JP5859155B1 - 複合金属箔及びその製造方法並びにプリント配線板 - Google Patents

複合金属箔及びその製造方法並びにプリント配線板 Download PDF

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    • H05K2203/0531Decalcomania, i.e. transfer of a pattern detached from its carrier before affixing the pattern to the substrate

Abstract

【課題】加熱圧縮工程後でも低位安定した剥離強度を有する複合金属箔と、その製造方法を提供する。【解決手段】金属箔からなるキャリア2と、キャリア2の表面に形成される拡散防止層3と、拡散防止層3上に物理的成膜方法により形成された金属から構成される剥離層4と、剥離層4上にめっき法により形成された金属から構成される転写層5とを有する構造であり、剥離層4を構成する金属は転写層5を構成する金属と同一元素であり、剥離層4は物理的成膜方法により所定の膜密度となるように形成されている複合金属箔1。【選択図】図1

Description

本発明は複合金属箔及びその製造方法並びにプリント配線板に関する。
近年、小型化や処理速度の向上が求められる電子機器は、微細なパターン(ファインパターン)を形成した多層構造のプリント配線板を用いて、パッケージ基板により搭載された半導体素子を高密度に実装している。
また実装される素子にも再配線のためビルドアップ基板が用いられており、基本的にはコア層と呼ばれる支持層と、その片面もしくは両面に配線されたビルドアップ層とで構成されている。このビルドアップ層にも、素子の小型化に伴いファインパターンが求められている。
ファインパターンの形成に適したプリント配線板の製造方法として、極薄銅箔を絶縁樹脂(以下、単に「基材」という。)上に張り合わせて形成された銅張積層板をエッチング法等によりパターンを形成する方法がある。しかし、銅箔の厚さが12[μm]以下になると、銅張積層板を形成する際にシワや亀裂を生じ易くなるため、支持体(以下、「キャリア」という。)上に極薄銅箔を積層してなる複合金属箔を用いた銅張積層板の製造方法が知られている。
ファインパターン化の進展が著しいパッケージ基板の場合は、更なる小型化のためコア層を薄く、さらにはコア層を省くことで基板を薄くする試みがなされている。特許文献1〜3には、支持体上にビルドアップ層を形成し、支持体から分離させることで、コア層を省いた基板(以下、「コアレス基板」という。)の製造方法が開示されており、特許文献1では支持体として前述の複合金属箔を使用した製造方法が開示されている。
前述の複合金属箔に関して、特許文献4〜6には、キャリア上にクロム(Cr)等を含む無機被膜或いは置換基(官能基)を有する窒素含有化合物といった有機被膜等の、種々の剥離層を介して銅箔を形成し、この剥離層で切り離して銅箔膜を基材上に転写する方法が開示されている。
また特許文献7には、前述の複合金属箔の構成として、キャリア箔上に拡散防止層、銅からなる剥離層、及び酸性めっき浴を用いた剥離層と同一の金属からなる転写層を有する複合金属箔とその製造方法が開示されている。
特許第4273895号公報 特開2009−252827号公報 特開2010−080595号公報 特公昭56−34115号公報 特開平11−317574号公報 特開2000−315848号公報 特開2012−115989号公報
近年ガラス転移温度の高い樹脂を用いた基材を使用することが多く、加熱圧縮工程の条件が過酷になっている。特許文献4〜7に開示された複合金属箔では、一般的には加熱圧縮工程によりキャリアの剥離強度が上昇するため、加熱圧縮工程の条件次第では、キャリアの剥離強度が高くなり過ぎて、剥離不良(剥離が不能)、基材から極薄銅箔ごと剥離してしまう、等の不具合が生じる可能性がある。
他方コアレス基板では、例えば特許文献1に開示された製造方法では、ビルドアップ層形成のための加熱圧縮工程が複数回繰り返されており、最終的に剥離させる時点での剥離強度が高くなり過ぎると、剥離不良、ビルドアップ層が破壊されてしまう、等の不具合が生じる可能性があり、加熱圧縮工程が複数回繰り返されても剥離強度が安定する複合金属箔が望まれている。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、加熱圧縮工程後でも低位安定した剥離強度を有する複合金属箔と、その製造方法を提供することを主たる目的とする。
本発明に係る複合金属箔は、
金属箔からなるキャリアと
