JP5856355B2 - エンド−1,3−β−グルカナーゼ,ポリヌクレオチド,組換えベクター,形質転換体,エンド−1,3−β−グルカナーゼの製造方法,酵素製剤及び低分子化パラミロンの製造方法 - Google Patents

エンド−1,3−β−グルカナーゼ,ポリヌクレオチド,組換えベクター,形質転換体,エンド−1,3−β−グルカナーゼの製造方法,酵素製剤及び低分子化パラミロンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、パラミロンを分解する新規なエンド−1,3−β−グルカナーゼ,ポリヌクレオチド,組換えベクター,形質転換体,エンド−1,3−β−グルカナーゼの製造方法,酵素製剤及び低分子化パラミロンの製造方法に関する。
β−1,3−グルカンは、グルコースのβ−1,3−結合を主鎖とする多糖であって、褐藻,コンブ属に多く含まれるラミナラン,土壌細菌(Alcaligenes faecalis)の変異株が細胞外につくるカードランの主構造として存在するものである。また、穀類の細胞壁に含まれるカロースも知られている。
β−1,3−グルカンは、β−1,3−構造を主鎖とする点で共通するが、その由来等によって、分岐した側鎖の有無や位置、β−1,4−結合,β−1,6−結合の組合せ、分子の大きさなどが異なり、それぞれ、異なる構造や性質を有している。
β−1,3−グルカナーゼは、これらのβ−1,3−グルカンを加水分解する酵素であって、家畜の増体や飼料要求率を改善させるための飼料の添加剤や、菓子・パン等の物性改善剤や食感改良剤,酵母エキスの抽出効率改良剤,ビールの濾過効率の改善剤のほか、種々の用途に使用されている。
β−1,3−グルカナーゼとしては、種々の由来や基質特異性のものがあり、ラミナラン,カードランや、酵母細胞壁,シイタケ菌糸,パストラン等に対する分解活性を示すものが知られている(特許文献1〜3)。
特開2005−34146号公報 特開2005−224230号公報 特表平10−507078号公報
しかし、β−1,3−グルカンの一種である、ユーグレナ属由来のパラミロンに対しては、分解活性を示す分解酵素は知られていない。
パラミロンは、β−グルカンの中で、β−1,3−結合のみで構成されるという特徴を持つ。また、パラミロンは、すべての種,変種のユーグレナ細胞内に顆粒として存在し、その個数,形状,粒子の均一性は、種によって特徴がある。他のβ−グルカンと同様に、機能性を備えることが期待されるが、その作用機序は、未知の点が多い。
そして、パラミロンを分解する分解酵素も、パラミロンを分解した組成物も知られていない。
ところで、石油のような枯渇性資源に代替し得る非枯渇性資源として、地域の未利用資源であるバイオマス等を利用したエネルギー供給体制の強化が、推進されている。
バイオマスとは、再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたものと定義されている。太陽のエネルギーを使って生物が合成した物であり、生命と太陽がある限り、枯渇しない資源であり、焼却等しても大気中の二酸化炭素を増加させない、カーボンニュートラルな資源をいう。
バイオマスを利用したエネルギーの一つとして、バイオエタノールの開発が進められている。バイオエタノールは、サトウキビ・コーン等の糖や、米・麦・トウモロコシ等の澱粉系原料を酵素で糖化したもの、又は、間伐材・建築廃材・稲わら・バガス糖のセルロース系原料を加圧熱水・酸・アルカリで前処理し、糖化酵素等で糖化したものを、エタノール発酵,蒸留,脱水することにより、製造される(農林水産省 バイオマス事業化戦略(平成24年9月6日)参考資料 主要技術の概要)。
石油等の化石燃料は、埋蔵量が多く、グローバルに安定供給されてきた。それに対し、バイオエタノールは、原料が食糧と競合しないことや、耕地面積が食糧用の耕地を侵食しないことなどの持続可能性に関する要求から、原料として廃材等を用いる場合が多く、現状では、グローバルに、又は、一国全体に安定供給可能な供給量を稼ぐことが難しい。そのため、一般的には、バイオマス等を利用したエネルギー供給の取り組みは、地域ごとに行うことが推進されている。
バイオエタノールは、一部地域で既に実用化されているが、石油等の化石燃料に比べ価格競争力が劣り、また、安定供給,持続可能性の点で課題があることから、日本国内ではまだ十分に普及していないのが現状であり、コスト面,安定供給・持続可能性の点で、実用化可能なバイオエタノールの原料の開発が望まれている。
一方、ユーグレナは、過去、大量培養が難しいとされてきたが、近年、本発明者らの鋭意研究によって、大量培養技術が確立され、パラミロンの大量供給の途が開かれた。そのため、大量供給可能となったユーグレナに由来する機能性物質の開発が望まれている。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ユーグレナ属由来のパラミロンに対して分解活性を示すエンド−1,3−β−グルカナーゼを提供することにある。
本発明の他の目的は、ユーグレナ属由来のパラミロンをバイオエタノール原料に転換するパラミロン分解酵素として利用可能なエンド−1,3−β−グルカナーゼを提供することにある。
本発明の更に他の目的は、大量供給が可能となったユーグレナに由来する新たな機能性物質を開発することにある。
本発明者らは、鋭意研究した結果、ユーグレナ属から、パラミロン分解活性を備えた新規なエンド−1,3−β−グルカナーゼが得られることを見出し、本発明に至った。
前述した通り、パラミロンを蓄積するユーグレナは、過去、大量培養が難しいとされてきたが、近年、本発明者らの鋭意研究によって、大量培養技術が確立され、パラミロンの大量供給の途が開かれた。また、パラミロンの大量生産は、ユーグレナの培養槽で行うことができ、サトウキビ・コーン等のように、広大な農地を必要とせず、更に、現状の食糧でないことから、持続可能性の面でも問題がない。そして、ユーグレナは、生産効率がよいことから、供給安定性も担保されることが期待され、バイオエタノールの原料の候補として期待が持てる。
また、パラミロンは、β−1,3−結合のみで構成された直鎖状の多糖であることから、セルロース系原料に比べても、糖化工程を単純化可能である。
前記課題は、ユーグレナ(Euglena)属に由来し、以下の性質を示すエンド−1,3−β−グルカナーゼにより解決される。
(1)作用:アルカリ膨潤パラミロンのβ−1,3−結合をエンド型様式で加水分解する。
(2)アルカリ膨潤パラミロンに対する加水分解反応の主生成物が直鎖オリゴ糖である。
エンド−1,3−β−グルカナーゼは、さらに以下の性質を示す。
(3)基質特異性:少なくとも、パラミロンを分解する。
(4)分解活性:ラミナリン分解活性に対するパラミロン分解活性の比率が、20%以上である。
(5)至適pH:3.7〜7.0。
(6)至適温度:30〜70℃。
(7)分解活性:アルカリ膨潤パラミロン分解活性に対するパラミロン分解活性の比率が、25%以上である。及び、
(8)ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法による分子量:3437kDaである。
近年の本発明者らの研究によって大量供給が可能となったユーグレナに由来する新規なエンド−1,3−β−グルカナーゼが見出されたことにより、ユーグレナの新たな活用化の途が開かれたものである。β−グルカナーゼは、その由来によって、基質特異性等の性質が異なることが知られており、ユーグレナ由来のエンド−1,3−β−グルカナーゼが見出されたことにより、新規な低分子化グルカンやその製造方法、ひいては、新規な低分子化グルカンを用いた新規なバイオエタノール原料の供給への途が開かれる。
前記パラミロンに加えて、更に、ラミナリン及びアルカリ処理ユーグレナ中に含まれるアルカリ膨潤パラミロンを分解する基質特異性を有し、1時間までの反応時間における至適温度が、50℃以上、1時間から2時間までの反応時間における至適温度が、40℃以上、20時間以上の反応時間における至適温度が、60℃以下であってもよい。
また、前記課題は、下記(a)又は(b)の何れかのエンド−1,3−β−グルカナーゼ。
(a)配列番号2で表されるアミノ酸配列;
(b)配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列であって、アルカリ膨潤パラミロンのβ−1,3−結合のエンド型の加水分解活性を有し、アルカリ膨潤パラミロンに対する加水分解反応の主生成物が直鎖オリゴ糖であるアミノ酸配列
