JP5861601B2 - インジェクタ駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インジェクタへの通電を制御することによりインジェクタを駆動するインジェクタ駆動装置に関する。
従来、燃料供給ポンプで加圧された燃料を蓄圧室(コモンレール)で蓄圧して燃料噴射弁(インジェクタ)からエンジンの各シリンダ(気筒)内へ噴射する、コモンレール式燃料噴射システムが知られている。また、このようなコモンレール式燃料噴射システムで用いられるインジェクタとして、充放電により伸長または縮小するピエゾ素子を用い、そのピエゾ素子の伸縮によって開弁・閉弁するいわゆるピエゾインジェクタが知られている。
このような燃料噴射システムでは、何らかの要因によって、噴射時期ではないにも関わらずインジェクタが開弁状態に維持されてしまう異常(以下「連続オンモード」ともいう)が発生するおそれがある。連続オンモードの発生要因には、例えばインジェクタのノズルが開弁したまま固定されてしまう機械的要因のほか、インジェクタへの通電経路の異常によって電気的に開弁方向に駆動されてしまう電気的要因がある。
例えばピエゾインジェクタの場合、充電により開弁した後、放電経路が断線するような異常が生じると、噴射時期が終了してもピエゾ素子が充電されたままとなり、よってピエゾインジェクタが開弁したままとなってしまう。また、ソレノイドへの通電により開弁・閉弁するいわゆるソレノイドインジェクタの場合も、例えばソレノイドへ常時通電されてしまうような異常が生じると、ソレノイドインジェクタが開弁したままとなってしまう。
連続オンモードが発生すると、燃料が気筒内へ過剰に噴射されるおそれがあるため、これを検出して、適切に対処する必要がある。
これに対し、特許文献1には、コモンレール式燃料噴射システムにおいて、噴射タイミング毎に、燃料漏れ量QLを算出し、その演算した燃料漏れ量QLが所定値Q1以上かどうかに基づいて燃料漏れの発生を検出する技術が記載されている。特許文献1における燃料漏れ量QLの算出は、燃料供給ポンプからの燃料供給量や各種リーク量、コモンレール内の燃料圧力(以下「コモンレール圧」ともいう)の変化分などを用いた各種演算を経ることにより行われる。
連続オンモードが発生すると、正常時よりも燃料が過剰に噴射される。そのため、特許文献1に記載の技術を用いれば、連続オンモードが発生した場合も、その連続オンモードにより燃料が過剰に噴射されてそれにより燃料漏れ発生が検出されることになり、これにより使用者は異常発生を知ることができる。
特開平9−177586号公報
しかし、特許文献1に記載の技術は、噴射タイミング毎(例えばクランク180度回転毎)に、各種の演算により燃料漏れ量QLを算出し、この燃料漏れ量QLに基づいて燃料漏れ発生を検出するものであり、かつ、燃料漏れ量QLが所定値Q1以上と判断された回数が連続して所定回数(例えば10回)に達した場合に燃料漏れが発生したことを検出(確定)するものである。
そのため、実際に連続オンモードが発生してから、異常(燃料漏れ発生)が検出されるまでの間には相当の時間を要することとなる。よって、特許文献1に記載の技術では、早期に異常発生を検出することは困難である。
即ち、特許文献1に記載の技術では、実際に連続オンモードが発生してから異常検出されるまでにエンジンが数回転することになる。連続オンモードは、気筒内へ燃料が噴射され続ける異常状態であるため、早期に検出する必要があり、発生してから異常検出されるまでにエンジン数回転を要するようでは遅すぎる。
仮に、より早く検出すべく、1回でも燃料漏れ量QLが所定値Q1以上と判断されたら即燃料漏れ発生と確定するようにすると、インジェクタの特性バラツキやノイズ等の種々の要因によって誤検出してしまうおそれがあり、検出精度の低下を招く。
しかも、特許文献1に記載の技術では、検出できるのはあくまでも燃料漏れ発生であって、それが連続オンモードによるものなのか、それともそれ以外の要因によるものなのかの区別まではできない。
このように、単に燃料漏れ量QLと所定値Q1との比較結果に基づいて燃料漏れ発生を検出するという特許文献1に記載の技術は、連続オンモードを検出する方法としては種々の問題があって、適切ではない。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、インジェクタの連続オンモード(特に電気的要因により発生する連続オンモード)を、精度良く且つ迅速に検出できるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明のインジェクタ駆動装置は、インジェクタ制御手段と、通電状態異常判断手段と、異常吐出状態判断手段と、異常判定手段とを備える。
インジェクタ制御手段は、インジェクタへの通電を制御してインジェクタを開弁または閉弁させることによりインジェクタからの燃料噴射を制御する。通電状態異常判断手段は、インジェクタへの通電状態の異常を判断する。異常吐出状態判断手段は、インジェクタから燃料が異常に吐出されている異常吐出状態であるか否かを燃料圧力の変化に基づいて判断する。異常判定手段は、通電状態異常判断手段により通電状態の異常が発生していると判断され、且つ異常吐出状態判断手段により異常吐出状態であると判断された場合に、インジェクタが開弁状態に保持される連続開弁異常状態であると判定する。
