JP6561493B2 - 燃料噴射システムの故障診断装置 - Google Patents

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Description

燃料噴射システム内の故障を診断する故障診断装置に関する。
ディーゼル機関の燃料噴射装置として、各気筒の燃料噴射弁に高圧の燃料を供給する共通の蓄圧室(コモンレール)を備えるものが周知である。このコモンレール式のディーゼル機関によれば、機関運転状態に応じて、コモンレール内の燃料圧力を自由に制御することができ、ひいては燃料噴射弁に供給される燃料圧力を自由に制御することができる。
このような燃料噴射装置において、燃圧センサが故障になって正確な燃料圧力を検出できなくなると、燃料噴射を適切に制御できなくなるという問題がある。
燃圧センサの故障検出について、例えば特許文献1に記載の先行技術がある。この特許文献1では、要求噴射量を変化させたときの内燃機関の出力の変動量から噴射量を推定し、噴射量から燃料圧力を推定している。そして、推定した燃料圧力と燃圧センサが検出する燃料圧力とによって定まる1つのポイントが正常範囲内にない時に、圧力センサに故障があると判定している。また、定まるポイントが中央特性値に対してどのようにずれたかを把握することで、燃圧センサの故障は具体的にどのような性質の故障なのか判定している。
特開2007―40113
しかしながら、特許文献1に記載の先行技術は、ディーゼル機関の出力を検出するセンサを必須とした構成であり、コモンレールシステム内で完結した故障診断装置とは言い難い。また燃料噴射弁の故障により燃料圧力が変動している場合も含めて燃圧センサの故障と判定してしまうおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、コモンレールシステム内で完結し、燃料噴射弁の故障がある場合でも燃圧センサの故障を診断することが可能な故障診断装置を提供することにある。
本発明は、高圧の燃料を貯蔵する蓄圧室と、前記蓄圧室に供する燃料を加圧して吐出する燃料ポンプと、前記蓄圧室に高圧状態で蓄えられた燃料を噴射する複数の燃料噴射弁と、前記蓄圧室内の燃料圧力を検出する燃圧センサと、を備えた燃料噴射システムに適用される故障診断装置であって、前記複数の燃料噴射弁の内一つの燃料噴射弁により所定の噴射条件で燃料の噴射が実行された場合に、残りの前記燃料噴射弁により前記所定の噴射条件で燃料の噴射を実行させる噴射実行手段と、前記所定の噴射条件で前記燃料噴射弁による噴射に伴い生じた前記蓄圧室内の燃料圧力の降下量を検出降下量として、それぞれ前記燃圧センサの検出値に基づいて算出する検出降下量算出手段と、前記所定の噴射条件で前記燃料噴射弁による噴射に伴い生じると推定される前記蓄圧室内の燃料圧力の降下量を推定降下量として算出する推定降下量算出手段と、前記検出降下量算出手段により算出された検出降下量の前記複数の燃料噴射弁間でのばらつきを算出するばらつき算出手段と、前記ばらつき算出手段により算出された前記ばらつきが第一所定範囲内であり、且つ検出降下量算出手段により算出された前記検出降下量と前記推定降下量算出手段により算出された推定降下量との相違量が第二所定範囲から外れる場合に、前記燃圧センサの故障と判定する燃圧センサ故障判定手段と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、燃料噴射システムは、蓄圧室と、燃料ポンプと、燃料噴射弁と、燃圧センサを備えている。この燃料噴射システムの故障診断装置は、噴射実行手段を備えており、複数の燃料噴射弁の内一つの燃料噴射弁により所定の噴射条件で燃料の噴射が実行された場合に、残りの前記燃料噴射弁により前記所定の噴射条件で燃料の噴射を実行させる。全気筒が所定の噴射条件で燃料の噴射を実行するように制御されると、燃料噴射弁による噴射に伴い生じた蓄圧室内の燃料圧力の降下量は検出降下量として検出降下量算出手段によりそれぞれ算出される。ばらつき算出手段により、複数の燃料噴射弁間で算出された検出降下量のばらつきが算出される。また、燃料噴射弁から噴射させる燃料の目標噴射量に基づいて、推定降下量算出手段により噴射に伴い生じると推定される蓄圧室内の燃料圧力降下量が推定降下量として算出される。
燃圧センサが故障している場合には、噴射に伴い生じると推定される推定降下量に対して算出される検出降下量に大きい方向又は小さい方向へのずれが生まれるため、検出降下量と推定降下量との相違量は、全ての燃料噴射弁において第二所定範囲から外れることになる。また、全ての燃料噴射弁で同様のずれを生じさせるため、ばらつき算出手段により算出される複数の燃料噴射弁間で算出された検出降下量のばらつきは、第一所定範囲内に収まる。したがって、ばらつき算出手段により算出されたばらつきが第一所定範囲内であり、且つ検出降下量算出手段により算出された検出降下量と推定降下量算出手段により算出された推定降下量との相違量が第二所定範囲から外れる場合に、燃圧センサ故障判定手段により燃圧センサの故障が判定される。燃料噴射弁の故障がある場合、複数の燃料噴射弁のうち故障した燃料噴射弁の検出降下量は他の燃料噴射弁の検出降下量と差異が生まれるため、ばらつき算出手段により算出される複数の燃料噴射弁間での検出降下量のばらつきは第一所定範囲内に収まらない。このため、燃料噴射弁の故障がある場合でも燃圧センサの故障を診断することが可能となる。また、構成が燃料噴射システムのみで完結しており、例えば内燃機関の出力を検出するセンサなど外部の構成を必要としないですむ。