前記キャリアの表面に形成される拡散防止層と、
前記拡散防止層上に物理的成膜方法により所定の膜密度となるように形成された金属から構成される剥離層と、
前記剥離層上にめっき法により形成された金属から構成される転写層とを備え、
前記拡散防止層は、前記剥離層から前記キャリアへの金属原子の拡散を抑制し、
前記剥離層を構成する金属は、前記転写層を構成する金属と同一元素の銅であり、
前記膜密度は、前記キャリアと前記拡散防止層と前記剥離層とからなる積層膜を前記転写層から剥離可能となるように調整されていることを特徴とする。
本発明の複合金属箔の構成において、剥離層および転写層を構成する金属は銅であり、剥離層を物理的成膜方法を用いて所定の膜密度になるよう調整することにより、プリント基板形成のための加熱圧縮工程後においても低位安定した剥離強度を実現することができる。
剥離層を形成する物理的成膜方法として、好適には真空蒸着を用いることができ、また剥離層の好適な膜密度は92[%]以上である。剥離強度を低位安定させる剥離層の厚みは、好適には0.2〜0.5[μm]である。
本発明の複合金属箔の構成において、拡散防止層を設けたことにより、加熱圧縮工程によって剥離層や転写層を構成する金属原子がキャリア側に拡散することを抑制できるため、剥離そのものに関する不具合が生じにくい。
ここで前記拡散防止層は、Ni(ニッケル)、P(リン)、Co(コバルト)、Mo(モリブデン)、Cr(クロム)の元素群のいずれか一種の元素からなる単一金属、又は前記元素群から選択された二種以上の元素からなる合金、又は水和物、又は酸化物、又は前記単一金属、合金、水和物、酸化物の複合体から構成され、その厚みは0.05〜1000[mg/m]である。また、前記キャリアの裏面側にも同様の層が形成されていてもよい。
また、キャリアの金属箔は、好適には銅箔を使用することができる。
剥離層の密着力についてはJIS−D0202(1988)における碁盤目付着性試験において評価する事が出来る。碁盤目付着性試験の残率が10[%]以下となると、転写層形成後にキャリアと前記拡散防止層と剥離層とからなる積層膜を剥離するに要する強度(以下「キャリア剥離強度」という。)に関して、220℃で4時間までの加熱試験を実施し、加熱時間[hr]をX軸、剥離強度[kN/m]をY軸として剥離強度の加熱時間依存性をプロットした場合における、最小二乗法による一次関数近似の傾きが0.01[kN/mhr]以下となり、その際(加熱試験時および試験前後)のキャリア剥離強度が0.05[kN/m]以下となる。
碁盤目付着性試験の残率が10[%]を超えると加熱後、低位安定させる事は困難となり、傾きが0.01[kN/mhr]を超え、加熱後のキャリア剥離強度が0.05[kN/m]を超えると、剥離自体が困難となるなど、プリント基板への適応上問題となる。
剥離層と転写層との厚みの合計は、0.2[μm]以上、12[μm]以下である。厚みが薄いと被膜の形成が困難なうえ、剥離層での剥離が困難になり、また12[μm]を超えるとファインパターンの形成が困難となる。
なお、前記キャリアの裏面側にも、前記拡散防止層と前記剥離層と前記転写層からなる、同様の積層膜が形成されていてもよい。
本発明に係る複合金属箔の製造方法は、金属箔からなるキャリアを準備する工程と、前記キャリアの少なくとも一方の表面に拡散防止層を形成する工程と、前記拡散防止層の表面に物理的成膜法により剥離層を形成する工程と、前記剥離層の表面にめっき法により転写層を形成する工程と、を有することを特徴とする。
前記剥離層の膜密度を、物理的成膜法の形成条件にて調整することにより、加熱圧縮工程後の剥離強度を低位安定させることが可能であり、剥離強度の上昇に起因する銅張積層板やプリント基板製造上の不具合を防止する。
本発明に係る銅張積層板は、前記複合金属箔を、銅張積層板を形成するための基材に合着することにより積層構造体を形成し、前記積層構造体の前記剥離層において、前記キャリアと前記拡散防止層と前記剥離層とを転写層から剥離することにより、前記基板に前記転写層を残存させることを特徴とする。
合着するための加熱圧縮工程後に、キャリアと拡散防止層と剥離層とを転写層から剥離する工程において、剥離不能のような不具合を防止でき、高収率に銅張積層板を製造することができる。
また、本発明に係る銅張積層板の転写層をパターニングすることにより、プリント配線板を製造することが可能である。
本発明に係るコアレス基板は、複合金属箔のキャリアとコアレス基板の支持部材とを張り合わせる工程と、前記複合金属箔の前記転写層側に、樹脂からなる絶縁層および銅箔からなる配線用導電層を加熱圧縮により合着し、その後前記配線用導電層をパターニングし配線を形成する工程を1回以上繰り返すことを含むビルドアップ層形成工程と前記転写層において前記複合金属箔と前記支持部材とを剥離する工程により形成されることを特徴とする。
