えば、30%に設定されている。
AT期間開始抽選を実行したら(S512)、該AT期間開始抽選の結果、AT期間の開始が決定されたか否かを判断する(S514)。その結果、AT期間の開始が決定された場合は(S514:yes)、「100回の図柄変動遊技が行われるまで継続するAT期間」を開始すべく、ATフラグをONに設定するとともに(S520)、ATカウンタの値に「100」を設定する(S522)。続いて、AT期間が開始されることを受けて、AT間ポイント数を0ポイント(初期値)にすべくAT間ポイント数カウンタの値に「0」を設定する(S524)。その後、図14に示す非特定操作時開始処理を終了して、図9に示すAT開始関連処理に復帰する。
一方、スイカ役に内部当選したものの(S510:yes)AT期間開始抽選でAT期間を開始しないこと(AT期間の非開始)が決定された場合(S514:no)、または、スイカ役に内部当選しなかった場合は(S510:no)、AT間ポイント数カウンタの値が「1100」以上であるか否か、すなわち、AT間ポイント数が1100ポイントに達したか否かを判断する(S516)。つまり、非AT期間中に図柄変動遊技が実行されるに際して、該図柄変動遊技でAT期間の開始が決定されなかった場合は、該図柄変動遊技が行われることでAT間ポイント数が1100ポイントに達したか否かを判断する。その結果、AT間ポイント数が1100ポイントに達した場合は(S516:yes)、AT期間開始抽選でAT期間の開始が決定された場合と同様に、「100回の図柄変動遊技が行われるまで継続するAT期間」を開始すべくATラグをONに設定するとともに(S520)、ATカウンタの値に「100」を設定する(S522)。続いて、AT期間が開始されることを受けて、AT間ポイント数を0ポイント(初期値)にすべくAT間ポイント数カウンタの値に「0」を設定する(S524)。その後、図14に示す非特定操作時開始処理を終了して、図9に示すAT開始関連処理に復帰する。
これに対して、AT間ポイント数が1100ポイントに達しなかった場合は(S516:no)、AT間ポイント数を演出表示装置10に表示する等して、AT間ポイント数を遊技者に報知する(S518)。その後、図14に示す非特定操作時開始処理を終了して、図9に示すAT開始関連処理に復帰する。尚、AT間ポイント数が1100ポイントに達した場合も、AT間ポイント数を報知するようにしてもよい。
以上のように、第2実施例の遊技機では、非AT期間中は、図柄変動遊技が行われるたびに加算ポイント数を決定する。この加算ポイント数は、AT間ポイント数が大きいほど大きな値に決定され、且つ、スイカ役やチェリー役に内部当選した場合の方が大きな値に決定される。そして、加算ポイント数を累積加算することでAT間ポイント数を計数している。さらに、AT間ポイント数が1100ポイントに達する前にAT期間開始抽選でAT期間の開始が決定された場合、および、AT間ポイント数が1100ポイントに達した場合は、「100回の図柄変動遊技が行われるまで継続するAT期間」を開始する。
こうして、遊技者による特定操作を受けずにAT期間を開始するための非特定操作時開始処理(S202相当)を行ったら、続いて、遊技者による特定操作を受けてAT期間を開始するための特定操作時開始処理(S204相当)を行う。
B−2.特定操作時開始処理 :
図16は、第2実施例の特定操作時開始処理(S204相当)を示すフローチャートである。サブ制御基板220のCPU221は、特定操作時開始処理を開始すると先ず、図柄変動遊技中であるか否かを判断する(S600)。その結果、図柄変動遊技中である場合は(S600:yes)、そのまま図16に示す特定操作時開始処理を終了して、図9に示すAT開始関連処理に復帰する。これに対して、図柄変動遊技中でない場合は(S600:no)、遊技者による特定操作(上述した演出ボタンの操作等)が行われたか否かを判断する(S602)。その結果、特定操作が行われた場合は(S602:yes)、AT間ポイント数カウンタの値が「700」〜「999」の何れかであるか、すなわち、AT間ポイント数が700〜999ポイントであるか否かを判断する(S604)。そして、AT間ポイント数が700〜999ポイントであった場合は(S604:yes)、第2実施例のAT回数決定テーブルを読み出す(S606)。ここで、第2実施例の遊技機では、AT間ポイント数が700〜999ポイントである場合に特定操作が行われると、AT期間を開始する。第2実施例のAT回数決定テーブルは、このときに開始されるAT回数を決定するためのテーブルであり、サブ制御基板220に搭載されたROM222に予め記憶されている。
