JP4574245B2 - 麹菌由来の細胞壁分解新規酵素の遺伝子、及び該酵素の製造方法 - Google Patents

麹菌由来の細胞壁分解新規酵素の遺伝子、及び該酵素の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、β-1,3-グルカナーゼ活性を有する新規な酵素(エキソ及びエンド-β-1,3-グルカナーゼ)をコードする遺伝子又はDNA、これらを含む組換えベクター、該組換えベクターを含む微生物、並びに、β-1,3-グルカナーゼ活性を示す新規な酵素、及び、該酵素を生産する方法等に関わるものである。
β-1,3-グルカンは体内の免疫作用をつかさどる細胞の働きを活性化するとされ、注射型の抗がん剤に使われており、血管を巡って肝臓等の臓器で免疫担当細胞を刺激し、体の免疫力を高めることが確認されている(Sugawara等、Cancer. Immnnol. Immunother. 16:137 1984) 。しかしながら、高分子のβ-1,3-グルカンのままでは、その作用効果はほぼなく低分子化することにより、抗腫瘍活性を有するβ-1,3-グルカンに変換する(Kojima等、Agric. Biol. Chem. 50:231-232 1986) 。
従来、β-1,3-グルカンを低分子化するための技術としては、酸、熱、超音波処理方法がある。部分酸加水分解による低分子化は、ギ酸等の人体に好ましくない物質を使用するため必ずしも安全とは言えず、しかも分子量を均一化するためには厳密な処理を必要とするなどの問題を抱えている。一方、医薬品として販売されているソニフィランが使用している超音波処理法は、コストがかかる問題を抱えている。
Sugawara等、Cancer.Immnnol. Immunother. 16:137 1984 Kojima等、Agric.Biol. Chem. 50:231-232 1986
ところで、麹菌は米国Department of Agriculture (USDA)においてGenerally Recognized as Safe (GRAS)としてリストとされており、麹菌の生産する酵素は、食物に添加する場合の安全性が高い。その一種であるアスペルギルス・オリゼも長年発酵・醸造・酵素生産等に利用されており、人体に対して安全性の高い微生物である。
そこで、本発明において、このように安全性の高いアスペルギルス・オリゼから、β-1,3-グルカン分解能を有する新規な酵素(エキソ及びエンド-β-1,3-グルカナーゼ)を探索することを試みた。
即ち、本発明は、新規なエキソ及びエンド-β-1,3-グルカナーゼをコードする遺伝子を単離することを目的とする。また、該遺伝子を含む組換えベクター、該ベクターによって形質転換された微生物(形質転換体)、及び、該遺伝子の発現を増強した微生物を得ることを目的とする。さらには、該蛋白質を用いたβ-1,3-グルカンの低分子化を目的とする。
本発明者はこれまでに述べたアスペルギルス・オリゼの優れた点に着目し、この菌体からβ-1,3-グルカナーゼをコードする遺伝子を取得し、該遺伝子がコードする酵素反応により、安全にかつ簡便にβ-1,3-グルカンの低分子化システムを構築すべく研究し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明者は、アスペルギルス・オリゼ由来のエキソ及びエンド-β-1,3-グルカナーゼ遺伝子の探索に成功し、該アミノ酸配列に対応する塩基配列を決定した。さらに該遺伝子を導入した形質転換株を作製し、新規エキソ及びエンド-β-1,3-グルカナーゼの発現に成功した。
本発明は第一に、以下の(1)及び(2)の遺伝子に係る。
(1)下記のいずれか一つに示す蛋白質をコードする遺伝子。
(a)アスペルギルス・オリゼ由来の分子量62kDを有するβ−1,3−グルカナーゼ、
(b)配列番号2で示されるアミノ酸配列からなる蛋白質、
(c)配列番号2で示されるアミノ酸配列において、1個若しくは数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入または転移を含むアミノ酸配列からなり、かつエキソ−β-1,3-グルカナーゼ活性を有する蛋白質、及び
(d)配列番号2で示されるアミノ酸配列と80%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列を含む蛋白質またはその部分断片であり、かつエキソ−β-1,3-グルカナーゼ活性を有する蛋白質。
(2)下記のいずれか一つに示すDNAを含む遺伝子。
(a)配列番号1に示される塩基配列からなるDNA、
(b)配列番号1に示される塩基配列またはその相補鎖を含む核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつエキソ−β-1,3-グルカナーゼ活性を有する蛋白質をコードするDNA、及び
(c)配列番号1に示される塩基配列のDNAと80%以上の配列同一性を示すDNAまたはその部分断片であり、かつエキソ−β-1,3-グルカナーゼ活性の機能を有する蛋白質をコードするDNA。
以上の遺伝子は、エキソ−β-1,3-グルカナーゼ活性を有する蛋白質をコードすることを特徴とする。
本発明は、第二に、以下の(3)及び(4)の遺伝子に係る。
(3)下記のいずれか一つに示す蛋白質をコードする遺伝子。
(a)アスペルギルス・オリゼ由来の分子量80kDを有するβ−1,3−グルカナーゼ、
(b)配列番号4で示されるアミノ酸配列からなる蛋白質、
(c)配列番号4で示されるアミノ酸配列において、1個若しくは数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入または転移を含むアミノ酸配列からなり、かつエンド−β-1,3-グルカナーゼ活性を有する蛋白質、及び
(d)配列番号4で示されるアミノ酸配列と80%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列を含む蛋白質またはその部分断片であり、かつエンド−β-1,3-グルカナーゼ活性を有する蛋白質。