コアレス基板の製造過程において、加熱圧縮処理を繰り返しても、剥離層における剥離強度は低位安定しているため、前記支持部材と複合金属箔との剥離工程における不具合の発生を抑制できる。
本発明に係る複合金属箔によれば、拡散防止層を設け、剥離層の膜密度を最適化することにより、加熱圧縮工程後の剥離強度を低位安定させることが可能であり、加熱圧縮工程による剥離不良や、転写層の破損といった、剥離強度の上昇による不具合を防止できる。また、本発明に係る複合金属箔を用いて、プリント配線板やコアレス基板を製造することにより、剥離工程における不具合を防止でき、生産性を向上することができる。
第1の実施形態の複合金属箔の断面図である。 第1の実施形態の複合金属箔の変形例である。 第1の実施形態の複合金属箔の製造方法を示す工程図である。 図3の各工程に対応する工程断面図である。 剥離強度の加熱処理時間依存性を示すグラフである。 第2の実施形態の銅張積層板の製造方法を示す工程図である。 第3の実施形態のプリント配線板を示す断面図である。 第4の実施形態のコアレス基板の製造方法を示す工程図である。 第4の実施形態のコアレス基板の製造方法を示す工程図である。 第4の実施形態のコアレス基板を示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明の各実施形態について説明する。但し、各実施形態及び各実施例は、いずれも本発明の要旨の認定において限定的な解釈を与えるものではない。また、同一又は同種の部材については同じ参照符号を付し、説明を省略することがある。
(第1の実施形態)
<複合金属箔の構造>
まず、本発明における複合金属箔の構造について以下説明する。図1は、本発明における複合金属箔の一例を示す概略断面図である。複合金属箔1は、積層膜の支持体となるキャリア2と、キャリア2の表面に形成された拡散防止層3と、拡散防止層3の表面に形成された剥離層4と、剥離層4の表面に形成された転写層5と、から構成される。キャリア2は、想定する加熱圧縮工程での耐熱性を有し、かつ、その上層に形成する積層膜の支持体となるものであれば、特に限定されない。例えば、圧延法や電解法によって形成された銅箔、銅合金箔等の金属箔が挙げられる。前記拡散防止層3、剥離層4、転写層5、からなる積層膜は、キャリアの少なくとも片面に構成されるが、両面に構成されていてもよい。
キャリア2として銅箔を使用する場合には、取り扱いの点で、その銅箔の厚さを9〜300[μm]にすることが好ましく、さらに18〜35[μm]にすることがより好ましい。キャリアが9[μm]未満であると、シワや亀裂を生じさせ易いためキャリアとして使いにくく、また300[μm]を超えると、コシが強すぎて取り扱いが困難であるためである。また、形成する転写層5の表面粗さを低粗度化させる場合は、キャリア2の表面粗さがRzJIS:1.0[μm]以下であるような圧延銅箔や特殊電解銅箔をキャリア2とすると良い。なお、RzJISとはJIS−B0601(2013)に記載の十点平均粗さを指す。
拡散防止層3はキャリア2の表面に形成される膜であり、後の熱処理工程によって剥離層4や転写層5を構成する金属原子がキャリア側に拡散すること(若しくは相互拡散)を防止するために設けられる。このような材料として、Ni、P、Co、Mo、Crの元素群のいずれか一種の元素からなる単一金属、若しくは前記元素群から選択された二種以上の元素からなる合金、若しくは水和物、若しくは酸化物、又は前記単一金属、合金、水和物、酸化物の複合体等が挙げられる。
拡散防止層3の厚みは0.05〜1000[mg/m]が好ましい。なお、膜厚を付着量(単位面積当たりの質量)で示したのは、拡散防止層3の膜厚は非常に薄いため、直接測定することが容易ではないためである。
拡散防止層の膜厚が非常に薄い場合、十分な拡散防止機能を発揮できない。すなわち、プリント配線板、又はコアレス基板形成の加熱圧縮の際に、剥離層4や転写層5を構成する金属原子がキャリア2側に拡散し易くなり、剥離困難となってしまうためである。なお、この厚みについては拡散防止層を形成する金属の種類により適宜調整する。しかし、厚みが1000[mg/m]を超えると被膜形成のコストアップに繋がるため、好ましくない。
