JP5262921B2 - 燃料噴射制御装置及び燃料噴射システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料噴射制御装置及び燃料噴射システムに関する。
近年、圧電素子を積層したピエゾスタックを用いて燃料の噴射タイミングと噴射量とを制御するインジェクタが知られるに至った。このインジェクタは、電圧を受けて変位するピエゾスタックと、燃料を噴射する噴孔を下降時に塞ぐニードルと、ピエゾスタックの変位により生じた燃圧の変化を利用してニードルを上方へ変位させる油密室とを備える。
ここで、この油密室には、ピエゾスタックの変位をニードルへ伝達する媒体として、インジェクタに供給された燃料が充填される。このため、例えば、ガス欠又は燃料の加熱によって発生した気泡が油密室に混入する場合がある。この油密室へ混入した気泡はピエゾスタックの伸張により生じる変位を吸収する。このため、気泡が混入した場合には、ニードルの変位量(リフト量)及び変位速度が、図6(a)及び(b)に示すように、気泡の混入が無い通常時と比べて小さくなる。また、インジェクタの燃料噴射率、及び噴射率の上昇速度も同様の理由から、図6(c)に示すように通常時と比べて小さくなる。
このため、例えば、ISC(Idle Speed Control)装置など、インジェクタの燃料噴射率が低下してもエンジンの回転数が所定値となるように燃料噴射時間を制御できる制御装置が知られるに至った。このISC装置は、気泡の混入によるエンジン回転数の低下を検知すると、図7(a)に示す様に、ピエゾスタックに電圧を印加する印加時間を通常時に比べて延長する。よって、図7(b)に示す様に、ピエゾスタックの伸張時間が延長されるため、図7(c)に示す様に、ニードルの開く噴孔から燃料が噴射される噴射時間が延長される。このように、ISC装置は、気泡の混入による噴射率の低下がもたらすエンジン回転数の低下を、噴射率時間の延長によって補っている。
また、燃料に気泡が発生するのを防止できる燃料供給装置が知られるに至った(例えば、特許文献1)。この燃料供給装置は、インジェクタの温度を検出する手段と、検出したインジェクタの温度に基づいてインジェクタ内における気泡の発生を判定する手段とを備える。また、この燃料供給装置は、気泡が発生したと判定すると、インジェクタの温度を下げて気泡の発生を抑制する。
更に、燃料に混入した気泡を容易に排出できるインジェクタの制御方法が知られるに至った(例えば、特許文献2)。この制御方法は、インジェクタが内燃機関を始動させるために必要な量の燃料を噴射するために要する時間よりも十分に長い時間に渡って、インジェクタを駆動させることで燃料に混入した気泡を排出する過程を備える。
特開2000−73901号公報 特開2003−166435号公報
しかしながら、上記のICS装置においては、インジェクタによる燃料の噴射時間を延長するため、燃料を噴射されたエンジンの排気及び燃費が悪化するという問題があった。また、インジェクタがマルチ噴射を行う場合には、燃料の噴射時間の延長によって、各噴射間のインターバルを確保することが困難になるという問題があった。
また、特許文献1に記載の燃料供給装置及び特許文献2に記載の制御方法においては、気泡が解消又は排出されるまで、気泡の混入による燃料噴射率の悪化を解消できないという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、燃料に気泡が混入しても短時間で適量の燃料を噴射するよう燃料噴射装置を制御できる燃料噴射制御装置及び燃料噴射システムを提供することにある。
本発明に係る燃料噴射制御装置は、燃料を噴射する噴孔を開閉するニードルと、印加された電圧に応じて伸縮する圧電体と、圧電体の伸縮によって変化する油圧に応じて噴孔を開閉するようニードルを変位させる燃料が充填された油密室とを備えた燃料噴射装置を制御する燃料噴射制御装置であって、燃料噴射装置が備える油密室に充填された燃料へ気泡が混入したことを検知する検知手段と、検知手段が気泡の混入を検知すると、ニードルの変位速度を増加させるよう圧電体に印加される印加電圧を変化させる制御手段とを備えることを特徴としている。
この構成によれば、気泡の混入を検知するとニードルの変位速度を増加させるよう印加電圧を変化させるので、燃料に気泡が混入しても短時間で適量の燃料を噴射できる。