図16は、第2実施例の特定操作時開始処理(S204相当)を示すフローチャートである。サブ制御基板220のCPU221は、特定操作時開始処理を開始すると先ず、図柄変動遊技中であるか否かを判断する(S600)。その結果、図柄変動遊技中である場合は(S600:yes)、そのまま図16に示す特定操作時開始処理を終了して、図9に示すAT開始関連処理に復帰する。これに対して、図柄変動遊技中でない場合は(S600:no)、遊技者による特定操作(上述した演出ボタンの操作等)が行われたか否かを判断する(S602)。その結果、特定操作が行われた場合は(S602:yes)、AT間ポイント数カウンタの値が「700」〜「999」の何れかであるか、すなわち、AT間ポイント数が700〜999ポイントであるか否かを判断する(S604)。そして、AT間ポイント数が700〜999ポイントであった場合は(S604:yes)、第2実施例のAT回数決定テーブルを読み出す(S606)。ここで、第2実施例の遊技機では、AT間ポイント数が700〜999ポイントである場合に特定操作が行われると、AT期間を開始する。第2実施例のAT回数決定テーブルは、このときに開始されるAT回数を決定するためのテーブルであり、サブ制御基板220に搭載されたROM222に予め記憶されている。
図17は、第2実施例のAT回数決定テーブルを概念的に示す説明図である。図17に示すように、AT回数決定テーブルでは、「AT間ポイント数」に対応して「AT回数」が設定されており、AT間ポイント数が多くなるほど多くのAT回数が設定されている。詳しくは、AT間ポイント数700〜799ポイントに対応してAT回数40回が設定され、AT間ポイント数800〜899ポイントに対応してAT回数60回が設定され、AT間ポイント数900〜999ポイントに対応してAT回数80回が設定されている。
このようなAT回数決定テーブルを読み出したら(S606)、該テーブルを参照して、AT間ポイント数カウンタの値、すなわち、AT間ポイント数に対応するAT回数を、今回開始するAT期間のAT回数として決定する(S608)。例えば、AT間ポイント数が720ポイントであればAT回数を40回に決定し、902ポイントであればAT回数を80回に決定する。こうして、AT回数を決定したら(S608)、AT期間を開始すべくATフラグをONに設定するとともに(S612)、ATカウンタの値にS608の処理で決定されたAT回数を設定する。続いて、AT期間が開始されることを受けて、AT間ポイント数を0ポイント(初期値)にすべくAT間ポイント数カウンタの値に「0」を設定する(S614)。そして、図16に示す特定操作時開始処理を終了して、図9に示すAT開始関連処理に復帰する。尚、図柄変動遊技中でない場合であっても(S600:no)、特定操作が行われていない場合や(S602:no)、AT間ポイント数が700〜999ポイントでない場合は(S604:no)、そのまま図16に示す特定操作時開始処理を終了して、図9に示すAT開始関連処理に復帰する。
以上のように、第2実施例の遊技機では、AT間ポイント数が700〜999ポイントである場合に遊技者による特定操作が行われると、該AT間ポイント数に対応したAT回数のAT期間が開始される。詳しくは、該AT間ポイント数が多いほど多くのAT回数のAT期間が開始される。尚、第2実施例の遊技機では、AT間ポイント数が1000〜1099ポイントである場合は、特定操作が行われてもAT期間を開始しないが、この理由については後述する。
B−3.第2実施例の遊技機によって得られる効果 :
図18は、第2実施例の遊技機によって得られる効果を説明するための図である。図18に示すように、第2実施例の遊技機では、非AT期間中は、図柄変動遊技が行われるたびに(1回の遊技に対し(所定の付与条件が成立すると))加算ポイント数を決定する(遊技者に所定数のポイントを付与するポイント付与手段)。この加算ポイント数を累積加算することでAT間ポイント数を計数している(予め定められた状況下で付与されたポイントを累積して計数する計数手段)。そして、AT間ポイント数が700〜999ポイントである場合に、遊技者による特定操作が行われると(遊技を進行させるための遊技者操作(図柄変動遊技を進行させるための遊技者操作、例えば、回胴20a,20b,20cの回転を開始させるためのスタートレバー36に対する操作や回胴20a,20b,20cの回転を停止させるための回胴停止ボタン38a,38b,38cに対する操作)と異なる特定の遊技者操作を検知すると)(検知手段)、そのときのAT間ポイント数に応じた(計数手段の計数値に基づいて)AT回数のAT期間を開始する(所定の遊技利益を付与する遊技利益付与手段)。