また、前記課題は、以下の(a)又は(b)何れかの塩基配列からなるポリヌクレオチド。
(a)配列番号1で表される塩基配列;
(b)配列番号1で表される塩基配列において、1又は数個の塩基が欠失、置換もしくは付加された塩基配列であって、かつ、アルカリ膨潤パラミロンのβ−1,3−結合のエンド型の加水分解活性を有し、アルカリ膨潤パラミロンに対する加水分解反応の主生成物が直鎖オリゴ糖であるタンパク質をコードする塩基配列
このとき、前記ポリヌクレオチドを含む組換えベクターであってもよい。
また、前記組換えベクターを有する形質転換体であってもよい。
また、前記形質転換体を培地に培養し、培養物中に前記エンド−1,3−β−グルカナーゼを生成蓄積させ、前記培養物から前記エンド−1,3−β−グルカナーゼを採取することを特徴とするエンド−1,3−β−グルカナーゼの製造方法であってもよい。
前記エンド−1,3−β−グルカナーゼを含有することを特徴とするパラミロンを低分子化するための酵素製剤であってもよい。
前記アルカリ膨潤パラミロン又はアルカリ処理ユーグレナに前記エンド−1,3−β−グルカナーゼを作用させて、重合度2以上の直鎖オリゴ糖を含む低分子化パラミロンを生成させることを特徴とする低分子化パラミロンの製造方法であってもよい。
このとき、Fe,Mn,Ni,Cu,Coからなる群の金属イオンが実質的に混入していない液中で、前記アルカリ膨潤パラミロン又は前記アルカリ処理ユーグレナに、前記エンド−1,3−β−グルカナーゼを作用させると共に、前記アルカリ膨潤パラミロン又は前記アルカリ処理ユーグレナに、前記エンド−1,3−β−グルカナーゼと共に、グルコシダーゼを作用させて、前記低分子化パラミロンの主生成産物として、グルコースを生成させてもよい。
本発明によれば、アルカリ膨潤パラミロンパラミロンを加水分解して、直鎖オリゴ糖からなり、機能性を有する新規な低分子化パラミロンを得ることができる。
また、本発明によれば、アルカリ膨潤パラミロンパラミロンを含むβ−1,3−グルカンをエンド型様式で加水分解することが可能となるため、本発明の低分子化パラミロンの製造方法を、バイオエタノールの糖化工程として用いることにより、アルカリ膨潤パラミロンパラミロン等のβ−1,3−グルカンを、バイオエタノールの原料とすることが可能となる。
ユーグレナ破砕溶液の疎水カラムによるラミナリン分解活性画分の分離を示すグラフである。 ユーグレナ破砕溶液のゲル濾過カラムによるラミナリン分解活性画分の分離を示すグラフである。 ユーグレナ破砕溶液の陰イオン交換カラムによるラミナリン分解活性画分の分離を示すグラフである。 ユーグレナ破砕溶液のラミナリン分解活性画分のSDS-PAGEのゲルの銀染色である。 リコンビナントEgCel17AのSDS-PAGEのゲルのCBB染色画像である。 本発明の一実施例である酵素EgCel17Aの基質特異性を示すグラフである。 本発明の一実施例である酵素EgCel17Aの至適温度を示すグラフである。 本発明の一実施例である酵素EgCel17Aを、30−70℃で、1−20時間インキュベートした場合のラミナリン分解活性を示すグラフである。 本発明の一実施例である酵素EgCel17Aの至適pHを示すグラフである。 トリコデルマセルラーゼ標品と本発明の一実施例である酵素EgCel17Aによるパラミロン分解活性を示すグラフである。 枯草菌グルカナーゼと本発明の一実施例である酵素EgCel17Aによるパラミロン分解活性を示すグラフである。 BSA添加量が、本発明の一実施例である酵素EgCel17Aの活性に及ぼす影響を示すグラフである。 金属添加量が、本発明の一実施例である酵素EgCel17Aの活性に及ぼす影響を示すグラフである。 ユーグレナのアルカリ処理の条件が、本発明の一実施例である酵素EgCel17Aの活性に及ぼす影響を示すグラフである。 塩化ナトリウムの添加量が、本発明の一実施例である酵素EgCel17Aの活性に及ぼす影響を示すグラフである。 ペーパークロマトグラフィーの結果であって、ラミナリンとラミナリオリゴ糖に対する本発明の一実施例である酵素EgCel17Aの分解活性及び糖転移活性を示す。 アルカリ膨潤パラミロンにEgCel17A,MoCel3Aを添加して反応させた反応産物のHPLCの結果を示すグラフである。 薄層クロマトグラフィーの結果であって、ラミナリオリゴ糖に対する本発明の一実施例である酵素EgCel17Aの分解活性及び転移活性を示す。 リコンビナントEgCel81Aのウエスタンブロットの結果を示す画像である。 リコンビナントEgCel81Aの各多糖の加水分解活性測定試験の結果を示すグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、ユーグレナ(Euglena)属に由来するエンド−1,3−β−グルカナーゼに関する。
本発明のエンド−1,3−β−グルカナーゼには、ユーグレナ属が産生するパラミロンの分解活性を有するタンパク質が含まれる。
パラミロン(Paramylon)は、約700個のグルコースがβ−1,3−結合により重合した高分子体(β−1,3−グルカン)であり、ユーグレナ属が含有する貯蔵多糖である。パラミロン粒子は、扁平な回転楕円体粒子であり、β−1,3−グルカン鎖がらせん状に絡まりあって形成されている。
パラミロン粒子は、培養されたユーグレナ属から任意の適切な方法で単離および微粒子状に精製され、通常粉末体として提供されている。
例えば、パラミロン粒子は、(1)任意の適切な培地中でのユーグレナ細胞の培養;(2)当該培地からのユーグレナ細胞の分離;(3)分離されたユーグレナ細胞からのパラミロンの単離;(4)単離されたパラミロンの精製;および必要に応じて(5)冷却およびその後の凍結乾燥により得ることができる。ユーグレナ細胞としては、全ての種類のユーグレナ細胞、例えばEuglena gracilis, Euglena intermedia, Euglena piride、及びその他のユーグレナ類、例えばAstaia longaを用いることができる。
ユーグレナ細胞の培養は、例えば供給バッチ法を用いて行われ得る。ユーグレナ細胞の分離は、例えば、培養液の遠心分離または単純な沈降によって行われ得る。パラミロンの単離は、例えば、大部分が生物分解される種類の非イオン性または陰イオン性の界面活性剤を用いて行われ得る。パラミロンの精製は、実質的には単離と同時に行われ得る。
具体的には、例えば以下の手順が採用され得る:ユーグレナグラシリス粉末((株)ユーグレナ社製)を蒸留水に入れ、室温で2日間撹拌する。これを超音波処理して細胞膜を破壊し、遠心分離により粗製パラミロン粒子を回収する。回収したパラミロン粒子を1%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液に分散し、95℃で2時間処理し、再度遠心分離により回収したパラミロン粒子を0.1%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液に分散して50℃で30分間処理する。当該操作により脂質やタンパク質を除去し、その後アセトンおよびエーテルで洗浄した後、50℃で乾燥して精製パラミロン粒子を得ることができる。なお、ユーグレナからのパラミロンの単離および精製は周知であり、例えば、E. Ziegler, "Die naturlichen und kunstlichen Aromen" Heidelberg, Germany, 1982, Chapter 4.3 "Gefriertrocken"、DE 43 28 329、または特表2003−529538号公報に記載されている。
エンド−1,3−β−グルカナーゼの例としては、ユーグレナ・グラシリス(E. gracilis)由来,特に、ユーグレナ・グラシリス(E. gracilis)Z株のβ−1,3−グルカナーゼが挙げられる。
なお、ユーグレナ・グラシリス・クレブス,ユーグレナ・グラシリス・バルバチラスや、ユーグレナ・グラシリス(E. gracilis)Z株の変異株SM−ZK株(葉緑体欠損株)や変種のvar. bacillaris、これらの種の葉緑体の変異株等の遺伝子変異株由来のエンド−1,3−β−グルカナーゼであってもよい。
ユーグレナ属は、池や沼などの淡水中に広く分布しており、これらから分離して使用してもよく、また、すでに単離されている任意のユーグレナ属を使用してもよい。
本発明のユーグレナ属は、その全ての変異株を包含する。また、これらの変異株の中には、遺伝的方法、たとえば組換え,形質導入,形質転換等により得られたものも含有される。