剥離層4は真空蒸着法により形成される。剥離層4は、形成条件を最適化することにより、加熱圧縮工程後においても剥離不良等を生ずることなく、剥離層4においてキャリア2と拡散防止層3と剥離層4とからなる積層膜を転写層5からの剥離を可能とする。ここで剥離層4の厚みは後述のとおり、好適には0.2〜0.5[μm]である。0.2[μm]未満であると剥離層4としての機能が劣化するため好ましくない。また、0.5[μm]を超え厚くなるに従い被膜形成のコストアップに繋がり、また剥離層としての機能が劣化する。
真空蒸着法は剥離層形成に好適な方法である。後述のとおり、蒸着出力(電子線パワー)を従来条件の45[kW]から35[kW]以下へと低出力化する事により、剥離膜4の膜密度は、92[%]以上になり、従来と比較し緻密な膜となる。ここで、膜密度は、蒸着により形成された膜の密度(比重)とバルクでの密度(比重)との比で定義した。
剥離膜4の形成条件を最適化することにより、剥離層4の密着性力は、碁盤目付着性試験における残率が10[%]以下となり、220℃で4時間までの加熱時間[hr]をX軸、剥離強度[kN/m]をY軸として剥離強度の加熱時間依存性をプロットした場合における、最小二乗法による一次関数近似の傾きが0.01[kN/mhr]以下となり、その際のキャリア剥離強度を0.05[kN/m]以下とする事が可能となる。従って、銅張積層板やプリント基板等の製造時の剥離工程での不良等を防止する。
転写層5は、プリント配線板を構成する基材の導体となる層であり、導電性の高い金属を使用すればよい。具体的には銅であることが好ましい。
但し、転写層5には剥離層4も一部付着し得るため、厚みの調整については注意する必要がある。すなわち、剥離層4と転写層5の厚みの合計は、プリント配線板を構成する基材に転写された際に回路のファインパターン化に影響を与えるため、厚みの合計は0.2〜12[μm]にすることが好ましい。0.2[μm]未満は被膜の形成が困難であり、また剥離層4の剥離機能が劣化する。また、12[μm]を超えるとファインパターンの形成が困難となるためである。また、拡散防止層3については、剥離層4に付着する場合もあるが、調査の結果その付着量は極めて僅かであり問題とはならないことを確認している。
図2は第1の実施形態の変形例を示す図である。すなわち、図1の複合金属箔の場合はキャリア2の一方の面にのみ積層膜を形成したが、図2はキャリア2の両面に同様の積層膜を形成した例である。
<複合金属箔の製造方法>
次に、上記複合金属箔の製造方法について説明する。
図3は、上記複合金属箔の製造方法の手順を示す図である。図4は、図3の各ステップに対応する工程断面図である。
−ステップS1−
まず、キャリア2として、圧延法や電解法によって形成された金属箔を用意する。(図4(a))ここでは電解法により得られた未処理電解銅箔(表面処理を行っていない銅箔)を用いることとする。またその厚みは例えば18[μm]とする。
−ステップS2−
次に、キャリア2の表面に拡散防止層3を形成する。(図4(b))具体的には、拡散防止層形成のためのめっき浴を準備し、そのめっき浴中にキャリア2の表面を浸漬させて電気めっきにより拡散防止層3をキャリア2の表面に形成する。拡散防止層3は、Ni、P、Co、Mo、Crの元素群のいずれか一種の元素からなる単一金属、又は前記元素群から選択された二種以上の元素からなる合金、又は水和物、又は酸化物、又は前記単一金属、合金、水和物、酸化物の複合体から構成されるが、ここではNi、P、Crからなる複合層を拡散防止層として形成する例を示す。またその厚みは例えば286[mg/m]とする。
−ステップS3−
次に、拡散防止層3の表面上に剥離層4を形成する。(図4(c))この剥離層4の形成方法は、好適には真空蒸着法であり、剥離層を形成する蒸着出力を35[kW]とし剥離層の厚さを0.2[μm]とし、剥離層4を構成する金属は、好適には、次のステップS4で形成する転写層5を構成する金属と同一の金属元素である。
−ステップS4−
次に、剥離層4の表面に転写層5を形成する。(図4(d))転写層5の形成はめっき法を用いた化学的な成膜方法、例えば電着浴を用いることができる。転写層5は銅を用いることを考えると、工業的な大量生産を考慮した場合には、好適には酸性のめっき浴、例えば硫酸銅めっき浴を用いる。硫酸銅めっき浴としては、例えば硫酸100[g/L]と硫酸銅五水和物250[g/L]とを含有する電解液に浸漬して、所定電流を通電することにより所定の厚みとなるよう転写層5を形成すればよい。このステップにより複合金属箔1が完成する。
物理的成膜法により形成される剥離層4の膜密度を、その成膜条件により調整することにより、化学的成膜法の代表であるめっき法により形成された転写層5と剥離層4との剥離強度を調整できることが、後述する詳細な実験により明らかとなる。なお、転写層5の表面に剥離層4が残渣として残っても、剥離層4は転写層5と同一の金属元素で構成されているため、悪影響はない。