図18は、第2実施例の遊技機によって得られる効果を説明するための図である。図18に示すように、第2実施例の遊技機では、非AT期間中は、図柄変動遊技が行われるたびに(1回の遊技に対し(所定の付与条件が成立すると))加算ポイント数を決定する(遊技者に所定数のポイントを付与するポイント付与手段)。この加算ポイント数を累積加算することでAT間ポイント数を計数している(予め定められた状況下で付与されたポイントを累積して計数する計数手段)。そして、AT間ポイント数が700〜999ポイントである場合に、遊技者による特定操作が行われると(遊技を進行させるための遊技者操作(図柄変動遊技を進行させるための遊技者操作、例えば、回胴20a,20b,20cの回転を開始させるためのスタートレバー36に対する操作や回胴20a,20b,20cの回転を停止させるための回胴停止ボタン38a,38b,38cに対する操作)と異なる特定の遊技者操作を検知すると)(検知手段)、そのときのAT間ポイント数に応じた(計数手段の計数値に基づいて)AT回数のAT期間を開始する(所定の遊技利益を付与する遊技利益付与手段)。
従って、遊技者を加算ポイント数およびAT間ポイント数に注目させるとともに、AT期間の開始タイミングや該AT期間のAT回数を遊技者に選択させる遊技性を実現することができ、この結果、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、加算ポイント数は、AT間ポイント数が大きいほど大きな値に決定され、且つ、スイカ役やチェリー役に内部当選した場合の方が大きな値に決定される。従って、加算ポイント数を付与するに際して、AT間ポイント数および内部抽選結果に遊技者を注目させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、第2実施例の遊技機では、特定操作が行われたときのAT間ポイント数が多いほど多くのAT回数のAT期間が開始される(遊技利益の内容が有利になる)ものの、特定操作を行うとAT間ポイント数が0ポイント(初期値)に戻される(計数手段の計数値を初期化する初期化手段)。すなわち、AT間ポイント数が700〜799ポイントである場合に特定操作が行われるとAT回数40回のAT期間が開始され、AT間ポイント数が800〜899ポイントである場合に特定操作が行われるとAT回数60回のAT期間が開始され、AT間ポイント数が900〜999ポイントである場合に特定操作が行われるとAT回数80回のAT期間が開始されるものの、特定操作を行うとAT間ポイント数が0ポイントに戻される(リセットされる)。従って、特定操作を行ってしまうと、さらに多くのAT間ポイント数に到達することが困難となり、ひいては、該多くのAT間ポイント数に応じたAT回数のAT期間を開始させることが困難となってしまう。この結果、すぐに特定操作を行うことで少ないAT回数のAT期間を開始させるか、後から(AT間ポイント数が増加してから)特定操作を行うことでさらに多いAT回数のAT期間を開始させるかを遊技者に選択させる遊技性を実現することができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、第2実施例の遊技機では、AT間ポイント数が1100ポイント(特別値)に到達するとAT回数100回のAT期間が開始される(特別利益を付与する特別利益付与手段)ものの、AT間ポイント数が1100ポイントに到達する前に特定操作を行うことでAT回数40〜80回のAT期間を開始させると、AT間ポイント数が0ポイント(初期値)に戻される(計数手段の計数値を初期化する初期化手段)。従って、特定操作を行うと、AT間ポイント数を1100ポイントに到達させることが困難となり、ひいては、AT回数100回のAT期間を開始させることが困難となってしまう。この結果、特定操作を行うことでAT回数40〜80回のAT期間を開始させるか、特定操作を行うことなくAT間ポイント数が1100ポイントに到達するまで待機することでAT回数100回のAT期間を開始させるかを遊技者に選択させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、第2実施例の遊技機では、AT間ポイント数が700〜999ポイントの場合は特定操作が行われるとAT期間が開始されるものの、AT間ポイント数が1000〜1099ポイントの場合は(AT間ポイント数が、1000ポイントに達してから特定操作を伴わずにAT期間が開始される1100ポイントに達する前までは)、特定操作が行われてもAT期間が開始されない(特定操作が可能な期間を制限している)。すなわち、特定操作が行われないままAT間ポイント数が1000ポイントに達すると、「特定操作が行われるとAT期間が開始される期間」から「特定操作が行われてもAT期間が開始されない期間」に移行することになる。従って、特定操作が行われるとAT期間が開始される期間(AT間ポイント数が700〜999ポイントである期間)において、特定操作を行うか否かを遊技者により深く思案させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