このように構成された本発明のインジェクタ駆動装置によれば、通電状態の異常が発生していることと異常吐出状態になっていることの双方をもって連続開弁異常状態であることを判定するようにしている。しかも、異常吐出状態の判断は、燃料圧力の変化に基づく簡素な方法により実現される。そのため、連続開弁異常状態(連続オンモード)を精度良く且つ迅速に検出することができる。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態の燃料噴射システムの概略構成を表す構成図である。 ECUの内部構成を表す構成図である。 ECUによるピエゾインジェクタの駆動制御動作を説明するためのタイムチャートである。 ECUによるピエゾインジェクタの連続オンモードの検出原理を説明するためのタイムチャートである。 連続オンモード検出処理を表すフローチャートである。 連続オンモード時対応処理を表すタイムチャートである。
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
(1)燃料噴射システムの全体構成
図1に示す燃料噴射システム1は、例えば、自動車用の4気筒のディーゼルエンジン(以下、単に「エンジン」ともいう)3に燃料を噴射するためのものである。燃料噴射システム1は、燃料供給ポンプ5と、コモンレール10と、複数(本実施形態では4つ)のピエゾインジェクタ(燃料噴射弁)20と、ECU(Electronic Control Unit ;電子制御装置)30とを備えている。
燃料供給ポンプ5は、燃料タンク26から燃料を汲み上げるフィードポンプを内蔵している。燃料供給ポンプ5は、エンジン3内におけるカムシャフトのカムの回転に伴いプランジャが往復移動することにより、フィードポンプから加圧室に吸入した燃料を加圧する公知のポンプである。
燃料供給ポンプ5には調量弁7が設置されており、ECU30による通電制御により、燃料供給ポンプ5の各プランジャが吸入行程で吸入する燃料吸入量(または各プランジャからの燃料吐出量)を調量する。
コモンレール10は、燃料供給ポンプ5から吐出される燃料を蓄圧する蓄圧室を形成する中空の部材である。コモンレール10には、内部の燃料圧力(コモンレール圧PC)を検出する圧力センサ12、およびECU30による通電制御によってコモンレール圧PCを低下させるための電磁駆動式の減圧弁14が設けられている。
エンジン3には、運転状態を検出するセンサとして、エンジン3のクランクが所定角度回転する毎にその回転角度を示すクランク角信号を発生するクランク角センサ24が設置されている。ECU30は、クランク角センサ24からのクランク角信号に基づいてエンジン回転数を算出する。
さらに燃料噴射システム1には、運転状態を検出する他のセンサとして、図示は省略したものの、運転者によるアクセルペダルの操作量であるアクセル開度を検出するアクセルセンサ、冷却水の温度(水温)や吸入空気の温度(吸気温)をそれぞれ検出するための各種温度センサ等が設けられている。
4つのピエゾインジェクタ20は、4気筒のエンジン3の各気筒22にそれぞれ設置されており、コモンレール10で蓄圧された燃料をそれぞれ対応する気筒22内に噴射する。ピエゾインジェクタ20の詳細構成についてはすでによく知られているためここではその詳細説明を省略するが、その概要は次の通りである。
即ち、ピエゾインジェクタ20は、複数の圧電素子(ピエゾ素子)が積層されてなるピエゾスタックPa(図2参照)を備えており、このピエゾスタックPaが逆圧電効果によって伸縮することによりアクチュエータとして機能する。つまり、ピエゾインジェクタ20は、ピエゾスタックPaからなるピエゾアクチュエータを備えたものである。ピエゾスタックPaは容量性の負荷であり、充電されることで伸長し、放電されることで縮小する。
ピエゾスタックPaが充電されていないことによりピエゾスタックPaが収縮状態にあるときには、ピエゾインジェクタ20が備える図示しないノズルニードルが燃料噴射口を閉じた閉弁状態となり、燃料は噴射されない。一方、ピエゾスタックPaが充電されることでピエゾスタックPaが伸長状態になると、ノズルニードルが燃料噴射口を開いた開弁状態となり、コモンレール10から供給された燃料が燃料噴射口から噴射される。
なお、以下の説明で、ピエゾインジェクタ20に対して「充電」または「放電」というときは、ピエゾスタックPaに対する充電または放電を意味するものとする。
(2)ECUの構成
次に、図2を用いてECU30の構成とその動作を説明する。図2に示すように、ECU30は、主にDC/DCコンバータ41と、コンデンサC0と、充放電制御回路42と、気筒選択回路43と、制御IC44と、マイコン45とを備えている。
マイコン45は、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ等からなる周知の構成であり、ROMまたはフラッシュメモリに記憶されている制御プログラムをCPUが実行することにより各種制御を実行する。
例えば、マイコン45は、圧力センサ12が検出するコモンレール圧PCが目標圧力になるように調量弁7への通電量を制御し、燃料供給ポンプ5の吐出量を調量する。具体的には、例えば、調量弁7への通電電流値と吐出量との相関を表す特性マップに基づいて、調量弁7への通電電流値を設定する。調量弁7を制御するための通電電流値は、例えばデューティ比により決定され、そのデューティ比を示すポンプ制御信号を燃料供給ポンプ5へ出力する。
また、マイコン45は、各ピエゾインジェクタ20の燃料噴射量、燃料噴射時期、ならびに、メイン噴射の前にパイロット噴射、プレ噴射、パイロット噴射の後にアフター噴射、ポスト噴射等を実施する多段噴射のパターンを制御する。
具体的には、マイコン45は、アクセルセンサによって検出されるアクセル開度や、クランク角センサ24により検出されるクランク角などに基づき、エンジン3の出力トルクの要求を満たす要求噴射量を算出する。そして、その算出した要求噴射量やコモンレール圧PC等に基づき、ピエゾインジェクタ20に対する噴射指令値(指令噴射期間)を気筒毎にマップ演算し、その噴射指令値に応じた気筒毎の噴射信号(図3(a)参照)を制御IC44へ出力する。