また、本発明のエンド−1,3−β−グルカナーゼの他の例としては、配列表の配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質が挙げられる。
配列番号2で表されるアミノ酸配列は、本明細書においてEgCel17Aと命名したものであり、実施例2の図4のSDS-PAGEのゲルの蛍光画像において、最も下のバンドとして検出されたものである。配列番号2のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子を含むヌクレオチド配列は、配列番号1の通りである
また、配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質において、1個または数個の部位に、1個または数個のアミノ酸残基が、置換,欠失,挿入および/または付加したタンパク質も、アルカリ膨潤パラミロンのβ−1,3−結合のエンド型の加水分解活性を有し、アルカリ膨潤パラミロンに対する加水分解反応の主生成物が直鎖オリゴ糖である限り、本発明に含まれる。数個とは25個,好適には10個を超えない個数をいう。
「本発明のポリヌクレオチド」とは、本発明のエンド−1,3−β−グルカナーゼをコードするポリヌクレオチドをいう。ポリヌクレオチドとしては、cDNA,ゲノムDNA,人工的に改変されたDNA,化学的に合成されたDNAなど、現在知られる限りどのような形態をとっていても良い。
本発明のポリヌクレオチドの例としては、配列番号1のヌクレオチド番号1から1,611に示されるヌクレオチド配列であり、且つ、アルカリ膨潤パラミロンのβ−1,3−結合のエンド型の加水分解活性を有し、アルカリ膨潤パラミロンに対する加水分解反応の主生成物が直鎖オリゴ糖であるタンパク質をコードするDNAが、挙げられる。
本発明のポリヌクレオチドの別の例としては、配列番号1のヌクレオチド番号1から1,611に示されるヌクレオチド配列と、95%以上のヌクレオチド配列相同性,同一性又は類似性を有し、且つ、アルカリ膨潤パラミロンのβ−1,3−結合のエンド型の加水分解活性を有し、アルカリ膨潤パラミロンに対する加水分解反応の主生成物が直鎖オリゴ糖であるタンパク質をコードするDNAが挙げられる。このようなDNAとしては、自然界で発見される変異型DNA,人為的に改変した変異型DNA,異種生物由来の相同DNA,同一DNA又は類似DNAなどが含まれる。
本発明のポリヌクレオチドの別の例としては、配列番号1のヌクレオチド番号1から1,611に示されるヌクレオチド配列と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つ、アルカリ膨潤パラミロンのβ−1,3−結合のエンド型の加水分解活性を有し、アルカリ膨潤パラミロンに対する加水分解反応の主生成物が直鎖オリゴ糖であるタンパク質をコードするDNAが挙げられる。
また、配列番号1のヌクレオチド番号1から1,611に示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドも、アルカリ膨潤パラミロンのβ−1,3−結合のエンド型の加水分解活性を有し、アルカリ膨潤パラミロンに対する加水分解反応の主生成物が直鎖オリゴ糖であるタンパク質をコードする領域を含む限り、本発明に含まれるものである。
また、本発明のエンド−1,3−β−グルカナーゼには、本発明のポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸配列からなるタンパク質を挙げることができる。
また、本発明のエンド−1,3−β−グルカナーゼには、本発明のポリヌクレオチドを用いて、DNAを末端から削る公知の方法や、カセット変異法などに従って作製された任意の一つもしくは二つ以上のアミノ酸を欠失させた改変体も含む。
このように、本発明のポリヌクレオチドを基に遺伝子工学的手法により得られるタンパク質であっても、アルカリ膨潤パラミロンのβ−1,3−結合のエンド型の加水分解活性を有し、アルカリ膨潤パラミロンに対する加水分解反応の主生成物が直鎖オリゴ糖である限り本発明に含まれる。
このようなエンド−1,3−β−グルカナーゼは、必ずしも配列番号2に記載のアミノ酸配列の全てを有するものである必要はなく、例えばその部分配列からなるタンパク質であっても、アルカリ膨潤パラミロンのβ−1,3−結合のエンド型の加水分解活性を有し、アルカリ膨潤パラミロンに対する加水分解反応の主生成物が直鎖オリゴ糖である限り、本発明のエンド−1,3−β−グルカナーゼに包含される。また、このようなエンド−1,3−β−グルカナーゼをコードするDNAも本発明に含まれる。
ユーグレナ属の培養液としては、例えば、窒素源,リン源,ミネラルなどの栄養塩類を添加した培養液、例えば、改変Cramer-Myers培地((NHHPO 1.0g/L,KHPO 1.0g/L,MgSO・7HO 0.2g/L,CaCl・2HO 0.02g/L,Fe(SO・7HO 3mg/L,MnCl・4HO 1.8mg/L,CoSO・7HO 1.5mg/L,ZnSO・7HO 0.4mg/L,NaMoO・2HO 0.2mg/L,CuSO・5HO 0.02g/L,チアミン塩酸塩(ビタミンB) 0.1mg/L,シアノコバラミン(ビタミンB12)、(pH3.5))を用いることができる。なお、(NHHPOは、(NHSOやNHaqに変換することも可能である。また、そのほか、ユーグレナ 生理と生化学(北岡正三郎編、株式会社学会出版センター)の記載に基づき調製される公知のHutner培地,Koren-Hutner培地を用いてもよい。
培養液のpHは好ましくは2以上、また、その上限は、好ましくは6以下、より好ましくは4.5以下である。pHを酸性側にすることにより、光合成微生物は他の微生物よりも優勢に生育することができるため、コンタミネーションを抑制することができる。
但し、培養温度,pH,通気撹拌量は、ユーグレナによるエンド−1,3−β−グルカナーゼ産生に適するように、適宜選択することができる。
また、ユーグレナ属の培養は、フラスコ培養や発酵槽を用いた培養,回分培養法,半回分培養法(流加培養法),連続培養法(灌流培養法)等、いずれの液体培養法により行ってもよい。
本発明のエンド−1,3−β−グルカナーゼは、ユーグレナ属の破砕液から精製したもの,粗精製したものを用いたものでも良い。
ユーグレナ属の培養終了後に、ユーグレナ属を破砕した破砕溶液を得て、この破砕溶液を、通常の再構成処理,蛋白沈殿剤による処理(塩析法),遠心分離,浸透圧ショック法,凍結融解法,超音波破砕,限外ろ過,ゲル濾過,吸着クロマトグラフィー,イオン交換クロマトグラフィー,アフィニティクロマトグラフィー,高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等の各種液体クロマトグラフィー,透析法,それらの組み合わせ等によって粗精製したり、精製したりしたものを用いることもできる。
また、本発明のエンド−1,3−β−グルカナーゼは、プラスミドベクターに本発明のDNAが挿入された組換えプラスミドで宿主細胞を形質転換し、この形質転換された細胞の培養産物から得る事もできる。このように適当なベクターに本発明のDNAが挿入された組換えプラスミドも本発明に含まれる。
ベクターとしては、プラスミドベクターが好適に用いられるが、コスミドベクター,バクテリオファージ,ウイルスベクター,人工染色体ベクター等、公知の種々のベクターを用いることができる。
このようなベクターにより、他の原核生物、または真核生物の宿主細胞を形質転換させることができる。さらに、適当なプロモーター配列および/または形質発現に関わる配列を有するベクターを用いるか、もしくはそのような配列を導入することにより、発現ベクターとすることで、それぞれの宿主において遺伝子を発現させることが可能である。
上記ベクターを宿主細胞に導入することにより、細胞を得ることができる。宿主細胞は、ベクターを導入することができる細胞であれば原核細胞であっても真核細胞であってもよい。
原核細胞の宿主としては、例えば、麹菌(Aspergillus oryzae)を好適に用いることができるが、その他、大腸菌(Escherichia coli)や枯草菌(Bacillus subtilis)等であってもよい。
また、麹菌としては、Aspergillus oryzaeのほか、Aspergillus sojae,Aspergillus awamori,Aspergillus kawachii,Aspergillus usami,Aspergillus tamari,Aspergillus Glaucus等のアスペルギルス属に属する麹菌を用いることができる。