以上、本発明について実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、上述した第1実施例では、特定操作が行われてAT期間が開始されると0回(初期値)に戻されるAT間ゲーム数を本発明の「遊技の回数」として計数する構成としたが、特定操作が行われてAT期間が開始されても0回(初期値)に戻されない非AT期間中の図柄変動遊技回数(以下「非AT中ゲーム数」ともいう)を本発明の「遊技の回数」として計数する構成としてもよい。このような構成とした場合は、例えば、非AT中ゲーム数が第1数である第1期間中に特定操作が行われると第1AT回数のAT期間を開始する。また、非AT中ゲーム数が第1数より多い第2数である第2期間中に特定操作が行われると、その前の第1AT期間中に特定操作が行われることでAT期間が開始されていたか否かによって、異なるAT回数のAT期間を開始する。すなわち、第2期間中に特定操作が行われると、第1AT期間中に特定操作が行われていた場合は第2AT回数のAT期間を開始し、第1AT期間中に特定操作が行われていなかった場合は第2AT回数より多い第3AT回数のAT期間を開始する。こうすると、「第1期間中に第1AT回数のAT期間を開始させて第2期間中に第2AT回数のAT期間を開始させる」か、「第1期間中にAT期間を開始させずに第2期間中に第2AT回数より多い第3AT回数のAT期間を開始させる」かを遊技者に選択させる遊技性を実現することができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
さらに、このような構成とした場合は、第1AT回数と第2AT回数の和よりも、第3AT回数を大きくする構成してもよい。こうすると、「AT回数は少ない(第1AT回数と第2AT回数の和)ものの早くに(第1期間中に)AT期間を開始させる」か、AT期間の開始は遅く(第2期間中に)なるもののAT回数を多くする」かを遊技者に選択させる遊技性を実現することができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、上述した第2実施例では、特定操作が行われてAT期間が開始されると0ポイント(初期値)に戻されるAT間ポイント数を本発明の「遊技のポイント数」として計数する構成としたが、特定操作が行われてAT期間が開始されても0ポイント(初期値)に戻されない非AT期間中のポイント数(以下「非AT中ポイント数」ともいう)を本発明の「遊技のポイント数」として計数する構成としてもよい。このような構成とした場合は、例えば、非AT中ポイント数が第1数である第1期間中に特定操作が行われると第1AT回数のAT期間を開始する。また、非AT中ポイント数が第1数より多い第2数である第2期間中に特定操作が行われると、その前の第1AT期間中に特定操作が行われることでAT期間が開始されていたか否かによって、異なるAT回数のAT期間を開始する。すなわち、第2期間中に特定操作が行われると、第1AT期間中に特定操作が行われていた場合は第2AT回数のAT期間を開始し、第1AT期間中に特定操作が行われていなかった場合は第2AT回数より多い第3AT回数のAT期間を開始する。こうすると、「第1期間中に第1AT回数のAT期間を開始させて第2期間中に第2AT回数のAT期間を開始させる」か、「第1期間中にAT期間を開始させずに第2期間中に第2AT回数より多い第3AT回数のAT期間を開始させる」かを遊技者に選択させる遊技性を実現することができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
