JP5860501B2 - 動力伝達装置 - Google Patents
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Description
前記トルクリミッタ機構は、弾性部材と保持板との2部材によって構成されている。前記弾性部材は、円環形の板状に形成されており、前記プーリの前記円板部に固定されている。この弾性部材の外周部には被挟持部が設けられている。前記保持板は、前記被挟持部を前記ハブと協働して挟んで保持している。
前記弾性部材の基部と連結部との接続部分には、固定用ねじを挿通させるためのねじ取付孔が形成されている。弾性部材は、前記ねじ取付孔に挿通させた固定用ねじを、プーリの円板部に形成されているねじ孔にねじ込むことによって、プーリに固定される。
なお、鋼材製のプーリにおいても、円板部の厚みを薄く形成する場合には、板金製のプーリと同様の不具合が生じる。
前記バーリング加工によって形成された円筒部の内周部分には、雌ねじが形成されている。
特許文献2〜特許文献4に示す構成を板金製のプーリに適用することによって、雌ねじが円板部に設けられるから、プーリをコンプレッサのハウジングに装着した後であっても、板金製のプーリに弾性部材を固定用ねじによって固定することができる。
したがって、本発明によれば、円板部に雌ねじ部が設けられたプーリを有する安価な動力伝達装置を提供することができる。
本発明に係る動力伝達装置の前提となる参考例を図1〜図5によって詳細に説明する。
図1〜図5において、この参考例による動力伝達装置1は、自動車用エンジン(図示せず)の動力をカーエアコン用コンプレッサ2(図2参照)の回転軸3に伝達するためのものである。また、この動力伝達装置1は、前記回転軸3に過負荷が発生したときに動力伝達を遮断するためのトルクリミッタ機構4を備えている。この参考例においては、回転軸3の先端側(図2においては右側)をコンプレッサ2の前側といい、反対側を後側という。
前記回転軸3の前端部には、ハブ15がスプライン嵌合によって取付けられている。このハブ15は、固定用ボルト16によって回転軸3に固定されており、トルクリミッタ機構4を介して前記プーリ6に連結されている。
前記弾性部材21は、本発明でいう「動力伝達部材」を構成するものである。この参考例による弾性部材21は、図1に示すように、環状に形成された基部21bと、この環状の基部21bの外周部に突き出すように設けられた3つの連結片21cと、これらの連結片21cの先端部に形成された前記被挟持部21aとによって構成されている。
この弾性部材21を前記円板部8に締め付けて結合させる締結部は、図2に示すように、固定用ねじ11と、固定用ねじ毎のナット24と、このナット24を保持するナットホルダー25とによって構成されている。
前記固定用ねじ11は、前記円板部8と前記弾性部材21とをコンプレッサ2の前側(図2においては右側)から貫通している。この固定用ねじ11は、弾性部材21の3つの連結片21c毎に設けられている。すなわち、弾性部材21は、3本の固定用ねじ11によって円板部8に固定されている。
このナット24を保持するナットホルダー25は、図3〜図5に示すように、円環状のナットホルダー本体26を備えている。このナットホルダー本体26は、前記円板部8と平行な板状に形成されており、前記円板部8における後側の端面に重ねられている。この参考例によるナットホルダー本体26の内周部には、円筒状のリブ26aが後側へ突出するように設けられている。
前記凹陥部31は、ナットホルダー本体26における前記円板部8と対向する端面に開口している。この開口は、上述したようにナットホルダー本体26がリベット13によって前記円板部8に固定された状態において、プーリ6の軸線方向から見て円板部8の前記ねじ用貫通孔12と一致する位置に位置付けられている。
前記柱状部27におけるナットホルダー25の径方向の外側の端部には、図3および図5に示すように、補強用のリブ33が一体に形成されている。このリブ33は、柱状部27の両側部からナットホルダー25の周方向に延びている。また、このリブ33は、柱状部27の側部とナットホルダー本体26とを接続している。なお、このリブ33の形状は適宜変更することができる。
次に、ナットホルダー25を前記プーリ6の円板部8にリベット13によって固定する。このようにナットホルダー25を円板部8に取付けることによって、ナット24のねじ孔が円板部8のねじ用貫通孔12と対向するようになる。