上記構成において、制御手段は、検知手段が気泡の混入を検知した後の噴射回数の増加に伴って、印加電圧を検知前の印加電圧から変化させる変化量を漸次減少させる構成を採用できる。
この構成によれば、燃料に混入した気泡は燃料の噴射に伴って排出されるため、印加電圧の変化量を漸次減少させることで、適量の燃料を噴射するよう燃料噴射装置を制御できる。
本発明に係る燃料噴射システムは、燃料を噴射する噴孔を開閉するニードルと、印加された電圧に応じて伸縮する圧電体と、圧電体の伸縮によって変化する油圧に応じて噴孔を開閉するようニードルを変位させる燃料が充填された油密室とを備えた燃料噴射装置と、燃料噴射装置が備える油密室に充填された燃料へ気泡が混入したことを検知すると、ニードルの変位速度を増加させるよう圧電体に印加される印加電圧を変化させる燃料噴射制御装置とを備えることを特徴としている。
この構成によれば、気泡の混入を検知するとニードルの変位速度を増加させるよう印加電圧を変化させるので、燃料に気泡が混入しても短時間で適量の燃料を噴射できる。
本明細書開示の燃料噴射制御装置及び燃料噴射システムによれば、燃料に気泡が混入しても短時間で適量の燃料を噴射できる。
本発明の燃料噴射システムの一実施形態を示す構成図である。 インジェクタの一構成例を表す側断面図である。 燃料噴射制御装置の一構成例を表す機能ブロック図である。 ピエゾスタックに充電するエネルギー量の一例を表す図である。 燃料噴射制御装置が実行する燃料噴射制御処理の一例を表すフローチャートである。 比較例のインジェクタにおけるピエゾスタックの伸張量とニードルリフト量との一関係例を表す図である。 比較例のインジェクタにおいてISCを行う場合における燃料噴射時間の一例を表す図である。
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の燃料噴射システム1の一実施形態を示す構成図である。
図1に示す燃料噴射システム1は、例えば、4気筒のエンジン50に対して燃料を供給するシステムである。燃料噴射システム1は、車両に搭載される。
ここで、燃料噴射システム1について説明する前に、エンジン50について説明を行う。図1に示すエンジン50は、シリンダ51、ピストン52、クランク角ロータ53a、及び検出装置53bを備える。
シリンダ51は、内部にピストン52が設けられている。シリンダ51は、燃料噴射システム1によって内部に燃料を噴射される。尚、シリンダ51は、燃料噴射システム1による燃料のマルチ噴射にも対応できる。また、シリンダ51に噴射される燃料は、本実施例において軽油であるとして説明するが、エマルジョン燃料を含む従来から車両の走行に用いられる燃料であれば良い。
クランク角ロータ53aは、ピストン52の上下運動を回転運動に変換するクランクに設けられたロータである。このため、クランク角ロータ53aは、エンジン50の回転に伴って回転する。
検出装置53bは、例えば、回転数センサで構成される。検出装置53bは、クランク角ロータ53aの回転数を検出すると共に、検出した回転数を表す信号(以下単に、NE信号:Number of Engine speed)を燃料噴射システム1へ出力する。
次に、本発明に係る燃料噴射システム1について説明する。
燃料噴射システム1は、燃料タンク10a、検出装置10b、コモンレール20、インジェクタ30、及び燃料噴射制御装置40を備える。
燃料タンク10aは、例えば、自動車用燃料タンクで構成される。燃料タンク10aは、蓄液する液体燃料をコモンレール20へ供給する。
検出装置10bは、例えば、フューエルレベルセンサで構成される。検出装置10bは、燃料タンク10aが蓄液する液体燃料の残量を計測すると共に、計測した残量が所定値を下回る場合に、残量が所定値を下回ったことを表すエンプティ信号を燃料噴射制御装置40へ出力する。
コモンレール20は、燃料タンク10から供給される液体燃料を高圧化して蓄液すると共に、蓄液した液体燃料をインジェクタ30へ供給する。尚、図1において、インジェクタ30を1つだけ図示しているが、コモンレール20は、複数のインジェクタへそれぞれほぼ同圧の高圧燃料を供給する。
インジェクタ30は、例えば、コモンレール20と共に燃料噴射装置を構成する。インジェクタ30は、コモンレール20から供給された液体燃料をシリンダ51に対してマルチ噴射する。
ここで、図2を参照して、インジェクタ30の構成について説明する。図2は、インジェクタ30の本体部であるボディー30aの一構成例を表す側断面図である。