真核細胞の宿主細胞としては、例えば、脊椎動物,昆虫,酵母などの細胞を用いることができる。
宿主細胞として麹菌(A. oryzae)を用いる場合、プラスミドベクターとしては、α-アミラーゼ遺伝子プロモーター(amyBp)を利用した麹菌発現ベクターpPPamyBSPを用いると好適である。
細胞への遺伝子導入は、麹菌宿主のプロトプラストを調製して、公知のプロトプラストPEG法(ポリエチレングリコール法)により好適に行うことができるが、リポフェクション法,エレクトロポレーション法,ヌクレオフェクション法,リン酸カルシウム法,インジェクション法,マイクロインジェクション法等、その他の公知の導入技術によっても行うことができる。
ベクターを宿主細胞に導入して得た本発明の形質転換体は、常法に従い培養することができ、培養により細胞内、または細胞外に本発明のエンド−1,3−β−グルカナーゼが産生される。
形質転換体の培養に用いられる培地としては、採用した宿主細胞に応じて慣用される各種のものを適宜選択できる。
宿主細胞として麹菌を用いた場合には、YPM培地等の公知の培地を用いることができる。また、そのほか、PDA(Potato Dextrose Agar)培地,PDB(Potato Dextrose
Broth)培地や、小麦ふすまを含むふすま培地等を用いてもよい。
形質転換体の培養により形質転換体の細胞内または細胞外に組換えタンパク質として産生される本発明のエンド−1,3−β−グルカナーゼは、培養産物中から、そのタンパク質の物理化学的性質,化学的性質,生化学的性質(酵素活性など)等を利用した各種の分離操作により分離,精製することができる。例えば、通常の再構成処理,蛋白沈殿剤による処理(塩析法),遠心分離,浸透圧ショック法,凍結融解法,超音波破砕,限外ろ過,ゲル濾過,吸着クロマトグラフィー,イオン交換クロマトグラフィー,アフィニティクロマトグラフィー,高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等の各種液体クロマトグラフィー,透析法,それらの組み合わせ等を利用できる。
例えば、組換えタンパク質として産生される本発明のエンド−1,3−β−グルカナーゼが、菌体外に分泌される場合は、培地に蒸留水を加えて撹拌し、室温で約3時間放置してからろ紙でろ過することにより、本発明のエンド−1,3−β−グルカナーゼを抽出することができる。
また、組換えタンパク質として産生される本発明のエンド−1,3−β−グルカナーゼが、菌体内に局在する場合は、例えば、緩衝液を培地に加え、破砕装置を用いて氷冷しながら間欠運転で破砕し、得られた破砕液を遠心分離して上澄を回収することにより、本発明のエンド−1,3−β−グルカナーゼを抽出することができる。
このように、本発明の形質転換体を培養し、培養産物を分離,精製等することにより、高収率で、本発明のエンド−1,3−β−グルカナーゼを、工業的規模で製造できる。
本発明のポリヌクレオチドが導入された形質転換体から得られたエンド−1,3−β−グルカナーゼの具体的な性質について以下に示すが、本発明のエンド−1,3−β−グルカナーゼの有する性質は、これらに限定されない。
(1)作用:アルカリ膨潤パラミロンのβ−1,3−結合をエンド型様式で加水分解する。
(2)アルカリ膨潤パラミロンに対する加水分解反応の主生成物が直鎖オリゴ糖である。(3)基質特異性:パラミロンを分解する。
(4)分解活性:ラミナリン分解活性に対するパラミロン分解活性の比率が、20%以上である。
(5)至適pH:至適pHが、3.7〜7.0である。
(6)至適温度:1時間までの反応時間における至適温度が、50℃以上、1時間から2時間までの反応時間における至適温度が、40℃以上、20時間以上の反応時間における至適温度が、60℃以下である。
(7)分解活性:アルカリ膨潤パラミロン分解活性に対するパラミロン分解活性の比率が、25%以上である。及び、
(8)ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法による分子量:3437kDaである。
また、本発明には、パラミロンに、エンド−1,3−β−グルカナーゼを作用させることにより、低分子化パラミロンを生成させる低分子化パラミロンの製造方法も含まれる。
本発明の低分子化パラミロンの製造方法では、パラミロン粉末を水又はリン酸バッファー等の緩衝バッファーに懸濁して得たパラミロン懸濁液に、本発明に係るユーグレナ属由来のβ−1,3−グルカナーゼを添加し、pH3.7〜7.0,温度30〜70℃で、15分〜20時間インキュベートすることにより、パラミロンにエンド−1,3−β−グルカナーゼを作用させる。
これにより、パラミロンのβ−1,3−結合が、エンド−1,3−β−グルカナーゼに加水分解され、低分子化パラミロンが生成される。
ここで、低分子化パラミロンとは、パラミロンのβ−1,3−結合が加水分解されて生成された糖をいい、グルコースや、2個以上のグルコースがβ−1,3−結合で連結された重合度2以上のオリゴ糖を含む。
また、本発明の低分子化パラミロンの製造方法では、パラミロン懸濁液に、本発明に係るユーグレナ属由来のエンド−1,3−β−グルカナーゼと共に、Magnaporthe oryzae由来のグルコシダーゼであるMoCel3Aを添加してもよい。
また、エンド−1,3−β−グルカナーゼと共に添加する酵素は、これに限定されるものでなく、他のグルカナーゼ,グルコシダーゼ等の酵素であってもよい。
また、パラミロン粉末の代わりに、アルカリ膨潤パラミロンを用いてもよい。アルカリ膨潤パラミロンとして、アルカリ処理及び中和を行った場合は、予め、塩濃度を低下させてから、緩衝バッファーに加えるとよい。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1:ユーグレナからのβ−1,3−グルカナーゼの調製)
ユーグレナ・グラシリス(E. gracilis)Z株をリン酸バッファー(10mM,pH7.0)で懸濁した後、ソニケーターにより破砕し、ユーグレナ破砕溶液を得た。ユーグレナ破砕溶液を、遠心分離(22,000xg,15分)した後、上清を回収し、硫酸アンモニウム(420g/L)を加えた。
この溶液を4℃で30分置いた後、遠心分離(22,000xg,15分)を行い、沈殿を得た。
沈殿を0.2Mの硫酸アンモニウムを含むリン酸バッファー(10mM,pH7.0)で溶解した後、同じバッファーで緩衝した疎水カラム(HiPrep phenyl, GE Healthcare)に供した。
0.2Mの硫酸アンモニウムを含むリン酸バッファー(10mM,pH7.0)でカラムを洗浄した後、硫酸アンモニウムの濃度を減少させ、カラムに結合したタンパク質を溶出した。
図1に、このときの各フラクションにおけるラミナリン分解活性を白丸で、また、溶出時の硫酸アンモニウム濃度を点線で示す。図1に示すように、フラクション番号26〜36の画分で、高い分解活性を示した。この分解活性の高いフラクション番号26〜36の画分を回収した。
その後、疎水カラムでラミナリンに対する分解活性を示したフラクション番号26〜36の活性画分を、0.2MのNaClを含むリン酸バッファー(10mM,pH7.0)で緩衝したゲルろ過カラム(Superdex75,GE Healthcare)に供した。
図2に示すように、フラクション番号28〜36の画分で、高いラミナリン分解活性を示した。この分解活性の高いフラクション番号28〜36の画分を回収した。
その後、ゲルろ過カラムでラミナリンに対する分解活性を示したフラクション番号28〜36の活性画分を、リン酸バッファー(10mM,pH7.5)で緩衝した陰イオン交換カラム(MonoQ,GE Healthcare)に供した。カラムをリン酸バッファー(10mM,pH7.5)で洗浄した後、NaClの濃度を上昇させ、カラムに結合したタンパク質を溶出した。
図3に示すように、フラクション番号28〜34の画分で、高いラミナリン分解活性を示した。この分解活性の高いフラクション番号28〜34の画分を回収し、β−1,3−グルカナーゼの部分精製品とした。
(実施例2:ユーグレナ由来のβ−1,3−グルカナーゼのアミノ酸配列の決定)
実施例1でタンパク質が部分精製され、イオン交換カラムでラミナリンに対する分解活性を示したフラクション番号26〜36の活性画分を、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)により、12.5%ゲルで分離した後、Coomassie Brilliant Blue R-250(CBB, クマシーブリリアントブルー)染色した。図4に、電気泳動で得たゲルの蛍光画像を示す。図4に示すように、4つのタンパク質のバンドが検出された。