マイコン45が出力する噴射信号は、ピエゾインジェクタ20が有するピエゾスタックPaの充電開始タイミング及び放電開始タイミングを規定するものであり、図3(a)に示すように、Hレベルに立ち上がるタイミング(時刻t01)で充電が開始され、Lレベルに立ち下がるタイミング(時刻t02)で放電が開始される。そして、この噴射信号の長さ(Hレベル状態の長さ)である駆動時間は、要求噴射量とコモンレール圧PCとに応じて決定される。
制御IC44は、マイコン45から入力された噴射信号に基づいて充放電制御回路42や気筒選択回路43等の各種回路を制御することで、ピエゾインジェクタ20の充放電を制御し、要求噴射量の燃料が所望のタイミングで噴射されるようにピエゾインジェクタ20を伸縮させる。これにより、ピエゾインジェクタ20から噴射される燃料の噴射量、噴射時期及び噴射段等の各種噴射形態が制御されることとなる。
DC/DCコンバータ41は、バッテリBaの電圧(例えば12V)を、ピエゾスタックPaを充電するために必要な高電圧(例えば150〜300V)に昇圧して、その昇圧された高電圧をコンデンサC0へ出力する。
コンデンサC0は、DC/DCコンバータ41からの上記高電圧を保持しつつ、ピエゾスタックPaを充電するための電荷を蓄積する。このコンデンサC0は、一方の端子がDC/DCコンバータ41側に接続され、他方の端子が抵抗R1を介して接地されている。なお、コンデンサC0の静電容量は、ピエゾスタックへの一回の充電処理によってはその電圧がほとんど変化しない程度の、比較的大きな値(例えば、数十〜数百μF程度)に設定されている。また、抵抗R1は、コンデンサC0に流れる電流を検出するためのものであり、この抵抗R1の両端の電圧Vicが、コンデンサC0に流れる電流Icを示す情報として制御IC44に入力される。
充放電制御回路42は、4つのピエゾインジェクタ20のうち2つに接続されてその2つのピエゾインジェクタ20の充放電を制御する。充放電制御回路42は実際には2つ設けられており、それぞれ、異なる2つのピエゾインジェクタ20の充放電を制御する。図2では、説明の簡素化のため、充放電制御回路42は1つのみ図示しており、ピエゾインジェクタ20についてもその充放電制御回路42により制御される2つのピエゾインジェクタ20のうち1つのみ図示している。また、各充放電制御回路42とこれらに対応する2つのピエゾインジェクタ20との間には、それぞれバンク選択スイッチが設けられているが、図2では図示を省略している。
各ピエゾスタックPaの他端には、それぞれ気筒選択回路43が接続されている。気筒選択回路43は、実際には4つのピエゾスタックPaそれぞれに対して設けられているのだが、図2では1つのみ図示している。
即ち、本実施形態の燃料噴射システム1は、実際には、ピエゾインジェクタ20を4つ備え、このうち2つのピエゾインジェクタ20を一組として各組それぞれ通電経路の上流側ではバンク選択スイッチ(図示略)を介して対応する充放電制御回路42に接続されている。また、各ピエゾインジェクタ20の通電経路の下流側にはそれぞれ気筒選択回路43が接続されている。ただし、図2では、説明の簡素化のために、1つのピエゾインジェクタ20のみ図示し、充放電制御回路42および気筒選択回路43についてもその1つのピエゾインジェクタ20に接続される1つのみを図示している。そして、以下の説明では、代表としてその1つのピエゾインジェクタ20の充放電制御について説明する。
コンデンサC0における一方の端子側、即ちDC/DCコンバータ41側は、充電スイッチTr1と充放電用コイルL1との直列接続体を介して、ピエゾインジェクタ20が有するピエゾスタックPaの一端(高電位となる端子側)に接続されている。そして、ピエゾスタックPaの他端(低電位となる端子側)は、気筒選択回路43に接続され、この気筒選択回路43を介して接地されている。
気筒選択回路43は、一端(ドレイン)がピエゾスタックPaに接続されて他端(ソース)が抵抗R7の一端に接続された気筒選択スイッチ(本例ではnチャネル型MOSFET)Tr3と、一端が気筒選択スイッチTr3の他端(ソース)に接続されて他端が接地された抵抗R7とを備えている。この抵抗R7は、ピエゾスタックPaに流れる電流を検出するためのものであり、抵抗R7の一端の電圧Vipが、その電流(ピエゾ駆動電流Ip)を示す情報として、制御IC44に入力される。なお、気筒選択スイッチTr3のソースとドレインの間にはダイオードD3が接続されている。
また、充電スイッチTr1と充放電用コイルL1との間には、放電スイッチTr2の一方の端子(ドレイン)が接続されており、放電スイッチTr2の他方の端子(ソース)は、抵抗R4を介して接地されている。充電スイッチTr1および放電スイッチTr2は、ドライバIC46からの駆動信号により駆動される。ドライバIC46は、制御IC44からの制御信号に従って各スイッチTr1、Tr2のベースへ駆動信号を出力することにより各スイッチTr1、Tr2を駆動する。なお、充電スイッチTr1および放電スイッチTr2は、本実施形態ではいずれもnチャネル型MOSFETである。
放電スイッチTr2には、ダイオードD2が並列接続されている。このダイオードD2は、カソードが放電スイッチTr2のドレインに接続され、アノードが放電スイッチTr2のソースに接続されている。このダイオードD2は、コンデンサC0、充電スイッチTr1、充放電用コイルL1と共に、ピエゾスタックPaを充電するチョッパ回路を構成するものであり、フリーホイーリングダイオードとして機能する。