(4)下記のいずれか一つに示すDNAを含む遺伝子。
(a)配列番号3に示される塩基配列からなるDNA、
(b)配列番号3に示される塩基配列またはその相補鎖を含む核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつエンド−β-1,3-グルカナーゼ活性を有する蛋白質をコードするDNA、及び
(c)配列番号3に示される塩基配列のDNAと80%以上の配列同一性を示すDNAまたはその部分断片であり、かつエンド−β-1,3-グルカナーゼ活性の機能を有する蛋白質をコードするDNA。
以上の遺伝子は、エンド−β-1,3-グルカナーゼ活性を有する蛋白質をコードすることを特徴とする。
本発明は、第三に、以上のいずれかの遺伝子を含有してなる組換えベクター、該組換えベクターを含む微生物、及び、。該微生物を最適な培地で培養し、その培養物からエキソ又はエンド-β-1,3-グルカナーゼを採取することを特徴とするエキソ又はエンド-β-1,3-グルカナーゼの製造方法に係る。
更に、本発明は、下記のいずれか一つに示す蛋白質に係る。
(a)アスペルギルス・オリゼ由来の分子量62kDを有するβ−1,3−グルカナーゼ、
(b)配列番号2で示されるアミノ酸配列からなる蛋白質、
(c)配列番号2で示されるアミノ酸配列において、1個若しくは数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入または転移を含むアミノ酸配列からなり、かつエキソ−β-1,3-グルカナーゼ活性を有する蛋白質、及び
(d)配列番号2で示されるアミノ酸配列と80%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列を含む蛋白質またはその部分断片であり、かつエキソ−β-1,3-グルカナーゼ活性を有する蛋白質。
以上の蛋白質はエキソ−β-1,3-グルカナーゼ活性を有することを特徴とする。
更に、本発明は、下記のいずれか一つに示す蛋白質に係る。
(a)アスペルギルス・オリゼ由来の分子量80kDを有するβ−1,3−グルカナーゼ、
(b)配列番号4で示されるアミノ酸配列からなる蛋白質、
(c)配列番号4で示されるアミノ酸配列において、1個若しくは数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入または転移を含むアミノ酸配列からなり、かつエンド−β-1,3-グルカナーゼ活性を有する蛋白質、及び
(d)配列番号4で示されるアミノ酸配列と80%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列を含む蛋白質またはその部分断片であり、かつエンド−β-1,3-グルカナーゼ活性を有する蛋白質。
以上の蛋白質はエンド−β-1,3-グルカナーゼ活性を有することを特徴とする。これらの蛋白質はアスペルギルス・オリエから当業者に公知の任意の方法によって精製したり、又は、上記の製造方法により、組換え蛋白質として得ること出来る。
本発明は更に、上記組換え発現ベクターを含む微生物、その培養物、及び/又は本発明の組換え蛋白質を含む食品にも係る。このような食品においては、本発明の蛋白質が有するβ-1,3-グルカナーゼ活性により、食品に含まれるβ-1,3-グルカンの低分子化が促進される。
従って、本発明は、これら微生物、その培養物、及び/又は蛋白質をβ-1,3-グルカンに作用させることによって、低分子化β-1,3-グルカンを製造する方法にも係る。このような作用は、β-1,3-グルカンが含まれる食品、又は、β-1,3-グルカンが含まれる適当な反応系において上記各物質を共存させ、酵素反応を行わせることによって容易に達成することが出来る。
本発明によって、アスペルギルス・オリゼ由来の新規なエキソ及びエンド-β-1,3-グルカナーゼをコードする遺伝子及びアミノ酸配列を明らかにした。さらに、該遺伝子を含む組換えベクターによって形質転換された形質転換体微生物はβ-1,3-グルカナーゼ活性を有していた。
更に、大腸菌形質転換体からの新規エンド−β−1,3−グルカナーゼの精製し、その組み換え蛋白質の基質特異性、至適pH、pH安定性、至適温度、温度安定性、及び比活性等の諸特性を検討し、更に、該酵素が確かにエンド型酵素であることをHPLC分析によって確認した。
本発明の遺伝子
ゲノム解析により得られた配列情報を、BLASTサーチにかけることにより新規エキソ-β-1,3-グルカナーゼ遺伝子およびエンド-β-1,3-グルカナーゼ遺伝子の情報を取得する。この情報に基づきアスペルギルス・オリゼRIB40株(ATCC42149)よりtotal
RNAを抽出し、mRNAに精製を行った後RT-PCRに供することによりcDNAを増幅する。得られたDNA断片をベクターにクローニングした後塩基配列の決定し、蛋白質としての翻訳領域を決定する。
更に、本発明遺伝子は当業者に公知の方法で調製することが出来る。
例えば、本明細書に記載された本発明DNAの塩基配列又はアミノ酸配列の情報に基づき適当なプライマーを合成し、これらを用いて、アスペルギルス・オリゼのtotal RNAから当業者に公知の任意の方法で調製した適当なcDNAライブラリーに対して、PCRにより増幅して調製することも出来る。
PCRは当業者に周知の条件及び手段を用いて、本発明の増幅用プライマーセットを使用して行うことが出来る。
例えば、94℃で2分の後、94℃で10秒、55℃で20秒、72℃で2分を30サイクル行い、最後に72℃で5分を行う。なお、サーマルサイクラーとしては、Perkin Elmer社製9600など一般のサーマルサイクラーを用いることができる。耐熱性 DNAポリメラーゼとしては、ExTaq DNA Polymerase(宝酒造製)などの一般の市販品を用い、反応液の組成はポリメラーゼに添付の説明書に従って実施する。
或いは、上記塩基配列に基づいて作成した適当なプローブでcDNAライブラリーに対してハイブリダイゼーションによりスクリーニングすることによって得ることが出来る。
更に、当業者に周知の化学合成によって、本発明の各遺伝子を調製することも出来る。