さらに、このような構成とした場合は、第1AT回数と第2AT回数の和よりも、第3AT回数を大きくする構成してもよい。こうすると、「AT回数は少ない(第1AT回数と第2AT回数の和)ものの早くに(第1期間中に)AT期間を開始させる」か、AT期間の開始は遅く(第2期間中に)なるもののAT回数を多くする」かを遊技者に選択させる遊技性を実現することができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、上述した実施例においては、特定操作の回数を制限してもよい。例えば、時間ごとの特定操作の回数や、開始されるAT期間の回数ごとの特定操作の回数を制限する構成(1時間に1回の特定操作を許容する構成や、AT期間が2回開始されるごとに1回の特定操作を許容する構成等)としてもよい。こうすると、遊技者に特定操作の回数に注目させるとともに、特定操作を行うタイミングについて、より深く思案させることが可能となり、この結果、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、上述した第1実施例では、特定操作が行われることで開始されるAT期間のAT回数は、AT間ゲーム数に応じて決定される構成としたが、該AT期間のAT回数を抽選(以下「AT回数抽選」ともいう)によって決定する構成としてもよい。こうすると、特定操作が行われるに際して、何れのAT回数に決定されるかに遊技者を注目させることが可能となる。さらに、AT回数抽選では、AT間ゲーム数が多いほど、多くのAT回数に決定される確率が高くなる構成としてもよい。こうすると、特定操作が行われるに際して、「多くのAT回数が決定されることに対する遊技者の期待の程度」をAT間ゲーム数に対応したものとすることが可能となる。
また、上述した第2実施例では、特定操作が行われることで開始されるAT期間のAT回数は、AT間ポイント数に応じて決定される構成としたが、該AT期間のAT回数を抽選(以下「AT回数抽選」ともいう)によって決定する構成としてもよい。こうすると、特定操作が行われるに際して、何れのAT回数に決定されるかに遊技者を注目させることが可能となる。さらに、AT回数抽選では、AT間ポイント数が多いほど、多くのAT回数に決定される確率が高くなる構成としてもよい。こうすると、特定操作が行われるに際して、「多くのAT回数が決定されることに対する遊技者の期待の程度」をAT間ポイント数に対応したものとすることが可能となる。
また、上述した実施例においては、非AT期間中に「左回胴停止ボタン38a以外の回胴停止ボタンから開始される入賞可能押順」で回胴停止ボタン38a,38b,38cが操作されたら、遊技者に対して罰則を与える構成としてもよい。例えば、入賞可能押順で操作されてから所定回数(例えば5回)の図柄変動遊技が行われるまでは、AT間ゲーム数またはAT間ポイント数の計数を行わない構成としてもよい。こうすると、非AT期間中に遊技者が入賞可能押順で操作することを防止でき、ひいては、非AT期間中にベル役A〜Dが高頻度で入賞成立することを防止することが可能となる。さらに、第2実施例においては、罰則期間中は、AT間ポイント数の計数(ポイント数の付与)は行わないものの、付与しないポイント数の決定を行って、該ポイント数を遊技者に報知する構成としてもよい。こうすると、報知されたポイント数を罰則期間でなければ獲得できていたポイント数であると遊技者に認識させることができ、罰則期間に対する思案を深めさせることが可能となる。
また、上述した実施例においては、AT間ゲーム数が700〜999回(AT間ポイント数が700〜999ポイント)の場合に特定操作が行われると、遊技利益を付与するか(AT期間を開始するか)否かの抽選を行って、該抽選の結果に応じて遊技利益を付与する構成としてもよい。更に、該抽選の結果として遊技利益が付与される確率は、AT間ゲーム数(AT間ポイント数)が多いほど高くなる構成としてもよい。例えば、AT間ゲーム数(AT間ポイント数)が700〜799回(ポイント)の場合に特定操作が行われると10%の確率で遊技利益を付与し、AT間ゲーム数(AT間ポイント数)が800〜899回(ポイント)の場合に特定操作が行われると20%の確率で遊技利益を付与し、AT間ゲーム数(AT間ポイント数)が900〜999回(ポイント)の場合に特定操作が行われると30%の確率で遊技利益を付与し、AT間ゲーム数が1100回に達すると100%の確率で遊技利益を付与する構成としてもよい。こうすると、特定操作を行うタイミングについて遊技者により深く思案させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、上述した第2実施例においては、特定操作が行われることでAT期間が開始された(遊技利益が付与された)後には、該AT期間が開始される(該遊技利益が付与される)前に比べて、加算ポイント数を少なくする構成としてもよい。例えば、遊技機に電源が投入された後(所定の期間が開始された後)、特定操作が行われることで遊技利益が付与されるまでは、上述した第2実施例と同様の加算ポイント数をAT間ポイント数に加算し、該特定操作が行われた後は、第2実施例の半分の加算ポイント数をAT間ポイント数に加算する構成としてもよい。