また、本発明は、高圧の燃料を貯蔵する蓄圧室と、前記蓄圧室に供する燃料を加圧して吐出する燃料ポンプと、前記蓄圧室に高圧状態で蓄えられた燃料を噴射する複数の燃料噴射弁と、前記蓄圧室内の燃料圧力を検出する燃圧センサと、を備えた燃料噴射システムに適用される故障診断装置であって、前記複数の燃料噴射弁の内一つの燃料噴射弁により所定の噴射条件で燃料の噴射が実行された場合に、残りの前記燃料噴射弁により前記所定の噴射条件で燃料の噴射を実行させる噴射実行手段と、前記所定の噴射条件で前記燃料噴射弁による噴射に伴い生じた前記蓄圧室内の燃料圧力の降下量を検出降下量として、それぞれ前記燃圧センサの検出値に基づいて算出する検出降下量算出手段と、前記所定の噴射条件で前記燃料噴射弁による噴射に伴い生じると推定される前記蓄圧室内の燃料圧力の降下量を推定降下量として算出する推定降下量算出手段と、前記検出降下量算出手段により算出された気筒ごとの前記検出降下量から過半数を超える前記検出降下量を過半数降下量として選択し、前記過半数降下量と前記推定降下量算出手段により算出された前記推定降下量との相違に基づいた相違量を算出する相違量算出手段と、前記相違量算出手段により算出された前記相違量が第二所定範囲から外れる場合に、前記燃圧センサの故障と判定する燃圧センサ故障判定手段と、備えることを特徴とする。
上記構成によれば、燃料噴射システムは、蓄圧室と、燃料ポンプと、燃料噴射弁と、燃圧センサを備えている。この燃料噴射システムの故障診断装置は、噴射実行手段を備えており、複数の燃料噴射弁の内一つの燃料噴射弁により所定の噴射条件で燃料の噴射が実行された場合に、残りの前記燃料噴射弁により前記所定の噴射条件で燃料の噴射を実行させる。全気筒が所定の噴射条件で燃料の噴射を実行するように制御されると、燃料噴射弁による噴射に伴い生じた蓄圧室内の燃料圧力の降下量は検出降下量として検出降下量算出手段によりそれぞれ算出される。また、燃料噴射弁から噴射させる燃料の目標噴射量に基づいて、推定降下量算出手段により噴射に伴い生じると推定される蓄圧室内の燃料圧力降下量が推定降下量として算出される。燃圧センサが故障している場合には、噴射に伴い生じると期待される推定降下量に対して全気筒の検出降下量に大きい方向又は小さい方向へのずれが生まれるため、相違量算出手段により算出されたそれぞれの相違量は、全て第二所定範囲から外れることになる。このような燃圧センサの故障が生じているか判定を行う際には、全ての燃料噴射弁で検出降下量が推定降下量に対してずれが生じているか判定する必要はない。なぜならば、区別して故障判定すべき燃料噴射弁の故障が同時に過半数を超えて生じる可能性が小さいため、検出降下量が推定降下量に対してずれが生じている燃料噴射弁が過半数よりも多い場合には燃圧センサの故障と判定できるからである。したがって、算出された全ての検出降下量から過半数を超える検出降下量が過半数降下量として選択され、過半数降下量と推定降下量算出手段により算出された推定降下量との相違に基づいた相違量が相違量算出手段により算出される。算出された相違量が第二所定範囲から外れる燃料噴射弁が過半数よりも多い場合に、燃圧センサ故障判定手段により燃圧センサの故障と判定される。よって、このような燃圧センサの故障判定でも、燃料噴射弁の故障と区別して診断することが可能となる。また、構成が燃料噴射システムのみで完結しており、例えば内燃機関の出力を検出するセンサなど外部の構成を必要としないですむ。
本実施形態にかかる燃料噴射システムの概略構成図である。 本実施形態にかかるECUにより実行される制御フローチャートである。 本実施形態にかかる燃料噴射弁異常及び圧力センサ出力異常時の挙動を示す図である。 圧力センサの出力異常に関する一例である。 圧力センサの出力異常に関する一例である。 圧力センサ出力異常時におけるポンプ吐出量及びフィードバック量を示す図である。 図2に示されている制御フローチャートの一変形例である。
以下、本実施形態を図に基づいて説明する。図1に、本実施形態の燃料噴射システム10を示す。
蓄圧式の燃料噴射システム10は、燃料供給ポンプ16(燃料ポンプに該当)、コモンレール20(蓄圧室に該当)、圧力センサ22(燃圧センサに該当)、減圧弁30、複数の燃料噴射弁40、電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)50、電子駆動装置(EDU:ElectronicDriving Unit)52等から構成されており、内燃機関として図示しない4気筒のディーゼルエンジン(以下、単にエンジンとも言う。)の各気筒に燃料を噴射する。尚、図の煩雑さを避けるため、図1においては、EDU52から1個の燃料噴射弁40への制御信号線、ならびにコモンレール20から1個の燃料噴射弁40への噴射配管202だけを示している。
燃料フィルタ14は、燃料タンク12から燃料供給ポンプ16が吸入する燃料中の異物を除去する。燃料供給ポンプ16は、燃料タンク12から燃料を吸入するフィードポンプを内蔵しており、吸入した燃料を加圧し供給配管200を通してコモンレール20に吐出する。
