JP5855410B2 - 窒化アルミニウム膜の形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、窒化アルミニウム膜の形成方法に関するものである。
近年、携帯電話器等の電子機器の高機能化に伴い、電子機器を構成する電子デバイスの動作の高速化が求められている。高速化の実現に向けて、電子デバイスの回路を高集積化する必要があり、回路を構成する、微細化されたパターンを形成する技術が求められている。
一般的なパターンは、リソグラフィ処理を行って形成される。すなわち、パターンを構成する被処理膜を、レジスト(光感光樹皮)で覆った上で露光し、レジストに所望のパターンを転写する。そして、パターン転写されたレジスト(レジストパターン)をマスクとしてエッチング処理を行い、パターン転写されていない部分のレジストとともに、被処理膜の不要な部分を除去することによって形成される。しかしながら、微細パターンを形成する場合に対応するレジストパターンは、アスペクト比が大きいため、壊れやすいことが問題となっている。
そこで、この問題を解決する方法として、ハードマスク法が適用されつつある(特許文献1)。ハードマスク法は、被処理膜とレジストとの間にハードマスクを配し、リソグラフィ処理を複数回行って、被処理膜のパターンを形成する方法である。ハードマスク法によれば、一旦、ハードマスクにレジストパターンを転写する。そして、パターン転写されたハードマスク(ハードマスクパターン)を用いてエッチング処理を行うことにより、パターン転写されていない部分のハードマスクを除去するとともに、被処理膜の不要な部分を除去することができる。
ハードマスクとしては、高アスペクト比のハードマスクパターンを形成する場合において、壊れにくい膜強度、エッチングムラが生じにくい膜構造、パターン位置の調整ずれが生じにくい膜応力を有することが求められる。特に、エッチングムラが生じにくい膜構造は、表面が平坦であるとともに、内部が均質である状態において、実現することができる。
ハードマスクを構成する材料としては、用途に応じて、SiO、SiN、SiC、TiN、TaN、AlN等が用いられ、これらの材料を成膜してハードマスクを形成する方法(成膜方法)としては、塗布法、CVD法、PVD法等が用いられる。そして、用いる材料と成膜方法との組み合わせは複数通り存在し、組み合わせごとに、ハードマスクが所望の膜質となるように制御する上で、最適な成膜プロセスが存在する。したがって、ハードマスクを形成する際には、形成されるハードマスクが、用途に応じた所望の膜質となるように制御することが可能な、成膜プロセスを見出すことが求められている。
特開2003−100871号公報
本発明は、以上のような点を考慮してなされたものであり、窒化アルミニウム膜を、表面が平坦であるとともに、内部が均質である状態となるように、PVD法を用いて基体の一面に形成することが可能な、窒化アルミニウム膜の形成方法を提供する。
また、本発明は、窒化アルミニウム膜を、表面が平坦であるとともに、内部が複数の柱状体で構成された状態となるように、PVD法を用いて基体の一面に形成することが可能な、窒化アルミニウム膜の形成方法を提供する。
また、本発明は、窒化アルミニウム膜を、表面に凸部を有する状態となるように、PVD法を用いて基体の一面に形成することが可能な、窒化アルミニウム膜の形成方法を提供する。
本発明の請求項1に係る窒化アルミニウム膜の形成方法は、基体の一面にスパッタリング法により窒化アルミニウム膜を形成する方法であって、前記窒化アルミニウム膜を形成する際に、アルミニウムからなるターゲットと、不活性ガスに窒素ガスを混合させてなるプロセスガスとを、少なくとも用い、前記不活性ガスの流量に対する前記窒素ガスの流量の比率が増えるにつれて、成膜時真空度が安定傾向から増加傾向へ移行する点A、および、成膜時電圧が減少傾向から安定傾向へ移行する点Bを決定する工程を行い、次いで、前記点Aと前記点Bとの間を遷移モード、と定義したとき、(1)前記遷移モードで成膜する、(2)前記遷移モードより低い、前記不活性ガスの流量に対する前記窒素ガスの流量の比率において成膜する、(3)前記遷移モードより高い、前記不活性ガスの流量に対する前記窒素ガスの流量の比率において成膜する、のうちの何れかを選択して成膜することを特徴とする。