一方、充電スイッチTr1には、ダイオードD1が並列接続されている。このダイオードD1は、カソードが充電スイッチTr1のドレインに接続され、アノードが充電スイッチTr1のソースに接続されている。このダイオードD1は、コンデンサC0、充放電用コイルL1、放電スイッチTr2と共に、ピエゾスタックPaの電荷を放電するチョッパ回路を構成するものであり、フリーホイーリングダイオードとして機能する。
充放電用コイルL1とピエゾスタックPaとの間には、ダイオードD4と、抵抗R5及び抵抗R6の直列接続体とが、それぞれ、ピエゾスタックPaに並列に接続されている。ダイオードD4は、ピエゾスタックPaの電圧がマイナスになることを防止している。また、抵抗R5と抵抗R6の間の電圧は、ピエゾスタックPaの充電電圧(ピエゾ電圧)Vpを示す情報として制御IC44に入力される。
また、コンデンサC0には、これと並列に、抵抗R2及び抵抗R3の直列接続体が接続されている。そして、この抵抗R2と抵抗R3の接続点の電圧は、コンデンサC0の充電電圧を示す情報として、制御IC44に入力される。
また、制御IC44は、ピエゾ電圧Vpを監視し、ピエゾスタックPaの充電状態に応じた信号(充放電モニタ信号)を生成してマイコン45へ出力する。この充放電モニタ信号については後で詳述する。
(3)ピエゾインジェクタの基本的動作
次に、ピエゾインジェクタ20の動作について、図3を用いながら説明する。マイコン45から制御IC44への噴射信号がHレベルに転じると(図3(a)の時刻t01)、制御IC44は、気筒選択スイッチTr3をオンさせると共に、充電スイッチTr1のオン・オフ操作によるチョッパ制御を開始する。このチョッパ制御により、ピエゾスタックPaには、図3(b)に示すようなピエゾ駆動電流Ip(充電電流)が流れ、これによりピエゾ電圧Vpは徐々に上昇していく(図3(c))。また、ピエゾ電圧Vpの上昇に伴い、ピエゾインジェクタ20のノズルは図3(e)に示すように徐々に開いていく。
また、充放電モニタ信号は、図3(d)に示すように、ピエゾスタックへの充電が行われていない通常時はHレベルであるが、充電スイッチTr1のチョッパ制御開始によりピエゾスタックPaに電流が流れ始めると、そのピエゾ駆動電流Ipの通電開始によりLレベルに転じる。
そして、ピエゾインジェクタ20のノズルが所望の開弁状態になるための所定の充電停止条件が成立すると、制御IC44は、充電スイッチTr1をオフしてチョッパ制御を停止する。充電停止条件は種々考えられ、例えばピエゾ電圧Vpが所定の目標充電電圧に到達したとき、あるいはピエゾスタックPaの充電エネルギーが所定の目標充電エネルギーに到達したときなどが考えられる。充電停止条件が成立して充電スイッチTr1のチョッパ制御が停止した後は、時刻t02までピエゾインジェクタ20の開弁状態が保持される。
その後、充電開始から所定の駆動時間が経過した時刻t02でマイコン45から制御IC44への噴射信号がLレベルに転じると、制御IC44は、放電スイッチTr2のオン・オフ操作によるチョッパ制御を開始する。
このチョッパ制御により、ピエゾスタックPaには、図3(b)に示すような放電電流が流れ、これによりピエゾ電圧Vpは徐々に低下していく(図3(c))。また、ピエゾ電圧Vpの低下に伴い、ピエゾインジェクタ20のノズルは図3(e)に示すように徐々に閉じていく。
そして、所定の放電停止条件が成立すると、制御IC44は、放電スイッチTr2をオフしてチョッパ制御を停止する。放電停止条件についても、ピエゾスタックPaの放電が十分に行われてピエゾインジェクタ20が完全に閉じた状態で放電停止できる限り、種々の条件が考えられる。
また、充放電モニタ信号は、図3(d)に示すように、時刻t02でピエゾスタックPaの放電が開始された後、放電が進んでピエゾ電圧Vpが所定の閾値Vth以下になった場合に(時刻t03)、Hレベルに転じる。つまり、充放電モニタ信号は、ピエゾスタックPaへの充電開始(時刻t01)によりピエゾスタックPaに電流が流れ出すとLレベルに転じ、放電開始(時刻t02)後、ピエゾ電圧Vpが閾値Vth以下になったら(時刻t03)、再びHレベルに転じるような信号である。
ところで、ECU30からピエゾインジェクタ20への通電経路が正常ならば、時刻t02で放電を開始すると、ピエゾスタックPaの放電が進んで、時刻t03には充放電モニタ信号はHレベルになる。
しかし、充電によりピエゾインジェクタ20が開弁した後、例えばECU30からピエゾスタックPaへの配線が断線するなど、ピエゾスタックPaの充電電荷が放電できなくなるような何らかの電気的な異常(通電状態の異常)が発生するおそれがある(図3の「(断線)」参照)。
このような異常が発生すると、時刻t02で放電のためのチョッパ制御が開始されても、図3に一点鎖線で示すように、ピエゾ電圧Vpは低下せず(図3(c))、ピエゾインジェクタ20のノズルは開弁状態が持続されてしまう(図3(e))。このように開弁状態が持続されてしまうと、ピエゾインジェクタ20から燃料が異常に吐出されている異常吐出状態(連続オンモード)となってしまう。
そこで本実施形態では、マイコン45が、上記のようにピエゾスタックPaの放電ができなくなってピエゾインジェクタ20が開弁状態のまま保持されてしまうような異常(連続オンモード)を検出するよう構成されている。
即ち、連続オンモード発生により放電ができなくなると、噴射信号のLレベル立ち下がりにより制御IC44が放電のためのチョッパ制御(以下、単に「放電制御」ともいう)を開始してもピエゾ電圧Vpは閾値Vth以下にはならない。そのため、制御IC44からマイコン45へ出力される充放電モニタ信号は、放電制御開始後もLレベルのままとなる。
また、コモンレール圧PCは、常に一定の圧力になるようにフィードバック制御されているが、連続オンモードが発生して常時開弁され、これにより燃料が常時噴射されるような異常状態になると、フィードバック制御の追従性が低下し、コモンレール圧PCは徐々に低下していく(図4(c)参照)。