燃料供給ポンプ16は、カムシャフトのカムの回転にともないプランジャが往復移動することにより加圧室に吸入した燃料を加圧する公知のポンプである。ECU50が燃料供給ポンプ16の調量弁18を制御することにより、燃料供給ポンプ16が吸入行程で吸入する燃料の吸入量が調量される。そして、吸入量が調量されることにより、燃料供給ポンプ16からの燃料の吐出量が調量される。尚、燃料供給ポンプ16の吐出側に、燃料の吐出量を調量する調量弁を設置して吐出量を調量してもよい。
コモンレール20は、燃料供給ポンプ16が吐出する燃料を蓄圧してエンジン運転状態に応じた所定の高圧に燃料圧力を保持し、噴射配管202を通して燃料噴射弁40に燃料を供給する。圧力センサ22は、コモンレール20の内部の燃料圧力(実レール圧)に応じた信号を出力する。
減圧弁30は、通電制御により開弁しコモンレール20の内部の燃料を低圧側のリターン配管204に排出する電磁弁である。
燃料噴射弁40は、4気筒のディーゼルエンジンの各気筒に搭載され、コモンレール20が蓄圧している燃料を気筒内に噴射する。燃料噴射弁40は、エンジンの運転状態に基づいて、1回の燃焼サイクルにおいてメイン噴射の前後にパイロット噴射およびポスト噴射を含む多段噴射を行う。燃料噴射弁40は、ノズルニードルに閉弁方向に燃料圧力を加える背圧室の圧力を制御することにより燃料噴射量を制御する公知の電磁駆動式の噴射弁である。燃料噴射弁40の電磁駆動部は、ピエゾアクチュエータまたは電磁コイルで構成されている。
背圧制御弁42は、燃料噴射弁40の背圧室の圧力が所定圧を超えると開弁し、背圧室の燃料をリターン配管204に排出する。これにより、燃料噴射弁40の背圧室の圧力が所定圧を超えることを防止する。
ECU50は、CPU、ROM、RAM、フラッシュメモリ等の書換可能な不揮発性メモリ、入出力インタフェース等を中心とするマイクロコンピュータ(マイコン)から主に構成されている。
ECU50は、ROMまたはフラッシュメモリに記憶されている制御プログラムを実行することにより、燃料噴射システム10の各種制御を実行する。例えば、ECU50は、燃料供給ポンプ16の吐出量、および減圧弁30の開閉を制御して、圧力センサ22の出力信号から検出する検出レール圧と、エンジン運転状態に基づいて設定する目標圧力(目標レール圧)との差圧に基づいて検出レール圧を目標レール圧に追随させるフィードバック(F/B)制御を実行する(フィードバック制御手段に該当)。
ECU50は、本発明に係わる噴射実行手段、検出降下量算出手段、推定降下量算出手段、ばらつき算出手段、燃圧センサ故障判定手段、フィードバック量判定手段、ずれ方向特定手段、燃料噴射弁故障判定手段、相違量算出手段、故障噴射弁特定手段などの機能を有している。
EDU52は、ECU50が出力する制御信号に基づいて減圧弁30、燃料噴射弁40に駆動電流または駆動電圧を供給するための駆動装置である。
以下、ECU50が実行する燃料噴射システム10に関する制御内容を説明する。図2に示す燃料噴射システム10に関する制御は、ECU50の電源オン期間中にECU50によって所定周期で繰り返し実行される。
本制御が起動されると、まずステップ100で診断条件が成立したか否かを判定する。診断条件とは、4気筒あるうち1つの気筒が特定の運転状態(所定の噴射条件に該当)になることを示している。具体的には、コモンレール20内の目標レール圧が所定圧力PFINとなり、所定圧力PFINに応じて燃料噴射弁40に指示される指示噴射量が所定噴射量QFINに設定されることを示している。診断条件が成立しなかった場合には(ステップ100:NO)、そのまま本制御は終了する。診断条件が成立した場合には(ステップ100:YES)、ステップ101に進む。
ステップ101では、診断条件が成立した場合に他の気筒についても、同様の噴射条件を設定する。具体的には図3に示すように、#1気筒の診断条件が成立した場合に、#2以降の気筒についてもその目標レール圧を所定圧力PFINに、指示噴射量を所定噴射量QFINに設定する。
その後、ステップ102において、各気筒に備えられている燃料噴射弁40からの燃料噴射により低下した検出レール圧を、圧力センサ22からの信号に基づいてそれぞれ算出する。
ステップ103にて、噴射される前のコモンレール20内の検出レール圧とステップ102にて算出された燃料噴射後の検出レール圧との差圧を検出差圧ΔPkとして気筒ごとに算出する。
ステップ104にて、算出された各気筒の検出差圧ΔPkから気筒間のばらつきXを算出する。本実施形態では、算出された各気筒の検出差圧ΔPkを用いて、標準偏差を算出する。この算出された標準偏差が気筒間のばらつきXに該当する。
ステップ105にて、算出された気筒間のばらつきXが第一所定範囲α内かどうかを判定する。なお、第一所定範囲αは、圧力センサ22及び全気筒の燃料噴射弁40が故障していないときに算出されると期待される気筒間のばらつきXに誤差を含めた範囲として設定される。このとき、例えば図3に示すように#3気筒の燃料噴射弁40が故障しているならば、#3気筒の検出差圧ΔPkが他の気筒と比較して異なる値を示すため、気筒間のばらつきXは第一所定範囲αから外れる。よって、気筒間のばらつきXが第一所定範囲α内に収まらなかった場合には(ステップ105:NO)、ステップ106に進み、燃料噴射弁40が故障している気筒があることを判定する。そして、燃料噴射弁40が故障していると判定された場合に、過半数を超える気筒の検出差圧ΔPkと異なる値を示す気筒の燃料噴射弁40について、その燃料噴射弁40が故障していると特定する。なお、過半数を超える気筒の検出差圧ΔPkとは、互いの差が所定値以内にある複数の検出差圧ΔPkであって、その個数が過半数を超えるものを指す。