本発明に係る窒化アルミニウム膜の形成方法によれば、不活性ガスの流量に対する窒素ガスの流量の比率を制御することができる。そのため、窒素分子を所望の割合で含む窒化アルミニウム分子を生成し、PVD法により、これを基体の一面(被処理面)に堆積させて、所望の膜質の窒化アルミニウム膜を形成することができる。特に、流量の比率が遷移モードとなるように制御した場合に、表面が平坦であるとともに、内部が均質である状態とした、ハーマスクの構成材料に適した窒化アルミニウム膜を形成することができる。
また、本発明に係る窒化アルミニウム膜の形成方法によれば、流量比率を、遷移モードより低くなるように制御した場合には、表面に凸部を有する状態の窒化アルミニウム膜を形成することができる。
また、本発明に係る窒化アルミニウム膜の形成方法によれば、流量比率を、遷移モードより高くなるように制御した場合には、表面が平坦であるとともに、内部が複数の柱状体で構成された状態の窒化アルミニウム膜を形成することができる。
本発明におけるデバイスの製造装置の断面図である。 ガスの流量比と、放電電圧および放電時の圧力の関係を示すグラフである。 (a)〜(d)低温における、AlN膜の表面状態を示すSEM画像である。 (a)〜(d)AlN膜の表面状態を示す、AFM画像および関連データである。 ガスの流量比と、AlN膜の応力の関係を示すグラフである。 (a)〜(d)高温における、AlN膜の表面状態を示す、SEM画像である。 (a)〜(d)AlN膜の表面状態を示す、AFM画像および関連データである。 ガスの流量比と、放電電圧および放電時の圧力の関係を示すグラフである。
以下、好適な実施形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
<第一実施形態>
図1は、第一実施形態に係るデバイスの製造装置100の断面図である。製造装置100は、スパッタリング処理用のチャンバ101と、チャンバ101内に配された、被処理基板(被処理体)103の支持台104と、支持台104の温度を制御する手段Tと、チャンバ101内に配されたアルミニウム(Al)からなるターゲット102と、支持台104とターゲット102との間に電圧を印加する手段(電圧印加手段)Eとを備えている。
また、製造装置100は、チャンバ101内を減圧するための排気手段105と、チャンバ101内における、支持台104とターゲット102との間の領域に、プラズマ雰囲気Pを発生させるために導入する、不活性ガスに窒素分子(N2)を混合させてなるプロセスガスの供給手段(ガス供給手段)106と、チャンバ101とガス供給手段106との間に配され、プロセスガスにおける窒素分子の混合比を制御する手段(ガス制御手段)107とを備えている。
図1に示した製造装置100を用いたデバイスの製造方法について、説明する。まず、チャンバ101内は排気手段105により予め減圧しておく。そこに被処理基板103を搬入し、不活性ガスに窒素分子を混合させてなるプロセスガスの雰囲気とする。
プロセスガスは、ガス供給手段106により供給され、ガス制御手段107を介して、窒素分子がプロセスガスに所望の割合で含まれるように制御した上で、チャンバ101内に導入される。なお、チャンバ101内に搬入された時点で、被処理基板の一面103aには、ハードマスクを用いて加工処理される、被処理膜(不図示)が形成されているものとする。
そして、ターゲット102に、電圧印加手段Eを用いて電圧を印加し、プラズマ励起させたガス雰囲気Pに含まれる窒素イオンと、ターゲット102を構成するアルミニウム原子とを反応させることにより、ターゲット102の表面に、窒化アルミニウム分子(AlN)を生成させる。そして、生成されたAlN分子からなるAlN膜を、スパッタリング法を用いて被処理膜上に形成する。
形成されるAlN膜が所望の膜質となるように制御するための成膜プロセスについて説明する。図2は、スパッタリング処理を行う際に用いる、不活性ガスの流量に対する窒素ガスの流量比率と、成膜時の放電電圧との関係を示す二本のグラフ(1)、(2)および窒素ガスの流量比率と、チャンバ101内の圧力との関係を示す二本のグラフ(3)、(4)からなる。グラフ(1)、(2)は、それぞれ、窒素ガスの流量を大きくした場合、小さくした場合の放電圧の変化に対応する。また、グラフ(3)、(4)は、それぞれ窒素ガスの流量を大きくした場合、小さくした場合のチャンバ101内の圧力の変化に対応する。左側、右側の縦軸は、それぞれ、放電電圧、チャンバ101内の圧力を示し、横軸は窒素ガスの流量比率を示している。