そこでマイコン45は、放電制御開始後、一定時間経過しても充放電モニタ信号がLレベルのままだった場合には、連続オンモードが発生しているとの一応の仮判断を行う。そして、そのように仮判断を行った上で、さらにコモンレール圧PC等に基づいて、異常な燃料噴射が行われていないか否かの判断(異常噴射量の演算)を行った上で、連続オンモードの発生の有無を判断する。
つまり、本実施形態では、マイコン45が、燃料噴射システム1における電気情報(充放電モニタ信号)およびシステム情報(異常噴射量)の双方をみることにより、連続オンモードを高精度且つ迅速に検出できるように構成されている。
(4)連続オンモード検出について
次に、マイコン45による連続オンモードの具体的検出手順について、図4を用いてより詳しく説明する。
マイコン45は、通常、所定の制御周期(例えば1msec)で、コモンレール圧PCを取得し、そのコモンレール圧PCに基づいて上述した各種制御を行っている。マイコン45は、噴射開始タイミングが到来すると、図4(a)に示すように、噴射信号を所定期間Hレベルに立ち上げる。この間に、図3で説明したようにピエゾインジェクタ20が開弁され、燃料噴射が行われる。また、噴射信号のHレベル立ち上がりでピエゾスタックPaへの通電(充電)が開始されると充放電モニタ信号はLレベルに立ち下がるが(図4(b))、これも図3で説明した通りである。
そして、噴射開始後、例えばECU30からピエゾインジェクタ20への配線が断線するなどの、ピエゾスタックPaからECU30への放電ができなくなるような異常(連続オンモード)が生じると、噴射信号がLレベルに立ち下がった後、所定時間が経過して本来ならば放電が完了して充放電モニタ信号がHレベルに転じているはずの時刻(図4では時刻t4〜t5の間)が過ぎても、充放電モニタ信号はLレベルのままとなってしまう。
そこでマイコン45は、噴射信号をLレベルに立ち下げてから上記所定期間経過後の最初の制御タイミング(図4の例では時刻t5)で、充放電モニタ信号がHレベルになっているかどうかを確認する。ここで、充放電モニタ信号がHレベルならば、連続オンモードではないものとして通常通り制御を継続する。
一方、時刻t5で充放電モニタ信号がLレベルのままになっていた場合(立ち上がりエッジが発生していない場合)は、そのことをトリガとして連続オンモードが発生しているとの一応の仮判断を行い、システム情報(異常噴射量)に基づく具体的判定に進む。
マイコン45は、異常噴射量を、次のように算出する。即ち、前回の制御タイミング(時刻t4)でのコモンレール圧PC(i−1)と今回の制御タイミング(時刻t5)でのコモンレール圧PC(i)との差である圧力偏差ΔPC(=PC(i−1)−PC(i))を演算する。そして、その演算した圧力偏差ΔPCやコモンレール圧PC(i)、体積弾性係数等の種々のパラメータ等に基づいて、時刻t4から時刻t5までの一制御周期期間(1msec)の間の異常噴射量(正常時に想定される噴射量との差分に相当)を算出する。
このようにして算出される異常噴射量は、連続オンモードが発生していない正常時には常にほぼ0になる。しかし、断線等によって連続オンモードが発生すると、正常ならば噴射が停止するはずであるにもかかわらず噴射が継続(異常噴射量が発生)してしまい、これにより、図4(c)の時刻t4以降のようにコモンレール圧PCが徐々に低下していく。そのため、本実施形態では、コモンレール圧PCの変化を用いて異常噴射量を算出するようにしている。
そして、その算出した異常噴射量が、予め設定した連続オンモード検出閾値Qth以上であった場合に、異常な燃料噴射が行われていて連続オンモードが発生している可能性が高いと判定する。即ち、図4の時刻t5の例では、電気情報(充放電モニタ信号)に基づいて異常を検出した後、システム情報(異常噴射量)に基づいてさらに異常判断を行う。そして、図4(d)に示すように、異常噴射量がオンモード検出閾値Qth以上であることから、連続オンモードの可能性が高いと判断して、図4(e)に示すように連続オンモード検出カウンタNを初期値0からインクリメントして1にする。
なお、この時刻t5の時点で連続オンモードが発生しているとの確定判断を行うようにしてもよいが、本実施形態では、制御周期毎に同様の判断を繰り返し行い、連続オンモード検出カウンタNが所定の閾値(連続オンモードシステム条件確定マージン)Nth以上になった場合に、連続オンモードが発生しているとの確定判断を行うようにしている。その理由はおおよそ次の通りである。
即ち、異常噴射量(漏れ量)には、インジェクタ毎にばらつきがあるため、そのばらつきを考慮して連続オンモード検出閾値Qthを設定する必要がある。この連続オンモード検出閾値Qthは、連続オンモードを誤検出しないようにするためにはできる限り高めに設定する必要があるが、あまり高く設定しすぎると、実際には異常(連続オンモード)になっているにも関わらずそれが検出されなくなるおそれがある。逆に、検出漏れを防ぐべく、連続オンモード検出閾値Qthを低めに設定すると、実際には異常(連続オンモード)ではないにも関わらず誤って異常と検出してしまうおそれがある。
また、実際には連続オンモードになっているにもかかわらず、燃料供給ポンプ5の動作によってコモンレール圧PCの低下量がまだ少ないというケースもあり得、そのような場合には異常噴射量の演算結果も小さい値となって異常は発生していないと誤判断されてしまうおそれもある。
そこで本実施形態では、連続オンモード検出閾値Qthについては、どちらかというと低めの値に設定して、検出漏れを防ぐようにしている。その上で、誤検出を防ぐべく、異常検出1回だけで連続オンモードと確定するのではなく、検出回数にマージンを設け、所定回数以上(本例ではNth回以上)の異常検出がなされてはじめて連続オンモードを確定するようにしている。