気筒間のばらつきXが第一所定範囲α内に収まった場合には(ステップ105:YES)、ステップ107に進む。ステップ107では、圧力センサ22及び燃料噴射弁40が故障していないときに算出されると推定される所定の噴射条件で燃料が噴射された際に生じる気筒内の差圧としての推定差圧ΔPtと、ある気筒の検出差圧ΔPkとで相違があるか否かを判定する。例えば、図3に示すように、圧力センサ22の出力に異常がある場合には、全ての気筒において、推定差圧ΔPtに対し検出差圧ΔPkが一定のずれを生じさせることになる。したがって、本実施形態では、検出差圧ΔPkを推定差圧ΔPtで割った商(相違量に該当)が第二所定範囲β内に収まらなかった場合に、相違があると判定する。また、既に燃料噴射弁40の故障判定を行った後である為、圧力センサ22の故障判定では燃料噴射弁40の故障を考慮する必要がない。よって、全気筒で検出差圧ΔPkと推定差圧ΔPtとの相違があるかを判定せず、1つの気筒において検出差圧ΔPkと推定差圧ΔPtとの相違があるかを判定している。なお、第二所定範囲βは、圧力センサ22及び燃料噴射弁40が正常である場合に期待される検出差圧ΔPkを推定差圧ΔPtで割った商に誤差を含んだ範囲として設定される。
検出差圧ΔPkを推定差圧ΔPtで割った商が第二所定範囲β内に収まった場合(推定差圧ΔPtとある気筒の検出差圧ΔPkとで相違がなかった場合)には(ステップ107:YES)、そのまま本制御は終了する。検出差圧ΔPkを推定差圧ΔPtで割った商が第二所定範囲β内に収まらなかった場合(推定差圧ΔPtとある気筒の検出差圧ΔPkとで相違があった場合)には(ステップ107:NO)、ステップ108に進み、圧力センサ22が故障していると判定する。
ステップ109では、本来検出される検出レール圧から圧力センサ22がどのように出力がずれているのかを判定する。このとき、例えば圧力センサ22の出力が中央特性に対し図4に示すようにずれた場合、検出差圧ΔPkを推定差圧ΔPtで割った商が第二所定範囲βよりも大きい値として算出される。これは、推定差圧ΔPtよりも検出差圧ΔPkの方が大きい値であることを示しており、つまり想定される噴射パルスで噴射が実施されたにも関わらず検出レール圧(圧力センサ認識圧)は想定される値よりも下回ったことを意味している。実レール圧と燃料噴射量は相関関係があり、噴射前の実レール圧が高いほどに噴射される燃料噴射量は多くなることは公知である。よって、想定される噴射パルスで噴射が実施されたにも関わらず検出レール圧は想定される値よりも下回ったということは、それだけ噴射前の実レール圧が高かったために想定よりも多く燃料が噴射され、検出レール圧が大きく低下したということになる。つまり、圧力センサ22により検出される検出レール圧は本来検出されるべき実レール圧よりも小さい値として検出されていることが分かる。また、中央特性と比較しても、検出レール圧は低い値を検出していることになる。
しかし、図5のように燃料噴射前は中央特性よりも検出レール圧が高く、燃料噴射後は中央特性をまたいで検出レール圧が大きく低下した場合、上記の方法で圧力センサ22の出力のずれを特定するのは困難である。なぜなら、この場合推定差圧ΔPtに対し検出差圧ΔPkは大きい値が算出されるが、所定の噴射条件において噴射を開始するときには圧力センサ22の出力は中央特性に対し大きい方向にずれているにも関わらず、圧力センサ22の出力は中央特性に対し小さい方向にずれていると誤判定することになるからである。本実施形態では、このような誤判定を抑制するため、コモンレール20内の検出レール圧を所定圧力PFINとするようにF/B制御されたときの燃料噴射量の実フィードバック量Fに注目した。
図5に示す圧力センサ22の出力異常において、コモンレール20内の検出レール圧を所定圧力PFINとするようにF/B制御された場合、燃料噴射前の実レール圧が中央特性よりも低、燃料噴射量もまた少ない。燃料噴射量と燃料供給ポンプ16の吐出量は相関関係にあるため、図6に示すように燃料供給ポンプ16の吐出量も出荷時に測定される燃料供給ポンプ16の吐出量と比較して少ないことが分かる。このときの吐出量は、目標レール圧に応じて設定される基本圧送量に、検出レール圧を目標レール圧とするようにF/B制御されたときの実フィードバック量Fが加えられたものである。つまり、圧力センサ22の出力異常時に、直接影響を受けるのは実フィードバック量Fである。よって、本実施形態では、実フィードバック量Fが所定の噴射条件におけるフィードバック量の初期値(出荷時のデフォルトフィードバック量)としての初期フィードバック量FBよりも多いか少ないかを判定することで、圧力センサ22の出力が中央センサに対しどちらにずれたのかを判定する。