こうすると、特定操作を行うことでAT期間を開始させるタイミングについて(後に付与される加算ポイント数が少なくなったとしても早いタイミングでAT期間を開始させるか、AT期間を開始させるタイミングを遅らせて付与される加算ポイント数を多いままとするか)、遊技者に思案させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、上述した第2実施例においては、AT期間の開始契機(遊技利益の付与契機)となる特定操作が行われた回数が多いほど、加算ポイント数を少なくする(少ないポイントを付与する)構成としてもよい。例えば、遊技機に電源が投入されてからの特定操作の回数が0〜20回であれば上述した第2実施例と同様の加算ポイント数をAT間ポイント数に加算し、該特定操作の回数が21回以上であれば上述した第2実施例の半分の加算ポイント数をAT間ポイント数に加算する構成としてもよい。こうすると、特定操作が行われた回数に遊技者を注目させることができ、遊技興趣を高めることが可能となる。
また、上述した実施例では、図柄変動遊技中でない場合に特定操作が行われるとAT期間を開始する構成としたが、図柄変動遊技中に特定操作が行われるとAT期間を開始する構成としてもよい。
また、上述した実施例では、遊技利益および特別利益としてAT期間を採用したが、これに限らず、所定の遊技役に内部当選する確率が通常より高いビッグボーナス状態や、リプレイタイム状態等を採用してもよい。
また、上述した実施例では、本発明を回胴式遊技機に適用した例について説明したが、弾球遊技機(パチンコ機)に適用してもよい。例えば、始動口への遊技球の入球を検知して(遊技球を検知する検知手段)、該検知(検知手段での遊技球の検知)に基づき特別図柄(識別情報)を変動表示させ(識別情報表示手段)、大当り図柄が停止表示されたら(特定結果となったら)、大入賞口(遊技球が入球可能な入球不能状態と入球可能な入球可能状態とに変化可能な可変入球口)を開放する(入球可能状態にする)大当り遊技(特定遊技)を実行する弾球遊技機に適用してもよい。
そして、このような弾球遊技機に本発明を適用する場合は、次の様な構成としてもよい。すなわち、始動口が「遊技球の入球可能性が低い第1態様」と「第1態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2態様」とに変化可能であり、始動口が第2態様となる頻度が通常よりも高くなる高頻度状態を発生可能である(高頻度状態発生手段を有する)構成とする。そして、高頻度状態(または大当り遊技遊技)が終了してから次の高頻度状態(または大当り遊技)が発生するまでの図柄変動遊技回数(予め定められた状況下で行われた遊技回数、以下「第1有利状態間ゲーム数」ともいう)を計数しておき、特定操作が行われると、そのときの第1有利状態間ゲーム数に応じた期間の高頻度状態を発生させる(遊技利益を遊技者に付与する)構成としてもよい。もちろん、特定操作が行われたときの第1有利状態間ゲーム数が多いほど、長期間の高頻度状態を発生させる構成としてもよいし、特定操作が行われて高頻度状態が発生されると第1有利状態間ゲーム数を初期値に戻す構成としてもよいし、第1有利状態間ゲーム数が特別回数になったら、特定操作に基づいて発生する高頻度状態よりも長期間の高頻度状態を発生させる構成としてもよい。尚、第1有利状態間ゲーム数を計数する構成に代えて、高頻度状態(または大当り遊技遊技)が終了してから次の高頻度状態(または大当り遊技)が発生するまでのポイント数を計数する構成として、特定操作が行われると該ポイント数に対応する高頻度状態を発生させる構成としてもよい。
また、上述した弾球遊技機に本発明を適用する場合は、次の様な構成としてもよい。すなわち、特別図柄の変動表示の結果として大当り図柄が停止表示される確率が通常よりも高い高確率状態を発生可能である(識別情報の変動表示の結果が特定結果となる確率を所定の確率よりも高くする確率変動手段を有する)構成とする。そして、高確率状態(または大当り遊技遊技)が終了してから次の高確率状態(または大当り遊技)が発生するまでの図柄変動遊技回数(予め定められた状況下で行われた遊技回数、以下「第2有利状態間ゲーム数」ともいう)を計数しておき、特定操作が行われると、そのときの第2有利状態間ゲーム数に応じた期間の高確率状態を発生させる(遊技利益を遊技者に付与する)構成としてもよい。もちろん、特定操作が行われたときの第2有利状態間ゲーム数が多いほど、長期間の高確率状態を発生させる構成としてもよいし、特定操作が行われて高確率状態が発生されると第2有利状態間ゲーム数を初期値に戻す構成としてもよいし、第2有利状態間ゲーム数が特別回数になったら、特定操作に基づいて発生する高確率状態よりも長期間の高確率状態を発生させる構成としてもよい。尚、第2有利状態間ゲーム数を計数する構成に代えて、高確率状態(または大当り遊技遊技)が終了してから次の高確率状態(または大当り遊技)が発生するまでのポイント数を計数する構成として、特定操作が行われると該ポイント数に対応する高確率状態を発生させる構成としてもよい。