染色されたタンパク質をゲルからゲル片として切り出し、トリプシンにより消化して、断片化ペプチド混合物を得た。
トリプシン処理した断片化ペプチド混合物は、Kawamuraらの方法に従って(Kawamura, Y., and Uemura, M. (2003) Mass spectrometric approach for identifying putative plasma membrane proteins of Arabidopsis leaves associated with cold acclimation. Plant J. 36, 141-154)、ハイブリッド型質量分析システム(LTQ Orbitrap XL mass spectrometer;Thermo Fisher Scientific)を用いて、分離・濃縮しながら、同時に断片化ペプチドの質量分析を行い、ペプチドの質量値とフラグメントイオンのMS/MSスペクトルを取得した。その後、MASCOT MS/MS ion search(Matrix Science)で、配列タグ法により、アミノ酸配列を解析した。
その結果、図4で示す4つのバンドのうち、最も大きいリンゴ酸シンターゼを除く3つのタンパク質は、多糖分解に関与する酵素であると推測された。
バンド1は、EgCel17Aと名付けた。また、バンド2と3は、EgCel81AおよびEgCel81Bと名付けた。
EgCel17A,EgCel81A,EgCel81Bのアミノ酸配列を、それぞれ、配列番号2,4,6として示す。
(実施例3:ユーグレナ由来のβ−1,3−グルカナーゼEgCel17A,EgCel81A,EgCel81Bをコードするポリヌクレオチドの同定)
ユーグレナ・グラシリス(E. gracilis)Z株を、ユーグレナ 生理と生化学(北岡正三郎編、株式会社学会出版センター)の記載に基づき調製したKoren-Hutner培地10L,29℃で、10日間培養した。遠心分離により6倍程度まで濃縮し、この培地に窒素ガスを溶存酸素濃度が、0.01mg/Lになるまで通気した。密栓し、24時間静置したものを嫌気処理細胞とした。
遠心分離により回収したユーグレナ(100mg)からRNA抽出キット(Qiagen)を用いて、トータルRNAを抽出した。調製したトータルRNAからoligo(dT)プライマーを用いて、逆転写酵素(Transcriptase III, Invitrogen)によりcDNAを合成した。実施例2で得たアミノ酸配列2,4,6に係るEgCel17A,EgCel81A,EgCel81Bの部分的な遺伝子配列から、それぞれ、EgCel17Aについては、配列番号7及び8の5’-Raceプライマー,3’-Raceプライマーを、EgCel81Aについては、配列番号9及び10の5’-Raceプライマー,3’-Raceプライマーを、EgCel81Bについては、配列番号11及び12の5’-Raceプライマー,3’-Raceプライマーを作製した。
次いで、5’-Race法および3’-Race法にて遺伝子配列の解読をおこなった。GeneRacer(登録商標)Kit(Invitrogen(株)製)を使用し、cDNAを合成した。さらに配列番号7乃至12のDNAプライマー,DNAポリメラーゼ(GXL DNAポリメラーゼ、Takara Bio)を用いてPCRをおこなった。
得られた全遺伝子配列は、DNAシークエンサー(Genome Analyzer IIx, Illumina)により解読した。遺伝子配列解析の結果を、配列番号1,3,5に示す。
(実施例4:EgCel17Aのリコンビナントタンパク質の調製)
i) EgCel17Aの遺伝子導入
単離した配列番号1のEgCel17A遺伝子から、ヌクレオチド番号72から152までの分泌シグナルを除去し、Takahashiらの方法に従って(Takahashi M, Takahashi H, Nakano Y, Konishi T, Terauchi R, Takeda T (2010) Characterization of a cellobiohydrolase (MoCel6A) produced from Magnaporthe oryzae. Appl. Environ. Microbiol., 76, 6583-6590.)、7個の連続するヒスチジンからなるヒスチジンタグ5'−TTAGTGATGGTGATGGTGGTGATGGCTAGG−3'を、3'末端に付加した。このDNAを、α−アミラーゼ遺伝子プロモーター(amyBp)を利用した麹菌(Aspergillus oryzae)発現ベクターpPPamyBSPに挿入した。
調製したプラスミドDNAを、PEG法により麹菌株(Aspergillus oryzae)RIB40へ導入し、Takahashiらの方法に従って、遺伝子導入株をピリチアミン0.1mg/ml,1%グルコースを含むCzapek-Dox寒天培地で選抜した。
ii) リコンビナントEgCel17Aの精製
i)で選抜して得た麹菌のEgCel17A遺伝子導入株を、YPM液体培地(1%Yeast extract,2%Peptone,2%Maltose)に接種した後、25℃,120rpmで2日間振盪培養した。二重のガーゼにより麹菌の遺伝子導入株を除いたのち、培地を限外濾過により濃縮した。この溶液を緩衝液(50mMリン酸バッファー(pH7.0)、50mM NaCl)で緩衝したヒスチジンタグ結合樹脂(Talon metal affinity resin, Clontech)に供し、その後樹脂を同じ緩衝液で洗浄した。
さらに0.2X溶出液(50mMリン酸バッファー(pH7.0)、50mM NaCl、40mMイミダゾール)で樹脂を洗浄した。樹脂に結合したタンパク質は1X溶出液(50mMリン酸バッファー(pH7.0)、50mM NaCl、40mMイミダゾール)により溶出し、限外ろ過によりリン酸バッファー(10mM,pH7.0)への交換および濃縮を行った。以上で、麹菌を宿主としたリコンビナントEgCel17Aを得た。
麹菌を宿主として作製したリコンビナントEgCel17A(5μg)を、実施例2と同様の方法により、SDS-PAGEにより分離した後、CBB染色を行った。図5に、電気泳動の結果を示す。図5に示すように、実施例2で得られたEgCel17Aと同様の位置にバンドが検出された。
(試験例1:ユーグレナ属由来のβ−1,3−グルカナーゼの性質)
i)基質特異性
実施例4で得たリコンビナントEgCel17A(0.2μg)を用いて、複数の多糖に対する分解活性を調べ、EgCel17Aの基質特異性を検討した。
まず、アルカリ膨潤アルカリ膨潤パラミロンの調製を行った。パラミロン粉末(ユーグレナ社より入手)を水で懸濁した後、NaOH溶液を添加して15分間室温で振とうした。その後、酢酸により中和して、アルカリ膨潤パラミロンを得た。このアルカリ膨潤パラミロンを水で洗浄した。
次いで、基質,リン酸バッファー(100mM,pH5.5),酵素標品(カラム溶出液または0.2μgリコンビナントEgCel17Aを含む酵素反応液50μl)を混合して、反応液を調製した。
ここで、基質としては、オオムギ由来の1,3−1,4−β−グルカン(Megazymeより入手),キシログルカン(Megazymeより入手),カルボキシメチルセルロース(Sigma-Aldrichより入手),ヒドロキシエチルセルロース(Sigma-Aldrichより入手),キシラン(Sigma-Aldrichより入手),ラミナリン(Sigma-Aldrichより入手),コットン由来のセルロース(Sigma-Aldrichより入手),リン酸膨潤セルロース(セルロースから本発明者らが作製),パラミロン(ユーグレナ社より入手),アルカリ膨潤パラミロンを用いた。
反応液中の基質濃度は、それぞれ、1,3−1,4−β−グルカン,キシログルカン,カルボキシメチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロース,キシラン,ラミナリン,セルロースについて、0.1%とし、リン酸膨潤セルロース,パラミロン,アルカリ膨潤パラミロンについて、1%とした。
このように、水不溶性の基質であるリン酸膨潤セルロース,パラミロン,アルカリ膨潤パラミロンは、水可溶性の基質よりも多く反応系に添加した。
調整した反応液は、30℃で1時間インキュベートした。