図6によれば、圧力センサ22の出力異常時における各気筒の実フィードバック量Fは初期フィードバック量FBよりも少ないものとなる。圧力センサ22が正常である場合の初期フィードバック量FBよりも実フィードバック量Fが少ないということは、推定差圧ΔPtよりも検出差圧ΔPkの方が大きい値であるにも関わらず、実際に噴射した燃料噴射量は出荷時に測定された燃料噴射量と比較して少ないことを示している。つまり、圧力センサ22の出力が中央特性に対して大きい方向にずれており、検出レール圧よりも実レール圧が低いために、燃料噴射量が出荷時と比較して少ないものとなったことが分かる。
よって、ステップ109では、圧力センサ22のずれ方向を特定するために、実際の各気筒の実フィードバック量Fが初期フィードバック量FBよりも多いか否かを判定する。実際の各気筒の実フィードバック量Fが初期フィードバック量FBよりも多くない場合には(S109:NO)、圧力センサ22は中央特性に対して大きい方向にずれていると判定して、本制御を終了する。実際の各気筒の実フィードバック量Fが、圧力センサ22が正常である場合の初期フィードバック量FBよりも多い場合には(S109:YES)、圧力センサ22は中央特性に対して小さい方向にずれていると判定して、本制御を終了する。
上記構成により、本実施形態に係る内燃機関の制御装置は、以下の効果を奏する。
・ECU50により、燃料噴射弁40による噴射に伴い生じたコモンレール20内の検出レール圧の降下量が検出差圧ΔPkとして、気筒別に算出される。複数の燃料噴射弁40間で算出された検出差圧ΔPkのばらつきXが算出される。また、所定噴射量QFINに基づいた噴射に伴い生じると推定されるコモンレール20内の燃料圧力降下量が推定差圧ΔPtとして算出される。圧力センサ22が故障している場合には、推定差圧ΔPtに対して算出される検出差圧ΔPkに大きい方向又は小さい方向へのずれが生まれるため、検出差圧ΔPkを推定差圧ΔPtで割った商は、全ての燃料噴射弁40において第二所定範囲βから外れることになる。また、全ての燃料噴射弁40で同様のずれを生じさせるため、複数の燃料噴射弁40間で算出された検出差圧ΔPkのばらつきXは、第一所定範囲内に収まる。したがって、算出されたばらつきXが第一所定範囲内であり、且つ検出差圧ΔPkを推定差圧ΔPtで割った商が第二所定範囲βから外れる場合に、圧力センサ22の故障が判定される。燃料噴射弁40の故障がある場合、複数の燃料噴射弁40のうち故障した燃料噴射弁40の検出差圧ΔPkは他の燃料噴射弁40の検出差圧ΔPkと差異が生まれるため、複数の燃料噴射弁40間で算出されたΔPkのばらつきXは第一所定範囲α内に収まらない。このため、燃料噴射弁40の故障がある場合でも圧力センサ22の故障を診断することが可能となる。また、構成が燃料噴射システム10のみで完結しており、例えば内燃機関の出力を検出するセンサなど外部の構成を必要としないですむ。
・ECU50は、圧力センサ22の出力信号から検出する検出レール圧と、エンジン運転状態に基づいて設定する目標レール圧との差圧に基づいて検出レール圧を目標レール圧に追随させるフィードバック(F/B)制御を実行する。圧力センサ22の故障が判定された場合に、所定の噴射条件におけるフィードバック量の初期値としての初期フィードバック量FBに対して、実フィードバック量Fが多いのか少ないのかが判定される。この判定に基づいて、ECU50は、実際のコモンレール20内の実レール圧に対する圧力センサ22の出力のずれ方向が特定される。例えば、初期フィードバック量FBに対して、実際に制御された実フィードバック量Fが少ない場合、検出レール圧よりも実レール圧が低いために、燃料噴射量が出荷時と比較して少ないものとなったことが分かる。よって、圧力センサ22の出力が中央特性に対して大きい方向にずれていることが分かる。このため、実フィードバック量Fの変化を考慮することで、実レール圧の変化に対して圧力センサ22の出力がどのようにずれたのかを特定することが可能となる。
・ECU50により燃料噴射弁40が故障していないと判定された場合に、圧力センサ22が故障しているか否かが判定される。このため、燃料噴射弁40の故障と圧力センサ22の故障を区別して判定することが可能となる。
・ECU50により燃料噴射弁40が故障していると判定した場合に、算出された検出差圧ΔPkを気筒間で比較し、過半数を超える気筒の検出差圧ΔPkと異なる検出差圧ΔPkが算出された気筒について、その気筒の燃料噴射弁40が故障していることが特定される。このため、燃料噴射弁40の故障を判定するのみならず、どの気筒の燃料噴射弁40が故障しているのかを特定することが可能となる。
・診断条件は、コモンレール20内の目標レール圧が所定圧力PFINになり、所定圧力PFINに追随するように指示される目標噴射量が所定噴射量QFINになることと設定される。これにより、ある気筒が診断条件を成立させた場合には、他全ての気筒の目標レール圧を所定圧力PFINとし、目標噴射量を所定噴射量QFINに制御した上で、故障判定が実行される。このため、ある気筒が診断条件を満たした時に、他の気筒の条件をそれに合わせることで、診断機会を増加させることができる。
なお、上記実施形態を、以下のように変更して実施することもできる。
・上記実施形態では、ある一つの気筒における検出差圧ΔPkを推定差圧ΔPtで割った商が第二所定範囲β内であるか否かの判定を実施していた。このことについて、過半数を超える気筒で一致する検出差圧ΔPk(過半数降下量に該当)を選択し、この検出差圧ΔPkと推定差圧ΔPtで割った商が第二所定範囲β内であるか否かの判定を実施してもよい。