また、上述した弾球遊技機においては、遊技利益および特別利益として、高頻度状態または高確率状態を採用したが、これに限らず、大当り遊技等を採用してもよい。
また、上述した実施例や弾球遊技機においては、遊技利益や特別利益として、各種コンテンツ(画像や楽曲)を採用してもよい。例えば、上述した第1実施例において遊技利益や特別利益として画像を演出表示装置10に表示させる構成とした場合は、AT間ゲーム数が700〜799回の場合に特定操作が行われると画像Aを表示し、AT間ゲーム数が800〜899回の場合に特定操作が行われると画像Bを表示し、AT間ゲーム数が900〜999回の場合に特定操作が行われると画像Cを表示し、AT間ゲーム数が1100回に達すると画像Dを表示する構成としてもよい。また、上述した第2実施例において遊技利益や特別利益として楽曲をスピーカー14から出力する構成とした場合は、AT間ポイント数が700〜799ポイントの場合に特定操作が行われると楽曲Aを出力し、AT間ポイント数が800〜899ポイントの場合に特定操作が行われると楽曲Bを出力し、AT間ポイント数が900〜999ポイントの場合に特定操作が行われると楽曲Cを出力し、AT間ポイント数が1100ポイントに達すると楽曲Dを出力する構成としてもよい。
また、上述した実施例や弾球遊技機においては、種々の状況における図柄変動遊技回数またはポイント数を本発明における「計数手段」の計数対象または計数対象外としてもよい。例えば、AT期間中の図柄変動遊技回数やポイント数を計数対象としてもよいし、ボーナス状態を発生する構成であれば該ボーナス状態中の図柄変動遊技回数やポイント数を計数対象としてもよいし、該ボーナス状態中以外の図柄変動遊技回数やポイント数を計数対象としてもよい。
本発明は、遊技ホールで用いられる遊技機に利用することができる。
1…回胴式遊技機(遊技機)、20a,20b,20c…回胴、36…スタートレバー(開始操作部)、38a,38b,38c…回胴停止ボタン(停止操作部)、200…主制御基板、201…CPU、203…RAM、220…サブ制御基板、221…CPU(計数手段、検知手段、遊技利益付与手段、特別利益付与手段、ポイント付与手段)。
Claims (4)
- 識別情報を変動表示させて停止表示する遊技を実行可能な遊技機であって、
予め定められた状況下で行われた前記遊技の回数を計数する計数手段と、
遊技を進行させるための遊技者操作と異なる特定の遊技者操作を検知する検知手段と、
前記特定の遊技者操作を検知したときの前記計数手段の計数値に基づいて、所定の遊技利益を遊技者に付与する遊技利益付与手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。 - 請求項1に記載の遊技機において、
前記遊技利益の付与に係る前記特定の遊技者操作が検知されることに基づいて、前記計数手段の計数値を初期化する初期化手段を備える
ことを特徴とする遊技機。 - 請求項2に記載の遊技機において、
前記特定の遊技者操作が検知されることのないまま前記計数手段によって計数された前記遊技の回数が特別回数になることに基づいて、前記遊技利益付与手段が付与する遊技利益よりも大きい特別利益を付与する特別利益付与手段を備える
ことを特徴とする遊技機。 - 請求項2または請求項3に記載の遊技機において、
前記遊技利益付与手段は、前記特定の遊技者操作が検知されたときの前記計数手段の計数値が多いほど、遊技者に付与する前記遊技利益の内容を有利にする
ことを特徴とする遊技機。
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Cited By (3)
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JP2017189182A (ja) * | 2016-03-29 | 2017-10-19 | 株式会社オリンピア | 遊技機 |
-
2013
- 2013-08-28 JP JP2013176717A patent/JP2015043864A/ja not_active Withdrawn
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