Lever,M.の方法に従い(Lever, M. (1972) A new reaction for colorimetric determination of carbohydrates. Anal. Biochem. 47, 273-279)、反応液に0.5% 4-hydroxybenzhydrazideを含む0.5N HCl溶液(200μl)を加えた後、沸騰水で5分間処理した。溶液を自然冷却した後、分光光度計により410nmの値を測定し、増加した還元力をグルコース換算して活性値とした。
なお、セルロースとリン酸膨潤セルロース,パラミロン,アルカリ膨潤パラミロンを基質として使用した時は、インキュベート後遠心分離により得られた上清の還元力を測定した。
測定結果を、図6に示す。図6は、ラミナリンに対する分解活性を100として、相対活性の平均値±SE(n=3)で示している。
図6では、EgCel17Aはラミナリンやパラミロン,アルカリ膨潤パラミロンに対して高い分解活性を示した。
また、EgCel17Aは、1,3−1,4−β−グルカン,ヒドロキシエチルセルロース,リン酸膨潤セルロースにも、分解活性を示した。
その一方、EgCel17Aは、キシログルカン,カルボキシメチルセルロース,キシラン,セルロースには、分解活性を示さなかった。
パラミロンの分解活性は、ラミナリンの分解活性の20%強、アルカリ膨潤パラミロンの分解活性は、ラミナリンの分解活性の80%強であり、EgCel17Aは、パラミロン,アルカリ膨潤パラミロンに対して、従来の酵素では見られない程度に高い分解活性を示すことが分かった。
EgCel17Aの分解活性の高さは、ラミナリン>アルカリ膨潤パラミロン>パラミロン>1,3−1,4−β−グルカン≒リン酸膨潤セルロース>ヒドロキシエチルセルロースの順であった。
この結果より、EgCel17Aは、エンド−1,3−β−グルカナーゼとして、ラミナリン,パラミロン,アルカリ膨潤パラミロンを分解し、その他の多糖を殆ど分解しないことが分かった。
ii)至適温度
異なる温度においてEgCel17Aによるラミナリンの分解活性を調べ、EgCel17Aの至適温度を検討した。
上記i)で調整した0.1%ラミナリンを含む反応液を、30℃および70℃で、それぞれ5〜120分インキュベートした。結果を、図7に示す。
図7より、ラミナリンの分解において、70℃で反応を行うと60分後には最大の分解活性を示し、30℃による反応より約4倍の分解活性を示していた。
また、上記i)で調整した0.1%ラミナリンを含む反応液を、30,40,50,60,70℃で、それぞれ1,2,3,4,5,6,20時間インキュベートした。活性値は平均値±SE(n=3)で示している。結果を、図8に示す。
図8より、5時間以上の長時間の酵素反応を行うと70℃による分解活性より40−50℃による分解活性の方が高くなっていた。
iii)至適pH
異なるpHにおいてEgCel17Aによるラミナリンの分解活性を調べ、EgCel17Aの至適pHを検討した。
上記i)で調整した0.1%ラミナリンを含む反応液を、pH3.5〜8.0でインキュベートした。pHの調製は酢酸ナトリウム(pH3.5〜5.5,白丸)およびリン酸ナトリウム(pH5.5〜8.0,黒丸)を用いた。結果を、図9に示す。活性値は平均値±SE(n=3)で示している。
図9より、pH3.7〜7.0において、高い分解活性が認められ、そのうちでも、特に、pH4.0〜6.0において高い分解活性が認められた。
iv)EgCel17Aとトリコデルマセルラーゼ標品とのパラミロン分解活性の比較
トリコデルマのセルラーゼ標品(Trichoderma reesei cellulase,Sigma-aldrich),EgCel17A,トリコデルマのセルラーゼ標品とEgCel17Aとの混合物を用いて、パラミロンの分解活性を比較した。
トリコデルマのセルラーゼ標品サンプルとしては、上記i)で調整した1%パラミロンを含む反応液に、酵素標品の代わりに2μg,10μgのトリコデルマのセルラーゼ標品を含むものを用いた。
また、EgCel17Aサンプルとしては、上記i)で調整した1%パラミロンを含む反応液に、酵素標品の代わりに、実施例2で調整したEgCel17Aを0.4μg,2μg,4μg含むものを用いた。
トリコデルマのセルラーゼ標品とEgCel17Aとの混合物のサンプルとしては、上記i)で調整した1%パラミロンを含む反応液に、酵素標品の代わりに、トリコデルマのセルラーゼ標品及び実施例2で調整したEgCel17Aをそれぞれ2μg,0.4μg含むもの,トリコデルマのセルラーゼ標品及び実施例2で調整したEgCel17Aをそれぞれ2μg,2μg含むもの,トリコデルマのセルラーゼ標品及び実施例2で調整したEgCel17Aをそれぞれ2μg,4μg含むもの,トリコデルマのセルラーゼ標品及び実施例2で調整したEgCel17Aをそれぞれ10μg,0.4μg含むもの,トリコデルマのセルラーゼ標品及び実施例2で調整したEgCel17Aをそれぞれ10μg,2μを含むもの,トリコデルマのセルラーゼ標品及び実施例2で調整したEgCel17Aをそれぞれ2μg,4μg含むものを、用いた。
各サンプルは、pH5.5(sodium acetate buffer),温度40℃で、18時間インキュベートした。
結果を、図10に示す。活性値は平均値±SE(n=3)で示している。
その結果、トリコデルマのセルラーゼ標品でも、若干のパラミロン分解活性を示したが、EgCel17Aでは、トリコデルマのセルラーゼ標品と同じ濃度(2μg)において、約100倍の分解活性を示した。また、EgCel17Aの2μgサンプルは、トリコデルマのセルラーゼ標品の10μgのサンプルと同様の分解活性を示した。
iv)EgCel17Aと枯草菌グルカナーゼとのパラミロン分解活性の比較
枯草菌由来のグルカナーゼ(Megazymeより入手)及びEgCel17Aを用いて、パラミロンの分解活性を比較した。
枯草菌グルカナーゼのサンプルとしては、上記i)で調整した1%パラミロンを含む反応液に、酵素標品の代わりに2μg,10μgの枯草菌グルカナーゼを含むものを用いた。
また、EgCel17Aサンプルとしては、上記i)で調整した1%パラミロンを含む反応液に、酵素標品の代わりに実施例2で調整したEgCel17Aを0.2μg,0.4μg,1μg,2μg,4μg含むものを用いた。
各サンプルは、pH5.5(sodium acetate buffer),温度40℃で、18時間インキュベートした。
結果を、図11に示す。活性値は平均値±SE(n=3)で示している。
その結果、枯草菌由来のグルカナーゼは、パラミロンをほとんど分解せず、EgCel17Aのみが、パラミロン分解活性を示した。
v)BSA(ウシ血清アルブミン)によるEgCel17Aのパラミロン分解活性への影響
BSAによるEgCel17Aのパラミロン分解活性への影響を検討した。
上記i)で調整した1%パラミロンを含む反応液に、酵素標品の代わりに実施例2で調整したEgCel17Aを1.0μg添加し、更に、BSA(Sigma-Aldrich)を0,2,5,10μg添加したサンプルを準備した。これらのサンプルを、pH5.5(sodium acetate buffer),温度40℃で、18時間インキュベートした。
結果を、図12に示す。活性値は平均値±SE(n=3)で示している。
その結果、BSAを5μg添加したサンプルでは、無添加のサンプルに対比して、パラミロン分解活性が、10%程度向上していた。
但し、BSAは、酵素の安定化や活性化に効果を示すことが知られており、EgCel17Aのパラミロン分解活性の向上への貢献は、10%程度であり、他の酵素に対する貢献よりも抑えられたものであることが分かった。従って、EgCel17Aを用いてパラミロンを分解し、低分子化パラミロンを作製するときには、BSAを添加する必要性が、他の分解酵素を用いる場合に比べて低いことが分かった。
vii)金属によるEgCel17Aのパラミロン分解活性への影響
金属によるEgCel17Aのパラミロン分解活性への影響を検討した。
上記i)で調整した1%パラミロンを含む反応液に、酵素標品の代わりに実施例2で調整したEgCel17Aを1.0μg添加したものに、金属を添加した。
つまり、添加しないもの,10mM NaCl添加サンプル,50mM NaCl添加サンプル,100mM NaCl添加サンプル,1mM MgCl添加サンプル,1mM KCl添加サンプル,1mM CaCl添加サンプル,1mM FeSO添加サンプル,1mM MnCl添加サンプル,1mM ZnSO添加サンプル,1mM NiCl添加サンプル,1mM CuSO添加サンプル,1mM CoCl添加サンプルを、準備した。