但し、連続オンモード検出閾値Qthを低めの値に設定することはあくまでも一例であって、逆に、誤検出を防ぐために高めの値に設定してもよく、連続オンモード検出閾値Qthをどのような値に設定するかについては適宜決めることができる。
なお、Nth回連続して連続オンモード検出閾値Qth以上になることは必須ではない。連続オンモード検出カウンタNは、制御タイミング毎に連続して異常噴射量が閾値Qth以上となる回数をカウントするものではなく、閾値Qth以上となった回数を累積加算するものである。但し、充放電モニタ信号がHレベルになった場合は、連続オンモード検出カウンタNは0にクリアされる。
図4の例では、時刻t5で、電気情報およびシステム情報の双方で異常が検出されたことにより連続オンモード検出カウンタNが1にインクリメントされると、次の制御タイミングである時刻t6でも、同様に判断が行われる。
即ち、マイコン45は、時刻t6でも、まず電気情報(充放電モニタ信号)に基づいて異常判断を行う。このとき、充放電モニタ信号がLレベルのままであれば、時刻t5のときと同様、連続オンモードが発生しているとの一応の仮判断を行い、システム情報(異常噴射量)に基づく具体的判定に進む。時刻t6での異常噴射量の演算も、前回の制御タイミング(時刻t5)でのコモンレール圧PC(i)と今回の制御タイミング(時刻t6)でのコモンレール圧PC(i+1)との差である圧力偏差ΔPC(=PC(i)−PC(i+1))を演算する。そして、その演算した圧力偏差ΔPCや、そのときのコモンレール圧PC、体積弾性係数等の種々のパラメータ等に基づいて、時刻t5から時刻t6までの1制御周期期間(1msec)の間の異常噴射量を算出する。
そして、その算出した異常噴射量が連続オンモード検出閾値Qth以上であるか否か判断し、連続オンモード検出閾値Qth以上ならば連続ンモード検出カウンタNを1つインクリメントする。図4の例では、時刻t6で演算した異常噴射量も連続オンモード検出閾値Qth以上であることから、連続オンモード検出カウンタNが2にインクリメントされる。
なお、時刻t6でもし異常噴射量が連続オンモード検出閾値Qthより低かった場合は、連続オンモード検出カウンタNは不変とし、時刻t7以降で同様に異常判断を行う。また、時刻t6でもし充放電モニタ信号がHレベルに立ち上がっていれば、異常噴射量の演算は行わず、且つ連続オンモード検出カウンタNを0にリセットする。つまり、電気情報に基づく異常判断で異常がない限り、異常噴射量の演算は行わないのである。この場合、次の制御タイミングである時刻t7まで待ち、時刻t7で再び電気情報(充放電モニタ信号)に基づく異常判断を行う。但し、時刻t6でもし充放電モニタ信号がHレベルに立ち上がった場合は、次回の噴射まで(即ち次回また噴射信号が立ち上がるまで)異常判断は行わないようにしてもよい。
時刻t7以降も、制御タイミング毎に同じように異常判断を行う。即ち、まず電気情報(充放電モニタ信号)に基づく異常判断を行い、電気情報により異常と判断された場合には続いてシステム情報(異常噴射量)に基づく異常判断を行う。
このようにして制御タイミング毎に異常判断を行っていった結果、連続オンモード検出カウンタNがNth回以上になった場合は、連続オンモードが発生しているとの確定判断を行う。図4の例では、時刻t5〜t9まで、電気情報に基づく異常判断およびシステム情報に基づく異常判断がなされ、これにより時刻t9の時点で連続オンモード検出カウンタNが連続オンモードシステム条件マージンNth(本例ではNth=5)以上となる。
連続オンモード検出カウンタNが連続オンモードシステム条件マージンNth以上になると、図4(f)に示すように、連続オンモード確定フラグが1(Hレベル)にセットされ、これにより連続オンモード発生の確定判断がなされたことになる。
連続オンモード確定フラグがHレベルにセットされた後は、後述するように燃料供給ポンプ5の強制停止や減圧弁14によるコモンレール圧PCの減圧等の処置が行われる。また、連続オンモード確定フラグがHレベルにセットされた後は、制御周期毎の上記異常判断は行わない。図4の例では、時刻t10以降は異常判断が行われていないことが示されている。ただし、連続オンモード確定後も、電気情報に基づく異常判断は引き続き行うようにしてもよい。その場合、連続オンモード確定後に、電気情報およびシステム情報の双方がともに正常となった場合には、連続オンモード確定フラグをLレベルにクリアして燃料噴射制御を再開するようにしてもよい。
一方、連続オンモードが確定しない限り、制御タイミング毎の電気情報に基づく異常判断は、次に再び噴射信号がHレベルに立ち上がるまで(つまり次の燃料噴射が開始されるまで)継続して行う。但し、ある一定期間(例えば10msec)以上経過しても連続オンモードが確定しない場合は異常判断をやめるようにしてもよい。
なお、異常判断を行う時間間隔である制御周期(本例では1msec)は、通常走行速度(例えば時速60km)でクランク軸が180度回転するのに要する時間よりも遙かに短い。そのため、クランク軸が180度回転するよりも非常に短い時間で、連続オンモードの確定判断を行うことができる。
(5)マイコンによる制御処理の説明
次に、図4で説明した連続オンモードの有無判断を行うためにマイコン45が実行する連続オンモード検出処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。マイコン45は、噴射信号をHレベルからLレベルに立ち下げる毎に、その立ち下げから一定時間経過後の制御タイミング(図4では時刻t5)から次に再び噴射信号をHレベルに立ち上げるまでの間の各制御タイミングで繰り返し図4の連続オンモード検出処理を実行する。但し、S170で連続オンモード確定フラグをセットした後は、次にまた燃料噴射が行われるまではこの連続オンモード検出処理は行わない。