・上記実施形態では、検出差圧ΔPkを推定差圧ΔPtで割った商が第二所定範囲β内であるか否かの判定を実施していた。このことについて、検出差圧ΔPkと推定差圧ΔPtとの差が第四所定範囲ω内であるか否かの判定をしてもよい。この場合、第四所定範囲ωは、圧力センサ22及び燃料噴射弁40が正常である場合に期待される検出差圧ΔPkと推定差圧ΔPtとの差に誤差を含んだ範囲として設定される。すなわち、気筒間のばらつきXが第一所定範囲αであり、且つ検出差圧ΔPkと推定差圧ΔPtとの差が第四所定範囲ω内ではない場合に、圧力センサ22の故障が判定される。
・気筒間のばらつきXについて、各気筒の検出差圧ΔPkを用いて、その標準偏差を気筒間のばらつきXとしていた。このことについて、標準偏差に代えて分散値をばらつきXとしてもよい。この場合、第一所定範囲αは、算出方法の変更に伴ってその設定も変更される。
・上記実施形態では、気筒間のばらつきXが第一所定範囲α内であると判定したのちに、検出差圧ΔPkを推定差圧ΔPtで割った商が第二所定範囲β内であるか否かの判定を実施していた。このことについて、検出差圧ΔPkを推定差圧ΔPtで割った商が第二所定範囲β内ではない場合に、気筒間のばらつきXが第一所定範囲α内であるか否かの判定を実施してもよい。この場合、検出差圧ΔPkを推定差圧ΔPtで割った商が第二所定範囲β内であるか否かの判定は全ての気筒で行われる。図2を参照して説明すると、ステップ105及びステップ105に付随するステップ106と、ステップ107とを入れ替える。具体的には、ステップ107にて、全ての気筒において検出差圧ΔPkを推定差圧ΔPtで割った商が第二所定範囲β内であるか否かの判定を実施し、検出差圧ΔPkを推定差圧ΔPtで割った商が第二所定範囲β内ではない気筒が少なくとも一つある場合に(S107:NO)、ステップ105に進む。そしてステップ105にて、気筒間のばらつきXが第一所定範囲α内であると判定した場合には(ステップ105:YES)、全ての気筒にて検出差圧ΔPkと推定差圧ΔPtとで相違があるとして、圧力センサ22が故障していると判定する。一方で、気筒間のばらつきXが第一所定範囲α内ではないと判定した場合には(ステップ105:NO)、ステップ106に進み、ある気筒の燃料噴射弁40が故障していることを判定する。
・燃料噴射弁40が故障していると判定された場合に、過半数を超える気筒の検出差圧ΔPkと異なる値を示す気筒の燃料噴射弁40について、その燃料噴射弁40が故障していると特定することとしていた。このことについて、燃料噴射弁40が故障していると判定された場合に、検出差圧ΔPkを推定差圧ΔPtで割った商が第二所定範囲β内ではない気筒について、燃料噴射弁40が故障していると特定してもよい。
・図7は、図2のフローチャートの一部を変容したものである。すなわち、図2におけるステップ104を削除し、その代わりにステップ204を設ける。ステップ204では、過半数を超える気筒で一致する検出差圧ΔPkを差圧ΔPaとして選択する。また、ステップ105は削除される。ステップ107を削除し、その代わりにステップ207を設ける。ステップ207では、選択された差圧ΔPaを推定差圧ΔPtで割った商が第二所定範囲β内であるか否かの判定を実施する。差圧ΔPaを推定差圧ΔPtで割った商が第二所定範囲β内に収まった場合に(S207:YES)、新規に追加されるステップ212に進む。ステップ212では、検出差圧ΔPkが第三所定範囲γに収まらない気筒があるか否かの判定をする。このとき、第三所定範囲γとは、推定差圧ΔPtに誤差を含んだ範囲として設定される。検出差圧ΔPkが第三所定範囲γに収まらない気筒がある場合には(S212:YES)、ステップ206に進み、その気筒の燃料噴射弁40が故障していると判定して、本制御を終了する。
それ以外のステップについて、図7の各ステップ200,201,202,203,208,209,210,及び211の処理は、それぞれ図2の各ステップ100,101,102,103,108,109,110,及び111の処理と同一である。
圧力センサ22が故障している場合には、噴射に伴い生じると期待される推定差圧ΔPtに対して全気筒の検出差圧ΔPkに大きい方向又は小さい方向へのずれが生まれるため、検出差圧ΔPkを推定差圧ΔPtで割った商は、全ての気筒において第二所定範囲βから外れることになる。このような圧力センサ22の故障が生じているか判定を行う際には、全ての燃料噴射弁40で検出差圧ΔPkが推定差圧ΔPtに対してずれが生じているか判定する必要はない。なぜならば、区別して故障判定すべき燃料噴射弁40の故障は同時に過半数を超える気筒で生じる可能性が小さいため、検出差圧ΔPkが推定差圧ΔPtに対してずれを生じさせている燃料噴射弁40が過半数よりも多い場合には燃圧センサが故障していると判定できるからである。したがって、算出された全ての検出差圧ΔPkから過半数を超えて一致する検出差圧ΔPkが差圧ΔPaとして選択され、差圧ΔPaを推定差圧ΔPtで割った商が第二所定範囲β内に収まらない場合に、圧力センサ22が故障していると判定される。