図2に示すボディー30aは、先端に燃料を噴射する噴孔31が形成されている。また、このボディー30aは、コモンレール20から供給された高圧の燃料を噴孔31へ送る高圧燃料経路R1と、高圧燃料経路R1を通った燃料の内で噴孔31から噴射されなかった燃料を燃料タンク10aへ送り返すリターン経路R2とを有する。更に、このボディー30aは、噴孔31を開閉するニードル34、並びにニードル34を変位させるピエゾスタック35、ピストン36、及び油密室37を備える。
高圧燃料経路R1は、噴孔31が設けられた燃料だまり室32へ続く経路R1aと、ニードル34の基端側に設けられた制御室33へと続く経路R1bとに分岐する。燃料だまり室32は、噴孔31がニードル34の上昇によって開かれるまでの間、経路R1aから供給された液体燃料を所定の圧力で溜め置く。
制御室33は、ニードル34の変位を制御する。具体的には、制御室33は、経路R1bから供給された液体燃料の油圧をニードル34に対して基端側から先端側へ向かって伝達する。ここで、ニードル34は、制御室33から先端側へ向かう油圧を受けると共に、油密室37から基端側へ向かう油圧を受ける。このため、ニードル34は、制御室33及び油密室37によって、それぞれ先端側又は基端側へ変位するよう制御される。尚、制御室33へ供給された液体燃料の一部は、例えば、リーク等して油密室37へ入り込む。また、油密室37へ入り込んだ液体燃料の一部は、同様に、例えば、リーク等して経路2へ入り込んだ後に、経路2を通って再び燃料タンク10へ戻る。
ニードル34は、燃料を噴射する噴孔31を開閉する。具体的には、ニードル34は、制御室33及び油密室37からそれぞれ油圧を受けて先端側に変位すると噴孔31を塞ぎ、基端側に変位すると噴孔31を開く。
ピエゾスタック35は、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の電圧セラミック層と電極層とを交互に積層した圧電体で構成される。ピエゾスタック35は、インジェクタ30が備える駆動回路30bにより印加された電圧に応じて油密室37の油圧を変化させる。尚、駆動回路30bは、例えば、ハードウェア回路で構成される。
具体的には、ピエゾスタック35は、駆動回路30bにより充電されて積層方向の先端側に伸張する。逆に、ピエゾスタック35は、駆動回路30bにより放電させられて基端側に縮小する。尚、伸張及び縮小したピエゾスタック35は、それぞれ先端側及び基端側にピストン36を変位させる。ここで、ピエゾスタック35の伸張量は、蓄積したエネルギー量の増加に伴って増加するため、ピエゾスタック35の伸張速度は、駆動回路30bによって印加される電圧の増加に伴って増加する。
油密室37には、ピエゾスタック35の伸縮によって変化する油圧に応じて噴孔31を開閉するようニードル34を変位させる液体燃料が充填されている。具体的には、油密室37に充填された燃料は、ピストン36の先端側への変位を、基端側への変位に変換してニードル34へ伝達する。尚、油密室37は、ピストン36の先端側への変位量を増幅又は減少させてニードル34へ伝達する構成を採用できる。具体的には、ピストン36が先端側へ変位すると、油密室37に充填された燃料の油圧が増加するためニードル34は基端側へ変位させられる。また逆に、ピストン36が基端側へ変位すると、油密室37に充填された燃料の油圧が減少するため、制御室33の油圧によりニードル34は先端側へ変位させられる。
ここで、上記の様に、コモンレール20から供給された液体燃料の一部は油密室37へ送り込まれる。このため、例えば、ガス欠後の再始動時又は燃料の加熱時において気泡が燃料に混入すると、混入した気泡が油密室37へ到達する場合がある。
ここで、一旦、図6を参照して、油密室37に気泡が混入した場合に、比較例として説明する燃料噴射システムに生じる問題点について説明を行う。図6(a)は、油密室37に気泡が混入した場合において、比較例の燃料噴射システムが備えるピエゾスタックの伸張量とニードルの変位量との一関係例を表す図である。
図6(a)に示すように、油密室37に気泡が混入していない通常時は、値「x」だけニードル34を基端側に変位させる(以下、リフトするという)ために要するピエゾスタック35(以下、アクチュエータともいう)の伸張量は値「y1」である。一方で、油密室37に気泡が混入すると、値「x」だけニードル34をリフトするために要するピエゾスタック35の伸張量は値「y2」まで増加する。油密室37に混入した気泡が、ピエゾスタック35の伸張により生じた変位を吸収するため、ニードル34の変位量が減少するからである。