また、後述するプリント配線板またはコアレス基板の製造を想定した場合、更なるステップとして、プリント配線板を構成する基材6、或いは支持体となる材料8との密着力を向上させるために、転写層5の表面に対して粗化処理を実施してもよい。
この場合、キャリア2に形成された転写層5を、硫酸銅−硫酸溶液中において限界電流密度近傍で陰極電解し、デンドライト状、もしくは微細状の銅粉によって粗化面を形成すれば良い。粗化面の表面粗さは、基材、或いは支持体となる材料の種類や、要求される密着力により調整する。表面粗度はRzJIS:6[μm]以下が好ましく、極めて微細なファインパターン形成を想定した場合、RzJIS:2[μm]以下がより好ましい。なお、RzJISとはJIS−B0601(2013)に記載の十点平均粗さを指す。
更に、銅粉の飛散を防止するため、粗化処理を実施した転写層5に対し、必要に応じて被覆処理を行っても良い。
後述のプリント配線板7またはコアレス基板11を製造するに際して、製造工程における加熱圧縮工程やエッチング工程等に起因し、基材6或いは支持体となる材料8と、転写層5との結合が低下する場合がある。そのため、結合状態を保持する目的でコーティング処理として、Zn(亜鉛)、Cr(クロム)、Co(コバルト)、 Mo(モリブデン)、Ni(ニッケル)、P(リン)、W(タングステン)等の異種金属によるコーティング処理、重クロム酸イオンを含有する溶液によるクロメート処理、ベンゾトリアゾール、シランカップリング剤またはこれらの誘導体を含有する溶液による有機防錆処理等を更に実施しても良い。
また、コアレス基板11の製造を想定し、キャリア2も支持体となる材料8と張り合わせるため、キャリア2に対しても前述の粗化処理・被覆処理・コーティング処理を行っても良い。
以下、具体的実施例により詳細に説明する。
(実施例1)
まず、従来公知の方法で形成した未処理電解銅箔を用意し、キャリア2とした(ステップS1)。このキャリアの表面にNi、P、Crからなる複合層を形成し、拡散防止層3とした(ステップS2)。
次に、剥離層4を形成するため、真空蒸着法により蒸着出力を30[kW]で厚さ0.2[μm]の銅層を形成した(ステップS3)。更に、その表面に転写層5を形成するため、剥離層4が形成されたキャリアに、公知の硫酸・硫酸銅めっき浴にて厚さ4.8[μm]の銅箔からなる転写層5を形成した(ステップS4)。なお、剥離層4は銅層であるため、硫酸銅めっき浴に長時間浸漬していると溶解反応が進行し剥離層4が溶解する恐れがあるため、遅くとも5分以内には転写層5を形成する電着作業を開始しなければならない。
最後に、基材が樹脂である場合に転写層5との接着力向上を目的として、転写層5に対して粗化処理を実施した。この場合、粗化処理は、デンドライト状または微細状の銅粉を析出させた。
公知の粗化処理として例えば特開平1−246393号公報に開示されている方法で微細状の銅粉を析出させる事が出来る。
次に、被覆銅を形成した転写層5の表面に、Niによるコーティング処理、Zn−Crによるジンククロメート処理、シランカップリング剤処理を順次行い、複合金属箔1を得た。
(実施例2)
前記実施例1において、拡散防止層をNi、Pからなる複合層に変更したこと以外は、前記実施例1と同様にして複合金属箔1を得た。
(実施例3)
前記実施例1において、拡散防止層をCo、Mo、Crからなる複合層に変更したこと以外は、前記実施例1と同様にして複合金属箔1を得た。
(実施例4)
前記実施例1において、剥離層を35[kW]の蒸着出力で厚さ0.5[μm]の銅層としたこと以外は、実施例1と同様の方法にて複合金属箔1を形成した。
(実施例5)
前記実施例4において、拡散防止層の厚さを421.6[mg/m]としたこと以外は、前記実施例4と同様にして複合金属箔1を得た。
(実施例6)
前記実施例1において、転写層5の厚さを1.3[μm]としたこと以外は、前記実施例1と同様にして複合金属箔1を得た。
(実施例7)
前記実施例1において、転写層5の厚さを11.8[μm]としたこと以外は、前記実施例1と同様にして複合金属箔1を得た。
(比較例1)
前記実施例1においては拡散防止層3を形成したが、比較例1では拡散防止層3を形成しなかったこと以外は、前記実施例1と同様にして複合金属箔1を得た。
(比較例2)
前記実施例1においては剥離層4を形成したが、比較例2では剥離層4を形成しなかったこと以外は、前記実施例1と同様にして複合金属箔1を得た。
(比較例3)