プーリ6がコンプレッサ2に取付けられた後、コンプレッサ2の回転軸3にハブ15を取付ける。このとき、ハブ15には、弾性部材21を保持板22によって予め取付けておく。
このため、この参考例においては、ナット24として一般的な六角ナットを使用することができる。また、このナット24の回転を規制するに当たっては、ナット保持部28の形状が単純になる。したがって、この参考例によれば、より一層製造コストが低い動力伝達装置を提供することができる。
したがって、この参考例によれば、前記ナット24を正しい位置に保持することができるから、製造コストが低く抑えられているにもかかわらず、固定用ねじ11を締め込む作業を容易に行うことが可能な動力伝達装置を提供することができる。
本発明に係る動力伝達装置は、図6〜図13に示すように構成することができる。これらの図において、前記図1〜図5によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
この実施の形態によるナットホルダー63は、円環状に形成されたナットホルダー本体66と、このナットホルダー本体66の3箇所に動力伝達装置61の後側(図6においては左側)へ突出するように設けられたナット保持部64とによって構成されている。ナットホルダー本体66には、取付部29を構成する貫通孔30と、この貫通孔30の両側に位置するノイズ低減用の貫通孔67(図7〜図9参照)とが形成されている。
ナットホルダー本体66の内周部には、図6、図8および図9に示すように、円筒状のリブ66aが後側へ突出するように設けられている。
前記内側周壁71aは、前記円筒状のリブ66aの一部によって構成されており、ナットホルダー63の径方向の内側で周方向に延びている。前記外側周壁71bは、前記径方向の外側で周方向に延びている。
前記後側壁71dは、ナットホルダー63の回転方向後側で径方向に延びている。
凹陥部71の底部71eであって、前記回転方向前側の端部には、図7〜図9に示すように、径方向内側の端部から径方向外側の端部まで延びる開口部76が形成されている。前記段部73は、図7および図9に示すように、この開口部76を通してナットホルダー63の回転方向前側に露出している。
Claims (2)
- 伝動用ベルトが巻き掛けられるリム部の内周側に円板部が設けられたプーリと、
前記円板部に連結された動力伝達部材とを備え、
前記円板部と前記動力伝達部材とを連結する締結部は、前記円板部と前記動力伝達部材とを前記プーリの軸線方向に貫通する複数の固定用ねじと、これらの固定用ねじ毎のナットと、これらのナットを保持する合成樹脂製のナットホルダーとによって構成され、
前記ナットホルダーは、前記円板部と同一軸線上に位置する円環状のナットホルダー本体と、
前記ナットホルダー本体における前記各固定用ねじと対応する位置に前記ナットを回転が規制される状態で保持するナット保持部と、
前記ナットホルダー本体を前記円板部に支持させる取付部とを備え、
前記ナットは、ねじ孔が形成された筒状部と、この筒状部より径方向の外側に突出する回転規制用の凸部とを備え、
前記ナット保持部は、
前記軸線方向から見て前記ナットとの間に隙間が形成される大きさに形成され、一端が前記円板部に向けて開放されるとともに他端に底部を有する凹陥部と、
前記ナットの筒状部が貫通する状態で前記凹陥部内に嵌合されるダンパーゴムとによって構成され、
前記凹陥部は、
前記ナットが前記ナット保持部内で回転することによって、このナットの前記凸部が当たり、この凸部との接触により前記ナットの回転を規制する内壁面を有し、
前記凹陥部の底部には、前記軸線方向において前記ナットの凸部に所定の隙間だけ離間して対向する底面が形成されるとともに、ナット保持用の治具を通す孔が形成され、
前記凹陥部を形成する壁のうち、前記ナットホルダーの回転方向の前側に位置する前側壁には、この前側壁の開口側の厚みを底側の厚みより厚く形成することによって段部が形成され、
前記ナットの凸部の一部は、前記凹陥部の底部と前記段部との間に挿入され、
前記ダンパーゴムにおける前記回転方向の前側の厚みは、前記回転方向の後側の厚みより薄いことを特徴とする動力伝達装置。 - 請求項1記載の動力伝達装置において、前記凹陥部の底部には、水などを凹陥部内から排出するための貫通孔が形成されていることを特徴とする動力伝達装置。
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