これらのサンプルを、pH5.5(sodium acetate buffer),温度40℃で、18時間インキュベートした。
結果を、図13に示す。活性値は平均値±SE(n=3)で示している。
その結果、10mM NaCl添加サンプル,1mM KCl添加サンプル,1mM ZnSO添加サンプルでは、無添加のサンプルに対比して、パラミロン分解活性が、10%程度向上していた。
一方、1mM CaCl添加サンプル,1mM FeSO添加サンプル,1mM MnCl添加サンプル,1mM NiCl添加サンプル,1mM CuSO添加サンプル,1mM CoCl添加サンプルでは、無添加のサンプルに対比して、パラミロン分解活性が、低下していた。
この結果より、Ca,Fe,Mn,Ni,Cu,Coの金属イオンが反応液中に混入している場合には、EgCel17Aのパラミロン分解活性が低下することが分かった。EgCel17Aを用いてパラミロンを分解し、低分子化パラミロンを作製するときには、これらの金属イオン濃度を低下させた反応液又は培地か、これらの金属イオンが混入していない反応液又は培地を用いればよいことが分かった。
vii)パラミロンを有するユーグレナのアルカリ処理によるEgCel17Aのパラミロン分解活性への影響
EgCel17Aのアルカリ膨潤パラミロン分解活性について、ユーグレナを前処理するアルカリ溶液の濃度が分解活性に及ぼす影響を検討した。
水で懸濁したユーグレナ粉末を、濃度の異なるNaOH溶液(NaOH処理無し,0.025M NaOH処理,0.05M NaOH処理,0.25M NaOH処理,0.5M NaOH処理,1M NaOH処理,2M NaOH処理,3M NaOH処理,5M NaOH処理)で処理し、酢酸で中和して、アルカリ処理ユーグレナを得た。
上記i)で調整した反応液に、1%アルカリ膨潤パラミロンの代わりに、各処理濃度のアルカリ処理ユーグレナを1mg添加し、更に、酵素標品として、実施例2で調整したEgCel17Aを1μg添加した。各サンプルを、pH5.5(sodium acetate buffer),温度40℃で、3時間インキュベートした。
結果を、図14に示す。活性値は平均値±SE(n=3)で示している。
その結果、0.5M以上のNaOHで処理することによりEgCel17Aによる高い分解活性が認められた。特に、2MのNaOHで処理することにより最も高い分解活性が認められた。
viii)NaClによるEgCel17Aのパラミロン分解活性への影響
塩化ナトリウムによるEgCel17Aのアルカリ膨潤パラミロンの分解反応への影響を検討した。
上記i)で調整した1%膨潤パラミロンを含む反応液に、酵素標品の代わりにEgCel17Aを1μg添加し、更に、NaClを0M,0.1M,0.5M,1.0M,2.0M添加した。
各サンプルを、pH5.5(sodium acetate buffer),温度40℃で、3時間インキュベートした。
結果を、図15に示す。NaClを添加しない場合の分解活性を100として、相対活性の平均値±SE(n=3)で示している。
図15より、0.5M以上のNaCl存在下においてEgCel17Aによる分解活性の減少が認められた。この結果より、EgCel17Aを用いてパラミロンを分解し、低分子化パラミロンを作製するときには、NaClにより低分子化パラミロンの作製効率が低下することが分かった。EgCel17Aを用いてパラミロンを分解するときの前処理として、パラミロンまたはユーグレナのアルカリ処理及び中和を行う場合には、生じる塩の影響を考慮する必要があることが分かった。従って、EgCel17Aを用いてパラミロンを分解するときの前処理として、パラミロンまたはユーグレナのアルカリ処理及び中和を行う場合には、EgCel17A添加前に、NaCl濃度を低下させるか、NaClを除去するとよいことが分かった。
(試験例2:EgCel17Aの糖転移活性について)
本試験例では、EgCel17Aの糖転移活性について検討した。
まず、重合度4〜7のラミナリオリゴ糖(Megazymeより入手)を、スルホローダミン(Sulphorhodamine)を用いて、Fryらの方法に従って(Fry S. C. (2002) Novel ‘dot-blot’ assays for glycosyltransferases and glycosylhydrolases: optimization for xyloglucan endotransglycosylase (XET) activity. Plant J. 11, 1141-1150.)、還元末端側のグルコース残基に標識した。
蛍光標識したラミナリオリゴ糖はペーパークロマトグラフィー(溶媒;ブタノール:酢酸:水=1:1:1)により精製した。
蛍光標識したラミナリオリゴ糖を用いて、EgCel17Aによる糖転移活性を調べた。
上記試験例1のi)で調整した反応液の基質の代わりに、0.1%の蛍光標識したラミナリオリゴ糖、又は、0.1%の蛍光標識したラミナリオリゴ糖と0.1%のラミナリンを混合したものを用い、酵素標品の代わりに、実施例2で得たEgCel17Aを0.2μg添加したものを用いた。
各サンプルは、40℃で、0分(インキュベートなし),15分,30分,60分インキュベートした。
結果を、図16に示す。
図16のように、時間の経過に従い、ラミナリンとラミナリヘキサオース(重合度6)およびラミナヘプタオース(重合度7)を含む反応液において、高分子化した蛍光標識産物が認められた。
一方、ラミナリンを含まないときには、図16のように、ラミナリヘキサオースおよびラミナヘプタオースの分解が認められた。
これらの結果より、EgCel17Aはポリマーのラミナリンを分解した後、蛍光標識したラミナリヘキサオースおよびラミナヘプタオースへの転移反応を触媒することが分かった。
(試験例3:EgCel17Aを用いたパラミロンからのグルコース生産方法)
実施例2で得たEgCel17A(1μg)に、アルカリ膨潤パラミロンと、100mMリン酸バッファー(pH5.5)を加え、40℃で、1時間インキュベートした。その後、反応産物(1μL)をNaOHで緩衝したHPLCカラムに供した後、酢酸ナトリウム濃度(0〜100mM)を上昇させて反応産物を溶出した。
また、EgCel17A(1μg)とMagnaporthe oryzae由来のβ−グルコシダーゼであるMoCel3A(0.2μg,(本発明者らの作製による)Takahashi, M., Konishi T., Takeda T. (2011) Biochemical characterization of Magnaporthe oryzae β-glucosidases for efficient β-glucan hydrolysis. Appl. Microbiol. Biotechnol., 91, 1073-1082)とを混合し、アルカリ膨潤パラミロンと、100mMリン酸バッファー(pH5.5)を加え、40℃で、1時間インキュベートした後、反応産物をHPLCにより検出した。
結果を図17に示す。
図17に示すように、EgCel17Aのみでアルカリ膨潤パラミロンを分解したときには、グルコースのピークは、重合度3,4のピークよりも低かったが、EgCel17Aに、Magnaporthe oryzae由来のβ−グルコシダーゼであるMoCel3Aを添加してアルカリ膨潤パラミロンを分解したときには、グルコースのピークが主生成物として観察された。
以上より、EgCel17AとMoCel3Aとを混合することにより、効率的にパラミロンをグルコースへと変換することが出来ることが分かった。
(試験例4:EgCel17Aによるラミナリオリゴ糖の分解および転移反応)
本試験例では、EgCel17Aのラミナリオリゴ糖分解活性及び転移活性について検討した。
まず、重合度2〜7のラミナリオリゴ糖(100μg)、EgCel17A(0.1μg)、リン酸バッファー(最終濃度100mM,pH5.5)を混合し、40℃に静置した。反応0,0.5,1,2,4,18時間後にサンプルを回収し、薄層クロマトグラフィーで反応産物を分離した。この際、溶媒は、1−ブタノール:酢酸:水=2:1:1を使用した。展開後、0.5%チモールを含む硫酸/エタノール(5:95)液を浸した後、5分間、110℃で処理した。
薄層クロマトグラフィーで反応産物を分離した結果を、図18に示す。
図18のように、EgCel17Aは、ラミナリビオース(重合度2)を分解せず、重合度3〜7のラミナリオリゴ糖を分解した。