前記実施例1においては剥離層4を真空蒸着法により30[kW]の蒸着出力で厚さ0.2[μm]の銅層を形成したが、比較例3では従来の蒸着出力である45[kW]で厚さ0.2[μm]の銅層を形成したこと以外は、前記実施例1と同様にして複合金属箔1を得た。
(比較例4)
前記実施例2においては剥離層4を真空蒸着法により30[kW]の蒸着出力で厚さ0.2[μm]の銅層を形成したが、比較例4では従来の蒸着出力である45[kW]で厚さ0.2[μm]の銅層を形成したこと以外は、前記実施例2と同様にして複合金属箔1を得た。
(比較例5)
前記実施例3において剥離層4を真空蒸着法により30[kW]の蒸着出力で厚さ0.2[μm]の銅層を形成したが、比較例5では従来の蒸着出力である45[kW]の出力で厚さ0.2[μm]の銅層を形成したこと以外は、前記実施例3と同様にして複合金属箔1を得た。
(比較例6)
前記実施例1においては剥離層4の厚さを0.2[μm]としたが、比較例6では剥離層4の厚さを0.01 [μm]としたこと以外は、前記実施例1と同様にして複合金属箔1を得た。
(比較例7)
前記実施例1においては剥離層4の厚さを0.2[μm]としたが、比較例7では剥離層4の厚さを0.7[μm]としたこと以外は、前記実施例1と同様にして複合金属箔1を得た。
(比較例8)
前記実施例1において剥離層4を真空蒸着法により30[kW]の蒸着出力で厚さ0.2[μm]の銅層を形成したが、比較例8では蒸着時の蒸着出力を高出力の55[kW]で厚さ0.2[μm]の銅層を形成したこと以外は、前記実施例1と同様にして複合金属箔1を得た。
表1に上記サンプルの作成条件をまとめる。また、表1においては、各サンプル作成条件における剥離層の膜密度、碁盤目付着性試験残率、剥離強度の加熱試験結果(加熱時間に対する傾き含む)を合わせて記載する。
なお、表1中の膜密度(%)は、上記各成膜条件により形成した膜(剥離層)の比重とバルクでの同金属元素の比重との比で定義するものであり、形成された膜の緻密度を定量化するための指標として定義したものである。従って、膜密度100[%]は、バルクと同じ比重であり、この値が100%に近いほど膜の緻密性が高いことを意味すると考えられる。
Figure 0005859155
碁盤目付着性残率の算出は、上記のとおりJIS−D0202(1988)における碁盤目付着性試験方法に従った。
剥離強度は、JIS−C6481(1996)における引きはがし強さの試験方法に従った。
また、加熱時間に対する傾きは、上記のとおり、温度220℃で4時間までの剥離強度[kN/m]の加熱時間[hr]依存性に対する一次関数近似の傾き[kN/mhr]であり、剥離強度の安定性を定量化するものである。この値が小さいと、剥離強度が加熱時間に対して変化が小さい、即ち安定であることを意味する。
図5は、剥離強度の加熱時間依存性をグラフであり、縦軸(Y軸)に剥離強度[kN/m]、横軸(X軸)に加熱時間[hr]をとり、例として実施例1および比較例3のそれぞれに対して測定データおよび一次関数近似の直線をプロットしている。比較例3に比べ実施例1は、一次関数近似の傾き(以後、簡単に“傾き”と記す)が大きく低減(改善)しており、剥離強度が改善していることが分かる。
表1において、実施例1〜6における全ての条件の膜密度は92[%]以上の高い値を示し、剥離層の成膜時の蒸着出力を低出力にした条件では、緻密な膜となることが理解できる。更に、これらの条件の碁盤目付着性試験残率は10[%]以下と良好であり、加熱試験における剥離強度は、0.05[kN/m]以下の値であり、傾きも0.01[kN/mhr]以下と加熱処理に対して低位安定し、良好な剥離性を保つことが理解できる。このように剥離層として緻密な膜を用いることにより、碁盤目付着性試験、剥離強度の加熱試験ともに良好な結果を得られるのである。従って、剥離不良等の問題を解消することができる。
一方、比較例3、4、5、8の条件、すなわち剥離層の成膜時の蒸着出力が実施例1〜6と比較して高い場合は、剥離層の膜密度は80[%]台と低く、また碁盤目付着性試験残率が高いことが判る。これらの条件では、加熱試験の剥離強度も高く、さらに傾きも大きな値を示し、加熱処理に対する安定性に欠けることが分かる。
また、比較例6、7の条件においては、剥離層の成膜時の蒸着出力が実施例1〜6同様に低出力であるため膜密度は高いものの、碁盤目付着性試験残率が高い。更に、剥離強度の加熱試験において、剥離強度が高く、その傾きも大きく、加熱処理に対する安定性が悪い。すなわち、剥離層の膜厚が、薄過ぎても厚過ぎても、碁盤目付着性試験残率、剥離強度が劣化することが分かる。実施例1〜6の結果より、剥離層の厚さは、少なくとも0.01[μm]よりも厚く、0.7[μm]よりも薄く設定する必要があり、好適には0.2〜0.5[μm]であることが分かる。