よって、図6(b)及び(c)に示すように、油密室37に気泡が混入した場合には、ニードルがリフトされ始める時刻、及びニードルのリフトにより噴射率が増加し始める時刻が時刻「t1s」から「t2s」まで遅れる。また、油密室37に気泡が混入した場合には、リフト量の増加速度が低下するため、噴射率の増加速度が低下する。
このため、図6(d)に示すように、気泡の混入時と通常時とでピエゾスタック35の充電エネルギーが同じになるように制御したのでは、燃料の噴射量が気泡の混入時に減少してしまうという問題があった。
次に、図7を参照して、気泡の混入により生じる燃料噴射量の減少を、燃料噴射時間の延長により補う比較例の燃料噴射システムの問題点について説明を行う。
図7(a)に示す様に、例えば、ISC(Idle Speed Control)を行うことで、ピエゾスタック35に対するエネルギーの充電時間をΔτだけ延長すると、燃料噴射時間が延長される。このため、気泡の混入による燃料噴射量の減少を、燃料噴射時間の延長で補うことができる。
しかし、図7(b)及び(c)に示すように、ニードルがリフトされ始める時刻及び噴射率が増加し始める時刻は、依然として通常時に比べて遅れている。
また、延長された充電時間Δτに基づいて噴射時間が値「t2e-t1e」だけ延長される。このため、比較例の燃料噴射システムでは、燃料を噴射されたエンジン50の排気及び燃費が悪化するという問題が生じる。また、エンジン50に対してインジェクタ30がマルチ噴射を行う場合には、各噴射間のインターバルを確保することが困難になるという問題が生じる。
よって、図1に戻り、上記問題を解決する燃料噴射システム1の構成について引き続き説明を行う。
燃料噴射制御装置40は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)で構成される。燃料噴射制御装置40は、ソフトウェア処理である燃料噴射制御処理を実行することで、インジェクタ30がエンジン50に対して燃料を噴射する噴射時間及び噴射量を制御する。
ここで、図1(b)を参照して、ソフトウェア処理を実行するために燃料噴射制御装置40が用いるハードウェアの構成について説明を行う。図1(b)は、燃料噴射制御装置40の一構成例を表すハードウェア構成図である。
図1(b)に示す燃料噴射制御装置40は、CPU(Central Processing Unit)等の実行装置40a、ROM(Read-Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)等の記憶装置40b、及びAD変換機(Analog-to-Digital)等の入出力装置40cを備える。ソフトウェア処理は、実行装置40aが、記憶装置40bに格納したプログラムを読み込み、読み込んだプログラムが表すソフトウェア処理の実行手順に従って演算を行うことにより実現される。尚、記憶装置40bには、実行装置が行った演算結果が書き込まれる。また、必要に応じて入出力装置40cは、検出装置10b、53b、及び60bが入力する信号を演算対象として入力すると共に、演算結果をインジェクタ30へ出力する。
次に、図3を参照して、燃料噴射制御装置40の構成について、機能に着目して説明する。図3は、燃料噴射制御装置40の一構成例を表す機能ブロック図である。
燃料噴射制御装置40は、取得部41、状態判定部42、第1検知部43、指令期間算出部44、差異算出部45、第2検知部46、指令速度算出部47、及び制御部48を備える。
取得部41は、実行装置40aが取得処理を実行することで実現される。取得部41は、検出装置10b、53b、及び60bからそれぞれが出力する信号を取得する。尚、検出装置60bは、例えば、アクセルペダルセンサで構成され、アクセルペダル60aの踏込量を表す信号を出力する。
状態判定部42は、実行装置40aが状態判定処理を実行することで実現される。状態判定部42は、車両の状態を判定する。具体的には、状態判定部42は、アイドル運転中であるか否かを判断する。具体例としては、状態判定部42は、取得部41が取得したアクセルペダル60aの踏込量を表す信号及び車両の車速に基づいてアイドル運転中であるか否かを判断する。