本明細書において、「ストリンジェントな条件下」とは、例えば、温度60℃〜68℃において、ナトリウム濃度150〜900mM、好ましくは600〜900mM、pH 6〜8であるような条件を挙げることが出来る。
従って、このようなストリンジェントな条件下でハブリダイズするDNAの代表的な例として、各塩基配列間の同一性の程度が、例えば、全体の平均で約80%以上、好ましくは約90%以上、より好ましくは約95%以上であるような、高い配列同一性を有するDNA又はその断片であって、所定のβ-1,3-グルカナーゼ活性を有する蛋白質をコードするDNAを挙げることができる。
尚、塩基配列間の同一性は、当業者に公知のアルゴリズム、例えば、実施例で使用されているBlast を用いて決定することができる。
ハイブリダイゼーションは、例えば、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー(Current protocols in molecular biology(edited by Frederick M. Ausubel et al., 1987))に記載の方法等、当業界で公知の方法あるいはそれに準じる方法に従って行なうことができる。また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。
本発明の蛋白質
本発明の蛋白質のアミノ酸配列において、1個若しくは数個のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入または転移を含むアミノ酸配列を有する蛋白質であって、所定のβ-1,3-グルカナーゼ活性を有するものは、当業者に公知の任意の方法、例えば、部位特異的変異導入法、遺伝子相同組換え法、プライマー伸長法、及びPCR法等の当業者に周知の方法を適宜組み合わせて、容易に作成することが可能である。
尚、その際に、実質的に同等の機能を有するためには、当該ポリペプチドを構成するアミノ酸のうち、同族アミノ酸(極性・非極性アミノ酸、疎水性・親水性アミノ酸、陽性・陰性荷電アミノ酸、芳香族アミノ酸など)同士の置換が可能性として考えられる。又、実質的に同等の機能の維持のためには、本発明の各ポリペプチドに含まれる機能ドメイン内のアミノ酸は保持されることが望ましい。
更に、本発明の蛋白質として、本明細書に記載の特定のアミノ酸配列と、全体の平均で約80%以上、好ましくは約90%以上、より好ましくは約95%以上であるような、高い配列同一性を有するアミノ酸配列を含む蛋白質又はその断片であって、所定のβ-1,3-グルカナーゼ活性を有するものを挙げることができる。
尚、アミノ酸配列間の同一性も、当業者に公知のアルゴリズム、例えば、実施例で使用されているBlast を用いて決定することができる。
尚、β-1,3-グルカナーゼ活性は、本明細書の実施例に記載さえている方法で測定することが出来る。
本発明の遺伝子の発現
上記で得られた本発明遺伝子を当業者に公知の任意の方法によって組換えベクターに組み込み、本発明の組換え発現ベクターを作成することが出来る。
例えば、(1)本発明の遺伝子を含有するDNA断片を切り出し、(2)該DNA断片を適当な組換えベクター中の制限酵素部位又はマルチクローニングサイトに挿入して該ベクターに連結する挿入することにより製造することができる。組換えベクターに特に制限はなく、例えば、麹菌由来のプラスミド(例えば、pSal23, pTAex3, pNGU113, pRBG1, pGM32, pSE52, pNAGL142等)、大腸菌由来のプラスミド(例、pT7Blue T−Vector、pRSET、pBR322、pBR325、pUC18、pUC118)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB110、pTP5、pC194)、及び、酵母由来プラスミド(例、pSH19、pSH15)、等の組換えベクター等を利用することが出来る。
上記組換えベクターには、以上の他に、本発明の転写調節配列の活性を損なわない限り、所望により当該技術分野で公知のプロモーター等の各種転写調節要素、シャイン・ダルガルノ配列、選択マーカー、転写終結シグナル等を付加することができる。また、必要に応じて、本発明の外来遺伝子にコードされた所望の蛋白質を他の蛋白質又はペプチド(例えば、グルタチオンSトランスフェラーゼ、ヒスチジンタグ、カルモデュリンバインディング蛋白質、及びプロテインA等)との融合蛋白質として発現させることも可能である。このような融合蛋白質は、適当なプロテアーゼを使用して切断し、それぞれの蛋白質に分離することが出来る。
本発明の遺伝子が有効に発現される限り、本発明の組換え発現ベクターを有する微生物(形質転換体)を調製するために使用する宿主の種類及び由来等に特に制限はないが、特に、本発明の換え発現ベクターを含む微生物、その培養物、及び/又は本発明の蛋白質を食品に添加する場合には、麹菌、サッカロマイセス・セレビシエ(パン酵母)、及びバシラス・サブチリス(納豆菌)のような、当業者に公知の人体に対して安全性の高い微生物を宿主として使用する。その他、具体的には、GRASにはリストされている以下のような微生物を挙げることが出来る。
Pseudomonas fluorescens、Laminaria japonica、Fusarium oxysporum、Streptoverticillium mobaraense、Kluyveromyces marxianus、Candida rugosa、Streptoverticillium mobaraense、Thermomyces lanuginosus、Aspergillus sojae、及び、Aspergillus aculeatus 等。