なお、比較例1(拡散防止層なし)における碁盤目付着性試験残率および剥離強度の加熱試験の結果から、拡散防止層の存在が必要であり、比較例2(剥離層なし)における剥離強度の加熱試験の結果から、剥離層の存在が必要であることは明らかである。
なお、以上の実施例及び比較例では剥離層4の形成方法として真空蒸着法のみを記載したが、本発明はこれに限定されるものではなく、必要な膜密度が得られれば、真空蒸着法の代替として従来公知の物理的成膜法、例えばスパッタリング法やイオンプレーティング法を用いても良い。
(第2の実施形態)ー銅張積層板の製造方法ー
次に、複合金属箔1を使用して銅張積層板を製造するための方法について説明する。図6は、プリント配線板の基材6上に複合金属箔1を転写し、銅張積層板を製造する工程を示す図である。
図6(a)に示すように、まず、複合金属箔1とプリント配線板を構成する基材6とを向かい合わせ、その後両者を密着させる。次に、図6(b)に示すように、密着させた状態で加熱圧縮させることで複合金属箔1と基材6との積層構造体を形成する。
次に、図6(c)に示すように、上記積層構造体からキャリア2、拡散防止層3、および剥離層4を引き剥がすことによって、基材6の上に転写層5が張り合わせられた状態となり、銅張積層板が完成する。また、基材6の両面に転写層5を張り合わせて両面銅張積層板としても良い。
上記積層構造体からキャリアを引き剥がす際の引き剥がし強さ(剥離強度)は、220℃で4時間までの加熱処理による傾きは0.01[kN/mhr]以下であり、その際のキャリア剥離強度は0.05[kN/m]以下であるため、剥離不良等の発生を抑制することができる。なお、剥離の際に拡散防止層3の一部が剥離層上に残渣となる場合もあるが、調査の結果その量は極めて僅かであり、問題ないことを確認した。
(第3の実施形態)ープリント配線板の製造方法ー
上記銅張積層板を用いてプリント配線板の製造が可能である。図7は、上記銅張積層板に回路パターンを形成し、プリント配線板を製造する様子を示す断面図である。
図7に示すように、エッチング法等によりパターンニングされた転写層5aを形成し、これによって回路パターンが形成されたプリント配線板7が完成する。なお、必要に応じて更に複合積層板を積層し、多層構造のプリント配線板を形成しても良い。
(第4の実施形態)ーコアレス基板の製造方法ー
上記複合金属箔1を使用してコアレス基板11を製造することが可能である、以下その方法について説明する。図8は、支持体となる材料8上に複合金属箔1を張り合わせ、コアレス基板11を製造する工程を示す図であるが、この図はあくまでも一例であり、本発明はこの製造方法に限定されるものではない。
図8(a)に示すように、まず、複合金属箔1と支持体となる材料8とを向かい合わせ、その後両者を張り合わせ支持体とする。このとき、支持体となる材料8と向かい合う面は、キャリア2側とする。
次に、図8(b)に示すように、複合金属箔1において、支持体となる材料8と張り合わせた面とは反対側、即ち転写層側に、コアレス基板の樹脂9及び銅箔10を向かい合わせ、加熱圧縮させることで積層体を形成する。
次に、図8(c)に示すように、コアレス基板の樹脂上の銅箔10をエッチング法等によりパターニングして回路形成、表面処理、層間絶縁膜形成および層間接続を行い、更に樹脂・銅箔を積層して加熱圧縮させる工程を繰り返すことで、従来公知の多層板製造方法によりビルドアップ層11を形成する。
次に、図9(a)に示すように、剥離層4によりビルドアップ層11を剥離し、コアレス基板12を得る。このとき、コアレス基板12側に付随する転写層5は、全面除去しても回路形成しても良く、適宜選択されるが、ここでは例えば転写層5に回路形成する例を示す。
次に、図9(b)に示すように、コアレス基板12に半導体素子13を実装・封止し、コアレスパッケージ基板14が完成する。また、図10に示すように、支持体となる材料8の両面に複合金属箔1を張り合わせ、両面にコアレスパッケージ基板14を製造しても良い。
上記コアレス基板を剥離させる際の引き剥がし強さは、220℃4時間までの加熱処理による傾きは0.01[kN/mhr]以下となり、その際のキャリア剥離強度は0.05[kN/m]以下であり、剥離不良等の発生を防止することができる。
1 複合金属箔
2 キャリア
3 拡散防止層
4 剥離層
5 転写層
5a パターンニングされた転写層
6 基材
7 プリント配線板
8 支持体となる材料
9 コアレス基板の樹脂
10 銅箔
11 ビルドアップ層
12 コアレス基板
13 半導体素子
14 コアレスパッケージ基板