第1検知部43は、実行装置40aが第1検知定処理を実行することで実現される。第1検知部43は、車両がガス欠後であることを検知する。ガス欠後には、燃料に対して気泡が混入しているおそれがあるからである。ガス欠後とは、例えば、車両がガス欠になった後、所定の量だけ燃料をエンジン50に噴射する前の状態をいう。尚、ガス欠後は、車両がガス欠になった後、所定の期間が経過する前の状態をいうとしても良い。また、第1検知部43は、取得部41が検出装置10bからエンプティ信号を取得すると、車両がガス欠になったと判断する構成を採用できる。
指令期間算出部44は、実行装置40aが指令期間算出処理を実行することで実現される。指令期間算出部44は、状態判定部42がアイドリング状態であると判定した場合に、アイドリングスピードを所定の値に保つためにニードル34をリフトするようインジェクタ30に指令する指令期間(つまり、燃料の噴射時間)τを算出する。具体例としては、指令期間算出部44は、取得部41が取得したNE信号の表すエンジン50の回転数が所定の値を下回った場合に指令期間τを延長し、そうでない場合に指令期間τを短縮する。
差異算出部45は、実行装置40aが差異算出処理を実行することで実現される。差異算出部45は、第1検知部43がガス欠後であることを検知した場合であって、かつ状態判定部42がアイドリング状態であると判定した場合に、指令期間の差異を算出する。具体的には、差異算出部45は、通常時において所定の回転数でアイドリングをするために要する指令期間と、指令期間算出部44が算出した指令期間τとの差異Δτを算出する。尚、通常時において所定の回転数でアイドリングをするために要する指令期間は、実験により定めることができる。また、この実験により定めた指令期間は、例えば、ROM等の記憶装置に記憶されている。
第2検知部46は、実行装置40aが第2検知処理を実行することで実現される。第2検知部46は、油密室37に対する気泡の混入を検知する。具体的には、第2検知部46は、差異算出部45が算出した指令期間の差異Δτが所定値を超えた場合に、気泡の混入を検知する。油密室37に気泡が混入すると、ニードル34のリフト速度が低下して燃料噴射率の増加速度が低下するためである。つまり、エンジン50の回転数を所定値にするために、通常時と比べて、長い燃料噴射時間が必要となるためである。
指令速度算出部47は、実行装置40aが指令速度算出処理を実行することで実現される。指令速度算出部47は、第2検知部46が油密室37に対する気泡の混入を検知した場合に、インジェクタ30へ指令するニードル34のリフト速度(以下単に、指令速度という)を算出する。具体的には、指令速度算出部47は、ピエゾスタック35に印加する電圧を算出する。これは、上記の様に、ピエゾスタック35の伸張速度は、ピエゾスタック35に対するエネルギーの充電速度で定まるためである。
ここで、図4を参照して、指令速度算出部47が指令速度を算出するために用いる算出方法について説明する。図4(a)は、本実施例において、ピエゾスタック35に充電するエネルギー量の一例を表す図である。
図4(a)に示すように、指令速度算出部47は、ピエゾスタック35に充電するエネルギー量の初期傾き(以下、充電エネルギー初期傾きという)を、通常時の傾きαに比べて大きい値「α1」と決定する。具体的には、指令速度算出部47は、ピエゾスタック35に対する印加電圧を通常時の値より大きい値に定める。これは、気泡の混入により低下するニードル34のリフト速度及びリフト量を補填するためである。
この構成によれば、気泡の混入を検知するとニードルの変位速度を増加させるよう印加電圧を変化させるので、燃料に気泡が混入しても短時間で適量の燃料を噴射できる。よって、気泡が解消又は排出されるまでの間において、気泡の混入による燃料噴射率の悪化を解消できる。
また、この構成によれば、短時間で適量の燃料を噴射できるため、燃料を噴射されたエンジン50の排気及び燃費を改善できる。特に、インジェクタ30がマルチ噴射を行うために要する各噴射間のインターバルを容易に確保できる。
また、指令速度算出部47は、第2検知部46が気泡の混入を検知した後に燃料を噴射するようインジェクタ30を制御した回数に基づいて指令速度を算出する。これは、インジェクタ30の燃料を噴射する動作に伴って、油密室37に混入した気泡が、例えば、リターン経路R2を通じて徐々に排出されるためである。