同時に、重合度3〜7、そのうちでも特に重合度4〜7のラミナリオリゴ糖では、反応0.5〜4時間後に、重合度の高いラミナリオリゴ糖が抽出され、重合度3〜7、特に重合度4〜7のラミナリオリゴ糖の基質に対して転移反応を行った。
しかし、反応時間が、18時間後に向けて長くなるにつれ、これらの基質は、グルコース、ラミナリビオース、ラミナリトリオースへと分解された。
参考:EgCel81Aのリコンビナントタンパク質の調製及びその活性の確認)
i) プラスミド構築
Egcel81A遺伝子にエンドウ由来のEGL2(AB032830)の分泌シグナル配列、および3´末端に、ヒスチジンタグ(His-tag)を付加した遺伝子をpCambiaプラスミドベクターに導入した。構築したプラスミドベクターをアグロバクテリウムにエレクトロポレーションにより導入した後、カナマイシンを含むYEBプレート(酵母エキス 1g/L,ペプトン 5g/L,ビーフエクストラクト 5g/L,ショ糖 5g/L,MgSO7HO 0.5g/L)上で遺伝子導入アグロバクテリウムを選抜した。
ii) イネカルスへの遺伝子導入
イネ(ササニシキ)の種子を滅菌した後、C1培地(N6−1−アラニン 20ml/L,N6−2−アラニン 50 ml/L,N6−3−アラニン 1ml/L,N6−4−アラニン 10ml/L,N6−ビタミン 1ml/L,ショ糖 3.75g/L,カザミノ酸 0.3g/L,プロリン 2.878g/L,2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(100 mg/L) 20ml/L,ジェランガム 3g/L,(pH 5.8))において置床し、30℃、5日間、暗所で培養することによりカルス化を誘導した。イネカルスをアグロバクテリウムと混合し、K2培地(N6−1−アラニン 20ml/L,N6−2−アラニン 50ml/L,N6−3−アラニン 1ml/L,N6−4−アラニン 10ml/L,N6−ビタミン 1ml・L,ショ糖 3.75g,グルコース 10g/L,カザミノ酸 0.3g/L,2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(100mg/L) 20ml,ジェランガム 3g/L,(pH 5.2))に広げ、3日間、25℃、暗所に静置した。回収したイネカルスから、洗浄バッファーでアグロバクテリウムを除去した後、カルベニシリン(400μg/ml)とハイグロマイシン(50μg/ml)を含むK2培地に置床し、30℃、10日間培養した。その後、イネカルスをカルベニシリン(300μg/ml)とハイグロマイシン(50μg/ml)を含むK2培地に置床し、遺伝子導入体を選抜した。
iii) タンパク質の調製
8個体のイネカルスについて、イネカルス(10mg)をバッファー(50mM酢酸ナトリウム(pH7.0),300mM塩化ナトリウム)中において細胞を破砕した後、遠心分離(5,000rpm,5min)により上清を回収した。上清を限外ろ過により濃縮・脱塩した後、ウエスタンブロットおよび酵素活性測定に供した。
iv) ウエスタンブロット
上清に含まれるタンパク質をSDS-PAGEにより分離した後、PVDFメンブレンに転写した。His-tagに対する抗体を用いてウエスタンブロットを行った。8個体のイネカルスについて実施したウエスタンブロットの結果を、図19に示す。図19の番号1〜8は、8個体のイネカルスのそれぞれを示している。
v) 酵素活性
ウエスタンブロットによりシグナルが検出された図19の番号1のイネカルス由来の上清に、7種の多糖基質(1,3−1,4−βグルカン、キシラン、キシログルカン、ラミナリン、グルコマンナン、PSC(リン酸膨潤セルロース)、パラミロン)各0.1%、バッファー(100mM酢酸バッファー(pH6.0))をそれぞれ加え、30℃、18時間静置した。各反応液にp-hydroxybenzoic acid hydrazideを加え、5分間煮沸した後、410nmの吸光度を測定することにより増加した還元力を決定した。測定結果を、図20に示す。
vi) 結果
以上のように、イネカルス8個体からタンパク質を調製し、His-tag に対する抗体を用いてウエスタンブロットを行った結果、図19に示すように、EgCel81Aの生産が認められる5個体のイネカルス(番号1,2,4,5,7)が得られた。
また、イネカルス(番号1)から調製したタンパク質を用いて加水分解活性を調べた結果、図20に示すように、1,3−1,4−β−グルカンおよびラミナリンに対する加水分解活性が顕著に認められた。これらの多糖には共通してβ−1,3−結合が含まれているため、EgCel81Aはエンド−1,3−β−グルカナーゼであることが分かった。

Claims (10)

  1. ユーグレナ(Euglena)属に由来し、以下の性質を示すエンド−1,3−β−グルカナーゼ:
    (1)作用:アルカリ膨潤パラミロンのβ−1,3−結合をエンド型様式で加水分解する。
    (2)アルカリ膨潤パラミロンに対する加水分解反応の主生成物が直鎖オリゴ糖である。
    (3)基質特異性:少なくとも、パラミロンを分解する。
    (4)分解活性:ラミナリン分解活性に対するパラミロン分解活性の比率が、20%以上である。
    (5)至適pH:3.7〜7.0。
    (6)至適温度:30〜70℃。
    (7)分解活性:アルカリ膨潤パラミロン分解活性に対するパラミロン分解活性の比率が、25%以上である。及び、
    (8)ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法による分子量:3437kDaである。
  2. 前記パラミロンに加えて、更に、ラミナリン及びアルカリ処理ユーグレナ中に含まれるアルカリ膨潤パラミロンを分解する基質特異性を有し、
    1時間までの反応時間における至適温度が、50℃以上、1時間から2時間までの反応時間における至適温度が、40℃以上、20時間以上の反応時間における至適温度が、60℃以下であることを特徴とする請求項記載のエンド−1,3−β−グルカナーゼ。
  3. 下記(a)又は(b)の何れかのアミノ酸配列からなるエンド−1,3−β−グルカナーゼ。
    (a)配列番号2で表されるアミノ酸配列;
    (b)配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列であって、アルカリ膨潤パラミロンのβ−1,3−結合のエンド型の加水分解活性を有し、アルカリ膨潤パラミロンに対する加水分解反応の主生成物が直鎖オリゴ糖であるアミノ酸配列
  4. 以下の(a)又は(b)の何れかの塩基配列からなるポリヌクレオチド。
    (a)配列番号1で表される塩基配列;
    (b)配列番号1で表される塩基配列において、1又は数個の塩基が欠失、置換もしくは付加された塩基配列であって、かつ、アルカリ膨潤パラミロンのβ−1,3−結合のエンド型の加水分解活性を有し、アルカリ膨潤パラミロンに対する加水分解反応の主生成物が直鎖オリゴ糖であるタンパク質をコードする塩基配列
  5. 請求項に記載のポリヌクレオチドを含む組換えベクター。
  6. 請求項に記載の組換えベクターを有する形質転換体。
  7. 請求項に記載の形質転換体を培地に培養し、培養物中に請求項1乃至4いずれか記載のエンド−1,3−β−グルカナーゼを生成蓄積させ、前記培養物から前記エンド−1,3−β−グルカナーゼを採取することを特徴とするエンド−1,3−β−グルカナーゼの製造方法。
  8. 請求項1乃至いずれか記載のエンド−1,3−β−グルカナーゼを含有することを特徴とするパラミロンを低分子化するための酵素製剤。
  9. 前記アルカリ膨潤パラミロン又はアルカリ処理ユーグレナに、請求項1乃至いずれか記載のエンド−1,3−β−グルカナーゼを作用させて、重合度2以上の直鎖オリゴ糖を含む低分子化パラミロンを生成させることを特徴とする低分子化パラミロンの製造方法。
  10. Fe,Mn,Ni,Cu,Coからなる群の金属イオンが実質的に混入していない液中で、前記アルカリ膨潤パラミロン又は前記アルカリ処理ユーグレナに、前記エンド−1,3−β−グルカナーゼを作用させると共に、
    前記アルカリ膨潤パラミロン又は前記アルカリ処理ユーグレナに、前記エンド−1,3−β−グルカナーゼと共に、グルコシダーゼを作用させて、前記低分子化パラミロンの主生成産物として、グルコースを生成させることを特徴とする請求項9記載の低分子化パラミロンの製造方法。
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