マイコン45は、図5の連続オンモード検出処理を開始すると、まずS110で、充放電モニタ信号(電気情報)に基づく異常検出を行う。即ち、充放電モニタ信号がHレベルに立ち上がっているか否かを判断する。そして、異常でなければ(即ち充放電モニタ信号がHレベルならば)、S180に進み、連続オンモード検出カウンタNを0にクリアする。
S110で、充放電モニタ信号がLレベルのままの異常状態と判断した場合は、S120で、圧力偏差ΔPCを算出し、S130で、異常噴射量を算出する。S120の圧力偏差ΔPCの算出及びS130の異常噴射量の算出の具体的方法は既に説明した通りである。
S140では、S130で算出した異常噴射量が連続オンモード検出閾値Qth以上であるか否か判断する。ここで、異常噴射量が連続オンモード検出閾値Qthより小さい場合は、この連続オンモード検出処理を終了するが、異常噴射量が連続オンモード検出閾値Qth以上であった場合は、S150で、連続オンモード検出カウンタNを1つインクリメントする。
そして、S160で、連続オンモード検出カウンタNが連続オンモードシステム条件確定マージンNth以上であるか否か判断する。ここで、連続オンモード検出カウンタNが連続オンモードシステム条件確定マージンNthより小さい場合は、この連続オンモード検出処理を終了するが、連続オンモード検出カウンタNが連続オンモードシステム条件確定マージンNth以上であった場合は、S170で、連続オンモード確定フラグを1(Hレベル)にセットして、本処理を終了する。
一方、マイコン45は、図5の連続オンモード検出処理と並行して、図6の連続オンモード時対応処理も制御周期毎に実行する。マイコン45は、図6の連続オンモード時対応処理を開始すると、まずS210で、連続オンモード確定フラグが1(Hレベル)にセットされているか否かを判断する。連続オンモード確定フラグが1にセットされていない場合は、そのままこの連続オンモード時対応処理を終了するが、連続オンモード確定フラグが1にセットされている場合は、S220で、噴射停止処理を行う。具体的には、各気筒の噴射信号の出力を全て停止する(Lレベルに固定する)。
続くS230にて、ポンプ停止処理を行う。具体的には、燃料供給ポンプ5の動作を停止させることにより、燃料供給ポンプ5からコモンレール10への燃料供給(圧送)を停止させる。
さらにS240にて、減圧弁開弁処理を行う。具体的には、減圧弁14を開弁してコモンレール10のコモンレール圧PCを強制的に低下させる。
(6)実施形態の効果
上記のように、本実施形態の燃料噴射システム1では、電気情報(充放電モニタ信号)およびシステム情報(異常噴射量)の双方に基づいて、連続オンモードを検出するようにしている。
なお、例えば異常噴射量のみに基づいて異常判断を行うこともできないわけではない。しかし、異常噴射量に基づいて異常判断を行うようにすると、圧力偏差ΔPCの算出やそれに基づく異常噴射量の算出といった各種演算処理を制御周期毎に繰り返し行う必要があり、マイコン45の演算処理負荷が非常に大きくなってしまう。しかも、異常噴射量に基づく判断だけでは、たとえ異常と判断されたとしても、その要因が連続オンモードによるものなのかそれ以外の要因(例えば配管の破損等)によるものなのかを区別することは極めて困難である。
電気情報についても同様であり、電気情報のみに基づいて異常判断を行うこともできないわけではない。しかし、電気情報のみに基づく異常判断の場合も、たとえ異常と判断されたとしても実際に連続オンモードになっているのか否かを判別することは困難である。例えば、ピエゾスタックPaへの充電開始後、その充電途中の充電電圧値がまだ低い状態で放電経路が断線した場合は、充電電圧が低くてピエゾインジェクタ20は開弁しない。そのため、この場合は、ピエゾスタックPaの充電状態が維持されてしまうものの連続オンモードにはならない。しかし、電気情報のみに基づく異常判断では、このような連続オンモードにならない場合であっても、電気情報(充放電モニタ信号)がHレベルに立ち上がらないことをもって連続オンモードと誤判断してしまう。そのため、連続オンモードになっているかどうかを精度良く判別するためには電気情報のみに基づく異常判断では不十分である。
そこで本実施形態では、まず充放電モニタ信号に基づいて異常有無を判断し、充放電モニタ信号により異常が判断された場合に、さらに異常噴射量に基づく異常判断を行うようにしている。しかもその異常噴射量の演算は、圧力偏差ΔPC等を用いて迅速かつ容易に行うことができ、短い制御周期でも十分に行うことができる。このような構成にすることで、通常は単に充放電モニタ信号のレベルチェックのみで済み、連続オンモードが発生しない限り異常噴射量に基づく異常判断は行われないため、マイコン45のソフトウェア処理負荷の大幅な低減が実現される。
そして、そのようにソフトウェア処理負荷を大幅に低減しつつ、充放電モニタ信号および異常噴射量の双方に基づいて最終的な異常判断を行うようにしている。具体的には、充放電モニタ信号によって異常が検出されると、即、異常噴射量の演算およびその異常判断を行うようにしている。そのため、連続オンモードの発生を精度良く且つ迅速に判断することができる。
また、本実施形態では、ある制御タイミングで電気情報およびシステム情報の双方で異常判断された後も、連続オンモードが確定判断されるまでは、制御タイミング毎に、あらためて電気情報の確認から行っている。そして、電気情報により異常判断されている間、システム情報で異常判断される毎にその異常判断回数(連続オンモード検出カウンタN)がインクリメントされていき、その異常判断回数が所定値(連続オンモードシステム条件確定マージンNth)以上になった場合に、連続オンモードが発生しているとの確定判断を行うようにしている。そのため、より高い精度で連続オンモードを検出することができる。