図2のグラフ(3)、(4)に示すように、窒素ガスの流量比率を増加させた場合に、チャンバ101内の圧力は、一端は、ほぼ一定値をとる傾向(安定傾向)を示すが、変曲点A(点A)を境に、単調に増加する傾向(増加傾向)へと移行する。グラフ(3)、(4)の比較によれば、放電電圧は窒素ガスの流量に依存しない。また、図2のグラフ(1)、(2)に示すように、窒素ガスの流量比率を増加させた場合に、放電電圧は、一端は、減少傾向を示すが、変曲点(点B)を境に、安定傾向へと移行する。グラフ(1)、(2)の比較によれば、放電電圧は窒素ガスの流量に依存しない。ここで、窒素ガスの流量比率が、点Aと点Bとの間にある場合の状態を、遷移モードTとして定義することができる。


図3(a)〜(d)は、室温にて、それぞれ、不活性ガスの流量に対する窒素ガスの流量比率を変えた場合に形成されるAlN膜の表面を、SEM画像を用いて示したものである。図3(b)は、窒素ガスの流量比率が、図2を用いて定義した遷移モードTとなる場合に形成される、AlN膜の表面の形状を示したSEM画像である。図3(b)によれば、遷移モードTのAlN膜は、表面モフォロジーが平滑(平坦)な構造であるとともに、内部には欠陥が存在しない、均質な構造となっている。
一方、図3(a)は、窒素ガスの流量比率が、遷移モードTより低い場合に形成される、AlN膜の形状を示したSEM画像である。図3(a)によれば、AlN膜の表面は、凸部を有する構造となっている。
また、図3(c)、(d)は、窒素ガスの流量比率が、遷移モードTより高い場合に形成される、AlN膜の表面の形状を示したSEM画像である。図3(c)、(d)によれば、AlN膜の表面が平坦であるとともに、内部が複数の柱状体による構造となっている。
図4(a)〜(d)は、それぞれ、不活性ガスの流量に対する窒素ガスの流量比率を変えた場合に、形成されるAlN膜の表面の凹凸を示した、AFM画像(左側)およびAFM画像の特定位置αにおける断面形状を示すグラフ(右側)である。いずれのAFM画像も、1.0[μm]四方の領域を20万倍に拡大して示したものである。
図4(b)は、スパッタリング処理用のプロセスガスを構成する、不活性ガス(アルゴンガス)と窒素ガスとの流量の比率が100:15であって、遷移モードTである場合に形成される、ALN膜の表面状態を示している。図4(b)のグラフによれば、この場合のAlN膜の表面における、凹凸形状の変動幅は0.6[nm]以内であり、AlN膜の表面は、ほぼ平坦な形状となっている。
一方、図4(a)は、スパッタリング処理用のプロセスガスを構成する、不活性ガス(アルゴンガス)と窒素ガスとの流量の比率が100:5であって、窒素ガスの流量の比率が、遷移モードTよりも低い場合に形成される、AlN膜の表面状態を示している。図4(a)のグラフによれば、この場合のAlN膜の表面における凹凸形状は、12[nm]以内の大きい範囲で変動しており、AlN膜の表面は、最大で12[nm]の凸部を有する形状となっている。
また、図4(c)および(d)は、スパッタリング処理用のプロセスガスを構成する、不活性ガス(アルゴンガス)と窒素ガスとの流量の比率が、それぞれ100:35、100:100であって、窒素ガスの流量の比率が、遷移モードTよりも高い場合に形成される、AlN膜の表面状態を示している。図4(c)、(d)のグラフによれば、この場合のAlN膜の表面における凹凸形状は、それぞれ2.0[nm]、2.6[nm]以内の小さい範囲で変動しており、AlN膜の表面は、凹凸形状の変動がランダムに分布した状態となっている。
以上説明したように、第一実施形態に係る窒化アルミニウム膜の形成方法によれば、不活性ガスの流量に対する窒素ガスの流量の比率を制御することができる。そのため、窒素分子を所望の割合で含む窒化アルミニウム分子を生成し、スパッタリング法により、これを基体の一面(被処理面)に堆積させて、所望の膜質の窒化アルミニウム膜を形成することができる。特に、流量の比率が遷移モードTとなるように制御した場合に、図3(b)および図4(b)に示したような、表面が平坦であるとともに、内部が均質である状態とした、ハーマスクに適した窒化アルミニウム膜を形成することができる。
また、本発明に係る窒化アルミニウム膜の形成方法によれば、流量比率を、遷移モードTより低くなるように制御した場合に、図3(a)および図4(a)に示したような、表面に凸部を有する状態の窒化アルミニウム膜を形成することができる。
また、本発明に係る窒化アルミニウム膜の形成方法によれば、流量比率を、遷移モードTより高くなるように制御した場合に、図3(c)、(d)および図4(c)、(d)に示したような、表面が平坦であるとともに、内部が複数の柱状体で構成された状態の窒化アルミニウム膜を形成することができる。