具体的には、図4(b)に示すように、指令速度算出部47は、気泡混入を検知した後に燃料をインジェクタ30に噴射させた回数の増加に伴って、印加電圧を変化させる変化量を漸次減少させる。つまり、指令速度算出部47は、気泡混入を検知した後にインジェクタ30へ印加する印加電圧を通常時の値より大きな値へ変化させた回数の増加に伴って、印加電圧を変化させる変化量を漸次減少させる。具体的には、指令速度算出部47は、充電エネルギー初期傾きを通常時の値「α」より大きな値へ変化させた回数の増加に伴って、充電エネルギー初期傾きを値「α」より大きな値へ変化させる変化量を漸次減少させる。
この構成によれば、燃料に混入した気泡は燃料の噴射に伴って排出されるため、印加電圧の変化量を漸次減少させることで、適量の燃料を噴射するよう燃料噴射装置を制御できる。
尚、本実施例において、指令速度算出部47は、気泡混入を検知した後に充電エネルギー初期傾きを通常時の値より大きな値へ変化させるとして説明したが、これに限定される訳ではない。例えば、指令速度算出部47は、充電エネルギー初期傾きを通常時の値より大きな値へ変化させるだけでなく、ピエゾスタック35に充電する充電エネルギー量を増加させることで、ピエゾスタック35の伸張量をも増加させる構成を採用できる。
また、指令速度算出部47は、差異算出部45が算出した指令期間の差異Δτに基づいてニードル34のリフト速度の低下量を算出すると共に、算出した低下量に基づいて指令速度を算出する構成を採用できる。気泡の混入量が増加するとニードル34のリフト速度が低下し、リフト速度が低下するとエンジン50の回転数が低下するため、指令期間の差異Δτが増加するからである。具体的には、指令速度算出部47は、指令期間の差異Δτが増加すると、指令速度を増加させる構成を採用できる。
この構成によれば、燃料に混入する気泡が増加しても短時間で適量の燃料を噴射できる。
次に、図3に戻り、燃料噴射制御装置40の構成について引き続き説明を行う。
制御部48は、実行装置40aが制御処理を実行することで実現される。制御部48は、第2検知部46が油密室37に対する気泡の混入を検知した場合に、予め定められた期間に渡って、指令速度算出部47が算出した指令速度で、ニードル34をリフトするようインジェクタ30が備える駆動回路30bを制御する。また、制御部48は、第2検知部46が気泡の混入を検知しなかった場合に、指令期間算出部44が算出した指令期間に渡って、予め定められた速度で、ニードル34をリフトするようインジェクタ30が備える駆動回路30bを制御する。尚、制御部48によって制御された駆動回路30bは、制御部48に指令された期間に渡って、指令された印加電圧をピエゾスタック35に印加する。
次に、図5を参照して、燃料噴射制御装置40が実行する燃料噴射制御処理について説明する。図5は、燃料噴射制御装置40が実行する燃料噴射制御処理の一例を表すフローチャートである。
先ず、燃料噴射制御装置40は、上記の様にガス欠後であるか否かを判断する(ステップS01)。燃料噴射制御装置40は、ガス欠後であると判断する場合にはステップS02の処理を、そうでない場合にはステップS07の処理を実行する。
ステップS01において、燃料噴射制御装置40は、ガス欠後であると判断した場合には、上記の様にエンジン50がアイドル運転中であるか否かを判断する(ステップS02)。燃料噴射制御装置40は、アイドル運転中であると判断した場合にはステップS03の処理を実行し、そうでない場合にはステップS07の処理を実行する。
ステップS02において、燃料噴射制御装置40は、アイドル運転中であると判断した場合には、上記の様に、指令期間τを算出する(ステップS03)。次に、燃料噴射制御装置40は、上記の様に、指令期間の差異Δτを算出する(ステップS04)。その後、燃料噴射制御装置40は、指令期間の差異Δτが所定の値を超えるか否かの判断に基づいて、インジェクタ30の備える油密室37に対する気泡の混入を検知する(ステップS05)。燃料噴射制御装置40は、気泡の混入を検知した場合にはステップS06の処理を、そうでない場合にはステップS07の処理を実行する。
ステップS05において、燃料噴射制御装置40は、指令期間の差異Δτが所定の値を超えたため、気泡の混入を検知した場合には、通常時の速度に比べて速い速度でニードル34をリフトするようインジェクタ30を制御する(ステップS06)。その後、燃料噴射制御装置40は、燃料噴射制御処理の実行を終了する。尚、ステップS06で行う制御を、単に、リフト制御と図示する。