Claims (12)

  1. 金属箔からなるキャリアと
    前記キャリアの表面に形成される拡散防止層と、
    前記拡散防止層上に物理的成膜方法により所定の膜密度となるように形成された金属から構成される剥離層と、
    前記剥離層上にめっき法により形成された金属から構成される転写層とを備え、
    前記拡散防止層は、前記剥離層から前記キャリアへの金属原子の拡散を抑制し、
    前記剥離層を構成する金属は、前記転写層を構成する金属と同一元素の銅であり、
    前記剥離層の前記所定の膜密度は、前記キャリアと前記拡散防止層と前記剥離層とからなる積層膜を前記転写層から剥離可能となるように92%以上であり、前記剥離層の厚さは0.2〜0.5[μm]に調整されていることを特徴とする複合金属箔。
  2. 前記物理的成膜方法が、真空蒸着法であることを特徴とする請求項1記載の複合金属箔。
  3. 前記拡散防止層が、
    Ni(ニッケル)、P(リン)、Co(コバルト)、Mo(モリブデン)、Cr(クロム)の元素群のいずれか一種の元素からなる単一金属、若しくは前記元素群から選択された二種以上の元素からなる合金、若しくは水和物、若しくは酸化物、又は前記単一金属、若しくは二種以上の元素からなる合金、若しくは水和物、若しくは酸化物の複合体から構成されることを特徴とする請求項1または2記載の複合金属箔。
  4. 前記拡散防止層の厚みが0.05〜1000[mg/m2]である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の複合金属箔。
  5. 前記金属箔が銅箔であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の複合金属箔。
  6. 前記剥離層形成後の剥離層の密着性が、JIS−D0202(1988)における碁盤目付着性試験において、残率が10[%]以下となることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の複合金属箔。
  7. 前記転写層形成後のキャリアの剥離強度が、220℃で4時間までの加熱時間[hr]をX軸、剥離強度[kN/m]をY軸として前記剥離強度の加熱時間依存性をプロットした場合における、最小二乗法による一次関数近似の傾きが0.01[kN/mhr]以下であり、キャリア剥離強度が0.05[kN/m]以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の複合金属箔。
  8. 前記剥離層と前記転写層の厚みの合計が0.2〜12[μm]以下であることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか1項記載の複合金属箔。
  9. 金属箔からなるキャリアを準備する工程と
    前記キャリアの少なくとも一方の表面に拡散防止層を形成する工程と、
    前記拡散防止層の表面に物理的成膜法により剥離層を形成する工程と、
    前記剥離層の表面にめっき法により転写層を形成する工程と
    を含むことを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか1項記載の複合金属箔の製造方法。
  10. 請求項1乃至8の何れか1項に記載の複合金属箔を
    銅張積層板を形成するための基材に合着することにより積層構造体を形成する工程と、
    前記積層構造体の前記剥離層において、前記キャリアと前記拡散防止層と前記剥離層とを前記転写層から剥離し、前記基板に前記転写層を残存させる工程と
    を含むことを特徴とする銅張積層板の製造方法。
  11. 請求項10記載の銅張積層板の製造方法により銅張積層板を積層する工程と前記銅張積層板の転写層に回路パターンを形成する工程を含むことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  12. 請求項1乃至8の何れか1項に記載の複合金属箔のキャリアとコアレス基板の支持部材とを張り合わせる工程と、
    前記複合金属箔の前記転写層側に、
    樹脂からなる絶縁層および銅箔からなる配線用導電層を加熱圧縮により合着し、
    その後前記配線用導電層をパターニングし配線を形成する工程を1回以上繰り返すことを含むビルドアップ層形成工程と、
    前記転写層において前記複合金属箔と前記支持部材とを剥離する工程により形成されるコアレス基板の製造方法。
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