ある気筒の燃料噴射弁40が故障した場合には、燃料噴射弁40が故障した場合の検出差圧ΔPkと推定差圧ΔPtとで差異が生じる。このため、故障した燃料噴射弁40が燃料噴射を実施した際には、検出差圧ΔPkは推定差圧ΔPtに誤差を含んだ範囲として設定される第三所定範囲γから外れることになる。したがって、差圧ΔPaを推定差圧ΔPtで割った商が第二所定範囲β内に収まり、且つ算出された検出差圧ΔPkが第三所定範囲γから外れる燃料噴射弁40が存在する場合に、その気筒の燃料噴射弁40が故障していると判定される。
よって、圧力センサ22の出力異常が発生していないことを判定した上で、圧力センサ22の故障を診断することが可能となる。また、燃料噴射弁40が故障していると判定された場合に、どの気筒の燃料噴射弁40の故障かを特定することが可能である。
本別例について、差圧ΔPaを推定差圧ΔPtで割った商が第二所定範囲β内に収まるか否かを判定していた。このことについて、差圧ΔPaと推定差圧ΔPtとの差が第四所定範囲ω内に収まるか否かを判定してもよい。すなわち、差圧ΔPaと推定差圧ΔPtとの差が第四所定範囲ω内に収まらない場合に(S207:NO)、圧力センサ22が故障していると判定する。
本別例について、差圧ΔPaを推定差圧ΔPtで割った商が第二所定範囲β内に収まらなかった場合に、検出差圧ΔPkが第三所定範囲γに収まらない気筒があるか否かの判定をしていた。このことについて、ステップ207とステップ212を入れ替えて、検出差圧ΔPkが第三所定範囲γに収まらない気筒がある場合に、差圧ΔPaを推定差圧ΔPtで割った商が第二所定範囲β内に収まるか否かを判定してもよい。具体的にはステップ204終了後にステップ212に進み、検出差圧ΔPkが第三所定範囲γに収まらない気筒がある場合に(S212:YES)、ステップ207に進む。そして、差圧ΔPaを推定差圧ΔPtで割った商が第二所定範囲β内に収まる場合に(S207:YES)、ステップ206に進み、燃料噴射弁40が故障していると判定する。また、差圧ΔPaを推定差圧ΔPtで割った商が第二所定範囲β内に収まらない場合に(S207:NO)、ステップ208に進み、圧力センサ22が故障していると判定する。
10…燃料噴射システム、16…燃料供給ポンプ、20…コモンレール、22…圧力センサ、40…燃料噴射弁、50…ECU。

Claims (7)

  1. 高圧の燃料を貯蔵する蓄圧室(20)と、
    前記蓄圧室に供する燃料を加圧して吐出する燃料ポンプ(16)と、
    前記蓄圧室に高圧状態で蓄えられた燃料を噴射する複数の燃料噴射弁(40)と、
    前記蓄圧室内の燃料圧力を検出する燃圧センサ(22)と、
    を備えた燃料噴射システム(10)に適用される故障診断装置(50)であって、
    前記複数の燃料噴射弁の内一つの燃料噴射弁により診断用の所定の噴射条件で燃料の噴射が実行された場合に、残りの燃料噴射弁により前記所定の噴射条件で燃料の噴射を1つずつ順番に実行させる噴射実行手段と、
    前記所定の噴射条件で前記複数の燃料噴射弁による噴射に伴い生じた前記蓄圧室内の燃料圧力の降下量を検出降下量として、それぞれ前記燃圧センサの検出値に基づいて算出する検出降下量算出手段と、
    前記所定の噴射条件で1つの燃料噴射弁による噴射に伴い生じると推定される前記蓄圧室内の燃料圧力の降下量を推定降下量として算出する推定降下量算出手段と、
    前記検出降下量算出手段により算出された検出降下量の前記複数の燃料噴射弁間でのばらつきを算出するばらつき算出手段と、
    前記ばらつき算出手段により算出された前記ばらつきが第一所定範囲内であり、且つ前記検出降下量算出手段により算出された前記1つの燃料噴射弁における検出降下量と前記推定降下量算出手段により算出された推定降下量との相違量が第二所定範囲から外れる場合に、前記燃圧センサの故障と判定する燃圧センサ故障判定手段と、
    前記燃圧センサにより検出される前記燃料圧力を目標圧力とするように、前記燃料ポンプにより吐出される燃料の吐出量のフィードバック量を制御するフィードバック制御手段と、
    前記目標圧力に対応する前記フィードバック量の初期値に対して、前記フィードバック制御手段により制御されたフィードバック量が多いのか少ないのかを判定するフィードバック量判定手段と、
    前記燃圧センサ故障判定手段により前記燃圧センサの故障と判定された場合に、前記フィードバック量が前記フィードバック量の初期値よりも多くないときには、実際の前記蓄圧室の燃料圧力は前記燃圧センサの出力に対して大きい方向にずれていると判定し、前記フィードバック量が前記フィードバック量の初期値よりも多いときには、実際の前記蓄圧室の燃料圧力は前記燃圧センサの出力に対して小さい方向にずれていると判定するずれ方向特定手段と、
    を備えることを特徴とする燃料噴射システムの故障診断装置。
  2. 高圧の燃料を貯蔵する蓄圧室(20)と、
    前記蓄圧室に供する燃料を加圧して吐出する燃料ポンプ(16)と、
    前記蓄圧室に高圧状態で蓄えられた燃料を噴射する複数の燃料噴射弁(40)と、
    前記蓄圧室内の燃料圧力を検出する燃圧センサ(22)と、
    を備えた燃料噴射システム(10)に適用される故障診断装置(50)であって、
    前記複数の燃料噴射弁の内一つの燃料噴射弁により診断用の所定の噴射条件で燃料の噴射が実行された場合に、残りの燃料噴射弁により前記所定の噴射条件で燃料の噴射を1つずつ順番に実行させる噴射実行手段と、