図5は、スパッタリング処理に用いる、アルゴンガスの流量に対する窒素ガスの流量比率と、スパッタリング処理により形成された、AlN膜の内部応力(膜応力)と、の関係を示す2本のグラフ(1)、(2)からなる。図5のグラフ(1)、(2)は、それぞれ、スパッタリング処理を行う際の放電パワーを大きくした場合、小さくした場合に、形成されるAlN膜の内部応力の変化に対応する。縦軸は膜応力(Stress Tensile)を示し、横軸は窒素ガスの流量比率を示している。
グラフ(1)に示すように、放電パワーが大きい場合、窒素ガスの流量比率を高くすることにより、膜応力は単調に増加する。また、グラフ(2)に示すように、放電パワーが小さい場合、窒素ガスの流量比率を高くすることにより、膜応力は、流量比率が遷移モードTより低い範囲においては増加し、流量比率が遷移モードTより高い範囲においては減少する。グラフ(1)、(2)の比較によれば、スパッタリング処理を行う際の放電パワーを小さくすることにより、膜応力を減少させることができる。膜応力の減少量は、窒素ガスの流量比率が遷移モードTにある場合において、最も小さくなる。すなわち、遷移モードTにおいて、膜応力は、放電パワーの変化に対して最も安定する傾向がある。
図6(a)〜(d)は、350[℃]にて、それぞれ、不活性ガスの流量に対する窒素ガスの流量比率を変えた場合に形成されるAlN膜の表面を、SEM画像を用いて示したものである。図6(b)は、窒素ガスの流量比率が、図2を用いて定義した遷移モードTとなる場合に形成される、AlN膜の表面の形状を示したSEM画像である。図6(b)によれば、遷移モードTのAlN膜は、表面モフォロジーが平滑(平坦)に近い構造であるとともに、内部には欠陥が少ない構造となっている。
一方、図6(a)は、窒素ガスの流量比率が、遷移モードTより低い場合に形成される、AlN膜の形状を示したSEM画像である。図6(a)によれば、AlN膜の表面は、凸部を有する構造となっている。
また、図6(c)、(d)は、窒素ガスの流量比率が、遷移モードTより高い場合に形成される、AlN膜の表面の形状を示したSEM画像である。図6(c)、(d)によれば、AlN膜の表面が平坦であるとともに、内部が複数の柱状体による構造となっている。図6(a)〜(d)を、それぞれ図3(a)〜(d)との比較することにより、成膜処理の温度を高めた場合、表面モフォロジーは平滑でなくなり、凸部が大きく生成される傾向があることが分かる。
図7(a)〜(d)は、それぞれ、不活性ガスの流量に対する窒素ガスの流量比率を変えた場合に、形成されるAlN膜の表面の凹凸を示した、AFM画像(左側)およびAFM画像の特定位置αにおける断面形状を示すグラフ(右側)である。いずれのAFM画像も、1.0[μm]四方の領域を20万倍に拡大して示したものである。
図7(b)は、スパッタリング処理用のプロセスガスを構成する、不活性ガス(アルゴンガス)と窒素ガスとの流量の比率が100:15であって、遷移モードTである場合に形成される、AlN膜の表面状態を示している。図7(b)のグラフによれば、この場合のAlN膜の表面の正常領域における、凹凸形状の変動幅は10[nm]以内であり、AlN膜の表面は、ほぼ平坦な形状となっている。
一方、図7(a)は、スパッタリング処理用のプロセスガスを構成する、不活性ガス(アルゴンガス)と窒素ガスとの流量の比率が100:5であって、窒素ガスの流量の比率が、遷移モードTよりも低い場合に形成される、AlN膜の表面状態を示している。図7(a)のグラフによれば、この場合のAlN膜の表面における凹凸形状は、64[nm]以内の大きい範囲で変動しており、AlN膜の表面は、最大で64[nm]の凸部を有する形状となっている。
また、図7(c)および(d)は、スパッタリング処理用のプロセスガスを構成する、不活性ガス(アルゴンガス)と窒素ガスとの流量の比率が、それぞれ100:35、100:100であって、窒素ガスの流量の比率が、遷移モードTよりも高い場合に形成される、AlN膜の表面状態を示している。図7(c)、(d)のグラフによれば、この場合のAlN膜の表面における凹凸形状は、それぞれ2.5[nm]、4.4[nm]以内の小さい範囲で変動しており、AlN膜の表面は、凹凸形状の変動がランダムに分布した状態となっている。
図7(a)〜(d)を、それぞれ図4(a)〜(d)との比較することにより、成膜処理の温度を高めた場合、表面モフォロジーは平滑でなくなり、凸部が大きく生成される傾向があることが分かる。したがって、表面が平坦であり、かつ内部が均質な窒化アルミニウム膜を、スパッタリング処理を行って形成する場合、処理温度を低く制御することが望ましい。