これら宿主細胞の形質転換は、例えば、塩化カルシウム法、パーティクルガン、エレクトロポレーション法等の、当該技術分野で公知の方法に従って行うことが出来る。例えば、以下に記載の文献を参照することが出来る。Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 69巻、2110(1972); Gene, 17巻、107(1982);Molecular & General Genetics,168巻, 111(1979);Methods in Enzymology,194巻、182−187(1991);Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、75巻、1929(1978);細胞工学別冊8 新細胞工学実験プロトコール。263−267(1995)(秀潤社発行);及びVirology、52巻、456(1973)。
このようにして得られた、本発明の形質転換体は、当該技術分野で公知の方法に従って培養することが出来る。
本発明における蛋白質の製造に際しては、当業者に公知の方法を適宜選択することができる。例えば、該蛋白質を含む培養液から、例えば、各種クロマトグラフィーカラム、フィルター、限外濾過、塩析、溶媒沈殿、溶媒抽出、蒸留、免疫沈降、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動、等電点電気泳動法、透析、再結晶等の当業者に公知の方法を適宜選択、組み合わせることによって、実質的に純粋で均一な蛋白質として分離、精製することができる。
更に、蛋白質をグルタチオン S-トランスフェラーゼ蛋白質との融合蛋白質、又はヒスチジンを複数付加させた組換え蛋白質として発現させた場合には、発現させた組換え蛋白質はグルタチオンカラムあるいはニッケルカラムを用いて精製することができる。融合蛋白質の精製後、必要に応じて、目的の蛋白質以外の領域を、トロンビンまたはファクターXaなどにより切断し、除去することも可能である。或いは、トリプシン、キモトリプシン、リシルエンドペプチダーゼ、プロテインキナーゼ、グルコシダーゼ等の適当な蛋白質修飾酵素で、精製前又は精製後に蛋白質を処理することにより、任意に修飾を加えたり部分的にペプチドを除去することもできる。
以下の実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本説明はこれらによって制限されるものではない。
黄麹菌アスペルギルス・オリゼの新規エキソ-β-1,3-グルカナーゼcDNAの増幅と塩基配列の決定
本遺伝子のcDNAの塩基配列を決定するためにRT-PCRによるcDNAの増幅を試みた。アスペルギルス・オリゼ RIB40株の胞子をYPD培地(1%イーストエキストラクト、2%バクトペプトン、2%グルコース、0.5%リン酸1カリウム、0.05%硫酸マグネシウム)100mlで30℃、20時間振とう培養した後、菌体を貧栄養培地(0.3%硝酸ナトリウム、0.1%リン酸1カリウム、0.2%塩化カリウム、0.05%硫酸マグネシウム、4%塩化ナトリウム)に移し、30℃、6時間さらに培養した。その後、菌体を回収し、Chigwinらの方法(Biochemistry 18 5294-5299, (1979))に従ってtotal RNAを得、その後オリゴ(dT)セルロースカラム(アマシャム社)を使用してmRNAを取得した。その後、逆転写反応のプライマーにオリゴ(dT)12-18プライマー(インビトロジェン社)、逆転写酵素にSuperScriptII RNaseH- Reverse Transcriptase(インビトロジェン社)使用し、ファーストストランドcDNAの合成を行った。続いて、ファーストストランドcDNAを鋳型にし、PCR反応を行い完全長cDNAの取得を行った。
次に、アスペルギルス・オリゼRIB40株(ATCC42149)のゲノム解析により得られたDNA配列情報を、NCBI blastx(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLASX/)にかけることによりアスペルギルス・オリゼのエキソ-β-1,3-グルカナーゼ遺伝子であると推定される塩基配列の情報に基づき、以下の塩基配列からなる2つのプライマーを作成した。
5’-ATGGAGGGCTCCGATGCACAACCGCCGTTC-3’(配列番号5)
5’-TTAATAATATTCCGGTAAATCCCCGAAACT-3’(配列番号6)
PCR反応はExpand HF (ロシュ.ダイアグノスティックス社)を使用し、DNA Thermal Cycler (宝酒造社)により行った。反応液の組成は以下の通りである。
Figure 0004574245
上記の反応液50 μlを0.2 ml反応チューブ中で混合してDNA Thermal Cyclerにセットし、以下の様な温度設定によりPCRを行った。
94℃、3分 1サイクル
94℃、1分 55℃、2分 72℃、2分 30サイクル
72℃、7分 1サイクル
増幅産物を1.0%アガロースゲル電気泳動で確認し、DNA断片を電気泳動によって単離、精製しTAクローニングベクターpT7Blue T-Vector(ノバジェン社)に連結して大腸菌JM109(ニッポンジーン社)にクローニングした。このクローンからプラスミドを調製してクローニングしたDNA断片の塩基配列を解析した。麹菌ゲノム解析で決定した染色体DNA由来の塩基配列と比較して抜けている部分をイントロンとして決定した。
このcDNAの塩基配列を解析した結果、1650 bpからなるオープンリーディングフレームの存在が明らかとなった。この塩基配列は配列番号1に示す。 麹菌ゲノム解析により得られた染色体DNA由来の本蛋白質遺伝子及びcDNAを比較した結果、染色体DNA上には52 bpと74 bpからなるイントロンが2つ存在することが確認された。上記塩基配列から推定されるアミノ酸配列を配列表2に記載した。このアミノ酸配列を公知のアミノ酸配列データベースに対して配列同一性の高い配列を検索した。その結果、一致する配列は無く、最も高い配列同一性を示したのは、シゾサッカロマイセス・ポンベのExgH蛋白質(ACCESSION Q10444)と約42.4%のホモロジーを有していることを確認し、本遺伝子AoexgH遺伝子であると結論付けた。
黄麹菌アスペルギルス・オリゼの新規エンド-β-1,3-グルカナーゼcDNAの増幅と塩基配列の決定