ステップS01において、ガス欠後でないと判断した場合、ステップS02において、アイドル運転中でないと判断した場合、又はステップS05において、気泡の混入を検知しなかった場合には、燃料噴射制御装置40は、予め定められた通常時の速度でニードル34をリフトするようインジェクタ30を制御する(ステップS07)。その後、燃料噴射制御装置40は、燃料噴射制御処理の実行を終了する。尚、ステップS07で行う制御を、以下単に、通常制御という。
図5において、ステップS01が第1検知部43を実現するための第1検知処理の一例に相当し、ステップS02が状態判定部42を実現するための状態判定処理の一例に相当し、ステップS03が指令期間算出部44を実現するための指令期間算出処理の一例に相当し、ステップS04が差異算出部45を実現するための差異算出処理の一例に相当し、ステップS05が第2検知部46を実現するための第2検知処理の一例に相当し、ステップS06及びS07が制御部48を実現するための制御処理の一例に相当する。
本実施例において、第2検知部45が検知手段の一例に相当し、制御部48が制御手段の一例に相当する。
制御装置40がソフトウェア処理を実行することで実現する機能の一部又は全部は、ハードウェア回路を用いて実現することができる。逆に、制御装置40がハードウェア回路を用いて実現する機能の一部又は全部は、ソフトウェア処理を実行することで実現することができる。同様に、駆動回路30bがハードウェア回路を用いて実現する機能の一部又は全部は、ソフトウェア処理を実行することで実現することができる。
制御装置40が実行する処理手順を記述したプログラムは、磁気ディスクや光ディスク、半導体メモリ、その他の記録媒体に格納して配布したり、ネットワークを介して配信したりすることにより提供できる。
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
1…燃料噴射システム 10a…燃料タンク
10b…検出装置(フューエルセンサー) 20…コモンレール
30…インジェクタ 30a…ボディー
30b…駆動回路 31…噴孔
32…燃料たまり室 33…制御室
34…ニードル 35…ピエゾスタック(圧電体)
36…ピストン 37…油密室
40…燃料噴射制御装置 40a…CPU
40b…ROM 40c…入出力装置
40f…バス 41…取得部
42…状態判定部 43…第1検知部
44…指令期間算出部 45…差異算出部
46…第2検知部(検知手段) 47…指令速度算出部
48…制御部(制御手段) 50…エンジン
51…シリンダ 52…ピストン
53a…クランク角ロータ 53b…検出装置(NEセンサ)
60a…アクセルペダル
60b…検出装置(アクセルペダルセンサ)

Claims (3)

  1. 燃料を噴射する噴孔を開閉するニードルと、印加された電圧に応じて伸縮する圧電体と、前記圧電体の伸縮によって変化する油圧に応じて前記噴孔を開閉するよう前記ニードルを変位させる燃料が充填された油密室とを備えた燃料噴射装置を制御する燃料噴射制御装置であって、
    前記燃料噴射装置が備える前記油密室に充填された燃料へ気泡が混入したことを検知する検知手段と、
    前記検知手段が気泡の混入を検知すると、前記ニードルの変位速度を増加させるよう前記圧電体に印加される印加電圧を変化させる制御手段とを備えることを特徴とする燃料噴射制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記検知手段が気泡の混入を検知した後の噴射回数の増加に伴って、前記印加電圧を検知前の印加電圧から変化させる変化量を漸次減少させることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射制御装置。
  3. 燃料を噴射する噴孔を開閉するニードルと、印加された電圧に応じて伸縮する圧電体と、前記圧電体の伸縮によって変化する油圧に応じて前記噴孔を開閉するよう前記ニードルを変位させる燃料が充填された油密室とを備えた燃料噴射装置と、
    前記燃料噴射装置が備える前記油密室に充填された燃料へ気泡が混入したことを検知すると、前記ニードルの変位速度を増加させるよう前記圧電体に印加される印加電圧を変化させる燃料噴射制御装置とを備えることを特徴とする燃料噴射システム。
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