また、本実施形態では、クランク軸の回転速度に比べて非常に短い制御周期で異常判断を行い、ある制御タイミングで充放電モニタ信号により異常が検出された場合には即その制御タイミングで異常噴射量に基づく異常判断も行うようにしている。そのため、燃料噴射開始後に連続オンモードが発生しても、エンジンが1回転する前に連続オンモードが確定判断されて燃料供給ポンプ5の停止や減圧弁開弁などの各種対応処理が迅速に行われる。
そのため、連続オンモードが発生しても、それを迅速に検出でき、且つ燃料噴射停止のための各種処理を迅速に行うことができる。
[変形例]
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、電気情報として充放電モニタ信号を用いたが、これは一例であって、他の信号を用いてもよい。即ち、ピエゾスタックPaの充電状態を直接又は間接的に知ることができる限り、電気情報として具体的にどのような信号を用いるかについては特に限定されるものではない。
システム情報についても同様であり、上記実施形態ではシステム情報として異常噴射量を用いたが、これも一例である。即ち、ピエゾインジェクタ20から異常な燃料噴射が行われていることを直接又は間接的に知ることができる限り、システム情報として具体的にどのような信号を用いるかについては特に限定されるものではない。
また、異常噴射量を算出する具体的方法として、上記実施形態では、圧力偏差ΔPCを用いる方法を例示したが、これもあくまでも一例である。
また、本発明は、ピエゾインジェクタに限らず、ソレノイドインジェクタに対しても適用できる。ソレノイドインジェクタの場合、例えばハイサイド側が電源ショートしてローサイド側がグランドショートすると、噴射信号に関係なく常時通電されて連続オンモードになってしまうおそれがある。そこで、電気情報として、そのような異常(噴射信号オフにもかかわらず通電が続いていること)を検出できるような信号を用いることで、上記同様に連続オンモードの検出・確定判断を行うことができる。
さらに、本発明の適用は、コモンレール式燃料噴射システムへの適用に限らない。連続オンモード発生により開弁状態が続いてそれにより気筒内へ燃料が異常噴射されてしまうような異常が発生するおそれのあるあらゆる構造の燃料噴射システムに対して本発明を適用可能である。
1…燃料噴射システム、3…エンジン、5…燃料供給ポンプ、7…調量弁、10…コモンレール、12…圧力センサ、14…減圧弁、20…ピエゾインジェクタ、22…気筒、24…クランク角センサ、26…燃料タンク、30…ECU、41…DC/DCコンバータ、42…充放電制御回路、43…気筒選択回路、44…制御IC、45…マイコン、46…ドライバIC、Ba…バッテリ、C0…コンデンサ、D1〜D4…ダイオード、L1…充放電用コイル、Pa…ピエゾスタック、R1〜R7…抵抗、Tr1…充電スイッチ、Tr2…放電スイッチ、Tr3…気筒選択スイッチ

Claims (3)

  1. インジェクタへの通電を制御して前記インジェクタを開弁または閉弁させることにより前記インジェクタからの燃料噴射を制御するインジェクタ制御手段(44,45)と、
    前記インジェクタへの通電状態の異常を判断する通電状態異常判断手段(44,45,S110)と、
    前記通電状態異常判断手段により前記通電状態の異常が発生していると判断された場合に、前記インジェクタから燃料が異常に吐出されている異常吐出状態であるか否かを燃料圧力の変化に基づいて判断する異常吐出状態判断手段(45,S140)と、
    記異常吐出状態判断手段により前記異常吐出状態であると判断された場合に、前記インジェクタが開弁状態に保持される連続開弁異常状態であると判定する異常判定手段(45,S170)と、
    を備えることを特徴とするインジェクタ駆動装置。
  2. 請求項に記載のインジェクタ駆動装置であって、
    前記通電状態異常判断手段は、前記通電状態の異常が発生しているか否かの判断を所定の判断タイミング毎に繰り返し実行し、
    前記異常吐出状態判断手段は、前記判断タイミングで前記通電状態異常判断手段により前記通電状態の異常が発生していると判断される毎に、前記異常吐出状態であるか否かの判断を実行し、
    前記異常判定手段(S150〜S170)は、前記異常吐出状態判断手段により前記異常吐出状態と判断される毎にその判断された回数を計数し、その回数が予め設定した異常判断回数閾値以上になった場合に前記連続開弁異常状態であると判定する
    ことを特徴とするインジェクタ駆動装置。
  3. 請求項1又は請求項に記載のインジェクタ駆動装置であって、
    前記インジェクタは、ピエゾ素子への充放電によって該ピエゾ素子を伸長または縮小させることにより開弁または閉弁を実現させるよう構成されたピエゾインジェクタ(20)であり、
    前記インジェクタ制御手段は、所定の充電開始タイミングで前記ピエゾ素子の充電を開始させることで前記インジェクタを開弁させ、前記充電の開始後、所定の放電開始タイミングで前記ピエゾ素子の放電を開始させることで前記インジェクタを閉弁させるよう構成されており、
    前記通電状態異常判断手段は、前記放電開始タイミングから所定時間が経過した以後に、前記ピエゾ素子の充電電圧をモニタしてその充電電圧が所定の充電電圧低下閾値以下になっていない場合に前記通電状態の異常が発生していると判断する
    ことを特徴とするインジェクタ駆動装置。
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