本遺伝子のcDNAの塩基配列を決定するためにRT-PCRによるcDNAの増幅を試みた。アスペルギルス・オリゼ RIB40株の胞子をYPD培地100mlで30℃、20時間振とう培養した後、菌体を貧栄養培地に移し、30℃、6時間さらに培養した。その後、菌体を回収し、Chigwinらの方法(Biochemistry 18 5294-5299, (1979))に従ってtotal RNAを得、その後オリゴ(dT)セルロースカラムを使用してmRNAを取得した。その後、逆転写反応のプライマーにオリゴ(dT)12-18プライマー、逆転写酵素にSuperScriptII RNaseH- Reverse Transcriptase使用し、ファーストストランドcDNAの合成を行った。続いて、ファーストストランドcDNAを鋳型にし、PCR反応を行い完全長cDNAの取得を行った。
次に、実施例1と同様に、アスペルギルス・オリゼのエンド-β-1,3-グルカナーゼ遺伝子であると推定される塩基配列の情報に基づき、以下の塩基配列からなる2つのプライマーを作成した。
5’-ATGGCGACAATGGCAAACGGTCAAGATGTG-3’ (配列番号7)
5’-CTATATATTGTTAGTGGTGCTAATGAACCC-3’ (配列番号8)
PCR反応はExpand HFを使用し、DNA Thermal Cyclerにより行った。反応液の組成は以下の通りである。
Figure 0004574245
上記の反応液50 μlを0.2 ml反応チューブ中で混合してDNA Thermal Cyclerにセットし、以下の様な温度設定によりPCRを行った。
94℃、3分 1サイクル
94℃、1分 50℃、2分 72℃、2分 35サイクル
72℃、7分 1サイクル
増幅産物を1.0%アガロースゲル電気泳動で確認し、DNA断片を電気泳動によって単離、精製しTAクローニングベクターpT7Blue T-Vectorに連結して大腸菌JM109にクローニングした。このクローンからプラスミドを調製してクローニングしたDNA断片の塩基配列を解析した。麹菌ゲノム解析で決定した染色体DNA由来の塩基配列と比較して抜けている部分をイントロとして決定した。
このcDNAの塩基配列を解析した結果、2211 bpからなるオープンリーディングフレームの存在が明らかとなった。この塩基配列は配列番号3に示す。 麹菌ゲノム解析により得られた染色体DNA由来の本蛋白質遺伝子及びcDNAを比較した結果、染色体DNA上には50 bp、50 bp、79 bpからなるイントロンが3つ存在することが確認された。上記塩基配列から推定されるアミノ酸配列を配列表4に記載した。このアミノ酸配列を公知のアミノ酸配列データベースに対して配列同一性の高い配列を検索した。その結果、一致する配列は無く、最も高い配列同一性を示したのは、アスペルギルス・フミガタスのEngL1蛋白質(ACCESSION AF121133)と約74%のホモロジーを有していることを確認し、本遺伝子AoengL遺伝子であると結論付けた。
新規エキソ-β-1,3-グルカナーゼ遺伝子の大腸菌での発現
上記で取得したcDNAを鋳型としてPCRを行い、新規エキソ-β-1,3-グルカナーゼ遺伝子のORFを含むDNA断片を取得した。プライマーには該遺伝子の塩基配列に基づき作成した次の2つの塩基配列のものを用いた。
5’-CTAGCTAGCATGGAGGGCTCCGATGCACA-3’(配列番号9)
5’-CCGCTCGAGATAATATTCCGGTAAATCCC-3’(配列番号10)
各プライマーには5’側にNheI,3’側にXhoIの制限酵素認識配列を含むような改変を加えてある。PCR反応はExpand HFを使用し、DNA Thermal Cyclerにより行った。反応液の組成は以下の通りである。
Figure 0004574245
上記の反応液50 μlを0.2 ml反応チューブ中で混合してDNA Thermal Cyclerにセットし、以下の様な温度設定によりPCRを行った。
94℃、3分 1サイクル
94℃、1分 50℃、2分 72℃、2分 25サイクル
72℃、7分 1サイクル
増幅産物を1.0%アガロースゲル電気泳動で確認し、DNA断片を電気泳動によって単離、精製しTAクローニングベクターpT7Blue T-Vectorに連結して大腸菌JM109にクローニングした。このクローンからプラスミドを調製してクローニングしたDNA断片の塩基配列を確認し、PCRによるエラーを含まない1クローンを取得した。このプラスミドをNheIおよびXhoIで消化し、1.0%アガロースゲル電気泳動で確認し、DNA断片を回収した。この断片をNheIおよびXhoIで消化したpET-21b(+)(ノバジェン社)とライゲーションし(図1)、大腸菌BL21-CodonPlus(DE3)-RIL株(ストラテジーン社)で形質転換を行った。形質転換体16クローンよりプラスミドを調整し、インサート断片の有無の確認を行ったところ、4クローンで挿入断片が確認された。
上記で取得した大腸菌形質転換体を、培地を入れた試験管に一晩培養した培養液を1/10量加え、20℃で20時間振盪培養した。培地成分は1%トリプトン、0.5%酵母エキス、1% 塩化ナトリウム、50 μg/mlアンピシリン、0.1 mM IPTGであった。菌体を集菌した後、超音波破砕機(コスモバイオ社)で破砕し、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供した。その結果、62 kDaの分子量を示す蛋白質が存在した(図2−A)。
上記破砕物を遠心し、上清をHis MicroSpin Purification Module(アマシャムファルマシア社)で精製を行った後、β-1,3-グルカナーゼの活性測定を行った。
β-1,3-グルカナーゼの活性測定は、基質にラミナリン(シグマ社)を使用してRachelらの方法(Gene 226 147-154, (1999))に従い、反応時間を1時間で活性測定を行った。測定結果は表1に示す。ベクターpET-21b(+)のみでは検出できなかったβ-1,3-グルカナーゼ活性が認められ、組換え大腸菌によるβ-1,3-グルカナーゼの生産が確認された。