図8は、スパッタリング処理を行う際に用いる、不活性ガスの流量に対する窒素ガスの流量比率と、成膜時の放電電圧との関係を示す三本のグラフ(1)〜(3)および窒素ガスの流量比率と、チャンバ101内の圧力との関係を示す三本のグラフ(4)〜(6)からなる。グラフ(1)、(2)、(3)は、スパッタリング処理を行う際の放電パワーを、それぞれ4.2[kW]、8.5[kW]、12.5[kW]とした場合の放電圧の変化に対応する。また、グラフ(4)、(5)、(6)は、スパッタリング処理を行う際の放電パワーを、それぞれ4.2[kW]、8.5[kW]、12.5[kW]とした場合のチャンバ101内の圧力の変化に対応する。左側、右側の縦軸は、それぞれ、放電電圧、チャンバ101内の圧力を示し、横軸は窒素ガスの流量比率を示している。
図8のグラフ(4)〜(6)に示すように、窒素ガスの流量比率を増加させた場合に、チャンバ101内の圧力は、一端は、ほぼ一定値をとる傾向(安定傾向)を示すが、点A(A1、A2、A3)を境に、単調に増加する傾向(増加傾向)へと移行する。グラフ(4)、(5)、(6)の比較によれば、放電パワーを大きくすることにより、点Aは高くなる傾向にある。
また、図8のグラフ(1)〜(3)に示すように、窒素ガスの流量比率を増加させた場合に、放電電圧は、一端は、減少傾向を示すが、点B(B1、B2、B3)を境に、安定傾向へと移行する。グラフ(1)、(2)、(3)の比較によれば、放電パワーを大きくすることにより、点Bは高くなる傾向にある。
図2を用いて定義したように、窒素ガスの流量比率が、放電パワーの大きさごとに決まる、点Aと点Bとの間にある場合の状態を、遷移モードTとして定義することができる。図8のグラフによれば、遷移モードTは、スパッタリング処理を行う際の放電パワーを大きくすることにより、高い方向にシフトする傾向がある。
図2〜4を用いて説明したように、第一実施形態に係る窒化アルミニウム膜の形成方法によれば、不活性ガスの流量に対する窒素ガスの流量の比率を制御することができる。そのため、窒素分子を所望の割合で含む窒化アルミニウム分子を生成し、スパッタリング法により、これを基体の一面(被処理面)に堆積させて、所望の膜質の窒化アルミニウム膜を形成することができる。そして、図8に示したように、スパッタリング処理を行う際の放電パワーを変化させた場合においても、流量の比率が遷移モードTとなるように制御することができ、表面が平坦であるとともに、内部が均質である状態の窒化アルミニウム膜を形成することができる。
また、第一実施形態に係る窒化アルミニウム膜の形成方法によれば、放電パワーを変化させた場合においても、流量比率を、遷移モードTより低くなるように制御することができ、表面に凸部を有する状態の窒化アルミニウム膜を形成することができる。
また、第一実施形態に係る窒化アルミニウム膜の形成方法によれば、放電パワーを変化させた場合においても、流量比率を、遷移モードTより高くなるように制御することができ、表面が平坦であるとともに、内部が複数の柱状体で構成された状態の窒化アルミニウム膜を形成することができる。
本発明は、窒化アルミニウム膜を用いて、半導体装置等のデバイスを製造する場合に対し、広く適用することが出来る。
102・・・ターゲット、103・・・基体、103a・・・一面、T・・・遷移モード。

Claims (1)

  1. 基体の一面にスパッタリング法により窒化アルミニウム膜を形成する方法であって、
    前記窒化アルミニウム膜を形成する際に、アルミニウムからなるターゲットと、不活性ガスに窒素ガスを混合させてなるプロセスガスとを、少なくとも用い、
    前記不活性ガスの流量に対する前記窒素ガスの流量の比率が増えるにつれて、成膜時真空度が安定傾向から増加傾向へ移行する点A、および、成膜時電圧が減少傾向から安定傾向へ移行する点Bを決定する工程を行い、次いで、前記点Aと前記点Bとの間を遷移モード、と定義したとき、(1)前記遷移モードで成膜する、(2)前記遷移モードより低い、前記不活性ガスの流量に対する前記窒素ガスの流量の比率において成膜する、(3)前記遷移モードより高い、前記不活性ガスの流量に対する前記窒素ガスの流量の比率において成膜する、のうちの何れかを選択して成膜することを特徴とする窒化アルミニウム膜の形成方法。
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