    前記所定の噴射条件で前記複数の燃料噴射弁による噴射に伴い生じた前記蓄圧室内の燃料圧力の降下量を検出降下量として、それぞれ前記燃圧センサの検出値に基づいて算出する検出降下量算出手段と、
    前記所定の噴射条件で1つの燃料噴射弁による噴射に伴い生じると推定される前記蓄圧室内の燃料圧力の降下量を推定降下量として算出する推定降下量算出手段と、
    前記検出降下量算出手段により算出された検出降下量の前記複数の燃料噴射弁間でのばらつきを算出するばらつき算出手段と、
    前記ばらつき算出手段により算出された前記ばらつきが第一所定範囲内であり、且つ前記検出降下量算出手段により算出された前記1つの燃料噴射弁における検出降下量と前記推定降下量算出手段により算出された推定降下量との相違量が第二所定範囲から外れる場合に、前記燃圧センサの故障と判定する燃圧センサ故障判定手段と、
    を備え、
    前記燃圧センサ故障判定手段は、前記検出降下量算出手段により算出された気筒ごとの前記検出降下量から、任意の組み合わせにおける2つの前記検出降下量の差が、前記検出降下量が互いに等しいことを判定するための所定値以内にある複数の前記検出降下量であって、その前記検出降下量の個数が過半数を超える複数の前記検出降下量のうちの1つを過半数降下量として選択し、前記1つの燃料噴射弁における検出降下量は、前記過半数降下量であることを特徴とする燃料噴射システムの故障診断装置。
  3. 前記ばらつき算出手段により算出された前記ばらつきが第一所定範囲から外れている場合に、燃料噴射弁の故障と判定する燃料噴射弁故障判定手段を備え、
    前記燃圧センサ故障判定手段は、前記燃料噴射弁故障判定手段により前記燃料噴射弁の故障と判定されなかった場合に、前記燃圧センサが故障であるか否かを判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料噴射システムの故障診断装置。
  4. 前記燃料噴射弁故障判定手段が前記燃料噴射弁の故障と判定した場合において、前記検出降下量算出手段により算出された前記検出降下量を気筒間で比較し、前記検出降下量が、前記検出降下量算出手段により算出された気筒ごとの前記検出降下量から選出される複数の前記検出降下量であって、任意の組み合わせにおける2つの前記検出降下量の差が、前記検出降下量が互いに等しいことを判定するための所定値以内にあり、その前記検出降下量の個数が過半数を超える複数の前記検出降下量のうちの1つと異なる気筒について、該気筒の前記燃料噴射弁が故障していることを特定する故障噴射弁特定手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の燃料噴射システムの故障診断装置。
  5. 高圧の燃料を貯蔵する蓄圧室(20)と、
    前記蓄圧室に供する燃料を加圧して吐出する燃料ポンプ(16)と、
    前記蓄圧室に高圧状態で蓄えられた燃料を噴射する複数の燃料噴射弁(40)と、
    前記蓄圧室内の燃料圧力を検出する燃圧センサ(22)と、
    を備えた燃料噴射システム(10)に適用される故障診断装置(50)であって、
    前記複数の燃料噴射弁の内一つの燃料噴射弁により診断用の所定の噴射条件で燃料の噴射が実行された場合に、残りの前記燃料噴射弁により前記所定の噴射条件で燃料の噴射を1つずつ順番に実行させる噴射実行手段と、
    前記所定の噴射条件で前記複数の燃料噴射弁による噴射に伴い生じた前記蓄圧室内の燃料圧力の降下量を検出降下量として、それぞれ前記燃圧センサの検出値に基づいて算出する検出降下量算出手段と、
    前記所定の噴射条件で1つの燃料噴射弁による噴射に伴い生じると推定される前記蓄圧室内の燃料圧力の降下量を推定降下量として算出する推定降下量算出手段と、
    前記検出降下量算出手段により算出された気筒ごとの前記検出降下量から、任意の組み合わせにおける2つの前記検出降下量の差が、前記検出降下量が互いに等しいことを判定するための所定値以内にある複数の前記検出降下量であって、その前記検出降下量の個数が過半数を超える複数の前記検出降下量のうちの1つを過半数降下量として選択し、前記過半数降下量と前記推定降下量算出手段により算出された前記推定降下量との相違に基づいた相違量を算出する相違量算出手段と、
    前記相違量算出手段により算出された前記相違量が第二所定範囲から外れる場合に、前記燃圧センサの故障と判定する燃圧センサ故障判定手段と、
    を備えることを特徴とする燃料噴射システムの故障診断装置。
  6. 前記燃圧センサ故障判定手段により前記燃圧センサの故障と判定されず、且つ前記検出降下量算出手段により算出された前記検出降下量が第三所定範囲から外れる前記燃料噴射弁が存在する場合に、該燃料噴射弁の故障と判定する燃料噴射弁故障判定手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の燃料噴射システムの故障診断装置。
  7. 前記所定の噴射条件とは、前記蓄圧室内の目標圧力が所定圧力と定まり、前記所定圧力に応じて目標噴射量が所定噴射量に設定される条件であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の燃料噴射システムの故障診断装置。
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