尚、pExgHは独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに平成16年6月24日付で寄託し、受領番号FERM AP−20100が付されている。
新規エンド-β-1,3-グルカナーゼ遺伝子の大腸菌での発現
上記で取得したcDNAを鋳型としてPCRを行い、新規エンド-β-1,3-グルカナーゼ遺伝子のORFを含むDNA断片を取得した。プライマーには該遺伝子の塩基配列に基づき作成した次の2つの塩基配列のものを用いた。
5’-CTAGCTAGCATGGCGACAATGGCAAACGG-3’ (配列番号11)
5’-CCGCTCGAGGTTAGTGGTGCTAATGAACCC-3’ (配列番号12)
各プライマーには5’側にNheI,3’側にXhoIの制限酵素認識配列を含むような改変を加えてある。PCR反応はExpand HFを使用し、DNA Thermal Cyclerにより行った。反応液の組成は以下の通りである。
Figure 0004574245
上記の反応液50 μlを0.2 ml反応チューブ中で混合してDNA Thermal Cyclerにセットし、以下の様な温度設定によりPCRを行った。
94℃、3分 1サイクル
94℃、1分 50℃、2分 72℃、2分 25サイクル
72℃、7分 1サイクル
増幅産物を1.0%アガロースゲル電気泳動で確認し、DNA断片を電気泳動によって単離、精製しTAクローニングベクターpT7Blue T-Vectorに連結して大腸菌JM109にクローニングした。このクローンからプラスミドを調製してクローニングしたDNA断片の塩基配列を確認し、PCRによるエラーを含まない1クローンを取得した。このプラスミドをNheIおよびXhoIで消化し、1.0%アガロースゲル電気泳動で確認し,DNA断片を回収した。この断片をNheIおよびXhoIで消化したpET-21b(+)とライゲーションし(図1)、大腸菌BL21-CodonPlus(DE3)-RIL株で形質転換を行った。形質転換体16クローンよりプラスミドを調整し、インサート断片の有無の確認を行ったところ、6クローンで挿入断片が確認された。
上記で取得した大腸菌形質転換体を、培地を入れた試験管に一晩培養した培養液を1/10量加え、20℃で20時間振盪培養した。培地成分は1%トリプトン、0.5%酵母エキス、1% 塩化ナトリウム、50 μg/mlアンピシリン、0.1 mM IPTGであった。菌体を集菌した後、超音波破砕機で破砕し、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供した。その結果、80 kDaの分子量を示す蛋白質が存在した(図2−B)。
β-1,3-グルカナーゼの活性測定は、基質にラミナリン(シグマ社)を使用してRachelらの方法(Gene 226 147-154, (1999))に従い、反応時間を1時間で測定を行った。測定結果は表5に示す。ベクターpET-21b(+)のみでは検出できなかったβ-1,3-グルカナーゼ活性が認められ、組換え大腸菌によるβ-1,3-グルカナーゼの生産が確認された。
尚、pEngLは独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに平成16年6月24日付で寄託し、受領番号FERM AP−20099が付されている。
Figure 0004574245
大腸菌形質転換体からの新規エンド−β−1,3−グルカナーゼの精製
実施例4と同様に、新規エンド−β−1,3−グルカナーゼ遺伝子を発現させた大腸菌を液体培地で一晩振とう培養し、菌体を集菌した後、超音波破砕機(コスモバイオ社)で破砕し、遠心上清をHis MicroSpin Purification Module (アマシャムファルマシア社) で精製した。精製されたエンド−β−1,3−グルカナーゼをSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供した結果、80kDaの分子量を示した。
新規エンド−β−1,3−グルカナーゼの基質特異性
新規エンド−β−1,3−グルカナーゼ遺伝子を含む組換えベクターにより形質転換した大腸菌から精製された酵素溶液を用いて、β−1,3−グルカナーゼの基質特異性を調べた。新規エンド−β−1,3−グルカナーゼの基質特異性は、基質にラミナリン、キトサン、セロビオース、ゲンチビオース(Sigma社)、デキストラン、プスツラン、β-1,6-グルカン、カードラン(和光純薬工業株式会社)、を使用して実施例4と同様にRachel らの方法 (Gene,226,147-154, 1999) に従い、反応時間1時間で測定を行った。測定結果は表6に示す。β-1,3を主鎖とするラミナリン及びカードランにβ−1,3−グルカナーゼ活性が得られたことから、β−1,3−グルカナーゼの生産能をもつ組換え大腸菌であることが確認された。
Figure 0004574245
尚、以上の各実施例における酵素活性の測定は具体的には以下の方法に従った。酵素溶液30μL に3mg/mL、ラミナリン(Sigma社)等の基質を含む50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)を37℃で30分間反応した。その後、沸騰水中で5分間加熱して酵素を失活させた。この溶液にグルコース測定用キット(C-II−テストワコー、和光純薬工業株式会社)の発色剤を添加し、37℃で5分間加温させた後、505nmでの吸光度を測定した。
至適pH
3mg/mL、ラミナリン(Sigma社)を基質として50mMの酢酸ナトリウム緩衝液(pH2.0-10.0)に溶解し、上記酵素活性測定法に従い、相対活性を測定した。その結果、酵素活性のpHは5.0付近で最大となった。結果は表7に示す。
pH安定性
pH安定性を調べるために3mg/mLラミナリン(Sigma社)を含む50mMの酢酸ナトリウム緩衝液(pH2.0-10.0) を反応液として用いて37℃、1時間保持した後、上記の酵素活性測定法に従い、残存活性を測定した。その結果は、pH5.0-7.0の範囲でpH安定性を示した。結果は表7に示す。
至適温度
上記酵素活性測定法に従い、各温度(20-75℃) において相対活性を測定した。その結果、酵素活性は45℃で最大となった。結果は表7に示す。
温度安定性
3mg/mLラミナリン(Sigma社)を含む50mMの酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)中で
20-75℃、1時間の保持した後、上記酵素活性測定法に従い、残存活性を測定した。その結果、55℃までは90%以上安定性を示し、75℃までは約75%に残存率が低下し、それを超えると失活した。結果は表7に示す。
酵素活性の算出
新規エンド−β−1,3−グルカナーゼ活性は上記活性測定法に従い、酵素活性(U/mg)を算出した。1Uは、1分間当たり1μmoleの生成物を生成する酵素量と定義した。この酵素活性を算出するにあたり、あらかじめブラッドフォード法・プロテインアッセイ(BioRad社)を用いて酵素中に含まれるタンパク質量を求めた。酵素溶液800μLに対して200μL染色試薬を添加混合し、室温で5分後に静置した後595nmでの吸光度を測定した。総タンパク量、総活性、比活性を算出した結果を表7に示す。
酵素反応速度の解析
ラミナリン(Sigma社)を基質として、新規エンド−β−1,3−グルカナーゼの酵素反応のミカエリス定数(Km値)及び最大速度(Vmax値)を測定した。上記酵素活性測定法に従い、各基質濃度(0.1-10mg/mL)を加え反応させ、この反応液の505nmにおける吸光度を連続的に測定することにより ラミナリン分解活性を測定した。得られた結果より、ラインウィーバー・バークプロットを作成した結果、Km値は3.62mg/mLであり、Vmax値は75.02μmol/minであった。結果は表7に示す。
Figure 0004574245
エンド−β−1,3−グルカナーゼ処理による13糖ラミナリオリゴ糖のHPLC分析
上記により精製されたエンド−β−1,3−グルカナーゼ活性を有する新規な酵素を用いて、PA化13糖ラミナリオリゴ糖(生化学工業社)を基質として反応させて、その分解産物をHPLCにより検出した。その結果を図3及び図4に示す。PA化ラミナリオリゴ糖は10mM
酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)に200pmol/mLとなるように溶解した。1・3・10分間の0.1μg/mL酵素処理をした13糖ラミナリオリゴ糖における初期中間産物には3糖から10糖が検出され、その中で主要分解産物は7糖から10糖であることが確認された(図3)。また、1・3・10・60分間の10mg/mL酵素処理をしたラミナリオリゴ糖についての中期中間産物として2糖から9糖が確認され、さらに主要最終分解産物として2糖及び3糖が検出された(図4)。以上のHPLC分析の結果より、β−1,3−グルカナーゼはエンド型酵素であることが確認された。
麹菌発現ベクターの構築
アスペルギルス・オリゼのアミラーゼプロモーターを持つ発現ベクタープラスミドpMAR5(Biosci. Biotech. Biochem., 56:1674-1675, 1992)のマーカー遺伝子であるargB遺伝子を、アスペルギルス・オリゼのniaD遺伝子に交換したプラスミド(pAPTL)を作成した。このプラスミドは、niaD遺伝子を選択マーカーとして持ち、アミラーゼ遺伝子のプロモーターとターミネーターの間に7種類の制限酵素サイト(EcoRI, ClaI, NheI, NotI, SpeI, SmaI HindIII)もつ発現ベクターであり、制限酵素サイトにプロモーターと同じ方向で遺伝子のORFを組込み、麹菌を形質転換することにより、アミラーゼ遺伝子プロモーターの制御下で目的の遺伝子を発現することが出来る。
染色体DNAを鋳型としてPCRを行い、新規エンド-β-1,3-グルカナーゼ遺伝子のORFを含むDNA断片を取得した。プライマーには該遺伝子の塩基配列に基づき作成した次の2つの塩基配列のものを用いた。
5’-CTAGCTAGCATGGCGACAATGGCAAACGG-3’ (配列番号13)
5’-GGACTAGTCTATATATTGTTAGTGGTGCTA-3’ (配列番号14)
各プライマーには5’側にNheI,3’側にSpeIの制限酵素認識配列を含むような改変を加えてある。PCR反応はKOD-Plus-DNA polymerase(TOYOBO)を使用し、DNA Thermal Cyclerにより行った。反応液の組成は以下の通りである。
Figure 0004574245
上記の反応液50 μlを0.2 ml反応チューブ中で混合してDNA Thermal Cyclerにセットし、以下の様な温度設定によりPCRを行った。
95℃、2分 1サイクル
95℃、0.5分 58℃、0.5分 72℃、4分 30サイクル
72℃、4分 1サイクル
増幅産物をNheIおよびSpeIで消化し1.0%アガロースゲル電気泳動し、DNA断片を単離、回収を行なった。同一の酵素で消化を行なったpAPTLとライゲーションし、大腸菌JM109(ニッポンジーン社)に形質転換した。大腸菌形質転換体よりプラスミドを調整し、pEGOとした。pEGOは独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに平成16年6月24日付で寄託し、受領番号FERM AP−20101が付されている。
麹菌形質転換体の取得
pEGOを用いて、アスペルギルス・オリゼRIB326-15株(niaD欠損株)に形質転換を行なった。形質転換法は、プロトプラスト化した後ポリエチレングリコール及び塩化カルシウムを用いる方法(Mol. Gen. Genet., 218:99-104, 1989)によって行った。pEGOを20μg用いて形質転換し、CZ培地(DIFCO)で形質転換体を選択したところ、約50個のコロニーが得られた。このうち、12コロニーについて最少培地で単分生子分離を行い、形質の安定化を行った。これらの株の分生子を寒天培地上よりかき取り、YPD液体培地に植菌し30℃で24時間振とう培養した後、菌体を回収し、Wizard Genomic DNA Purification Kit (Promega)を使用して染色体DNAを取得した。取得した染色体DNAを用いて、サザンハイブリダイゼーションを行い目的の遺伝子が組み込まれたか確認を行なった。その結果、9株で遺伝子の導入が確認された。このうち1株をENG1とした。
新規エンド-β-1,3-グルカナーゼ遺伝子の麹菌での発現
ENG1株及び親株(エンド-β-1,3-グルカナーゼ関しては野生型)のアスペルギルス・オリゼRIB326-15株の分生子をYPD培地に接種し、30℃で24時間、振盪培養したのち、菌体を貧栄養培地に1%マルトースを加えた培地に移し、30℃で24時間さらに振盪培養した。菌体を集菌した後、液体窒素の入った乳鉢に移し、乳棒で粉砕した。粉砕された菌体の約半量を、5 mlの抽出バッファー(50 mMリン酸カリウムバッファー pH7.0, 10 mM エチレンジアミン4酢酸3ナトリウム, 0.1%トリトンX-100, 0.1% N-ラウロイルサルコシンナトリウム, 10 mM 2-メルカプトエタノール)に入れ、充分攪拌した後、10,000 rpm、10分間の遠心分離により、不溶物を沈殿させ、菌体破砕上清を回収した。この菌体破砕上清を用いてβ-1,3-グルカナーゼ活性測定を行なった。酵素活性測定方法等は上記記載に従った。その測定結果を表9にしめす。
Figure 0004574245
親株に比べENG1株では約2倍のβ-1,3-グルカナーゼ活性上昇が認められた。ENG1株においては、菌体内エンド-β-1,3-グルカナーゼの生産能が向上している事が明らかとなった。ENG1株は独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに平成16年6月24日付で寄託し、受領番号FERM AP−20098が付されている。
これらの遺伝子あるいは酵素該蛋白質を用いることにより、β-1,3-グルカンの安全かつ効率的な低分子化を達成し、抗腫瘍活性などで注目される水溶性β-1,3-グルカンおよびこれを含む食品の生産性を向上することが期待できる。
プラスミドの簡単な構築法を示す。 IPTGでインダクションをかけたもの、かけなかったものを集菌して超音波破砕した後のサンプルを用いて実施した、発現させた本発明蛋白質の10%のSDS-PAGEの結果を示す。 エンド−β−1,3−グルカナーゼ処理(0.1μg/mL)による13糖ラミナリオリゴ糖のHPLC分析の結果を示すチャートである。 エンド−β−1,3−グルカナーゼ処理(10mg/mL)による13糖ラミナリオリゴ糖のHPLC分析の結果を示すチャートである。

Claims (12)

  1. 下記のいずれか一つに示す蛋白質をコードする遺伝子:
    (a)配列番号2で示されるアミノ酸配列からなる蛋白質、
    (b)配列番号2で示されるアミノ酸配列において、1個若しくは数個のアミノ酸残基の置換、欠失、及び/又は、挿入を含むアミノ酸配列からなり、かつエキソ−β-1,3-グルカナーゼ活性を有する蛋白質。
  2. 下記のいずれか一つに示すDNAを含む遺伝子:
    (a)配列番号1に示される塩基配列からなるDNA、
    (b)配列番号1に示される塩基配列の相補鎖を含む核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつエキソ−β-1,3-グルカナーゼ活性を有する蛋白質をコードするDNA。
  3. 下記のいずれか一つに示す蛋白質をコードする遺伝子:
    (a)配列番号4で示されるアミノ酸配列からなる蛋白質、
    (b)配列番号4で示されるアミノ酸配列において、1個若しくは数個のアミノ酸残基の置換、欠失、及び/又は、挿入を含むアミノ酸配列からなり、かつエンド−β-1,3-グルカナーゼ活性を有する蛋白質。
  4. 下記のいずれか一つに示すDNAを含む遺伝子:
    (a)配列番号3に示される塩基配列からなるDNA、
    (b)配列番号3に示される塩基配列の相補鎖を含む核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつエンド−β-1,3-グルカナーゼ活性を有する蛋白質をコードするDNA。
  5. 請求項1ないし4記載の遺伝子を含有してなる組換え発現ベクター。
  6. 請求項5記載の組換え発現ベクターを含む微生物。
  7. 請求項6記載の微生物を培地で培養し、その培養物からエキソ又はエンド-β-1,3-グルカナーゼを採取することを特徴とするエキソ又はエンド-β-1,3-グルカナーゼの製造方法。
  8. 下記のいずれか一つに示す蛋白質:
    (a)請求項2記載の遺伝子によってコードされる蛋白質、
    (b)配列番号2で示されるアミノ酸配列からなる蛋白質、
    (c)配列番号2で示されるアミノ酸配列において、1個若しくは数個のアミノ酸残基の置換、欠失、及び/又は、挿入を含むアミノ酸配列からなり、かつエキソ−β-1,3-グルカナーゼ活性を有する蛋白質。
  9. 下記のいずれか一つに示す蛋白質:
    (a)請求項4記載の遺伝子によってコードされる蛋白質、
    (b)配列番号4で示されるアミノ酸配列からなる蛋白質、
    (c)配列番号4で示されるアミノ酸配列において、1個若しくは数個のアミノ酸残基の置換、欠失、及び/又は、挿入を含むアミノ酸配列からなり、かつエンド−β-1,3-グルカナーゼ活性を有する蛋白質。
  10. 請求項7記載の方法で得られた組換え蛋白質である、請求項8又は9記載の蛋白質。
  11. 請求項6記載の微生物、その培養物、及び/又は請求項10記載の蛋白質を含む食品。
  12. 請求項6記載の微生物、その培養物、及び/又は請求項8、9又は10記載の蛋白質をβ-1,3-グルカンに作用させることによって、低分子化β-1,3-グルカンを製造する方法。
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